JP2016044139A - タケ類抽出物及び新規配糖体 - Google Patents

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究 椎葉
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Abstract

【課題】タケ類植物から得られる新規化合物及び該化合物の新規用途の提供。
【解決手段】式(I)で表される化合物は抗酸化剤等として有用である。

(R及びR2はグルコース、キシロース、及びアラビノースから各々独立に選ばれる糖残基;Glcはグルコース残基;Xylはキシロース残基)
【選択図】なし

Description

本発明は、タケ類抽出物の新たな用途、及び該抽出物から単離された新規配糖体化合物に関する。
イネ科マダケ属のモウソウチク(Phyllostachys pubescens)等のタケ類植物は、日本
国内では大量の繁茂が環境問題を引き起こすほど多く存在する。タケ類植物は成長が2〜3年と早く、また、乾燥植物体全体に対してセルロース含有量が40〜48重量%、ヘミセルロース含有量が24〜28重量%であり、他のリグノセルロース系バイオマスよりもホロセルロース含有量が比較的高いことから、近年バイオ資源として注目されている。例えば、竹を濃硫酸処理した後にエタノール発酵する技術や、生物学的方法等のより低コストかつ効率的に竹を糖化する技術などが、実用化に向けて開発されている。
そのようなタケ類植物のバイオファイナリーにおいて、モウソウチクからバイオエタノールを製造する過程で得られる配糖体等の副産物の利用についても検討が進められている。
ところで、シソ科植物やトウモロコシのふすまから、フェルラ酸に糖がエステル結合した配糖体が得られることが知られている。これらの配糖体は、フェルラ酸よりも強い抗酸化作用を有することが分かっている(非特許文献1、2)。
また、モウソウチクの細胞壁からも、フェルラ酸にキシロースとグルコースの二糖がエステル結合した配糖体が得られることが報告されている(非特許文献3)。
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本発明は、かかる状況に鑑み、タケ類植物の新たな用途を提供することを目的とする。より具体的には、タケ類に含まれる有用な化合物を単離・同定すること、及び該化合物を含有するタケ類抽出物の新たな用途を提供することを目的とする。
タケ類植物のバイオファイナリーに関し、濃硫酸処理に替わるモウソウチクの前処理法を検討していた本発明者らは、タケ類植物を高温及び酵素で処理することに想到した。そして、その処理で得られた抽出物について詳細な化学的分析を行ったところ、新規化合物が含まれることを発見した。さらに、該新規化合物を含むモウソウチク抽出物の生理学的作用を精査した結果、該抽出物が抗酸化作用、コレステロール上昇抑制作用、及び腸内細菌増殖活性化作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]下記一般式(I)で表される化合物(以降、「本発明の配糖体」とも称する)。
(式中、R1及びR2はグルコース、キシロース、及びアラビノースから独立して選ばれる糖残基であり、またGlcはグルコース残基であり、Xylはキシロース残基を表す。)
[2][1]に記載の化合物を主成分として含有する抗酸化剤。
[3][1]に記載の化合物を主成分として含有するコレステロール上昇抑制剤。
[4][1]に記載の化合物を主成分として含有する腸内細菌増殖活性化剤。
[5]マダケ属、トウチク属、シホウチク属の中から選ばれる少なくとも1種のタケ類の抽出物(以降、「本発明の抽出物」とも称する)を含有する抗酸化剤。
[6]マダケ属、トウチク属、シホウチク属の中から選ばれる少なくとも1種のタケ類の抽出物を含有するコレステロール上昇抑制剤。
[7]マダケ属、トウチク属、シホウチク属の中から選ばれる少なくとも1種のタケ類の抽出物を含有する腸内細菌増殖活性化剤。
[8][1]に記載の化合物を含有する、マダケ属、トウチク属、シホウチク属の中から選ばれる少なくとも1種のタケ類の抽出物。
本発明により、タケ類植物に含まれる新規配糖体化合物が単離・同定され、該配糖体及びこれを含有するタケ類抽出物に抗酸化作用、コレステロール上昇抑制作用、及び腸内細菌増殖活性化作用が見出された。本発明の配糖体又はこれを含有するタケ類抽出物は、上記作用の効果を企図して、化粧品、医薬品、食品などへの利用が期待できる。
マウスの体重の変化を表すグラフ。 マウスの血中総コレステロール値の変化を表すグラフ。 マウスの糞便のpHの変化を表すグラフ。 マウスの糞便の写真。 腸内フローラ解析の電気泳動写真。
本発明の配糖体は、フェルラ酸にキシロース及びグルコースの二糖が直列に結合し、さらにグルコースに2個の糖残基が結合した構造を有する化合物である。すなわち、本発明の配糖体は、下記一般式(I)で表される化合物である。
一般式(I)において、R1及びR2はグルコース、キシロース、及びアラビノースから独立して選ばれる糖残基である。また、Glcはグルコース残基であり、Xylはキシロース残基を表す。
本発明の配糖体において、フェルラ酸のカルボキシ基は、通常はキシロースの4位の水酸基とエステル結合を形成している。フェルラ酸に結合するキシロース残基は、通常はグルコース残基に1→6グリコシド結合している。さらに、通常はキシロース残基に結合するグルコース残基の1位及び4位の水酸基を介して、糖残基R及びR2がそれぞれグリ
コシド結合(1→6、1→4)している。
本発明の配糖体は、通常、マダケ属、トウチク属、シホウチク属の中から選ばれる少なくとも1種のタケ類の抽出物、すなわち本発明の抽出物に含有される。本発明の抽出物は、本発明の配糖体を、通常、乾燥質量で0.001重量%以上、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上含有し、上限は特に制限されないが、50重量%、もしくは70重量%、又は90重量%が例示できる。
本発明の抽出物及び配糖体を抽出するタケ類植物としては、上記のうちマダケ属が好ましく、さらにマダケ属としてはモウソウチク、マダケ、ハチク、ホテイチク、クロチクが挙げられ、中でもモウソウチクが特に好ましい。
抽出に用いるタケ類植物の部位としては、稈、枝、葉、地下茎、根の何れでも構わないが、扱いやすさと抽出効率の観点から稈が好ましい。
以下に、本発明の抽出物及び配糖体の取得方法の一例を挙げるが、これに限定されない。
1)細かく粉砕したモウソウチクを加熱・加圧処理する。なお、加熱温度は105〜180℃が好ましく、加える圧力は0.2〜1MPaが好ましい。また、加熱と加圧を同時に行うことが好ましい。
2)植物細胞壁崩壊酵素(セルラーゼ)で処理する。
3)ろ過または遠心分離を行い、ろ液または上清を得る。
4)得られたろ液または上清を凍結乾燥する。
上記工程1)〜4)により、本発明の抽出物が得られる。さらに、以下の工程5)〜6)により、本発明の抽出物に含まれる本発明の配糖体を単離することができる。
5)本発明の抽出物をカラムクロマトグラフィーで分画する。カラムとしては、例えばShephadex LH-20を用い、溶出溶媒としては、例えば水→水:メタノール=50:50(容
量比)→メタノールの勾配をかけて溶出し、水溶出分、第1分画分、および第2分画分に粗分画する。
6)前記第2分画を、さらに高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に供し、シングルピーク毎に分画する。カラムとしては、例えばLICHROCART-150を用い、溶出溶媒としては、例えばアセトニトリル:蟻酸:超純水=1.3:1:7(容量比)を用いる。
その他に、粉砕したモウソウチクを希硫酸と混合し、マイクロ波照射により抽出することにより、本発明の抽出物及び配糖体を取得することもできる。
上記のようにして得られる化合物又はそれを含む抽出物が、本発明の配糖体を含むことは、例えば、H−NMR、13C−NMR、MS、IR等によって確認することができる。
また、本発明の配糖体は、化学的手法による合成によって取得してもよい。合成工程は特に限定されないが、例えば、適宜保護基を用いてフェルラ酸にキシロース及びグルコースが2個付加したグルコースを付加する反応等により取得できる。
本発明の抽出物及び配糖体は、抗酸化作用を有する。その抗酸化能はフェルラ酸の10倍高い作用を示す。本発明の抽出物及び配糖体の抗酸化作用は、DPPHラジカル消去活性試験等により確認することができる。本発明の抽出物又は配糖体を主成分として、抗酸化剤とすることができる。
本発明の抽出物及び配糖体は、コレステロール上昇抑制作用を有する。特に、高脂肪食等の接種後に血中の総コレステロールが上昇するのを抑制し(予防)、又は上昇した総コレステロールを低減させる(改善)する効果を示す。そのため、本発明の抽出物又は配糖体を主成分として、コレステロール上昇抑制剤とすることができる。
本発明の抽出物及び配糖体は、ラクトバチルス属細菌等の腸内細菌を増殖させ、又は活性化する作用を有する。腸内細菌が増殖又は活性化することにより、腸の消化活動が活性化し、また有害物質の産生・吸収が阻害される等の効果を期待できる。そのため本発明の抽出物又は配糖体を主成分として、腸内細菌増殖活性化剤とすることができる。
本発明に係る抗酸化剤、コレステロール上昇抑制剤又は腸内細菌増殖活性化剤として使用する場合の本発明の配糖体の投与量は、年齢、性別、体重などによって異なるが、通常、成人1日あたり0.000001〜10gである。また、本発明に係る抗酸化剤、コレステロール上昇抑制剤又は腸内細菌増殖活性化剤に含有して使用する場合の本発明の抽出物の投与量は、年齢、性別、体重などによって異なるが、通常、成人1日あたり乾燥質量で0.00001〜100gである。
本発明の配糖体及び抽出物を、抗酸化剤、コレステロール上昇抑制剤又は腸内細菌増殖活性化剤として使用する態様において、その投与形態は経口、非経口を問わず、医薬品、医薬部外品、化粧品、種々の飲食品などいずれの形態にも限らない。また、これらの形態で通常使用される一般的な担体、助剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤、界面活性剤、注射剤用溶剤等の添加剤等とともに用いることができ、常法に従って製剤化することができる。製剤形態としては特に限定されず、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、坐剤、注射剤、軟膏剤、貼付剤、点眼剤、点鼻剤等があげられる。
本発明に係る抗酸化剤、コレステロール上昇抑制剤又は腸内細菌増殖活性化剤として使用する場合の本発明の配糖体の剤型中の含有量は、特に限定されないが、例えば、0.0001〜10重量%、好ましくは0.001〜1重量%、特に好ましくは0.005〜1重量%とすることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<1>タケ類抽出物の取得
モウソウチクを長径2.0〜3.35mm程度に粉砕したチップ96.8gに、蒸留水100mLを加えて121℃で15分間オートクレーブ処理した。ここに、植物細胞壁崩壊酵素(セルラーゼ「オノズカ」、ヤクルト社製)を50mg加え、50℃で2時間振とうした。酵素反応液を遠心分離し(3,000rpm、10分間)、回収した上清を凍結
乾燥し、黒色のタケ類抽出物(Bamboo Oligo Saccharide;以後BOSと表記する)を3.42g(収率3.5%)得た。
<2>BOSの抗酸化作用の評価
以下の手順でBOSをカラムクロマトグラフィー分析に供した。<1>で得たBOSの凍結乾燥物を超純水に溶解し、5重量%BOS水溶液を調製した。SephadexLH−20を約36mL充填したカラム(内径;18mm×長さ;150mm)を、脱気水で平衡化した後、前記5重量%BOS水溶液を2mLチャージした。ボイドボリュームの測定後、脱気水→脱気水:メタノール=50:50(容量比)→メタノールの順に溶出溶媒を変えて、室温にてボイドボリュームの3倍量を流して分画した。
各分画に含まれる全糖量をフェノール硫酸法で測定した。すなわち、1.0mLの試料水溶液に5%のフェノール液を1.0mL加え混合した。そこに濃硫酸5.0mLを速やかに直接滴下するように加え混合した。10分間放置し、黄色から褐色に呈色するのを確認後、常温の水浴中で10分以上冷却した後、490nmの吸光度を測定した。
また、還元糖量をソモギネルソン法で測定した。すなわち、1.0mLの試料溶液にソモギ試薬を1.0mL加え、よく混合した後、100℃の水浴で20分間煮沸した。そこにネルソン試薬を1.0mL加えて30分放置後、水で25mLに調製し、660nmの吸光度を測定した。ソモギ試薬及びネルソン試薬の組成は以下の通り。
(ソモギ試薬)
無水炭酸ナトリウム 24 g
ロッシェル塩(酒石酸カリウムナトリウム) 12 g
10%硫酸銅五水和物 40 mL
炭酸水素ナトリウム 16 g
無水硫酸ナトリウム 18 g
超純水 全量を1Lにメスアップ
(ネルソン試薬)
モリブデン酸アンモニウム 50 gを900 mL超純水に溶解させたもの
濃硫酸 42 mL
ヒ酸ナトリウム7水和物 6 g を50 mLの超純水に溶解させたもの
計 1L
また、抗酸化能をDPPH法で測定し、アスコルビン酸(AsA)濃度での換算値を求めた。すなわち、まずアスコルビン酸88mgを蒸留水に溶解して100mLとしたものを希釈して10〜50μMのAsA標準液を作成した。また、DPPH40mgをエタノールに溶解して500mLとしたものを、0.3mM DPPHエタノール溶液とした。
蒸留水(ブランク)又はAsA標準液各2mLを遮光した試験管に取り、蒸留水2mL及び0.3mM DPPHエタノール溶液1mLを加え、室温で30分間放置後、517n
mの吸光度を測定し、検量線を作成した。試料1mLを蒸留水で10倍希釈し、蒸留水(ブランク)又は試料希釈液各2mLを遮光した試験管に取り、蒸留水2mL及び0.3m
M DPPHエタノール溶液1mLを加え、室温で30分間放置後、517nmの吸光度
を測定した。また、0.3mM DPPHエタノール溶液に代えて蒸留水1mLを加えて
同様に測定したものをCとした。ブランクの吸光度−(試料希釈液の吸光度−Cの吸光度)の値を算出し、検量線から試料が相当するAsA濃度を求めた。
表1に各分画の抗酸化能比活性の測定結果を示す。
表1に示されるようにNo.12の分画の抗酸化能比活性が特に高かったため、この分画に高い抗酸化作用を有する物質が含まれると推測し、さらに高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて分画した。
HPLC条件
カラム;LICHROCART-150
流速;1mL/min
溶出溶媒;アセトニトリル:蟻酸:超純水=1.3:1:7(容量比)
カラム温度:50℃
2つのピークが得られ、回収した各分画をPeak1及びPeak2とした。これらについても抗酸化能を測定した。表2に、BOS、No.12の分画、Peak1、Peak2、及び比較のため小麦フスマからBOSと同じ方法で抽出して得たヘミセルロース成分の測定結果を示す。Peak2により高い抗酸化能比活性が認められ、この分画に高い抗酸化作用を有する物質が含まれることが推測された。なお、Peak2の抗酸化能はフェルラ酸の約10倍高かった。
<3>BOSのコレステロール上昇抑制作用及び腸内細菌活性化作用の評価
マウスを被験動物として、BOSのコレステロール上昇抑制作用及び腸内細菌活性化作用の評価試験を行った。
雄のマウス(ICR系統マウスの5週齢および32週齢、及びC57BL系統マウスの52週齢、日本クレア社)を用意し、それぞれ4匹ずつを1群とした。対照群、試験群ともに初めの2週間は標準飼育繁殖用餌を摂食させ、試験開始日(−2週目)と2週間後(0週目)に血液及び糞便を採取した。その後の4週間は、対照群には高脂肪餌を、試験群には高脂肪餌とBOS(高脂肪餌の5重量%)をそれぞれ摂食させ、高脂肪餌に変えてから2週間後(2週目)及び4週間後(4週目)に血液及び糞便を採取した。その後の2週間は対照群、試験群ともに標準飼育繁殖用餌を摂食させ、標準飼育繁殖用餌に戻してから2週間後(6週目)に血液及び糞便を採取した。
血液の採取及び血中総コレステロール濃度の測定は、Cholesterol/Cholesteryl Ester
Quantitation Kit(Bio Vision社製)を用いて以下の手順で行った。
マウスの尾にカミソリで傷を付け、採取した血液を20分間、37℃でインキュベートした。それを10分遠心して(10,000rpm、10分間)、血清サンプルを得た。
血清サンプルをcholesterol assay bufferで10倍希釈した。クロロホルム、イソプロパノール、NP−40混合液(クロロホルム:イソプロパノール:NP−40=7:11:0.1(容量比))を入れて、マイクロマルチミキサーで混合し、希釈した血清サンプルを作成した。希釈した血清サンプルにクロロホルムイソプロパノールNP−40混合液を200μL入れてよく混合した。遠心分離(15000×g、10分)を行い、上清を新
しいチューブに入れて、エバポレーターで濃縮した(湯せん50℃、20分間)。濃縮したサンプルにcholesterol assay bufferを200μLを添加し、ボルテックスにて撹拌混合した。96穴マイクロプレートの1ウェルあたり50μLずつサンプルを注入し、上記キットのプロトコールに従って前処理した。マイクロプレートリーダーにて波長570nmの吸光度を測定した。
以下の手順で腸内フローラ解析を行った。
ZR Fecal DNA Kit(ZYMO RESEACH社製)を用いて、糞便サンプル(150mg)から
全16SrDNAを抽出した。ユニバーサルプライマー(配列番号1及び2)又はラクトバチルスプライマー(配列番号3及び4)を用いてPCRを行った。DGGE DCodeシステム(BioRad社製)を用いて、DGGE法による電気泳動を行った(変性剤濃度35〜65容量%のアクリルアミドゲル、50V、16時間)。
図1にマウスの体重変化を表すグラフを示す。体重変化は、試験群と対照群とで有意差は見られなかった。
図2に血中総コレステロール値の変化を表すグラフを示す。血中総コレステロール値は、週齢に関係なく試験群が対照群に比して減少する傾向にあった。特に、3週齢では4週目及び6週目に、32週齢では2週目及び4週目に、52週齢では4週目に、有意差がみられた。
図3に糞便pHの変化を表すグラフを示す。糞便pHは、試験群が対照群に比して2週目及び4週目で低下する傾向にあったことから、腸内の乳酸菌等のいわゆる善玉菌が増殖・活性化し、有機酸を産生したことが推測された。
図4に糞便の色の変化を示す。試験群において2週目及び4週目の糞便の色が黒色になったのは、調製したBOSは黒色であるため、それがコレステロール又は胆汁酸と結合して排出されたためと思われる。
図5に52週齢マウスの腸内フローラ解析結果を示す。52週齢の試験群の4週目にみられるラクトバチルス特有のバンド(▲印)から、ラクトバチルスが増加したことが分かる。この糞便サンプルから抽出した16SrDNA配列を解析したところ、Lactobacillus reuteriの配列が検出され、該細菌の活性化が示唆された。
<4>本発明の配糖体の構造の推定
以下の手順により、上記<2>で抗酸化能が確認されたBOSの分画に含まれる物質を推定した。
(1)フェルラ酸量の測定
BOS、BOSの分画No.12、Peak2、及び小麦フスマからBOSと同じ方法で抽出して得たヘミセルロース成分について、HPLCで分析し、出現したフェルラ酸のピーク面積からその量を算出した。表4に結果を示す。
カラム;LICHROCART-150
流速;1mL/min
溶出溶媒;アセトニトリル:蟻酸:超純水=1.3:1:7(容量比)
カラム温度:50℃
(2)糖残基及びその構成比の検討
BOS、BOSの分画No.12、Peak2、及び小麦フスマからBOSと同じ方法で抽出して得たヘミセルロース成分について、それぞれトリフルオロ酢酸で加水分解した後、HPLCで分析し、出現したピークを糖残基のピークと照合した。表4に結果を示す。
HPLC条件
カラム;LiChroCART 250-4
流速;1mL/min
溶媒;アセトニトリル:超純水=4:1(容量比)
カラム温度:50℃
表2に示されるようにBOSの分画No.12は高い抗酸化能を有し、これは表4に示されるようにフェルラ酸部位を有することに由来することが推測される。また、BOSの分画No.12は表1に示される全糖量/還元糖量の比が4.4であることから、この分画に含まれるフェルラ酸の配糖体には4つの糖が結合していることが推測される。さらに、表4よりPeak2に含まれる物質に含まれる糖は、キシロース1個に対してグルコースが3個存在していると認められる。文献(Plant Sci. 127, 1997, 111-127.、 Carbohydr. Res. 196, 1999, 175-183)を参照すると、フェルラ酸配糖体においてフェルラ酸に
はキシロースが結合していることから、Peak2に含まれる化合物はフェルラ酸−Xyl−Glc−(Glc)の構造を有することが推測される。
また、BOSには、複数のフェルラ酸配糖体が含まれると推測され、そのような配糖体はフェルラ酸にキシロース、アラビノース、及び/又はグルコースが結合している構造であることが推測される。
本発明の配糖体又はこれを含有するタケ類抽出物は、抗酸化作用、コレステロール上昇抑制作用、及び腸内細菌増殖活性化作用を有するため、化粧品、医薬品、食品などへの利用が期待でき、産業上有用である。

Claims (8)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物。
    (式中、R及びR2はグルコース、キシロース、及びアラビノースから独立して選ばれ
    る糖残基であり、またGlcはグルコース残基であり、Xylはキシロース残基を表す。)
  2. 請求項1に記載の化合物を主成分として含有する抗酸化剤。
  3. 請求項1に記載の化合物を主成分として含有するコレステロール上昇抑制剤。
  4. 請求項1に記載の化合物を主成分として含有する腸内細菌増殖活性化剤。
  5. マダケ属、トウチク属、シホウチク属の中から選ばれる少なくとも1種のタケ類の抽出物を含有する抗酸化剤。
  6. マダケ属、トウチク属、シホウチク属の中から選ばれる少なくとも1種のタケ類の抽出物を含有するコレステロール上昇抑制剤。
  7. マダケ属、トウチク属、シホウチク属の中から選ばれる少なくとも1種のタケ類の抽出物を含有する腸内細菌増殖活性化剤。
  8. 請求項1に記載の化合物を含有する、マダケ属、トウチク属、シホウチク属の中から選ばれる少なくとも1種のタケ類の抽出物。
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