JP2016044376A - 紙コップの再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、紙コップから古紙パルプスラリーを効率的に製造する技術を提供することである。
【解決手段】本発明によって、紙コップを酸化剤とともに水中で撹拌して古紙パルプスラリーを得る工程を含む、紙コップから古紙パルプスラリーを調製する方法が提供される。本発明によって得られるパルプスラリーを用いて各種の紙を抄造することが可能である。
【選択図】なし
【解決手段】本発明によって、紙コップを酸化剤とともに水中で撹拌して古紙パルプスラリーを得る工程を含む、紙コップから古紙パルプスラリーを調製する方法が提供される。本発明によって得られるパルプスラリーを用いて各種の紙を抄造することが可能である。
【選択図】なし
Description
本発明は、紙コップの再生方法に関する。特に本発明は、紙コップから古紙パルプを得る方法、および、紙コップから得られた古紙パルプを用いて紙を製造する方法に関する。
紙コップを初めとする紙製の液体容器は、耐水性を付与するため、原紙に樹脂フィルムやワックスなどがラミネートまたは塗布されていたり、原紙自体が耐水化処理されていることが多く、再生処理することが困難であった。
しかし近年、環境を保全し、地球温暖化を防止するといったエコロジーの観点から、再生処理が難しい紙コップなどをリサイクルする技術の開発が望まれており、紙コップのリサイクルに関して、いくつかの技術が提案されてきた。
例えば、特許文献1および特許文献2では、紙コップを積み重ねて効率的に回収するための容器が提案されている。
また、特許文献3には、使用済み紙コップを再生処理するための装置が記載されており、当該装置によって紙コップを破砕し、破砕した紙コップを洗浄および脱水することが提案されている。
さらに、特許文献4では、紙コップに貼り合わせられた樹脂フィルムを剥がしてから、樹脂フィルムには親水化処理、原紙は叩解してパルプ化処理を行った上で、補助繊維を加えて抄紙することが提案されている。さらにまた、特許文献5では、樹脂フィルムの付着した熱融着性樹脂を分離除去せずに微粉砕して抄紙原料とすることが提案されている。
紙コップを初めとする紙製の液体容器は、原紙に樹脂フィルムやワックスなどがラミネートまたは塗布されていたり、原紙自体が耐水化処理されているため、紙コップを構成するパルプを水中に離解させることが大変難しいものであり、上記したような従来技術では、効率的に紙コップからパルプスラリーを得ることが困難であった。
このような状況に鑑み、本発明の課題は、紙コップから古紙パルプスラリーを効率的に得る技術を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、紙コップを酸化剤とともに水中でスラリー化すると、極めて効率的にパルプスラリーが得られることを見いだし、本発明を完成させた。
これに限定されるものではないが、本発明は、以下の態様を包含する。
(1) 紙コップおよび酸化剤を水中で撹拌して古紙パルプスラリーを得る工程を含む、紙コップから古紙パルプスラリーを調製する方法。
(2) 紙コップを裁断してから紙コップを水中で撹拌する、(1)に記載の方法。
(3) 5mm〜8cmの大きさの紙片に紙コップを裁断してから紙コップを水中で撹拌する、(1)または(2)に記載の方法。
(4) 前記紙コップが、ラミネート処理された紙コップを含む、(1)〜(3)に記載の方法。
(5) 前記酸化剤が、次亜塩素酸塩および/またはチオ硫酸塩を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6) 紙コップを裁断して5mm〜8cmの大きさの紙片を得る工程、得られた紙片および酸化剤を水中で撹拌して古紙パルプスラリーを得る工程、古紙パルプスラリーを用いて紙を抄造する工程、を含む、紙の製造方法。
(1) 紙コップおよび酸化剤を水中で撹拌して古紙パルプスラリーを得る工程を含む、紙コップから古紙パルプスラリーを調製する方法。
(2) 紙コップを裁断してから紙コップを水中で撹拌する、(1)に記載の方法。
(3) 5mm〜8cmの大きさの紙片に紙コップを裁断してから紙コップを水中で撹拌する、(1)または(2)に記載の方法。
(4) 前記紙コップが、ラミネート処理された紙コップを含む、(1)〜(3)に記載の方法。
(5) 前記酸化剤が、次亜塩素酸塩および/またはチオ硫酸塩を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6) 紙コップを裁断して5mm〜8cmの大きさの紙片を得る工程、得られた紙片および酸化剤を水中で撹拌して古紙パルプスラリーを得る工程、古紙パルプスラリーを用いて紙を抄造する工程、を含む、紙の製造方法。
本発明によれば、紙コップから効率的にパルプスラリーを得ることが可能であり、このパルプスラリーを用いて紙を抄造することもできる。本発明によれば、段ボールなどの板紙や緩衝材などのパルプモールドだけでなく、印刷用紙、包装用紙、衛生用紙などの紙を製造することも可能である。
本発明は、紙コップを原料としてパルプスラリーを効率的に調製する技術に関する。本発明の原料である紙コップとは紙製のコップであるが、内部に液体を収容できるように各種の加工が施されていてもよい。例えば、ラミネート加工されていたり、パラフィンワックスで加工されていてもよく、また、原紙自体が湿潤紙力増強剤によって耐水化されていてもよい。
本発明において紙コップの大きさは特に制限されないが、例えば、一つの態様において10ml〜1000ml程度の容量の紙コップであり、別の態様においては30〜700ml程度の容量の紙コップであり、また別の態様においては、50〜500ml程度の容量の紙コップである。
本発明で使用する紙コップは、ラミネートがされていてもいなくてもよく、ラミネートされている場合は、両面にラミネートされていても、片面にラミネートされていてもよい。本発明の好ましい態様においては、後述するように紙コップを裁断してから酸化剤を用いてスラリー化するため、裁断断面などから酸化剤や水が紙片に浸透しやすく、ラミネートされた紙コップを原料としても効率的にパルプスラリーを製造することが可能である。
一般に紙コップは、軽量で使用後そのまま捨てることが可能であり、値段も安価なため極めて広く利用されている。したがって、このような紙コップを原料としてパルプスラリーを効率的に製造することができれば、技術的にも環境的にも好ましい。本発明は、未使用の紙コップだけでなく、使用済みの紙コップに適用することができるため、ゴミ処理や環境保全の観点からも好ましいものである。
また、本発明で使用する紙コップは、原紙に耐水化処理がされているものであってもよい。一般に湿潤紙力増強剤などによって耐水化処理された紙は、水中に離解させることが困難であり、通常の離解処理では上手く離解できず、未離解紙片が生じやすい。そのため、未離解片がスクリーンなどに詰まって操業上のトラブルを生じさせたり、収率が低下してしまう。また、十分に離解されていないパルプ繊維の塊がパルプスラリーに残ってしまうと、それが紙に抄き込まれて紙面欠陥を生じさせることもある。しかしながら、本発明では、酸化剤を用いて紙コップ紙片を処理することによって、耐水化処理されている原紙から製造された紙コップを原料とした場合であっても、パルプスラリーを効率的に得ることに成功している。
本発明の紙コップにおいて耐水化処理の種類は特に制限されないが、例えば、尿素・ホルムアルデヒド、メラミン・ホルムアルデヒド、ポリアミド、ポリアミンによる処理が挙げられる。尿素やメラミンとホルムアルデヒドとが縮合してできる樹脂は、低pHではカチオン性であるため、セルロースのアニオン性部位に吸着する。そうすると、セルロースの親水性基(水酸基など)がブロックされるため、結果的に、紙に耐水性(耐湿性)を付与することができる。また、ポリアミド(ポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂)は、セルロースのカルボキシル基と反応してエステル結合を生じるため、紙に耐水性を付与することができる。
本発明においては、パルプスラリーを得るために原料として紙コップを使用するが、紙コップ以外のパルプ原料と合わせてパルプスラリーを製造することもできる。例えば、紙コップだけでなく牛乳パックなどの紙製液体容器を含む原料を用いて、パルプスラリーを製造することができる。また、紙コップに加えて、印刷用紙、包装用紙、衛生用紙、板紙などの各種古紙を含む原料に対して本発明を適用することができる。すなわち、本発明においては、例えば、紙コップと包装用紙とを含む古紙原料を酸化剤とともに水中で撹拌して古紙パルプスラリーを得ることができる。
本発明の好ましい態様においては、まず、紙コップを裁断することができる。このような裁断処理を行うことによって、紙表面からだけでなく、紙の断面から水や酸化剤が紙片に入り込むことができるため、効率的にパルプスラリーが得られる。裁断した後の紙片の大きさは、その後の工程でのハンドリングのしやすさや裁断の手間を考慮して、5mm〜8cmが好ましいが、7mm〜6cmがより好ましく、9mm〜4cmであってもよい。あまりに細かく裁断すると裁断自体に大きな労力と時間が必要となってしまう一方、裁断後の紙片が大きすぎると、紙片断面から液体が浸透しにくく、紙片をハンドリングすることも難しくなる。
裁断の方法は特に制限されず、一般に公知の方法によることができる。例えば、回転刃などの裁断刃によって紙コップを裁断してもよいし、紙コップをすりつぶすようにして紙片を得てもよい。
紙コップを裁断する装置は、特に制限されず、例えば、「廃棄物処理資源リサイクル」(環境管理設備事典編集委員会編、p269−272)に記載されている破砕機を用いることができる。具体的には、一軸型破砕機、二軸型破砕機、同軸心型破砕機、ハンマー型破砕機などの他、一軸型および二軸型破砕機を組み合わせた三軸型破砕機などを好適に使用することができる。
裁断後の紙片のサイズは、破砕機などに取り付けるスクリーンなどによって調整することも可能である。また、裁断工程を、ある程度の水分の存在下で行うことも可能であるが、固形分濃度が20.0%未満だと、水分を多く含むため、破砕機の刃が滑りやすく、十分な破砕ができないことがある。
本発明においては、裁断された紙片および酸化剤を水中で撹拌して古紙パルプスラリーを得る。本発明において使用する酸化剤は、特に制限されず、過酸化水素や過酢酸のように酸化能力を備えていればよい。好適な酸化剤としては、例えば、チオ硫酸塩および/または次亜塩素酸塩を挙げることができ、特に次亜塩素酸塩が好ましい。また、チオ硫酸塩や次亜塩素酸塩としてはナトリウム塩やカルシウム塩が特に好ましい。本発明においては、酸化剤よって耐水化剤(樹脂)が破壊されるため、耐水化剤(樹脂)でブロックされていたセルロースの親水基が表出し、パルプ繊維が水中に離解しやすくなるものと考えられる。酸化剤の添加量は特に制限されないが、好ましくは、パルプスラリーの固形分に対して0.1〜5%であり、より好ましくは0.2〜3%、さらに好ましくは0.3〜1.5%である。
また、本発明においては、スラリーのpHを8.5以下の領域にすると好ましい。酸性領域にすることによって、耐水化剤によるエステル結合を加水分解させることが可能である。また例えば、次亜塩素酸ナトリウムを酸化剤として用いる場合、酸性〜中性のpH領域での効果が高いため、このようなpH領域で離解すると好ましい。好ましい態様において、スラリーのpHは8以下であり、より好ましくは3〜7.5である。pHの調整は、適宜酸を添加するなどの方法によって行うことができる。酸を添加してpHを調整する場合、有機酸および無機酸(鉱酸)のいずれを用いてもよいが、少ない添加量でpHを低下させることができることから無機酸が好ましく、特に硫酸や硫酸バンドが好ましい。
紙片を水中に離解する際のスラリー濃度は特に制限されないが、例えば、5〜50%が好ましく、7〜40%がより好ましく、10〜30%程度であってもよい。
本発明においては、紙片を水中に離解させる際に界面活性剤などの浸透助剤を酸化剤と併用して添加してもよい。また、本発明の好ましい態様において、上記した酸化剤の他に、漂白剤や殺菌剤を添加してもよい。添加方法は特に制限されないが、例えば、裁断した紙コップを離解する際に添加することができる。
本発明において、裁断した紙コップを離解して水に分散させる装置としては、例えば、パルパーや撹拌装置を備えたチェスト、タンクなどが用いられる。好ましくは、離解能力の高いパルパーが用いられる。パルパーは、古紙の離解に使用するパルパーが好適であり、低濃度パルパーおよび高濃度パルパーのいずれも使用することができる。低濃度パルパーは、一般に固形分濃度3.0〜8.0%前後での離解、高濃度パルパーは、一般に固形分濃度8.0〜20.0%前後での離解に使用される。
また、ビニールなどの異物を効率良く取り除くために、低濃度および低中濃度パルパーでは、ロープラガーなどの異物回収装置を利用することができる。また、除去されたビニール片や不織布片は、ボイラーで焼却し、工程内の熱源として用いることもできる。その際に、そのままで用いてもよいし、乾燥機などを使用して、減容化してから用いてもよいし、さらに処理して、RPF化して用いてもよい。これらは、工程内での利用だけでなく、熱源として、販売することもできる。
また、本発明においては、紙コップを脱水、濃縮、洗浄する工程を実施してもよい。
さらに、本発明においては、上記のようにして紙コップから得られたパルプスラリーを用いて、紙を製造してもよい。すなわち、本発明においては、紙コップから得られたパルプスラリーを原料として、公知の方法によって種々の紙を製造することができる。抄造する紙の種類は特に制限されず、例えば、印刷用紙、包装用紙、衛生用紙、板紙などを製造することができる。また、抄造した紙を加工して、紙コップや牛乳パックなどの紙製の液体容器を製造することも可能である。
抄紙時には公知の製紙用薬剤を用いることができ、また、パルプとしても、紙コップ由来の古紙パルプ以外のパルプを併用することもできる。製紙用薬剤としては、サイズ剤、紙力増強剤、消泡剤、粘剤、バインダー、歩留剤などを挙げることができる。例えば、サイズ剤としては、ロジン系サイズ剤、ワックス系サイズ剤、澱粉系サイズ剤、合成樹脂系サイズ剤など、紙力増強剤としては、アクリルアマイド系、メラミン系など、消泡剤としては、有機系、フッ素系、シリコン系などの消泡剤を挙げることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例をあげてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断らない限り、本明細書において部および%は重量部および重量%を示し、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
実験1:紙コップを原料とするパルプスラリーの調製
約2.15トン(絶乾重量:約1.93トン)の紙コップを破砕処理し、約2cm角の大きさの紙片を得た。原料の紙コップは、片面ラミネート品(容量211ml、紙部分に耐水化処理あり、ラミネート部分の重量%:7%)と両面ラミネート品(容量600ml、紙部分に耐水化処理なし、ラミネート部分の重量%:35%)を50重量%ずつ混合したものを使用した。
約2.15トン(絶乾重量:約1.93トン)の紙コップを破砕処理し、約2cm角の大きさの紙片を得た。原料の紙コップは、片面ラミネート品(容量211ml、紙部分に耐水化処理あり、ラミネート部分の重量%:7%)と両面ラミネート品(容量600ml、紙部分に耐水化処理なし、ラミネート部分の重量%:35%)を50重量%ずつ混合したものを使用した。
固形分濃度が約15%になるように、得られた紙片および水を高濃度パルパーに投入した。酸化剤である次亜塩素酸ナトリウムを固形分に対して0.5%添加し、約2時間、撹拌して離解を行った(サンプル4)。
離解後、φ6mmのストレーナーを通して離解されていない塊を除去した。ストレーナーを通過しなかった粕(残渣)について、その絶乾重量を測定し、繊維分とそれ以外の成分の重量比も測定した。さらに、投入した紙コップの重量とストレーナーで除去された粕(残渣)の重量から、パルプスラリーにすることができた原料の割合を算出した。計算式は以下のとおりである。
・離解性=(投入原料−粕)/投入原料 ×100(%)
また、破砕処理および酸化剤添加の効果を確認するため、破砕処理を行わない場合(サンプル1・2)、酸化剤を添加しない場合(サンプル1・3)についても同様の実験を行った。
・離解性=(投入原料−粕)/投入原料 ×100(%)
また、破砕処理および酸化剤添加の効果を確認するため、破砕処理を行わない場合(サンプル1・2)、酸化剤を添加しない場合(サンプル1・3)についても同様の実験を行った。
下記の表から明らかなように、本発明の実施例であるサンプル4においては、極めて効率よく紙コップからパルプスラリーを得ることができた。
実験2:紙コップを原料とするパルプスラリーの調製(添加薬品の影響)
約0.2kgの紙コップを裁断し、約1cm角の大きさの紙片を得た。原料の紙コップは、片面ラミネート品(容量211ml、紙部分に耐水化処理あり、ラミネート部分の重量%:7%)または両面ラミネート品(容量600ml、紙部分に耐水化処理なし、ラミネート部分の重量%:35%)を使用した。
約0.2kgの紙コップを裁断し、約1cm角の大きさの紙片を得た。原料の紙コップは、片面ラミネート品(容量211ml、紙部分に耐水化処理あり、ラミネート部分の重量%:7%)または両面ラミネート品(容量600ml、紙部分に耐水化処理なし、ラミネート部分の重量%:35%)を使用した。
固形分濃度が約13%になるように、得られた紙片および水を高濃度パルパー(容量3Lに投入した。次亜塩素酸ナトリウムを初めとする各種薬品を固形分に対して0.3〜1.0%添加し、25℃にて15分から60分間、回転数400rpmという条件で離解し、下記の基準により離解性を評価した。
<使用した薬品>
・水酸化ナトリウム(苛性ソーダ):0.8%
・界面活性剤(DIA−Z100、日新化学研究所製脱墨剤):0.3%
・界面活性剤(T−15、日新化学研究所製吸水性向上剤):1.0%
・界面活性剤(YS−2、日新化学研究所製離解促進剤):0.3%
・酸化剤(次亜塩素酸ナトリウム):0.5%
・酸化剤(過酸化水素):2.0%
<離解性の評価>
高濃度パルパーで離解後の残渣について、目視で離解性を評価した。
・○:紙片の原形がなくなっている
・△:紙片の原形がやや残っている
・×:紙片の原形が残っている
評価結果を表2に示すが、酸化剤を使用することによって離解しやすくなり、効率的にパルプスラリーを得ることができた。また、図1に、離解前のサンプル(図1a)、60分間離解後のサンプル1(図1b)、60分間離解後のサンプル6(図1c)の写真を示す。
<使用した薬品>
・水酸化ナトリウム(苛性ソーダ):0.8%
・界面活性剤(DIA−Z100、日新化学研究所製脱墨剤):0.3%
・界面活性剤(T−15、日新化学研究所製吸水性向上剤):1.0%
・界面活性剤(YS−2、日新化学研究所製離解促進剤):0.3%
・酸化剤(次亜塩素酸ナトリウム):0.5%
・酸化剤(過酸化水素):2.0%
<離解性の評価>
高濃度パルパーで離解後の残渣について、目視で離解性を評価した。
・○:紙片の原形がなくなっている
・△:紙片の原形がやや残っている
・×:紙片の原形が残っている
評価結果を表2に示すが、酸化剤を使用することによって離解しやすくなり、効率的にパルプスラリーを得ることができた。また、図1に、離解前のサンプル(図1a)、60分間離解後のサンプル1(図1b)、60分間離解後のサンプル6(図1c)の写真を示す。
実験3:紙コップを原料とするパルプスラリーの調製(酸化剤添加量の影響)
酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムを用い、その添加量を0.3〜1.0%に変更した以外は、実験2と同様にして紙コップからパルプスラリーを調製した。原料の紙コップは、実験1および実験2と同じ片面ラミネート品(A社品:紙部分に耐水化処理あり、ラミネート部分の重量%:7%)を使用した。
酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムを用い、その添加量を0.3〜1.0%に変更した以外は、実験2と同様にして紙コップからパルプスラリーを調製した。原料の紙コップは、実験1および実験2と同じ片面ラミネート品(A社品:紙部分に耐水化処理あり、ラミネート部分の重量%:7%)を使用した。
15分間離解した時点での離解性を、実験1と同様にして評価した。結果を表3に示すが、本発明に従って酸化剤を使用したサンプルでは効率的にパルプスラリーを得ることができ、酸化剤の添加率が大きいと離解性(パルプスラリーにすることができた原料の割合)は向上した。
実験4:紙コップを原料とするパルプスラリーの調製(紙コップの種類の影響)
酸化剤として次亜塩素酸ナトリウム(添加量:0.5%)した以外は、実験2と同様にして種々の紙コップからパルプスラリーを調製した。使用した紙コップの種類は以下のとおりである。
<使用した紙コップ>
・片面ラミネート品(A社品:実験1および実験2と同じ、耐水化処理あり)
・両面ラミネート品(A社品:実験1および実験2と同じ、耐水化処理なし)
・片面ラミネート品(B社品:紙部分に耐水化処理なし)
・片面ラミネート品(C社品:紙部分に耐水化処理あり)
・片面ラミネート品(D社品:紙部分に耐水化処理あり)
・両面ラミネート品(D社品:紙部分に耐水化処理なし、外側は発泡ラミネート)
15分間および60分間離解した時点での離解性を、実験1と同様にして評価した。結果を表4に示すが、本発明に従って酸化剤を使用したサンプルでは効率的にパルプスラリーを得ることができ、酸化剤の添加率が大きいと離解性(パルプスラリーにすることができた原料の割合)は向上した。
酸化剤として次亜塩素酸ナトリウム(添加量:0.5%)した以外は、実験2と同様にして種々の紙コップからパルプスラリーを調製した。使用した紙コップの種類は以下のとおりである。
<使用した紙コップ>
・片面ラミネート品(A社品:実験1および実験2と同じ、耐水化処理あり)
・両面ラミネート品(A社品:実験1および実験2と同じ、耐水化処理なし)
・片面ラミネート品(B社品:紙部分に耐水化処理なし)
・片面ラミネート品(C社品:紙部分に耐水化処理あり)
・片面ラミネート品(D社品:紙部分に耐水化処理あり)
・両面ラミネート品(D社品:紙部分に耐水化処理なし、外側は発泡ラミネート)
15分間および60分間離解した時点での離解性を、実験1と同様にして評価した。結果を表4に示すが、本発明に従って酸化剤を使用したサンプルでは効率的にパルプスラリーを得ることができ、酸化剤の添加率が大きいと離解性(パルプスラリーにすることができた原料の割合)は向上した。
Claims (6)
- 紙コップおよび酸化剤を水中で撹拌して古紙パルプスラリーを得る工程を含む、紙コップから古紙パルプスラリーを調製する方法。
- 紙コップを裁断してから紙コップを水中で撹拌する、請求項1に記載の方法。
- 5mm〜8cmの大きさの紙片に紙コップを裁断してから紙コップを水中で撹拌する、請求項2に記載の方法。
- 前記紙コップが、ラミネート処理された紙コップを含む、請求項1〜3に記載の方法。
- 前記酸化剤が、次亜塩素酸塩および/またはチオ硫酸塩を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 紙コップを裁断して5mm〜8cmの大きさの紙片を得る工程、
得られた紙片および酸化剤を水中で撹拌して古紙パルプスラリーを得る工程、
古紙パルプスラリーを用いて紙を抄造する工程、
を含む、紙の製造方法。
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