JP2016044390A - 浸透システム - Google Patents

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Abstract

【課題】突発的な排水量の増加に対応しやすい浸透システムを提供する。
【解決手段】浸透システム1は、透水性の壁面13を備えた浸透部10と、浸透部10の上にコンクリート製のプレート20を介して積層された集水部30と、プレート20に設けられた開口21を覆うように設けられた多孔性のフィルタ50とを有する。フィルタ50は、プレート20に対し上方に立ち上がった多孔性の側壁部51と、多孔性の側壁部51の上を覆う多孔性の上壁部52であって多孔性の側壁部51の合計面積よりも大きな面積の多孔性の上壁部52とを含み、プレート20の多孔性の側壁部51の周囲にごみ溜め領域を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、雨水などを地下に浸透するシステムに関するものである。
本願の出願人は、特許文献1において、雨水などの排水を地下浸透するのに適した浸透システムを開示している。この浸透システムは、コンクリート製の周壁の一部が透水性を有する下部構造体と、一部に開口部を備え、下部構造体の周壁の上に搭載されたコンクリート製の板状部材であって、開口部を除いた部分が非透水性の中間床を形成する板状部材と、水導入口が設けられ、非透水性のコンクリート製の周壁を備える上部構造体であって、板状部材の上に、この上部構造体の周壁が搭載された、上部構造体とを含み、水導入口から導入された排水が、板状部材と上部構造体とにより形成された空間の一部および中間床の一部を通り、開口部を介して下部構造体の内部に至る流路が形成され、流路の途中に、網状部材が設けられている。
特開2008−285927号公報
上記の浸透システムは、中間床の上側をメンテナンススペースとごみおよび土砂を溜めるための空間として利用できる。近年、降雨量が瞬間的に急増する現象が頻発している。したがって、浸透部分の能力を維持するとともに、流入量が増大したときに、より確実に対応できる浸透システムが求められている。
本発明の一態様は、透水性の壁面を備えた浸透部と、浸透部の上にコンクリート製のプレートを介して積層された集水部と、プレートに設けられた開口を覆うように設けられた多孔性のフィルタとを有する浸透システムである。フィルタは、プレートに対し上方に立ち上がった多孔性の側壁部と、多孔性の側壁部の上を覆う多孔性の上壁部であって多孔性の側壁部の合計面積よりも大きな面積の多孔性の上壁部とを含み、プレートの多孔性の側壁部の周囲にごみ溜め領域が形成される。
この浸透システムのフィルタは、浸透システムへの流入量(排水量)が通常の条件で想定した範囲に対応する多孔性の側壁部と、流入量が大幅に増加したときに対応する上壁部とを有し、少なくとも2段階の流入量に対応できる。上壁部は、平板状であってもよく、上側に凸のドーム状あるいはテーパー状になっていてもよく、多段階の流入量に対応できるものであってもよい。
側壁部は、プレートに対して上方に立ち上がることにより、フィルタの周囲のプレート上をごみ溜めのための領域として使用する。したがって、通常の使用時に流入する泥やごみに対してプレートの上をごみ溜めとして利用することにより、より多くのごみや泥をプレート上に溜め、浸透部への侵入を抑止できる。このため、浸透部の透水性能を容易に維持でき、流入量が瞬時に増加する緊急時に、より確実に対応できる。
特に、側壁部を多孔性の透水性として、通常は側壁部を介して排水を浸透部へ流すことにより、排水中の水に浮かぶ枯葉などのごみを側壁部でフィルタリングしてプレート上に溜めることができる。このため、上壁部が枯葉などにより覆われることを抑制でき、流入量が増加する緊急時に、大面積の上壁部を通して大量の排水を浸透部へ排出できる。また、通常時において流入量が想定外に増加して水位が側壁部を超えることがあっても、水位が側壁部を超えたとたんに上壁部により開口面積が急激に増大する。このため、通常使用時に水位が上壁部を覆うようなケースは稀であり、上壁部が枯葉などにより覆われることを抑制できる。
緊急時に流入量が大幅に増加し、集水部の水位が上昇して上壁部を超えると、大面積の上壁部を介して排水が浸透部へ流入する。このため、集水部から排水が溢れ出すことを抑制できる。また、大量の排水とともに流入する枯葉などのごみは、緊急時が過ぎ去るとフィルタにより集水部に蓄積され、浸透部への流入を抑制できる。このため、集水部に蓄積されたごみを取り除くことにより、緊急時に対する対応能力を容易に復旧できる。
多孔性の側壁部はプレートから不透水性の側壁部を介して立ち上がっていることが望ましい。不透水性の側壁部が乗り越え関となるので、泥などの沈下性の異物をプレート上に溜めることができる。また、枯葉などの浮遊性のごみは多孔性の側壁部によりプレート上に溜めることができる。
プレートは作業員を集水部内に保持する強度を有することが望ましい。フィルタのメンテナンスおよびフィルタの周辺に蓄積されるごみや泥の排除が容易になる。さらに、開口は作業員が出入りするサイズを有することが望ましい。フィルタが設置される開口を浸透部のメンテナンス用に利用できる。浸透部に侵入した泥などを回収するために水中ポンプを使う方法であれば、開口は水中ポンプまたは水中ポンプに接続されるホースを浸透部に投入できるサイズであれば良い。また、プレートに設けられる開口は1つに限らず、複数であってもよい。
開口は、プレートの中心に設けられていてもよい。開口を偏心した位置に設けてもよく、通常流入する排水がプレートを流れる距離を確保しやすく、泥をプレート上に回収するのに適している。
本発明の他の態様の1つは、透水性の壁面を備えた浸透部の上に、開口が設けられたコンクリート製のプレートを介して集水部が積層された浸透システムの開口を覆うように設置される多孔性のフィルタである。フィルタは、プレートに対し上方に立ち上がった多孔性の側壁部と、多孔性の側壁部の上を覆う多孔性の上壁部であって多孔性の側壁部の合計面積よりも大きな面積の多孔性の上壁部とを有する。中間床などの開口付のプレートを含む浸透システムの開口にこのフィルタを設置することにより、上記のような効果が得られる。プレートは単独の板材であってもよく、浸透部の上部と一体となった浸透部の上壁であってもよく、集水部の下部と一体となった集水部の底壁であってもよい。フィルタは、多孔性の側壁部の下側に不透水性の側壁部を有していてもよい。
浸透システムの構成を示す断面図。 プレートを上から見た状態を示す断面図。 フィルタの構成を示す図であり、図3(a)は左側面図、図3(b)は平面図、図3(c)は正面図。 計画値の排水が集水部に流入した状態を示す断面図。 フィルタの近傍を拡大して示す断面図。 大量の排水が集水部に流入した状態を示す断面図。
図1に浸透システムの一例を、断面図を用いて示している。この浸透システム1は、透水性の壁面13を備えた浸透部10と、浸透部10の上にコンクリート製のプレート20を介して積層された集水部30と、プレート20に設けられた開口21を覆うように設けられた多孔性のフィルタ50とを有する。
浸透システム1は、道路や駐車場、宅地などの地中90に埋設される。下部の浸透部10の周囲には単粒度の砕石の層91が形成される。集水部30の周囲には埋め戻された土砂の層92が形成される。側溝99や雨樋などの集水システムと接続された排水管95により導かれた雨水などの排水81は、排水導入口85を介して上部の集水部30の内部S2に受け入れられる。排水81は、プレート20の上を通り、プレート20の開口21を介して下部の浸透部10の内部S1に流下する(移動する)。浸透部10の内部S1は、排水81を貯留する空間および/または浸透するための空間として機能し、排水81は透水性の壁面13を介して地中90に浸透する。
浸透部(浸透桝、浸透槽)10は、コンクリート製の底壁(底版)11と、底壁11の上に上下方向に積み重ねられた透水性の壁面13を備えた複数のコンクリート製のブロック12とを含む。底壁11は、工場においてプレハブ(プレキャスト)されたコンクリート版(コンクリート製の板状部材)であり、ほぼ中央を貫通する平面視円形状の開口部11aを備えている。底壁11のサイズの一例は、平面視が約1400mm×1400mmの正方形で、厚さが約100mmであり、開口部11aのサイズの一例は、直径が約900mmである。
透水性のブロック12は、工場においてプレハブされた中空のコンクリート桝(上壁および底壁が設けられていない桝)であり、上下方向に連通する空間S1を形成する四角筒状の壁面(周壁、側壁)13と、壁面13を貫通する複数の貫通孔14とを含む。ブロック12のサイズの一例は、平面視が約1400mm×1400mmの正方形で、高さが約1000mmであり、壁厚が約100mmである。ブロック12の内部に形成される空間S1は、平面視が約1200mm×1200mmである。この浸透システム1においては3つのブロック12が積み重ねられ、内部に高さ3000mmの空間S1が形成されている。ブロック12のサイズは一例であり、内寸が1200mm以上であってもよく、1200以下であってもよい。さらに、ブロック12は断面が円形であってもよく、四角形以外の多角形であってもよい。また、浸透部10を構成するブロック12は1段または2段であってもよく、さらに4段以上が積み重ねられていてもよい。
壁面13を貫通する貫通孔14は、ブロック12の内部から見ると、横幅が20mm程度で上下方向に長い長方形状であり、左右両側および下側の面が内側から外側に向けて広がる形状となっている。貫通孔14は、壁面13の外側に埋め戻される砕石91が通過しない、あるいは通過しにくい大きさとなっている。複数の貫通孔14は、四方の各壁面13に上下方向(縦方向)に4段、左右方向(横方向、前後方向)に6列(4×6)の24個が配列されている。
浸透部10は、壁面13の少なくとも一部が透水性の領域であればよく、プレハブされたブロック12を積み重ねたものであって、現場で施工されたものであってもよい。透水性の壁面13は、上記のような貫通孔14を含むものであってもよく、ポーラスコンクリートで形成されたものであってもよい。また、貫通孔14の形状は上記に限定されず、円形の断面を有するものであってもよく、断面が2段あるいは多段に変形したものであってもよい。透水性の壁面13は、内部の領域S1から水が壁面13の外側の地中90に浸透し、地中90の土砂が内部の領域S1に侵入しない、または侵入し難い構造であればよい。
浸透部10の上側に積層された集水部30は、コンクリート製のブロック32と、ブロック32の内部の空間S2と地上(地表)とを連通する出入口31とを備えている。ブロック32は、側壁33および上壁34が一体となってプレハブされた中空で断面が正方形のコンクリート桝であり、断面の寸法は浸透部10のブロック12と共通し、高さは800mm程度である。集水部30のブロック32のサイズも一例であり、1200mm角より小さくても大きくてもよく、また、断面は円形でも4角形以外の多角形であってもよい。集水部30は、プレート20を介して浸透部10に積み重ねられているので、断面の寸法は浸透部10と同じでなく、浸透部10よりも小さくてもよい。しかしながら、この浸透システム1においては、以下で説明するように、プレート20の上をごみや泥を蓄積するスペースとして利用するので、蓄積能力を確保する点では浸透部10と共通するサイズであることが望ましい。
上壁部34に設けられた出入口31は一方の壁33に近接した、偏心した位置に配置されている。出入口31のサイズの一例は直径が約600mmである。出入口31は、作業員が出入りでき、さらに交換用のフィルタ50を集水部30の内部に持ち込める寸法であればよい。出入口31は、鋳鉄製の蓋31aなどにより通常は封鎖される。
集水部30と浸透部10とに挟まれ、浸透部10の領域S1と集水部30の領域S2とを区切るプレート20は、コンクリート製の中間床(中間スラブ)である。プレート20を上方から見た様子を図2に示す。プレート20はプレハブされたコンクリート版であり、平面視が約1400mm×1400mmの正方形で、厚さが約100mmである。この寸法は例示であり、集水部30と浸透部10とを区切り、集水部30から排水81がプレート20に設けられた開口21を介して浸透部10に流れ込むようになっていればよい。また、プレート20は作業員がプレート20の上に載って作業ができる程度の強度を備えていることが望ましい。プレート20自身は、非透水性(遮水性)であってもよく、ポーラスコンクリートを用いた透水性であってもよい。プレート20が透水性の場合は、プレート自身がフィルタリング機能を備えたものであることが望ましい。
プレート20の偏心した位置に開口21が設けられている。開口21は、プレート20の中心から集水部30または浸透部10の4方のうちの一方の壁面33および13に近づいて配置されている。開口21のサイズの一例は平面視が約600mm×600mmの正方形である。開口21は、作業員が通ることができる程度の大きさであることが好ましい。開口21を介して浸透部10の泥水を回収する作業は、作業員が浸透部10の内部に入る代わりに、ポンプを投げ込んで行うことも可能である。この場合、開口21はさらに小さいものであってよい。また、この開口21の面積は緊急時の排水量を勘案して決められる。開口21のサイズはたとえば、300mm角〜800mm角であるが、浸透部10のサイズに応じてさらに大きくしたり小さくしたりすることができる。
プレート20の開口21を覆うフィルタ50は、プレート20に対し上方に立ち上がった多孔性の側壁部(周壁部)51と、多孔性の側壁部51の上を覆う多孔性の上壁部(天井部、上壁)52と、多孔性の側壁部51の下側に配置された非透水性の側壁部(周壁部)53とを含む。フィルタ50は、2つに分割されており、個々のパーツ50aは、出入口31を通して出し入れしやすいサイズとなっている。
図3にフィルタ50を構成する一方のパーツ(以降では、パーツもフィルタと称する)50aをさらに詳しく示している。図3(a)は、フィルタ50aの側面図(左側面図、右側面図も共通する)であり、図3(b)は平面図である。フィルタ50aの底面図は平面図とは、取っ手59を除いて共通する。図3(c)は、フィルタ50aの正面図であり、フィルタ50aの背面図は正面図と共通である。
フィルタ50aは、長方形で2つのフィルタ50aを短手方向に並べることによりほぼ正方形のフィルタ50が構成される。フィルタ50aは、全体がワイヤーメッシュまたはエキスパンドメタルなどで構成された網状または多孔性の金属製、例えば、ステンレススチールまたは亜鉛メッキ鋼板などのフィルタである。多孔性の金属部分55は籠状(網籠状)に成形されており、多孔性の上壁部52と側壁部51とを構成する。側壁部51の下側の縁51aは金属製のフラットバー56で補強されており、フラットバー56の部分が非透水性の側壁部53を構成する。したがって、フィルタ50aの側壁54は、下側の非透水性の部分53と上側の透水性の部分51とを備えている。さらに、フィルタ50aの長手方向の両端はL型アングル57で補強されており、L型アングル57に取っ手59が取り付けられている。取っ手59は着脱可能であってもよく、上下に移動するタイプであってもよい。取っ手59が上下に移動して引っ込むタイプであるとメンテナンスの際に開口21にフィルタ50aを下に凸になるように設置して掃除したゴミを受ける籠として利用できる。
フィルタ50aの寸法の一例は、長手方向のサイズが600mm、短手方向のサイズが300mm、高さは多孔性の部分51が50mm、非透水性の部分53が40mm程度である。この寸法は例示であり、全ての方向のサイズが変わってもよい。2つのフィルタ50aにより構成されるフィルタ50の周囲の多孔性または網状の側壁部51の面積は1200cm2(60cm×4×5cm)であり、フィルタ50の上側の多孔性または網状の上壁部(上壁)52の面積は3600cm2(60cm×60cm)である。したがって、多孔性の上壁部52の面積FS2は、多孔性の側壁部51の面積FS1より大きく、ほぼ3倍となっている。
多孔性の上壁部52の面積FS2と多孔性の側壁部51の面積FS1との比は、1.5以上であることが望ましく、2以上であることが好ましく、2.5以上であることがさらに好ましく、3以上であることがいっそう好ましい。多孔性の側壁部51の面積FS1を確保するためには、多孔性の上壁部52の面積FS2と多孔性の側壁部51の面積FS1との比は20以下であることが望ましく、10以下であることがさらに望ましく、5以下であることがいっそう望ましい。
フィルタ50aは、プレート20にインサートやボルトを用いて着脱できるように固定されていてもよく、プレート20の開口21の周囲にフィルタ50aが移動しにくいように設置される凹みが設けられていてもよい。本例のフィルタ50は、2つのパーツ50aに分割して着脱できるようになっているが、1つのパーツから構成されていてもよく、3つ以上のパーツに分解できるように構成されていてもよい。フィルタ50を複数のパーツ50aで構成することにより、多孔性の側壁部51の面積を増やすことができ、排水効率を向上しやすい。
図4に、集水部30に排水導入口85を介して排水81が集水または取水された状態を示している。排水81は、プレート20の上を流れ、フィルタ50に達する。その過程で、泥83や砂利などの沈下性の異物はプレート20の上25に沈殿して蓄積される。また、枯葉84などの浮遊性の異物は、フィルタ50の側壁54の多孔性の側壁部51を排水81が通過する際にフィルタ50でせき止められ、プレート20の上に蓄積される。したがって、プレート20の表面(上面)25のフィルタ50の側壁54の周囲にごみ溜め領域89が形成される。
図5に、フィルタ50の近傍を拡大して示している。フィルタ50は、プレート20の開口21の周囲に形成された凹みあるいは段差26にフィルタ50の強度部材であるフラットバー56が嵌り、プレート20の上に固定される。浸透システム1においては、集水部30に流入する排水81の量が年間雨量などから予想されている量(計画値)であれば、排水81のレベル(水位)81aはフィルタ50の側壁54の高さの範囲内で収まるように設計されている。フィルタ50の側壁54は下側が非透水部53となり上側が透水部51となっているので、下側の非透水部53は乗り越え関として機能する。したがって、泥83などの沈下性の異物は、排水81が流れてくるプレート20の上25のフィルタ50の周囲のごみ溜め領域89に蓄積される。
枯葉84などの浮遊性のゴミ(異物)は、フィルタ50の側壁54の上側の多孔性の透水性の側壁部51がフィルタとなり、排水81が流れてくるプレート20の上25のフィルタ50の周囲のごみ溜め領域89に蓄積される。通常の夕立や梅雨の際に集水部30に流入する排水81の量が増加すると条件によっては水位が上昇し、レベル(水位)81bが上昇し、側壁54を超える可能性がある。この場合、水位81bが側壁54を超えると、排水81は、多孔性の側壁部51に加えて、多孔性の上壁52の側壁54の側の一部を介して排水81は開口21を通って浸透部10に流入する。多孔性の上壁52の面積FS2は、多孔性の側壁部51の面積FS1の3倍程度となっているので、水位81bが若干上がるだけでフィルタ50の排水81の透過面積は大幅に増加する。したがって、集水部30に流入する排水81の量が計画値を若干オーバーする程度ではフィルタ50の多孔性の側壁部51で処理され、フィルタ50の多孔性の上壁52が水没することは少ない。
プレート20の上25のフィルタ50の周囲の面積はフィルタ50の数倍になる。このため、フィルタ50で蓄積するよりも大量の沈下性および浮遊性のゴミを、フィルタ50の周囲のごみ溜め領域89に蓄積できる。したがって、フィルタ50が通常あるいは日常的な使用によりゴミで詰まるような事態を抑制できる。フィルタ50が枯葉84などのゴミを除去するために使用され、枯葉84が蓄積してフィルタ50の開口面積が減ったとしても、それは多孔性の側壁部51に限定され、より開口面積の大きなフィルタ50の上壁52がゴミにより目詰まりすることを抑制できる。
図6に、流入する排水81の量が突発的に増加した状態を示している。近年、ゲリラ豪雨などと称されるように、短時間に大量の降雨があり、それが浸透システム1に流入することが考えられる。このような場合は、集水部30における排水81の量がフィルタ50の多孔性の側壁部51では処理できず水位が上昇すると、フィルタ50が水没し、フィルタ50の開口面積の大きな上壁52を用いて排水81を処理できる。フィルタ50の上壁52は通常の使用では枯葉84などにより目詰まりしている可能性は小さい。このため、突発的に排水81の流入量が増加したとしても、この浸透システム1においては、フィルタ50の上壁52を排水81が通過することにより浸透部10へ排水81を排出できる。したがって、集水部30が排水81で溢れたり、集水部30から地表または排水路99へ排水81が逆流するような事態を防止できる。
排水81が大量に流入した際に、プレート20の上25のフィルタ50の周囲のごみ溜め領域89に蓄積した枯葉84などの浮遊物が上昇した水位81cと共に浮遊する可能性がある。枯葉84などが水面に浮遊している間は、フィルタ50の目詰まり要因になる可能性は小さく、大量に流入した排水81を、フィルタ50を介して浸透部10に放出できる。排水81の流入量が減少すると水位81cが低下するが、その際、枯葉84などの浮遊物はフィルタ50の多孔性の上壁52および側壁51により集められ(止められ)、浸透部10へ枯葉84などのゴミが流入することを防止できる。
ごみを集めるフィルタとして下側に凸の、すなわち、上側が凹んだ網籠を用いることができる。このようなフィルタはフィルタ自身でごみを保持および蓄積するのでごみ溜めの容量が非常に小さく、通常の使用でフィルタが詰まりやすい。さらに、いったんフィルタが詰まると、その上から排水が入るだけになるので、フィルタの目詰まりが解消せず、大量の排水が集水部30に流入すると、排水81が溢れたり、逆流したりする要因となる。
フィルタが目詰まりの状態であっても排水81が浸透部10に流れるように、下に凸となったフィルタの上側に目詰まりしない程度の大きな穴を設けておくことができる。このようなフィルタでは、フィルタが目詰まりしたときに、ゴミはフィルタで除去できず、全て浸透部10に流入し、浸透部10の目詰まりの要因となる。したがって、プレート20の開口21を使って浸透部10の清掃を繰り返す必要が発生する。
本例の浸透システム1においては、フィルタ50でゴミを蓄積する代わりに、フィルタ50の周囲のプレート20の表面25をゴミ貯め用の領域89として利用できる。このため、大量のゴミを、フィルタ50が目詰まりしにくい状態で除去および蓄積できる。したがって、浸透システム1のメンテナンスの頻度を減らすことができるとともに突然の豪雨などの緊急事態に対処できる。さらに、排水81の流入量が増加したときに、フィルタ50の目詰まりし難く、面積の大きな上壁部52を介して排水81を浸透部10に排出でき、排水81が溢れたり逆流することを抑制できる。また、大量の排水81を浸透部10に排出する際も、多孔性の上壁部52を介して排出するので、枯葉84などのゴミが浸透部10に侵入することを防止でき、浸透部10の性能を維持できる。
プレート20および/またはフィルタ50に蓄積されたゴミは、出入口31から作業員がプレート20の上に降りて外に排出することができる。また、フィルタ50は出入口31を介して交換することも可能である。コンクリート製のプレート20は作業員を集水部30の内部の空間S2に保持するために十分な強度を備えている。さらに、プレート20を中間フロアとして利用し、プレート20に設けられた開口21を介して作業員が浸透部10に入って浸透部10の内部の空間S1をメンテナンスすることも可能である。開口21は、浸透部10の壁面12に設けられる梯子(ラダー)にアクセスするために一方の壁面12に片寄った位置に設けられていることが望ましい。また、開口21がプレート20の偏心した位置であって、排水口85から遠い位置にあると、排水81がプレート20の上25を流れる距離を確保できるので泥83などの沈下するゴミをプレート20の上25に堆積させて排除しやすい。プレート20はコンクリート製でなくてもよいが、コンクリート製と同等の強度を備えているものであることが望ましい。
なお、上記で説明したフィルタ50は、上壁52がほぼ平らで、プレート20から上に凸の方形であるが、上壁52はドーム状に上に凸に湾曲していてもよく、フィルタ50は側壁54が円筒あるいはリング状であってもよい。また、フィルタ50の側壁54は5角形以上の多角形であってもよく、プレート20に設けられた開口21を覆うことができる形状であればよい。
1 浸透システム、 10 浸透部、 20 プレート、 30 集水部
50 フィルタ、 51 多孔性の側壁部、 52 多孔性の上壁部

Claims (7)

  1. 透水性の壁面を備えた浸透部と、
    前記浸透部の上にコンクリート製のプレートを介して積層された集水部と、
    前記プレートに設けられた開口を覆うように設けられた多孔性のフィルタとを有し、
    前記フィルタは、前記プレートに対し上方に立ち上がった多孔性の側壁部と、
    前記多孔性の側壁部の上を覆う多孔性の上壁部であって前記多孔性の側壁部の合計面積よりも大きな面積の多孔性の上壁部とを含み、
    前記プレートの前記多孔性の側壁部の周囲にごみ溜め領域が形成される浸透システム。
  2. 請求項1において、前記多孔性の側壁部は前記プレートから不透水性の側壁部を介して立ち上がっている、浸透システム。
  3. 請求項1または2において、前記プレートは作業員を前記集水部内に保持する強度を有する、浸透システム。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記開口は作業員が出入りするサイズを有する、浸透システム。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記開口は、偏心した位置に設けられている、浸透システム。
  6. 透水性の壁面を備えた浸透部の上に、開口が設けられたコンクリート製のプレートを介して集水部が積層された浸透システムの前記開口を覆うように設置される多孔性のフィルタであって、
    前記プレートに対し上方に立ち上がった多孔性の側壁部と、
    前記多孔性の側壁部の上を覆う多孔性の上壁部であって前記多孔性の側壁部の合計面積よりも大きな面積の多孔性の上壁部とを有するフィルタ。
  7. 請求項6において、前記多孔性の側壁部の下側に不透水性の側壁部を有する、フィルタ。
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