JP2016043570A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間にわたって吐出口の周囲を確実に保護することができる、液体吐出装置を提供する。
【解決手段】インクジェットヘッドの流路ユニット23は、複数のノズル44が形成された合成樹脂製のノズルプレート39と、ノズルプレート39に積層された金属製のプレート38とを有する。金属製のプレート38には、ノズルプレート39側に突出する凸部53が形成され、この凸部53はノズルプレート39によって覆われている。さらに、凸部53自体が、ノズルプレート39のインク吐出面39aよりも突出している。
【選択図】図4

Description

本発明は、液体を吐出する液体吐出装置に関する。
特許文献1には、液体吐出装置として、ノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドが開示されている。このインクジェットヘッドは、複数のノズルが形成された合成樹脂製のノズルプレートと、複数のノズルに連通するインク流路が形成された金属製の流路形成板と、流路形成板に設けられた圧電素子を有する。インクジェットヘッドは、圧電素子により、インク流路内のインクに圧力を付与することで、ノズルからインクを吐出させる。
上記の特許文献1のインクジェットヘッドにおいて、ノズルプレートの、複数のノズルの吐出口が配置されているインク吐出面には、吐出口の周囲にインク滴が付着することを防止するための撥インク膜が形成されている。また、ノズルプレートのインク吐出面には、ノズルの列を挟むように配置され、ノズル列方向に延びる2本の長い凸部(凸条部)が形成されている。この凸部により、紙ジャム等によって記録用紙が浮き上がった場合でも、記録用紙がノズルの吐出口に衝突することが抑制され、吐出口の縁や吐出口の周囲の撥インク膜に傷がつくことが防止される。
特開2006−256165号公報
特許文献1では、合成樹脂製のノズルプレートに凸部が形成されていることから、凸部の材質も合成樹脂である。しかし、合成樹脂の凸部は強度が低いため、耐久性に劣る。例えば、凸部に繰り返し記録用紙が当たることで、凸部が徐々に削られてなくなってしまう。また、記録用紙が大きな力で凸部に衝突したときには、凸部が欠けてしまうこともある。
本発明の目的は、長期間にわたって吐出口の周囲を確実に保護することができる、液体吐出装置を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
第1の発明の液体吐出装置は、液体を吐出する複数のノズル、及び、前記複数のノズルに連通する液体流路が形成された流路構造体を備え、前記流路構造体は、前記複数のノズルが形成されたノズルプレートと、前記ノズルプレートと積層された状態で接合され、前記液体流路のうちの前記複数のノズルに連通する複数の個別流路部分が形成され、且つ、前記ノズルプレートよりも硬い材料からなる凸部を有する流路部材と、を有し、前記凸部は、前記流路部材に、前記ノズルプレート側に突出するように形成され、この凸部は前記ノズルプレートによって覆われており、前記凸部は、前記ノズルプレートの、前記ノズルの吐出口が配置される液体吐出面よりも突出していることを特徴とするものである。
ノズルプレートと積層される流路部材には、ノズルプレート側に突出する凸部が形成されて、この凸部はノズルプレートによって覆われている。この凸部により、ノズルの吐出口の周囲に、被記録媒体等が衝突することが防止される。また、流路部材の凸部が、ノズルプレートよりも硬い材料で形成されていることから、凸部の強度も高く、耐久性に優れる。さらに、凸部は、ノズルプレートを構成する軟質材料で覆われていることから、例えば、液体吐出面がワイパーによって拭き取られる構成においてはワイパーが傷つきにくい。
但し、凸部を覆っているノズルプレートの一部分に、被記録媒体などが繰り返し衝突することによって、このノズルプレートの一部分が徐々に削られていき、最終的に凸部が露出することが考えられる。この点、本発明では、流路部材の凸部が、ノズルプレートの液体吐出面よりも突出しているため、凸部を覆っているノズルプレートが削られて凸部が露出しても、この凸部によって、吐出口の周囲の保護機能は維持される。また、凸部自身は硬質材料で形成されているため、凸部を覆うノズルプレートのように簡単に削られてしまうことはない。
第2の発明の液体吐出装置は、前記第1の発明において、前記ノズルプレートは合成樹脂で形成され、前記流路部材は金属で形成され、前記ノズルプレートと前記流路部材とが積層された状態で、前記流路部材に前記ノズルプレートと反対側からプレス加工が施されることによって、前記流路部材に前記凸部が形成されていることを特徴とするものである。
合成樹脂のノズルプレートにノズルの周囲を保護するための凸部を形成する際に、加熱が必要な方法(熱プレス等)で前記凸部を成形すると、合成樹脂のノズルプレートが加熱されることによって、反りが生じ、剥離等が発生する虞がある。本発明では、合成樹脂のノズルプレートと金属の流路部材とが積層された状態で、プレス加工によって流路部材を部分的に塑性変形させることによって、流路部材に凸部が形成されている。このプレス加工では、合成樹脂のノズルプレートが加熱されることはないため、ノズルプレートが反ることはなく、剥離等の問題は生じない。また、凸部の高さが高いほど、凸部による吐出口の周囲の保護効果は高くなるが、本発明では、プレス加工により、流路部材に突出量の大きい凸部を形成することが容易である。
第3の発明の液体吐出装置は、前記第1又は第2の発明において、前記凸部の頂部の曲率半径が、10μm以上であることを特徴とするものである。
本発明では、凸部の頂部の曲率半径が10μm以上と、頂部の湾曲の程度が緩やかになっている。そのため、凸部がノズルプレートから露出した場合でも、凸部に接触するワイパーが傷つきにくい。また、凸部に被記録媒体などがひっかかることも防止できる。
第4の発明の液体吐出装置は、前記第1〜第3の何れかの発明において、前記ノズルプレートと前記流路部材は、接着剤で接合され、前記流路部材の前記ノズルプレート側の面のうちの、前記凸部が形成されている第1領域以外の第2領域に、前記接着剤を逃すための逃し溝が形成されていることを特徴とするものである。
本発明では、流路部材に、接着剤の逃し溝が形成されているため、ノズルプレートと流路部材とを接着剤で接合したときに、余剰の接着剤が逃し溝に逃がされる。但し、流路部材の、凸部が形成されている第1領域には逃し溝が形成されていない。従って、凸部を覆うノズルプレートが削られて凸部が露出しても、接着剤の逃し溝が露出することはないため、この逃し溝に液体が溜まるという問題が生じない。
第5の発明の液体吐出装置は、前記第1〜第4の何れかの発明において、前記複数のノズルは、所定のノズル配列方向に沿って配列され、前記流路部材の複数の前記凸部が、前記複数のノズルと並んで、前記ノズル配列方向に沿って配列され、各凸部は、前記流路部材の面方向と平行な方向に長い形状を有し、各凸部は、その長手方向が、前記ノズル配列方向に沿うように配置されていることを特徴とするものである。
本発明では、複数の凸部は、複数のノズルと並ぶようにノズル配列方向に配列されている。そのため、各ノズルの吐出口の周囲が、その近くに位置する凸部によって確実に保護される。
ところで、一般的に、プリンタにおける被記録媒体など、ノズルから吐出される液体が着弾する吐出対象物は、液体吐出装置に対して、ノズル配列方向と交差する方向に相対的に移動する。このとき、液体吐出面に付着している液体は、前記の相対移動によって発生する気流の作用等によって、ノズル配列方向と交差する方向に移動しやすい。また、液体吐出面を移動した液体は、ノズルに隣接する凸部に溜まりやすくなる。その際に、液体が、凸部の一箇所に集中して溜まっていると、その溜まった液体が飛び散ったときに周囲に与える影響が大きくなるため、凸部に溜まるにしてもなるべく分散させておきたい。この点、本発明では、各凸部は、ノズル配列方向に長い形状を有する。そのため、各凸部において、液体が、ノズル配列方向に分散し、あるいは、広がって溜まることになり、その液体が飛散したときの周囲への影響を小さく抑えることができる。
本実施形態のインクジェットプリンタの概略平面図である。 インクジェットヘッドの上面図である。 図2のA部拡大図である。 図3のIV-IV線断面図である。 インクジェットヘッドの下面図である。 インクジェットヘッドの製造工程を説明する図である。 変更形態のインクジェットヘッドの下面図である。 別の変更形態のインクジェットヘッドの下面図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、液体吐出装置としてのインクジェットヘッドに本発明を適用した一例である。まず、インクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタの概略構成について説明する。図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの概略平面図である。尚、以下では、図1の紙面手前側を上方、紙面向こう側を下方と定義して、適宜、「上」「下」の方向語を使用して説明する。図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、プラテン2と、キャリッジ3と、インクジェットヘッド4と、搬送機構5と、メンテナンス機構6等を備えている。
プラテン2の上面には、被記録媒体である記録用紙100が載置される。キャリッジ3は、プラテン2と対向する領域において、2本のガイドレール10,11に沿って走査方向に往復移動可能である。キャリッジ3には無端ベルト14が連結され、キャリッジ駆動モータ15によって無端ベルト14が駆動されることで、キャリッジ3は走査方向に移動する。
インクジェットヘッド4はキャリッジ3に取り付けられており、キャリッジ3とともに走査方向に移動する。インクジェットヘッド4の、図1の紙面向こう側の面である下面には、複数のノズル44が形成されている。また、図1に示すように、プリンタ1のプリンタ本体1aにはホルダ9が設けられている。ホルダ9には、4色のインク(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)がそれぞれ貯留された、4つのインクカートリッジ17が装着される。キャリッジ3に搭載されたインクジェットヘッド4とホルダ9は、図示しないチューブによって接続されている。そして、4つのインクカートリッジ17にそれぞれ貯留された4色のインクが、チューブを介してインクジェットヘッド4に供給される。インクジェットヘッド4は、キャリッジ3とともに走査方向に移動しつつ、その下面の複数のノズル44から、プラテン2に載置された記録用紙100に対して4色のインクを吐出する。
搬送機構5は、搬送方向にプラテン2を挟むように配置された2つの搬送ローラ18,19を有する。搬送機構5は、2つの搬送ローラ18,19によって、プラテン2に載置された記録用紙100を搬送方向に搬送する。
そして、インクジェットヘッド4が走査方向に移動しながら、複数のノズル44からインクを吐出する動作と、2つの搬送ローラ18,19が記録用紙100を搬送方向に所定量搬送する動作が、交互に繰り返されることで、記録用紙100に、画像や文字等が記録される。
メンテナンス機構6は、走査方向に関するキャリッジ3の移動範囲のうちの、プラテン2よりも右側の位置に配置されている。メンテナンス機構6は、キャップ20と、キャップ20に接続された吸引ポンプ21と、ワイパー22等を備える。
キャップ20は上下方向(図1の紙面垂直方向)に移動可能である。キャップ20は、キャリッジ3がこのキャップ20と対向する位置にあるときに上方に移動することで、インクジェットヘッド4の下面に密着して複数のノズル44を覆う。この状態で、吸引ポンプ21によりキャップ20内を減圧することで、複数のノズル44からそれぞれインクを強制的に排出する、吸引パージが実行される。このとき、インクジェットヘッド4内の塵や気泡、あるいは、乾燥により増粘したインクが、複数のノズル44から排出されるため、上記塵や気泡等に起因するノズル44の吐出不良が解消される。
ワイパー22は、ゴム材料などの弾性材料で形成された薄板状の部材であり、走査方向においてキャップ20に隣接した位置に立設されている。上記の吸引パージが行われた後の状態では、インクジェットヘッド4の下面にはインクが付着している。そこで、吸引パージ後に、キャップ20がインクジェットヘッド4の下面から離れた状態で、キャリッジ3を走査方向に移動させる。このとき、ワイパー22は、インクジェットヘッド4の下面に接触した状態でインクジェットヘッド4に対して相対移動し、インクジェットヘッド4の下面に付着したインクを拭き取る。
次に、インクジェットヘッド4について説明する。図2は、インクジェットヘッド4の上面図である。図3は、図2のA部拡大図である。図4は、図3のIV-IV線断面図である。図5は、インクジェットヘッド4の下面図である。図2〜図4に示すように、インクジェットヘッド4は、流路ユニット23と、圧電アクチュエータ24とを備えている。尚、図4では、流路ユニット23に形成されたインク流路内に、インク(符号Iで示す)が充填されている状態が示されている。
(流路ユニット)
図4に示すように、流路ユニット23は、複数枚のプレート31〜39が積層された構造を有する。複数枚のプレート31〜39は、互いに積層された状態でそれぞれ接着剤によって接合されている。複数枚のプレート31〜39のうちの、最下層のプレート39は、複数のノズル44が形成されたノズルプレートである。ノズルプレート39は、ポリイミド等の合成樹脂からなるプレートである。図2〜図5に示すように、ノズルプレート39には、このプレート39を厚み方向に貫通する、先細りのテーパ形状の複数のノズル44が形成されている。尚、以下の説明では、複数のノズル44の吐出口44aが形成されたノズルプレート39の下面を、特に、インク吐出面39aとも呼ぶこともある。
図2、図5に示すように、複数のノズル44は、搬送方向に配列されており、走査方向に並ぶ4列のノズル列48を構成している。4列のノズル列48は、4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクをそれぞれ吐出するものである。尚、以下の説明において、インクジェットヘッド4の構成要素のうち、ブラック(K)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)のインクにそれぞれ対応するものについては、その構成要素を示す符号の後に、どのインクに対応するかが分かるように、適宜、ブラックを示す“k”、イエローを示す“y”、シアンを示す“c”、マゼンタを示す“m”の何れかの記号を付す。例えば、ノズル列48kとは、ブラックインクを吐出するノズル列のことを指す。
ノズルプレート39のインク吐出面39aは、PTFEなどのフッ素系樹脂で形成された撥液膜40によって覆われている。この撥液膜40が、インク吐出面39aの、ノズル44の吐出口44aの周囲領域を覆うことで、ノズル44から吐出されたインクが吐出口44aの周囲に残留することが防止される。尚、図4では、撥液膜40は、ノズルプレート39の下面全域に形成されているが、撥液膜40が、インク吐出面39aの、吐出口44aの周囲領域のみを覆うように形成されてもよい。
流路ユニット23を構成する、ノズルプレート39以外の他のプレート31〜38は、ステンレス鋼などの金属材料からなるプレートである。これらの金属プレート31〜38には、複数のノズル44に連通する、次述のマニホールド46や圧力室47等を含む、インク流路が形成されている。以下、複数の金属プレート31〜38、及び、これらの金属プレート31〜38に形成されたインク流路の詳細について、以下説明する。
図2に示すように、流路ユニット23の上面を構成する最上層のプレート31には、4つのインク供給孔45が走査方向に並んで形成されている。4つのインク供給孔45(45k,45y,45c,45m)には、ホルダ9の4つのインクカートリッジ17(図1参照)から4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクがそれぞれ供給される。また、上から4番目から7番目のプレート34〜37には、搬送方向に延在する4本のマニホールド46(46k,46y,46c,46m)が形成されている。1つのマニホールド46は、上下に積層された4枚のプレート34〜37にわたって形成されている。4つのインク供給孔45と4本のマニホールド46は、プレート32,33に形成された連通孔(図示省略)によって、それぞれ接続されている。
図4に示すように、マニホールド46を形成している4枚のプレート34〜37のうち、最も下側に位置するプレート37の、マニホールド46の底壁部37aとなる部分には、ハーフエッチングによって、4本のマニホールド46に沿って延びる4つの凹部37bが形成されている。プレート37の前記凹部37bが形成された、底壁部37aの厚みは、それ以外の部分と比べて薄くなっている。また、このプレート37のすぐ下に位置するプレート38の、上記底壁部37aと対向する部分の上側には、ハーフエッチングによって凹部38bが形成されており、上記の対向部分は部分的に厚みが薄くなった薄肉部38aとなっている。これにより、プレート37に形成されたマニホールド46の底壁部37aと、その下のプレート38の薄肉部38aとの間には空間41が存在する。従って、マニホールド46内の圧力変動に応じて底壁部37aが容易に変形できるようになっており、マニホールド46内の圧力が変動したときに、底壁部37aの変形によってマニホールド46内の圧力変動が減衰される。
最上層のプレート31には、複数のノズル44にそれぞれ対応する複数の圧力室47が形成されている。複数の圧力室47は、複数のノズル44と同様に、4本のマニホールド46に対応して4列に配列されている。複数の圧力室47は、圧電アクチュエータ24の振動板60によって覆われている。各圧力室47は、走査方向に長い形状を有し、上方から見て、その一端部が対応するノズル44と重なり、その他端部はマニホールド46と重なるように配置されている。尚、図2に示すように、4つの圧力室47の列のうち、ブラックインクに対応する圧力室47の列は、対応するマニホールド46に対して右側に配置されているのに対して、他の3色のインクに対応する圧力室47の列は、マニホールド46に対して左側に配置されている。
図3、図4に示すように、上から2番目に位置するプレート32には、マニホールド46と複数の圧力室47を接続する、複数の絞り流路49が形成されている。また、最上層のプレート31とノズルプレート39との間に位置する合計7枚のプレート32〜38には、圧力室47とノズル44とを接続する連通流路43を構成する、個別流路孔32c〜38cがそれぞれ形成されている。尚、ノズルプレート39のすぐ上に位置するプレート38の個別流路孔38cは、マニホールド46と重なる位置にある薄肉部38aよりも厚い、厚肉部38dに形成されている。
以上説明したプレート31〜39が積層された状態で接合されることで、流路ユニット23が構成されている。そして、流路ユニット23内には、1つのマニホールド46から分岐して、絞り流路49、圧力室47、及び、連通流路43を経てノズル44に至る個別流路が、複数形成されている。
尚、金属プレート31〜38の、他のプレートとの接合面には、余剰の接着剤を逃すための逃し溝が形成されている。図5下側の図は、上側に示すインクジェットヘッド4の下面図において丸部で囲まれた領域における、プレート38の下面の拡大図である。図5の拡大図に示すように、ノズルプレート39と接合されるプレート38の下面の、複数の個別流路孔38cの周囲領域Xには、これら個別流路孔38cをそれぞれ取り囲むように、複数の環状の逃し溝55が形成されている。また、隣接する2つの環状の逃し溝55は、接続溝56によって接続されている。また、図示は省略するが、他のプレート31〜37にもそれぞれ上記のような逃し溝が形成されている。接着剤による接合時には、上記の逃し溝に余剰の接着剤を逃すことで、余剰の接着剤がインク流路内に流入することが防止される。
ところで、記録用紙100のジャム(紙詰まり)、あるいは、記録用紙100が撓んだ状態で搬送された場合などに、インクジェットヘッド4のインク吐出面39aに、搬送方向に搬送される記録用紙100が接触することがある。このとき、インク吐出面39aの、吐出口44aの縁部や吐出口44aの周囲領域に傷がついて、吐出曲がりなどの不具合が生じることがある。特に、本実施形態のように、インク吐出面39aが撥液膜40に覆われている構成においては、吐出口44aの周囲の撥液膜40に傷がついて撥水性が低下することにより、吐出口44aの周囲にインクが残留しやすくなり、吐出不良が発生する虞がある。そこで、図3〜図5に示すように、流路ユニット23のインク吐出面39aには、記録用紙100が、吐出口44aの周囲に接触することを防止するための、複数の保護部50が形成されている。
図3〜図5に示すように、インク吐出面39aの、4本のマニホールド46とそれぞれ重なる領域において、複数の保護部50が搬送方向に沿って配列されており、4列の保護部列51を構成している。また、先にも説明したが、ノズルプレート39には、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクをそれぞれ吐出する4列のノズル列48(48k,48y,48c,48m)が、走査方向に並んで配置されている。その上で、図5に示すように、4つの保護部列51(51a〜51d)は、4列のノズル列48と走査方向に並んで配置されている。
まず、4列のノズル列48の走査方向における両外側に、これら4列のノズル列48を走査方向に挟むように、2列の保護部列51a,51dがそれぞれ配置されている。また、イエローのノズル列48yとシアンのノズル列48cの間に保護部列51bが配置されている。さらに、シアンのノズル列48cとマゼンタのノズル列48mの間にも保護部列51cがそれぞれ配置されている。これにより、ブラックのノズル列48kとイエローのノズル列48yは、2列の保護部列51a,51bによって走査方向に挟まれている。また、シアンのノズル列48cは、2列の保護部列51b,51cに挟まれている。さらに、マゼンタのノズル列48mも、2列の保護部列51c,51dに挟まれている。
このように、複数の保護部50(凸部53)が、ノズル44の配列方向(搬送方向)に沿って、走査方向において複数のノズル44と並んで配列されている。さらに、各ノズル列48は、走査方向における近い位置にそれぞれ配置された2列の保護部列51によって挟まれている。そのため、キャリッジ3が左方に移動する場合でも右方に移動する場合でも、記録用紙100が各ノズル44の周囲領域に接触しにくくなる。従って、インク吐出面39aの、各ノズル44の吐出口44aの周囲部分が、その近くに位置する保護部50によって確実に保護されることになり、撥液膜40が傷つくことが防止される。
各保護部50の構成の詳細について説明する。各保護部50は、合成樹脂製のノズルプレート39と、合成樹脂よりも硬い金属製のプレート38が積層された状態で、この積層体52が一体となって下方へ突き出すように変形することによって形成されている。即ち、各保護部50は、プレート38にノズルプレート39側へ突出するように形成された凸部53と、この凸部を覆うノズルプレート39の部分である被覆部54とで構成されている。図3、図5に示すように、各保護部50(凸部53)は、平面視で搬送方向(ノズル配列方向)に長い、略楕円形の平面形状を有する。尚、後で説明するが、複数の保護部50は、積層体52に対する、プレート38側からのプレス加工によって行われている。また、この保護部50は、マニホールド46と重なって位置しているプレート38の薄肉部38aに、プレス加工が施されることによって形成されている。
図4に示すように、各保護部50は、インク吐出面39aからh1だけ突出している。記録用紙100が、インク吐出面39aのノズル44の周囲領域へ接触するのを確実に防止するには、保護部50の高さ(インク吐出面39aからの突出量)h1は、ある程度大きいことが好ましい。そのため、保護部50の高さh1は、例えば100μm程度であることが好ましい。
また、保護部50の内部にある、金属製の凸部53自体も、インク吐出面39aよりもh2(<h1)突出している。そのため、保護部50に記録用紙100が繰り返し衝突して、仮に、凸部53を覆っているノズルプレート39の被覆部54が削られて凸部53が露出したとしても、凸部53自身がインク吐出面39aから突出しているために、吐出口44aの周囲の保護機能は維持される。
凸部53の頂部は、丸みを帯びた形状に形成されている。従って、凸部53が合成樹脂の被覆部で覆われてなる保護部50も、全体として丸みを帯びた形状となっている。そのため、記録用紙100が保護部50に衝突しても記録用紙100が傷みにくくなっている。また、インク吐出面39aに付着したインクをワイパー22で拭き取る場合に、保護部50にワイパー22がひっかかりにくい。尚、ノズルプレート39の被覆部54が削られて、凸部53がノズルプレート39から露出したときには、凸部53の形状によっては、ワイパー22が傷ついたり、記録用紙100が凸部53にひっかかったりする虞がある。そのため、凸部53の頂部の湾曲はできるだけ緩やかであることが好ましく、例えば、曲率半径は10μm以上であることが好ましい。
(圧電アクチュエータ)
図2、図3に示すように、圧電アクチュエータ24は、振動板60と、圧電層64,65と、複数の個別電極62と、共通電極66を備えている。振動板60は、複数の圧力室47を覆った状態で流路ユニット23の上面に接合されている。2枚の圧電層64,65は、振動板60の上面に積層されている。複数の個別電極62は、上層の圧電層65の上面において、複数の圧力室47とそれぞれ対向するように配置されている。共通電極66は、2枚の圧電層64,65の間において、複数の圧力室47に跨って配置されている。
複数の個別電極62は、圧電アクチュエータ24を駆動するドライバIC67とそれぞれ接続されている。一方、共通電極66は常にグランド電位に保持されている。また、上層の圧電層65の、個別電極62と共通電極66とに挟まれた部分は、それぞれ、厚み方向に分極されている。
ノズル44からインクを吐出させる際の圧電アクチュエータ24の動作は以下の通りである。ある個別電極62に対してドライバIC67から駆動信号が印加されると、この個別電極62とグランド電位に保持されている共通電極66の間に電位差が生じる。これによって、圧電層65の、個別電極62と共通電極66の間に挟まれた部分に厚み方向の電界が生じる。また、圧電層65の分極方向と電界の方向とが一致するために、圧電層65はその分極方向である厚み方向に伸びて面方向に収縮する。この圧電層65の収縮変形に伴って、振動板60の圧力室47と対向する部分が圧力室47側に凸となるように撓む。このとき、圧力室47の容積が減少してその内部のインクに圧力が付与され、圧力室47に連通するノズル44からインクの液滴が吐出される。
次に、上述したインクジェットヘッド4の製造方法について、流路ユニット23の製造工程を中心に説明する。図6は、インクジェットヘッド4の製造工程を説明する図である。
(流路形成工程)
まず、図4に示される、流路ユニット23を構成する複数の金属プレート31〜38に対して、それぞれ、圧力室47やマニホールド46となる孔や、個別流路孔32c〜38cなどの、それぞれインク流路の一部を構成する各種流路孔を、エッチングで形成する。また、このとき同時に、プレート37にハーフエッチングで凹部37bを形成する。また、プレート38にも、ハーフエッチングで凹部38bを形成することによって、薄肉部38aを形成する。
(撥液膜形成工程)
次に、図6(a)に示すように、ノズルプレート39となる合成樹脂プレート70の一方の面(インク吐出面39aとなる面)に、撥液膜40を形成する。撥液膜40は、フッ素系樹脂のフィルムを合成樹脂プレート70に貼り付けることによって形成してもよいし、液状のフッ素系樹脂を合成樹脂プレート70に塗布することによって形成してもよい。
(積層工程)
次に、図6(b)に示すように、ノズルプレート39となる合成樹脂プレート70と、先の工程で複数の個別流路孔38cが形成された1枚の金属プレート38とを積層し、両者を接着剤で接合する。
(保護膜貼付工程)
次に、図6(c)に示すように、合成樹脂プレート70の、インク吐出面39aとなる面に、合成樹脂フィルムからなる保護膜71を貼り付ける。この保護膜71は、例えば、UV剥離性の接着剤を用いて合成樹脂プレート70に接着する。
(ノズル形成工程)
次に、図6(d)に示すように、積層体52の合成樹脂プレート70に対してレーザー加工を行って、複数のノズル44を形成する。詳細には、図示しないレーザー照射装置から積層体52に対して、プレート38の複数の個別流路孔38cが形成されている部分にそれぞれレーザー光を照射する。照射されたレーザー光は個別流路孔38cを通過して、合成樹脂プレート70を貫通する。これにより、合成樹脂プレート70の、複数の個別流路孔38cと重なる部分に、複数のノズル44がそれぞれ形成される。尚、合成樹脂プレート70の、インク吐出面39aとなる下面は、保護膜71に覆われているため、ノズル44の形成時に発生するススがインク吐出面39aの撥液膜40に付着することが防止される。
(保護部形成工程)
次に、図6(e)に示すように、積層体52にプレス加工を行って、複数の保護部50を形成する。まず、保護膜71で覆われた積層体52を、複数の孔72aを有するダイ72の上に設置する。その際、金属プレート38の薄肉部38aがダイ72の複数の孔72aを覆うように、積層体52を設置する。次に、金属プレート38の薄肉部38aにパンチ73を当て、積層体52に対して、プレート38側からパンチ73の先端部を押し込んでプレス加工を行う。これにより、金属のプレート38に塑性変形を生じさせて凸部53を形成するとともに、積層体52全体を部分的に下方に突出変形させる。また、この際、パンチ73の押し込み量は、凸部53の頂部が、ノズルプレート39(合成樹脂プレート70)のインク吐出面39aよりも下に突き出るように、パンチ73の押し込み量を設定しておく。尚、ノズルプレート39のインク吐出面39aは保護膜71に覆われて、ダイ72に接触していないため、ノズルプレート39に形成されている撥液膜40が傷むことが防止される。
尚、本実施形態では、上記の保護部形成工程に先立って、予め、金属のプレート38の上面に凹部38bを形成してある。その上で、凹部38bによって形成された、金属プレート38の薄肉部38aにプレス加工を施すことによって、複数の保護部50が形成される。薄肉部38aにプレス加工を行うことで、そのプレス加工による変形が、薄肉部38aと厚肉部38dとの境界を越えて、個別流路孔38cが形成されている厚肉部38d側に広がりにくいため、変形が広がる範囲が限定される。尚、先にも述べたが、プレート38の凹部38bには、プレス加工による保護部50形成の目的の他、マニホールド46の底壁部37aを形成するプレート37との間に空間41を形成して、底壁部37aを変形可能とするという目的もある(図4参照)。
(保護膜除去工程)
次に、図6(f)に示すように、合成樹脂プレート70(ノズルプレート39)から保護膜71を剥離する。保護膜71が、UV剥離性の接着剤でノズルプレート39に接合されている場合には、UVを照射することによって保護膜71を簡単に剥離することができる。その他、保護膜71の種類によっては、適当な溶剤によって保護膜71を溶かして除去することも可能である。
(接合工程)
次に、複数の保護部50及び複数のノズル44が形成された積層体52と、流路ユニット23を構成する他のプレート31〜37、及び、圧電アクチュエータ24の振動板60を接合する。詳細には、図6(g)に示すように、積層体52、金属プレート31〜37、及び、振動板60のそれぞれの接合面に熱硬化性接着剤を塗布してから積層し、ヒータプレート74,75によって上下両側から加熱しながら押圧することで接着を行う。尚、図6(g)に示すように、下側のヒータプレート75には、押圧接着の際に、積層体52の保護部50が押し潰されてしまうのを防止するために、保護部50と接触しない凹状、あるいは、孔状の逃がし部75aが形成されていることが好ましい。上記の接合工程後、振動板60の上に、別工程で製造した圧電層64,65を貼り付けて、圧電アクチュエータ24を形成する。
以上説明した本実施形態では、合成樹脂製のノズルプレート39と積層される金属製のプレート38には、ノズルプレート39側に突出する凸部53が形成されている。そして、この凸部53がノズルプレート39の被覆部54によって覆われることで、ノズル44の吐出口44aの周囲を保護する保護部50が構成されている。凸部53が形成されているプレート38は金属製であることから、凸部53の強度も高く、耐久性に優れる。また、凸部53は、合成樹脂の被覆部54で覆われていることから、インク吐出面がワイパー22によって拭き取られる際に、ワイパー22が傷つきにくい。
また、凸部53を覆っているノズルプレート39の被覆部54に、記録用紙100が繰り返し衝突することによって、被覆部54が徐々に削られていき、最終的に凸部53が露出することが考えられる。しかし、本実施形態では、金属製の凸部53は、ノズルプレート39のインク吐出面39aよりも突出しているため、凸部53を覆っているノズルプレート39が削られて凸部53が露出しても、この凸部53によって、吐出口44aの周囲の保護機能は維持される。また、凸部53自身は、硬い金属材料で形成されているため、凸部53を覆う被覆部54のように簡単に削られてしまうことはない。尚、金属製の凸部53が露出すると、この凸部53にワイパー22や記録用紙100が直接当たることになる。そのため、凸部53の頂部の曲率は緩やかであることがよく、具体的には、曲率半径が10μm以上であることが好ましい。これにより、頂部にワイパー22が当たったときにワイパー22が傷つきにくい。また、凸部53に記録用紙100がひっかかることも防止できる。
尚、図5の拡大図に示すように、プレート38の下面の、個別流路孔38cを取り囲む領域Xには、ノズルプレート39と接着剤で接合したときの、余剰の接着剤を逃す逃し溝55が形成されている。但し、プレート38の、凸部53が形成されている領域Yには逃し溝55が形成されていない。従って、凸部53を覆うノズルプレート39の被覆部54が削られて凸部53が露出しても、接着剤の逃し溝55が露出することはないため、ワイパー22による拭き取り時などに、逃し溝55にインクが溜まるという問題が生じない。
合成樹脂製のノズルプレート39に保護部50を形成する場合に、加熱が必要な方法(熱プレス等)で成形すると、合成樹脂のノズルプレート39が加熱されることによって、反りが生じ、剥離等が発生する虞がある。この点、本実施形態では、合成樹脂のノズルプレート39と金属のプレート38とが積層された状態で、プレート38に対してプレス加工を行って塑性変形させることによって、プレート38に凸部53が形成されている。このプレス加工では、合成樹脂のノズルプレート39が加熱されることはないため、ノズルプレート39が反ることはなく、剥離等の問題は生じない。また、凸部53の高さが高いほど、凸部53による吐出口44aの周囲の保護効果は高くなるが、プレス加工を採用することによって、プレート38に突出量の大きい凸部53を形成することが容易である。
本実施形態において、インクジェットヘッド4は、キャリッジ3とともに、搬送方向(ノズル配列方向)と交差する方向(走査方向)に、記録用紙100に対して移動する。そのため、インク吐出面39aの吐出口44aの周囲にインクが付着したときに、インクジェットヘッド4の移動によってインク吐出面39a付近に発生する気流の影響や、インクジェットヘッド4が走査方向端位置で反転する際の加減速の影響で、そのインクが走査方向に移動しやすくなる。また、走査方向に移動したインクは、走査方向においてノズル44に隣接する凸部53に溜まりやすくなる。
その際、インクが、凸部53の一箇所に集中して溜まっていると、振動等の原因によって溜まったインクが飛び散ったときに周囲に与える影響が大きくなるため、凸部53にインクが溜まるにしてもなるべく分散させておきたい。この点、本実施形態では、ノズル配列方向に並ぶ複数の凸部53は、それぞれノズル配列方向に長い楕円形状を有する。そのため、各凸部53の走査方向における側部において、インクがノズル配列方向に分散、あるいは、広がって溜まることになり、凸部に溜まったインクが飛散したときの、周囲への影響を小さく抑えることができる。
以上説明した本実施形態において、インクジェットヘッド4が、本発明の「液体吐出装置」に相当する。流路ユニット23が、本発明の「流路構造体」に相当する。個別流路孔38cが形成されたプレート38が、個別流路部分を有する本発明の「流路部材」に相当する。ノズルプレート39の下面のインク吐出面39aが、本発明の「液体吐出面」に相当する。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]前記実施形態では、合成樹脂プレート70にレーザー加工で複数のノズル44を形成してから、積層体52に複数の保護部50(凸部53、被覆部54)を形成している(図6(d),(e)参照)。これに対して、ノズル形成工程と保護部形成工程の順番を逆にして、積層体52に複数の保護部50を形成してから、合成樹脂プレート70に複数のノズル44を形成してもよい。
2]プレート38に凸部53を形成する方法は、プレス加工には限られない。例えば、プレート38の下面にエッチングを行って凸部53を形成してから、このプレート38の下面に、ノズルプレート39となる合成樹脂プレート70を接合してもよい。あるいは、機械加工で凸部53を形成することも可能である。
3]凸部53の形状は前記実施形態の構成には限られない。前記実施形態のようにプレス加工で凸部53を形成する場合であれば、パンチ73の先端部やダイ72の形状を変更することにより、様々な形の凸部53を形成することが可能である。例えば、平面視で真円形状、矩形状、正方形状等、様々な凸部53を形成することが可能である。
4]凸部53の形成位置についても、前記実施形態の構成には限られない。前記実施形態の図5では、1つのノズル列48の、その走査方向両側に、凸部53(保護部50)が2列に配列されているが、図7に示すように、少なくとも一部のノズル列48(ここでは、ノズル列48k)について、走査方向の一方側にのみ、凸部53の列が配置されていてもよい。
また、前記実施形態では、プレート38の凹部38bは、薄肉部38aを形成するためだけでなく、その上に位置するマニホールド46の底壁部37aを変形させるための空間を確保させるという目的にも使用されている。そのため、図5に示すように、凸部53は、マニホールド46と重なる位置に形成されている。しかし、複数の凸部53とマニホールド46とが重なっている必要は特にない。即ち、図8に示すように、複数の凸部53は、マニホールド46の位置とは関係なく、自由な位置に配置されてよい。例えば、プレート38の、4列のノズル列48よりも搬送方向上流側、あるいは、搬送方向下流側の部分にも、凸部53が形成されてもよい。これにより、ノズル44の周囲の保護効果が高まる。
5]ノズルプレート39と、このノズルプレート39に積層されるプレート38(流路部材)の、材質の組み合わせは、合成樹脂と金属には限られない。プレート38が、ノズルプレート39よりも硬い材質となるような組み合わせであれば、他の材質の組み合わせも採用できる。例えば、ノズルプレート39と積層される流路部材が、ノズルプレート39よりも硬い樹脂、あるいは、ガラス、セラミックス等の無機材料で形成されたものであってもよい。このような材質の流路部材の場合、エッチングや機械加工で凸部を形成することも可能である。さらに、流路部材は、ベースとなる基材に、この基材とは異なる材料からなる凸部が取り付けられたものであってもよい。例えば、基材が柔らかい樹脂で形成され、この基材に、金属やセラミックス等からなる硬い凸部が積層されてもよい。
6]前記実施形態のインクジェットヘッド4は、キャリッジ3とともに記録用紙100に対して移動しながらインクを吐出する、いわゆる、シリアルタイプのヘッドであるが、本発明の適用対象は、上記のようなシリアルヘッドには限られない。例えば、プリンタ本体内に固定的に設置され、記録用紙100の幅方向に配列された複数のノズルを有する、いわゆる、ラインタイプのヘッドにも、本発明を適用することは可能である。
以上説明した実施形態及びその変更形態は、本発明を、記録用紙にインクを吐出して画像等を印刷するインクジェットヘッドに適用したものであるが、画像等の印刷以外の様々な用途で使用される液体吐出装置においても本発明は適用されうる。例えば、基板に導電性の液体を吐出して、基板表面に導電パターンを形成する液体吐出装置にも、本発明を適用することは可能である。
4 インクジェットヘッド
22 ワイパー
23 流路ユニット
38 プレート
38c 個別流路孔
39 ノズルプレート
39aインク吐出面
44 ノズル
44a 吐出口
53 凸部
54 被覆部
55 逃し溝

Claims (5)

  1. 液体を吐出する複数のノズル、及び、前記複数のノズルに連通する液体流路が形成された流路構造体を備え、
    前記流路構造体は、
    前記複数のノズルが形成されたノズルプレートと、
    前記ノズルプレートと積層された状態で接合され、前記液体流路のうちの前記複数のノズルに連通する複数の個別流路部分が形成され、且つ、前記ノズルプレートよりも硬い材料からなる凸部を有する流路部材と、を有し、
    前記凸部は、前記流路部材に、前記ノズルプレート側に突出するように形成され、この凸部は前記ノズルプレートによって覆われており、
    前記凸部は、前記ノズルプレートの、前記ノズルの吐出口が配置される液体吐出面よりも突出していることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記ノズルプレートは合成樹脂で形成され、
    前記流路部材は金属で形成され、
    前記ノズルプレートと前記流路部材とが積層された状態で、前記流路部材に前記ノズルプレートと反対側からプレス加工が施されることによって、前記流路部材に前記凸部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記凸部の頂部の曲率半径が、10μm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記ノズルプレートと前記流路部材は、接着剤で接合され、
    前記流路部材の前記ノズルプレート側の面のうちの、前記凸部が形成されている第1領域以外の第2領域に、前記接着剤を逃すための逃し溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の液体吐出装置。
  5. 前記複数のノズルは、所定のノズル配列方向に沿って配列され、
    前記流路部材の複数の前記凸部が、前記複数のノズルと並んで、前記ノズル配列方向に沿って配列され、
    各凸部は、前記流路部材の面方向と平行な方向に長い形状を有し、
    各凸部は、その長手方向が、前記ノズル配列方向に沿うように配置されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の液体吐出装置。
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