JP2016042435A - 希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法、表面改質希土類ホウ化物エミッタ及び表面改質装置兼電子線源装置 - Google Patents

希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法、表面改質希土類ホウ化物エミッタ及び表面改質装置兼電子線源装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、簡易にB末端表面を希土類末端表面に改質できる希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法、及び。希土類末端表面に改質され、電子放出能が向上された表面改質希土類ホウ化物エミッタ及び表面改質装置兼電子線源装置を提供することを課題とする。
【解決手段】希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法であって、希土類ホウ化物からなるナノファイバーに一定時間、200V以上の電圧を印加して、前記ナノファイバー内部から表面に希土類元素を引き出して、前記ナノファイバーの表面を希土類元素末端表面に改質することを特徴とする希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法を用いることにより、前記課題を解決できる。
【選択図】図6

Description

本発明は、希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法、表面改質希土類ホウ化物エミッタ及び表面改質装置兼電子線源装置に関する。
電子ビーム・アプリケーションにおいては、静電レンズ又は電磁レンズのような電子光学部材を用いて、電子源で発生させた電子線を収束させて利用する。しかし、このシステムでは、球面収差と色収差の点で欠点がある。
以下の2つの特性を備えた電子源を持つことにより、プローブサイズが小さくても高い電子プローブ流を発生させることができ、球面収差と色収差の問題を解決できる。
第1の特性は、放出角度発散が小さく、放出領域が小さく制限されて、電子流値が高いことであり、第2の特性は、エネルギーの広がりが低いことである。
電子源としては、熱電子エミッタ、ショットキー(Schottky)エミッタ及びコールド・フィールド・エミッタの3種類がある。
コールド・フィールド・エミッタは、その電子ビームが最も高輝度であり、エネルギーの広がりも最も低いので、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、スキャン透過型電子顕微鏡(STEM)及び電子ビームリソグラフィー装置のような高解像度アプリケーションに好ましく用いられている。
コールド・フィールド・エミッタの輝度とエネルギーの広がりは、エミッタ材料の仕事関数に依存し、エミッタ材料の仕事関数が低くなればなるほど、コールド・フィールド・エミッタの輝度は高くなり、エネルギーの広がりは低くなることがよく知られている。
代表的なコールド・フィールド・エミッタとして、(310)面を有するタングステン(W)単結晶ワイヤーがある。このワイヤーをコールド・フィールド・エミッタとして使用する前には、熱フィラメントを用い、短時間の間、フラッシュさせて、エミッタの表面の清浄化を行っている。しかし、このワイヤーをコールド・フィールド・エミッタとして使用するうちに、清浄化された表面は、次第に残留水素ガスによって覆われ、表面からの放出電流値が徐々に小さくなる。水素が表面を覆う範囲が多くなり、放出電流値が非常に小さくなった場合には、エミッタを再フラッシュさせることが必要となる。
別のコールド・フィールド・エミッタとして、先端から電子を放出させるLaB6ナノファイバーからなるエミッタもある(非特許文献1〜4)。
LaB6ナノファイバーの表面は、La末端及びB末端のいずれかの末端表面となるが、LaはBに対し電子的に陽性で、La末端表面はB末端より仕事関数が低くなり、La末端表面は電子放出能力に優れる。これによりので、LaB6ナノファイバーを電子光学的アプリケーションに用いる場合には、La末端表面とするとよい(非特許文献5)。
電場誘起蒸発法により、LaB6ナノファイバーをLa末端表面にすることが知られている。しかし、この電場誘起蒸発法を利用するには、通常の電子顕微鏡にイメージング機構を付加することを要する。イメージング機構とは、マイクロチャネル・プレートやイメージング・ガスのような付加的機構である。そのため、電場誘起蒸発法を簡易に使用するわけにはいかなかった。
特許文献1は、六ホウ化金属冷電界エミッタ、その製造方法及び電子銃に関するものであり、先端に金属終端(100)面が形成されたLaB6等の六ホウ化金属ナノワイヤーは、仕事関数が小さいことにより、この(100)面から非常に細い電子ビームを放射することができるが、低温で使用すると、ごく短時間に汚染されて出力電流が大きく低下してしまうので、先端の金属終端(100)面を低温で水素に曝露する安定化処理を施すことで、長時間安定動作する冷電界エミッタとしたものが開示されている。
国際公開第2014−007121号
H.Zhang,et.al.J.Am.Chem.Soc.127(2005),2862. H.Zhang,et.al.J.Am.Chem.Soc.127(2005),8002. H.Zhang,et.al.J.Am.Chem.Soc.127(2005),13120. H.Zhang,et.al.Advanced Materials,18(2006),87. H.Zhang,et.al.Nano Letters,10(2010),3539.
本発明は、簡易にB末端表面を希土類末端表面に改質できる希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法、及び。希土類末端表面に改質され、電子放出能が向上された表面改質希土類ホウ化物エミッタ、その表面改質希土類ホウ化物エミッタを具備した表面改質装置兼電子線源装置を提供することを課題とする。
本発明者は、LaB6を始め、CeB6やGdB6等の希土類ホウ化物ナノファイバーのエミッタ応用を検討してきた(非特許文献1〜5)。様々な条件を試行錯誤した結果、B末端表面の希土類ホウ化物ナノファイバーの電子放出性能が低いこと、及び、所定の電圧を印加するか又は所定温度以上に加熱する操作を行うことにより、B末端表面を希土類末端表面に容易に、かつ、短時間で改質できる希土類ホウ化物ナノファイバー・エミッタの表面改質方法を見出し、この方法によって処理した表面改質希土類ホウ化物ナノファイバー・エミッタの電子放出能が高いことを見出して、本発明を完成した。
本発明は、以下の構成を有する。
(1) 希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法であって、希土類ホウ化物からなるナノファイバーに一定時間、200V以上の電圧を印加して、前記ナノファイバー内部から表面に希土類元素を引き出して、前記ナノファイバーの表面を希土類元素末端表面に改質することを特徴とする希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法。
(2) 200V以上の電圧を1時間以上印加する操作であることを特徴とする(1)に記載の希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法。
(3) 電圧印加の際、前記ナノファイバーを500℃以上に加熱することを特徴とする(1)又は(2)に記載の希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法。
(4) 500℃以上に3分以上加熱することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法。
(5) 前記希土類ホウ化物がLaB6、CeB6、GdB6のうちのいずれかであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法。
(6) (1)〜(5)のいずれかに記載の希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法により、希土類ホウ化物からなるナノファイバーの表面が希土類元素末端表面に改質されたことを特徴とする表面改質希土類ホウ化物エミッタ。
(7) (6)に記載の表面改質希土類ホウ化物エミッタと、前記表面改質希土類ホウ化物エミッタが取り付けられる一対のフィラメントと、前記一対のフィラメントに電力を供給する電力供給部と、前記電力供給部の電流計と、引出電圧の電圧部と、加速電圧部と、前記電圧部の電流計と、引出電圧の電力供給部と、加速電圧の電力供給部と、一連の操作の指示を行う論理デバイス部と、を有することを特徴とする表面改質装置兼電子線源装置。
本発明の希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法は、希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法であって、希土類ホウ化物からなるナノファイバーに一定時間、200V以上の電圧を印加して、前記ナノファイバー内部から表面に希土類元素を引き出して、前記ナノファイバーの表面を希土類元素末端表面に改質する構成なので、B末端表面を希土類末端表面に容易に、かつ、短時間で改質できる。
本発明の表面改質希土類ホウ化物エミッタは、先に記載の希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法により、希土類ホウ化物からなるナノファイバーの表面が希土類元素末端表面に改質された構成なので、電子放出能が優れたエミッタとすることができる。
本発明の表面改質装置兼電子線源装置は、先に記載の表面改質希土類ホウ化物エミッタと、前記表面改質希土類ホウ化物エミッタが取り付けられる一対のフィラメントと、前記一対のフィラメントに電力を供給する電力供給部と、前記電力供給部の電流計と、引出電圧の電圧部と、加速電圧部と、前記電圧部の電流計と、引出電圧の電力供給部と、加速電圧の電力供給部と、一連の操作の指示を行う論理デバイス部と、を有する構成なので、電子放出能が優れた表面改質装置兼電子線源装置とすることができる。
本発明の実施形態である表面改質希土類ホウ化物エミッタの一例を示す図であって、全体図(a)、部分拡大概念図(b)である。 本発明の実施形態である表面改質装置兼電子線源装置の一例を示す図である。 本発明の実施形態である希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法の一例を説明するフローチャート図である。 表面改質希土類ホウ化物エミッタ11の表面改質経過の一例を示す説明図であって、加熱又は電圧印加開始前の表面(a)、加熱又は電圧印加開始時点の表面(b)、加熱又は電圧印加途中時点の表面(c)、加熱又は電圧印加終了時点の表面(d)である。 表1の電圧印加表面処理のオペレーション・フロー・タイムチャートである。 電圧印加表面処理前後のV−I特性を示すグラフである。 表2の電圧印加+加熱表面処理のオペレーション・フロー・タイムチャートである。 電圧印加+加熱表面処理前後のV−I特性を示すグラフである。 表3の電圧印加表面処理前後のV−I特性を示すグラフである。
(表面改質希土類ホウ化物エミッタ)
まず、本発明の実施形態である表面改質希土類ホウ化物エミッタについて説明する。
図1は、本発明の実施形態である表面改質希土類ホウ化物エミッタの一例を示す図であって、全体図(a)、部分拡大概念図(b)である。
図1(a)に示すように、本発明の実施形態である表面改質希土類ホウ化物エミッタ11は、希土類ホウ化物からなる略線状のナノファイバー製のエミッタであり、一端側の先端11aが電子放出部とされている。 表面改質希土類ホウ化物エミッタ11は、先端11aから末端側11bに向けてなだらかに増径するように形成されている。
図1(b)に示すように、表面改質希土類ホウ化物エミッタ11は、Bのケージ様構造(cage looking structure)の間にLaが配置された基本構造を有する。また、内部のLaの一部が先端11a側に移動し、内部に空洞欠陥部を形成するとともに、先端11a表面を完全にLa末端とされている。先端11a表面が完全にLa末端とされることにより、効率高く、電子放出させることができ、その輝度を高く、エネルギーの広がりを低くできる。これにより、高解像度の電子線アプリケーション機器に応用できる。
表面改質希土類ホウ化物エミッタ11の長さlは、100nm以上50μm以下である。100nm未満では短すぎて、取り扱いが困難となる。逆に、50μm超とした場合は、長すぎて、取り扱いが困難となる。1μm以上30μm以下とすることがより好ましく、6μm以上10μm以下とすることがさらに好ましい。
表面改質希土類ホウ化物エミッタ11の径dは、10nm以上500nm以下である。10nm未満では電子放出量が少なすぎて、電子放出能が低下する。逆に、500nm超とした場合は、解像度が低減する。20nm以上150nm以下とすることがより好ましく、45nm以上85nm以下とすることがさらに好ましい。
表面改質希土類ホウ化物エミッタ11の材料は、希土類ホウ化物である。例えば、LaB6、CeB6、GdB6などを挙げることができる。
(表面改質装置兼電子線源装置)
次に、本発明の実施形態である表面改質装置兼電子線源装置について説明する。
図2は、本発明の実施形態である表面改質装置兼電子線源装置の一例を示す図である。
図2に示すように、表面改質装置兼電子線源装置21は、フィラメント1、1’と、フィラメント1、1’に電力を供給する電力供給部3と、電力供給部3の電流計4と、引出電圧の電圧部9と、加速電圧部10と、電圧部9の電流計6と、引出電圧の電力供給部5と、加速電圧の電力供給部7と、一連の操作の指示を行う論理デバイス部8と、を有して概略構成されている。
表面改質希土類ホウ化物エミッタ11は、フィラメント1、1’に取り付けられる。
表面改質希土類ホウ化物エミッタ11に電圧を印加できるように、電圧部9が設けられており、表面改質希土類ホウ化物エミッタ11の先端から電子を引き出した電子を加速できるように、加速電圧部10が設けられている。
例えば、フィラメント1、1’と、表面改質希土類ホウ化物エミッタ11と、電圧部9と、加速電圧部10は、真空ポンプにより減圧可能なチャンバー内に配置される(図示略)。
この表面改質装置兼電子線源装置21は、電圧部9を備えることにより、表面改質希土類ホウ化物エミッタ11の先端に引出電圧を印加することができ、表面をB末端からLa末端に完全に表面改質できるとともに、先端から電子を引き出すことができる。
また、この表面改質装置兼電子線源装置21は、加速電圧部10を備えることにより、表面改質希土類ホウ化物エミッタ11の先端から引き出した電子を加速して、様々な態様で電子線として利用できる。
(希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法)
次に、本発明の実施形態である希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法について説明する。
図3は、本発明の実施形態である希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法の一例を説明するフローチャート図である。
図3に示すように、本発明の実施形態である希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法は、表面改質工程S1を有する。
(表面改質工程S1)
まず、希土類ホウ化物からなるナノファイバーを、例えば、チャンバー内に配置してから、チャンバー内を減圧する。前記希土類ホウ化物としてはLaB6、CeB6、GdB6を挙げることができる。
次に、希土類ホウ化物からなるナノファイバーに一定時間、200V以上の電圧を印加して、前記ナノファイバー内部から表面に希土類元素を引き出して、前記ナノファイバーの表面を希土類元素末端表面に改質する。
200Vの電圧を印加する場合は、1時間以上印加する。また、512Vの電圧を印加する場合は、15分以上印加すればよい。これらにより、効率よく、希土類ホウ化物からなるナノファイバー内部から表面に希土類元素を引き出して、希土類ホウ化物からなるナノファイバーの表面を希土類元素末端表面に改質できる。
前記電圧印加の際、前記ナノファイバーを500℃以上に加熱することが好ましい。これにより、ナノファイバーの表面の希土類元素末端表面への改質時間を短くすることができる。特に、500℃以上1200℃以下とすることが好ましい。
加熱は、例えば、ファイラメントを加熱して、行うことができる。
402Vの電圧を印加する場合は、500℃以上に3分以上維持することが好ましい。これにより、前記ナノファイバーの表面を希土類元素末端表面に改質できる。
図4は、表面改質希土類ホウ化物エミッタ11の表面改質経過の一例を示す説明図であって、加熱又は電圧印加開始前の表面(a)、加熱又は電圧印加開始時点の表面(b)、加熱又は電圧印加途中時点の表面(c)、加熱又は電圧印加終了時点の表面(d)である。
加熱又は電圧印加開始前の表面(a)では、Bのケージ様構造(cage looking structure)の間に希土類が配置された基本構造を有し、B末端表面とされている。
加熱又は電圧印加開始時点の表面(b)では、内部のLaの一部が先端11a側に移動し、内部に空洞欠陥部を形成し、表面近傍の希土類が一部表面に引き出される。
加熱又は電圧印加途中時点の表面(c)では、より多くの希土類が一部表面に引き出される。
加熱又は電圧印加終了時点の表面(d)では、内部でも希土類が表面近傍に移動し、表面が完全に希土類元素末端表面とされる。
本発明の実施形態である希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法は、希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法であって、希土類ホウ化物からなるナノファイバーに一定時間、200V以上の電圧を印加して、前記ナノファイバー内部から表面に希土類元素を引き出して、前記ナノファイバーの表面を希土類元素末端表面に改質する構成なので、B末端表面を希土類末端表面に容易に、かつ、短時間で改質できる。
本発明の実施形態である希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法は、200V以上の電圧を1時間以上印加する構成なので、B末端表面を希土類末端表面に容易に、かつ、短時間で改質できる。
本発明の実施形態である希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法は、電圧印加の際、前記ナノファイバーを500℃以上に加熱する構成なので、B末端表面を希土類末端表面に容易に、かつ、短時間で改質できる。
本発明の実施形態である希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法は、500℃以上に3分以上加熱する操作である構成なので、B末端表面を希土類末端表面に容易に、かつ、短時間で改質できる。
本発明の実施形態である希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法は、前記希土類ホウ化物がLaB6、CeB6、GdB6のうちのいずれかである構成なので、B末端表面を希土類末端表面に容易に、かつ、短時間で改質できる。
本発明の実施形態である表面改質希土類ホウ化物エミッタは、先に記載の希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法により、希土類ホウ化物からなるナノファイバーの表面が希土類元素末端表面に改質された構成なので、電子放出能が優れたエミッタとすることができる。
本発明の実施形態である表面改質装置兼電子線源装置は、先に記載の表面改質希土類ホウ化物エミッタと、前記表面改質希土類ホウ化物エミッタが取り付けられる一対のフィラメントと、前記一対のフィラメントに電力を供給する電力供給部と、前記電力供給部の電流計と、引出電圧の電圧部と、加速電圧部と、前記電圧部の電流計と、引出電圧の電力供給部と、加速電圧の電力供給部と、一連の操作の指示を行う論理デバイス部と、を有する構成なので、電子放出能が優れた表面改質装置兼電子線源装置とすることができる。
本発明の実施形態である希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法、表面改質希土類ホウ化物エミッタ及び表面改質装置兼電子線源装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で、種々変更して実施することができる。本実施形態の具体例を以下の実施例で示す。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(希土類ホウ化物エミッタの表面改質実験−電圧印加)
以下のようにして、希土類ホウ化物エミッタの表面改質をした。
まず、希土類ホウ化物エミッタとして、LaB6ナノファイバーを準備した。
ナノファイバーの長さ9000nm、径50nmのものを用いた。
次に、LaB6ナノファイバーを表面改質装置のフィラメントに接続してから、表面改質装置のチャンバー内部を減圧した。
次に、表1及び図5に示すオペレーション・フローで、所定のタイムスパンで、室温で、引出電圧を変化させる操作を行い、電圧部を流れる電流を計測した。
図5は、表1の電圧印加表面処理のオペレーション・フロー・タイムチャートである。
表1及び図5に示すように、Period 1では、15min、512Vの引出電圧を印加した。このとき流れる電流は110nAであった。電流値が低かったので、表面はB末端であると認定した。
Period 2では、1sec、512Vの引出電圧を印加した。このとき流れる電流は330nAであった。電流値が高かったので、表面はLa末端に変換されたと認定した。
Vcは、臨界電圧(critical voltage)であり、この電圧を閾値として、この電圧以上の電圧を印加することにより、表面改質できる。本実験では、Vc=500(V)である。
Itは、閾値電流(threshold current)であり、La表面が形成されたときに流れるエミッション電流(emission current)である。本実験では、It=200(nA)である。
Period 3では、4hrs、305Vの引出電圧を印加した。このとき流れる電流は42nAであった。電流値が低かったので、表面はB末端であると認定した。
Period 4では、15min、512Vの引出電圧を印加した。このとき流れる電流は110nAであった。電流値が低かったので、表面はB末端であると認定した。
Period 5では、15min、512Vの引出電圧を印加した。このとき流れる電流は110nAであった。電流値が低かったので、表面はB末端であると認定した。
図6は、電圧印加表面処理前後のV−I特性を示すグラフである。
電圧印加表面処理により、電子放出特性が向上した。
(実施例2)
(希土類ホウ化物エミッタの表面改質実験−電圧印加+加熱)
以下のようにして、希土類ホウ化物エミッタの表面改質をした。
まず、希土類ホウ化物エミッタとして、LaB6ナノファイバーを準備した。
ナノファイバーの長さ6000nm、径85nmのものを用いた。
次に、LaB6ナノファイバーを表面改質装置のフィラメントに接続してから、表面改質装置のチャンバー内部を減圧した。
次に、表2及び図7に示すオペレーション・フローで、所定のタイムスパンで、電圧印加及び加熱操作を行い、電圧部を流れる電流を計測した。
図7は、表2の電圧印加表面処理のオペレーション・フロー・タイムチャートである。
図8は、電圧印加+加熱表面処理前後のV−I特性を示すグラフである。
電圧印加+加熱表面処理により、電子放出特性が向上した。
Vcは、臨界電圧(critical voltage)であり、この電圧を閾値として、この電圧以上の電圧を印加することにより、表面改質できる。本実験では、Vc=400(V)である。
Itは、閾値電流(threshold current)であり、La表面が形成されたときに流れるエミッション電流(emission current)である。本実験では、It=50(nA)である。
Ttは、閾値温度(Threshold temperature)であり、所定の引出電圧を印加した状態で、この温度以上の温度にファイラメントを加熱することにより、表面改質できる。本実験では、Tt=400(℃)である。
(実施例3)
(希土類ホウ化物エミッタの表面改質実験−電圧印加)
以下のようにして、希土類ホウ化物エミッタの表面改質をした。
まず、希土類ホウ化物エミッタとして、LaB6ナノファイバーを準備した。
ナノファイバーの長さ10000nm、径45nmのものを用いた。
次に、LaB6ナノファイバーを表面改質装置のフィラメントに接続してから、表面改質装置のチャンバー内部を減圧した。
次に、表3に示すオペレーション・フローで、所定のタイムスパンで、室温で、電圧印加操作を行い、電圧部を流れる電流を計測した。
図9は、表3の電圧印加表面処理前後のV−I特性を示すグラフである。
電圧印加表面処理により、電子放出特性が向上した。
本発明の希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法、表面改質希土類ホウ化物エミッタ及び表面改質装置兼電子線源装置は、簡易にB末端表面を希土類末端表面に改質できる希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法、及び。希土類末端表面に改質され、電子放出能が向上された表面改質希土類ホウ化物エミッタ及び表面改質装置兼電子線源装置に関するものであり、電子放出原理を利用するSEM、TEM、電子線リソグラフィー等の装置産業等において利用可能性がある。
1、1’…フィラメント、2…LaB6ナノファイバー・エミッタ、3…電力供給部、4…電流計、5…電力供給部、6…電流計、7…電力供給部、8…論理デバイス部、9…電圧部、10…加速電圧部、11…希土類ホウ化物エミッタ、11a…先端、11b…末端、21…表面改質装置兼電子線源装置。

Claims (7)

  1. 希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法であって、
    希土類ホウ化物からなるナノファイバーに一定時間、200V以上の電圧を印加して、前記ナノファイバー内部から表面に希土類元素を引き出して、前記ナノファイバーの表面を希土類元素末端表面に改質することを特徴とする希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法。
  2. 200V以上の電圧を1時間以上印加する操作であることを特徴とする請求項1に記載の希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法。
  3. 電圧印加の際、前記ナノファイバーを500℃以上に加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法。
  4. 500℃以上に3分以上加熱することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法。
  5. 前記希土類ホウ化物がLaB6、CeB6、GdB6のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の希土類ホウ化物エミッタの表面改質方法により、希土類ホウ化物からなるナノファイバーの表面が希土類元素末端表面に改質されたことを特徴とする表面改質希土類ホウ化物エミッタ。
  7. 請求項6に記載の表面改質希土類ホウ化物エミッタと、前記表面改質希土類ホウ化物エミッタが取り付けられる一対のフィラメントと、前記一対のフィラメントに電力を供給する電力供給部と、前記電力供給部の電流計と、引出電圧の電圧部と、加速電圧部と、前記電圧部の電流計と、引出電圧の電力供給部と、加速電圧の電力供給部と、一連の操作の指示を行う論理デバイス部と、を有することを特徴とする表面改質装置兼電子線源装置。

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