JP2016044212A - 硬化性組成物、硬化物の製造方法、硬化膜の製造方法、硬化膜、タッチパネル及び表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】得られる硬化膜の屈折率と成膜性とを両立することができ、また、保存安定性に優れた硬化性組成物、上記硬化性組成物を硬化させた硬化物、上記硬化性組成物を硬化させた硬化膜及びその製造方法、並びに、上記硬化膜を有する有機EL表示装置、液晶表示装置、タッチパネル及びタッチパネル表示装置を提供すること。
【解決手段】成分Aとして加水分解縮合性チタン及び/又はジルコニウム化合物と、成分Bとして、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択される単官能メルカプト化合物、並びに、上記単官能メルカプト化合物と同一化合物あってもよいエチレン性不飽和化合物と、成分Cとして溶剤と、を含有することを特徴とする硬化性組成物。
【選択図】なし
【解決手段】成分Aとして加水分解縮合性チタン及び/又はジルコニウム化合物と、成分Bとして、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択される単官能メルカプト化合物、並びに、上記単官能メルカプト化合物と同一化合物あってもよいエチレン性不飽和化合物と、成分Cとして溶剤と、を含有することを特徴とする硬化性組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、硬化性組成物、硬化物の製造方法、硬化膜の製造方法、硬化膜、並びに、上記硬化膜を用いたタッチパネル、液晶表示装置、有機EL表示装置及びタッチパネル表示装置等の各種表示装置に関する。
近年、層間絶縁膜、保護膜、光取り出し層、スペーサー部材、マイクロレンズ部材などを形成するため、透明な硬化性組成物が使用されている。透明な硬化性組成物を使用して得られる硬化物は液晶表示装置や有機EL表示装置などの各種表示装置、タッチパネル、撮像装置、太陽電池等の多くの電子デバイスの部材として使用されている。
また、有機EL表示装置の光取り出し効率の更なる向上やタッチパネルのタッチ検出電極の骨見え防止などを目的として、透明な硬化性組成物の屈折率を調整することが知られている。
屈折率を調整した硬化性組成物としては、金属アルコキシドを用いた組成物が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、有機EL表示装置の光取り出し効率の更なる向上やタッチパネルのタッチ検出電極の骨見え防止などを目的として、透明な硬化性組成物の屈折率を調整することが知られている。
屈折率を調整した硬化性組成物としては、金属アルコキシドを用いた組成物が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
表示装置や撮像装置の製造の際、製造速度を向上させる目的で成膜工程(加熱工程)を高温で一度に処理することが求められている。特許文献1及び2に記載された組成物は、成膜性と保存安定性に不足があった。
本発明が解決しようとする課題は、得られる硬化膜の屈折率と成膜性とを両立することができ、また、保存安定性に優れた硬化性組成物、上記硬化性組成物を硬化させた硬化物、上記硬化性組成物を硬化させた硬化膜及びその製造方法、並びに、上記硬化膜を有する有機EL表示装置、液晶表示装置、タッチパネル及びタッチパネル表示装置を提供することである。
本発明が解決しようとする課題は、得られる硬化膜の屈折率と成膜性とを両立することができ、また、保存安定性に優れた硬化性組成物、上記硬化性組成物を硬化させた硬化物、上記硬化性組成物を硬化させた硬化膜及びその製造方法、並びに、上記硬化膜を有する有機EL表示装置、液晶表示装置、タッチパネル及びタッチパネル表示装置を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の<1>、<10>〜<12>、<15>〜<18>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<9>、<13>及び<14>と共に以下に記載する。
<1> 成分Aとして、下記a1及びa2よりなる群から選ばれた少なくとも1種と、成分Bとして、下記b1及びb2よりなる群から選ばれた少なくとも1種と、成分Cとして、溶剤と、を含有することを特徴とする硬化性組成物、
a1:アルコキシ基を有する、チタン化合物及び/又はジルコニウム化合物、
a2:チタン原子若しくはジルコニウム原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有する、チタノキサン、ジルコノキサン及び/又はチタノキサン−ジルコノキサン縮合物、
b1:分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択され、かつ、エチレン性不飽和基を有する化合物、
b2:分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択される化合物、並びに、エチレン性不飽和基を有する化合物。
<1> 成分Aとして、下記a1及びa2よりなる群から選ばれた少なくとも1種と、成分Bとして、下記b1及びb2よりなる群から選ばれた少なくとも1種と、成分Cとして、溶剤と、を含有することを特徴とする硬化性組成物、
a1:アルコキシ基を有する、チタン化合物及び/又はジルコニウム化合物、
a2:チタン原子若しくはジルコニウム原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有する、チタノキサン、ジルコノキサン及び/又はチタノキサン−ジルコノキサン縮合物、
b1:分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択され、かつ、エチレン性不飽和基を有する化合物、
b2:分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択される化合物、並びに、エチレン性不飽和基を有する化合物。
<2> 分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択され、かつ、エチレン性不飽和基を有する化合物、又は、分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択される化合物が、下記式I〜式Vのいずれかで表される化合物である、<1>に記載の硬化性組成物、
<3> 成分Dとして、光重合開始剤を含有する、<1>又は<2>に記載の硬化性組成物、
<4> 上記成分Dがオキシムエステル化合物である、<3>に記載の硬化性組成物、
<5> 上記a2が、アルコキシ基を有するチタン化合物、アルコキシ基を有するジルコニウム化合物及びハロゲノ基を有するチタン化合物及びハロゲノ基を有するジルコニウム化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種を、チタン原子及びジルコニウム原子の総モル量1.0モルに対して、0.5〜1.9倍モル当量の水により加水分解縮合させて得られるチタノキサン、ジルコノキサン及び/又はチタノキサン−ジルコノキサン縮合物である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の硬化性組成物、
<6> 成分Aが、上記a2を含む、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の硬化性組成物、
<7> 上記エチレン性不飽和基が、(メタ)アクリロイルオキシ基である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の硬化性組成物、
<8> 分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択され、かつ、エチレン性不飽和基を有する化合物、並びに、分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択される化合物の分子量が、75〜350である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の硬化性組成物、
<9> 成分Bが上記b2を含む、<1>〜<8>のいずれか1つに記載の硬化性組成物、
<10> 少なくとも工程a〜工程dをこの順で含む硬化物の製造方法、
工程a:<1>〜<9>のいずれか1つに記載の硬化性組成物を基板上に塗布する塗布工程
工程b:塗布された硬化性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
工程c:溶剤が除去された硬化性組成物を活性光線により露光する露光工程
工程d:露光された硬化性組成物を熱処理する熱処理工程
<4> 上記成分Dがオキシムエステル化合物である、<3>に記載の硬化性組成物、
<5> 上記a2が、アルコキシ基を有するチタン化合物、アルコキシ基を有するジルコニウム化合物及びハロゲノ基を有するチタン化合物及びハロゲノ基を有するジルコニウム化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種を、チタン原子及びジルコニウム原子の総モル量1.0モルに対して、0.5〜1.9倍モル当量の水により加水分解縮合させて得られるチタノキサン、ジルコノキサン及び/又はチタノキサン−ジルコノキサン縮合物である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の硬化性組成物、
<6> 成分Aが、上記a2を含む、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の硬化性組成物、
<7> 上記エチレン性不飽和基が、(メタ)アクリロイルオキシ基である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の硬化性組成物、
<8> 分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択され、かつ、エチレン性不飽和基を有する化合物、並びに、分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択される化合物の分子量が、75〜350である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の硬化性組成物、
<9> 成分Bが上記b2を含む、<1>〜<8>のいずれか1つに記載の硬化性組成物、
<10> 少なくとも工程a〜工程dをこの順で含む硬化物の製造方法、
工程a:<1>〜<9>のいずれか1つに記載の硬化性組成物を基板上に塗布する塗布工程
工程b:塗布された硬化性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
工程c:溶剤が除去された硬化性組成物を活性光線により露光する露光工程
工程d:露光された硬化性組成物を熱処理する熱処理工程
<11> 少なくとも工程1〜工程5をこの順で含む硬化膜の製造方法、
工程1:<1>〜<9>のいずれか1つに記載の硬化性組成物を基板上に塗布する塗布工程
工程2:塗布された硬化性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
工程3:溶剤が除去された硬化性組成物の少なくとも一部を活性光線により露光する露光工程
工程4:露光された硬化性組成物を水性現像液により現像する現像工程
工程5:現像された硬化性組成物を熱処理する熱処理工程
工程1:<1>〜<9>のいずれか1つに記載の硬化性組成物を基板上に塗布する塗布工程
工程2:塗布された硬化性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
工程3:溶剤が除去された硬化性組成物の少なくとも一部を活性光線により露光する露光工程
工程4:露光された硬化性組成物を水性現像液により現像する現像工程
工程5:現像された硬化性組成物を熱処理する熱処理工程
<12> <1>〜<9>のいずれか1つに記載の硬化性組成物を硬化してなる硬化膜、
<13> 層間絶縁膜又はオーバーコート膜である、<12>に記載の硬化膜、
<14> 波長550nmの光における屈折率が1.80〜2.10である、<12>又は<13>に記載の硬化膜、
<15> <12>〜<14>のいずれか1つに記載の硬化膜を有する液晶表示装置、
<16> <12>〜<14>のいずれか1つに記載の硬化膜を有する有機EL表示装置、
<17> <12>〜<14>のいずれか1つに記載の硬化膜を有するタッチパネル、
<18> <12>〜<14>のいずれか1つに記載の硬化膜を有するタッチパネル表示装置。
<13> 層間絶縁膜又はオーバーコート膜である、<12>に記載の硬化膜、
<14> 波長550nmの光における屈折率が1.80〜2.10である、<12>又は<13>に記載の硬化膜、
<15> <12>〜<14>のいずれか1つに記載の硬化膜を有する液晶表示装置、
<16> <12>〜<14>のいずれか1つに記載の硬化膜を有する有機EL表示装置、
<17> <12>〜<14>のいずれか1つに記載の硬化膜を有するタッチパネル、
<18> <12>〜<14>のいずれか1つに記載の硬化膜を有するタッチパネル表示装置。
本発明によれば、得られる硬化膜の屈折率と成膜性とを両立することができ、また、保存安定性に優れた硬化性組成物、上記硬化性組成物を硬化させた硬化物、上記硬化性組成物を硬化させた硬化膜及びその製造方法、並びに、上記硬化膜を有する有機EL表示装置、液晶表示装置、タッチパネル及びタッチパネル表示装置を提供することができた。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。また、本発明における有機EL素子とは、有機エレクトロルミネッセンス素子のことをいう。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
なお、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイル及びメタクリロイルを表す。
本発明において、「a1及びa2よりなる群から選ばれた少なくとも1種」等を、単に「成分A」等ともいう。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
なお、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイル及びメタクリロイルを表す。
本発明において、「a1及びa2よりなる群から選ばれた少なくとも1種」等を、単に「成分A」等ともいう。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本発明のチタノキサン、ジルコノキサン及びチタノキサン−ジルコノキサン縮合物における重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法(GPC)法にて測定される。
(硬化性組成物)
本発明の硬化性組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)は、成分Aとして、下記a1及びa2よりなる群から選ばれた少なくとも1種と、成分Bとして、下記b1及びb2よりなる群から選ばれた少なくとも1種と、成分Cとして、溶剤と、を含有することを特徴とする。
a1:アルコキシ基を有する、チタン化合物及び/又はジルコニウム化合物、
a2:チタン原子若しくはジルコニウム原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有する、チタノキサン、ジルコノキサン及び/又はチタノキサン−ジルコノキサン縮合物、
b1:分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択され、かつ、エチレン性不飽和基を有する化合物、
b2:分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択される化合物、並びに、エチレン性不飽和基を有する化合物。
本発明の硬化性組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)は、成分Aとして、下記a1及びa2よりなる群から選ばれた少なくとも1種と、成分Bとして、下記b1及びb2よりなる群から選ばれた少なくとも1種と、成分Cとして、溶剤と、を含有することを特徴とする。
a1:アルコキシ基を有する、チタン化合物及び/又はジルコニウム化合物、
a2:チタン原子若しくはジルコニウム原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有する、チタノキサン、ジルコノキサン及び/又はチタノキサン−ジルコノキサン縮合物、
b1:分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択され、かつ、エチレン性不飽和基を有する化合物、
b2:分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択される化合物、並びに、エチレン性不飽和基を有する化合物。
本発明者らは上記観点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、成分A〜成分Cを含有する硬化性組成物とすることにより、得られる硬化物の屈折率と成膜性とを両立することができ、また、保存安定性に優れることを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
成分Aのチタン原子及び/又はジルコニウム原子に成分Bのメルカプト基と、水酸基等とが配位することにより、硬化性組成物の均一性や成分Aの他の成分との相溶性が向上し、得られる硬化物の屈折率と成膜性とを両立することができ、また、保存安定性に優れると推定されるが、詳細な効果の発現機構については不明である。
成分Aのチタン原子及び/又はジルコニウム原子に成分Bのメルカプト基と、水酸基等とが配位することにより、硬化性組成物の均一性や成分Aの他の成分との相溶性が向上し、得られる硬化物の屈折率と成膜性とを両立することができ、また、保存安定性に優れると推定されるが、詳細な効果の発現機構については不明である。
本発明の硬化性組成物は、活性光線による重合後、得られた硬化膜等の硬化物を熱処理することにより、硬化物の強度がより高くなる組成物であることが好ましい。
また、本発明の硬化性組成物は、透明硬化物製造用硬化性組成物であることが好ましく、透明硬化膜製造用硬化性組成物であることがより好ましい。
更に、本発明の硬化性組成物は、得られる硬化物の波長550nmにおける屈折率が1.80以上である硬化性組成物であることがより好ましく、得られる硬化物の波長550nmにおける屈折率が1.83以上である硬化性組成物であることが更に好ましい。また、得られる硬化物の波長550nmにおける屈折率は、2.40以下であることが好ましく、2.30以下であることがより好ましく、2.20以下であることが更に好ましい。
また、本発明の硬化性組成物は、層間絶縁膜用又はオーバーコート膜用硬化性組成物として好適に用いることができる。
更に、本発明の硬化性組成物は、屈折率調整層用硬化性組成物として好適に用いることができる。
また、本発明の硬化性組成物は、透明硬化物製造用硬化性組成物であることが好ましく、透明硬化膜製造用硬化性組成物であることがより好ましい。
更に、本発明の硬化性組成物は、得られる硬化物の波長550nmにおける屈折率が1.80以上である硬化性組成物であることがより好ましく、得られる硬化物の波長550nmにおける屈折率が1.83以上である硬化性組成物であることが更に好ましい。また、得られる硬化物の波長550nmにおける屈折率は、2.40以下であることが好ましく、2.30以下であることがより好ましく、2.20以下であることが更に好ましい。
また、本発明の硬化性組成物は、層間絶縁膜用又はオーバーコート膜用硬化性組成物として好適に用いることができる。
更に、本発明の硬化性組成物は、屈折率調整層用硬化性組成物として好適に用いることができる。
成分A:a1及びa2よりなる群から選ばれた少なくとも1種
本発明の硬化性組成物は、成分Aとして、下記a1及びa2よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する。
a1:アルコキシ基を有する、チタン化合物及び/又はジルコニウム化合物、
a2:チタン原子若しくはジルコニウム原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有する、チタノキサン、ジルコノキサン及び/又はチタノキサン−ジルコノキサン縮合物。
また、当業者であればいうまでもないが、上記a1は、「アルコキシ基を有するチタン化合物及び/又はアルコキシ基を有するジルコニウム化合物」と同義であり、上記a2は、「ハロゲノ基を有するチタン化合物及び/又はハロゲノ基を有するジルコニウム化合物」と同義であり、上記a2は、「チタン原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有する、チタノキサン、ジルコニウム原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有するジルコノキサン、又は、チタン原子若しくはジルコニウム原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有するチタノキサン−ジルコノキサン縮合物」と同義である。
なお、成分Aは、ルチル型若しくはアナターゼ型のチタン粒子又はジルコニア粒子でないことは言うまでもない。
本発明の硬化性組成物は、成分Aとして、下記a1及びa2よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する。
a1:アルコキシ基を有する、チタン化合物及び/又はジルコニウム化合物、
a2:チタン原子若しくはジルコニウム原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有する、チタノキサン、ジルコノキサン及び/又はチタノキサン−ジルコノキサン縮合物。
また、当業者であればいうまでもないが、上記a1は、「アルコキシ基を有するチタン化合物及び/又はアルコキシ基を有するジルコニウム化合物」と同義であり、上記a2は、「ハロゲノ基を有するチタン化合物及び/又はハロゲノ基を有するジルコニウム化合物」と同義であり、上記a2は、「チタン原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有する、チタノキサン、ジルコニウム原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有するジルコノキサン、又は、チタン原子若しくはジルコニウム原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有するチタノキサン−ジルコノキサン縮合物」と同義である。
なお、成分Aは、ルチル型若しくはアナターゼ型のチタン粒子又はジルコニア粒子でないことは言うまでもない。
成分Aとしては、a1単独、a2単独、a1とa2との混合物のいずれでもよいが、組成物の保存安定性の観点から、a2単独、又は、a1とa2との混合物であることが好ましく、a2単独であることがより好ましい。
また、a1として、チタン化合物とジルコニウム化合物とを併用してもよい。
また、成分Aとしては、屈折率及び保存安定性の観点から、a2を少なくとも含むことが好ましい。
成分Aとしては、屈折率及び現像性の観点からは、チタン化合物及び/又はチタノキサンが好ましく、また、低温硬化性、硬化速度及び安定性の観点からは、ジルコニウム化合物及び/又はジルコノキサンが好ましい。
また、a1として、チタン化合物とジルコニウム化合物とを併用してもよい。
また、成分Aとしては、屈折率及び保存安定性の観点から、a2を少なくとも含むことが好ましい。
成分Aとしては、屈折率及び現像性の観点からは、チタン化合物及び/又はチタノキサンが好ましく、また、低温硬化性、硬化速度及び安定性の観点からは、ジルコニウム化合物及び/又はジルコノキサンが好ましい。
a1:アルコキシ基を有するチタン化合物及びアルコキシ基を有するジルコニウム化合物としては、チタンモノアルコキシド、チタンジアルコキシド、チタントリアルコキシド、チタンテトラアルコキシド、ジルコニウムモノアルコキシド、ジルコニウムジアルコキシド、ジルコニウムトリアルコキシド、及び、ジルコニウムテトラアルコキシドが挙げられるが、膜物性の観点から、チタンテトラアルコキシド、及び、ジルコニウムテトラアルコキシドが好ましく、チタンテトラアルコキシドがより好ましい。
なお、a1は、アルコキシ基を少なくとも1つ有していればよく、ハロゲノ基やアルキル基等の他の基を有していてもよい。
チタンテトラアルコキシドとしては、下記式a1−1で表されるチタンテトラアルコキシドであることが、膜物性の観点から好ましい。
また、ジルコニウムテトラアルコキシドとしては、下記式a1−2で表されるジルコニウムテトラアルコキシドであることが、膜物性の観点から好ましい。
なお、a1は、アルコキシ基を少なくとも1つ有していればよく、ハロゲノ基やアルキル基等の他の基を有していてもよい。
チタンテトラアルコキシドとしては、下記式a1−1で表されるチタンテトラアルコキシドであることが、膜物性の観点から好ましい。
また、ジルコニウムテトラアルコキシドとしては、下記式a1−2で表されるジルコニウムテトラアルコキシドであることが、膜物性の観点から好ましい。
式a1−1及び式a1−2中、R1〜R4はそれぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、又は、炭素数7〜18のアラルキル基を表す。
式a1−1及び式a1−2におけるR1〜R4はそれぞれ独立に、膜物性の観点から、炭素数1〜18のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜8のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜5のアルキル基であることが特に好ましい。
式a1−1で表されるチタンテトラアルコキシドとしては、以下の具体例に限定はされないが、例えば、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラn−プロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラn−ブトキシド、チタンテトライソブトキシド、チタンジイソプロポキシジn−ブトキシド、チタンジt−ブトキシジイソプロポキシド、チタンテトラt−ブトキシド、チタンテトライソオクチロキシド、チタンテトラステアリルアルコキシド等が挙げられる。
式a1−2で表されるジルコニウムテトラアルコキシドとしては、以下の具体例に限定はされないが、例えば、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラn−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラn−ブトキシド、ジルコニウムテトライソブトキシド、ジルコニウムジイソプロポキシジn−ブトキシド、ジルコニウムジt−ブトキシジイソプロポキシド、ジルコニウムテトラt−ブトキシド、ジルコニウムテトライソオクチロキシド、ジルコニウムテトラステアリルアルコキシド等が挙げられる。
これらは、1種単独又は2種類以上混合して用いることができる。
式a1−2で表されるジルコニウムテトラアルコキシドとしては、以下の具体例に限定はされないが、例えば、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラn−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラn−ブトキシド、ジルコニウムテトライソブトキシド、ジルコニウムジイソプロポキシジn−ブトキシド、ジルコニウムジt−ブトキシジイソプロポキシド、ジルコニウムテトラt−ブトキシド、ジルコニウムテトライソオクチロキシド、ジルコニウムテトラステアリルアルコキシド等が挙げられる。
これらは、1種単独又は2種類以上混合して用いることができる。
チタノキサンは、ポリチタノキサンとも称され、Ti−O−Ti結合を2以上有する化合物である。その製造方法としては、例えば、上記式a1−1で表されるチタンテトラアルコキシドを、水を用いて加水分解縮合させて得る方法が挙げられる。この他にも、チタンテトラクロライドなどのハロゲン化チタンを加水分解・縮合させてもよい。中でも合成の容易性から、チタンアルコキシド、チタンクロライドが好ましく、チタンアルコキシドがより好ましい。
ジルコノキサンは、ポリジルコノキサンとも称され、Zr−O−Zr結合を2以上有する化合物である。また、その製造方法としては、原料をジルコニウムアルコキシドやハロゲン化ジルコニウム等のジルコニウム化合物に変更する以外は、上記チタノキサンの製造方法と同様な方法が挙げられる。
チタノキサン−ジルコノキサン縮合物は、上記チタン化合物及び上記ジルコニウム化合物の両方を使用し、加水分解縮合した縮合物である。また、その製造方法としては、原料としてチタン化合物とジルコニウム化合物とを併用する以外は、上記製造方法と同様な方法が挙げられる。
ジルコノキサンは、ポリジルコノキサンとも称され、Zr−O−Zr結合を2以上有する化合物である。また、その製造方法としては、原料をジルコニウムアルコキシドやハロゲン化ジルコニウム等のジルコニウム化合物に変更する以外は、上記チタノキサンの製造方法と同様な方法が挙げられる。
チタノキサン−ジルコノキサン縮合物は、上記チタン化合物及び上記ジルコニウム化合物の両方を使用し、加水分解縮合した縮合物である。また、その製造方法としては、原料としてチタン化合物とジルコニウム化合物とを併用する以外は、上記製造方法と同様な方法が挙げられる。
上記a2は、アルコキシ基を有するチタン化合物、アルコキシ基を有するジルコニウム化合物、ハロゲノ基を有するチタン化合物及びハロゲノ基を有するジルコニウム化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種を、チタン原子及びジルコニウム原子の総モル量1.0モルに対して、0.5〜1.9倍モル当量の水により加水分解縮合させて得られるチタノキサン、ジルコノキサン及び/又はチタノキサン−ジルコノキサン縮合物であることが好ましく、アルコキシ基を有するチタン化合物及びアルコキシ基を有するジルコニウム化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種をチタン原子及びジルコニウム原子の総モル量1.0モルに対して、0.5〜1.9倍モル当量の水により加水分解縮合させて得られるチタノキサン、ジルコノキサン及び/又はチタノキサン−ジルコノキサン縮合物であることがより好ましい。
ハロゲノ基を有するチタン化合物及び/又はハロゲノ基を有するジルコニウム化合物を用いる場合、アルコキシ基を有するチタン化合物及び/又はアルコキシ基を有するジルコニウム化合物と併用するか、ハロゲノ基を有するチタン化合物及びハロゲノ基を有するジルコニウム化合物であり、かつ少なくともアルコキシ基を1つ以上有する化合物を用いるか、又は、水に加えアルコール化合物を添加して加水分解縮合することが好ましい。
ハロゲノ基を有するチタン化合物及びハロゲノ基を有するジルコニウム化合物としては、チタンモノハライド、チタンジハライド、チタントリハライド、チタンテトラハライド、ジルコニウムモノハライド、ジルコニウムジハライド、ジルコニウムトリハライド、及び、ジルコニウムテトラハライドが挙げられるが、膜物性の観点から、チタンテトラハライド、及び、ジルコニウムテトラハライドが好ましく挙げられ、チタンテトラハライドがより好ましい。これらは、1種単独又は2種類以上混合して用いることができる。
ハロゲノ基を有するチタン化合物及び/又はハロゲノ基を有するジルコニウム化合物を用いる場合、アルコキシ基を有するチタン化合物及び/又はアルコキシ基を有するジルコニウム化合物と併用するか、ハロゲノ基を有するチタン化合物及びハロゲノ基を有するジルコニウム化合物であり、かつ少なくともアルコキシ基を1つ以上有する化合物を用いるか、又は、水に加えアルコール化合物を添加して加水分解縮合することが好ましい。
ハロゲノ基を有するチタン化合物及びハロゲノ基を有するジルコニウム化合物としては、チタンモノハライド、チタンジハライド、チタントリハライド、チタンテトラハライド、ジルコニウムモノハライド、ジルコニウムジハライド、ジルコニウムトリハライド、及び、ジルコニウムテトラハライドが挙げられるが、膜物性の観点から、チタンテトラハライド、及び、ジルコニウムテトラハライドが好ましく挙げられ、チタンテトラハライドがより好ましい。これらは、1種単独又は2種類以上混合して用いることができる。
また、上記加水分解縮合には、水だけでなく、溶剤等を使用してもよく、添加剤として、アルコール化合物を使用してもよい。また、溶剤としては、アルコール化合物が好適に挙げられる。
得られる膜の機械強度の観点から、上記加水分解縮合に用いられる水の量は、原料におけるチタン原子及びジルコニウム原子の総モル量1.0モルに対して、0.5〜1.9倍モル当量であることが好ましく、下限としては、膜強度の観点から、0.9倍モル当量以上が好ましく、1.2倍モル当量以上がより好ましく、また、上限としては、膜柔軟性の観点から、1.8倍モル当量以下が好ましく、1.7倍モル当量以下がより好ましい。
成分Aは、組成物の保存安定性及び膜物性の観点から、チタン原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有するチタノキサン(以下、単に「チタノキサン」ともいう。)、ジルコニウム原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有するジルコノキサン(以下、単に「ジルコノキサン」ともいう。)、又は、チタン原子若しくはジルコニウム原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有するチタノキサン−ジルコノキサン縮合物(以下、単に「チタノキサン−ジルコノキサン縮合物」ともいう。)を含むことが好ましく、チタノキサン又はジルコノキサンを含むことがより好ましく、チタノキサンを含むことが更に好ましい。
得られる膜の機械強度の観点から、上記加水分解縮合に用いられる水の量は、原料におけるチタン原子及びジルコニウム原子の総モル量1.0モルに対して、0.5〜1.9倍モル当量であることが好ましく、下限としては、膜強度の観点から、0.9倍モル当量以上が好ましく、1.2倍モル当量以上がより好ましく、また、上限としては、膜柔軟性の観点から、1.8倍モル当量以下が好ましく、1.7倍モル当量以下がより好ましい。
成分Aは、組成物の保存安定性及び膜物性の観点から、チタン原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有するチタノキサン(以下、単に「チタノキサン」ともいう。)、ジルコニウム原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有するジルコノキサン(以下、単に「ジルコノキサン」ともいう。)、又は、チタン原子若しくはジルコニウム原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有するチタノキサン−ジルコノキサン縮合物(以下、単に「チタノキサン−ジルコノキサン縮合物」ともいう。)を含むことが好ましく、チタノキサン又はジルコノキサンを含むことがより好ましく、チタノキサンを含むことが更に好ましい。
チタノキサン、ジルコノキサン及びチタノキサン−ジルコノキサン縮合物は、直鎖状、分枝状、三次元網目状、ペンダント状、ラダー状、籠状等のいずれの重合体形態であってもよく、特にその形態は限定されるものではないが、成分Bと相溶性を有するチタノキサン又はジルコノキサンであることが好ましい。また、チタノキサン及びジルコノキサンは、常温(25℃)で固体であっても液体であってもよい。
チタノキサン、ジルコノキサン及びチタノキサン−ジルコノキサン縮合物の重量平均分子量としては、特に制限されないが、500〜50,000が好ましく、1,000〜20,000がより好ましい。
上記チタノキサンは、下記式a2−1で表されるチタノキサンであることが膜物性の観点から好ましい。
また、上記ジルコノキサンは、下記式a2−2で表されるジルコノキサンであることが膜物性の観点から好ましい。
TiαOβ(OR)γ (a2−1)
ZrαOβ(OR)γ (a2−2)
式a2−1及び式a2−2中、Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、又は、炭素数7〜18のアラルキル基を表し、α、β及びγは、下記の条件a’〜c’を満たし、αは正の整数を表し、β及びγは正の数を表す。
a’:200≧α≧2、
b’:1.9α≧β≧1.0α、
c’:γ=4α−2β
また、上記ジルコノキサンは、下記式a2−2で表されるジルコノキサンであることが膜物性の観点から好ましい。
TiαOβ(OR)γ (a2−1)
ZrαOβ(OR)γ (a2−2)
式a2−1及び式a2−2中、Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、又は、炭素数7〜18のアラルキル基を表し、α、β及びγは、下記の条件a’〜c’を満たし、αは正の整数を表し、β及びγは正の数を表す。
a’:200≧α≧2、
b’:1.9α≧β≧1.0α、
c’:γ=4α−2β
上記a2におけるチタノキサン、ジルコノキサン及びチタノキサン−ジルコノキサン縮合物は、単一の組成のものであっても、2種類以上の混合物であってもよい。
また、本発明における硬化性組成物の全固形分に対するチタン原子及びジルコニウム原子の総含有量は、高屈折率及び膜物性の観点から、5〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、15〜40質量%が更に好ましい。
また、本発明における硬化性組成物の全固形分に対するチタン原子及びジルコニウム原子の総含有量は、高屈折率及び膜物性の観点から、5〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、15〜40質量%が更に好ましい。
成分Aの含有量は、硬化性組成物の全固形分に対し、40〜90質量%であることが好ましく、屈折率調整の観点から、45〜90質量%であることがより好ましく、50〜85質量%であることが更に好ましく、60〜85質量%であることが特に好ましい。なお、硬化性組成物における「固形分」とは、溶剤等の揮発性成分を除いた成分を表し、また、成分Bには一部沸点の低い化合物も含まれるが、チタン又はジルコニウムに配位することで揮発性が失われるため、本発明における成分Bは固形分に含まれるものとする。また、上記固形分は、固体でなく、液状のものであってもよいことは言うまでもない。
成分B:b1及びb2よりなる群から選ばれた少なくとも1種
本発明の硬化性組成物は、成分Bとして、下記b1及びb2よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する。
b1:分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択され、かつ、エチレン性不飽和基を有する化合物(以下、「化合物b1」ともいう。)、
b2:分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択される化合物(以下、「化合物b2−1」ともいう。)、並びに、エチレン性不飽和基を有する化合物(以下、「化合物b2−2」ともいう。)。
本発明の硬化性組成物は、成分Bとして、下記b1及びb2よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する。
b1:分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択され、かつ、エチレン性不飽和基を有する化合物(以下、「化合物b1」ともいう。)、
b2:分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択される化合物(以下、「化合物b2−1」ともいう。)、並びに、エチレン性不飽和基を有する化合物(以下、「化合物b2−2」ともいう。)。
本発明の硬化性組成物は、成分Bとして、分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択され、かつ、エチレン性不飽和基を有する化合物を少なくとも含有するか、分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択される化合物と、エチレン性不飽和基を有する化合物との両方を少なくとも含有する。
成分Bとしては、現像性の観点から、b2を少なくとも含むことが好ましい。
また、成分Bとしては、耐薬品性の観点から、エチレン性不飽和基を有する化合物を少なくとも含むことが好ましく、メルカプト基を有しないエチレン性不飽和基を有する化合物を少なくとも含むことがより好ましい。
成分Bとしては、現像性の観点から、b2を少なくとも含むことが好ましい。
また、成分Bとしては、耐薬品性の観点から、エチレン性不飽和基を有する化合物を少なくとも含むことが好ましく、メルカプト基を有しないエチレン性不飽和基を有する化合物を少なくとも含むことがより好ましい。
本発明において、α−メルカプトケト化合物とは、メルカプト基(−SH)が結合する炭素原子に隣接する(α位の)炭素原子が、炭素−酸素二重結合を有する化合物を意味する。なお、以下の説明において、メルカプト基が結合する炭素原子に隣接する炭素原子が、炭素−酸素二重結合を有する構造を、「α−メルカプトケト構造」ともいう。メルカプト基が結合する炭素原子に隣接する炭素原子は、カルボニル基(*−C(=O)−)、エステル結合(*−C(=O)−O−)、アミド結合(*−C(=O)−NR−、Rは水素原子又は1価の有機基を表す。)などの炭素−酸素二重結合を有する基を構成することが好ましい。ここで、*は、メルカプト基が結合する炭素原子との結合位置を示す。
また、本発明において、β−メルカプトケト化合物とは、メルカプト基(−SH)が結合する炭素原子のβ位の炭素原子が、炭素−酸素二重結合を有する化合物を意味する。なお、以下の説明において、メルカプト基が結合する炭素原子のβ位の炭素原子が、炭素−酸素二重結合を有する構造を、「β−メルカプトケト構造」ともいう。メルカプト基が結合する炭素原子のβ位の炭素原子は、カルボニル基(*−C(=O)−)、エステル結合(*−C(=O)−O−)、アミド結合(*−C(=O)−NR−、Rは水素原子又は1価の有機基を表す。)などの炭素−酸素二重結合を有する基を構成することが好ましい。ここで、*は、メルカプト基が結合する炭素原子に隣接する炭素原子との結合位置を示す。
本発明において、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物とは、メルカプト基(−SH)が結合する炭素原子に隣接する(α位)の炭素原子に、ヒドロキシ基が結合した構造(以下、「1−ヒドロキシ−2−メルカプト構造」ともいう。)を有する化合物を意味する。なお、メルカプト基が結合する炭素原子と、ヒドロキシ基が結合する炭素原子とは、単結合で結ばれていてもよく、芳香環や脂肪族環の一部を形成していてもよい。
本発明において、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物とは、メルカプト基(−SH)が結合する炭素原子のβ位の炭素原子に、ヒドロキシが結合した構造(以下、「1−ヒドロキシ−3−メルカプト構造」ともいう。)を有する化合物を意味する。なお、メルカプト基が結合する炭素原子と、ヒドロキシ基が結合する炭素原子とは、置換又は無置換のアルキレン基で結ばれていてもよく、一部が芳香環や脂肪族環の一部を形成していてもよい。
本発明において、化合物b1及び化合物b2−1は、分子内にメルカプト基を1つのみ有する。すなわち、化合物b1及び化合物b2−1が有するメルカプト基は、上記のα−メルカプトケト構造、β−メルカプトケト構造、1−ヒドロキシ−2−メルカプト構造、又は、1−ヒドロキシ−3−メルカプト構造に由来するものである。
化合物b1及び/又は化合物b2−1が2つ以上のメルカプト基を有すると、保存安定性に劣る。
本発明において、硬化性組成物が化合物b1及び化合物b2−1以外にメルカプト基を有する化合物を含有することを排除するものではないが、保存安定性の観点から2つ以上のメルカプト基を有する化合物の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して、3質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることが更に好ましく、含有しないことが最も好ましい。
また、化合物b1及び化合物b2−1以外のメルカプト基を1つ有する化合物の含有量は、保存安定性と、屈折率向上の観点から、化合物b1及び化合物b2−1の総量を100質量部としたとき、100質量部未満であることが好ましく、50質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることが更に好ましく、5質量%以下であることが特に好ましく、含有しないことが最も好ましい。
化合物b1及び/又は化合物b2−1が2つ以上のメルカプト基を有すると、保存安定性に劣る。
本発明において、硬化性組成物が化合物b1及び化合物b2−1以外にメルカプト基を有する化合物を含有することを排除するものではないが、保存安定性の観点から2つ以上のメルカプト基を有する化合物の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して、3質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることが更に好ましく、含有しないことが最も好ましい。
また、化合物b1及び化合物b2−1以外のメルカプト基を1つ有する化合物の含有量は、保存安定性と、屈折率向上の観点から、化合物b1及び化合物b2−1の総量を100質量部としたとき、100質量部未満であることが好ましく、50質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることが更に好ましく、5質量%以下であることが特に好ましく、含有しないことが最も好ましい。
上記のα−メルカプトケト構造、β−メルカプトケト構造、1−ヒドロキシ−2−メルカプト構造、又は、1−ヒドロキシ−3−メルカプト構造は、成分Aの有するチタン原子及び/又はジルコニア原子と配位結合を形成可能であると推定される。
なお、化合物b1又は化合物b2−1が、成分Aに配位した場合、成分Aにおける配位されたチタン原子又はジルコニウム原子のd軌道のエネルギー準位が分裂する。よって、エネルギー準位の分裂を観測することで配位の有無が分かる。具体的な配位の有無の観測方法としては、公知の観測方法を使用でき、例えば、分光学的手法や電子スピン共鳴法(ESR)などが挙げられる。
なお、化合物b1又は化合物b2−1が、成分Aに配位した場合、成分Aにおける配位されたチタン原子又はジルコニウム原子のd軌道のエネルギー準位が分裂する。よって、エネルギー準位の分裂を観測することで配位の有無が分かる。具体的な配位の有無の観測方法としては、公知の観測方法を使用でき、例えば、分光学的手法や電子スピン共鳴法(ESR)などが挙げられる。
本発明において、化合物b1又は化合物b2−1は、以下の式I〜式Vのいずれかで表される化合物であることが好ましい。
式I及び式II中、R11及びR21は、水酸基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、又は、−NR61R62を表し、R61及びR62はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基を表す。
R11及びR21におけるアルキル基は、炭素数1〜24であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜6であることが更に好ましく、1〜4であることが特に好ましく、1又は2であることが最も好ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよい。
R11及びR21におけるアリール基は、炭素数5〜20であることが好ましく、炭素数6〜14であることがより好ましく、炭素数6〜10であることが更に好ましい。なお、上記アリール基は、炭素原子がヘテロ原子に置換されたヘテロアリール基であってもよく、ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子が例示される。
R11及びR21におけるアルコキシ基は、炭素数1〜24であることが好ましく、炭素数1〜12であることがより好ましく、炭素数1〜8であることが更に好ましい。
R11及びR21におけるアルキルチオ基は、炭素数1〜24であることが好ましく、炭素数1〜12であることがより好ましく、炭素数1〜8であることが更に好ましい。
R61及びR62におけるアルキル基及びアリール基は、R11及びR21におけるアルキル基及びアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。なお、R61及びR62は、互いに連結して、窒素原子と共に環を形成していてもよい。R61及びR62は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基であることが好ましく、R61又はR62の少なくとも1つがアルキル基であり、他の1つが水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
なお、R11、R21、R61及びR62におけるアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基は、更に置換基を有していてもよい。置換基として特に限定されないが、アルコキシ基、カルボキシ基、水酸基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、及び、ビニルオキシ基等が例示される。
これらの中でも、R11は、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、又は、−NR61R62であることが好ましく、水酸基、アルキル基又はアルコキシ基であることがより好ましい。
また、R21は、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、又は、−NR61R62であることが好ましく、水酸基又はアルコキシ基であることがより好ましい。
R11及びR21におけるアルキル基は、炭素数1〜24であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜6であることが更に好ましく、1〜4であることが特に好ましく、1又は2であることが最も好ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよい。
R11及びR21におけるアリール基は、炭素数5〜20であることが好ましく、炭素数6〜14であることがより好ましく、炭素数6〜10であることが更に好ましい。なお、上記アリール基は、炭素原子がヘテロ原子に置換されたヘテロアリール基であってもよく、ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子が例示される。
R11及びR21におけるアルコキシ基は、炭素数1〜24であることが好ましく、炭素数1〜12であることがより好ましく、炭素数1〜8であることが更に好ましい。
R11及びR21におけるアルキルチオ基は、炭素数1〜24であることが好ましく、炭素数1〜12であることがより好ましく、炭素数1〜8であることが更に好ましい。
R61及びR62におけるアルキル基及びアリール基は、R11及びR21におけるアルキル基及びアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。なお、R61及びR62は、互いに連結して、窒素原子と共に環を形成していてもよい。R61及びR62は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基であることが好ましく、R61又はR62の少なくとも1つがアルキル基であり、他の1つが水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
なお、R11、R21、R61及びR62におけるアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基は、更に置換基を有していてもよい。置換基として特に限定されないが、アルコキシ基、カルボキシ基、水酸基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、及び、ビニルオキシ基等が例示される。
これらの中でも、R11は、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、又は、−NR61R62であることが好ましく、水酸基、アルキル基又はアルコキシ基であることがより好ましい。
また、R21は、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、又は、−NR61R62であることが好ましく、水酸基又はアルコキシ基であることがより好ましい。
式I〜式V中、R12、R13、R24、R25、R26、R27、R42、R43、R52、R53、R54、及び、R55は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、又は、−NR71R72を表し、R71及びR72はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又はアシル基を表す。
R12、R13、R24、R25、R26、R27、R42、R43、R52、R53、R54、及び、R55におけるアルキル基は、炭素数1〜24であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜6であることが更に好ましく、1〜4であることが特に好ましく、1又は2であることが最も好ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよい。
R12、R13、R24、R25、R26、R27、R42、R43、R52、R53、R54、及び、R55におけるアリール基は、炭素数5〜20であることが好ましく、炭素数6〜14であることがより好ましく、炭素数6〜10であることが更に好ましい。なお、上記アリール基は、炭素原子がヘテロ原子に置換されたヘテロアリール基であってもよく、ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子が例示される。
R12、R13、R24、R25、R26、R27、R42、R43、R52、R53、R54、及び、R55におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示され、フッ素原子、塩素原子、又は、臭素原子であることが好ましく、塩素原子であることが更に好ましい。
R71及びR72におけるアルキル基及びアリール基は、R11におけるアルキル基及びアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
R71及びR72におけるアシル基は、炭素数2〜7のアシル基であることが好ましく、例えば、アセチル基、ベンゾイル基等が例示される。
R71及びR72は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、又は、アセチル基であることが好ましく、R71又はR72の少なくとも1つが水素原子であり、他の1つが水素原子、アルキル基又はアシル基であることが好ましい。
R12、R13、R24、R25、R26、R27、R42、R43、R52、R53、R54、R55、R71及びR72におけるアルキル基、アリール基、アシル基は、更に置換基を有していてもよい。置換基としては特に限定されないが、アルコキシ基、カルボキシ基、水酸基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、及び、ビニルオキシ基等が例示される。
これらの中でも、R12、R13、R24、R25、R26、R27、R42、R43、R52、R53、R54、及び、R55は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又は、NR71R72であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
R12、R13、R24、R25、R26、R27、R42、R43、R52、R53、R54、及び、R55におけるアルキル基は、炭素数1〜24であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜6であることが更に好ましく、1〜4であることが特に好ましく、1又は2であることが最も好ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよい。
R12、R13、R24、R25、R26、R27、R42、R43、R52、R53、R54、及び、R55におけるアリール基は、炭素数5〜20であることが好ましく、炭素数6〜14であることがより好ましく、炭素数6〜10であることが更に好ましい。なお、上記アリール基は、炭素原子がヘテロ原子に置換されたヘテロアリール基であってもよく、ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子が例示される。
R12、R13、R24、R25、R26、R27、R42、R43、R52、R53、R54、及び、R55におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示され、フッ素原子、塩素原子、又は、臭素原子であることが好ましく、塩素原子であることが更に好ましい。
R71及びR72におけるアルキル基及びアリール基は、R11におけるアルキル基及びアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
R71及びR72におけるアシル基は、炭素数2〜7のアシル基であることが好ましく、例えば、アセチル基、ベンゾイル基等が例示される。
R71及びR72は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、又は、アセチル基であることが好ましく、R71又はR72の少なくとも1つが水素原子であり、他の1つが水素原子、アルキル基又はアシル基であることが好ましい。
R12、R13、R24、R25、R26、R27、R42、R43、R52、R53、R54、R55、R71及びR72におけるアルキル基、アリール基、アシル基は、更に置換基を有していてもよい。置換基としては特に限定されないが、アルコキシ基、カルボキシ基、水酸基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、及び、ビニルオキシ基等が例示される。
これらの中でも、R12、R13、R24、R25、R26、R27、R42、R43、R52、R53、R54、及び、R55は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又は、NR71R72であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
R38及びR48は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルチオ基、又は、−NR81R82を表し、R81及びR82はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
R38及びR48におけるアルキル基は、炭素数1〜24であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜6であることが更に好ましく、1〜4であることが特に好ましく、1又は2であることが最も好ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよい。
R38及びR48におけるアリール基は、炭素数5〜20であることが好ましく、炭素数6〜14であることがより好ましく、炭素数6〜10であることが更に好ましい。なお、上記アリール基は、炭素原子がヘテロ原子に置換されたヘテロアリール基であってもよく、ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子が例示される。
R38及びR48におけるアルコキシ基は、炭素数1〜24であることが好ましく、炭素数1〜12であることがより好ましく、炭素数1〜8であることが更に好ましい。
R38及びR48におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示され、フッ素原子、塩素原子、又は、臭素原子であることが好ましく、塩素原子であることが更に好ましい。
R38及びR48におけるアルキルチオ基は、炭素数1〜24であることが好ましく、炭素数1〜12であることがより好ましく、炭素数1〜8であることが更に好ましい。
R81及びR82におけるアルキル基及びアリール基は、R11及びR21におけるアルキル基及びアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。なお、R81及びR82は、互いに連結して、窒素原子と共に環を形成していてもよい。R81及びR82は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基であることが好ましく、R81又はR82の少なくとも1つがアルキル基であり、他の1つが水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
なお、R38、R48、R81及びR82におけるアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基は、更に置換基を有していてもよい。置換基として特に限定されないが、アルコキシ基、カルボキシ基、水酸基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、及び、ビニルオキシ基等が例示される。
R38及びR48におけるアルキル基は、炭素数1〜24であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜6であることが更に好ましく、1〜4であることが特に好ましく、1又は2であることが最も好ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよい。
R38及びR48におけるアリール基は、炭素数5〜20であることが好ましく、炭素数6〜14であることがより好ましく、炭素数6〜10であることが更に好ましい。なお、上記アリール基は、炭素原子がヘテロ原子に置換されたヘテロアリール基であってもよく、ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子が例示される。
R38及びR48におけるアルコキシ基は、炭素数1〜24であることが好ましく、炭素数1〜12であることがより好ましく、炭素数1〜8であることが更に好ましい。
R38及びR48におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示され、フッ素原子、塩素原子、又は、臭素原子であることが好ましく、塩素原子であることが更に好ましい。
R38及びR48におけるアルキルチオ基は、炭素数1〜24であることが好ましく、炭素数1〜12であることがより好ましく、炭素数1〜8であることが更に好ましい。
R81及びR82におけるアルキル基及びアリール基は、R11及びR21におけるアルキル基及びアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。なお、R81及びR82は、互いに連結して、窒素原子と共に環を形成していてもよい。R81及びR82は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基であることが好ましく、R81又はR82の少なくとも1つがアルキル基であり、他の1つが水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
なお、R38、R48、R81及びR82におけるアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基は、更に置換基を有していてもよい。置換基として特に限定されないが、アルコキシ基、カルボキシ基、水酸基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、及び、ビニルオキシ基等が例示される。
nは0〜4の整数を表す。nは、0〜3の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましく、0又は1であることが更に好ましく、0であることが特に好ましい。
式I中、R11〜R13よりなる群から選択されるいずれか2つは、連結して環構造を形成していてもよい。また、式II中、R21〜R27よりなる群から選択されるいずれか2つは連結して環構造を形成していてもよい。更に、式III中、nが2以上の整数である場合には、複数存在するR38同士が環構造を形成していてもよい。式IV中、nが2以上の整数である場合には、R48同士が環構造を形成していてもよく、また、R42、R43及びR48よりなる群から選択されるいずれか2つが環構造を形成していてもよい。式V中、R52〜R55よりなる群から選択されるいずれか2つは、連結して環構造を形成していてもよい。
形成された環構造は、脂肪族環であってもよく、芳香環であってもよく、特に限定されない。上記脂肪族環及び芳香族環は、ヘテロ環であってもよく、ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子及び窒素原子が例示される。また、形成された環構造は、単環であってもよく、多環構造であってもよく、例えば、形成された脂肪族環が有橋多環構造を有していてもよい。形成された環構造は、更に置換基を有していてもよく、上記置換基としては、R11として記載した基が例示される。
形成された環構造は、脂肪族環であってもよく、芳香環であってもよく、特に限定されない。上記脂肪族環及び芳香族環は、ヘテロ環であってもよく、ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子及び窒素原子が例示される。また、形成された環構造は、単環であってもよく、多環構造であってもよく、例えば、形成された脂肪族環が有橋多環構造を有していてもよい。形成された環構造は、更に置換基を有していてもよく、上記置換基としては、R11として記載した基が例示される。
なお、式Iで表される化合物は、α−メルカプトケト構造を有するα−メルカプトケト化合物である。
式IIで表される化合物は、β−メルカプトケト構造を有するβ−メルカプトケト化合物である。
式IIIで表される化合物及び式Vで表される化合物は、1−ヒドロキシ−2−メルカプト構造を有する1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物である。
式IVで表される化合物は、1−ヒドロキシ−3−メルカプト構造を有する1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物である。
式IIで表される化合物は、β−メルカプトケト構造を有するβ−メルカプトケト化合物である。
式IIIで表される化合物及び式Vで表される化合物は、1−ヒドロキシ−2−メルカプト構造を有する1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物である。
式IVで表される化合物は、1−ヒドロキシ−3−メルカプト構造を有する1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物である。
本発明において、化合物b1及び化合物b2−1の分子量は、500以下であることが好ましく、350以下であることがより好ましく、200以下であることが更に好ましい。分子量の下限は特に限定されないが、75以上であることが好ましい。分子量が上記範囲内であると、硬化性組成物内での分散性及びチタン及び/又はジルコニア原子への配位性に優れる。
また、化合物b2−2の分子量は、80〜2,000であることが好ましく、100〜1,000であることがより好ましい。
また、化合物b2−2の分子量は、80〜2,000であることが好ましく、100〜1,000であることがより好ましい。
化合物b1及び化合物b2−1は、芳香環を有することが好ましい。
化合物b1及び化合物b2−1が芳香環を有すると、屈折率が向上するので好ましい。
化合物b1及び化合物b2−1が芳香環を有すると、屈折率が向上するので好ましい。
化合物b1及び化合物b2−1が有するメルカプト基の級数は、保存安定性の観点からは、2級又は3級であることが好ましく、α−メルカプトケト化合物であることが好ましい。また、カルボキシ基やフェノール性水酸基、アミノ基を有しないことが好ましい。
一方、パターニング性向上の観点からは、カルボキシ基やフェノール性水酸基を有することが好ましく、屈折率向上の観点からは、アミノ基を有することが好ましい。
一方、パターニング性向上の観点からは、カルボキシ基やフェノール性水酸基を有することが好ましく、屈折率向上の観点からは、アミノ基を有することが好ましい。
成分Bにおけるエチレン性不飽和基としては、特に制限はないが、(メタ)アクリロキシ基、(メタ)アクリルアミド基、アリル基、スチリル基、及び、ビニルオキシ基が好ましく挙げられ、(メタ)アクリロキシ基、及び、アリル基がより好ましく挙げられ、(メタ)アクリロキシ基が特に好ましく挙げられる。
化合物b1及び化合物b2−1の具体例として、下記に示す化合物が挙げられるが、本発明は以下の具体例に限定されるものではない。
本発明において、これらの中でも、保存安定性の観点ではB−1、B−2、B−3、B−4、B−5、B−6、B−7、B−12、B−13,B−14、B−15、B−17、B−18、B−23、B−28、B−34、B−37、B−39、B−41、B−43、B−45、B−46が好ましく、屈折率向上の観点からは、B−1,B−2、B−5、B−6、B−7、B−8、B−9、B−10、B−11、B−12、B−13、B−14、B−15、B−16、B−17、B−18、B−19、B−20、B−21、B−22、B−23、B−24、B−25、B−26、B−27、B−28、B−29、B−30、B−32、B−34、B−36、B−37、B−38、B−39、B−41、B−42、B−43、B−44、B−45、B−46が好ましい。
本発明において、化合物b1及び化合物b2−1は、公知の方法により合成することができる。
本発明において、化合物b1及び化合物b2−1は、公知の方法により合成することができる。
上記化合物b2−1は、エチレン性不飽和基を有しない化合物である。
また、化合物b1及び化合物b2−1は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
また、化合物b1及び化合物b2−1は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
上記b2におけるエチレン性不飽和基を有する化合物(化合物b2−2)としては、エチレン性不飽和基を有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、エステル化合物、アミド化合物、ウレタン化合物及びその他の化合物が挙げられる。
エチレン性不飽和基を有する化合物としては、単官能エチレン性不飽和化合物、多官能エチレン性不飽和化合物のいずれであってもよいが、多官能エチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、多官能エチレン性不飽和化合物であることがより好ましい。
ここで、化合物b2−2は、メルカプト基を有していないことが好ましい。
エチレン性不飽和基を有する化合物としては、単官能エチレン性不飽和化合物、多官能エチレン性不飽和化合物のいずれであってもよいが、多官能エチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、多官能エチレン性不飽和化合物であることがより好ましい。
ここで、化合物b2−2は、メルカプト基を有していないことが好ましい。
上記エステル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、イタコン酸エステル、クロトン酸エステル、イソクロトン酸エステル、マレイン酸エステル、その他のエステル化合物などが挙げられる。これらの中でも、多官能(メタ)アクリル酸エステル(多官能(メタ)アクリレート化合物)等が好ましい。
上記多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。中でも、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及び、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
上記多官能(メタ)アクリル酸エステルの他の例としては、グリセリンやトリメチロールエタン、ビスフェノールA等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報、特開昭51−37193号公報に記載のウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、及び特公昭52−30490号公報に記載のポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類、特開昭60−258539号公報に記載の(メタ)アクリル酸エステルやウレタン(メタ)アクリレートやビニルエステルなどが挙げられる。
他の多官能エチレン性不飽和化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、日本接着協会誌Vol.20,No.7,第300〜308頁に記載の光硬化性モノマー及びオリゴマーなどが挙げられる。
また、上記のアミド化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド(モノマー)などが挙げられ、具体的には、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、などが挙げられ、また、特開昭60−258539号公報に記載の(メタ)アクリル酸アミドなどが挙げられる。
また、上記のウレタン化合物としては、イソシアネートと水酸基との付加反応を用いて製造されるウレタン連鎖重合性化合物が例示され、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートとのウレタン化物、ペンタエリスリトールトリアクリレートとトルエンジイソシアネートとのウレタン化物、ペンタエリスリトールトリアクリレートとイソホロンジイソシアネートとのウレタン化物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートとのウレタン化物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとトルエンジイソシアネートとのウレタン化物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとイソホロンジイソシアネートとのウレタン化物等が挙げられる。
具体的には、特開2011−126921号公報、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類が例示され、これらの記載は本願明細書に組み込まれる。
また、上記のウレタン化合物としては、イソシアネートと水酸基との付加反応を用いて製造されるウレタン連鎖重合性化合物が例示され、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートとのウレタン化物、ペンタエリスリトールトリアクリレートとトルエンジイソシアネートとのウレタン化物、ペンタエリスリトールトリアクリレートとイソホロンジイソシアネートとのウレタン化物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートとのウレタン化物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとトルエンジイソシアネートとのウレタン化物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとイソホロンジイソシアネートとのウレタン化物等が挙げられる。
具体的には、特開2011−126921号公報、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類が例示され、これらの記載は本願明細書に組み込まれる。
また、他の多官能エチレン性不飽和化合物としては、特開昭60−258539号公報、国際公開第2010/050580号に記載のアリル化合物やアルケニル基含有化合物、などが挙げられる。
具体的には、1,2−ジビニルベンゼン、1,4−ジビニルベンゼン、1,2−ジアリルベンゼン、1,3−ジアリルベンゼン、1,4−ジアリルベンゼン、1,3,5−トリビニルベンゼン、1,3,5−トリアリルベンゼン、1,2,4,5−テトラアリルベンゼン、へキサアリルベンゼン、ジビニルトルエン、ビスフェノールAジアリルエーテル、1,2−ジアリルオキシベンゼン、1,4−ジアリルオキシベンゼン、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、1,4−ビス(ジメチルビニルシリル)ベンゼン、ジビニルメチルフェニルシラン、ジビニルジフェニルシラン、ジアリルジフェニルシランなどを挙げることができる。
具体的には、1,2−ジビニルベンゼン、1,4−ジビニルベンゼン、1,2−ジアリルベンゼン、1,3−ジアリルベンゼン、1,4−ジアリルベンゼン、1,3,5−トリビニルベンゼン、1,3,5−トリアリルベンゼン、1,2,4,5−テトラアリルベンゼン、へキサアリルベンゼン、ジビニルトルエン、ビスフェノールAジアリルエーテル、1,2−ジアリルオキシベンゼン、1,4−ジアリルオキシベンゼン、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、1,4−ビス(ジメチルビニルシリル)ベンゼン、ジビニルメチルフェニルシラン、ジビニルジフェニルシラン、ジアリルジフェニルシランなどを挙げることができる。
上記多官能エチレン性不飽和化合物におけるエチレン性不飽和基の数は、2〜20であることが好ましく、2〜16であることがより好ましく、3〜10であることが更に好ましい。
単官能エチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸類及びそれらの塩、(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクリロニトリル類、スチレン類等の単官能エチレン性不飽和化合物が挙げられる。
また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類とイソシアネート類又はエポキシ類との付加反応物、及び、単官能又は多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。
また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類とイソシアネート類又はエポキシ類との付加反応物、及び、単官能又は多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。
更に、イソシアナト基(イソシアネート基)や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類とアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲノ基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類とアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。
また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
単官能エチレン性不飽和化合物としては、特に制限はなく、上記例示した化合物の他、公知の種々の化合物を用いることができ、例えば、特開2009−204962号公報に記載の化合物などを使用してもよい。
また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
単官能エチレン性不飽和化合物としては、特に制限はなく、上記例示した化合物の他、公知の種々の化合物を用いることができ、例えば、特開2009−204962号公報に記載の化合物などを使用してもよい。
更に単官能エチレン性不飽和化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニル化合物類、アリルグリシジルエーテル等のアリル化合物の誘導体が好ましく用いられる。
エチレン性不飽和基を有する化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物がb2を含有する、すなわち、化合物b2−1と化合物b2−2とを含有する場合、本発明の硬化性組成物における、化合物b2−1の含有量BW1と、化合物b2−2の含有量BW2との質量比が、BW1:BW2=1:20〜20:1であることが好ましく、1:10〜10:1であることがより好ましく、2:8〜8:2であることが更に好ましく、3:7〜7:3であることが特に好ましい。
化合物b2−2の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して、1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましい。
本発明において、成分Bがb2であることが好ましい。また、成分Bがb1である場合には、化合物b1と共に、更に、化合物b2−2を含有することが好ましい。
本発明の硬化性組成物がb2を含有する、すなわち、化合物b2−1と化合物b2−2とを含有する場合、本発明の硬化性組成物における、化合物b2−1の含有量BW1と、化合物b2−2の含有量BW2との質量比が、BW1:BW2=1:20〜20:1であることが好ましく、1:10〜10:1であることがより好ましく、2:8〜8:2であることが更に好ましく、3:7〜7:3であることが特に好ましい。
化合物b2−2の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して、1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましい。
本発明において、成分Bがb2であることが好ましい。また、成分Bがb1である場合には、化合物b1と共に、更に、化合物b2−2を含有することが好ましい。
本発明の硬化性組成物において、成分Bの含有量は、硬化膜の屈折率と保存安定性との両立の観点から、硬化性組成物の全固形分に対し、5〜59質量%であることが好ましく、10〜55質量%であることがより好ましく、15〜50質量%であることが更に好ましく、25〜45質量%であることが特に好ましい。
また、本発明の硬化性組成物において、上記化合物b1、並びに、上記化合物b2−1の総含有量は、硬化物の屈折率と現像性との両立、及び、保存安定性などの観点から、成分Aの含有量100質量部に対し、15〜140質量部であることが好ましく、15〜80質量部であることがより好ましく、20〜60質量部であることがより好ましい。
また、本発明の硬化性組成物において、上記化合物b1、並びに、上記化合物b2−1の総含有量は、硬化物の屈折率と現像性との両立、及び、保存安定性などの観点から、成分Aの含有量100質量部に対し、15〜140質量部であることが好ましく、15〜80質量部であることがより好ましく、20〜60質量部であることがより好ましい。
成分C:溶剤
本発明の硬化性組成物は、成分Cとして、溶剤を含有する。また、本発明における溶剤は、成分B以外の化合物であり、成分Bに該当する化合物は、溶剤に含めないものとする。
本発明の硬化性組成物は、必須成分と、後述の任意成分とを、溶剤に溶解又は分散した溶液又は分散液として調製されることが好ましい。
本発明の硬化性組成物に使用される溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、アルコール類、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ブチレングリコールジアセテート類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。この他の具体例としては特開2009−098616号公報の段落0062を参照できる。
これらの溶剤の中でも、好ましい具体例としては、ブタノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、フェノキシエタノール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを挙げることができ、ブタノール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルをより好ましく挙げることができる。
溶剤の沸点は、塗布性の観点から、100℃〜300℃が好ましく、120℃〜250℃がより好ましい。
本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、又は、2種以上を併用することができる。沸点の異なる溶剤を併用することも好ましい。
本発明の硬化性組成物における溶剤の含有量は、塗布に適した粘度に調整するという観点から、硬化性組成物の全固形分100質量部あたり、100〜3,000質量部であることが好ましく、200〜2,000質量部であることがより好ましく、250〜1,000質量部であることが更に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、成分Cとして、溶剤を含有する。また、本発明における溶剤は、成分B以外の化合物であり、成分Bに該当する化合物は、溶剤に含めないものとする。
本発明の硬化性組成物は、必須成分と、後述の任意成分とを、溶剤に溶解又は分散した溶液又は分散液として調製されることが好ましい。
本発明の硬化性組成物に使用される溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、アルコール類、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ブチレングリコールジアセテート類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。この他の具体例としては特開2009−098616号公報の段落0062を参照できる。
これらの溶剤の中でも、好ましい具体例としては、ブタノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、フェノキシエタノール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを挙げることができ、ブタノール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルをより好ましく挙げることができる。
溶剤の沸点は、塗布性の観点から、100℃〜300℃が好ましく、120℃〜250℃がより好ましい。
本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、又は、2種以上を併用することができる。沸点の異なる溶剤を併用することも好ましい。
本発明の硬化性組成物における溶剤の含有量は、塗布に適した粘度に調整するという観点から、硬化性組成物の全固形分100質量部あたり、100〜3,000質量部であることが好ましく、200〜2,000質量部であることがより好ましく、250〜1,000質量部であることが更に好ましい。
本発明の硬化性組成物の粘度は、1〜200mPa・sが好ましく、2〜100mPa・sがより好ましく、3〜50mPa・sが更に好ましい。
粘度は、例えば、東機産業(株)製のRE−80L型回転粘度計を用いて、25±0.2℃で測定することが好ましい。測定時の回転速度は、5mPa・s未満は100rpm、5mPa・s以上10mPa・s未満は50rpm、10mPa・s以上30mPa・s未満は20rpm、30mPa・s以上は10rpmで、それぞれ行うことが好ましい。
粘度は、例えば、東機産業(株)製のRE−80L型回転粘度計を用いて、25±0.2℃で測定することが好ましい。測定時の回転速度は、5mPa・s未満は100rpm、5mPa・s以上10mPa・s未満は50rpm、10mPa・s以上30mPa・s未満は20rpm、30mPa・s以上は10rpmで、それぞれ行うことが好ましい。
成分D:光重合開始剤
本発明の硬化性組成物は、成分Dとして、光重合開始剤を含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。
本発明に用いることができる光重合開始剤は、活性光線により、エチレン性不飽和基を有する化合物等の重合性化合物の重合を開始、促進可能な化合物である。
「活性光線」とは、その照射により成分Cより開始種を発生させることができるエネルギーを付与することができる活性エネルギー線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものである。これらの中でも、紫外線を少なくとも含む光が好ましい。
本発明の硬化性組成物は、成分Dとして、光重合開始剤を含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。
本発明に用いることができる光重合開始剤は、活性光線により、エチレン性不飽和基を有する化合物等の重合性化合物の重合を開始、促進可能な化合物である。
「活性光線」とは、その照射により成分Cより開始種を発生させることができるエネルギーを付与することができる活性エネルギー線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものである。これらの中でも、紫外線を少なくとも含む光が好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、オキシムエステル化合物、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。これらの中でも、感度の点から、オキシムエステル化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物が好ましく、オキシムエステル化合物がより好ましい。
オキシムエステル化合物としては、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特表2004−534797号公報、特開2007−231000号公報、特開2009−134289号公報に記載の化合物を使用できる。
オキシムエステル化合物は、下記式D−1又は式D−2で表される化合物であることが好ましい。
オキシムエステル化合物は、下記式D−1又は式D−2で表される化合物であることが好ましい。
式D−1又は式D−2中、Arは芳香族基又はヘテロ芳香族基を表し、RD1はアルキル基、芳香族基又はアルコキシ基を表し、RD2は水素原子又はアルキル基を表し、更にRD2はAr基と結合し環を形成してもよい。
Arは、芳香族基又はヘテロ芳香族基を表し、ベンゼン環、ナフタレン環又はカルバゾール環から水素原子を1つ除いた基であることが好ましく、RD2と共に環を形成したナフタレニル基、カルバゾイル基がより好ましい。ヘテロ芳香族基におけるヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、及び、硫黄原子が好ましく挙げられる。中でも、窒素原子が好ましい。
RD1は、アルキル基、芳香族基又はアルコキシ基を表し、メチル基、エチル基、ベンジル基、フェニル基、ナフチル基、メトキシ基又はエトキシ基が好ましく、メチル基、エチル基、フェニル基又はメトキシ基がより好ましい。
RD2は、水素原子又はアルキル基を表し、水素原子又は置換アルキル基が好ましく、水素原子、Arと共に環を形成する置換アルキル基又はトルエンチオアルキル基がより好ましい。
また、Arは、炭素数4〜20の基であることが好ましく、R1は、炭素数1〜30の基であることが好ましく、また、RC2は、炭素数1〜50の基であることが好ましい。
RD1は、アルキル基、芳香族基又はアルコキシ基を表し、メチル基、エチル基、ベンジル基、フェニル基、ナフチル基、メトキシ基又はエトキシ基が好ましく、メチル基、エチル基、フェニル基又はメトキシ基がより好ましい。
RD2は、水素原子又はアルキル基を表し、水素原子又は置換アルキル基が好ましく、水素原子、Arと共に環を形成する置換アルキル基又はトルエンチオアルキル基がより好ましい。
また、Arは、炭素数4〜20の基であることが好ましく、R1は、炭素数1〜30の基であることが好ましく、また、RC2は、炭素数1〜50の基であることが好ましい。
オキシムエステル化合物は、下記式D−3、式D−4又は式D−5で表される化合物であることが更に好ましく、下記式D−5で表される化合物であることが特に好ましい。
式D−3〜式D−5中、RD1はアルキル基、芳香族基又はアルコキシ基を表し、Xは−CH2−、−C2H4−、−O−又は−S−を表し、RC3はそれぞれ独立に、ハロゲン原子を表し、RD4はそれぞれ独立に、アルキル基、フェニル基、アルキル置換アミノ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子を表し、RD5は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、RC6はアルキル基を表し、n1及びn2はそれぞれ独立に、0〜6の整数を表し、n3は0〜5の整数を表す。
RD1はアルキル基、芳香族基又はアルコキシ基を表し、RD11−X’−アルキレン基−で表される基が好ましい。RD11はアルキル基又はアリール基を表し、X’は硫黄原子又は酸素原子を表す。RD11はアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。RD11としての、アルキル基及びアリール基は、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子)又はアルキル基で置換されていてもよい。
Xは硫黄原子が好ましい。
RD3及びRD4は、芳香環上の任意の位置で結合することができる。
RD4はアルキル基、フェニル基、アルキル置換アミノ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子を表し、アルキル基、フェニル基、アリールチオ基又はハロゲン原子が好ましく、アルキル基、アリールチオ基又はハロゲン原子がより好ましく、アルキル基又はハロゲン原子が更に好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子又はフッ素原子が好ましい。
また、RD4の炭素数は、0〜50であることが好ましく、0〜20であることがより好ましい。
RD5は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、アルキル基が好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。
RD6はアルキル基を表し、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。
n1及びn2はそれぞれ、式D−3又は式D−4における芳香環上のRD3の置換数を表し、n3は式D−5における芳香環上のRD4の置換数を表す。
n1〜n3はそれぞれ独立に、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
Xは硫黄原子が好ましい。
RD3及びRD4は、芳香環上の任意の位置で結合することができる。
RD4はアルキル基、フェニル基、アルキル置換アミノ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子を表し、アルキル基、フェニル基、アリールチオ基又はハロゲン原子が好ましく、アルキル基、アリールチオ基又はハロゲン原子がより好ましく、アルキル基又はハロゲン原子が更に好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子又はフッ素原子が好ましい。
また、RD4の炭素数は、0〜50であることが好ましく、0〜20であることがより好ましい。
RD5は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、アルキル基が好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。
RD6はアルキル基を表し、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。
n1及びn2はそれぞれ、式D−3又は式D−4における芳香環上のRD3の置換数を表し、n3は式D−5における芳香環上のRD4の置換数を表す。
n1〜n3はそれぞれ独立に、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
以下に、本発明で好ましく用いられるオキシムエステル化合物の例を示す。しかしながら、本発明で用いられるオキシムエステル化合物がこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。なお、Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表す。また、これら化合物におけるオキシムの二重結合のシス−トランス異性は、EZのどちら一方であっても、EZの混合物であってもよい。
有機ハロゲン化化合物の例としては、具体的には、若林等、「Bull Chem. Soc. Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号公報、特開昭48−36281号公報、特開昭55−32070号公報、特開昭60−239736号公報、特開昭61−169835号公報、特開昭61−169837号公報、特開昭62−58241号公報、特開昭62−212401号公報、特開昭63−70243号公報、特開昭63−298339号公報、M.P.Hutt“Journal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物の例としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物が挙げられる。
アシルホスフィン(オキサイド)化合物としては、モノアシルホスフィンオキサイド化合物、及び、ビスアシルホスフィンオキサイド化合物が例示され、具体的には例えば、BASF社製のIRGACURE 819、ダロキュア4265、ダロキュアTPOなどが挙げられる。
アセトフェノン化合物としては、BASF社製のIRGACURE 127が例示できる。
アセトフェノン化合物としては、BASF社製のIRGACURE 127が例示できる。
光重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、露光波長に吸収を持たない光重合開始剤を用いる場合には、増感剤を使用することもできる。
本発明の硬化性組成物における光重合開始剤の総量は、組成物中の全固形分100質量部に対して、0.5〜30質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることが更に好ましく、2〜5質量部であることが特に好ましい。
なお、本発明においては、光重合開始剤が、チタン及び/又はジルコニウム配位性基を有する場合でも、b1におけるチタン及び/又はジルコニウム配位性基並びにエチレン性不飽和基を有する化合物、又は、b2におけるチタン及び/又はジルコニウム配位性基を有する化合物としては扱わないものとする。
本発明の硬化性組成物における光重合開始剤の総量は、組成物中の全固形分100質量部に対して、0.5〜30質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることが更に好ましく、2〜5質量部であることが特に好ましい。
なお、本発明においては、光重合開始剤が、チタン及び/又はジルコニウム配位性基を有する場合でも、b1におけるチタン及び/又はジルコニウム配位性基並びにエチレン性不飽和基を有する化合物、又は、b2におけるチタン及び/又はジルコニウム配位性基を有する化合物としては扱わないものとする。
成分E:増感剤
本発明の硬化性組成物には、光重合開始剤の他に、増感剤を加えることもできる。
増感剤は、活性光線又は放射線を吸収して励起状態となる。励起状態となった増感剤は、成分Cとの相互作用により、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じ、重合を開始・促進できる。
好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有する化合物を挙げることができる。多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン、フェナントレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、キサントン類(例えば、キサントン、チオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、ローダシアニン類、オキソノール類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン、ベンゾフラビン)、アクリドン類(例えば、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン、9,10−ジブトキシアントラセン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、スチリル類、ベーススチリル類、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、ケトクマリン)、カルバゾール類(例えば、N−ビニルカルバゾール)、カンファーキノン類、フェノチアジン類。
この他、本発明において用いることができる典型的な増感剤としては、クリベロ〔J. V. Crivello, Adv. in Polymer Sci., 62, 1 (1984)〕に開示しているものが挙げられる。
増感剤の好ましい具体例としては、ピレン、ペリレン、アクリジンオレンジ、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、ベンゾフラビン、N−ビニルカルバゾール、9,10−ジブトキシアントラセン、アントラキノン、クマリン、ケトクマリン、フェナントレン、カンファーキノン、フェノチアジン類などを挙げることができる。増感剤は、重合開始剤100質量部に対し、30〜200質量部の割合で添加することが好ましい。
本発明の硬化性組成物には、光重合開始剤の他に、増感剤を加えることもできる。
増感剤は、活性光線又は放射線を吸収して励起状態となる。励起状態となった増感剤は、成分Cとの相互作用により、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じ、重合を開始・促進できる。
好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有する化合物を挙げることができる。多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン、フェナントレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、キサントン類(例えば、キサントン、チオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、ローダシアニン類、オキソノール類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン、ベンゾフラビン)、アクリドン類(例えば、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン、9,10−ジブトキシアントラセン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、スチリル類、ベーススチリル類、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、ケトクマリン)、カルバゾール類(例えば、N−ビニルカルバゾール)、カンファーキノン類、フェノチアジン類。
この他、本発明において用いることができる典型的な増感剤としては、クリベロ〔J. V. Crivello, Adv. in Polymer Sci., 62, 1 (1984)〕に開示しているものが挙げられる。
増感剤の好ましい具体例としては、ピレン、ペリレン、アクリジンオレンジ、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、ベンゾフラビン、N−ビニルカルバゾール、9,10−ジブトキシアントラセン、アントラキノン、クマリン、ケトクマリン、フェナントレン、カンファーキノン、フェノチアジン類などを挙げることができる。増感剤は、重合開始剤100質量部に対し、30〜200質量部の割合で添加することが好ましい。
成分F:界面活性剤
本発明の硬化性組成物は、界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。また、界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤が好ましく、フッ素系ノニオン界面活性剤がより好ましい。
本発明に用いることができる界面活性剤としては、例えば、市販品である、メガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781、同F781−F、同R30、同R08、同F−472SF、同BL20、同R−61、同R−90(DIC(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431、Novec FC−4430(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG7105、7000、950、7600、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(三菱マテリアル電子化成(株)製)、フタージェント250(ネオス(株)製)が挙げられる。また、上記以外にも、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(三菱マテリアル電子化成(株)製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)、PolyFox(OMNOVA社製)等の各シリーズを挙げることができる。
本発明の硬化性組成物は、界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。また、界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤が好ましく、フッ素系ノニオン界面活性剤がより好ましい。
本発明に用いることができる界面活性剤としては、例えば、市販品である、メガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781、同F781−F、同R30、同R08、同F−472SF、同BL20、同R−61、同R−90(DIC(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431、Novec FC−4430(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG7105、7000、950、7600、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(三菱マテリアル電子化成(株)製)、フタージェント250(ネオス(株)製)が挙げられる。また、上記以外にも、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(三菱マテリアル電子化成(株)製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)、PolyFox(OMNOVA社製)等の各シリーズを挙げることができる。
また、界面活性剤としては、下記式F−1で表される構成単位A及び構成単位Bを含み、テトラヒドロフランを溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上10,000以下である共重合体を好ましい例として挙げることができる。
式F−1中、R401及びR403はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R402は炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、R404は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Lは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、p及びqは重合比を表す質量百分率であり、pは10質量%以上80質量%以下の数値を表し、qは20質量%以上90質量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、sは1以上10以下の整数を表す。
上記Lは、下記式F−2で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。式F−2におけるR405は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2又は3のアルキル基がより好ましい。
式F−1におけるpとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100質量%であることが好ましい。
式F−1におけるpとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100質量%であることが好ましい。
上記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500以上5,000以下がより好ましい。
これら界面活性剤は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の硬化性組成物における界面活性剤の含有量は、配合する場合、硬化性組成物の全固形分中100質量部に対して、0.001〜5.0質量部が好ましく、0.01〜2.0質量部がより好ましい。
これら界面活性剤は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の硬化性組成物における界面活性剤の含有量は、配合する場合、硬化性組成物の全固形分中100質量部に対して、0.001〜5.0質量部が好ましく、0.01〜2.0質量部がより好ましい。
成分G:アルコキシシラン化合物
本発明の組成物は、密着改良剤としてアルコキシシラン化合物を含有してもよい。アルコキシシラン化合物を用いると、本発明の硬化性組成物により形成された膜と基板との密着性を向上できたり、本発明の硬化性組成物により形成された膜の性質を調整することができる。
本発明の組成物に用いることができるアルコキシシラン化合物は、基材となる無機物、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、モリブデン、チタン、アルミニウム等の金属と絶縁膜との密着性を向上させる化合物であることが好ましい。具体的には、公知のシランカップリング剤等も有効である。
シランカップリング剤としては、エポキシ基又は(メタ)アクリロキシ基を有するアルコキシシラン化合物が好ましく挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
本発明の硬化性組成物に用いることができるアルコキシシラン化合物は、特にこれらに限定することなく、公知のものを使用することができる。
本発明の組成物は、密着改良剤としてアルコキシシラン化合物を含有してもよい。アルコキシシラン化合物を用いると、本発明の硬化性組成物により形成された膜と基板との密着性を向上できたり、本発明の硬化性組成物により形成された膜の性質を調整することができる。
本発明の組成物に用いることができるアルコキシシラン化合物は、基材となる無機物、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、モリブデン、チタン、アルミニウム等の金属と絶縁膜との密着性を向上させる化合物であることが好ましい。具体的には、公知のシランカップリング剤等も有効である。
シランカップリング剤としては、エポキシ基又は(メタ)アクリロキシ基を有するアルコキシシラン化合物が好ましく挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
本発明の硬化性組成物に用いることができるアルコキシシラン化合物は、特にこれらに限定することなく、公知のものを使用することができる。
アルコキシシラン化合物は、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の硬化性組成物がアルコキシシラン化合物を含有する場合、アルコキシシラン化合物の含有量は、硬化性組成物中の全固形分100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましい。
本発明の硬化性組成物がアルコキシシラン化合物を含有する場合、アルコキシシラン化合物の含有量は、硬化性組成物中の全固形分100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましい。
成分H:架橋剤
本発明の硬化性組成物は、必要に応じ、架橋剤を含有してもよい。架橋剤を添加することにより、本発明の硬化性組成物により得られる硬化膜をより強固な膜とすることができる。
架橋剤としては、熱によって架橋反応が起こるものであれば制限はなく(ただし、上述した各成分は除く。)、公知の架橋剤を用いることができる。
本発明の硬化性組成物が架橋剤を有する場合、架橋剤の含有量は、硬化性組成物中の全固形分100質量部に対して、0.1〜50質量部であることが好ましく、0.1〜30質量部であることがより好ましく、0.5〜20質量部であることが更に好ましい。この範囲で添加することにより、機械的強度及び耐溶剤性に優れた硬化膜が得られる。異種の架橋剤を複数併用することもでき、その場合は架橋剤を全て合算して含有量を計算する。
本発明の硬化性組成物は、必要に応じ、架橋剤を含有してもよい。架橋剤を添加することにより、本発明の硬化性組成物により得られる硬化膜をより強固な膜とすることができる。
架橋剤としては、熱によって架橋反応が起こるものであれば制限はなく(ただし、上述した各成分は除く。)、公知の架橋剤を用いることができる。
本発明の硬化性組成物が架橋剤を有する場合、架橋剤の含有量は、硬化性組成物中の全固形分100質量部に対して、0.1〜50質量部であることが好ましく、0.1〜30質量部であることがより好ましく、0.5〜20質量部であることが更に好ましい。この範囲で添加することにより、機械的強度及び耐溶剤性に優れた硬化膜が得られる。異種の架橋剤を複数併用することもでき、その場合は架橋剤を全て合算して含有量を計算する。
成分I:酸化防止剤
本発明の硬化性組成物は、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、又は、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、アミド類、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にフェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール類)、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤(アルキルホスファイト類)、イオウ系酸化防止剤(チオエーテル類)が好ましく、フェノール系酸化防止剤が最も好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。
具体例としては、特開2005−29515号公報の段落0026〜0031に記載の化合物、特開2011−227106号公報の段落0106〜0116に記載の化合物を挙げることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
好ましい市販品として、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80(以上、(株)ADEKA製)、イルガノックス1035、イルガノックス1098、イルガノックス1726、IRGAFOS168(以上、BASF社製)を挙げることができる。
本発明の硬化性組成物は、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、又は、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、アミド類、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にフェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール類)、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤(アルキルホスファイト類)、イオウ系酸化防止剤(チオエーテル類)が好ましく、フェノール系酸化防止剤が最も好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。
具体例としては、特開2005−29515号公報の段落0026〜0031に記載の化合物、特開2011−227106号公報の段落0106〜0116に記載の化合物を挙げることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
好ましい市販品として、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80(以上、(株)ADEKA製)、イルガノックス1035、イルガノックス1098、イルガノックス1726、IRGAFOS168(以上、BASF社製)を挙げることができる。
本発明の硬化性組成物が酸化防止剤を含有する場合、酸化防止剤の含有量は、硬化性組成物中の全固形成分100質量部に対し、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.2〜5質量部であることがより好ましく、0.5〜4質量部であることが更に好ましい。
成分J:金属酸化物粒子
本発明の硬化性組成物は、屈折率や光透過性を調節することを目的として、金属酸化物粒子を含有することができる。金属酸化物粒子の金属には、B、Si、Ge、As、Sb、Te等の半金属も含まれるものとする。
好ましい金属酸化物粒子としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Gd、Tb、Dy、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、Nb、Mo、W、Zn、B、Al、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Te等の原子を含む酸化物粒子が好ましく、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、インジウム/スズ酸化物、アンチモン/スズ酸化物がより好ましく、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化ジルコニウムが更に好ましく、酸化チタン、酸化ジルコニウムが特に好ましく、酸化チタンが最も好ましい。酸化チタンとしては、特に屈折率の高いルチル型が好ましい。これら金属酸化物粒子は、分散安定性付与のために表面を有機材料で処理することもできる。
本発明の硬化性組成物は、屈折率や光透過性を調節することを目的として、金属酸化物粒子を含有することができる。金属酸化物粒子の金属には、B、Si、Ge、As、Sb、Te等の半金属も含まれるものとする。
好ましい金属酸化物粒子としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Gd、Tb、Dy、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、Nb、Mo、W、Zn、B、Al、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Te等の原子を含む酸化物粒子が好ましく、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、インジウム/スズ酸化物、アンチモン/スズ酸化物がより好ましく、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化ジルコニウムが更に好ましく、酸化チタン、酸化ジルコニウムが特に好ましく、酸化チタンが最も好ましい。酸化チタンとしては、特に屈折率の高いルチル型が好ましい。これら金属酸化物粒子は、分散安定性付与のために表面を有機材料で処理することもできる。
硬化性組成物の透明性の観点から、金属酸化物粒子の平均一次粒子径は、1〜200nmが好ましく、3〜80nmがより好ましく、5〜50nmが特に好ましい。ここで粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡により任意の粒子200個の粒子径を測定し、その算術平均をいう。また、粒子の形状が球形でない場合には、最も長い辺を径とする。
また、金属酸化物粒子は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
本発明の硬化性組成物における金属酸化物粒子の含有量は、硬化性組成物により得られる光学部材に要求される屈折率や、光透過性等を考慮して、適宜決定すればよいが、本発明の硬化性組成物の全固形分に対して、0〜50質量%とすることが好ましく、1〜40質量%とすることがより好ましく、2〜30質量%とすることが更に好ましい。
本発明の硬化性組成物における金属酸化物粒子の含有量は、硬化性組成物により得られる光学部材に要求される屈折率や、光透過性等を考慮して、適宜決定すればよいが、本発明の硬化性組成物の全固形分に対して、0〜50質量%とすることが好ましく、1〜40質量%とすることがより好ましく、2〜30質量%とすることが更に好ましい。
本発明において、金属酸化物粒子は、適当な分散剤及び溶剤中でボールミル、ロッドミル等の混合装置を用いて混合・分散することにより調製された分散液として使用に供することもできる。
−その他の成分−
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、可塑剤、重合禁止剤、熱酸発生剤、酸増殖剤、バインダーポリマー等のその他の成分を添加することができる。これらの成分については、例えば、特開2009−98616号公報、特開2009−244801号公報に記載のもの、その他公知のものを用いることができる。また、“高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞社)”に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を本発明の硬化性組成物に添加してもよい。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、可塑剤、重合禁止剤、熱酸発生剤、酸増殖剤、バインダーポリマー等のその他の成分を添加することができる。これらの成分については、例えば、特開2009−98616号公報、特開2009−244801号公報に記載のもの、その他公知のものを用いることができる。また、“高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞社)”に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を本発明の硬化性組成物に添加してもよい。
<重合禁止剤>
本発明の硬化性組成物は、重合禁止剤を含有してもよい。
重合禁止剤とは、重合開始剤から発生した重合開始ラジカル成分に対して水素供与(又は、水素授与)、エネルギー供与(又は、エネルギー授与)、電子供与(又は、電子授与)などを実施し、重合開始ラジカルを失活させ、重合開始を禁止する役割をはたす物質である。例えば、特開2007−334322号公報の段落0154〜0173に記載の化合物などを用いることができる。
好ましい化合物として、フェノチアジン、フェノキサジン、ヒドロキノン、3,5−ジブチル−4−ヒドロキシトルエンを挙げることができる。
重合禁止剤の含有量は、特に制限はないが、硬化性組成物の全固形分に対して、0.0001〜5質量%であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、重合禁止剤を含有してもよい。
重合禁止剤とは、重合開始剤から発生した重合開始ラジカル成分に対して水素供与(又は、水素授与)、エネルギー供与(又は、エネルギー授与)、電子供与(又は、電子授与)などを実施し、重合開始ラジカルを失活させ、重合開始を禁止する役割をはたす物質である。例えば、特開2007−334322号公報の段落0154〜0173に記載の化合物などを用いることができる。
好ましい化合物として、フェノチアジン、フェノキサジン、ヒドロキノン、3,5−ジブチル−4−ヒドロキシトルエンを挙げることができる。
重合禁止剤の含有量は、特に制限はないが、硬化性組成物の全固形分に対して、0.0001〜5質量%であることが好ましい。
<硬化性組成物の調製方法>
本発明の硬化性組成物の調製方法としては、特に制限はなく、公知の方法により調製することができ、例えば、各成分を所定の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解及び/又は分散して硬化性組成物を調製することができる。また、例えば、各成分を、それぞれ予め溶剤に溶解させた溶液とした後、これらを所定の割合で混合して硬化性組成物を調製することもできる。以上のように調製した硬化性組成物は、例えば、孔径0.2μmのフィルター等を用いてろ過した後に、使用することもできる。
本発明の硬化性組成物の調製方法としては、特に制限はなく、公知の方法により調製することができ、例えば、各成分を所定の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解及び/又は分散して硬化性組成物を調製することができる。また、例えば、各成分を、それぞれ予め溶剤に溶解させた溶液とした後、これらを所定の割合で混合して硬化性組成物を調製することもできる。以上のように調製した硬化性組成物は、例えば、孔径0.2μmのフィルター等を用いてろ過した後に、使用することもできる。
(硬化物の製造方法)
本発明の硬化物は、本発明の硬化性組成物を硬化させた硬化物である。また、本発明の硬化物は、本発明の硬化物の製造方法により得られた硬化物であることが好ましい。また、本発明の硬化物は、硬化膜であることが好ましく、後述する硬化膜の製造方法により得られた硬化膜であることが更に好ましい。
本発明の硬化物の製造方法は、本発明の硬化性組成物を硬化させ硬化物を製造する方法であれば特に制限はないが、以下の工程a〜工程dをこの順で含むことが好ましい。
工程a:本発明の硬化性組成物を基板上に塗布する塗布工程
工程b:塗布された硬化性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
工程c:溶剤が除去された硬化性組成物を活性光線により露光する露光工程
工程d:露光された硬化性組成物を熱処理する熱処理工程
本発明の硬化物は、本発明の硬化性組成物を硬化させた硬化物である。また、本発明の硬化物は、本発明の硬化物の製造方法により得られた硬化物であることが好ましい。また、本発明の硬化物は、硬化膜であることが好ましく、後述する硬化膜の製造方法により得られた硬化膜であることが更に好ましい。
本発明の硬化物の製造方法は、本発明の硬化性組成物を硬化させ硬化物を製造する方法であれば特に制限はないが、以下の工程a〜工程dをこの順で含むことが好ましい。
工程a:本発明の硬化性組成物を基板上に塗布する塗布工程
工程b:塗布された硬化性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
工程c:溶剤が除去された硬化性組成物を活性光線により露光する露光工程
工程d:露光された硬化性組成物を熱処理する熱処理工程
なお、上記工程aは、後述する硬化膜の製造方法における工程1と同様であり、好ましい範囲も同様である。
上記工程bは、後述する硬化膜の製造方法における工程2と同様であり、好ましい範囲も同様である。
上記工程cは、後述する硬化膜の製造方法における工程3と同様である。なお、本発明の硬化物の製造方法が、現像工程を有していない場合には、溶剤が除去された硬化性組成物の全面を活性光線により露光することが好ましい。
上記工程dは、後述する硬化膜の製造方法における工程5と同様であり、好ましい範囲も同様である。
本発明の硬化物の製造方法は、工程cにおいて、溶剤が除去された硬化性組成物の一部を活性光線により露光してもよく、その場合には、工程cと工程dとの間に、工程c’として、露光された硬化性組成物を水性現像液により現像する現像工程を含むことが好ましい。工程c’は、後述する硬化膜の製造方法における工程4と同様であり、好ましい範囲も同様である。
上記工程bは、後述する硬化膜の製造方法における工程2と同様であり、好ましい範囲も同様である。
上記工程cは、後述する硬化膜の製造方法における工程3と同様である。なお、本発明の硬化物の製造方法が、現像工程を有していない場合には、溶剤が除去された硬化性組成物の全面を活性光線により露光することが好ましい。
上記工程dは、後述する硬化膜の製造方法における工程5と同様であり、好ましい範囲も同様である。
本発明の硬化物の製造方法は、工程cにおいて、溶剤が除去された硬化性組成物の一部を活性光線により露光してもよく、その場合には、工程cと工程dとの間に、工程c’として、露光された硬化性組成物を水性現像液により現像する現像工程を含むことが好ましい。工程c’は、後述する硬化膜の製造方法における工程4と同様であり、好ましい範囲も同様である。
(硬化膜及びその製造方法)
本発明の硬化膜は、本発明の硬化性組成物を硬化させた硬化膜である。また、本発明の硬化膜は、本発明の硬化膜の製造方法により得られた硬化膜であることが好ましい。
本発明の硬化膜の製造方法は、本発明の硬化性組成物を硬化させ硬化膜を製造する方法であれば、特に制限はないが、以下の工程1〜工程5をこの順で含むことが好ましい。
工程1:本発明の硬化性組成物を基板上に塗布する塗布工程
工程2:塗布された硬化性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
工程3:溶剤が除去された硬化性組成物の少なくとも一部を活性光線により露光する露光工程
工程4:露光された硬化性組成物を水性現像液により現像する現像工程
工程5:現像された硬化性組成物を熱処理する熱処理工程
本発明の硬化膜は、本発明の硬化性組成物を硬化させた硬化膜である。また、本発明の硬化膜は、本発明の硬化膜の製造方法により得られた硬化膜であることが好ましい。
本発明の硬化膜の製造方法は、本発明の硬化性組成物を硬化させ硬化膜を製造する方法であれば、特に制限はないが、以下の工程1〜工程5をこの順で含むことが好ましい。
工程1:本発明の硬化性組成物を基板上に塗布する塗布工程
工程2:塗布された硬化性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
工程3:溶剤が除去された硬化性組成物の少なくとも一部を活性光線により露光する露光工程
工程4:露光された硬化性組成物を水性現像液により現像する現像工程
工程5:現像された硬化性組成物を熱処理する熱処理工程
上記塗布工程では、本発明の硬化性組成物を基板上に塗布して溶剤を含む湿潤膜とすることが好ましい。硬化性組成物を基板へ塗布する前にアルカリ洗浄やプラズマ洗浄といった基板の洗浄を行うことができる。更に基板洗浄後にヘキサメチルジシラザン等で基板表面を処理することができる。この処理を行うことにより、硬化性組成物の基板への密着性が向上する傾向にある。
上記の基板としては、無機基板、樹脂、樹脂複合材料などが挙げられる。
無機基板としては、例えば、ガラス、石英、シリコン、シリコンナイトライド、及び、それらのような基板上にモリブデン、チタン、アルミ、銅などを蒸着した複合基板が挙げられる。
樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズアゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、液晶ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、シアネート樹脂、架橋フマル酸ジエステル、環状ポリオレフィン、芳香族エーテル樹脂、マレイミド−オレフィン共重合体、セルロース、エピスルフィド樹脂等の合成樹脂からなる基板が挙げられる。これらの基板は、上記の形態のまま用いられる場合は少なく、通常、最終製品の形態によって、例えば、TFT素子のような多層積層構造が形成されている。
上記の基板としては、無機基板、樹脂、樹脂複合材料などが挙げられる。
無機基板としては、例えば、ガラス、石英、シリコン、シリコンナイトライド、及び、それらのような基板上にモリブデン、チタン、アルミ、銅などを蒸着した複合基板が挙げられる。
樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズアゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、液晶ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、シアネート樹脂、架橋フマル酸ジエステル、環状ポリオレフィン、芳香族エーテル樹脂、マレイミド−オレフィン共重合体、セルロース、エピスルフィド樹脂等の合成樹脂からなる基板が挙げられる。これらの基板は、上記の形態のまま用いられる場合は少なく、通常、最終製品の形態によって、例えば、TFT素子のような多層積層構造が形成されている。
本発明の硬化性組成物は、スパッタリングにより製膜された金属膜や金属酸化物に対する密着がよいため、基板としては、スパッタリングにより製膜された金属膜を含むことが好ましい。金属としては、チタン、銅、アルミニウム、インジウム、スズ、マンガン、ニッケル、コバルト、モリブデン、タングステン、クロム、銀、ネオジウム及びこれらの酸化物又は合金であることが好ましく、モリブデン、チタン、アルミニウム、銅及びこれらの合金であることが更に好ましい。なお、金属や金属酸化物は1種単独で用いても、複数種を併用してもよい。
基板への塗布方法は特に限定されず、例えば、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、流延塗布法、スリットアンドスピン法、インクジェット法、印刷法(フレキソ、グラビア、スクリーン等)等の方法を用いることができる。インクジェット法、印刷法は必要な箇所に絞って組成物を設置することができ、組成物を省液化できるため、好ましい。
塗布したときの湿潤膜厚は特に限定されるものではなく、用途に応じた膜厚で塗布することができるが、0.05〜10μmの範囲であることが好ましい。
更に、基板に本発明の硬化性組成物を塗布する前に、特開2009−145395号公報に記載されているような、いわゆる、プリウェット法を適用することも可能である。
塗布したときの湿潤膜厚は特に限定されるものではなく、用途に応じた膜厚で塗布することができるが、0.05〜10μmの範囲であることが好ましい。
更に、基板に本発明の硬化性組成物を塗布する前に、特開2009−145395号公報に記載されているような、いわゆる、プリウェット法を適用することも可能である。
上記溶剤除去工程では、塗布された上記の膜から、減圧(バキューム)及び/又は加熱等により、溶剤を除去して基板上に乾燥塗膜を形成させる。溶剤除去工程の加熱条件は、好ましくは70〜130℃で30〜300秒間程度である。
なお、塗布工程と溶剤除去工程とは、この順に行っても、同時に行っても、交互に繰り返してもよい。例えば、上記塗布工程におけるインクジェット塗布が全て終了した後、上記溶剤除去工程を行ってもよいし、基板を加熱しておき、上記塗布工程におけるインクジェット塗布方式による硬化性組成物の吐出を行いながら溶剤除去を行ってもよい。
なお、塗布工程と溶剤除去工程とは、この順に行っても、同時に行っても、交互に繰り返してもよい。例えば、上記塗布工程におけるインクジェット塗布が全て終了した後、上記溶剤除去工程を行ってもよいし、基板を加熱しておき、上記塗布工程におけるインクジェット塗布方式による硬化性組成物の吐出を行いながら溶剤除去を行ってもよい。
上記露光工程は、活性光線を用いて光重合開始剤より重合開始種を発生させ、エチレン性不飽和基を有する化合物の重合を行い、溶剤が除去された硬化性組成物の少なくとも一部を硬化する工程である。
上記露光工程に用いることができる露光光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、LED光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、i線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)などの波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。
露光装置としては、ミラープロジェクションアライナー、ステッパー、スキャナー、プロキシミティ、コンタクト、マイクロレンズアレイ、レンズスキャナ、レーザー露光など各種方式の露光装置を用いることができる。
また、上記露光工程における露光量としても、特に制限はないが、1〜3,000mJ/cm2であることが好ましく、1〜500mJ/cm2であることがより好ましい。
上記露光工程における露光は、酸素遮断された状態で行うことが、硬化促進の観点から好ましい。酸素を遮断する手段としては、窒素雰囲気下で露光したり、酸素遮断膜を設けることが例示される。
また、上記露光工程における露光は、溶剤が除去された硬化性組成物の少なくとも一部に行われればよく、例えば、全面露光であっても、パターン露光であってもよい。
また、上記露光工程後に、露光後加熱処理:Post Exposure Bake(以下、「PEB」ともいう。)を行うことができる。PEBを行う場合の温度は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、40℃以上120℃以下がより好ましく、50℃以上110℃以下が特に好ましい。
加熱の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなどが挙げられる。
また、加熱時間としては、ホットプレートの場合は1分〜30分程度が好ましく、それ以外の場合は20分〜120分程度が好ましい。この範囲で基板、装置へのダメージなく加熱することができる。
上記露光工程に用いることができる露光光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、LED光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、i線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)などの波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。
露光装置としては、ミラープロジェクションアライナー、ステッパー、スキャナー、プロキシミティ、コンタクト、マイクロレンズアレイ、レンズスキャナ、レーザー露光など各種方式の露光装置を用いることができる。
また、上記露光工程における露光量としても、特に制限はないが、1〜3,000mJ/cm2であることが好ましく、1〜500mJ/cm2であることがより好ましい。
上記露光工程における露光は、酸素遮断された状態で行うことが、硬化促進の観点から好ましい。酸素を遮断する手段としては、窒素雰囲気下で露光したり、酸素遮断膜を設けることが例示される。
また、上記露光工程における露光は、溶剤が除去された硬化性組成物の少なくとも一部に行われればよく、例えば、全面露光であっても、パターン露光であってもよい。
また、上記露光工程後に、露光後加熱処理:Post Exposure Bake(以下、「PEB」ともいう。)を行うことができる。PEBを行う場合の温度は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、40℃以上120℃以下がより好ましく、50℃以上110℃以下が特に好ましい。
加熱の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなどが挙げられる。
また、加熱時間としては、ホットプレートの場合は1分〜30分程度が好ましく、それ以外の場合は20分〜120分程度が好ましい。この範囲で基板、装置へのダメージなく加熱することができる。
本発明の硬化膜の製造方法は、露光された硬化性組成物を現像液により現像する現像工程を更に含むことが好ましい。
現像工程では、パターン状に露光された硬化性組成物を、溶剤やアルカリ性現像液で現像し、パターンを形成する。現像工程で使用する現像液には、塩基性化合物が含まれることが好ましい。塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド等のアンモニウムヒドロキシド類等のアンモニウムヒドロキシド類;ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどの水溶液を使用することができる。また、上記アルカリ類の水溶液にメタノールやエタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
好ましい現像液として、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの0.4〜2.5質量%水溶液を挙げることができる。
現像液のpHは、好ましくは10.0〜14.0である。現像時間は、好ましくは30〜500秒間であり、また、現像の手法は液盛り法(パドル法)、シャワー法、ディップ法等のいずれでもよい。
現像の後に、リンス工程を行うこともできる。リンス工程では、現像後の基板を純水などで洗うことで、付着している現像液除去、現像残渣除去を行う。リンス方法は公知の方法を用いることができる。例えばシャワーリンスやディップリンスなどを挙げることができる。
パターン露光及び現像については、公知の方法や公知の現像液を用いることができる。例えば、特開2011−186398号公報、特開2013−83937号公報に記載のパターン露光方法及び現像方法を好適に用いることができる。
現像工程では、パターン状に露光された硬化性組成物を、溶剤やアルカリ性現像液で現像し、パターンを形成する。現像工程で使用する現像液には、塩基性化合物が含まれることが好ましい。塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド等のアンモニウムヒドロキシド類等のアンモニウムヒドロキシド類;ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどの水溶液を使用することができる。また、上記アルカリ類の水溶液にメタノールやエタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
好ましい現像液として、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの0.4〜2.5質量%水溶液を挙げることができる。
現像液のpHは、好ましくは10.0〜14.0である。現像時間は、好ましくは30〜500秒間であり、また、現像の手法は液盛り法(パドル法)、シャワー法、ディップ法等のいずれでもよい。
現像の後に、リンス工程を行うこともできる。リンス工程では、現像後の基板を純水などで洗うことで、付着している現像液除去、現像残渣除去を行う。リンス方法は公知の方法を用いることができる。例えばシャワーリンスやディップリンスなどを挙げることができる。
パターン露光及び現像については、公知の方法や公知の現像液を用いることができる。例えば、特開2011−186398号公報、特開2013−83937号公報に記載のパターン露光方法及び現像方法を好適に用いることができる。
本発明の硬化膜の製造方法は、上記露光工程後、露光された硬化性組成物を熱処理する工程を含むことが好ましい。本発明の硬化性組成物を露光した後に熱処理を行うことにより、より強度に優れた硬化膜を得ることができる。
上記熱処理の温度としては、80℃〜300℃であることが好ましく、100℃〜280℃であることがより好ましく、120℃〜200℃であることが特に好ましい。上記態様であると、成分Aの縮合が適度に生じると推定され、硬化膜の物性により優れる。
また、上記熱処理の時間としては、特に制限はないが、1分〜360分が好ましく、5分〜240分がより好ましく、10分〜120分が更に好ましい。
また、上記本発明の硬化膜の製造方法における光及び/又は熱による硬化は、連続して行ってもよいし、逐次行ってもよい。
また、熱処理を行う際は窒素雰囲気下で行うことにより、透明性をより向上させることもできる。
熱処理工程(ポストベーク)の前に、比較的低温でベークを行った後に熱処理工程を行うこともできる(ミドルベーク工程の追加)。ミドルベークを行う場合は、90〜150℃で1〜60分加熱した後に、200℃以上の高温でポストベークすることが好ましい。また、ミドルベーク、ポストベークを3段階以上の多段階に分けて加熱することもできる。このようなミドルベーク、ポストベークの工夫により、パターンのテーパー角を調整することができる。これらの加熱は、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなど、公知の加熱方法を使用することができる。
なお、ポストベークに先立ち、パターンを形成した基板に活性光線により全面再露光(ポスト露光)した後、ポストベークすることにより、成分A同士の縮合反応、及び/又は、露光部分に残存する光重合開始剤から熱分解により開始種を発生させ、架橋工程を促進する触媒として機能すると推定され、膜硬化を促進することができる。ポスト露光工程を含む場合の好ましい露光量としては、100〜3,000mJ/cm2が好ましく、100〜500mJ/cm2が特に好ましい。
上記熱処理の温度としては、80℃〜300℃であることが好ましく、100℃〜280℃であることがより好ましく、120℃〜200℃であることが特に好ましい。上記態様であると、成分Aの縮合が適度に生じると推定され、硬化膜の物性により優れる。
また、上記熱処理の時間としては、特に制限はないが、1分〜360分が好ましく、5分〜240分がより好ましく、10分〜120分が更に好ましい。
また、上記本発明の硬化膜の製造方法における光及び/又は熱による硬化は、連続して行ってもよいし、逐次行ってもよい。
また、熱処理を行う際は窒素雰囲気下で行うことにより、透明性をより向上させることもできる。
熱処理工程(ポストベーク)の前に、比較的低温でベークを行った後に熱処理工程を行うこともできる(ミドルベーク工程の追加)。ミドルベークを行う場合は、90〜150℃で1〜60分加熱した後に、200℃以上の高温でポストベークすることが好ましい。また、ミドルベーク、ポストベークを3段階以上の多段階に分けて加熱することもできる。このようなミドルベーク、ポストベークの工夫により、パターンのテーパー角を調整することができる。これらの加熱は、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなど、公知の加熱方法を使用することができる。
なお、ポストベークに先立ち、パターンを形成した基板に活性光線により全面再露光(ポスト露光)した後、ポストベークすることにより、成分A同士の縮合反応、及び/又は、露光部分に残存する光重合開始剤から熱分解により開始種を発生させ、架橋工程を促進する触媒として機能すると推定され、膜硬化を促進することができる。ポスト露光工程を含む場合の好ましい露光量としては、100〜3,000mJ/cm2が好ましく、100〜500mJ/cm2が特に好ましい。
(硬化膜)
本発明の硬化膜や硬化物(以下、硬化膜等ということがある。)は、本発明の硬化性組成物を硬化して得られたものである。
本発明の硬化膜等は、上述したように現像した硬化膜等であっても、現像していない硬化膜等であってもよいが、本発明の効果をより発揮できる現像した硬化膜等であることが好ましい。
本発明の硬化膜等は、成分Aと、成分B等とにより形成された有機−無機ハイブリッド硬化膜等であって、金属酸化物の結晶の膜ではない。硬化膜等中の金属酸化物の結晶成分は、30体積%以下が好ましく、10体積%以下がより好ましく、含まないことが更に好ましい。このような態様とすることで、クラック耐性が向上する。
本発明の硬化膜等は、屈折率が高く、高い透明性を有するため、マイクロレンズ、光導波路、反射防止膜、太陽電池や有機EL発光素子の光取り込み/取り出し効率改善層、LED用封止材及びLED用チップコート材等の光学部材、有機EL表示装置や液晶表示装置などの表示装置に使用される保護膜や絶縁膜、タッチパネルに使用される配線電極の保護膜として好適に用いることができる。
また、本発明の硬化膜は、液晶表示装置又は有機EL表示装置等におけるカラーフィルターの保護膜、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサー、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)用デバイスの構造部材等にも好適に用いることができる。
本発明の硬化膜や硬化物(以下、硬化膜等ということがある。)は、本発明の硬化性組成物を硬化して得られたものである。
本発明の硬化膜等は、上述したように現像した硬化膜等であっても、現像していない硬化膜等であってもよいが、本発明の効果をより発揮できる現像した硬化膜等であることが好ましい。
本発明の硬化膜等は、成分Aと、成分B等とにより形成された有機−無機ハイブリッド硬化膜等であって、金属酸化物の結晶の膜ではない。硬化膜等中の金属酸化物の結晶成分は、30体積%以下が好ましく、10体積%以下がより好ましく、含まないことが更に好ましい。このような態様とすることで、クラック耐性が向上する。
本発明の硬化膜等は、屈折率が高く、高い透明性を有するため、マイクロレンズ、光導波路、反射防止膜、太陽電池や有機EL発光素子の光取り込み/取り出し効率改善層、LED用封止材及びLED用チップコート材等の光学部材、有機EL表示装置や液晶表示装置などの表示装置に使用される保護膜や絶縁膜、タッチパネルに使用される配線電極の保護膜として好適に用いることができる。
また、本発明の硬化膜は、液晶表示装置又は有機EL表示装置等におけるカラーフィルターの保護膜、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサー、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)用デバイスの構造部材等にも好適に用いることができる。
また、本発明の硬化膜等は、タッチパネルに使用される配線電極等の視認性低減層に使用することができる。なお、タッチパネルに使用される配線電極の視認性低減層とは、タッチパネルに使用される配線電極等の視認性を低減する、すなわち、配線電極等を見えにくくする層であり、例えば、タッチ検出電極(例えば、酸化インジウムスズ(ITO)製)間の層間絶縁膜、電極の保護膜(オーバーコート膜)などが挙げられる。また、インデックスマッチング層(IM層、又は、屈折率調整層ということがある。)にも好適である。インデックスマッチング層とは、表示装置の光の反射率や透過率を調整する層である。インデックスマッチング層については特開2012−146217号公報に詳述されており、この内容は本明細書に取り込まれる。本発明の硬化膜を視認性低減層に使用することで優れた視認性のタッチパネルとすることができる。
中でも、本発明の硬化膜は、表示装置等における層間絶縁膜又はオーバーコート膜として好適である。
タッチ検出電極間の層間絶縁膜や保護膜に使用される場合は、視認性改良の観点から硬化膜の波長550nmにおける屈折率は電極の屈折率に近いことが好ましく、具体的には1.70〜2.40が好ましく、1.80〜2.30がより好ましく、1.90〜2.20が更に好ましい。
中でも、本発明の硬化膜は、表示装置等における層間絶縁膜又はオーバーコート膜として好適である。
タッチ検出電極間の層間絶縁膜や保護膜に使用される場合は、視認性改良の観点から硬化膜の波長550nmにおける屈折率は電極の屈折率に近いことが好ましく、具体的には1.70〜2.40が好ましく、1.80〜2.30がより好ましく、1.90〜2.20が更に好ましい。
(液晶表示装置)
本発明の液晶表示装置は、本発明の硬化膜を有することを特徴とする。
本発明の液晶表示装置としては、本発明の硬化性組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の液晶表示装置が具備するTFT(Thin-Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコン−TFT、酸化物半導体TFT(例えば、インジウムガリウム亜鉛酸化物、いわゆる、IGZO)等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶駆動方式としてはTN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In-Plane-Switching)方式、FFS(Fringe Field Switching)方式、OCB(Optically Compensated Bend)方式などが挙げられる。
パネル構成においては、COA(Color Filter on Array)方式の液晶表示装置でも本発明の硬化膜を用いることができ、例えば、特開2005−284291号公報の有機絶縁膜(115)や、特開2005−346054号公報の有機絶縁膜(212)として用いることができる。また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶配向膜の具体的な配向方式としてはラビング配向法、光配向法などが挙げられる。また、特開2003−149647号公報や特開2011−257734号公報に記載のPSA(Polymer Sustained Alignment)技術によってポリマー配向支持されていてもよい。
また、本発明の硬化性組成物及び本発明の硬化膜は、上記用途に限定されず種々の用途に使用することができる。例えば、平坦化膜や層間絶縁膜以外にも、カラーフィルターの保護膜や、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサーや固体撮像素子においてカラーフィルター上に設けられるマイクロレンズ等に好適に用いることができる。
本発明の液晶表示装置は、本発明の硬化膜を有することを特徴とする。
本発明の液晶表示装置としては、本発明の硬化性組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の液晶表示装置が具備するTFT(Thin-Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコン−TFT、酸化物半導体TFT(例えば、インジウムガリウム亜鉛酸化物、いわゆる、IGZO)等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶駆動方式としてはTN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In-Plane-Switching)方式、FFS(Fringe Field Switching)方式、OCB(Optically Compensated Bend)方式などが挙げられる。
パネル構成においては、COA(Color Filter on Array)方式の液晶表示装置でも本発明の硬化膜を用いることができ、例えば、特開2005−284291号公報の有機絶縁膜(115)や、特開2005−346054号公報の有機絶縁膜(212)として用いることができる。また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶配向膜の具体的な配向方式としてはラビング配向法、光配向法などが挙げられる。また、特開2003−149647号公報や特開2011−257734号公報に記載のPSA(Polymer Sustained Alignment)技術によってポリマー配向支持されていてもよい。
また、本発明の硬化性組成物及び本発明の硬化膜は、上記用途に限定されず種々の用途に使用することができる。例えば、平坦化膜や層間絶縁膜以外にも、カラーフィルターの保護膜や、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサーや固体撮像素子においてカラーフィルター上に設けられるマイクロレンズ等に好適に用いることができる。
図1は、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置10の一例を示す概念的断面図である。このカラー液晶表示装置10は、背面にバックライトユニット12を有する液晶パネルであって、液晶パネルは、偏光フィルムが貼り付けられた2枚のガラス基板14,15の間に配置されたすべての画素に対応するTFT16の素子が配置されている。ガラス基板上に形成された各素子には、硬化膜17中に形成されたコンタクトホール18を通して、画素電極を形成するITO透明電極19が配線されている。ITO透明電極19の上には、液晶20の層とブラックマトリックスを配置したRGBカラーフィルター22が設けられている。
バックライトの光源としては、特に限定されず公知の光源を用いることができる。例えば白色LED、青色・赤色・緑色などの多色LED、蛍光灯(冷陰極管)、有機ELなどを挙げることができる。
また、液晶表示装置は、3D(立体視)型のものとしたり、タッチパネル型のものとしたりすることも可能である。更にフレキシブル型にすることも可能であり、特開2011−145686号公報に記載の第2層間絶縁膜(48)や、特開2009−258758号公報に記載の層間絶縁膜(520)として用いることができる。
バックライトの光源としては、特に限定されず公知の光源を用いることができる。例えば白色LED、青色・赤色・緑色などの多色LED、蛍光灯(冷陰極管)、有機ELなどを挙げることができる。
また、液晶表示装置は、3D(立体視)型のものとしたり、タッチパネル型のものとしたりすることも可能である。更にフレキシブル型にすることも可能であり、特開2011−145686号公報に記載の第2層間絶縁膜(48)や、特開2009−258758号公報に記載の層間絶縁膜(520)として用いることができる。
(有機EL表示装置)
本発明の有機EL表示装置は、本発明の硬化膜を有することを特徴とする。
本発明の有機EL表示装置としては、本発明の硬化性組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置や液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の有機EL表示装置が具備するTFT(Thin-Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコン−TFT、酸化物半導体TFT等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
本発明の有機EL表示装置は、本発明の硬化膜を有することを特徴とする。
本発明の有機EL表示装置としては、本発明の硬化性組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置や液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の有機EL表示装置が具備するTFT(Thin-Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコン−TFT、酸化物半導体TFT等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
図2は、有機EL表示装置の一例の構成概念図である。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi3N4からなる絶縁膜3が形成されている。絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)が絶縁膜3上に形成されている。配線2は、TFT1間、又は、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
更に、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上に平坦化膜4が形成されている。
平坦化膜4上には、ボトムエミッション型の有機EL素子が形成されている。すなわち、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5が、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成されている。また、第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8が形成されており、この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
更に、図2には図示していないが、所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設け、次いで、基板上方の全面にAlからなる第二電極を形成し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止し、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続されてなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られる。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi3N4からなる絶縁膜3が形成されている。絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)が絶縁膜3上に形成されている。配線2は、TFT1間、又は、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
更に、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上に平坦化膜4が形成されている。
平坦化膜4上には、ボトムエミッション型の有機EL素子が形成されている。すなわち、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5が、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成されている。また、第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8が形成されており、この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
更に、図2には図示していないが、所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設け、次いで、基板上方の全面にAlからなる第二電極を形成し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止し、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続されてなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られる。
(タッチパネル及びタッチパネル表示装置)
本発明のタッチパネルは、絶縁層及び/又は保護層の、全部又は一部が本発明の硬化性組成物の硬化物からなるタッチパネルである。また、本発明のタッチパネルは、透明基板、電極及び絶縁層及び/又は保護層を少なくとも有することが好ましい。
本発明のタッチパネル表示装置は、本発明のタッチパネルを有するタッチパネル表示装置であることが好ましい。本発明のタッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式など公知の方式いずれでもよい。中でも、静電容量方式が好ましい。
静電容量方式のタッチパネルとしては、特開2010−28115号公報に開示されるものや、国際公開第2012/057165号に開示されるものが挙げられる。この他のタッチパネルとしては、いわゆる、インセル型(例えば、特表2012−517051号公報の図5、図6、図7、図8)、いわゆる、オンセル型(例えば、特開2012−43394号公報の図14、国際公開第2012/141148号の図2(b))、OGS型、TOL型、その他の構成(例えば、特開2013−164871号公報の図6)を挙げることができる。
本発明のタッチパネルは、絶縁層及び/又は保護層の、全部又は一部が本発明の硬化性組成物の硬化物からなるタッチパネルである。また、本発明のタッチパネルは、透明基板、電極及び絶縁層及び/又は保護層を少なくとも有することが好ましい。
本発明のタッチパネル表示装置は、本発明のタッチパネルを有するタッチパネル表示装置であることが好ましい。本発明のタッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式など公知の方式いずれでもよい。中でも、静電容量方式が好ましい。
静電容量方式のタッチパネルとしては、特開2010−28115号公報に開示されるものや、国際公開第2012/057165号に開示されるものが挙げられる。この他のタッチパネルとしては、いわゆる、インセル型(例えば、特表2012−517051号公報の図5、図6、図7、図8)、いわゆる、オンセル型(例えば、特開2012−43394号公報の図14、国際公開第2012/141148号の図2(b))、OGS型、TOL型、その他の構成(例えば、特開2013−164871号公報の図6)を挙げることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
実施例及び比較例で使用した各種成分は以下の通りである。
(成分A)
A−1:チタノキサン(B−2、日本曹達(株)製)
A−2:チタノキサン(B−4、日本曹達(株)製)
A−3:チタノキサン(PC−200、マツモトファインケミカル(株)、固形分31.0%)
A−4:チタノキサン(T−3072、マツモトファインケミカル(株)製)
A−5:チタンアルコキシド(TA−22、マツモトファインケミカル(株)製)
A−6:ジルコニアアルコキシド(ZA−65、マツモトファインケミカル(株)製)
A−7:合成チタノキサン
(成分A)
A−1:チタノキサン(B−2、日本曹達(株)製)
A−2:チタノキサン(B−4、日本曹達(株)製)
A−3:チタノキサン(PC−200、マツモトファインケミカル(株)、固形分31.0%)
A−4:チタノキサン(T−3072、マツモトファインケミカル(株)製)
A−5:チタンアルコキシド(TA−22、マツモトファインケミカル(株)製)
A−6:ジルコニアアルコキシド(ZA−65、マツモトファインケミカル(株)製)
A−7:合成チタノキサン
<A−7の合成>
回転子、還流管、滴下ロートを備えた三つ口ナス型フラスコに、チタンテトラブトキシド(TA−22、マツモトファインケミカル(株)製)11.33部を1−ブタノール(和光純薬工業(株)製)30部に溶解させ、水0.60部(チタンテトラブトキシドに対して1.0倍モル当量)を滴下して室温で1時間撹拌した後、昇温し、還流下1時間撹拌した。反応液を冷却し、A−7を得た。
回転子、還流管、滴下ロートを備えた三つ口ナス型フラスコに、チタンテトラブトキシド(TA−22、マツモトファインケミカル(株)製)11.33部を1−ブタノール(和光純薬工業(株)製)30部に溶解させ、水0.60部(チタンテトラブトキシドに対して1.0倍モル当量)を滴下して室温で1時間撹拌した後、昇温し、還流下1時間撹拌した。反応液を冷却し、A−7を得た。
(成分B)
B−1〜B−40:下記化合物
B’−1:KARAYAD DPHA(ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート、日本化薬(株)製)
B’−2:アロニクスM−305(ペンタエリスリトールトリ及びテトラアクリレート、東亞合成(株)製)
−比較化合物−
R−1:アセチルアセトン(東京化成工業(株)製)
R−2:2−アセトアセトキシエチルメタクリレート(日本合成化学(株)製)
R−3:4,4’−チオビスベンゼンチオール(東京化成工業(株)製)
R−4:n−ブチルメルカプタン(東京化成工業(株)製)
R−5:3−(メチルチオ)プロピオン酸メチル(東京化成工業(株)製)
B−1〜B−40:下記化合物
B’−1:KARAYAD DPHA(ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート、日本化薬(株)製)
B’−2:アロニクスM−305(ペンタエリスリトールトリ及びテトラアクリレート、東亞合成(株)製)
−比較化合物−
R−1:アセチルアセトン(東京化成工業(株)製)
R−2:2−アセトアセトキシエチルメタクリレート(日本合成化学(株)製)
R−3:4,4’−チオビスベンゼンチオール(東京化成工業(株)製)
R−4:n−ブチルメルカプタン(東京化成工業(株)製)
R−5:3−(メチルチオ)プロピオン酸メチル(東京化成工業(株)製)
(成分C)
C−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート((株)ダイセル製)
C−2:メチルエチルジグリコール((株)ダイセル製)
C−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート((株)ダイセル製)
C−2:メチルエチルジグリコール((株)ダイセル製)
(成分D)
D−1:下記構造で表される化合物
D−2:OXE−01(BASF社製)
D−1:下記構造で表される化合物
D−2:OXE−01(BASF社製)
(成分F)
F−1:メガファック554(フッ素系界面活性剤、DIC社製)
F−1:メガファック554(フッ素系界面活性剤、DIC社製)
(実施例1〜53、及び、比較例1〜9)
<硬化性組成物の作製>
以下のようにして、調製した。
表1及び表2に記載の各成分を、各成分の固形分が表1及び表2に記載の割合になるように混合した。
次いで、孔径0.3μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターにてろ過を行い、硬化性組成物を作製した。表1及び表2中の各成分の添加量は、質量部であり、また、各成分の添加量は、固形分量で記載している。また、硬化性組成物の固形分量が、表に記載の固形分量となるように成分Cを添加した。
<硬化性組成物の作製>
以下のようにして、調製した。
表1及び表2に記載の各成分を、各成分の固形分が表1及び表2に記載の割合になるように混合した。
次いで、孔径0.3μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターにてろ過を行い、硬化性組成物を作製した。表1及び表2中の各成分の添加量は、質量部であり、また、各成分の添加量は、固形分量で記載している。また、硬化性組成物の固形分量が、表に記載の固形分量となるように成分Cを添加した。
比較例6の組成物は以下のようにして作製した。
ポリチタノキサン(A):68部
4,4’−チオビスベンゼンチオール:14部
化合物1:18部
トルエン:300部
以上の成分を25℃で混合し、均一な液状組成物を調製した。
なお、上記ポリチタノキサン(A)は、以下のようにして得た。具体的には、回転子、還流管、滴下ロートを備えた三つ口ナス型フラスコにイソプロピルアルコール22.72gとテトライソプロピルチタネート22.72g(0.08mol)を仕込み、よく撹拌しながら80℃で加温保持した。この中に蒸留水2.30g(0.128mol)とイソプロピルアルコール34.56gとの混合液を徐々に滴下した後、85℃で2時間還流し、反応を熟成させた。反応液を冷却した後、アスピレーターを用いて濃縮し、白色固体(Ti含有量39.9%)9.60gを得た。下記式1におけるα、β、γの理論値は、α=10、β=16、γ=8である。
TiαOβ(OR)γ (1)
ポリチタノキサン(A):68部
4,4’−チオビスベンゼンチオール:14部
化合物1:18部
トルエン:300部
以上の成分を25℃で混合し、均一な液状組成物を調製した。
なお、上記ポリチタノキサン(A)は、以下のようにして得た。具体的には、回転子、還流管、滴下ロートを備えた三つ口ナス型フラスコにイソプロピルアルコール22.72gとテトライソプロピルチタネート22.72g(0.08mol)を仕込み、よく撹拌しながら80℃で加温保持した。この中に蒸留水2.30g(0.128mol)とイソプロピルアルコール34.56gとの混合液を徐々に滴下した後、85℃で2時間還流し、反応を熟成させた。反応液を冷却した後、アスピレーターを用いて濃縮し、白色固体(Ti含有量39.9%)9.60gを得た。下記式1におけるα、β、γの理論値は、α=10、β=16、γ=8である。
TiαOβ(OR)γ (1)
また、化合物1は、フタル酸ジアリル/1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンのモル比2:1で配合しヒドロシリル化反応によって得られたアルケニル基含有有機化合物(分子量:1,090)である。
(評価方法)
<成膜性の評価>
得られた硬化性組成物を、スピナーを用いてシリコンウエハ基板上に塗布し、80℃で100秒乾燥することによって厚さ0.5μmの膜を形成した。この基板を、超高圧水銀灯を用いて100mJ/cm2(i線で測定)で露光し、その後オーブンにて180℃で60分加熱した。このときの塗布面状を観察し、白濁やクラックが生じていないか評価した。評価基準は以下の通りであり、「4」及び「5」が好ましく、「5」がより好ましい。
1:基板全面に渡って白濁やクラックが見られる
2:基板全面に渡ってわずかな白濁やクラックが見られる
3:基板の半分程度にわずかな白濁やクラックが見られる
4:基板の一部にわずかな白濁やクラックが見られる
5:白濁やクラックなし
<成膜性の評価>
得られた硬化性組成物を、スピナーを用いてシリコンウエハ基板上に塗布し、80℃で100秒乾燥することによって厚さ0.5μmの膜を形成した。この基板を、超高圧水銀灯を用いて100mJ/cm2(i線で測定)で露光し、その後オーブンにて180℃で60分加熱した。このときの塗布面状を観察し、白濁やクラックが生じていないか評価した。評価基準は以下の通りであり、「4」及び「5」が好ましく、「5」がより好ましい。
1:基板全面に渡って白濁やクラックが見られる
2:基板全面に渡ってわずかな白濁やクラックが見られる
3:基板の半分程度にわずかな白濁やクラックが見られる
4:基板の一部にわずかな白濁やクラックが見られる
5:白濁やクラックなし
<保存安定性の評価>
調製直後の硬化性組成物の粘度(初期粘度)と、30℃で2週間保管後の硬化性組成物の粘度(経時粘度)とを、E型粘度計(東機産業(株)製)にて測定した。
評価基準は以下の通りであり、「4」及び「5」が好ましい。
1:経時粘度が、初期粘度(100%)に対して相対評価として20%以上変化する
2:経時粘度が、初期粘度(100%)に対して相対評価として15%以上20%未満変化する
3:経時粘度が、初期粘度(100%)に対して相対評価として10%以上15%未満変化する
4:経時粘度が、初期粘度(100%)に対して相対評価として5%以上10%未満変化する
5:粘度の変化が5%未満である
調製直後の硬化性組成物の粘度(初期粘度)と、30℃で2週間保管後の硬化性組成物の粘度(経時粘度)とを、E型粘度計(東機産業(株)製)にて測定した。
評価基準は以下の通りであり、「4」及び「5」が好ましい。
1:経時粘度が、初期粘度(100%)に対して相対評価として20%以上変化する
2:経時粘度が、初期粘度(100%)に対して相対評価として15%以上20%未満変化する
3:経時粘度が、初期粘度(100%)に対して相対評価として10%以上15%未満変化する
4:経時粘度が、初期粘度(100%)に対して相対評価として5%以上10%未満変化する
5:粘度の変化が5%未満である
<屈折率の評価>
得られた硬化性組成物を、スピナーを用いてシリコンウエハ基板上に塗布し、80℃で100秒乾燥することによって厚さ0.5μmの膜を形成した。この基板を、超高圧水銀灯を用いて100mJ/cm2(i線で測定)で露光し、その後オーブンにて180℃で60分加熱した。
エリプソメーターVUV−VASE(ジェー・エー・ウーラム・ジャパン(株)製)を用いて、550nmでの硬化膜の屈折率を測定した。屈折率が高いほうが好ましく、1.83以上が特に好ましい。評価基準は以下の通りである。
1:1.75未満
2:1.75以上1.80未満
3:1.80以上1.83未満
4:1.83以上1.86未満
5:1.86以上
得られた硬化性組成物を、スピナーを用いてシリコンウエハ基板上に塗布し、80℃で100秒乾燥することによって厚さ0.5μmの膜を形成した。この基板を、超高圧水銀灯を用いて100mJ/cm2(i線で測定)で露光し、その後オーブンにて180℃で60分加熱した。
エリプソメーターVUV−VASE(ジェー・エー・ウーラム・ジャパン(株)製)を用いて、550nmでの硬化膜の屈折率を測定した。屈折率が高いほうが好ましく、1.83以上が特に好ましい。評価基準は以下の通りである。
1:1.75未満
2:1.75以上1.80未満
3:1.80以上1.83未満
4:1.83以上1.86未満
5:1.86以上
(パターン形成)
300mm×400mmのガラス基板(商品名:XG、コーニング社製)上に、実施例1の硬化性組成物を膜厚1.0μmとなるように塗布し、90℃のオーブンで100秒乾燥(プリベーク)した。その後、ラインアンドスペース1:1の20μmラインがあるマスクで150mJ/cm2の露光(照度は24mW/cm2)をし、アルカリ現像液(水酸化テトラメチルアンモニウム2.38質量%水溶液)を用いて25℃で現像したところ、良好なパターン形成性を示した。
300mm×400mmのガラス基板(商品名:XG、コーニング社製)上に、実施例1の硬化性組成物を膜厚1.0μmとなるように塗布し、90℃のオーブンで100秒乾燥(プリベーク)した。その後、ラインアンドスペース1:1の20μmラインがあるマスクで150mJ/cm2の露光(照度は24mW/cm2)をし、アルカリ現像液(水酸化テトラメチルアンモニウム2.38質量%水溶液)を用いて25℃で現像したところ、良好なパターン形成性を示した。
(表示装置作成の実施例)
図3〜図5に記載のタッチパネルにおいて、上記図4のY(102a)電極を基板111と共に取り囲む絶縁層W(以下、「台座層W」ともいう。)を以下のように形成した以外は、特開2013−97692号公報に記載の方法と同様にして形成し、本発明のタッチパネルを得た。更にそのタッチパネルを用いて、特開2013−97692号公報に従ってタッチパネル付き表示装置を得た。
台座層の形成:実施例1の硬化性組成物を基板上に塗布し、プリベークした後、超高圧水銀灯を用いて露光し、アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、200℃30分間の加熱処理を行い、台座層Wを形成した。なお、上記台座層はタッチ検出電極間の層間絶縁膜としての機能を有する。
得られた表示装置に対して、駆動電圧を印加したところ、良好な表示特性及びタッチ検出性能を示し、信頼性の高い装置であることが分かった。
図3〜図5に記載のタッチパネルにおいて、上記図4のY(102a)電極を基板111と共に取り囲む絶縁層W(以下、「台座層W」ともいう。)を以下のように形成した以外は、特開2013−97692号公報に記載の方法と同様にして形成し、本発明のタッチパネルを得た。更にそのタッチパネルを用いて、特開2013−97692号公報に従ってタッチパネル付き表示装置を得た。
台座層の形成:実施例1の硬化性組成物を基板上に塗布し、プリベークした後、超高圧水銀灯を用いて露光し、アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、200℃30分間の加熱処理を行い、台座層Wを形成した。なお、上記台座層はタッチ検出電極間の層間絶縁膜としての機能を有する。
得られた表示装置に対して、駆動電圧を印加したところ、良好な表示特性及びタッチ検出性能を示し、信頼性の高い装置であることが分かった。
1:TFT(薄膜トランジスタ)、2:配線、3:絶縁膜、4:平坦化膜、5:第一電極、6:ガラス基板、7:コンタクトホール、8:絶縁膜、10:液晶表示装置、12:バックライトユニット、14,15:ガラス基板、16:TFT、17:硬化膜、18:コンタクトホール、19:ITO透明電極、20:液晶、22:カラーフィルター、101a,102a:交差部、101b,102b:電極部、111:基板、112:絶縁膜、112a:コンタクトホール、113:保護膜、W:台座層、X,Y:電極
Claims (18)
- 成分Aとして、下記a1及びa2よりなる群から選ばれた少なくとも1種と、
成分Bとして、下記b1及びb2よりなる群から選ばれた少なくとも1種と、
成分Cとして、溶剤と、を含有することを特徴とする
硬化性組成物。
a1:アルコキシ基を有する、チタン化合物及び/又はジルコニウム化合物、
a2:チタン原子若しくはジルコニウム原子に直結するアルコキシ基を少なくとも1つ有する、チタノキサン、ジルコノキサン及び/又はチタノキサン−ジルコノキサン縮合物、
b1:分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択され、かつ、エチレン性不飽和基を有する化合物、
b2:分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択される化合物、並びに、エチレン性不飽和基を有する化合物。 - 分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択され、かつ、エチレン性不飽和基を有する化合物、又は、分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択される化合物が、下記式I〜式Vのいずれかで表される化合物である、請求項1に記載の硬化性組成物。
- 成分Dとして、光重合開始剤を含有する、請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
- 前記成分Dがオキシムエステル化合物である、請求項3に記載の硬化性組成物。
- 前記a2が、アルコキシ基を有するチタン化合物、アルコキシ基を有するジルコニウム化合物及びハロゲノ基を有するチタン化合物及びハロゲノ基を有するジルコニウム化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種を、チタン原子及びジルコニウム原子の総モル量1.0モルに対して、0.5〜1.9倍モル当量の水により加水分解縮合させて得られるチタノキサン、ジルコノキサン及び/又はチタノキサン−ジルコノキサン縮合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 成分Aが、前記a2を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 前記エチレン性不飽和基が、(メタ)アクリロイルオキシ基である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択され、かつ、エチレン性不飽和基を有する化合物、並びに、分子内にメルカプト基を1つのみ有し、α−メルカプトケト化合物、β−メルカプトケト化合物、1−ヒドロキシ−2−メルカプト化合物、及び、1−ヒドロキシ−3−メルカプト化合物よりなる群から選択される化合物の分子量が、75〜350である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 成分Bが前記b2を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 少なくとも工程a〜工程dをこの順で含む硬化物の製造方法。
工程a:請求項1〜9のいずれか1項に記載の硬化性組成物を基板上に塗布する塗布工程
工程b:塗布された硬化性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
工程c:溶剤が除去された硬化性組成物を活性光線により露光する露光工程
工程d:露光された硬化性組成物を熱処理する熱処理工程 - 少なくとも工程1〜工程5をこの順で含む硬化膜の製造方法。
工程1:請求項1〜9のいずれか1項に記載の硬化性組成物を基板上に塗布する塗布工程
工程2:塗布された硬化性組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
工程3:溶剤が除去された硬化性組成物の少なくとも一部を活性光線により露光する露光工程
工程4:露光された硬化性組成物を水性現像液により現像する現像工程
工程5:現像された硬化性組成物を熱処理する熱処理工程 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化してなる硬化膜。
- 層間絶縁膜又はオーバーコート膜である、請求項12に記載の硬化膜。
- 波長550nmの光における屈折率が1.80〜2.10である、請求項12又は13に記載の硬化膜。
- 請求項12〜14のいずれか1項に記載の硬化膜を有する液晶表示装置。
- 請求項12〜14のいずれか1項に記載の硬化膜を有する有機EL表示装置。
- 請求項12〜14のいずれか1項に記載の硬化膜を有するタッチパネル。
- 請求項12〜14のいずれか1項に記載の硬化膜を有するタッチパネル表示装置。
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JP2014168058A JP2016044212A (ja) | 2014-08-21 | 2014-08-21 | 硬化性組成物、硬化物の製造方法、硬化膜の製造方法、硬化膜、タッチパネル及び表示装置 |
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