JP2016041881A - 水洗式大便器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水洗式大便器は、便鉢10と、便鉢10の上端縁部に形成されたリム11と、リム11の上端面11Sの内周縁に連なるように便鉢10の内面に形成され、平面視において前部領域15F及び後部領域15Rの曲率が左右両側部領域15Sよりも大きい上部内壁面15と、上部内壁面15の下端縁に沿って内側に張り出して上方に面するように形成された棚面18と、上部内壁面15の下端縁と棚面18の外周縁とを繋ぐ連結面17と、上部内壁面15、棚面18及び連結面17に接する旋回流29を生成するように洗浄水を吐出する吐水口27とを備え、連結面17の前部領域17F及び後部領域17Rが、連結面17の左右両側部領域17Sより低い位置に設定されている。
【選択図】図3
Description
便鉢と、
前記便鉢の上端縁部に形成されたリムと、
前記リムの上端面内周縁に連なるように前記便鉢の内面に形成され、平面視において前部領域及び後部領域の曲率が左右両側領域よりも大きい上部内壁面と、
前記上部内壁面の下端縁に沿って内側に張り出して上方に面するように形成された棚面と、
前記上部内壁面の下端縁と前記棚面の外周縁とを繋ぐ連結面と、
前記上部内壁面、前記棚面及び前記連結面に接する旋回流を生成するように洗浄水を吐出する吐水口とを備え、
前記連結面の前部領域及び後部領域が、前記連結面の左右両側部領域よりも低い位置に設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、旋回流の流動抵抗が低減されるので、洗浄効率が良好となる。
この構成によれば、側部領域のうち最も洗浄水の飛散し難い領域は、平面視の曲率が最小となる周長中央部なので、この点を側部領域の最高点とすることで、上部内壁面の洗浄範囲をできるだけ広くすることができる。
連結面の前後両端部領域のうち吐水口から吐出した洗浄水が最初に到達する側の端部領域では、他方の端部領域に比べて旋回速度が高速であるが、リムの上端面と旋回経路との高低差を大きくしているので、洗浄水が飛散する虞はない。
この構成によれば、便鉢を製造し易いので、コスト低減を実現できる。
また、本発明の水洗式大便器は、前記上部内壁面が、鉛直面又は上端側が前記便鉢の外側へ傾斜した面であってもよい。
以下、本発明を具体化した実施例1を図1〜図5を参照して説明する。尚、以下の説明において、前後方向に関しては、図1における下側及び図2,3における右側を前側と定義する。また、左右方向に関しては、図1,4,5にあらわれる向きを、そのまま左側及び右側と定義する。本実施例1の水洗式大便器は、便鉢10と、排水路20と、給水部23とを備えて構成されている。
便鉢10は、上方へ開放された略擂り鉢状をなす。便鉢10には、その上端縁部に沿うようにリム11が形成されている。リム11は左右対称な形状である。リム11の上端面11Sは、全周に亘って略水平であり、全周に亘って一定高さで連続している。便鉢10の下端部は、溜水部12となっている。溜水部12は、便鉢10の左右方向(幅方向)における中央に配置されている。また、溜水部12は、便鉢10の前後方向における中央よりも後方に偏った位置に配置されている。溜水部12の上端部内面は、ほぼ鉛直な立壁13で構成されている。立壁13の上端部は、後述する棚面18の内周縁部に滑らかに連続している。便鉢10の内面は、汚物(図示省略)を受け止めるための鉢面14となっている。
鉢面14の上端部領域、つまりリム11の内周面は、全周に亘って連続する上部内壁面15となっている。上部内壁面15もリム11と同様、左右対称である。図2〜5に示すように、上部内壁面15は、リム11の略水平な上端面11Sの内周縁に対し、曲率半径の小さい弧状凸面16を介して直角をなすように連なっている。上端面11Sと上部内壁面15は、弧状凸面16に対し滑らかに(接線状)に連なっている。
鉢面14には、上部内壁面15の下端縁に全周に亘って滑らかに連なる凹面状の連結面17が形成されている。連結面17は、上部内壁面15と同様、左右対称である。連結面17は上部内壁面15に連なっているので、上部内壁面15と同様、平面視における連結面17の曲率は一定ではない。即ち、前部領域17Fと後部領域17Rの曲率は左右両側部領域17Sの曲率より大きく、前部領域17Fの曲率は後部領域17Rの曲率より大きい。前部領域17F、後部領域17R及び左右両側部領域17Sは、上部内壁面15と同様、連結面17を前後左右に4分割し、且つこの4つの領域17F,17R,17Sが左右対称な配置となるように設定したものである。
鉢面14には、連結面17の内周縁に全周に亘って滑らかに(接線状)に連なる棚面18が形成されている。棚面18は、上部内壁面15及び連結面17と同様、左右対称である。棚面18は斜め上方に面しており、棚面18の外周縁は、連結面17を介すことにより上部内壁面15の下端縁に対し全周に亘って連続して連なっている。棚面18は、上部内壁面15から遠ざかるほど(便鉢10の中央に向かうほど)低くなるように傾斜している。棚面18の水平面に対する傾斜角度は、周方向において一定ではなく部位によって異なるが、全周において45°よりも小さい角度に設定されている。
図2に示すように、排水路20は、溜水部12に連なる上昇路21と、上昇路21の下流端(上端)に連なる下降路22とを備えて構成されている。下降路22は、トイレの床面に設けた排水管(図示省略)に接続されている。溜水部12は、排水路20の入口に位置する。排水路20は、左右対称であり、便鉢10の左右方向(幅方向)における中央に配置されている。洗浄前は、洗浄水が溜水として溜水部12と上昇路21に貯留され、水封状態となっている。鉢面14で受け止められた汚物や溜水部12内に沈下した汚物は、鉢面14に沿って旋回又は流下する洗浄水とともに、排水路20を通って排出される。
給水部23は、便鉢10部に洗浄水を供給するためのものであり、便鉢10の上面部後方に隣接して形成されている。給水部23の前端における左右方向中央部は、リム11の後端縁部に連なっていて、給水部23の上面とリム11の上端面11Sが面一状に連続している。図2,3に示すように、給水部23は、上面が開放されて洗浄タンク等の給水口(図示省略)に連通するように形成された後部給水空間24と、後部給水空間24の前方に位置し、連通孔26を介して後部給水空間24に連通する前部給水空間25とを備えて構成されている。
便鉢10の上端部(リム11)には、給水部23内に供給された洗浄水を、便鉢10内に吐出するための吐水口27が形成されている。吐水口27は、上部内壁面15と前部給水空間25とを仕切る隔壁部28を貫通した形態である。つまり、吐水口27は、上部内壁面15の後部領域15Rに位置し、前方に向かって開口している。吐水口27は、その全体が、便鉢10の左右方向中央よりも左方の領域に開口している。図4,5に示すように、吐水口27の開口形状(正面視形状)は、全体として横長の方形をなし、四隅が弧状に成形されているとともに、上下非対称且つ左右非対称である。
旋回流29の旋回経路となる棚面18は、水平面に対する傾斜角度が45°以下の緩斜面となっているので、吐出された旋回流29は棚面18と連結面17に接しながら、鉢面14内をほぼ一周する。したがって、棚面18に付着している汚物は、旋回流29によって確実に洗い流され、溜水部12に流入する。溜水部12は、排水路20の入口に連通しているので、便鉢10内の洗浄水と汚物は確実に排出される。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、連結面の前部領域から後部領域に至る旋回経路が、徐々に高さが変化するように滑らかに連続した形態であったが、連結面の前部領域から後部領域に至る旋回経路は、段差状に高さが変化する部分や、勾配が急激に変化する部分を有していてもよい。
(2)上記実施例では、連結面の前後両端部領域のうち、吐水口から吐出した洗浄水が最初に到達する側に位置する前部領域の高さを、吐出方向後方側に位置する後部領域よりも低く設定したが、前部領域の高さと後部領域高さを同じ高さとしてもよく、後部領域の高さを前部領域より低くしてもよい。
(3)上記実施例では、吐水口を1つだけとしたが、吐水口は複数設けられていてもよい。
(4)上記実施例では、上部内壁面、棚面及び連結面を左右対称としたが、上部内壁面、棚面及び連結面は、左右非対称であってもよい。
(5)上記実施例では、棚面が全周に亘って連続しているが、棚面の一部が途切れていてもよい。
(6)上記実施例では、連結面の高さが周方向に沿って変化するようにしたが、連結面は、周方向において一定高さで連続する領域が存在しない形態であってもよい。
11…リム
11S…リムの上端面
15…上部内壁面
15F…上部内壁面の前部領域
15R…上部内壁面の後部領域
15S…上部内壁面の側部領域
17…連結面
17F…連結面の前部領域
17H…連結面の最高点
17R…連結面の後部領域
17S…連結面の側部領域
18…棚面
27…吐水口
29…旋回流
Claims (6)
- 便鉢と、
前記便鉢の上端縁部に形成されたリムと、
前記リムの上端面内周縁に連なるように前記便鉢の内面に形成され、平面視において前部領域及び後部領域の曲率が左右両側領域よりも大きい上部内壁面と、
前記上部内壁面の下端縁に沿って内側に張り出して上方に面するように形成された棚面と、
前記上部内壁面の下端縁と前記棚面の外周縁とを繋ぐ連結面と、
前記上部内壁面、前記棚面及び前記連結面に接する旋回流を生成するように洗浄水を吐出する吐水口とを備え、
前記連結面の前部領域及び後部領域が、前記連結面の左右両側部領域よりも低い位置に設定されていることを特徴とする水洗式大便器。 - 前記連結面の前記前部領域から前記後部領域に至る旋回経路は、高さが徐々に変化するように滑らかに連続していることを特徴とする請求項1記載の水洗式大便器。
- 前記連結面の高さは、前記側部領域のうち平面視の曲率が最小となる周長中央部が最高点となり、この最高点から前記前部領域及び前記後部領域に向かって下り勾配が続く形態となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の水洗式大便器。
- 前記吐水口における前記洗浄水の吐出方向が、前方又は後方のいずれか一方向とされており、
前記連結面の前記前部領域と前記後部領域のうち、前記吐水口から吐出した洗浄水が最初に到達する側の前記端部領域の高さが、他方の前記端部領域よりも低く設定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の水洗式大便器。 - 前記上部内壁面、前記棚面及び前記連結面が、左右対称であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の水洗式大便器。
- 前記上部内壁面が、鉛直面又は上端側が前記便鉢の外側へ傾斜した面であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の水洗式大便器。
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- 2014-08-18 JP JP2014166151A patent/JP6384912B2/ja active Active
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