JP2016044107A - 水素製造システム、水素製造方法およびそれを用いたアンモニア製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヨウ化水素および硫酸の熱分解や濃縮に用いる熱エネルギーとして、石油、石炭などの化石燃料に依存しない熱源を提供することにより、CO2の削減に寄与することができる水素製造システム、水素製造方法およびそれを用いたアンモニア製造方法を提供する。
【解決手段】硫酸を熱分解して製造した二酸化硫黄ガスを水とヨウ素との混合物に吸収させ、得られたヨウ化水素を熱分解して水素を製造するシステムにおいて、第1熱媒体を用いて硫酸を熱分解する硫酸熱分解手段と、第1熱媒体より低温の第2熱媒体を第1熱媒体と熱交換させ、昇温した第2熱媒体を用いて水蒸気を発生させる水蒸気発生手段とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】硫酸を熱分解して製造した二酸化硫黄ガスを水とヨウ素との混合物に吸収させ、得られたヨウ化水素を熱分解して水素を製造するシステムにおいて、第1熱媒体を用いて硫酸を熱分解する硫酸熱分解手段と、第1熱媒体より低温の第2熱媒体を第1熱媒体と熱交換させ、昇温した第2熱媒体を用いて水蒸気を発生させる水蒸気発生手段とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ヨウ化水素を熱分解して水素を製造する水素製造システム、水素製造方法およびそれを用いたアンモニア製造方法に関する。
従来、水素の製造方法として、ブンゼン反応により製造したヨウ化水素の分解反応を利用する方法が広く知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法は、収支バランス的には、水を熱分解して水素を得る方法であるが、次の3つの反応から構成されている。
(反応1)
硫酸を650℃以上に加熱して熱分解させ、水と二酸化イオウと酸素とを得る反応。
(H2SO4→H2O+SO2+1/2O2)
(反応2)
水とヨウ素との混合物に二酸化硫黄ガスを吸収させ、約100℃の温度でヨウ化水素と硫酸を得る反応。
(I2+SO2+2H2O→H2SO4+2HI:ブンゼン反応)
(反応3)
ヨウ化水素を400〜500℃に加熱して熱分解させ、水素とヨウ素とを得る反応。
(2HI→H2+I2)
(反応1)
硫酸を650℃以上に加熱して熱分解させ、水と二酸化イオウと酸素とを得る反応。
(H2SO4→H2O+SO2+1/2O2)
(反応2)
水とヨウ素との混合物に二酸化硫黄ガスを吸収させ、約100℃の温度でヨウ化水素と硫酸を得る反応。
(I2+SO2+2H2O→H2SO4+2HI:ブンゼン反応)
(反応3)
ヨウ化水素を400〜500℃に加熱して熱分解させ、水素とヨウ素とを得る反応。
(2HI→H2+I2)
この方法では、水以外の硫黄およびヨウ素の化合物(循環物質)はプロセス内で繰り返し使用されており、すべての反応物質が気体または液体状態で取り扱うことができる。したがって、この方法を利用し、循環物質の損耗を極力抑え、閉サイクルで水素を製造するプロセスが提案されている。
このようなプロセスに適用する水素の製造システムを、図3に示す。同図において、符号31はヨウ化水素蒸留塔であり、32はヨウ化水素分解器であり、33は冷却塔であり、34は水素洗浄塔であり、35はヨウ化水素回収塔である。
ヨウ化水素蒸留塔31では、ブンゼン反応生成物から硫酸を除去し、電気透析等の方法によりヨウ化水素を濃縮したヨウ化水素原料水溶液を蒸留して、実質的に水を含有しないヨウ化水素を得る。蒸留残渣のヨウ化水素水溶液は、成分を調整した上で、再びヨウ化水素蒸留塔31に戻される。得られた水を実質的に含有しないヨウ化水素は、ヨウ化水素分解器32に導かれ、熱分解を受ける。ヨウ化水素分解器32から排出される熱分解生成物は、水素とヨウ素と未反応のヨウ化水素との混合物である。次いで、この混合物を、冷却塔33に送り、冷却する。これにより、ヨウ素がヨウ化水素に溶解した状態で除去回収でき、一方で水素が得られる。
回収したヨウ素のヨウ化水素溶液は、ヨウ化水素回収塔35に投入し、ヨウ化水素を回収すると共にヨウ素を回収する。回収したヨウ化水素は、ヨウ化水素分解器32に投入される。一方、回収したヨウ素は、ブンゼン反応に用いる。
冷却塔33で得られた水素にはヨウ化水素が混入しているため、水素洗浄塔34に送り、ヨウ化水素の除去効率を考慮してヨウ化水素の約4倍モル以上の水で洗浄することにより、ヨウ化水素を除去し、これにより高純度の水素が得られる。
冷却塔33で得られた水素にはヨウ化水素が混入しているため、水素洗浄塔34に送り、ヨウ化水素の除去効率を考慮してヨウ化水素の約4倍モル以上の水で洗浄することにより、ヨウ化水素を除去し、これにより高純度の水素が得られる。
ところで、前記反応2は、発熱反応であり、水とヨウ素との混合物に二酸化硫黄ガスを吸収させることにより反応が進む。一方、前記反応1および反応3は、吸熱反応であり、反応を進める熱源を確保する必要がある。
従来、前記反応1および反応3に必要な熱源として、高温ガス炉によって熱エネルギーを供給する方法が採用されていた。しかし、高温ガス炉による加熱は、CO2の削減効果が期待できないため、石油、石炭などの化石燃料に依存しない熱源の確保が課題となっている。
従来、前記反応1および反応3に必要な熱源として、高温ガス炉によって熱エネルギーを供給する方法が採用されていた。しかし、高温ガス炉による加熱は、CO2の削減効果が期待できないため、石油、石炭などの化石燃料に依存しない熱源の確保が課題となっている。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、ヨウ化水素および硫酸の熱分解や濃縮に用いる熱エネルギーとして、石油、石炭などの化石燃料に依存しない熱源を提供することにより、CO2の削減に寄与することができる水素製造システム、水素製造方法およびそれを用いたアンモニア製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の水素製造システムは、硫酸を熱分解して製造した二酸化硫黄ガスを水とヨウ素との混合物に吸収させ、得られたヨウ化水素を熱分解して水素を製造するシステムにおいて、第1熱媒体を用いて硫酸を熱分解する硫酸熱分解手段と、第1熱媒体より低温の第2熱媒体を第1熱媒体と熱交換させ、昇温した第2熱媒体を用いて水蒸気を発生させる水蒸気発生手段とを有することを特徴とする。
この発明においては、第1熱媒体を用いて硫酸を熱分解する硫酸熱分解手段と、第1熱媒体より低温の第2熱媒体を第1熱媒体と熱交換させ、昇温した第2熱媒体を用いて水蒸気を発生させる水蒸気発生手段とを有するので、石油、石炭などの化石燃料に依存する高温ガス炉は必要ない。
また、この発明の前記構成において、水蒸気により発電する際のタービン抽気を用いて、ヨウ化水素および/または硫酸を濃縮する濃縮手段を有することが好ましい。
これにより、ヨウ化水素および/または硫酸の濃縮のエネルギー効率を向上させることができ、CO2の削減に寄与することができる。
これにより、ヨウ化水素および/または硫酸の濃縮のエネルギー効率を向上させることができ、CO2の削減に寄与することができる。
本発明の前記構成において、水素製造システムにより得られた水素を用いてアンモニアを製造するアンモニア製造手段を有することが好ましい。
これにより、燃料、水素キャリア等として用いられるアンモニアを提供することができる。
これにより、燃料、水素キャリア等として用いられるアンモニアを提供することができる。
また、本発明の水素製造方法は、硫酸を熱分解して製造した二酸化硫黄ガスを水とヨウ素との混合物に吸収させ、得られたヨウ化水素を熱分解して水素を製造する方法において、第1熱媒体を用いて硫酸を熱分解する硫酸熱分解工程と、第1熱媒体より低温の第2熱媒体を第1熱媒体と熱交換させ、昇温した第2熱媒体を用いて水蒸気を発生させる水蒸気発生工程とを有することを特徴とする。
この発明においては、第1熱媒体を用いて硫酸を熱分解する硫酸熱分解工程と、第1熱媒体より低温の第2熱媒体を第1熱媒体と熱交換させ、昇温した第2熱媒体を用いて水蒸気を発生させる水蒸気発生工程とを有するので、石油、石炭などの化石燃料に依存する高温ガス炉は必要ない。
本発明の前記構成において、水蒸気により発電する際のタービン抽気を用いて、ヨウ化水素および/または硫酸を濃縮する濃縮工程を有することが好ましい。
これにより、ヨウ化水素および/または硫酸の濃縮のエネルギー効率を向上させることができ、CO2の削減に寄与することができる。
これにより、ヨウ化水素および/または硫酸の濃縮のエネルギー効率を向上させることができ、CO2の削減に寄与することができる。
本発明の前記構成において、水素製造システムにより得られた水素を用いてアンモニアを製造するアンモニア製造工程を有することが好ましい。
これにより、燃料、水素キャリア等として用いられるアンモニアを提供することができる。
これにより、燃料、水素キャリア等として用いられるアンモニアを提供することができる。
本発明の前記構成において、第1熱媒体もしくは第2熱媒体を前記ヨウ化水素の熱分解に用いることが好ましい。
このような構成によれば、第1熱媒体もしくは第2熱媒体をヨウ化水素の熱分解に用いることにより、ヨウ化水素の分解反応に必要な熱源を確保することができる。また、高温の第1熱媒体を用いてヨウ化水素が熱分解することにより、水素の収率を向上させることができる。
本発明によれば、ヨウ化水素および硫酸の熱分解や濃縮に用いる熱エネルギーとして、石油、石炭などの化石燃料に依存しない熱源を提供することにより、CO2の削減に寄与することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態を示すフロー図である。図1に示すように、本実施形態のフローは、第1熱媒体のサイクルA、第2熱媒体のサイクルBおよび水・蒸気を用いた発電サイクルCの3つから構成されている。
図1は、本発明の第1の実施形態を示すフロー図である。図1に示すように、本実施形態のフローは、第1熱媒体のサイクルA、第2熱媒体のサイクルBおよび水・蒸気を用いた発電サイクルCの3つから構成されている。
第1熱媒体のサイクルAには、第1熱媒体を蓄積する高温タンク1と、硫酸を熱分解する硫酸熱分解手段2と、第1熱媒体より低温の第2熱媒体と熱交換を行う熱交換器3と、熱交換により温度が下降した第1熱媒体を蓄積する低温タンク4が設置されている。
第1熱媒体のサイクルAにおいては、高温タンク1に蓄積された650℃以上の第1熱媒体を用いて硫酸を熱分解する硫酸熱分解手段2により、下記反応1に従って硫酸が熱分解される。
H2SO4→H2O+SO2+1/2O2 (反応1)
第1熱媒体のサイクルAにおいては、高温タンク1に蓄積された650℃以上の第1熱媒体を用いて硫酸を熱分解する硫酸熱分解手段2により、下記反応1に従って硫酸が熱分解される。
H2SO4→H2O+SO2+1/2O2 (反応1)
第1熱媒体は、例えば、耐熱温度が580℃以上、好ましくは耐熱温度が650℃以上の熱媒体を使用する。例えば、この第1熱媒体として、塩化物塩等の溶融塩や、空気、水蒸気、窒素、二酸化炭素等の気体、砂、金属等が用いられる。なお、第1熱媒体は、後述する第2熱媒体より耐熱温度の高いものを用いることが好ましい。
また、第1熱媒体を加熱する熱源としては、太陽熱、地熱等の再生可能エネルギー、プラントや発電所等から生じる廃熱やその他の加熱源を利用することができる。特に、太陽熱、地熱等の再生可能エネルギーを用いることにより、二酸化炭素の発生量を抑制することが出来るため好ましい。
なお、熱源がプラント等から排出される流体である場合、そのまま第1熱媒として使用してもよい。
この第1熱媒体は、硫酸分解に用いられて温度が下降した後、熱交換器3で第2熱媒体と熱交換され、その後低温タンク4に蓄積される。
また、第1熱媒体を加熱する熱源としては、太陽熱、地熱等の再生可能エネルギー、プラントや発電所等から生じる廃熱やその他の加熱源を利用することができる。特に、太陽熱、地熱等の再生可能エネルギーを用いることにより、二酸化炭素の発生量を抑制することが出来るため好ましい。
なお、熱源がプラント等から排出される流体である場合、そのまま第1熱媒として使用してもよい。
この第1熱媒体は、硫酸分解に用いられて温度が下降した後、熱交換器3で第2熱媒体と熱交換され、その後低温タンク4に蓄積される。
第2熱媒体のサイクルBには、熱交換器3で昇温した第2熱媒体を用いて水蒸気を発生させる水蒸気発生手段5と、ヨウ化水素を熱分解するHI熱分解手段6が設置されている。また、水蒸気発生手段5は、過熱器(SH:Super Heater、以下同じ)5a、水蒸気発生器(SG:Steam Generator、以下同じ)5bおよびエコノマイザー(EC:Economizer、以下同じ)5cから構成されている。
第2熱媒体のサイクルBにおいては、第2熱媒体が熱交換器3で昇温され、過熱器(SH)5aで水蒸気を加熱する。その後、第2熱媒体は、下記反応2により生成されたヨウ化水素を下記反応3により分解する熱媒体として用いられて、温度が下降した後、蒸気発生器(SG)5bおよびエコノマイザー(EC)5cでそれぞれ、水蒸気の発生および加熱に使用されて、温度がさらに下降し、循環使用される。
I2+SO2+2H2O→H2SO4+2HI:ブンゼン反応(反応2)
2HI→H2+I2 (反応3)
この第2熱媒体としては、例えば、耐熱温度が400℃以上、好ましくは耐熱温度が500℃以上の熱媒体を使用する。この第2熱媒体は、第1熱媒体よりも低温の状態で第一熱媒体と熱交換を行うものである。例えば、この第2熱媒体としては、硝酸塩等の溶融塩や、空気、水蒸気、窒素、二酸化炭素等の気体、砂、金属等が用いられる。
第2熱媒体のサイクルBにおいては、第2熱媒体が熱交換器3で昇温され、過熱器(SH)5aで水蒸気を加熱する。その後、第2熱媒体は、下記反応2により生成されたヨウ化水素を下記反応3により分解する熱媒体として用いられて、温度が下降した後、蒸気発生器(SG)5bおよびエコノマイザー(EC)5cでそれぞれ、水蒸気の発生および加熱に使用されて、温度がさらに下降し、循環使用される。
I2+SO2+2H2O→H2SO4+2HI:ブンゼン反応(反応2)
2HI→H2+I2 (反応3)
この第2熱媒体としては、例えば、耐熱温度が400℃以上、好ましくは耐熱温度が500℃以上の熱媒体を使用する。この第2熱媒体は、第1熱媒体よりも低温の状態で第一熱媒体と熱交換を行うものである。例えば、この第2熱媒体としては、硝酸塩等の溶融塩や、空気、水蒸気、窒素、二酸化炭素等の気体、砂、金属等が用いられる。
また、HI熱分解手段6により製造された水素は、アンモニア製造手段9に導かれる。この水素は、例えば窒素と鉄触媒存在下、20MPa、500℃で反応させることにより、下記反応4によりアンモニアを製造することができる。
N2+3H2→2NH3(反応4)
製造したアンモニアは、燃料、水素キャリアとして用いられるほか、硝酸などの基礎化学品、硫安などチッソ肥料の工業用原料として用いられる。
N2+3H2→2NH3(反応4)
製造したアンモニアは、燃料、水素キャリアとして用いられるほか、硝酸などの基礎化学品、硫安などチッソ肥料の工業用原料として用いられる。
水蒸気を用いた発電サイクルCには、水蒸気を発生させる水蒸気発生手段5と、発電用タービン7と、ヨウ化水素および/または硫酸を濃縮する濃縮手段8が設置されている。また、水蒸気発生手段5は、過熱器(SH)5a、水蒸気発生器(SG)5bおよびエコノマイザー(EC)5cから構成されている。
水蒸気を用いた発電サイクルにおいては、水がエコノマイザー(EC)5cで加熱され、蒸気発生器(SG)5bで水蒸気とされた後、この水蒸気が過熱器(SH)5aで加熱され、この水蒸気を用いてタービン7で発電される。この際、タービン抽気を利用した濃縮手段8により、前記ヨウ化水素および/または前記硫酸が濃縮される。
水蒸気を用いた発電サイクルにおいては、水がエコノマイザー(EC)5cで加熱され、蒸気発生器(SG)5bで水蒸気とされた後、この水蒸気が過熱器(SH)5aで加熱され、この水蒸気を用いてタービン7で発電される。この際、タービン抽気を利用した濃縮手段8により、前記ヨウ化水素および/または前記硫酸が濃縮される。
本実施形態にあっては、650℃以上の高温の第1熱媒体は直接水蒸気発生に用いることが難しいため、400℃〜500℃の第2熱媒体が水蒸気発生に用いられている。
なお、本実施形態に用いる第1熱媒体および第2熱媒体は、気体、液体、固体のいずれの形態でもよい。
なお、本実施形態に用いる第1熱媒体および第2熱媒体は、気体、液体、固体のいずれの形態でもよい。
図2は、本発明の第2の実施形態を示すフロー図である。本実施形態では、図2に示すように、第1の熱媒体のサイクルAにおける硫酸熱分解手段2の後段に、HI熱分解手段6とアンモニア製造手段9が追加されている。また、第2の熱媒体のサイクルBにおけるHI熱分解手段6とアンモニア製造手段9が削除されている。他の構成は、第1の実施形態と同様である。
本実施形態によれば、高温の第1熱媒体を用いてヨウ化水素が熱分解されるので、水素の収率を向上させることができる。
本実施形態によれば、高温の第1熱媒体を用いてヨウ化水素が熱分解されるので、水素の収率を向上させることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
図1に示すフローに従って、第1熱媒体として塩化物塩を用い、第2熱媒体として硝酸塩を用いて、本発明を実施した。
まず、高温タンク1に蓄積した650℃、13000kg/sの塩化物塩を用いて、硫酸を熱分解した。
硫酸分解に用いて575MWを消費し605℃まで温度が下降した塩化物塩は、熱交換器3により290℃の第2熱媒体と熱交換させて温度を下降させた後、低温タンク4に蓄積した。
図1に示すフローに従って、第1熱媒体として塩化物塩を用い、第2熱媒体として硝酸塩を用いて、本発明を実施した。
まず、高温タンク1に蓄積した650℃、13000kg/sの塩化物塩を用いて、硫酸を熱分解した。
硫酸分解に用いて575MWを消費し605℃まで温度が下降した塩化物塩は、熱交換器3により290℃の第2熱媒体と熱交換させて温度を下降させた後、低温タンク4に蓄積した。
次に、第1熱媒体より低温の290℃の硝酸塩を、第1熱媒体と熱交換させて550℃まで昇温し、過熱器(SH)5aにより水蒸気を加熱した。その後、硝酸塩をヨウ化水素の熱分解に用いて31MWを消費し温度を463℃まで下降させた後、蒸気発生器(SG)5bおよびエコノマイザー(EC)5cで水蒸気の発生および加熱に使用して、温度をさらに290℃まで下降させて、循環使用した。
また、ヨウ化水素を熱分解して製造した水素をアンモニア製造手段9に導入して、窒素と鉄触媒存在下、20MPa、500℃で反応させることによりアンモニアを製造することができた。
また、ヨウ化水素を熱分解して製造した水素をアンモニア製造手段9に導入して、窒素と鉄触媒存在下、20MPa、500℃で反応させることによりアンモニアを製造することができた。
最後に、100bar、260℃の水を、エコノマイザー(EC)5cで311℃に加熱し、蒸気発生器(SG)5bで水蒸気を発生させた後、過熱器(SH)5aで水蒸気を540℃に加熱し、この水蒸気を用いてタービン7で発電した。この際、タービン抽気を利用することにより、濃縮手段8で前記ヨウ化水素および硫酸を濃縮した。この時のヨウ化水素の温度は250℃、消費熱量は210MWであり、また、硫酸の温度は140℃、消費熱量は509MWだった。
その結果、前記反応1〜反応3の反応が順調に進み、ヨウ化水素および硫酸の熱分解や濃縮に用いる熱エネルギーとして、石油、石炭などの化石燃料に依存しない熱源を提供することができ、CO2の削減に寄与することができることが確認された。
その結果、前記反応1〜反応3の反応が順調に進み、ヨウ化水素および硫酸の熱分解や濃縮に用いる熱エネルギーとして、石油、石炭などの化石燃料に依存しない熱源を提供することができ、CO2の削減に寄与することができることが確認された。
また、図2に示すフローに従って、硫酸およびヨウ化水素の熱分解における熱媒体として塩化物塩を用いて、本発明を実施した。
その結果、図1の場合に比べてヨウ化水素の熱分解温度を600℃まで高めることができ、水素の収率を向上させることができることが分かった。
その他のフローは図1と同じであり、重複した記載を省略する。
その結果、図1の場合に比べてヨウ化水素の熱分解温度を600℃まで高めることができ、水素の収率を向上させることができることが分かった。
その他のフローは図1と同じであり、重複した記載を省略する。
1 高温タンク
2 硫酸熱分解手段
3 熱交換器
4 低温タンク
5 水蒸気発生手段
5a 過熱器(SH)
5b 水蒸気発生器(SG)
5c エコノマイザー(EC)
6 ヨウ化水素熱分解手段
7 タービン
8 濃縮手段
9 アンモニア製造手段
31 ヨウ化水素蒸留塔
32 ヨウ化水素分解器
33 冷却塔
34 水素洗浄塔
35 ヨウ化水素回収塔
A 第1熱媒体のサイクル
B 第2熱媒体のサイクル
C 発電サイクル
2 硫酸熱分解手段
3 熱交換器
4 低温タンク
5 水蒸気発生手段
5a 過熱器(SH)
5b 水蒸気発生器(SG)
5c エコノマイザー(EC)
6 ヨウ化水素熱分解手段
7 タービン
8 濃縮手段
9 アンモニア製造手段
31 ヨウ化水素蒸留塔
32 ヨウ化水素分解器
33 冷却塔
34 水素洗浄塔
35 ヨウ化水素回収塔
A 第1熱媒体のサイクル
B 第2熱媒体のサイクル
C 発電サイクル
Claims (7)
- 硫酸を熱分解して製造した二酸化硫黄ガスを水とヨウ素との混合物に吸収させ、得られたヨウ化水素を熱分解して水素を製造するシステムにおいて、
第1熱媒体を用いて硫酸を熱分解する硫酸熱分解手段と、
第1熱媒体より低温の第2熱媒体を第1熱媒体と熱交換させ、昇温した第2熱媒体を用いて水蒸気を発生させる水蒸気発生手段とを有することを特徴とする水素製造システム。 - 前記水蒸気により発電する際に発生するタービン抽気を用いて、前記ヨウ化水素および/または前記硫酸を濃縮する濃縮手段を有することを特徴とする請求項1に記載の水素製造システム。
- 請求項1または2に記載の水素製造システムにより得られた水素を用いてアンモニアを製造するアンモニア製造手段を有することを特徴とするアンモニア製造システム。
- 硫酸を熱分解して製造した二酸化硫黄ガスを水とヨウ素との混合物に吸収させ、得られたヨウ化水素を熱分解して水素を製造する方法において、
第1熱媒体を用いて硫酸を熱分解する硫酸熱分解工程と、
第1熱媒体より低温の第2熱媒体を第1熱媒体と熱交換させ、昇温した第2熱媒体を用いて水蒸気を発生させる水蒸気発生工程とを有することを特徴とする水素製造方法。 - 前記水蒸気により発電する際に発生するタービン抽気を用いて、前記ヨウ化水素および/または前記硫酸を濃縮する濃縮工程を有することを特徴とする請求項1に記載の水素製造方法。
- 請求項4または5に記載の水素製造方法により得られた水素を用いてアンモニアを製造するアンモニア製造工程を有することを特徴とするアンモニア製造方法。
- 第1熱媒体もしくは第2熱媒体を前記ヨウ化水素の熱分解に用いることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の水素製造方法。
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