JP2016040968A - 電動車両のスリップ率制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】走行路が高μ路から低μ路へと変化した場合にもスリップ率を適切に制御することができる電動車両のスリップ率制御装置を提供する。
【解決手段】モータ6を動力源とする電動車両のスリップ率制御装置(コントローラ10)であって、電動車両1の車体速度及びタイヤ速度から実スリップ率を求め、この実スリップ率とモータ6が出力する実トルクとの比をドライビングスティフネスとして求めるドライビングスティフネス算出部11と、このドライビングスティフネスと、電動車両1のアクセル操作に応じたモータ6の目標トルクとに基づいて、目標スリップ率を求める目標スリップ率算出部14と、この目標スリップ率に基づいて、モータ6から出力させるべき指令トルクを求める指令トルク算出部12(第1トルク変化量算出部13)と、を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、モータを動力源とする電動車両のスリップ率制御装置に係わり、特に、目標スリップ率に基づいてモータから出力させるトルクを制御する制御装置に関する。
従来から、タイヤの空転を抑制するためのトラクション制御が知られている。トラクション制御を行う場合、車輪速度と車体速度とによって定義されるスリップ率が必要になるが、車体速度を測定することは困難である。例えば、車体速度は、非駆動輪の車輪速度や、加速度センサの積分や、光学センサ等を用いて取得することができる。しかしながら、非駆動輪の車輪速度を用いた場合には、機械ブレーキによる減速時に、制動力が四輪全てに働き、非駆動輪が存在しなくなるため、適切な車体速度を取得することができない。また、加速度センサの積分から車体速度を求める場合、加速度センサの値にオフセットがあると、オフセットを積分し続けるので車体速度の推定値が発散してしまう。また、光学センサは信頼できるが、高価であり実用向きでない。
このようなことから、従来から、検出困難な車体速度を用いずにスリップ率を精度良く推定するスリップ率推定法が提案されている。例えば、特許文献1には、駆動力オブザーバに基づいて、電動車両のモータ駆動力から車体速度を推定する技術が提案されている。具体的には、特許文献1に記載された技術では、電動車両のモータ駆動力を積分して求めた理論車体速度と実車体速度とを対比する駆動力オブザーバにより、駆動系慣性を除いた、電動車両の駆動に実際に寄与している駆動力を推定し、この駆動力に基づいてモータトルクを直ちに増減することにより応答速度の向上を図っている。その他にも、本発明に関連する技術が、例えば特許文献2及び非特許文献1に記載されている。
特開2009−142108号公報 特開2009−219216号公報
吉村雅貴、藤本博志:インホイールモータを搭載した電気自動車の駆動トルク制御法、電気学会論文誌D,Vol.131-D,No.5,pp.721-728(2011)
従来のトラクション制御では、スリップをトリガーとして、スケジュールされたトルクダウン指令値に応じてトルクダウンすることにより、タイヤの空転を抑制している。このような制御では、急激に路面μが変化した時に、トルクダウンが追い付かずに大きくスリップ率が上昇することがある。これについて図9を参照して具体的に説明する。
図9は、従来のトラクション制御の問題点を説明するための図であり、横軸にタイヤの疑似スリップ率(%)を示し、縦軸にタイヤに付与される駆動力を発生するモータのトルク(Nm)を示している。この疑似スリップ率は、「(タイヤ速度−車体速度)/車体速度」と定義される。タイヤ速度は、駆動輪の回転速度であり、車体速度は、車両全体の速度であり、従動輪の回転速度から検出される。疑似スリップ率は、スリップ率が小さい領域では本来のスリップ率とほぼ変わらないため、以降、疑似スリップ率のことを単に「スリップ率」と呼ぶ。
図9において、グラフG1は、高μ路でのスリップ率と駆動力(モータトルク)との関係を概略的に示し、グラフG2は、例えば濡れた路面や、砂利道、雪道に代表される低μ路でのスリップ率と駆動力(モータトルク)との関係を概略的に示している。グラフG1、G2は、例えばシミュレーションや実験などから得られる。
図9に示すように、スリップ率と駆動力が線形関係と見做せる領域(例えばスリップ率が約8%以下の領域であり、以下では「微小スリップ領域」と呼ぶ。)では、駆動力の上昇に伴ってスリップ率が大きくなる。この微小スリップ領域では、駆動力を種々に変化させることができる。より具体的には、走行路の最大摩擦係数が高いほど、駆動力を広い範囲で変化させることができる。これに対して、微小スリップ領域を超える領域(例えばスリップ率が約8%を超える領域であり、以下では「巨視的スリップ領域」と呼ぶ)では、駆動力とスリップ率との関係は強い非線形性を示し、駆動力を上昇させるとスリップ率が大きく上昇する。
従来のトラクション制御では、微小スリップ領域内において100Nmのモータトルクを発生して高μ路を走行している際に、走行路が高μ路から低μ路へと変化した場合、路面がこのトルクを受け止めきれないため、巨視的スリップ領域までスリップ率が上昇する(矢印A21)。そして、予め設定していたスリップ率(例えばスリップ率20%)に達すると、それをトリガーにスケジュールされたトルクダウン量(例えば40Nm)に応じてトルクダウンが行われて(矢印A22)、スリップ率が微小スリップ領域に戻る(矢印A23)。
このようなことから、従来のトラクション制御では、走行路が高μ路から低μ路へと変化し(つまり走行路の最大摩擦係数が大きく減少)、巨視的スリップ領域に突入する場合には、運転者に不快なショックや操舵力が発生しないことによる危機感を与え、また、無駄にタイヤの回転数が上昇することによるエネルギーロスが発生することがわかっている。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、走行路が高μ路から低μ路へと変化した場合にもスリップ率を適切に制御することができる電動車両のスリップ率制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、モータを動力源とする電動車両のスリップ率制御装置であって、電動車両の車体速度及びタイヤ速度から実スリップ率を求め、この実スリップ率とモータが出力する実トルクとの比をドライビングスティフネスとして求めるドライビングスティフネス算出手段と、ドライビングスティフネスと、電動車両のアクセル操作に応じたモータの目標トルクとに基づいて、目標スリップ率を求める目標スリップ率算出手段と、目標スリップ率に基づいて、モータから出力させるべき指令トルクを求める指令トルク算出手段と、指令トルクをモータから出力させる制御を行うモータ制御手段と、を有する。
このように構成された本発明においては、駆動力を発生させる前に微小スリップ領域の比例関係を演算しておけるため、目標駆動力が決まった瞬間に目標スリップ率が決まり、走行路が高μ路から低μ路へと変化した場合にもスリップ率を適切に制御することができるようになる。具体的には、本発明によれば、非特許文献1のように、目標駆動力と推定実駆動力との差分から目標スリップ率を演算し、駆動力指令を出した後に差分から目標スリップ率を再演算する手法に対して、演算処理を高速化でき、高μ路でのトルクの変化量を犠牲にすることなく、低μ路でのスリップ率制御性を得ることができる。
なお、本明細書では、「タイヤ速度」や「タイヤ加速度」などは、駆動輪の速度(回転速度)や加速度を意味するものとする。
本発明において、好ましくは、指令トルク算出手段は、目標スリップ率と、車体速度を微分した車体加速度とから目標タイヤ加速度を求め、この目標タイヤ加速度と、タイヤ速度を微分したタイヤ加速度との差分に基づいて、モータのトルクを変化させるべき量である第1トルク変化量を求める第1トルク変化量算出手段を有しており、実トルクに対して第1トルク変化量を付加することにより、指令トルクを求める。
このように構成された本発明によれば、目標スリップ率を暗示的に有した目標タイヤ加速度を実タイヤ加速度に達成させることにより、どんなμの路面においても目標スリップ率を達成することが可能となる。
本発明において、好ましくは、指令トルク算出手段は、アクセル操作の変化に応じて、モータのトルクを変化させるべき量である第2トルク変化量を求める第2トルク変化量算出手段を更に有しており、実トルクに対して第1及び第2トルク変化量を付加することにより、指令トルクを求める。
このように構成された本発明によれば、アクセル操作が変化した瞬間から(つまりアクセル開度が変化した瞬間から)、トルクを発生させることができるため、アクセルペダルレスポンスを向上させることができる。
本発明において、好ましくは、指令トルク算出手段は、アクセル開度に基づいて算出される目標車体加速度と、車体速度を微分した車体加速度との差分に基づいて、モータのトルクを変化させるべき量である第3トルク変化量を求める第3トルク変化量算出手段を更に有しており、実トルクに対して第1及び第3トルク変化量を付加することにより、指令トルクを求める。
このように構成された本発明によれば、路面μの変化などにより実スリップ率が上昇し第1トルク変化量だけでは所望の車体加速度が実現しにくい条件でも、目標車体加速度と実際の車体加速度との差分に基づいて第3トルク変化量を上昇させることにより、目標加速度を適切に実現させることが可能となる。
本発明の電動車両のスリップ率制御装置によれば、走行路が高μ路から低μ路へと変化した場合にもスリップ率を適切に制御することができる。
本発明の実施形態による電動車両のスリップ率制御装置が適用された電動車両を概略的に示した全体構成図である。 本発明の実施形態によるコントローラの機能構成図である。 本発明の実施形態によるコントローラのモデルブロック図である。 本発明の実施形態によるコントローラのドライビングスティフネス算出部のモデルブロック図である。 本発明の実施形態によるコントローラの第2トルク変化量算出部のモデルブロック図である。 本発明の実施形態によるコントローラの第1トルク変化量算出部のモデルブロック図である。 本発明の実施形態によるコントローラの第3トルク変化量算出部のモデルブロック図である。 本発明の実施形態による電動車両のスリップ率制御装置の作用効果を説明するための図である。 従来のトラクション制御の問題点を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による電動車両のスリップ率制御装置について説明する。
[装置構成]
まず、図1を参照して、本発明の実施形態による電動車両のスリップ率制御装置が適用された車両の全体構成について説明する。
図1に示すように、電動車両1は、主に、フロントタイヤ2と、リアタイヤ3と、インバータ5と、モータ6と、減速ギヤ7と、コントローラ10と、フロントタイヤ速度センサ21と、リアタイヤ速度センサ22と、アクセル開度センサ23と、を有する。
電動車両1は、モータ6を動力源とする車両(電気自動車/EV車両)である。具体的には、電動車両1は、モータ6から出力されたトルクによってフロントタイヤ2が駆動される前輪駆動車両である。この場合、モータ6から出力されたトルクは、減速ギヤ7やディファレンシャルギヤ(図示せず)などを介してフロントタイヤ2に伝達される。モータ6は、インバータ5を介して、コントローラ10によって種々の制御が行われる。例えば、コントローラ10は、インバータ5に指令トルクを入力し、インバータ5はモータ6から出力させるトルクを制御する。
フロントタイヤ速度センサ21は、フロントタイヤ2の回転速度(車輪速度)を検出し、リアタイヤ速度センサ22は、リアタイヤ3の回転速度(車輪速度)を検出し、アクセル開度センサ23は、ドライバによるアクセルペダル(不図示)の操作量に対応するアクセル開度を検出する。フロントタイヤ速度センサ21、リアタイヤ速度センサ22及びアクセル開度センサ23は、それぞれ、検出したフロントタイヤ速度、リアタイヤ速度及びアクセル開度に対応する検出信号をコントローラ10に出力する。
次に、図2は、本発明の実施形態によるコントローラ10の機能構成図を示す。図2に示すように、コントローラ10は、機能的には、ドライビングスティフネス算出部11と、指令トルク算出部12と、モータ制御部18とを有し、指令トルク算出部12は、第1トルク変化量算出部13と、第2トルク変化量算出部15と、第3トルク変化量算出部16とを有し、第1トルク変化量算出部13は、目標スリップ率算出部14を有する。
コントローラ10の各構成要素の機能を簡単に説明する(詳細は後述する)。ドライビングスティフネス算出部11は、電動車両1の車体速度及びフロントタイヤ2のタイヤ速度から実スリップ率を求め、この実スリップ率とモータ6が現在出力する実トルクとの比をドライビングスティフネスとして求める。指令トルク算出部12の第1トルク変化量算出部14は、スリップ率を考慮してタイヤ加速度を制御し、指令トルク算出部12の第2トルク変化量算出部15は、アクセル開度を先読みしてトルクの遅れを低減し、指令トルク算出部12の第3トルク変化量算出部16は、車体加速度を制御する。目標スリップ率算出部14は、第1トルク変化量算出部14が用いる目標スリップ率を、アクセル開度から算出される目標トルクからドライビングスティフネスを除すことにより求める。モータ制御部18は、インバータ5を介して、上記した指令トルク算出部12が求めた指令トルクをモータ6から出力させる制御を行う。
このように、コントローラ10は、本発明における「電動車両のスリップ率制御装置」に相当する。
なお、コントローラ10は、CPU、CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。例えば、コントローラ10は、ECU(Electronic Control Unit)によって構成される。
[制御方法]
次に、本実施形態においてコントローラ10が行う制御方法について説明する。
前述したように、従来のトラクション制御では、走行路が高μ路から低μ路へと変化した場合に(つまり走行路の摩擦係数が大きく減少した場合)、トルクダウンが間に合わない場合がある(図9参照)。
本実施形態では、実スリップ率とモータ6の実トルクとの比と、モータ6の目標トルクとに基づいて、目標スリップ率を求める。つまり、本実施形態では、図9に示したような微小スリップ領域(例えばスリップ率が約8%以下の領域)でのスリップ率と駆動トルクとの関係から、スリップ率と駆動トルクとの関係が比例関係にあるものと仮定し、つまりスリップ率と駆動トルクとの関係が原点を通る一次関数の関係にあるものと仮定し、実スリップ率とモータ6の実トルクとの比をドライビングスティフネスとして用い、このドライビングスティフネスから目標スリップ率を求める。
このように、実スリップ率と実トルクとの比をドライビングスティフネスとして一義的に適用して目標スリップ率を求めることで、従来のトラクション制御よりも演算速度が速くなるため、走行路が高μ路から低μ路へと変化した場合にもスリップ率を適切に制御することができるようになる。
なお、本実施形態においては、特に、スリップ率と駆動トルクとの関係がほぼ比例関係にあるとみなせるスリップ率の領域を、「微小スリップ領域」として用いるものとする。
次に、図3乃至図7を参照して、本実施形態においてコントローラ10が行う制御方法を具体的に説明する。図3は、本発明の実施形態によるコントローラのモデルブロック図であり、図4は、本発明の実施形態によるコントローラのドライビングスティフネス算出部のモデルブロック図であり、図5は、本発明の実施形態によるコントローラの第2トルク変化量算出部のモデルブロック図であり、図6は、本発明の実施形態によるコントローラの第1トルク変化量算出部のモデルブロック図であり、図7は、本発明の実施形態によるコントローラの第3トルク変化量算出部のモデルブロック図である。
ここで、図3乃至図7に示した記号を以下のように定義する。
AP:アクセル開度
v:車体加速度
t:タイヤ加速度
v *:要求車体加速度
t *:要求タイヤ加速度
v:車体速度
t:タイヤ速度
real:実トルク
req:指令トルク
*:要求トルク
ΔT1:第1トルク変化量
ΔT2:第2トルク変化量
ΔT3:第3トルク変化量
y:実スリップ率
*:目標スリップ率
d:ドライビングスティフネス
なお、上記したタイヤ速度Vtやタイヤ加速度Atや要求タイヤ加速度At *として、非駆動輪としてのリアタイヤ3ではなく、駆動輪としてのフロントタイヤ2についての速度及び加速度を用いるものとする。また、車体加速度Av及びタイヤ加速度Atは、計測値ではなく、推定値であるものとする。
コントローラ10の指令トルク算出部12の第2トルク変化量算出部15は、アクセル開度センサ23が検出したアクセル開度APを取得し、このアクセル開度APと所定の係数K2とに基づいて、第2トルク変化量ΔT2を求める(図3及び図5参照)。
他方で、コントローラ10のドライビングスティフネス算出部11は、車体速度Vv、タイヤ速度Vt及び実トルクTrealを取得する(図3及び図4参照)。この場合、ドライビングスティフネス算出部11は、例えば、リアタイヤ速度センサ22が検出した、非駆動輪としてのリアタイヤ3のリアタイヤ3の回転速度(車輪速度)から、車体速度Vvを求める。また、ドライビングスティフネス算出部11は、フロントタイヤ速度センサ21が検出したフロントタイヤ2の回転速度(車輪速度)から、タイヤ速度Vtを求める。また、ドライビングスティフネス算出部11は、例えば、指令に基づいてインバータ5がモータ6に出力している電流値を取得し、この電流値からモータ6が現在出力している実トルクTrealを求める、若しくは、モータ6のトルクを検出可能なセンサの検出信号に基づいて、モータ6が現在出力している実トルクTrealを求める。
そして、ドライビングスティフネス算出部11は、このように取得した実トルクTreal、車体速度Vv及びタイヤ速度Vtから、「Treal/(Vt/Vv)」を演算し、この演算結果からドライビングスティフネスkdを求める(図4参照)。具体的には、ドライビングスティフネス算出部11は、「Treal/(Vt/Vv)」についての移動平均を求めることにより、ドライビングスティフネスkdを得る。この際に、ドライビングスティフネス算出部11は、ゼロ割防止のためのリミッタを適用するものとする。
次に、コントローラ10の目標スリップ率算出部14は、アクセル開度APに応じた要求トルクT*と、ドライビングスティフネス算出部11が求めたドライビングスティフネスkdとから、「y*=T*÷kd」を演算することにより、目標スリップ率y*を求める(図6参照)。
そして、コントローラ10の指令トルク算出部12の第1トルク変化量算出部13は、目標スリップ率算出部14が求めた目標スリップ率y*と、車体速度Vvを微分することで得られた車体加速度Avとから、「At *=y*v+Av」を演算することにより、要求タイヤ加速度At *を求める(図6参照)。次いで、第1トルク変化量算出部13は、この要求タイヤ加速度At *から、タイヤ速度Vtを微分することで得られたタイヤ加速度Atを減算した値に、所定の係数K1を乗算することで、第1トルク変化量ΔT1を求める。第1トルク変化量算出部13は、上記のような第2トルク変化量ΔT2の算出処理と並行して、第1トルク変化量ΔT1の算出処理(ドライビングスティフネス算出部11による処理も含む)を行うものとする。
なお、第1トルク変化量ΔT1は、目標スリップ率y*を実現するためのフィードバック制御で用いるトルク変化量に相当する。本実施形態においては、目標スリップ率y*を実現することを図り、要求タイヤ加速度At *に基づいてフィードバック制御を行っている。このように、要求車体加速度Av *ではなく、要求タイヤ加速度At *に基づいてフィードバック制御を行っているのは、要求トルクT*がほとんど変化しない場合には要求タイヤ加速度At *が変化しにくいからである。こうすることで、安定したフィードバック制御を実現することが可能となる。
他方で、コントローラ10の指令トルク算出部12の第3トルク変化量算出部16は、上記のような第1トルク変化量ΔT1の算出処理と並行して、アクセル開度APに応じた要求車体加速度Av *から車体加速度Avを減算することで得られた値に、所定の係数K3を乗算することにより、第3トルク変化量ΔT3を求める(図7参照)。
なお、第2トルク変化量ΔT2及び第3トルク変化量ΔT3は、フィードフォワード制御で用いるトルク変化量に相当する。このような第2トルク変化量ΔT2及び第3トルク変化量ΔT3を用いてフィードフォワード制御を行うことで、アクセルレスポンスを適切に向上させることが可能となる。
次に、指令トルク算出部12は、以上のようにして求めた第1トルク変化量ΔT1、第2トルク変化量ΔT2及び第3トルク変化量ΔT3に基づいて、指令トルクTreqを求める(図3参照)。具体的には、指令トルク算出部12は、実トルクTrealに対して、第1トルク変化量ΔT1、第2トルク変化量ΔT2及び第3トルク変化量ΔT3を加算することで、モータ6から出力させるべき指令トルクTreqを求める。そして、モータ制御部18は、インバータ5を介して、こうして指令トルク算出部12が求めた指令トルクTreqをモータ6から出力させる制御を行う。
なお、上記したモデルでは、第2トルク変化量ΔT2及び第3トルク変化量ΔT3の両方を求めて、これらの第2トルク変化量ΔT2及び第3トルク変化量ΔT3を用いて指令トルクTreqを求めていたが、第2トルク変化量ΔT2及び第3トルク変化量ΔT3の一方のみを求めて、その一方のみを用いて指令トルクTreqを求めてもよい。つまり、実トルクTrealに対して、第1トルク変化量ΔT1と、第2トルク変化量ΔT2及び第3トルク変化量ΔT3の一方とを加算することで、指令トルクTreqを求めてもよい。
[作用効果]
次に、本発明の実施形態による電動車両のスリップ率制御装置の作用効果について説明する。
本実施形態によれば、微小スリップ領域ではスリップ率と駆動トルクとの関係が比例関係にあるものと仮定し、実スリップ率とモータ6の実トルクとの比を一義的にドライビングスティフネスとして用い、このドライビングスティフネスに応じた目標スリップ率に基づいてモータ6の出力トルクを制御するので、モータ6から駆動トルクを発生させる前に微小スリップ領域の比例関係を演算しておけるため、モータ6の要求トルクが決まった瞬間に目標スリップ率が決まり、走行路が高μ路から低μ路へと変化した場合にもスリップ率を適切に制御することができるようになる。具体的には、本実施形態によれば、非特許文献1のように、目標駆動力と推定実駆動力との差分から目標スリップ率を演算し、駆動力指令を出した後に差分から目標スリップ率を再演算する手法に対して、演算処理を高速化でき、高μ路でのトルクの変化量を犠牲にすることなく、低μ路でのスリップ率制御性を得ることができる。これについて、図8を参照して具体的に説明する。
図8は、本発明の実施形態による電動車両のスリップ率制御装置の作用効果を説明するための図を示す。なお、図9と同一の符号を付した要素は、同じ意味を有するものとして、それらの説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態によれば、微小スリップ領域内において100Nの駆動力を付して高μ路を走行している際に、走行路が高μ路から低μ路へと変化した場合に、図3乃至図7に示したモデルにより求められた指令トルクTreqが出力されるようにモータ6を制御することで、スリップ率が微小スリップ領域内に維持されたまま、低μ路で出力させるべき駆動力にまで適切に減少させることができる(矢印A11、A12参照)。つまり、本実施形態によれば、従来のトラクション制御のように、演算処理が間に合わずに、駆動力を低下させている最中にスリップ率が微小スリップ領域の外に出て発散してしまうことを抑制して(言い換えるとタイヤのスリップが生じてしまうことを抑制して)、スリップ率を微小スリップ領域内に適切に維持することができる。
なお、図8において、ラインL1は、グラフG1に対応する高μ路でのドライビングスティフネスに相当し、ラインL2は、グラフG2に対応する低μ路でのドライビングスティフネスに相当する。
1 電動車両
2 フロントタイヤ
3 リアタイヤ
5 インバータ
6 モータ
10 コントローラ
11 ドライビングスティフネス算出部
12 指令トルク算出部
13 第1トルク変化量算出部
14 目標スリップ率算出部
15 第2トルク変化量算出部
16 第3トルク変化量算出部
18 モータ制御部
21 フロントタイヤ速度センサ
22 リアタイヤ速度センサ
23 アクセル開度センサ

Claims (4)

  1. モータを動力源とする電動車両のスリップ率制御装置であって、
    上記電動車両の車体速度及びタイヤ速度から実スリップ率を求め、この実スリップ率と上記モータが出力する実トルクとの比をドライビングスティフネスとして求めるドライビングスティフネス算出手段と、
    上記ドライビングスティフネスと、上記電動車両のアクセル操作に応じた上記モータの目標トルクとに基づいて、目標スリップ率を求める目標スリップ率算出手段と、
    上記目標スリップ率に基づいて、上記モータから出力させるべき指令トルクを求める指令トルク算出手段と、
    上記指令トルクを上記モータから出力させる制御を行うモータ制御手段と、
    を有することを特徴とする電動車両のスリップ率制御装置。
  2. 上記指令トルク算出手段は、
    上記目標スリップ率と、上記車体速度を微分した車体加速度とから目標タイヤ加速度を求め、この目標タイヤ加速度と、上記タイヤ速度を微分したタイヤ加速度との差分に基づいて、上記モータのトルクを変化させるべき量である第1トルク変化量を求める第1トルク変化量算出手段を有しており、
    上記実トルクに対して上記第1トルク変化量を付加することにより、上記指令トルクを求める、請求項1に記載の電動車両のスリップ率制御装置。
  3. 上記指令トルク算出手段は、
    上記アクセル操作の変化に応じて、上記モータのトルクを変化させるべき量である第2トルク変化量を求める第2トルク変化量算出手段を更に有しており、
    上記実トルクに対して上記第1及び第2トルク変化量を付加することにより、上記指令トルクを求める、請求項2に記載の電動車両のスリップ率制御装置。
  4. 上記指令トルク算出手段は、
    アクセル開度に基づいて算出される目標車体加速度と、上記車体速度を微分した車体加速度との差分に基づいて、上記モータのトルクを変化させるべき量である第3トルク変化量を求める第3トルク変化量算出手段を更に有しており、
    上記実トルクに対して上記第1及び第3トルク変化量を付加することにより、上記指令トルクを求める、請求項2に記載の電動車両のスリップ率制御装置。
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