JP2016039241A - 薄膜トランジスタ素子の製造方法、有機el表示パネルの製造方法、エッチング装置及びウェットエッチング方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ素子の製造方法、有機el表示パネルの製造方法、エッチング装置及びウェットエッチング方法 Download PDF

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【課題】銅を主材料としマンガンを含む配線層を備える薄膜トランジスタ素子の良好な製造方法を提供する。
【解決手段】基板101上に、酸化物半導体を主材料とするチャネル層104と、チャネル層104より上層であり銅を主材料とする上部配線層106s、106dと、を備える薄膜トランジスタ素子100の製造方法であって、銅を主材料とする低抵抗層106Mbと、マンガンを含む銅合金を主材料とするキャップ層106Mcと、をこの順に積層した上部金属層106Mを形成し、上部金属層106Mを、マンガン濃度が0ppm以上30ppm以下に管理されたエッチング液113aを用いてウェットエッチングすることにより、上部配線層106s、106dを形成する、薄膜トランジスタ素子100の製造方法。
【選択図】図12

Description

本発明は、薄膜トランジスタ素子の製造方法、有機EL表示パネルの製造方法並びに当該製造方法に用いられるエッチング装置及びウェットエッチング方法に関する。
液晶表示装置や有機エレクトロルミネセンス(Electroluminescence:EL)表示装置などでは、大型化や高解像度化が進み、アクティブマトリクス駆動方式が主流となっている。アクティブマトリクス駆動方式においては、画素又は副画素の駆動素子として、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)素子が広く用いられている。TFT素子は、半導体材料からなるチャネル層と、金属材料からなるゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を含む配線層と、を主な構成要素とする。
近年、TFT素子のチャネル層の主材料に、酸化亜鉛、酸化インジウムガリウム、酸化インジウムガリウム亜鉛などの酸化物半導体を用いる研究開発が進められている(例えば、特許文献1参照)。酸化物半導体を主材料とするチャネル層は、リーク電流が小さく、アモルファス状態でも高いキャリア移動度を有するため、これを用いることにより低温プロセスで高性能なTFT素子を製造することができる。
また、表示装置の大型化や高解像度化に伴う信号遅延や電力損失を低減するため、従来アルミニウムやその合金が用いられていたTFT素子の配線層の主材料に、より電気抵抗の小さい銅を用いることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、酸化物半導体を主材料とするチャネル層と、銅を主材料とする配線層とを備えるTFT素子の製造において、配線層のパターニングにウェットエッチングを用いる方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
国際公開第2005/088726号 特開2004−140319号公報 国際公開第2013/015322号
チャネル層に酸化物半導体を用いる場合、水素等による酸化物半導体の劣化を防止するため、通常、酸化シリコンや酸化アルミニウムなどのパッシベーション層でTFT素子を保護する構成が用いられる。これらのパッシベーション層は酸素雰囲気下で形成されるため、逆スタガ型などの素子構造において、銅を主材料とする配線層の直上にパッシベーション層を形成すると、銅が酸化されてしまい、配線層の特性が悪化する。そこで、このような場合、銅を主材料とする低抵抗層と、マンガンを含む銅合金(以下、「CuMn合金」とする。)を主材料とするキャップ層とをこの順に積層して配線層を形成し、低抵抗層の酸化をキャップ層で防ぐ方法が用いられる。
現状では、上記のような積層構造の配線層を備えるTFT素子の製造方法についての知見は少ない。そこで、本発明の目的は、このような銅を主材料とし、マンガンを含む配線層を備えるTFT素子の良好な製造方法を提供することにある。また、本発明は、当該製造方法を用いた有機EL素子の製造方法並びに当該製造方法に用いられるエッチング装置及びウェットエッチング方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るTFT素子の製造方法は、基板上に、酸化物半導体を主材料とするチャネル層と、チャネル層より上層であり銅を主材料とする上部配線層と、を備えるTFT素子の製造方法である。また、当該製造方法では、銅を主材料とする第1層と、マンガンを含む銅合金を主材料とする第2層と、をこの順に積層した上部金属層を形成する。そして、当該製造方法では、上部金属層を、マンガン濃度が0ppm以上30ppm以下に管理されたエッチング液を用いてウェットエッチングすることにより、上部配線層を形成する。
上記態様に係るTFT素子の製造方法では、マンガン濃度が0ppm以上30ppm以下に管理されることにより析出物の発生が抑制されたエッチング液を用いて上部金属層のウェットエッチングを行うため、当該析出物に起因する上部配線層の欠けの発生を低減できる。したがって、当該製造方法は、銅を主材料とし、マンガンを含む配線層を備えるTFT素子の製造方法として良好である。
TFT素子100を示す模式断面図である。 図1のA部を拡大した模式断面図である。 配線層の欠けを示す平面写真である。 TFT素子100の製造ロットと配線層の断線発生率との相関を示すグラフである。 エッチング装置910を説明するための模式図である。 エッチング装置910における基板処理枚数とスプレー圧との相関を示すグラフである。 エッチング装置910における基板処理枚数とエッチング液中のマンガン濃度との相関を示すグラフである。 TFT素子100の製造工程を示す模式断面図であって、(a)はゲート電極形成工程を示す図であり、(b)はゲート絶縁層形成工程を示す図であり、(c)はチャネル層形成工程を示す図である。 TFT素子100の製造工程を示す模式断面図であって、(a)はチャネル保護層形成工程を示す図であり、(b)はソース電極及びドレイン電極形成工程を示す図であり、(c)はパッシベーション層形成工程を示す図である。 TFT素子100のドレイン電極形成工程を示す模式断面図であって、(a)はコンタクトホール形成工程を示す図であり、(b)は金属層形成工程を示す図であり、(c)はフォトレジスト形成工程を示す図である。 TFT素子100のドレイン電極形成工程を示す模式断面図であって、(a)はウェットエッチング工程を示す図であり、(b)はフォトレジスト除去工程を示す図である。 エッチング装置110を説明するための模式図である。 エッチング装置110における基板処理枚数とエッチング液中のマンガン濃度との相関を示すグラフである。 TFT素子200を示す模式断面図である。 TFT素子300を示す模式断面図である。 有機EL表示装置1を示す模式ブロック図である。 有機EL表示パネル10の一部を拡大した平面図である。 副画素10aの回路構成を示す回路図である。 副画素10aの断面構成を示す模式断面図である。
以下、本発明の一態様について、図面を用いながら説明する。なお図面は模式的なものを含み、各部分の縮尺や縦横の比率などが実際と異なる場合がある。また図面における、平面図、平面写真とは、対象物を垂直上方から見た図、写真であり、例えばTFT素子を形成する基板の平面図、平面写真とは、TFT素子を形成する基板の主面をその垂直上方から見た図、写真である。
<本発明の一態様に至った経緯>
図1は、TFT素子100を示す模式断面図である。TFT素子100は、基板101上に、酸化物半導体を主材料とするチャネル層104と、銅を主材料とする配線層の一部であるゲート電極102、ソース電極106s及びドレイン電極106dとを備える。なお、層の主材料とは、層に用いられる材料のうち、主要なものであり、具体的には、層に含まれる材料のうち、最も比率が大きいものである。
ここで、配線層のうち、チャネル層104より上層である方を上部配線層、下層である方を下部配線層とすると、ゲート電極102は下部配線層の一部、ソース電極106s及びドレイン電極106dは上部配線層の一部である。なお、本願において「上層」とは、基準とする層より後に形成される層のことであり、「下層」とは、基準とする層より先に形成される層のことである。よって、これらは、基準とする層の上方、下方にある層を指すのみではなく、基準となる層の側方や斜め上方、斜め下方にある層を指す場合もある。
図2は、図1のA部(四角形点線内)を拡大した模式断面図である。TFT素子100のドレイン電極106dは、モリブデンを主材料とするバリア層106da、銅を主材料とする低抵抗層106db、CuMn合金を主材料とするキャップ層106dcの積層構造となっている。また、図2に示すように、ドレイン電極106dでは、低抵抗層が主要な部分となっている。すなわち、TFT素子100は、銅を主材料とし、マンガンを含む配線層を備える。図示は省略するがTFT素子100では、例えばソース電極106sなどのドレイン電極106d以外の上部配線層についても同様の積層構造となっている。
上記構成により、TFT素子100では、水素の侵入を抑制するためにパッシベーション層107に酸化シリコンや酸化アルミニウムを用いた場合であっても、キャップ層106dcにより低抵抗層106dbの酸化を防ぐことができる。なお、TFT素子100のように、下部配線層及び上部配線層のいずれにおいても、銅を主材料とすることで、配線層の形成を同じ方法・装置で行うことができ、製造効率が向上する。
ここで、本願の発明者(以下、「本発明者」とする。)は、上記構成を有するTFT素子100を実際に製造したところ、配線層が所定のパターン通りに形成されず、欠けてしまう場合があることを発見した。図3は配線層の欠けを示す平面写真である。図3では、薄い色の部分が配線層のパターンを示しており、楕円状の点線で囲んだ中央部において、配線層が欠けて断線している箇所が存在している。また点線内の右側部に、パターンの一部が欠けてしまっている箇所が存在している。このような配線層の欠けはTFT素子の特性に悪影響を及ぼし、欠けによって配線層が断線することによりTFT素子が動作しなくなる場合もある。なお、このような配線層の欠けは、上部配線層、下部配線層のいずれにおいても発生することが分かった。
そこで、本発明者は、配線層の欠けについて解析を行うために、欠けの発生状況を確認した。図4は、TFT素子100の製造ロットと配線層の断線発生率との相関を示すグラフである。図4の横軸は、TFT素子100の製造ロット、すなわち製造時期を示している。また、図4の縦軸は、配線層の断線が発生した割合を示している。このグラフから、配線層の断線、すなわち配線層の欠けの発生率が、TFT素子100の製造時期に依存しており、特にグラフ後半の縦の点線以降の製造ロットでそれ以前よりも頻繁に発生していることが分かる。つまり、配線層の欠けの発生率は、TFT素子100の製造を繰り返すことによる製造条件の変化に影響を受けていることが分かる。
次に、本発明者は、配線層の欠けは配線層の形成過程で発生すると考え、TFT素子100の製造工程における配線層のパターニング工程に着目した。配線層のような金属を主材料とする層のパターニングにおいては、エッチング装置を用いて、配線層の材料からなる金属層をウェットエッチングすることが一般的である。図5は、TFT素子100の金属層のウェットエッチングに用いられるエッチング装置910を示す模式図である。
エッチング装置910において、タンク911aに蓄えられたエッチング液913aは、ポンプ915によって汲み上げられ、フィルタ916によってろ過された後に、スプレー914によって基板101Mに散布される。ここで、基板101Mは、TFT素子100の製造過程における基板101又はその集合体であり、基板101上に、上部配線層又は下部配線層の材料からなる金属層と、金属層上の所定の位置に配置されたフォトレジストとを積層している。基板101Mにエッチング液913aが散布されると、金属層のうち、フォトレジストが配置されない部分がエッチングされる。そして、基板101Mへ散布されたエッチング液913aは、エッチング漕911bに回収されてエッチング液913bとなり、エッチング液913bはタンク911a内に戻され、再度エッチング液913aとして循環使用される。
図6は、エッチング装置910における基板101Mの処理枚数(単位:seet=枚)とスプレー圧(単位:kPa)との相関を示すグラフである。グラフが示すように、エッチング装置910では、基板101Mの処理枚数が0からN1に近づくにつれ、スプレー圧が減少している。また、図4の断線発生率が上昇する時期(図4の点線で示す製造ロット)は、処理枚数がN1となる近辺であることが分かった。
さらに、このスプレー圧の減少が起こった段階(処理枚数N1近辺)で、エッチング装置910のフィルタ916を確認したところ、フィルタ916に目詰まりが発生していた。そこで、処理枚数N1にてフィルタ916を交換したところ、スプレー圧は回復した。以降スプレー圧が一定値以下に減少したN2〜N6のそれぞれの時点でも同じようにフィルタ916の目詰まりが発生したが、フィルタ916を交換すると、スプレー圧は回復した。このことから、スプレー圧の減少は、フィルタ916の目詰まりによるものであることが分かる。
次に、目詰まりが発生したフィルタ916を確認したところ、銅及び有機物を成分に含む物質によって目詰まりが起こっていることが分かった。このことから、エッチング液913aにエッチングされた金属層中の銅が、循環使用されるエッチング液913a、913b中において、その成分と反応して析出物となり、フィルタ916の目詰まりを引き起こしたと考えられる。
以上の内容を整理すると、配線層の欠けは次の経緯によって発生すると考えられる。まず、エッチング装置910では、エッチング液913a、913bの循環使用により、基板101Mの処理枚数が増えるにつれ、エッチング液913a中の析出物が増加する。この析出物の増加により、フィルタ916にろ過される析出物も増加する(これに伴い、スプレー圧が低下する)。そして、析出物の発生量がフィルタ916のろ過能力を超えると、析出物の一部がフィルタ916を通過し始め、スプレー914からエッチング液913aとともに散布される。スプレー914から散布された析出物は、金属層上のフォトレジストと衝突し、フォトレジストを削る。これにより、本来削られるべきでない金属層の部分が、エッチング液913aによりエッチングされ、配線層の欠けとなる。
ここで、配線層の欠けの発生を低減するためには、フィルタ916のろ過能力が限度に達する前、例えばスプレー圧が一定程度低下した時点で、フィルタ916を交換することが考えられる。しかし、本発明者は、図6のN2〜N7に示すように、フィルタ916の交換を繰り返し行うと、エッチング装置910における基板101Mの処理枚数が増えるにつれ、フィルタ916の交換間隔が短くなることを発見した。特に末期(N5〜N7)では、フィルタ916の交換間隔が1〜3日おきになり、製造効率の観点から、フィルタ916の交換は根本的な対策とならないことが分かった。
また、本発明者は、キャップ層を含まない下部配線層(例えばゲート電極102など)のパターニング工程にある基板101Mのみを順次エッチング装置910で処理した場合、エッチング液913a中に同じ析出物が発生するものの、その発生量は図6に示すような短期間にフィルタ916のろ過能力を超えるほどではないことも発見した。
そこで、本発明者は、エッチング液913a中の析出物の発生における、キャップ層106dcに含まれるマンガンの影響に着目した。図7は、エッチング装置910における基板101Mの処理枚数とエッチング液913a中のマンガン濃度との相関を示すグラフである。図7において、エッチング装置910は、上部配線層のパターニング工程にある基板101M及び下部配線層のパターニング工程にある基板101Mをランダムに処理している。図7に示すように、キャップ層106dcを有するTFT素子100の製造において、基板101Mの処理枚数が増えると、エッチング液913a中においてマンガン濃度が上昇することが分かる。
また、エッチング液913a中においてマンガンはイオン状態として存在しており、前述の銅及び有機物の析出物には含有されていないことが分かった。これは、エッチング液913aにおいてマンガンは析出せず、フィルタ916はマンガンを回収できないため、フィルタ916の交換を行っても、エッチング液913a中のマンガン濃度は低下しないことを意味する。
ここで、本発明者は、析出物の発生において、エッチング液913a中のマンガンが触媒として機能していると推測した。すなわち、エッチング装置910における基板101Mの処理枚数が増えるにつれ、エッチング液913a中のマンガン濃度が上昇する。マンガン濃度が一定以上になると、析出物の発生率が上昇し、フィルタ916の目詰まりを発生させる。この際、フィルタ916を交換すると、析出物は回収されるが、イオン状態のマンガンは回収されない。すなわち、フィルタ916を交換してもエッチング液913a中のマンガン濃度は低下しない。よって、フィルタ916交換直後であってもマンガン濃度は一定以上であり析出物の発生率が高いままであるため、フィルタ916の交換までの期間が短くなる。
なお、析出物の発生率が高い状態であると、フィルタ916を通過してからスプレー914に散布されるまでの短期間においてもエッチング液913a中に析出物が発生することが考えられる。この場合、いくら目の細かいフィルタ916を頻繁に交換しても断線欠けの発生を低減することができない。
以上の経緯より、本発明者は、TFT素子100のように、銅を主材料としマンガンを含む配線層を備えるTFT素子の製造方法では、配線層の欠けの発生を低減するために、エッチング液913a中のマンガン濃度を、析出物の発生率が低い範囲に管理する必要があることに思い至り、以下に説明する本発明の一態様に至ったのである。
<本発明の一態様の概要>
本発明の一態様に係るTFT素子の製造方法は、基板上に、酸化物半導体を主材料とするチャネル層と、チャネル層より上層であり銅を主材料とする上部配線層と、を備えるTFT素子の製造方法である。また、当該製造方法では、銅を主材料とする第1層と、マンガンを含む銅合金を主材料とする第2層と、をこの順に積層した上部金属層を形成する。そして、当該製造方法では、上部金属層を、マンガン濃度が0ppm以上30ppm以下に管理されたエッチング液を用いてウェットエッチングすることにより、上部配線層を形成する。
上記態様に係るTFT素子の製造方法では、マンガン濃度が0ppm以上30ppm以下に管理されることにより析出物の発生が抑制されたエッチング液を用いて上部金属層のウェットエッチングを行うため、当該析出物に起因する上部配線層の欠けの発生を低減できる。したがって、当該製造方法は、銅を主材料としマンガンを含む配線層を備えるTFT素子の製造方法として、良好である。
また、本発明の別態様に係るTFT素子の製造方法は、上記態様において、TFT素子が、基板上に、チャネル層より下層であり銅を主材料としマンガンを含まない下部配線層をさらに備え、銅を主材料としマンガンを含まない下部金属層を形成する。そして、当該製造方法では、下部金属層を、マンガン濃度が0ppm以上30ppm以下に管理されたエッチング液を用いてウェットエッチングすることにより、下部配線層を形成する。
上記態様に係るTFT素子の製造方法では、マンガン濃度が0ppm以上30ppm以下に管理されることにより析出物の発生が抑制されたエッチング液を用いて下部金属層のウェットエッチングを行うため、当該析出物に起因する下部配線層の欠けの発生を低減できる。したがって、当該TFT素子の製造方法は、銅を主材料としマンガンを含む配線層を備えるTFT素子の製造方法として、良好である。
また、本発明の別態様に係るTFT素子の製造方法は、上記態様において、上部配線層の一部として、ソース電極及びドレイン電極を形成し、下部配線層の一部として、ゲート電極を形成する。上記態様に係るTFT素子の製造方法では、逆スタガ型のTFT素子において、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の欠けの発生を低減できる。
また、本発明の別態様に係るTFT素子の製造方法は、上記態様において、上部金属層及び下部金属層をウェットエッチングする際に、エッチング液を蓄えたタンクと、タンク内のエッチング液を基板に散布するスプレーと、スプレーが散布したエッチング液を回収するエッチング漕と、測定装置と、を備えるエッチング装置を用いる。また、当該製造方法では、エッチング漕が回収したエッチング液をタンク内に戻すことにより、エッチング液を循環使用し、測定装置を用いてエッチング液のマンガン濃度を算出する。そして、当該製造方法では、算出したマンガン濃度の算出値を用いて、エッチング液のマンガン濃度を0ppm以上30ppm以下に管理する。
また、本発明の別態様に係るTFT素子の製造方法は、上記態様において、測定装置が、タンクに設置された誘導結合プラズマ質量分析計であり、誘導結合プラズマ質量分析計が測定したエッチング液中のマンガンの質量を用いて、タンク内のエッチング液のマンガン濃度を算出する。
また、本発明の別態様に係るTFT素子の製造方法は、上記態様において、測定装置が、スプレーから散布されるエッチング液のスプレー圧を測定する圧力計であり、圧力計が測定したスプレー圧を用いて、スプレーから散布されるエッチング液のマンガン濃度を算出する。
また、本発明の別態様に係るTFT素子の製造方法は、上記態様において、測定装置が、エッチング液中の析出物を採取するサンプリング装置であり、サンプリング装置によって採取された析出物の重量を用いて、エッチング液のマンガン濃度を算出する。
上記態様に係るTFT素子の製造方法では、上部配線層及び下部配線層をウェットエッチングする際に、エッチング液のマンガン濃度を算出できるため、マンガン濃度の算出値を用いて適切にエッチング液のマンガン濃度を管理できる。
また、本発明の別態様に係るTFT素子の製造方法は、上記態様において、マンガン濃度の算出値が30ppm以下の第1基準値以上となった場合は、下部金属層のウェットエッチングのみを行い、マンガン濃度の算出値が第1基準値より小さい第2基準値以下となった場合にのみ、上部金属層のウェットエッチングを行う。
上記態様に係るTFT素子の製造方法では、エッチング液のマンガン濃度が30ppmに近づいた場合に、当該マンガン濃度が低下する処理のみを行い、当該マンガン濃度が十分に低下した場合にのみ、マンガン濃度が上昇する処理を行う。よって、エッチング液のマンガン濃度を、0ppm以上30ppm以下に管理できる。
また、本発明の別態様に係るTFT素子の製造方法は、上記態様において、マンガン濃度の算出値が30ppm以下の第1基準値以上となった場合は、前記エッチング液を前記エッチング装置から排出し、新しいエッチング液を補給する。上記態様に係るTFT素子の製造方法では、マンガン濃度が30ppm以下の第1基準値以上となった場合に、エッチング液のマンガン濃度を低下する処理を行うことで、エッチング液のマンガン濃度を、0ppm以上30ppm以下に管理できる。
また、本発明の別態様に係るTFT素子の製造方法は、上記態様において、エッチング装置が、エッチング液中の析出物をろ過するフィルタをさらに備え、フィルタを通過したエッチング液をスプレーによって散布する。上記態様に係るTFT素子の製造方法では、基板に散布するエッチング液中の析出物をろ過することができ、配線層の欠けの発生を低減することができる。
また、本発明の別態様に係るTFT素子の製造方法は、上記態様において、スプレーのスプレー圧が一定値以下となった場合に、フィルタを交換する。上記態様に係るTFT素子の製造方法では、フィルタのろ過能力が低下した場合にフィルタを交換するため、析出物がフィルタを通過することを低減できる。
また、本発明の別態様に係るTFT素子の製造方法は、上記態様において、フィルタの交換間隔が一定値以下となった場合に、エッチング装置の洗浄を行う。
また、本発明の別態様に係るTFT素子の製造方法は、上記態様において、洗浄を行う際に、過酸化水素を用いて洗浄を行う。
上記態様に係るTFT素子の製造方法では、エッチング液のマンガン濃度が上昇した場合に、エッチング装置の洗浄によりエッチング液のマンガン濃度を低下させるため、析出物の発生率を低減することができる。よって、上記態様に係るTFT素子の製造方法では、配線層の欠けの発生を低減できるとともに、フィルタの交換間隔を延ばすことで、製造効率を向上することができる。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法は、上記態様のいずれかに記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法によって基板上に複数の薄膜トランジスタ素子を形成し、複数の薄膜トランジスタ素子が形成された基板上に、複数の薄膜トランジスタ素子と電気的に接続された複数の有機EL素子を形成する。
上記態様に係る有機EL表示パネルの製造方法では、配線層の欠けの発生が低減したTFT素子を形成でき、有機EL表示パネルの製造における生産性及び生産品質を向上できる。
また、本発明の一態様に係るエッチング装置は、銅を主材料とする第1層と、マンガンを含む銅合金を主材料とする第2層と、をこの順に基板上に積層した金属層のウェットエッチングを行うエッチング装置である。また当該エッチング装置は、エッチング液を蓄えたタンクと、エッチング液中の析出物をろ過するフィルタと、フィルタを通過したエッチング液を基板に散布するスプレーと、スプレーが散布したエッチング液を回収し、タンクに循環させるエッチング漕と、エッチング液のマンガン濃度を測定する測定装置と、を備える。
上記態様に係るエッチング装置は、エッチング液のマンガン濃度を測定することができるため、金属層のエッチングの質を管理することができる。
また、本発明の一態様に係るウェットエッチング方法は、銅を主材料とする第1層と、マンガンを含む銅合金を主材料とする第2層と、をこの順に基板上に積層した金属層のウェットエッチング方法である。また、当該ウェットエッチング方法では、金属層を、マンガン濃度が0ppm以上30ppm以下に管理されたエッチング液でエッチングする。
上記態様に係るウェットエッチング方法では、析出物の発生が抑制されたエッチング液を用いて金属層のウェットエッチングを行うため、析出物に起因するエッチング精度の低下を抑制できる。
なお、本願において「上」とは、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)を指すものではなく、積層構造における積層順を基に、相対的な位置関係により規定されるものである。具体的には、TFT素子を形成する基板の主面に垂直な方向であって、基板から積層物側に向かう側を上方向とする。また、例えば「基板上」と表現した場合は、基板に直接接する領域のみを指すのではなく、積層物を介した基板の上方の領域も含めるものとする。
<実施の形態1>
以下、実施の形態1として、本発明の一態様に係るTFT素子100の製造方法について説明する。図1に示すように、TFT素子100は、逆スタガ(ボトムゲート、トップコンタクト)型かつチャネル保護型のTFT素子である。また、TFT素子100は、銅を主材料とする配線層(上部配線層及び下部配線層)を備え、配線層における信号遅延や電力損失を低減している。
1.TFT素子100の断面構成
TFT素子100は、基板101上に、ゲート電極102と、チャネル層104と、ソース電極106sと、ドレイン電極106dとを備える。具体的には、基板101上に島状のゲート電極102が配置され、ゲート電極102が配置された基板101の上面を覆うように、ゲート絶縁層103が配置される。また、ゲート絶縁層103上のゲート電極102に対応する位置には、チャネル層104が配置され、チャネル層104が配置されたゲート絶縁層103の上面を覆うようにチャネル保護層105が配置される。また、チャネル保護層105上には、互いに間隔をあけてソース電極106s及びドレイン電極106dが配置されている。また、チャネル保護層105の一部には、チャネル層104を露出するコンタクトホールが形成されており、当該コンタクトホールを通じて、チャネル層104と、ソース電極106s及びドレイン電極106dと、が接続されている。また、ソース電極106s及びドレイン電極106dが配置されたチャネル保護層105の上面を覆うようにパッシベーション層107が配置されている。
2.TFT素子100の各部説明
(1)基板101
基板101は、TFT素子100の支持材であり、平板状であって、その上側の主面上に各積層物が形成される。基板101には、電気絶縁性を有する材料を用いることができる。具体的には、基板101の材料として、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、高耐熱性ガラスなどのガラス材料、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミドなどの樹脂材料、シリコン、ガリウムヒ素などの半導体材料、絶縁層をコーティングしたステンレスやアルミニウムなどの金属材料などを用いることができる。
(2)ゲート電極102
ゲート電極102は、TFT素子100の構成要素の一つである配線層の一部であり、本実施の形態ではチャネル層104より下層である下部配線層の一部である。また、ゲート電極102は、電界効果によりチャネル層104に蓄積層を形成してチャネル層104のコンダクタンスを制御する役割を有する。
ゲート電極102には導電性を有する材料を用いることができ、本実施の形態において、ゲート電極102は、銅を主材料とし、マンガンを含まない層である。具体的には、ゲート電極102は、例えば、モリブデンを主材料とする層と、銅を主材料とする層と、をこの順に積層した多層構造とすることができる。このとき、ゲート電極102は前述のように、銅を主材料とする下部配線層の一部であり、モリブデンを主材料とする層の厚みは、銅を主材料とする層の厚みよりも小さい。このように、下部配線層に銅を主材料として用いることで、後述する上部配線層と同じエッチング液を用いる同一のエッチング装置で配線層をパターニングでき、製造効率が向上する。
なお、本願において、「マンガンを含まない層」とは、材料として意図的にマンガンを含まない層という意味である。したがって、コンタミネーションなどによって不純物としてマンガンを含んでしまった層であっても、材料として意図的にマンガンを用いていない場合は「マンガンを含まない層」に含まれる。
(3)ゲート絶縁層103
ゲート絶縁層103は、ゲート電極102とチャネル層104とを電気的に絶縁する層である。ゲート絶縁層103には、電気絶縁性を有する材料を用いることができ、本実施の形態において、ゲート絶縁層103は、例えば、窒化シリコンを主材料とする層と、酸化シリコンを主材料とする層と、をこの順に積層した多層構造である。
このように、窒化シリコンを主材料とする層を下層とすることで、ゲート絶縁層103の形成時に、ゲート電極102が酸素雰囲気下に晒されることを防ぎ、ゲート電極102において、マンガンを含むキャップ層を不要とすることができる。また、酸化シリコンを主材料とする層を上層とすることで、チャネル層104への水素の拡散を防ぐとともに、チャネル層104との界面を良好に形成し、チャネル層104の特性の悪化を抑制できる。
(4)チャネル層104
チャネル層104は、TFT素子100の構成要素の一つであり、ゲート電極102からの電界効果に応じて、ソース電極106sとドレイン電極106dとの間のコンダクタンスを変化させ、流れる電流量を変化させる役割を有する。チャネル層104には、インジウム、ガリウム及び亜鉛のうち、少なくとも1種を含む酸化物半導体材料を主材料として用いることができる。具体的には、チャネル層104の材料として、例えば、アモルファス状態や多結晶状態の酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムガリウム(IGO)などを用いることができる。
(5)チャネル保護層105
チャネル保護層105は、電気絶縁性を有し、チャネル層104をスパッタリングやエッチングによるダメージから保護する層である。チャネル保護層105には、ゲート絶縁層103の材料として例示した材料や、シリコン、酸素及びカーボンを含む有機材料などを用いることができる。また、これらを積層した多層構造とすることもできる。
(6)ソース電極106s及びドレイン電極106d
ソース電極106s及びドレイン電極106dは、TFT素子100の構成要素の一つである配線層の一部であり、本実施の形態ではチャネル層104より上層である上部配線層の一部である。ソース電極106sはチャネル層104を通過するキャリアの供給源、ドレイン電極106dはチャネル層104を通過したキャリアの受け手である。よって、正孔がキャリアとなるPチャネル型のTFT素子では高電位側に接続された方がソース電極106sとなり、電子がキャリアとなるNチャネル型のTFT素子では高電位側に接続された方がドレイン電極106d側となる。つまり、TFT素子単体においては、ソース電極106sとドレイン電極106dとの間に絶対的な区別はなく、これら電極に接続される電圧の高低によっていずれであるかが決定する。このように、TFT素子100においては、ソース電極106sとドレイン電極106dとは同一の構造であるため、以下ドレイン電極106dを例にソース電極106sも含めた構造を説明する。
図2に示すように本実施の形態では、ドレイン電極106dは、バリア層106daと、低抵抗層106dbと、キャップ層106dcとをこの順に積層した三層構造となっている。バリア層106daは、チャネル層104と低抵抗層106dbとの電気的及び物理的接続を良好にするとともに、低抵抗層106dbの含有する物質がチャネル層104へ拡散することを抑制する役割を有する。低抵抗層106dbは、電気的抵抗が低い銅を主材料とし、ドレイン電極106dのコンダクタンスを確保する役割を有する。キャップ層106dcは、CuMn合金を主材料とし、低抵抗層106dbが酸素によって酸化することを抑制する役割を有する。バリア層106da、低抵抗層106db、キャップ層106dcの具体例としては、例えば、モリブデン/銅/CuMn合金の三層構成とすることができる。なお、ドレイン電極106dは、銅を主材料とする上部配線層の一部であるため、バリア層106da及びキャップ層106dcの厚みは、低抵抗層106dbの厚みより小さい。
ただし、ドレイン電極106dは、上記三層構造に限られず、例えば低抵抗層106dbとキャップ層106dcをこの順に積層した二層構造や、その他の層を追加した四層以上の構造などであってもよい。
以上説明したように、TFT素子100は、銅を主材料とし、マンガンを含む配線層(ソース電極106s、ドレイン電極106dなどの上部配線層)を備える。
(7)パッシベーション層107
パッシベーション層107は、電気絶縁性を有し、TFT素子100を物理的、化学的に安定した状態に保つために、TFT素子100を保護する役割を有する。パッシベーション層107には、ゲート絶縁層103及びチャネル保護層105の材料として例示した材料を用いることができる。特に、酸化物半導体を主材料とするチャネル層104を保護するために、パッシベーション層107は、酸化シリコン単層又は、酸化シリコンを最下層とする多層構造とすることが好ましい。また、パッシベーション層107に多層構造を用いる際は、酸化アルミニウムなどの水素の透過性が低い材料を主材料とする層を含むことが好ましい。
3.TFT素子100の製造方法
(1)全体工程
TFT素子100の製造方法の全体工程について、図8及び図9を用いて説明する。
図8及び図9はTFT素子100の製造工程を示す模式断面図である。
(a)ゲート電極形成工程
最初に、図8(a)に示すように、基板101上に下部配線層の一部としてゲート電極102を形成する。具体的には、例えば、まず基板101としてガラス基板を準備し、スパッタリングにより、基板101上にモリブデンを主材料とする層と銅を主材料とする層とをこの順に積層した下部金属層を形成する。そして、フォトリソグラフィ法を用いて下部金属層をウェットエッチングすることにより、所定の形状にパターニングされたゲート電極102を形成する。ゲート電極102の膜厚は、例えば、20nm〜500nm程度とすることができる。モリブデン及び銅を含む下部金属層のウェットエッチングは、例えば、過酸化水素(H22)及び有機酸を混合したエッチング液を用いて行うことができ、後述する上部金属層のウェットエッチングに用いるエッチング装置を使用できる。
(b)ゲート絶縁層形成工程
次に、図8(b)に示すように、ゲート電極102を覆うように基板101上に、ゲート絶縁層103を形成する。具体的には、例えば、プラズマCVD法によって、ゲート電極102を形成した基板101上に、窒化シリコンを主材料とする層と酸化シリコンを主材料とする層とをこの順に積層し、ゲート絶縁層103を形成する。
窒化シリコンを主材料とする層は、例えば、シランガス(SiH4)、アンモニアガス(NH3)及び窒素ガス(N2)を導入ガスに用いることで形成することができる。酸化シリコンを主材料とする層は、例えば、シランガス(SiH4)と亜酸化窒素ガス(N2O)とを導入ガスに用いることで形成することができる。ゲート絶縁層103の膜厚は、例えば、50nm〜300nmとすることができる。
(c)チャネル層形成工程
次に、図8(c)に示すように、ゲート絶縁層103上にチャネル層104を形成する。この際、チャネル層104は、酸化物半導体を主材料に用いて形成する。具体的には、例えば、まず酸素雰囲気下で組成比In:Ga:Zn=1:1:1のターゲット材をスパッタリングすることにより、ゲート絶縁層103上にアモルファスIGZOを主材料とする層を形成する。そして、フォトリソグラフィ法を用いて当該層をウェットエッチングすることにより、所定の形状にパターニングされたチャネル層104を形成する。
チャネル層104の膜厚は、例えば、20〜200nm程度とすることができる。IGZOを主材料とする層のウェットエッチングは、例えば、リン酸、硝酸、酢酸及び水を混合したエッチング液を用いて行うことができる。
(d)チャネル保護層形成工程
次に、図9(a)に示すように、チャネル層104を覆うように、ゲート絶縁層103上にチャネル保護層105を形成する。具体的には、例えば、ゲート絶縁層103の形成と同様にプラズマCVD法によって、チャネル層104を形成したゲート絶縁層103上に、酸化シリコンを主材料とする層を形成し、チャネル保護層105を形成する。チャネル保護層105の膜厚は、例えば、50〜500nm程度とすることができる。
(e)ソース電極及びドレイン電極形成工程
次に、図9(b)に示すように、上部配線層の一部として、チャネル保護層105上に、チャネル層104と接するソース電極106s及びドレイン電極106dを形成する。この工程の詳細については後述する。
(f)パッシベーション層形成工程
最後に、図9(c)に示すように、ソース電極106s及びドレイン電極106dを覆うように、チャネル保護層105上にパッシベーション層107を形成する。具体的には、例えば、ゲート絶縁層103と同様にプラズマCVD法によって、ソース電極106s及びドレイン電極106dを形成したチャネル保護層105上に、酸化シリコンを主材料とする層を形成し、パッシベーション層107を形成する。
以上のような全体工程により、TFT素子100を製造することができる。
(2)ソース電極及びドレイン電極形成工程の詳細
ソース電極106s及びドレイン電極106dの形成工程について、図10及び図11を用いて詳細に説明する。なお、ここでは一例として、ドレイン電極106dの形成工程を説明するが、ソース電極106sも同様にして形成することができる。図10及び図11はTFT素子100のドレイン電極形成工程を示す模式断面図である。図10及び図11では図2に対応する断面を示している。
(a)コンタクトホール開口工程
まず、図10(a)に示すように、チャネル層104の一部を露出するようにチャネル保護層105にコンタクトホールCHを開口する。具体的には、例えば、フォトリソグラフィ法を用いて、チャネル層104上のチャネル保護層105の一部をドライエッチングすることにより、コンタクトホールCHを開口する。ドライエッチング方法としては、例えば、チャネル保護層105の主材料が酸化シリコンである場合、エッチングガスに四フッ化炭素及び酸素ガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE)を行うことできる。
(b)上部金属層形成工程
次に、図10(b)に示すように、バリア層106Ma、低抵抗層106Mb、キャップ層106Mcをこの順に積層した上部金属層106Mを、チャネル保護層105上及びコンタクトホールCH内に形成する。具体的には、例えば、モリブデン、銅、CuMn合金をそれぞれターゲット材として順にスパッタリングする。これにより、モリブデンを主材料とするバリア層106Maと、銅を主材料とする低抵抗層106Mbと、CuMn合金を主材料とするキャップ層106Mcとをこの順に積層した上部金属層106Mを形成する。すなわち、低抵抗層106Mbは、本実施の形態において第1層に相当し、キャップ層106Mcは、本実施の形態において第2層に相当する。上部金属層106Mの膜厚は、例えば、100nm〜500nm程度とすることができる。
(c)フォトレジスト形成工程
次に、図10(c)に示すように、ドレイン電極106dを形成する位置を覆うように、フォトレジストPRを形成する。具体的には、例えば、まず上部金属層106M上に、スリットコート法などにより、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などの感光性レジストを塗布する。次に、ドレイン電極106dを形成する位置に透光部を配したフォトマスクを通じて感光性レジストを露光する。そして、感光性レジストの感光しなかった部分を現像液で除去することにより、ドレイン電極106dを形成する位置を覆うフォトレジストPRを形成する。
(d)ウェットエッチング工程
次に、図11(a)に示すように、上部金属層106Mをウェットエッチングすることにより、所定の形状にパターニングされたドレイン電極106dを形成する。具体的には、後述するように、エッチング装置を用いて、フォトレジストPRを形成した基板101をウェットエッチングし、上部金属層106Mのうち、フォトレジストPRが配置されない部分を除去する。なお、モリブデン、銅、CuMn合金を含む上部金属層106Mのウェットエッチングは、下部金属層のウェットエッチングと同様に、例えば、過酸化水素及び有機酸を混合したエッチング液を用いて行うことができる。
この際、マンガン濃度が0ppm以上30ppm以下に管理されたエッチング液を用いてウェットエッチングする。図6より、断線発生率が上昇した時期(スプレー散布されるエッチング液中の析出物が増加した時期)は、前述のように処理枚数N1近辺である。また図7より、処理枚数N1のときのエッチング液中のマンガン濃度は約30ppmである。すなわち、エッチング液のマンガン濃度を30ppm以下に管理することにより、エッチング液中の析出物の発生は抑制される。
したがって、上記ウェットエッチング方法によると、析出物の発生が抑制されたエッチング液を用いて上部金属層106Mをウェットエッチングすることができる。よって、当該析出物の衝突によるフォトレジストPRの剥離を低減することができ、ドレイン電極106dの欠けの発生を低減することができる。
(e)フォトレジスト除去工程
最後に、図11(b)に示すように、フォトレジストPRを除去する。具体的には、例えば、有機溶剤やアルカリ溶剤を用いてフォトレジストPRを溶剤に溶解させることで、フォトレジストPRを除去する。また、必要に応じて超純水(UPW)などによって、洗浄を行い、残渣を除去する。
以上のような工程により、ドレイン電極106dを形成することができる。なお、前述のようにソース電極106sも同様の工程で形成でき、製造効率の観点からは、同一の上部金属層106Mから、ソース電極106s及びドレイン電極106dを同時に形成することが好ましい。
(3)ウェットエッチング工程の詳細
(a)全体の流れ
本実施の形態における上部金属層106M及び下部金属層(以下、合わせて「金属層」とする。)のウェットエッチング工程について、図12を用いて説明する。図12は、エッチング装置110を示す模式図である。なお、エッチング装置110は、上部金属層106M及び下部金属層のいずれのウェットエッチングにも共通して用いられる。
エッチング装置110は、開始漕111a、エッチング漕111b〜111d、洗浄漕111eを備える。本実施の形態におけるウェットエッチング工程では、まず、図10(c)のように金属層上に所定パターンのフォトレジストを形成した基板101Mを開始漕111aのコンベア112に配置する。次に、コンベア112によって基板101Mをエッチング漕111b〜111dへ搬送し、エッチング漕111b〜111dにおいて基板101Mの金属層をウェットエッチングする。そして、コンベア112によって基板101Mを洗浄漕111eに搬送し、純水を散布するスプレー117によって基板101Mを洗浄することによって、ウェットエッチング工程が完了する。
なお、エッチング装置110は、複数のエッチング漕111b〜111dを備えており、複数の基板101Mのウェットエッチングを同時並行して行うことができる。これにより、TFT素子100の製造効率を向上することができる。
次に、エッチング漕111b〜111dにおけるウェットエッチングについて説明する。エッチング装置110は、エッチング漕111b〜111dに接続され、エッチング液113aを蓄えるタンク111fを備える。また、エッチング装置110は、各エッチング漕111b〜111dに、スプレー114、ポンプ115及びフィルタ116を備える。さらにエッチング装置110は、タンク111fに接続された測定装置118を備える。
本実施の形態におけるウェットエッチングにおいては、基板101Mがエッチング漕111b〜111dに搬送されると、ポンプ115によって、タンク111f内に蓄えられたエッチング液113aが汲み上げられる。この際、エッチング液113a中に含有される析出物は、フィルタ116によってろ過される。そして、フィルタ116を通過し、ろ過されたエッチング液113aはスプレー114によって基板101Mに散布され、基板101Mの金属層がウェットエッチングされる。スプレー114に散布されたエッチング液113aは、エッチング漕111b〜111dに回収されてエッチング液113bとなり、エッチング液113bはタンク111f内に戻されることにより再度エッチング液113aとして循環使用される。
ここで、本実施の形態においては、測定装置118を用いて、循環使用されるタンク111f内のエッチング液113aのマンガン濃度を算出する。また、当該マンガン濃度の算出値を用いて、エッチング液113aのマンガン濃度を0ppm以上30ppm以下に管理する。以下、具体的なマンガン濃度の算出方法及び管理方法について説明する。
(b)マンガン濃度の算出方法
本実施の形態においては、測定装置118は、誘導結合プラズマ質量分析計(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry:ICP−MS)である。ICP−MSを用いたマンガン濃度の算出方法としては、例えば、次のようにすることができる。
まず、タンク111f内のエッチング液113aの一部をサンプルとして採取し、ICP−MSである測定装置118に投入する。これは、例えば、タンク111fと測定装置118とを配管で接続するとともに、配管中にバルブを配置し、サンプル採取する際のみ、バルブを開けるようにすればよい。測定装置118は、ネブライザ、誘導結合プラズマ発生装置、質量分析装置を備える。測定装置118に投入されたサンプルは、ネブライザによってエアロゾル化された後、誘導結合プラズマ発生装置が発生させた誘導結合プラズマによって分解され、サンプル中の各元素はイオン状態となる。そして、高真空となった質量分析装置で、質量電荷比に基づいてイオン状態の各元素を分離測定することにより、サンプル中のMnの質量を測定することができる。そして、測定装置118が測定したMnの質量を、採取したエッチング液113aの質量で割れば、タンク111f内のエッチング液113aのマンガン濃度を算出することができる。
なお、測定装置118を用いたエッチング液113aのマンガン濃度の算出間隔は、例えば、基板101Mのウェットエッチング完了ごと(エッチング装置110による1処理ごと)とすることができる。ただし、当該算出間隔は、これに限られず、例えば、複数回の処理ごととしてもよいし、処理状況に関わらず1時間おき、半日おき、1週間おきなどの時間間隔ごととしてもよい。
(c)マンガン濃度の管理方法
本実施の形態におけるマンガン濃度の管理方法としては、例えば、次のようにすることができる。まず、測定装置118を用いて算出したエッチング液113aのマンガン濃度の算出値に対し、算出値が30ppm以下の第1基準値以上となった場合は、エッチング装置110によるマンガンを含む金属層のウェットエッチングを禁止する。すなわち、上部金属層106Mのウェットエッチングを禁止する。これにより、エッチング液113aのマンガン濃度が30ppmを超えることを防ぐことができる。
この際、エッチング装置110を用いて、マンガンを含まない金属層のウェットエッチングのみを行うことが好ましい。例えば、TFT素子100においては、ゲート電極102などの下部配線層の形成における下部金属層のウェットエッチングのみを行うことが好ましい。
図13は、エッチング装置110における基板処理枚数とエッチング液中のマンガン濃度との相関を示すグラフである。図13は、図7とは異なり、エッチング装置110において、マンガンを含まない下部金属層のウェットエッチングのみを行った場合のグラフである。グラフが示すように、マンガンを含まない下部金属層のウェットエッチングを行うことにより、エッチング液113a中のマンガン濃度を低下させることができる。これは、エッチング装置110で基板101Mのウェットエッチングを行うと、基板101Mがエッチング液113aの一部をエッチング漕111b〜111d外に持ち出すためである。つまり、スプレー114の散布したエッチング液113aの一部は基板101M上に滞まったまま、洗浄漕111eに持ち出される。この際、持ち出されることによるエッチング液113aの減少分は、タンク111fに供給される新しいエッチング液113cによって補給される。新しいエッチング液113cはマンガンを含有しないため、これを補給されることにより循環するエッチング液113a中のマンガン濃度が低下するのである。
次に、測定装置118を用いて算出したエッチング液113aのマンガン濃度の算出値に対し、算出値が第1基準値より小さい第2基準値以下となった場合、エッチング装置110によるマンガンを含む金属層のウェットエッチングを許可する。すなわち、上記算出値が十分に小さい第2基準値以下となった場合にのみ、上部金属層106Mのウェットエッチングを行う。
以上のようにすることで、エッチング液113aのマンガン濃度を0ppm以上30ppm以下に管理することができる。これにより、本実施の形態におけるウェットエッチング方法では、エッチング液113a中の析出物の発生を抑制できる。また、当該エッチング液113aを用いて金属層のウェットエッチングを行うため、析出物に起因するエッチング精度の低下を抑制できる。すなわち、上記ウェットエッチング方法を用いたTFT素子100の製造方法では、上部配線層、下部配線層の欠けの発生を低減できる。また、エッチング装置110は、測定装置118を用いてエッチング液のマンガン濃度を測定することができるため、金属層のエッチングの質を管理することができる。
なお、第1基準値の設定方法としては、例えば、測定装置118の測定誤差を用いて設定することができる。具体的には、例えば測定装置118の測定誤差が−0.5ppm〜+0.5ppmである場合、第1基準値として29.5ppmとすれば、エッチング液113aのマンガン濃度を確実に30ppm以下に管理することができる。なお、上記測定誤差にマージンを考慮して第1基準値を設定することにより、さらに確実にエッチング液113aのマンガン濃度を30ppm以下に管理することができる。また、この観点からは、上記マージンとして、測定装置118によるエッチング液113aのマンガン濃度の算出間隔も考慮することがさらに好ましい。具体的には、例えば、エッチング装置110による基板101Mの処理あたりのマンガン濃度の上昇割合を測定し(例えば図7参照)、測定装置118による次回のマンガン濃度の算出時期までのマンガン濃度の推定上昇値を上記マージンに加えることができる。
また、第2基準値の設定方法としては、例えば、製造効率の観点から設定することができる。具体的には、例えばエッチング装置110の基板処理枚数が1000枚/日である場合、第2基準値として第1基準値より6〜7ppm小さい値とすれば、図13のグラフより、約半日ほど下部配線層のみの処理を行えば、上部配線層の処理を再開することができる。すなわち、エッチング装置110の1日あたりの基板処理枚数と、上部配線層の処理待ちにより滞留する基板数とを考慮して設定すればよい。
以上、TFT素子100の製造方法を説明した。上記のように、当該製造方法では、マンガン濃度が0ppm以上30ppm以下に管理されることにより析出物の発生が抑制されたエッチング液113aを用いて上部金属層106M及び下部金属層のウェットエッチングを行うため、析出物に起因する上部配線層及び下部配線層の欠けの発生を低減できる。したがって、当該製造方法は、銅を主材料とし、マンガンを含む配線層(ソース電極106s、ドレイン電極106dなどの上部配線層)を備えるTFT素子100の製造方法として、良好である。
<変形例>
上記のとおり、本発明の一態様として実施の形態1に係るTFT素子100の製造方法を説明したが、本発明の一態様であるTFT素子の製造方法は実施の形態1の製造方法に限られない。
1.マンガン濃度の算出方法
実施の形態1においては、測定装置118にICP−MSを用いてエッチング液113aのマンガン濃度を算出したが、エッチング液113aのマンガン濃度の算出方法はこれに限られない。
(1)スプレー圧による算出
例えば、図12において、スプレー114に圧力計114aを設け、これを測定装置としてもよい。ここで、圧力計114aはスプレー114から散布されるエッチング液113aのスプレー圧を測定する。図6に示すように、スプレー圧はエッチング液113a中の析出物の発生に伴い低下する。また、析出物の発生はエッチング液113aのマンガン濃度の増加に起因する。よって、圧力計114aが測定したスプレー圧を用いて、簡易的にスプレー114から散布されるエッチング液113aのマンガン濃度を算出することができる。
より具体的には、例えば、図6のように、スプレー圧と基板処理枚数との相関データを取得し、断線発生率が上昇する時期(処理枚数N1近辺)をマンガン濃度が30ppmとなった時期とみなして、その際のスプレー圧を求めればよい。例えば、図6においては、初期スプレー圧170kPaに対し、処理枚数N1時のスプレー圧は135kPa(約20%低下)である。よって、例えば、初期スプレー圧に対してスプレー圧が15%低下した場合を第1基準値、スプレー圧が10%低下した場合を第2基準値などとすることができる。なお、上記はあくまで例示であり、初期スプレー圧及びマンガン濃度が30ppmとなるスプレー圧は、エッチング装置110及び基板101Mの実構成に応じて設定することが好ましい。
また、スプレー圧によってマンガン濃度を算出する別の方法として、次の方法が考えられる。まずエッチング装置110を洗浄するなどにより、エッチング液113aのマンガン濃度を0ppm近くまで低下させる。次に、エッチング装置110で順次基板101Mを処理しながら、圧力計114aと測定装置118とを用いて、スプレー圧とエッチング液113a中のマンガン濃度との相関データを取得する。そして、得られた相関データを用いれば、スプレー圧からマンガン濃度を算出することができる。
(2)析出物量による算出
また、例えば、図12において、測定装置118を、エッチング液113a中の析出物を採取するサンプリング装置としてもよい。前述のように、エッチング液113a中のマンガンは析出物の発生において触媒として機能している。よって、エッチング液113a中のマンガン濃度は、エッチング液113a中の析出物の発生率と相関関係を持つと考えられる。
そこで、上記サンプリング装置によって一定時間当たりに採取された析出物の重量、すなわち発生率を用いれば、簡易的にエッチング液113a中のマンガン濃度を算出することができる。なお、サンプリング装置を用いた具体的な方法としては、例えば、タンク111fからサンプリング用の配管を分岐させ、当該配管にフィルタを設置し、一定時間ごとに当該フィルタにろ過される析出物の重量を測定すればよい。この際、当該フィルタはスプレー114及びポンプ115間のフィルタ116よりも目が細かいフィルタを用いることが好ましい。これにより、フィルタ116の目詰まりが発生する前に、析出物の重量を測定でき、エッチング装置110の動作に悪影響が出る前にマンガン濃度を測定することができる。
2.マンガン濃度の低下方法
実施の形態1においては、マンガン濃度が第1基準値以上となった場合は、上部金属層のウェットエッチングのみを行うことで、エッチング液113a中のマンガン濃度を低下させたが、当該マンガン濃度を低下させる方法はこれに限られない。
(1)エッチング液の強制排出
例えば、マンガン濃度を低下させる方法として、エッチング液113a又はエッチング液113bをエッチング装置110から強制的に排出し、排出した分に応じて新しいエッチング液113cを補給してもよい。エッチング液113a又はエッチング液113bを排出する方法としては、例えば、エッチング漕111b〜111d、タンク111f又はこれらを接続する配管にドレン管を設置すればよい。この際、エッチング液113a又はエッチング液113bの強制排出量は全量であっても一部であってもよい。また、排出したエッチング液113a又はエッチング液113bからマンガンを分離除去したものを、再度タンク111fに戻してもよい。マンガンの分離除去方法としては、アルカリ性溶液中で硫化物化させる方法や、イオン交換を用いる方法などがある。これによって、新しいエッチング液113cの補給量を低減することができ、生産コストの上昇を抑制することができる。
(2)エッチング装置の洗浄
また、例えば、マンガン濃度を低下させる方法として、エッチング装置110の洗浄を行っても良い。具体的には、例えば、エッチング装置110中のエッチング液113a及びエッチング液113bを全て排出し、洗浄液によってエッチング漕111b〜111d、タンク111f及びこれらを接続する配管を洗浄する。この際、過酸化水素を含有する洗浄液、例えば過酸化水素水などを用いて洗浄すると、効率良くエッチング装置110内に付着した析出物を除去できる。また、通常、銅を含む金属層に用いるエッチング液113aは過酸化水素を含むため(特許文献3参照)、洗浄に過酸化水素を用いた場合は、後処理としての純水洗浄などが不要となり効率的である。
なお、エッチング装置110を洗浄する方法を用いる場合は、装置の使用効率やエッチング液の使用効率などの面から、エッチング液113a中のマンガン濃度が第1基準値以上となる度に洗浄を行うのではなく、他の方法と合わせて行うことが好ましい。
例えば、まずエッチング液113a中のマンガン濃度が第1基準値以上となった場合は、実施の形態1と同じように下部金属層のウェットエッチングのみを行うことで、当該マンガン濃度を低下させる。そして、上部金属層の処理待ちにより滞留する基板数が一定以上となった場合に、エッチング装置110の洗浄を行う、という方法が考えられる。
また、例えば、圧力計114aによって、スプレー114のスプレー圧を測定し、スプレー圧が一定値以下(例えば初期スプレー圧の20%以下)となった場合に、まずフィルタ116を交換する。そして、フィルタ116の交換間隔が一定値以下となった場合(例えば前回の交換からの期間が7日以下である場合など)に、エッチング装置110の洗浄を行う、という方法も考えられる。
3.TFT素子の構造
実施の形態1では、逆スタガ型かつチャネル保護型のTFT素子100の製造方法を説明したが、本発明の一態様に係るTFT素子の製造方法は、この構造を有するTFT素子の製造方法に限られない。
(1)チャネルエッチ型
図14はTFT素子200を示す模式断面図である。TFT素子200は、逆スタガ型かつチャネルエッチ型のTFT素子であり、TFT素子100からチャネル保護層105を除去したものに相当する。なお、TFT素子200において、TFT素子100と同じ構成要素については、TFT素子100と同じ符号を付し、説明を省略する。
TFT素子200は、上部配線層の一部として、ソース電極206s及びドレイン電極206dを備える。ソース電極206s及びドレイン電極206dは、ソース電極106s及びドレイン電極106dと同じ材料からなり、モリブデンを主材料とするバリア層と、銅を主材料とする低抵抗層と、CuMn合金を主材料とするキャップ層とをこの順に積層した構造を有する。すなわち、TFT素子200は、銅を主材料とし、マンガンを含む配線層を備える。
ソース電極206s及びドレイン電極206dは、ソース電極106s及びドレイン電極106dと異なり、チャネル層104上に直接形成されており、ゲート絶縁層103上からチャネル層104上にかけて形成されている。TFT素子200は、チャネル保護層105を除去することにより、製造工程を減らすことができ、製造効率を向上させている。
ここで、TFT素子200の製造方法において、ソース電極206s及びドレイン電極206dは、ソース電極106s及びドレイン電極106dと同様に形成される。すなわち、チャネル層104までを形成した基板101上に、まずモリブデンを主材料とするバリア層と、銅を主材料とする低抵抗層と、CuMn合金を主材料とするキャップ層とをこの順に積層した上部金属層を形成する。そして、上部金属層をマンガン濃度が0ppm以上30ppm以下に管理されたエッチング液を用いてウェットエッチングすることにより、ソース電極206s及びドレイン電極206dを形成する。
上記製造方法では、マンガン濃度が0ppm以上30ppm以下に管理されることにより析出物の発生が抑制されたエッチング液を用いて上部金属層のウェットエッチングを行うため、当該析出物に起因するソース電極206s及びドレイン電極206dの欠けの発生を低減できる。したがって、上記製造方法は、銅を主材料とし、マンガンを含む配線層を備えるTFT素子の製造方法として、良好である。
(2)コプラナ型
図15はTFT素子300を示す模式断面図である。TFT素子300は、コプラナ型(トップゲートかつトップコンタクト)のTFT素子である。なお、TFT素子300において、TFT素子100と同じ構成要素については、TFT素子100と同じ符号を付し、説明を省略する。
TFT素子300は、基板101上に形成された島状のチャネル層304と、ゲート絶縁層103上のチャネル層304に対応する位置に配置されたゲート電極302と、ゲート電極302が配置されたゲート絶縁層103の上面を覆う保護層305と、を備える。また、TFT素子300は、保護層305上に間隔をあけて配置されたソース電極306s及びドレイン電極306dを備え、ゲート絶縁層103及び保護層305に形成されたコンタクトホールを通じ、チャネル層304とソース電極306s及びドレイン電極306dが接続されている。
図15が示すように、TFT素子300は、TFT素子100と異なり、下部配線層を備えず、ゲート電極302、ソース電極306s及びドレイン電極306dのいずれもが上部配線層の一部となっている。よって、ゲート電極302、ソース電極306s及びドレイン電極306dは、ソース電極106s及びドレイン電極106dと同じ構造、すなわち、モリブデンを主材料とするバリア層と、銅を主材料とする低抵抗層と、CuMn合金を主材料とするキャップ層とをこの順に積層した構造を有する。すなわち、TFT素子300は、銅を主材料とし、マンガンを含む配線層を備える。
また、チャネル層304はチャネル層104に、保護層305はチャネル保護層105にそれぞれ対応し、同様の構成を有する。
ここで、TFT素子300の製造方法において、ゲート電極302、ソース電極306s及びドレイン電極306dは、ソース電極106s及びドレイン電極106dと同様に形成される。すなわち、まずモリブデンを主材料とするバリア層と、銅を主材料とする低抵抗層と、CuMn合金を主材料とするキャップ層とをこの順に積層した上部金属層を形成する。そして、上部金属層をマンガン濃度が0ppm以上30ppm以下に管理されたエッチング液を用いてウェットエッチングすることにより、ゲート電極302、ソース電極306s及びドレイン電極306dを形成する。
上記製造方法では、マンガン濃度が0ppm以上30ppm以下に管理されることにより析出物の発生が抑制されたエッチング液を用いて上部金属層のウェットエッチングを行うため、当該析出物に起因するゲート電極302、ソース電極306s及びドレイン電極306dの欠けの発生を低減できる。したがって、上記製造方法は、銅を主材料とし、マンガンを含む配線層を備えるTFT素子の製造方法として、良好である。
4.その他
実施の形態1において、下部配線層の一部としてゲート電極102、上部配線層の一部としてソース電極106s及びドレイン電極106dを例示したが、下部配線層及び上部配線層はこれに限られない。下部配線層には、例えば、表示装置の駆動回路から延びるゲート線(走査線)や、ゲート線とゲート電極102とを接続する中間配線なども含むことができる。また、上部配線層には、例えば、表示装置の駆動回路から延びるデータ線、電源線や、データ線、電源線とソース電極106s・ドレイン電極106dとを接続する中間配線なども含むことができる。
また、実施の形態1において、下部配線層の一部であるゲート電極102は、銅を主材料とし、マンガンを含まない層としたが、これに限られず、少なくとも導電性を有する材料からなる層であればよい。導電性を有する材料としては、例えば、銅、モリブデン、アルミニウム、タングステン、チタン、マンガン、クロム、タンタル、ニオブ、銀、金、白金、パラジウム、インジウム、ニッケル、ネオジムなどの金属、これら金属の合金、酸化インジウムスズ(ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)などの導電性金属酸化物、ポリチオフェン、ポリアセチレンなどの導電性高分子などである。また、ゲート電極102はこれらを積層した多層構造とすることもできる。なお、ゲート電極102がマンガンを含む場合や、上部金属層106Mのエッチング液113aでエッチングできない材料を含む場合は、上記変形例に記載したマンガン濃度低下方法を用いることができる。
また、ゲート電極102の主材料に銅を用いない場合は、ゲート絶縁層103は、窒化シリコンを主材料とする層と酸化シリコンを主材料とする層とをこの順に積層した多層構造に限られない。具体的には、ゲート絶縁層103は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、ハフニウムシリケート(HfSiO)、酸窒化ハフニウムアルミネート(HfAlON)、酸化イットリウムなどの単層、又はこれらを積層した多層構造とすることができる。
また、実施の形態1では、チャネル層104の主材料を酸化物半導体としたが、これはマンガンを含む上部金属層を採用する要因の一つに過ぎない。チャネル層104の主材料が酸化物半導体ではない場合であっても、マンガンを含む上部金属層を採用するTFT素子において、実施の形態1におけるウェットエッチング方法は有用である。
<実施の形態2>
以下、実施の形態2として、本発明の一態様に係る有機EL表示パネル10の製造方法について説明する。
1.有機EL表示装置1の全体構成
図16は、有機EL表示パネル10を備える有機EL表示装置1の全体構成を示すブロック図である。有機EL表示装置1は、例えば、テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯端末、業務用ディスプレイ(電子看板、商業施設用大型スクリーン)などに用いられる表示装置である。有機EL表示装置1は、有機EL表示パネル10と、これに電気的に接続された駆動制御部20とを備える。
有機EL表示パネル10(以下、「パネル10」とする。)は、例えば上面が長方形状の画像表示面であるトップエミッション型の表示パネルである。パネル10では、画像表示面に沿って複数の有機EL素子(不図示)が配列され、各有機EL素子の発光を組み合わせて画像を表示する。なお、パネル10は、一例として、アクティブマトリクス方式を採用している。
駆動制御部20は、パネル10に接続された駆動回路21と、計算機などの外部装置又はアンテナなどの受信装置に接続された制御回路22とを有する。駆動回路21は、各有機EL素子に電力を供給する電源回路、各有機EL素子への供給電力を制御する電圧信号を印加する信号回路、一定の間隔ごとに電圧信号を印加する箇所を切り替える走査回路などを有する。制御回路22は、外部装置や受信装置から入力された画像情報を含むデータに応じて、駆動回路21の動作を制御する。
なお、図16では、一例として、駆動回路21がパネル10の周囲に4つ配置されているが、駆動制御部20の構成はこれに限定されるものではなく、駆動回路21の数や位置は適宜変更可能である。
2.パネル10の構成
(1)平面構成
図17は、パネル10の画像表示面の一部を拡大した模式平面図である。パネル10では、副画素10aとして、赤色、緑色、青色にそれぞれ発光する副画素SPR、SPG、SPBが順に配列され、一組の副画素SPR、SPG、SPBが一つの画素Pを構成する。副画素SPR、SPG、SPBのそれぞれにおいて、発光輝度が階調制御されることにより、画素Pはフルカラーを表現することが可能である。
副画素SPR、SPG、SPBには、それぞれ赤色、緑色、青色に発光する有機EL素子(不図示)が形成されている。当該有機EL素子の発光を画像表示面側から取り出すことにより副画素SPR、SPG、SPBは発光するが、この際の発光色は、有機EL素子の発光色そのものでも良いし、有機EL素子の発光色をカラーフィルタによって補正したものであってもよい。
(2)副画素10aの回路構成
図18は、副画素10aの回路構成を示す回路図である。副画素10aは、有機EL素子OLEDと、スイッチ用トランジスタTr1と、駆動用トランジスタTr2と、コンデンサCとを備える。スイッチ用トランジスタTr1は、駆動用トランジスタTr2、コンデンサC、信号線SL及びゲート線GLと接続されている。なお、信号線SL及びゲート線GLは駆動回路21と接続されている。駆動用トランジスタTr2は、コンデンサC、スイッチ用トランジスタTr1、有機EL素子OLED及び電源線PLと接続されている。なお、電源線PLは外部電源と接続され、有機EL素子OLEDに電力を供給する。図18に示されるように、駆動用トランジスタTr2は、Pチャネル型である。スイッチ用トランジスタTr1は、Pチャネル型、Nチャネル型いずれであっても良いが、一般的に特性が良いNチャネル型であることが好ましい。
この構成において、一定間隔で供給されるゲート線GLからの信号により、スイッチ用トランジスタTr1がオン状態になると、信号線SLから供給された信号電圧がコンデンサCに蓄積され、一定期間保持される。この保持された信号電圧は駆動用トランジスタTr2のコンダクタンスを決定する。また、駆動用トランジスタTr2のコンダクタンスは、電源線PLから有機EL素子OLEDに供給される駆動電流を決定する。したがって、有機EL素子OLEDは信号電圧に対応した階調の光を一定期間発する。
(3)断面構成
図19は、副画素10aの断面構成を示す模式断面図である。パネル10は、大きくTFT素子部と有機EL素子部とに分かれる。TFT素子部は、基板101、ゲート電極102a、102b、ゲート絶縁層103、チャネル層104a、104b、チャネル保護層105、ソース電極106as、106bs、ドレイン電極106ad、106bd、パッシベーション層107、引出電極108、ゲート線GL(不図示)、信号線SL、電源線PL、層間絶縁層109で構成される。
ここで、ゲート電極102a、チャネル層104a、ソース電極106as及びドレイン電極106adは、TFT素子100aを構成し、ゲート電極102b、チャネル層104b、ソース電極106bs及びドレイン電極106bdは、TFT素子100bを構成する。また、TFT素子100aは、図18におけるスイッチ用トランジスタTr1に、TFT素子100bは、図18における駆動用トランジスタTr2にそれぞれ相当する。
有機EL素子部は、第1電極11、機能層12、第2電極13、隔壁14、薄膜封止層15、樹脂層16、カラーフィルタ層17、封止板18で構成される。ここで、第1電極11、機能層12及び第2電極13は、有機EL素子10bを構成し、有機EL素子10bは、図18における有機EL素子OLEDに相当する。
ここで、基板101からパッシベーション層107までの部分は、実施の形態1におけるTFT素子100と同様の構成であり、説明を省略する。
(a)引出電極108
引出電極108は、TFT素子100bのドレイン電極106bdと接続されており、電源線PLから供給され、駆動用トランジスタTr2に制御された駆動電流をドレイン電極106bdから取出し、第1電極11に供給する役割を有する。引出電極108には、導電性を有する材料が用いられ、具体的には、例えば上記変形例で例示したゲート電極の材料を用いることができる。
(b)層間絶縁層109
層間絶縁層109は、信号線SL、電源線PL、引出電極108などを電気的に絶縁するとともに、TFT素子などによって凹凸が生じた基板101上面を平坦化する役割を有する。層間絶縁層109には、絶縁性を有するパターニング可能な材料、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂などの有機材料を用いることができる。
(c)第1電極11
第1電極11は、いわゆる画素電極に相当し、パネル10では、機能層12に正孔を供給する陽極としての役割を有する。なお、第1電極11は、パネル10において有機EL素子の配置を規定しており、副画素SPR、SPG、SPBのそれぞれに対応して画像表示面に沿って行列状に配列されている。第1電極11には、例えば、アルミニウム、銀、モリブデン、タングステン、チタン、クロム、ニッケル、亜鉛などの金属材料、金属材料を組み合わせた合金材料を用いることができる。また、第1電極11は、これらの材料からなる層を積層した多層構造であってもよい。
(d)機能層12
機能層12は、少なくとも有機発光層を含む層である。有機発光層は、第1電極11及び第2電極13から供給された正孔及び電子の再結合による発光(電界発光現象)が行われる層である。有機発光層16Bは、電界発光現象によって発光する有機発光材料を用いて形成される。有機発光材料としては、例えば、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物、アザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体等の蛍光物質(いずれも特開平5−163488号公報に記載)などの公知の蛍光物質、燐光物質である。また、例えば、上記の蛍光物質、燐光物質をドーパントとした有機化合物の混合層であってもよい。
なお、機能層12は、有機発光層以外に、注入層、輸送層、阻止層、バッファ層などを含んでいてもよく、これらの層によって、有機発光層における発光効率や発光寿命を向上させることができる。
(e)第2電極13
第2電極13は、すべての副画素10aに共通して形成された電極であって、パネル10では、機能層12に電子を供給する陰極としての役割を有する。第2電極13には、例えば、ITOやIZOなどの透明導電性酸化物材料や、銀、金、ニッケル、銅、アルミニウム、白金、パラジウムなどの金属材料を用いることができる。また、第2電極13は、これらの材料からなる層を積層した多層構造であってもよい。
(f)隔壁14
隔壁14は、機能層12を区切る位置に配置される。隔壁14は、機能層12を形成する際に、機能層12の材料が所定の位置から流出することを抑制し、また機能層12同士を電気的に絶縁する役割を有する。隔壁14には、例えば、電気絶縁性を有し、フォトリソグラフィ法によりパターニングが可能な感光性レジスト材料を用いることができ、感光性レジスト材料の例としては、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂などである。
(g)薄膜封止層15
薄膜封止層15は、第2電極13までの各部材が形成された基板101全体を覆うように形成された層であり、各部材が水分や酸素などに晒されることを抑制する役割を有する。また、薄膜封止層15は、外部からの物理的な衝撃から内部部材を保護する役割や、各層の屈折率の差を調整する役割を有していても良い。薄膜封止層15には、水分透過度の低い材料、例えば、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化炭素、窒化炭素、酸化アルミニウムなどの無機材料を用いることができる。
(h)樹脂層16
樹脂層16は、薄膜封止層15と封止板18との密着性を向上させる役割を有する。樹脂層16には、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などの硬化性樹脂などを用いることができる。
(i)カラーフィルタ層17
カラーフィルタ層17は、機能層12及び隔壁14の上方に配置される光学フィルタであり、機能層12から出射した光の色度やパネル10の画像表示面内のコントラストを調整する役割を有する。カラーフィルタ層17は、ブラックマトリクス17aと、有色フィルタ17bとを有する。ブラックマトリクス17aは、有色フィルタ17b同士の間隔及びカラーフィルタ層17の周縁部に配置された黒色樹脂であり、外光の反射抑制・コントラスト向上などの機能を有する。有色フィルタ17bは、機能層12の上方に配置された有色(赤色、緑色、青色など)のフィルタであり、機能層12から出射した光の色純度を向上させる機能を有する。
ブラックマトリクス17aには、遮光性を有する材料、例えば黒色顔料を含む有機材料などを用いることができる。有色フィルタ17bには、公知の有機材料、例えば、市販のカラーレジスト等を用いることができる。
(j)封止板18
封止板18は、平板状の部材であって、基板101の上方を封止する役割を有する。また、封止板18は、樹脂層16、カラーフィルタ層17に対し、支持材としての役割を有していてもよい。封止板18には、例えば、基板101の材料として例示した材料を用いることができる。
3.パネル10の製造方法
以下に、本発明の一態様であるパネル10の製造方法について、全体工程を説明する。
(1)TFT素子形成工程
まず、実施の形態1に記載したTFT素子100の形成方法を用いて、基板101上に複数のTFT素子を形成する。これにより、TFT素子100a、100bを含むパッシベーション層107までのTFT素子部を形成できる。
(2)ゲート線、信号線、引出電極形成工程
次に、パッシベーション層107までを形成した基板101において、TFT素子100aのソース電極106as並びにTFT素子100bのソース電極106bs及びドレイン電極106bdの上方にフォトリソグラフィ法を用いてコンタクトホールを形成する。そして、当該コンタクトホールを含む位置に、スパッタリングにより信号線SL、電源線PL及び引出電極108を形成する。当該電子回路を覆うように、パッシベーション層、層間絶縁層を順に形成する。
(3)層間絶縁層形成工程
次に、スリットコート法を用いて、信号線SL、電源線PL及び引出電極108を形成したパッシベーション層107の上面を覆うように、層間絶縁層109を形成する。
(4)第1電極形成工程
次に、フォトリソグラフィ法によって層間絶縁層109に引出電極108を露出するコンタクトホールを形成し、当該コンタクトホールを含む位置に、スパッタリングにより第1電極11を形成する。
(5)隔壁形成工程
次に、フォトリソグラフィ法により、第1電極11が形成された層間絶縁層109上に、隔壁14を形成する。この際、隔壁14は、第1電極11を囲むように形成する。
(6)機能層形成工程
次に、隔壁14から露出する第1電極11上に、インクジェット法で機能層12を形成する。
(7)第2電極形成工程
次に、スパッタリングにより、機能層12及び隔壁14を覆うように、第2電極13を形成する。この工程により、複数のTFT素子が形成された基板101上に、当該TFT素子と電気的に接続された複数の有機EL素子10bを形成することができる。
(8)薄膜封止層形成工程
次に、スパッタリングにより、第2電極13が形成された基板101の上面を覆うように薄膜封止層15を形成する。
(9)カラーフィルタ層形成工程
次に、封止板18の上面を覆うようにスリットコート法を用いてブラックマトリクス17aを形成する。さらに、フォトリソグラフィ法によりブラックマトリクス17aの有機EL素子10bに対応する位置を開口し、開口した部分にインクジェット法により、有色フィルタ17bを形成する。
(10)樹脂層塗布工程
次に、スリットコート法により、カラーフィルタ層17の上面に樹脂層16の材料と塗布する。
(11)貼り合わせ工程
次に、薄膜封止層15まで形成した基板101と、樹脂層16の材料を塗布した封止板18とを貼り合わせ、熱又は紫外線照射により、樹脂層16の材料を硬化させることで、樹脂層16を形成するとともに、パネル10が完成する。
(12)備考
上記製造方法は、あくまでパネル10の製造方法の例示である。したがって、各部材の形成において、異なる製造方法を用いてもよい。例えば、上記のスパッタリングに代えて各種の乾式プロセス、例えば、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、気層成長法などを用いても良い。また、上記のスリットコート法、インクジェット法に代えて、各種の湿式プロセス、例えば、印刷法、スピンコート法、ディスペンス法、ダイコート法などを用いても良い。
4.パネル10の製造方法における効果
パネル10では、実施の形態1と同様の方法により、TFT素子100a、100bが形成される。したがって、配線層(ゲート電極102a、102b、ソース電極106as、106bs、ドレイン電極106ad、106bdなど)の欠けの発生が低減したTFT素子を形成でき、パネル10の製造における生産性及び製造品質を向上できる。
5.その他
パネル10では、赤色、緑色、青色にそれぞれ発光する副画素SPR、SPG、SPBが配列されていたが、副画素の発光色はこれに限られず、例えば赤1色や、赤色、緑色、青色及び黄色の4色であってもよい。また、一つの画素Pにおいて、副画素は1色あたり1個に限られず、複数配置されてもよい。また、画素Pにおける副画素の配列は、図2、図14に示すような、赤色、緑色、青色の順番に限られず、これらを入れ替えた順番であってもよい。また、画素Pでは、副画素が一方向に並んでいたが、画素における副画素の配置はこれに限られず、画素Pにおいて、3つの副画素が三角形の頂点の位置に配置されてもよい。
また、パネル10では、第1電極11を陽極、第2電極13を陰極としたが、これに限られず、第1電極を陰極、第2電極を陽極とする逆構造であってもよい。
また、パネル10では、トップエミッション型としたが、これに限られず、例えばボトムエミッション型であってもよい。
本発明に係る薄膜トランジスタの製造方法、有機EL表示パネルの製造方法、エッチング装置及びウェットエッチング方法は、テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯端末、業務用ディスプレイなど様々な電子機器に用いられる表示パネルの製造方法において広く利用することができる。
10 有機EL表示パネル
10b 有機EL素子
100、100a、100b、200、300 薄膜トランジスタ素子
101、101M 基板
102、102a、102b ゲート電極(下部配線層)
104、104a、104b、304 チャネル層
106M 上部金属層
106Mb 低抵抗層(第1層)
106Mc キャップ層(第2層)
106s、106as、106bs、206s、306s ソース電極(上部配線層)
106d、106ad、106bd、206d、306d ドレイン電極(上部配線層)
106db 低抵抗層
106dc キャップ層
110、910 エッチング装置
111b、111c、111d、911b エッチング漕
111f、911a タンク
113a、113b、113c、913a、913b エッチング液
114、914 スプレー
114a 圧力計
116、916 フィルタ
118 測定装置
302 ゲート電極(上部配線層)

Claims (16)

  1. 基板上に、酸化物半導体を主材料とするチャネル層と、前記チャネル層より上層であり銅を主材料とする上部配線層と、を備える薄膜トランジスタ素子の製造方法であって、
    銅を主材料とする第1層と、マンガンを含む銅合金を主材料とする第2層と、をこの順に積層した上部金属層を形成し、
    前記上部金属層を、マンガン濃度が0ppm以上30ppm以下に管理されたエッチング液を用いてウェットエッチングすることにより、前記上部配線層を形成する、
    薄膜トランジスタ素子の製造方法。
  2. 前記薄膜トランジスタ素子が、基板上に、前記チャネル層より下層であり銅を主材料としマンガンを含まない下部配線層をさらに備え、
    銅を主材料としマンガンを含まない下部金属層を形成し、
    前記下部金属層を、マンガン濃度が0ppm以上30ppm以下に管理されたエッチング液を用いてウェットエッチングすることにより、前記下部配線層を形成する、
    請求項1に記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法。
  3. 前記上部配線層の一部として、ソース電極及びドレイン電極を形成し、
    前記下部配線層の一部として、ゲート電極を形成する、
    請求項2に記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法。
  4. 前記上部金属層及び前記下部金属層をウェットエッチングする際に、
    前記エッチング液を蓄えたタンクと、前記タンク内の前記エッチング液を前記基板に散布するスプレーと、前記スプレーが散布した前記エッチング液を回収するエッチング漕と、測定装置と、を備えるエッチング装置を用い、
    前記エッチング漕が回収した前記エッチング液を前記タンク内に戻すことにより、前記エッチング液を循環使用し、
    前記測定装置を用いて前記エッチング液のマンガン濃度を算出し、
    前記算出したマンガン濃度の算出値を用いて、前記エッチング液のマンガン濃度を0ppm以上30ppm以下に管理する、
    請求項2に記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法。
  5. 前記測定装置が、前記タンクに設置された誘導結合プラズマ質量分析計であり、
    前記誘導結合プラズマ質量分析計が測定した前記エッチング液中のマンガンの質量を用いて、前記タンク内の前記エッチング液のマンガン濃度を算出する、
    請求項4に記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法。
  6. 前記測定装置が、前記スプレーから散布される前記エッチング液のスプレー圧を測定する圧力計であり、
    前記圧力計が測定したスプレー圧を用いて、前記スプレーから散布される前記エッチング液のマンガン濃度を算出する、
    請求項4に記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法。
  7. 前記測定装置が、前記エッチング液中の析出物を採取するサンプリング装置であり、
    前記サンプリング装置によって採取された前記析出物の重量を用いて、前記エッチング液のマンガン濃度を算出する、
    請求項4に記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法。
  8. 前記算出値が30ppm以下の第1基準値以上となった場合は、前記下部金属層のウェットエッチングのみを行い、
    前記算出値が前記第1基準値より小さい第2基準値以下となった場合にのみ、前記上部金属層のウェットエッチングを行う、
    請求項4に記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法。
  9. 前記算出値が30ppm以下の第1基準値以上となった場合は、前記エッチング液を前記エッチング装置から排出し、新しいエッチング液を補給する、
    請求項4に記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法。
  10. 前記エッチング装置が、前記エッチング液中の析出物をろ過するフィルタをさらに備え、
    前記フィルタを通過した前記エッチング液を前記スプレーによって散布する、
    請求項4に記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法。
  11. 前記スプレーのスプレー圧が一定値以下となった場合に、前記フィルタを交換する、
    請求項10に記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法。
  12. 前記フィルタの交換間隔が一定値以下となった場合に、前記エッチング装置の洗浄を行う、
    請求項11に記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法。
  13. 前記洗浄を行う際に、過酸化水素を用いて洗浄を行う、
    請求項12に記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法。
  14. 請求項1から請求項13のいずれかに記載の薄膜トランジスタ素子の製造方法によって基板上に複数の薄膜トランジスタ素子を形成し、
    前記複数の薄膜トランジスタ素子が形成された基板上に、前記複数の薄膜トランジスタ素子と電気的に接続された複数の有機EL素子を形成する、
    有機EL表示パネルの製造方法。
  15. 銅を主材料とする第1層と、マンガンを含む銅合金を主材料とする第2層と、をこの順に基板上に積層した金属層のウェットエッチングを行うエッチング装置であって、
    エッチング液を蓄えたタンクと、
    前記エッチング液中の析出物をろ過するフィルタと、
    前記フィルタを通過した前記エッチング液を前記基板に散布するスプレーと、
    前記スプレーが散布した前記エッチング液を回収し、前記タンクに循環させるエッチング漕と、
    前記エッチング液のマンガン濃度を測定する測定装置と、
    を備える、
    エッチング装置。
  16. 銅を主材料とする第1層と、マンガンを含む銅合金を主材料とする第2層と、をこの順に基板上に積層した金属層のウェットエッチング方法であって、
    前記金属層を、マンガン濃度が0ppm以上30ppm以下に管理されたエッチング液でエッチングする、
    ウェットエッチング方法。
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