JP2016044530A - 非常用防護装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 津波・高潮などの襲来が想定される特定地域を対象にして襲来に先立って始動される油圧シリンダや電動シリンダなどの直動式シリンダで昇降自在な防護堰を配備してなる非常用防護装置であって、前記防護堰は、垂直を含む前あるいは後傾斜式のピット内に堰端部同士が堰間密閉部材を介して水密式にして隣合う関係で複数枚列状に配備されて平時は上面が閉止された状態でピット内に納まり非常時には直動式シリンダにより地盤より高く上昇するようになっている。
【選択図】図3
Description
こうした非常用防護装置は、津波流の襲来を待ってしかもその津波流により発生する浮力を利用して防護柱を高く伸びるようにしてあるので、例えば、津波流とともに流れ来る船舶やコンテナ、家屋などの大型漂流物が防護柱などに先に乗り掛かってしまうと作動しにくくなるおそれがあり、緊急時での作動性に問題がある。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載されたものにおいて、堰間密閉部材は、防護堰の隣り合う端部同士のうちの一方にのみ取り付けられてその先端が相手端部に接触し閉止するようになっている。
図1ないし図7は本発明の一実施形態を示すもので、例えば、図1の上側が航空機が離着陸するための舗装路面である飛行場1で、図1の下側が飛行場1の海岸側の前地盤2を示す。こうした特定地域である飛行場1が海岸線から数十m前後から100m前後と比較的近くて津波(押し波)が同図のX方向から襲来してくることが想定されるような飛行場1がその対象として選択されている。
特定地域としては、例えば、船舶が停泊して人の乗り降りや荷役作業などが行われる岸壁を含む臨海スペースやコンテナ埠頭などがその対象として挙げられる。また、特定地域は、津波が襲来してくることが想定されるならば海岸線から数百mあるいは数km離れたところにあるスペースであってもよい。
ピット3は、内溝幅が2mで前後の各厚みを20cmとして外幅が2.4mとされるとともに溝深さ5.3mで上下厚み20cmとしてコンクリート底深さが5.5mとされ、そうしたコンクリート構造部分が図1おおび図2において左右に数十m伸びたものになっている。このピット3部分の長手方向には端壁部(図示省略)が設けられている。
斜材受部4は、ピット3の長い数十mの間において略10m置きに設けられ上側背部を介して飛行場1の側へT字をなして伸びるように一体形成されている。
一方、斜材受部4の溝底内には、上背フレーム8が固定されている。上背フレーム8と縦フレーム6の後側のものとは連結されている。
後側の縦フレーム6の上部ガイドローラ10より上側の位置には、樹脂充填部13を施工した水密受座12が基部を水密状にして取り付けられている。
尚、前後の縦フレーム6,6の列設された内側の対向面全体には、図示しないが内張板を張設して水が浸入しないようにすることがあり、その場合、前後の縦フレーム6,6の上端を含む図1の左右に長い範囲に亘って閉止するための前後閉止板15,16を設けることがある。
25は油圧シリンダで、テールを前記底フレーム7上に取り付ける一方ロッド端は前記堰蓋21に軸結合してある。この油圧シリンダ25は、1枚の可動堰17に対し一対配備され、そのシリンダ中心間隔は10mとされている。
30は斜材で、一端が堰側ブラケット27に回転自在に連結される一方、他端は通孔付きの自由端部30aとされて平時は図5のように上背フレーム8の後方上部に位置し、図6のように斜材30が立ち上がってくるに従って斜材ガイドレール31上に添いながら下部ブラケット28の方向に前進し図7のように斜材30が図7のように45°程度立ち上がることにより通孔がロック通孔28aに同芯状とされるようになっている。そして、下部ブラケット28の側方には油圧式ロック装置33が設けられてそのロック軸が通孔とロック通孔28aに通されることで斜材30がロック支持されるようになっている。32は排水管である。
直動式シリンダは電動シリンダその他の直動式シリンダでもよく、また、その駆動源としては商用電源の他にあとで述べる油圧駆動源としての蓄電機能を備えるソーラー発電装置によってもよいしエンジンを駆動源にしてもよい。シリンダ25の駆動源やポンプ、油圧回路などの作動系は図示を省略するが、例えば、この実施形態の場合、空港管制塔内に始動操作系統が設置される他、気象庁から発せられる一定規模以上の津波発生予告に対して自動的に制御回路を経て油圧シリンダ25がONするような構成を組み入れることもできる。
図5に待機(収納)時の状態を示すように、可動堰17は、油圧シリンダ25が全縮状態とされることで堰蓋21が地表レベルにくるまで低く下げられてピット3内に収納された状態とされている。この状態で前・後閉止板15,16や堰蓋21およびピットカバー22,22で上面が閉止状態とされるとともに前記内張板やピット防水ゴム23などによりピット3内への浸水が防止されるようになっている。
図7の状態では、自由端部30aの通孔が下部ブラケット28のロック通孔28aに合致しそこへ油圧式ロック装置33からのロック軸が進入することで斜材30の後退はロックされて可動堰17の突っ張り部材として機能するようになる。
前記端板b、bを図4に示すように斜め平行板状に対面させてその間に前記のような一方からの堰間密閉部材35を突設して構成してもよい。
また、図7に仮想線で示すように、可動堰17を津波Xの襲来してくる側へ前傾状にあるいは後傾状に昇降自在に構成することもできる。当然ながらピット3も前傾あるいは後傾溝状に形成し内部に前傾あるいは後傾式のシリンダ25を配置するものとする。
Claims (2)
- 津波・高潮などの襲来が想定される特定地域を対象にして襲来に先立って始動される油圧シリンダや電動シリンダなどの直動式シリンダで昇降自在な防護堰を配備してなる非常用防護装置であって、前記防護堰は、垂直を含む前あるいは後傾斜式のピット内に堰端部同士が堰間密閉部材を介して水密式にして隣合う関係で複数枚列状に配備されて平時は上面が閉止された状態でピット内に納まり非常時には直動式シリンダにより地盤より高く上昇するようになっている非常用防護装置。
- 請求項1に記載されたものにおいて、堰間密閉部材は、防護堰の隣り合う端部同士のうちの一方にのみ取り付けられてその先端が相手端部に接触し閉止するようになっている非常用防護装置。
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