JP2016043277A - 塗布装置、圧電素子、液滴吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

塗布装置、圧電素子、液滴吐出ヘッド及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】圧電素子を形成するためにノズルから材料を吐出する塗布装置において、劣化した材料維持するための動作によりノズルから吐出された材料による汚れを解消する構成を省スペースで実現すること。
【解決手段】非動作時においてノズルを収容するノズル収容部が、ノズルが収容された状態においてノズルの吐出口に対向して設けられた開口であって、ノズル収容部内部の液体を外部へ排出する排液部と、排液部を囲むように設けられた排液突出部と、ノズル収容部に供給された液体を保持する液体保持部とを含み、ノズル収容部に液体が供給され、液体保持部によって保持された液体の前記底面からの高さが排液突出部の底面からの高さを超えることにより、排液突出部の内側から排液部に液体が排出されることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、塗布装置、圧電素子、液滴吐出ヘッド及び画像形成装置に関する。
近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられるプリンタやファクシミリ及び書類の電子化に用いるスキャナ等の画像処理装置は欠かせない機器となっている。このような画像処理装置のうち、電子化された情報の出力に用いられるプリンタの一態様として、インクジェット方式を採用したプリンタ(以降、インクジェットプリンタとする)がある。
インクジェットプリンタにおいては、記録ヘッドが記録媒体である用紙に対してインクを吐出することにより、画像が形成される。また、記録ヘッドにおいてインクを吐出するための力を生成する方式として圧電素子等の電気機械変換素子を用いる方式がある。
このような電気機械変換素子を生成するための方法として、スピンコート法により材料を積層して成膜することにより生成する方法が既に知られている。このようなスピンコート法により材料を積層するための塗布装置においては、生成される圧電体内の膜欠陥を低減させるため、材料を吐出するノズルの状態を良好に保つ必要がある。
そのようなノズルの状態維持の方法として、塗布装置の非動作時にノズルを待機させるノズル待機部の内部を溶媒雰囲気に保つことにより、ノズルに充填された材料の乾燥、固化を防ぐ方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上述したような塗布装置においては、塗布を行う前に、ノズル待機部にノズルが収容された状態においてノズルに充填された材料を吐出することにより、ノズルに充填された材料のうち劣化した材料を破棄するためのダミー吐出動作が行われる。特許文献1に開示された技術においては、このダミー吐出によってノズル待機部の内部や、吐出液が流れる廃管内を汚してしまう可能性がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、圧電素子を形成するためにノズルから材料を吐出する塗布装置において、劣化した材料維持するための動作によりノズルから吐出された材料による汚れを解消する構成を省スペースで実現することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、薄膜状に形成するための材料をノズルから吐出すると共に、非動作時において前記ノズルを収容するノズル収容部を含む塗布装置であって、前記ノズル収容部が、前記ノズルが収容された状態において、前記ノズル収容部の底面において前記ノズルの吐出口に対向して設けられた開口であって、前記ノズル収容部内部の液体を外部へ排出する排液部と、前記底面から突出して前記排液部を囲むように設けられた排液突出部と、前記ノズル収容部の内部で、前記底面、前記排液突出部及び前記ノズル収容部の内壁によって画定される空間において前記ノズル収容部に供給された液体を保持する液体保持部とを含み、前記ノズル収容部に液体が供給され、前記液体保持部によって保持された液体の前記底面からの高さが前記排液突出部の前記底面からの高さを超えることにより、前記排液突出部の内側から前記排液部に前記液体が排出されることを特徴とする。
本発明によれば、圧電素子を形成するためにノズルから材料を吐出する塗布装置において、劣化した材料維持するための動作によりノズルから吐出された材料による汚れを解消する構成を省スペースで実現することができる。
本発明の実施形態に係る塗布装置の全体構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るノズル待機部の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るノズル待機部の構成を示す上面図である。 本発明の実施形態に係るノズル待機部におけるノズルの収容形態及び溶液の供給形態を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るノズル待機部の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る塗布装置によって形成される圧電素子を含む液滴吐出ヘッドの構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る塗布装置によって形成される圧電素子を含む液滴吐出ヘッドの構成を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本実施形態においては、スピンコート法により製膜した薄膜状の層を積層することにより圧電素子を形成する塗布装置において、材料を吐出するノズルの状態を維持するためのノズルを待機させるノズル待機部の構成が特徴である。図1(a)、(b)は、本実施形態に係る塗布装置の全体構成を示す図である。
図1(a)、(b)に示すように、本実施形態に係る塗布装置100は、材料を吐出するノズル101、材料が吐出された被印刷物Pを回転させる回転部102を含むスピンコート部103、非動作時においてノズル101を収容するノズル待機部200を含む。図1(a)は、ノズル101から被印刷物Pに対して材料を吐出する際の配置状態である。図1(a)に示す状態で塗布材料の吐出を終えた後、図1(b)に示すように、ノズル101がノズル待機部200に収容される。即ち、ノズル待機部200がノズル収容部として機能する。
また、ノズル待機部200においては、スピンコート部103における材料の塗布を行うためにノズル101がノズル待機部200から離脱する際に、ノズル101内に充填された材料をノズル待機部200内に吐出するダミー吐出が行われる。これにより、ノズル101内において劣化した材料が破棄され、スピンコートに用いられる材料の状態が保たれ、成膜される層の品質を向上することが出来る。
ノズル101にはサックバックバルブが設けられている。これにより、スピンコート部103における材料の塗布の完了後は、ノズル101内に負圧が生じノズル内の材料の液面を引き戻す作用が生じる。この作用により、ノズル101がスピンコート部103とノズル待機部200との間を移動する間に、ノズルの吐出口から材料が漏れ出すことを防止することが出来る。
図2は、本実施形態に係るノズル待機部200の構成を示す断面図である。また、図3は、ノズル待機部200の上面図である。図2は、図3に示す切断線AA´における断面図である。図2に示すように、本実施形態に係るノズル待機部200には、ノズル101を収容するための開口部201が設けられており、この開口部201に対して図1(a)に示すようにノズルが差し込まれて収容される。開口部201の内径はノズル101の外形と略同一に構成されており、開口部201にノズル101が差し込まれることによってノズル待機部200が密閉されて内部の気密が保持される。
図2、3に示すように、ノズル待機部200には、溶液供給部202が設けられている。本実施形態においては、図3に示すように、ノズル待機部200を上面から見た状態において90°ごとに4つの溶液供給部202が設けられているが、5つ以上であっても3以下であっても良い。溶液供給部202が液体供給部として機能する。
溶液供給部202を介して外部から供給される溶液がノズル待機部200内部に滞留することにより、ノズル待機部200内部が溶液の雰囲気で満たされる。供給される溶液は、例えば、2−メトキシエタノールである。
また、開口部201の鉛直下方には、ノズル101から吐出される破棄用の材料が排出される廃液管205が設けられている。即ち、排液管205が排液部として機能する。更に、排液管205は、ノズル待機部200の筐体内部において鉛直下方から突出して配置され、排液突出部203が形成されている。
換言すると、ノズル待機部200の底面から突出し、排液管205に連結される底面の開口の周囲を囲むように排液突出部203が設けられている。ノズル待機部200内部の底面及び内壁と、排液突出部203の外壁とによって画定される空間により溶液保持部204が構成される。即ち、溶液保持部204が液体保持部として機能する。この溶液保持部204に上述したように溶液が滞留する。また、排液管205は、ノズル待機部200の筐体下方において、鉛直下方に接続された管であり、その先に途中で曲げられてU字型に構成されたU字部206を含む。
図4は、ノズル待機部200にノズル101が収容されると共に、ノズル待機部200内に溶液が供給された状態を示す図である。図4に示すように、ノズル待機部200にノズル101が収容された状態においては、ノズル101の吐出口が排液管205に対向しており、且つノズル101の先端が排液突出部203の内部に入り込むように配置される。
図4に破線で示すように、ダミー吐出によってノズル101から吐出された材料は排液管205内に吐出される。この際、ノズル101の先端は排液突出部203内部に入り込んでいるため、吐出された材料が溶液保持部204に飛散して内部が汚れることを防ぐことが出来る。
また、ノズル101がノズル待機部200内において溶媒雰囲気に長時間晒されることにより、ノズル101内部に充填された材料の濃度などが変化する可能性がある。ダミー吐出を行うことによって、そのように特性の変化した材料を破棄することが出来る。
溶液供給部202は、ノズル待機部200の内壁において、内部天面に隣接して設けられた開口を介して、ノズル待機部200内部に溶液を供給する。従って、溶液供給部202を介してノズル待機部200内に供給される溶液は、ノズル待機部200の内壁を伝って溶液保持部204に到達する。
図4に示すように溶液保持部204に溶液が滞留することにより、ノズル待機部200内部を溶媒雰囲気に保つことが出来る。また、溶液の供給によりノズル待機部200の内壁を溶液で濡らすことができ、内部をより好適に溶媒雰囲気に保つことが出来ると共に、内壁に汚れがある場合には、溶液によって洗浄される。また、ノズル待機部200の内壁を溶液の供給によって洗浄することができ、ノズル待機部200の内壁を清潔に保つことが出来る。
溶液保持部204における溶液の保持可能量を超えて更に溶液が供給されると、溶液保持部204に保持される溶液の高さが排液突出部203の高さを超え、排液突出部203の内側から排液管205に溶液が流れ込む。これにより、溶液保持部204に滞留していた古い溶液が排液管205に廃棄され、溶液保持部204に保持される溶液の鮮度が保たれる。
また、排液突出部203から排液管205に流れ込む溶液により、排液突出部203及び排液管205の内壁が洗浄されることとなる。これにより、ダミー吐出によって排液突出部203及び排液管205の内壁が汚れた場合でも、その汚れが洗浄され、ノズル101から吐出されて内壁に付着した材料が発塵し、ノズル101によるスピンコート部103での材料塗布における異物の混入を防ぐことが出来る。
排液管205に流れ込んだ溶液は、図4に示すように排液管205のU字部206に一時的に溜まることとなる。このように排液管205内部で溶液の溜まりを形成することにより、排液管205の先に特に気密性を保持するための構成を設けることなく、ノズル待機部200内の気密性を維持することが可能となる。
このように、本実施形態によれば、ダミー吐出において吐出される材料を受けるための機能をノズル待機部200に持たせることにより省スペース化を実現して装置の小型化を図ることが出来る。そして、ダミー吐出によって生じる可能性のあるノズル待機部200内部及び排液管205の汚れが溶液によって洗浄されるように構成されるため、ノズル待機部200内部の雰囲気が乱され、ノズル101の状態に影響することを防ぐことが出来る。従って、圧電素子を形成するためにノズルから材料を吐出する塗布装置において、劣化した材料維持するための動作によりノズルから吐出された材料による汚れを解消する構成を省スペースで実現することができる。
尚、ノズル待機部200にノズル101が収容された状態におけるノズル101の先端と排液突出部203との位置関係を調整し、溶液保持部204に保持された溶液が排液管205に流れ込む際にノズル101に接触させることにより先端を洗浄することが出来る。この際、ノズル101の濡れ性によっては、ノズル101先端に溶液が残留する可能性がある。
ここで、図5に示すように、ノズル待機部200内部に不活性ガスを噴出する不活性ガス噴出部207を設け、ノズル101に対して不活性ガスを吹き付けることにより、ノズル101先端に残留した溶液を除去することが出来る。これにより、スピンコート部103において材料が塗布される際に、ノズル101先端に残留した溶液が異物となって成膜される層の欠陥の原因となることを防ぐことが出来る。この不活性ガス噴出部207が気体噴出部として機能する。
尚、図5においては、溶液供給部202の1つに替えて不活性ガス噴出部207が設けられる場合を例として示しているが、これは一例である。例えば、図3に示すように90°毎に溶液供給部202を設けた上で、それ以外の部分に不活性ガス噴出部207を設けても良い。
また、ノズル101の先端を溶液によって洗浄する例として、溶液保持部204に保持された溶液が排液管205に流れ込む際の溶液の流れを利用する態様の他、例えば溶液をノズル101に吹き付けるような構成を設けても良い。これは、例えば、ノズル待機部200に複数設けられた溶液供給部202の少なくとも1つを、溶液を噴出可能な構成とすることにより可能である。この溶液供給部202が液体噴出部として機能する。また、図3に示すように90°毎に溶液供給部202を設けた上で、それ以外の部分に溶液を噴出する構成を設けても良い。
次に、本実施形態に係る塗布装置によって成膜された層が積層されて製造される成果物について説明する。本実施形態においては、インクジェットプリンタにおいてインクを吐出する液滴吐出ヘッドを例として説明する。図6(a)、(b)は、本実施形態に係る塗布装置100によって製造された液滴吐出ヘッドの構成を示す図である。
図6(a)は液滴吐出ヘッド10の上面図であり、図6(b)は図6(a)に示す切断線BB´における断面図である。また、図7は、液滴吐出ヘッド10における液室板上の振動板及び圧電素子の層構造の一例を示す断面図であり、図6(a)に示す切断線BB´と直交する方向の断面図である。
図6(a)、(b)に示すように、液滴吐出ヘッド10は、インクなどの液体の液滴を吐出するノズル11を有するノズル基板12と、ノズル11に連結された空間であって液体を収容する液室13が内部に形成される液室基板14とを含む。更に、液室基板14上には、振動板15と、振動板15を介して液室13内の液体を加圧するための電気機械変換素子としての圧電素子16が設けられている。また、圧電素子16を覆うように第1の保護膜としての第1の絶縁保護膜17、第2の絶縁保護膜18、第3の絶縁保護膜19及びサブフレーム20が設けられている。
圧電素子16は、液室基板14側の第1の電極としての下部電極である共通電極161と、電気機械変換膜としての圧電膜162と、圧電膜162の液室基板14側とは反対側の第2の電極としての上部電極である個別電極163とが積層されて構成される。電気機械変換膜としては、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)が用いられる。
共通電極161は、第1の絶縁保護膜17に形成されたコンタクトホールにより配線21に接続されており、この配線21を介して外部接続用の第1の端子電極としての共通電極用のパッド電極に接続されている。また、個別電極163は、第2の絶縁保護膜18に形成されたコンタクトホール18aにより配線22に接続されており、この配線22を介して外部接続用の第2の端子電極としての個別電極用のパッド電極に接続されている。
このような構成の液滴吐出ヘッド10において、共通電極用のパッド電極と配線21及び個別電極用のパッド電極と配線22を介してそれぞれ圧電素子16の共通電極161と個別電極163との間に所定の周波数及び振幅の駆動電圧が印加される。この駆動電圧が印加された圧電素子16が、液室基板14と圧電素子16との間にある振動板15を変形させるように振動し、その振動板15の変形により液室13内の液体が加圧され、ノズル11から液滴を吐出させることができる。
このような液滴吐出ヘッドのうち、圧電素子16が本実施形態に係る塗布装置によって形成される。以下、圧電素子16の詳細な構成について説明する。共通電極161としては、金属もしくは金属と酸化物からなっていることが好ましい。ここで、どちらの材料も振動板15と共通電極161を構成する金属膜との間に密着層を入れて剥がれ等を抑制するように工夫している。以下に密着層含めて金属電極膜及び酸化物電極膜の詳細について記載する。
密着層は、例えば次のように形成する。Tiをスパッタ成膜後、成膜したチタン膜をRTA(Rapid Thermal Annealing)装置を用いて熱酸化して酸化チタン膜にする。熱酸化の条件は、例えば、650℃以上800℃以下の範囲の温度、1分以上30分以下の範囲の処理時間、及びO雰囲気である。酸化チタン膜を作成するには反応性スパッタでもよいがチタン膜の高温による熱酸化法が望ましい。
反応性スパッタによる作製では、シリコン基板を高温で加熱する必要があるため、特別なスパッタチャンバ構成を必要とする。さらに、一般の炉による酸化よりも、RTA装置による酸化の方がチタン酸化膜の結晶性が良好になる。なぜなら、通常の加熱炉による酸化によれば、酸化しやすいチタン膜は、低温においてはいくつもの結晶構造を作るため、一旦、それを壊す必要が生じるためである。したがって、昇温速度の速いRTAによる酸化の方が良好な結晶を形成するために有利になる。また、Ti以外の材料としては、Ta、Ir、Ru等の材料を用いることもできる。
密着層の膜厚としては、10nm以上50nm以下の範囲が好ましく、15nm以上30nm以下の範囲がさらに好ましい。この範囲以下の場合においては、密着性に懸念がある。また、この範囲以上になってくると、下部電極の表面粗さが大きくなり圧電膜との密着性が低下し、圧電膜の結晶性に悪影響を及ぼしインク吐出に十分な変位が得られないような不具合が発生する。
金属電極膜の金属材料としては、従来から高い耐熱性と低い反応性を有する白金が用いられているが、鉛に対しては十分なバリア性を持つとはいえない場合もあり、イリジウムや白金−ロジウムなどの白金族元素や、これらの合金膜も挙げられる。また、白金を使用する場合には下地(特にSiO)との密着性が悪いために、前述の密着層を先に積層することが好ましい。
作製方法としては、スパッタ法や真空蒸着等の真空成膜が一般的である。膜厚としては、80nm以上200nm以下の範囲が好ましく、100nm以上150nm以下の範囲がより好ましい。この範囲より薄い場合においては、共通電極161として十分な電流を供給することができなくなり、液滴の吐出をする際に不具合が発生する。さらに、この範囲より厚い場合においては、白金族元素の高価な材料を使用する場合においては、コストアップとなる。また、白金を材料とした場合においては、膜厚を厚くしていたったときに表面粗さが大きくなり、その上に作製する酸化物電極膜やPZTの表面粗さや結晶配向性に影響を及ぼして、インク吐出に十分な変位が得られないような不具合が発生する。
酸化物電極膜の材料としてはTiを用いることが好ましい。成膜方法についてはスパッタ法により作製される。酸化方法としては密着層と同様にRTA装置を用いて、例えば、650℃以上800℃以下の範囲の温度、1分以上30分以下の範囲の処理時間、及びO雰囲気で酸化処理を行う。その理由も密着層の項で述べたものと同様である。
成膜されるTiO膜厚としては、3nm以上15nm以下の範囲が好ましい。またスパッタ成膜材料として、上記Ti以外にもTi/Ir、PbO/TiO、LNOなどが好ましい。
圧電膜162の材料としては、主にPZTが用いられる。PZTとはジルコン酸鉛(PbTiO)とチタン酸(PbTiO)の固溶体で、その比率により特性が異なる。一般的に優れた圧電特性を示す組成はPbZrOとPbTiOの比率が53:47の割合で、化学式で示すとPb(Zr0.53,Ti0.47)O、一般PZT(53/47)と示される。
PZT以外の複合酸化物としてはチタン酸バリウムなどが挙げられ、この場合はバリウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒に溶解させることでチタン酸バリウム前駆体溶液を作製することも可能である。これら材料は一般式ABOで記述され、A=Pb、Ba、Sr、 B=Ti、Zr、Sn、Ni、Zn、Mg、Nbを主成分とする複合酸化物が該当する。その具体的な記述として(Pb(1−x),Ba)(Zr,Ti)O、(Pb(1−x),Sr)(Zr,Ti)O、これはAサイトのPbを一部BaやSrで置換した場合である。このような置換は2価の元素であれば可能であり、その効果は熱処理中の鉛の蒸発による特性劣化を低減させる作用を示す。
圧電膜162の作製方法としては、スパッタ法もしくは、ゾルゲル法を用いてスピンコーターにて作製することができる。即ち、圧電膜162の形成に際して本実施形態に係る塗布装置100が用いられる。その場合は、パターニング化が必要となるので、フォトリソエッチング等により所望のパターンを得る。PZTをゾルゲル法により作製した場合、出発材料に酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒としてメトキシエタノールに溶解させ均一溶液を得ることで、PZT前駆体溶液が作製できる。金属アルコキシド化合物は大気中の水分により容易に加水分解してしまうので、前駆体溶液に安定剤としてアセチルアセトン、酢酸、ジエタノールアミンなどの安定化剤を適量、添加してもよい。
液室基板14の全面に圧電膜162を得る場合、スピンコートなどの溶液塗布法により塗膜を形成し、溶媒乾燥、熱分解、結晶化の各々の熱処理を施すことで得られる。塗膜から結晶化膜への変態には体積収縮が伴うので、クラックフリーな膜を得るには一度の工程で100nm以下の膜厚が得られるように前駆体濃度の調整が必要になる。
圧電膜162の膜厚としては0.5μm以上5μm以下の範囲が好ましく、1μm以上2μm以下の範囲がより好ましい。この範囲より小さいと十分な変形(変位)を発生することができなくなり、この範囲より大きいと何層も積層させていくため、工程数が多くなりプロセス時間が長くなる。
また、圧電膜162の比誘電率としては600以上2000以下の範囲になっていることが好ましく、さらに1200以上1600以下の範囲になっていることが好ましい。このとき、この範囲よりも小さいときには十分な変形(変位)特性が得られず、この範囲より大きくなると、分極処理が十分行われず、連続駆動後の変位劣化については十分な特性が得られないといった不具合が発生する。
本実施形態に係る塗布装置100においては、上述したノズル待機部200におけるノズル101の状態維持に関する機能により、ノズル101及び内部に充填された材料の状態が良好に保たれる。従って、スピンコート部103において圧電膜162を形成するために材料を塗布する際、異物が混入することや劣化した材料が供給されることがなく、形成された圧電膜162の膜欠陥を防ぐことが出来る。
個別電極163としては、金属もしくは酸化物と金属からなっていることが好ましい。以下に酸化物電極膜及び金属電極膜の詳細について記載する。酸化物電極膜の材料としては、SrRuO(以下、適宜「SRO」と略す。)を用いることが好ましい。SrRuO以外にも、Srx(A)(1−x)Ruy(1−y)、A=Ba、Ca、B=Co、Ni、x、y=0〜0.5で記述されるような材料も挙げられる。
酸化物電極膜は例えばスパッタ法等の成膜方法により作製することができる。酸化物電極膜(SRO膜)の膜厚としては、20nm以上80nm以下の範囲が好ましく、40nm以上60nm以下の範囲がさらに好ましい。この膜厚範囲よりも薄いと初期変形(変位)や変形(変位)の劣化特性については十分な特性が得られない。また、この範囲を超えると、その後に成膜した圧電膜(PZT膜)の絶縁耐圧が非常に悪く、リークしやすくなる。
金属電極膜の材料等については、前述の共通電極161で使用した金属電極膜について記載したものと同様なものを挙げることができる。金属電極膜の膜厚としては30nm以上200nm以下の範囲が好ましく、50nm以上120nm以下の範囲がさらに好ましい。この範囲より薄い場合においては、個別電極163として十分な電流を供給することができなくなり、液滴を吐出する際に不具合が発生する。また、上記範囲より厚いと、白金族元素の高価な材料を使用する場合にコストアップとなる。また、白金を材料とした場合に膜厚を厚くしていたったときに表面粗さが大きくなり、絶縁保護膜を介して配線などを作製する際に、膜剥がれ等のプロセス不具合が発生しやすくなる。
10 液滴吐出部
11 ノズル
12 ノズル基板
13 液室
14 液室基板
15 振動板
16 圧電素子
161 共通電極
162 圧電膜
163 個別電極
17 第1の絶縁保護膜
18 第2の絶縁保護膜
18a コンタクトホール
19 第3の絶縁保護膜
20 サブフレーム
21 配線
22 配線
100 塗布装置
101 ノズル
102 回転部
103 スピンコート部
200 ノズル待機部
201 開口部
202 溶液供給部
203 排液突出部
204 溶液保持部
205 排液管
206 U字部
207 不活性ガス噴出部
特開2006−223965号公報

Claims (10)

  1. 薄膜状に形成するための材料をノズルから吐出すると共に、非動作時において前記ノズルを収容するノズル収容部を含む塗布装置であって、
    前記ノズル収容部が、
    前記ノズルが収容された状態において、前記ノズル収容部の底面において前記ノズルの吐出口に対向して設けられた開口であって、前記ノズル収容部内部の液体を外部へ排出する排液部と、
    前記底面から突出して前記排液部を囲むように設けられた排液突出部と、
    前記ノズル収容部の内部で、前記底面、前記排液突出部及び前記ノズル収容部の内壁によって画定される空間において前記ノズル収容部に供給された液体を保持する液体保持部とを含み、
    前記ノズル収容部に液体が供給され、前記液体保持部によって保持された液体の前記底面からの高さが前記排液突出部の前記底面からの高さを超えることにより、前記排液突出部の内側から前記排液部に前記液体が排出されることを特徴とする塗布装置。
  2. 前記ノズル収容部の内部に前記液体を供給する液体供給部を含み、
    前記液体供給部は、前記ノズル収容部の内壁において前記ノズル収容部の天面に隣接して設けられた開口を介して前記ノズル収容部の内部に前記液体を供給することにより、前記ノズル収容部の内部に供給された液体が前記ノズル収容部の内壁を伝って前記液体保持部に到達することを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
  3. 前記排液部は、前記ノズル収容部の外部において前記開口から鉛直下方に接続された管を含み、前記管が途中で曲げられることにより前記開口から排出された液体が一時的に溜まるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の塗布装置。
  4. 前記ノズルが収容された状態において前記ノズルの先端が前記排液突出部の内側に入り込むように構成されたことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の塗布装置。
  5. 前記液体保持部によって保持された液体の前記底面からの高さが前記排液突出部の前記底面からの高さを超えることにより前記排液突出部の内側に前記液体が流れ込む際に、前記ノズル収容部に収容された前記ノズルに前記液体が接触するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の塗布装置。
  6. 収容された前記ノズルに前記液体を吹き付ける液体噴出部を含むことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の塗布装置。
  7. 収容された前記ノズルに気体を吹き付ける気体噴出部を含むことを特徴とする請求項5または6に記載の塗布装置。
  8. 請求項1乃至7いずれか1項に記載の塗布装置を用いて製造された圧電素子。
  9. 請求項1乃至7いずれか1項に記載の塗布装置を用いて製造された圧電素子を含む液滴吐出ヘッド。
  10. 請求項9に記載の液滴吐出ヘッドを含む画像形成装置。
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