JP3917912B2 - 堤体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、堤防に関する。
【0002】
【従来の技術】
河川には、氾濫を防ぐために護岸が設けられている。しかし、地球温暖化等に伴う水位上昇により、現在の沿岸および河川護岸では高さが足りず、越流する可能性がある。
しかし、護岸の嵩上げは景観を悪化させる。さらに、近年は自然との共生の動きが強く、自然に近い状態のまま越流を防ぐ要求もある。
特開平8−284139、特開平10−280357には、河川水位に伴って堤体が浮上し、河川護岸の越流を防ぐ構造が提案されている。
図5、図6に示したものは従来の構造の一例である。符号1は河川に沿って形成された護岸であり、2は護岸1の内部に設けられた貯水槽である。貯水槽2の内部には堤体5が挿入されており、河川の水位が上がって水が貯水槽2内に入り込むと、堤体5が浮力によって上昇し、図6のように護岸1の上部よりせり上がり、越流を防ぐようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の堤防では、氾濫が予想される全域の護岸に堤体を埋め込んでおく必要がある。このため工費が増大するとともに、全域に亘って護岸を中空にするため構造的に弱くなってしまうという問題があった。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、工費を抑え、かつ護岸の強度低下を防ぐことができる堤体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の堤体は、護岸の上に、該護岸の長手方向に沿って、支柱が間隔を隔てて複数配置され、これら支柱間に膜構造体が張られ、前記支柱は昇降することにより護岸中に収納可能であり、前記膜構造体は、その上端部が前記各支柱の上部に固定され、前記支柱を収納した状態では前記膜構造体の下部は護岸の外に位置することを特徴とする。
【0010】
この発明においては、支柱と、支柱間に張られた膜構造体により、膜構造体の高さまでの水位の水を支持することができる。支柱は固定式の他、着脱式や、通常は護岸の中に収納され、必要時に上昇させて使用することもできる。何れの場合でも、従来とは異なり護岸全体に堤体を埋め込んでおく必要はない。また、膜構造体を着脱式としても良い。
不使用時には支柱を護岸中に収納することで景観を悪化させない。使用時には支柱を地上に取り出すが、これは手動で行っても良いし、水位の上昇に伴う浮力、または、動力を用いて行う方式で行っても良い。
膜構造体の上端部だけが支柱に固定されているため、支柱を収納した状態では膜構造体の下部は護岸の外に位置し、支柱が地上に出た状態では膜構造体は支柱につり下がった状態で水圧を受けて越流を防止する。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の堤体において、護岸中に空洞が設けられ、該空洞中に、複数の浮体構成体により構成された浮体が設けられ、前記浮体構成体は、内部に他の浮体構成体が入れ子状に内蔵され、最も内部の前記浮体構成体に前記支柱が設けられていることを特徴とする。
【0012】
本発明の浮体では、支柱は浮体の浮力によって上昇する。そして、本発明の浮体は、流体が空洞内に流入すると順次浮体構成体が上昇し、支柱を大きなストロークで昇降させることができる。したがって、護岸中に設ける空洞の体積を小さくすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は不使用時、図2は使用時の堤体の斜視図である。また、図3は不使用時、図4は使用時の堤体の断面図である。
各図において、符号10は河川の護岸、11は護岸10の内部に設けられた格納槽(空洞)である。護岸10の河川側側部には、格納槽11に通じる導水路12が設けられている。また、格納槽11の上方には護岸10の上部に開口する開口部13が設けられている。
格納槽11内には、不使用時に浮体15および支柱16が収納されている。図3のように浮体15は複数の浮体構成体15a、15b、15cより構成され、浮体構成体15aの内部には浮体構成体15bが内蔵され、さらに浮体構成体15bの内部には浮体構成体15cが入れ子状に内蔵されている。そして、河川の水が格納槽11内に流入すると、順次浮体構成体15a、15b、15cが上昇し、支柱16を大きなストロークで昇降させることができるようになっている。
このような格納槽11,浮体15,支柱16は、護岸10の長手方向に沿って間隔をあけて複数設けられている。
また、各支柱16の上端部が、それぞれ膜構造体18の上端部と固定されている。
【0014】
図1に示した不使用時においては、支柱16は格納槽11内に収納されている。膜構造体18は、格納槽11の外に露出して護岸10の上に敷かれた状態となっている。
図2及び図4に示したように、増水時には導水路12を通じて河川の水が格納槽11に流入する。浮体15は浮力により延び、支柱16は開口部13から露出する。膜構造体18は、上端が支柱16の上端と固定されているから、支柱16が開口部13から延びると、膜構造体18は各支柱16間に張られた状態となる。
これにより、増水した河川の水の圧力が膜構造体18および支柱16によって支持され、越流が防止される。
また、格納槽11を護岸10の長手方向全体に亘って設ける必要がなく、支柱16の位置する個所に離散して設けているため、護岸10の構造を弱くしてしまうこともない。
また、浮体構成体15a、15b、15cが順次上昇するから、格納槽11の高さ以上に支柱16を上昇させることができる。したがって、格納槽11の体積を小さくすることができるため、護岸の強度低下を防止することができる。
【0015】
なお、以下の変形例としても良い。
支柱16を昇降自在とせず、護岸10に露出した状態で固定されていることとしても良い。また、護岸10から着脱自在とし、使用時に支柱16を護岸10に取り付けることとしても良い。
さらにまた、上記の例においては浮体15によって支柱16を露出させる構成としたが、電動等の動力源を用いて駆動させるようにしても良い。
【0016】
また、膜構造体18は、不使用時は別個に保管しておき、使用時に支柱16に取り付けるようにしても良い。
また、支柱16だけではなく、膜構造体18をも護岸10中に収納自在としてもよい。
さらにまた、膜構造体18は上端だけを支柱16に対して固定するのに限らず、支柱16全体を膜構造体18と固定しても良い。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては以下の効果を得ることができる。
請求項1に記載の発明によれば、支柱と、支柱間に張られた膜構造体で水圧を支持する。これにより護岸の長手方向全体に堤体を収納するための空洞を設ける必要がないため、工費を抑えることができ、護岸の強度低下も防ぐことができる。
不使用時には支柱を護岸中に収納することができるため、景観の悪化を防ぐことができる。
膜構造体の上端部だけが支柱に固定されているため、支柱を収納した状態では膜構造体の下部は護岸の外に位置し、支柱が地上に出た状態では膜構造体は支柱につり下がった状態で水圧を受けて越流を防止することができる。
請求項2に記載の発明によれば、浮体によって支柱を大きなストロークで昇降させることができる。したがって、護岸中に設ける空洞の体積を小さくすることができ、護岸の強度低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態として示した堤体の不使用時における斜視図である。
【図2】 同堤体の使用時における斜視図である。
【図3】 同堤体の不使用時における断面図である。
【図4】 同堤体の使用時における断面図である。
【図5】 従来の堤体を示した図であり、通常の状態の図である。
【図6】 従来の堤体を示した図であり、水位が上昇して堤体が護岸より上昇した状態の図である。
【符号の説明】
10 護岸
11 格納槽(空洞)
15 浮体
16 支柱
18 膜構造体
Claims (2)
- 護岸の上に、該護岸の長手方向に沿って、支柱が間隔を隔てて複数配置され、これら支柱間に膜構造体が張られ、前記支柱は昇降することにより護岸中に収納可能であり、前記膜構造体は、その上端部が前記各支柱の上部に固定され、前記支柱を収納した状態では前記膜構造体の下部は護岸の外に位置することを特徴とする堤体。
- 請求項1に記載の堤体において、
護岸中に空洞が設けられ、該空洞中に、複数の浮体構成体により構成された浮体が設けられ、前記浮体構成体は、内部に他の浮体構成体が入れ子状に内蔵され、最も内部の前記浮体構造体に前記支柱が設けられていることを特徴とする堤体。
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