以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する各実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。所定面内の第1軸と平行な第1軸方向をX軸方向、第1軸と直交する所定面内の第2軸と平行な第2軸方向をY軸方向、所定面と直交する第3軸と平行な第3軸方向をZ軸方向とする。また、X軸(第1軸)、Y軸(第2軸)、及びZ軸(第3軸)を中心とする回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。所定面は、XY平面を含む。本実施形態において、所定面と水平面とは平行である。Z軸方向は鉛直方向である。X軸は、YZ平面と直交する。Y軸は、XZ平面と直交する。Z軸は、XY平面と直交する。XY平面は、X軸及びY軸を含む。XZ平面は、X軸及びZ軸を含む。YZ平面は、Y軸及びZ軸を含む。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るテーブル装置100の一例を示す平面図である。図2は、本実施形態に係るテーブル装置100の一例を−Y側から見た側面図である。図3は、本実施形態に係るテーブル装置100の一例を−X側から見た側面図である。
図1から図3に示すように、テーブル装置100は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに移動可能な粗動テーブル1と、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに粗動テーブル1を移動可能な粗動システム10と、粗動テーブル1の上に配置される微動テーブル2と、粗動テーブル1に対してX軸方向及びY軸方向のそれぞれに微動テーブル2を移動可能な微動システム50と、ベース部材3と、を備えている。
粗動テーブル1は、粗動システム10の作動により移動する。粗動システム10は、粗動テーブル1を大まかに位置決めする。微動テーブル2は、微動システム50の作動により移動する。微動システム50は、粗動システム10よりも高い分解能で微動テーブル2を高精度に位置決めする。
粗動システム10は、粗動テーブル1と一緒にY軸方向に移動可能な第1可動部材11と、粗動テーブル1と一緒にX軸方向に移動可能な第2可動部材12と、少なくとも一部が第1可動部材11と連結され、第1可動部材11をY軸方向に移動するための動力を発生する第1駆動装置13と、少なくとも一部が第2可動部材12と連結され、第2可動部材12をX軸方向に移動するための動力を発生する第2駆動装置14とを備えている。
粗動テーブル1、第1可動部材11、及び第2可動部材12は、ベース部材3に移動可能に支持される。第1可動部材11は、ベース部材3上においてY軸方向に移動可能である。第2可動部材12は、ベース部材3上においてX軸方向に移動可能である。粗動テーブル1は、ベース部材3上においてX軸方向及びY軸方向のそれぞれに移動可能である。
粗動テーブル1は、プレート状の部材である。粗動テーブル1は、+Z方向を向く上面と、−Z方向を向く下面と、上面の外縁と下面の外縁とを結ぶ側面とを有する。粗動テーブル1の上面及び下面はそれぞれ、XY平面と実質的に平行である。
粗動テーブル1は、粗動テーブル1の下面よりも下方に配置される第1リニアベアリング15及び第2リニアベアリング16を有する。第2リニアベアリング16は、第1リニアベアリング15よりも下方に配置される。
第1可動部材11は、X軸方向に粗動テーブル1の第1リニアベアリング15をガイドする第1ガイド部材17と、第3リニアベアリング19とを有する。第1可動部材11の中央部に開口23が設けられる。
第2可動部材12は、Y軸方向に粗動テーブル1の第2リニアベアリング16をガイドする第2ガイド部材18と、第4リニアベアリング20とを含む。第2可動部材12の中央部に開口24が設けられる。
本実施形態において、第1リニアベアリング15、第2リニアベアリング16、第3リニアベアリング19、及び第4リニアベアリング20は、直動型転がり軸受を含む。
Z軸方向に関して、粗動テーブル1と第1可動部材11と第2可動部材12とは異なる位置に配置される。本実施形態において、粗動テーブル1は、第1可動部材11よりも上方に配置される。第1可動部材11は、第2可動部材12よりも上方に配置される。
ベース部材3は、例えばテーブル装置100が設置される施設(工場など)の支持面(床面など)に配置される。ベース部材3は、Y軸方向に第1可動部材11をガイドする第3ガイド部材21と、X軸方向に第2可動部材12をガイドする第4ガイド部材22とを有する。第3ガイド部材21は、Y軸方向に第1可動部材11の第3リニアベアリング19をガイドする。第4ガイド部材22は、X軸方向に第2可動部材12の第4リニアベアリング20をガイドする。
第1リニアベアリング15は、粗動テーブル1の中心に対して粗動テーブル1の下面の+Y側の領域及び−Y側の領域のそれぞれに配置される。本実施形態において、第1リニアベアリング15は、粗動テーブル1の下面の+Y側の領域において、X軸方向に2つ配置される。第1リニアベアリング15は、粗動テーブル1の下面の−Y側の領域において、X軸方向に2つ配置される。
第2リニアベアリング16は、粗動テーブル1の下面から下方に突出する突出部材の下面に配置される。第2リニアベアリング16は、第1リニアベアリング15よりも下方に配置される。第2リニアベアリング16は、粗動テーブル1の中心に対して+X側に配置された突出部材の下面において、Y軸方向に2つ配置されてもよい。第2リニアベアリング16は、粗動テーブル1の中心に対して−X側に配置された突出部材の下面において、2つ配置されてもよい。なお、第2リニアベアリング16は、粗動テーブル1の中心に対して+X側に配置された突出部材の下面に1つ配置されてもよい。第2リニアベアリング16は、粗動テーブル1の中心に対して−X側に配置された突出部材の下面に1つ配置されてもよい。
第1ガイド部材17は、第1可動部材11の上面に配置される。第1ガイド部材17は、X軸方向に長い。第1ガイド部材17は、開口23の中心に対して第1可動部材11の上面の+Y側の領域及び−Y側の領域のそれぞれに配置される。本実施形態において、第1ガイド部材17は、第1可動部材11の上面において、Y軸方向に2つ配置される。
第3リニアベアリング19は、第1可動部材11の下面に配置される。第3リニアベアリング19は、開口23の中心に対して第1可動部材11の下面の+X側の領域及び−X側の領域のそれぞれに配置される。本実施形態において、第3リニアベアリング19は、第1可動部材11の下面において、X軸方向に3つ配置される。
第2ガイド部材18は、第2可動部材12の上面に配置される。第2ガイド部材18は、Y軸方向に長い。第2ガイド部材18は、開口24の中心に対して第2可動部材12の上面の+X側の領域及び−X側の領域のそれぞれに配置される。本実施形態において、第2ガイド部材18は、第2可動部材12の上面において、X軸方向に2つ配置される。
第4リニアベアリング20は、第2可動部材12の下面に配置される。第4リニアベアリング20は、開口24の中心に対して第2可動部材12の下面の+Y側の領域及び−Y側の領域のそれぞれに配置される。本実施形態において、第4リニアベアリング20は、第2可動部材12の下面において、Y軸方向に3つ配置される。
第3ガイド部材21は、ベース部材3の上面に配置される。第3ガイド部材21は、Y軸方向に長い。本実施形態において、第3ガイド部材21は、ベース部材3の上面において、X軸方向に3つ配置される。
第4ガイド部材22は、ベース部材3の上面に配置される。第4ガイド部材22は、X軸方向に長い。本実施形態において、第4ガイド部材22は、ベース部材3の上面において、Y軸方向に3つ配置される。
Z軸方向に関して、粗動テーブル1と第1可動部材11と第2可動部材12とは異なる位置に配置される。粗動テーブル1、第1可動部材11、及び第2可動部材12のうち、粗動テーブル1が最も上方(+Z方向)に配置され、粗動テーブル1に次いで第1可動部材11が上方に配置され、第2可動部材12が最も下方(−Z方向)に配置される。
粗動テーブル1の下面は、第1可動部材11の上面よりも上方に配置される。第1可動部材11の下面は、第2可動部材12の上面よりも上方に配置される。第2可動部材12の下面は、ベース部材3の上面よりも上方に配置される。
粗動テーブル1の下面から下方に突出する突出部材の少なくとも一部は、第1可動部材11の開口23に配置される。突出部材の下面は、第1可動部材11の下面よりも下方に配置される。
第1リニアベアリング15は、第1可動部材11の上面よりも上方に配置される。第1リニアベアリング15は、第1可動部材11の上面に配置された第1ガイド部材17にX軸方向にガイドされる。
第2リニアベアリング16は、第1可動部材11の下面よりも下方に配置される。第2リニアベアリング16は、第2可動部材12の上面に配置された第2ガイド部材18にY軸方向にガイドされる。
第3リニアベアリング19は、第1リニアベアリング15よりも下方に配置される。Z軸方向に関して、第2リニアベアリング16と第3リニアベアリング19とは、実質的に同じ位置(高さ)に配置される。Z軸方向に関して、第2リニアベアリング16をガイドする第2ガイド部材18と、第3ガイドベアリング19をガイドする第3ガイド部材21とは、実質的に同じ位置(高さ)に配置される。なお、Z軸方向に関して、第2リニアベアリング16と第3リニアベアリング19とは異なる位置に配置されてもよい。Z軸方向に関して、第2ガイド部材18と第3ガイド部材21とは、異なる位置に配置されてもよい。第3リニアベアリング19は、ベース部材3の上面に配置された第3ガイド部材21にY軸方向にガイドされる。
第4リニアベアリング20は、第2リニアベアリング16及び第3リニアベアリング19よりも下方に配置される。第4リニアベアリング20は、ベース部材3の上面に配置された第4ガイド部材22にX軸方向にガイドされる。
第1駆動装置13は、第1可動部材11をY軸方向に移動するための動力を発生する。第1駆動装置13は、ボールねじ機構を含む。第1駆動装置13は、第1可動部材11の下面に固定されるナット25と、ナット25と結合されるボールねじ26と、ボールねじ26を回転させる回転モータ27とを含む。回転モータ27の位置は固定されている。ボールねじ26は、支持部28により回転可能に支持される。ボールねじ26と回転モータ27との間にカップリング29が配置される。回転モータ27の作動によりボールねじ26が回転すると、ナット25がボールねじ26の軸と平行な方向(Y軸方向)に移動する。これにより、第1可動部材11がY軸方向に移動する。
第2駆動装置14は、第2可動部材12をX軸方向に移動するための動力を発生する。第2駆動装置14は、ボールねじ機構を含む。第2駆動装置14は、第2可動部材12の下面に固定されるナット30と、ナット30と結合されるボールねじ31と、ボールねじ31を回転させる回転モータ32とを含む。回転モータ32の位置は固定されている。ボールねじ31は、支持部33により回転可能に支持される。ボールねじ31と回転モータ32との間にカップリング34が配置される。回転モータ32の作動によりボールねじ31が回転すると、ナット30がボールねじ31の軸と平行な方向(X軸方向)に移動する。これにより、第2可動部材12がX軸方向に移動する。
粗動テーブル1の少なくとも一部は、第1可動部材11と連結される。本実施形態において、粗動テーブル1は、第1リニアベアリング15を介して、第1可動部材11の第1ガイド部材17と連結される。第1駆動装置13の作動により第1可動部材11がY軸方向に移動すると、粗動テーブル1は、第1可動部材11と一緒にY軸方向に移動可能である。第1可動部材11の第3リニアベアリング19が第3ガイド部材21にY軸方向にガイドされるので、第1可動部材11は、Y軸方向に円滑に移動可能である。粗動テーブル1の第2リニアベアリング16が第2ガイド部材18にガイドされるので、粗動テーブル1は、Y軸方向に円滑に移動可能である。
粗動テーブル1の少なくとも一部は、第2可動部材12と連結される。本実施形態において、粗動テーブル1は、第2リニアベアリング16を介して、第2可動部材12の第2ガイド部材18と連結される。第2駆動装置14の作動により第2可動部材12がX軸方向に移動すると、粗動テーブル1は、第2可動部材12と一緒にX軸方向に移動可能である。第2可動部材12の第4リニアベアリング20が第4ガイド部材22にX軸方向にガイドされるので、第2可動部材12は、X軸方向に円滑に移動可能である。粗動テーブル1の第1リニアベアリング15が第1ガイド部材17にガイドされるので、粗動テーブル1は、X軸方向に円滑に移動可能である。
このように、本実施形態においては、粗動テーブル1は、第1可動部材11の移動により、Y軸方向に移動し、第2可動部材12の移動により、X軸方向に移動する。粗動テーブル1は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに移動可能な、所謂、XYテーブル(2軸テーブル、2次元テーブル)である。
微動テーブル2は、プレート状の部材である。微動テーブル2は、+Z方向を向く上面と、−Z方向を向く下面と、上面の外縁と下面の外縁とを結ぶ側面とを有する。微動テーブル2の上面及び下面はそれぞれ、XY平面と実質的に平行である。微動テーブル2の上面に、物体(ワーク)が配置される。
微動テーブル2は、粗動テーブル1の上方に配置される。微動システム50の作動により、微動テーブル2は、粗動テーブル1の上方で、X軸方向及びY軸方向に移動する。
本実施形態において、微動テーブル2に計測ミラー40が配置される。計測ミラー40に対して、レーザ干渉計(レーザ測長器)からの計測光が照射される。レーザ干渉計により、XY平面内における微動テーブル2の位置が計測される。テーブル装置100は、レーザ干渉計の計測結果に基づいて、微動テーブル2が目標位置に配置されるように、微動テーブル2の位置を調整する。
次に、本実施形態に係る微動システム50の一例について説明する。図4は、本実施形態に係る微動システム50の一例を示す平面図である。図5は、本実施形態に係る微動システム50の一例を−Y側から見た側面図である。図6は、本実施形態に係る微動システム50の一例を−X側から見た側面図である。図7は、本実施形態に係る微動システム50の一例を示すXZ平面と平行な断面図である。図8は、本実施形態に係る微動システム50の一例を示すYZ平面と平行な断面図である。なお、図4は、微動テーブル2を除いた状態を示す。
図4から図8に示すように、微動システム50は、X軸方向に関して粗動テーブル1の一側(+X側)に配置され、粗動テーブル1の側面と対向する第1部材4と、Y軸方向に関して粗動テーブル1の両側(+Y側及び−Y側)に配置され、粗動テーブル1の側面と対向し、第1部材4と連結される第2部材5と、Y軸方向に関して第2部材5の外側に配置され、第2部材5の側面と対向し、微動テーブル2と連結される第3部材6と、粗動テーブル1と第1部材4とを連結する第1弾性部材7と、第2部材5と第3部材6とを連結する第2弾性部材8と、粗動テーブル1と第1部材4との間に配置される第1駆動素子51と、第2部材5と第3部材6との間に配置される第2駆動素子52と、を有する。
また、本実施形態において、微動システム50は、粗動テーブル1と第2部材5とを連結する第3弾性部材9を有する。
XY平面内において、粗動テーブル1は、実質的に四角形である。粗動テーブル1は、+X方向を向く側面と、−X方向を向く側面と、+Y方向を向く側面と、−Y方向を向く側面とを有する。
第1部材4は、粗動テーブル1の+X側に配置される。第1部材4は、+X方向を向く粗動テーブル1の側面と対向するように配置される。図5等に示すように、第1部材4は、プレート状の部材である。Z軸方向に関して、第1部材4の寸法は、粗動テーブル1の寸法よりも小さい。
第2部材5は、粗動テーブル1の+Y側及び−Y側のそれぞれに配置される。すなわち、本実施形態において、微動システム50は、第2部材5を2つ有する。2つの第2部材5のうち、一方の第2部材5は、−Y方向を向く粗動テーブル1の側面と対向するように配置される。他方の第2部材5は、+Y方向を向く粗動テーブル1の側面と対向するように配置される。
第1部材4と第2部材5とは、ボルト部材を含む連結部材によって連結される。第1部材4の−Y側の端部と、一方の第2部材5とが連結される。第1部材4の+Y側の端部と、他方の第2部材5とが連結される。第1部材4は、2つの第2部材5を連結する連結部材として機能する。本実施形態において、第1部材4と第2部材5との相対位置は、実質的に変化しない。第1部材4と第2部材5とは一体である。第1部材4と第2部材5とは単一部材でもよい。
第3部材6は、粗動テーブル1の中心に対して第2部材5の外側に配置される。第3部材6は、粗動テーブル1の+Y側及び−Y側のそれぞれに配置される。すなわち、本実施形態において、微動システム50は、第3部材6を2つ有する。第3部材6は、第2部材5の側面と対向するように配置される。
2つの第3部材6のうち、一方の第3部材6は、粗動テーブル1の−Y側に配置される第2部材5の−Y方向を向く側面と対向するように配置される。他方の第3部材6は、粗動テーブル1の+Y側に配置される第2部材5の+Y方向を向く側面と対向するように配置される。
図4等に示すように、第2部材5は、第3部材6が配置される凹部5Uを有する。第3部材6は、第2部材5の凹部5Uの内側に配置される。
また、図4等に示すように、第3部材6は、上面(搭載面)6Sを有する。第3部材6の搭載面6Sに、微動テーブル2が搭載される。これにより、第3部材6と微動テーブル2とが連結される。
第1部材4の上面は、粗動テーブル1の上面よりも下方に配置される。第1部材4の下面は、粗動テーブル1の下面よりも上方に配置される。第2部材5の上面は、粗動テーブル1の上面よりも下方に配置される。第2部材5の下面は、粗動テーブル1の下面よりも上方に配置される。なお、第2部材5の上面が、粗動テーブル1の上面と同一平面内に配置されてもよい。第2部材5の下面が、粗動テーブル1の下面と同一平面内に配置されてもよい。
第3部材6の上面6Sは,第2部材5の上面と同一高さに配置される。あるいは、第3部材6の上面6Sは、第2部材5の上面よりも上方、且つ、粗動テーブル1の上面よりも上方に配置される。なお、第3部材6の上面6Sと第2部材5の上面とが同一高さである場合、微動テーブル2と粗動テーブル1とが接触しないように、間座(不図示)が配置されてもよい。なお、微動テーブル2と粗動テーブル1とが接触しないように、第3部材6(上面6S)と対向する微動テーブル2の対向面が、粗動テーブル1、第1部材4、及び第2部材5と対向する微動テーブル2の対向面よりも下方に配置されてもよい。換言すれば、第3部材6の上面6Sと接触する微動テーブル2の接触面が、下方(−Z方向)に突出してもよい。
なお、第3部材6の上面6Sは、粗動テーブル1の上面よりも下方に配置されてもよい。第3部材6の下面は、粗動テーブル1の下面よりも上方に配置される。なお、第3部材6の上面6Sが、粗動テーブル1の上面と同一平面内に配置されてもよい。第3部材6の下面が、粗動テーブル1の下面と同一平面内に配置されてもよい。
なお、粗動テーブル1が、プレート部と、X軸方向に関してプレート部の両側から−Z方向に突出する突出部と、を有する場合、粗動テーブル1の下面は、プレート部の第1下面と、突出部の第2下面と、を含む。第2下面は、第1下面よりも下方(−Z方向)に配置される。プレート部の第1下面に第1リニアベアリング15が配置される。第1リニアベアリング15の少なくとも一部は、第2下面よりも下方に配置される。第1部材4の下面は、粗動テーブル1の突出部の第2下面よりも上方に配置される。第2部材5の下面は、粗動テーブル1の突出部の第2下面よりも上方に配置される。なお、第2部材5の下面が、粗動テーブル1の突出部の第2下面と同一平面内に配置されてもよい。第3部材6の下面は、粗動テーブル1の突出部の第2下面よりも上方に配置される。なお、第3部材6の下面が、粗動テーブル1の突出部の第2下面と同一平面内に配置されてもよい。
本実施形態において、第2部材5及び第3部材6は、粗動テーブル1と同一の高さに配置される。これにより、Z軸方向に関する第1弾性部材7及び第2弾性部材8の寸法を長くすることができる。第1部材4は、Z軸方向に関して、第2部材5及び第3部材6の中心に対して、第1部材4の上面と第1部材4の下面とが対称になるように配置される。換言すれば、Z軸方向に関して、第1部材4の上面と第2部材5の上面及び第3部材6の上面との距離と、第1部材4の下面と第2部材5の下面及び第3部材6の下面との距離とが同一になるように、第1部材4と第2部材5及び第3部材6との位置関係が定められる。これにより、Z軸方向に関して同一の位置に第1駆動素子51及び第2駆動素子52が配置された状態で、Z軸方向に関して第1部材4の中心に第1駆動素子51の力が作用され、Z軸方向に関して第2部材5及び第3部材4の中心に第2駆動素子52の力が作用される。
すなわち、本実施形態において、第1部材4、第2部材5、及び第3部材6は、粗動テーブル1の上面から上方に突出しないように配置される。第1部材4、第2部材5、及び第3部材6は、粗動テーブル1の下面から下方に突出しないように配置される。
第1弾性部材7は、粗動テーブル1と第1部材4及び第2部材5とを連結するように配置される。粗動テーブル1と第1部材4及び第2部材5とは、第1弾性部材7を介して連結される。本実施形態において、第1弾性部材7は、板ばねを含む。+X方向を向く粗動テーブル1の側面と、一方の第2部材5の+X側の端部とが、第1弾性部材7を介して連結される。−X方向を向く粗動テーブル1の側面と、一方の第2部材5の−X側の端部とが、第1弾性部材7を介して連結される。+X方向を向く粗動テーブル1の側面と、他方の第2部材5の+X側の端部とが、第1弾性部材7を介して連結される。−X方向を向く粗動テーブル1の側面と、他方の第2部材5の−X側の端部とが、第1弾性部材7を介して連結される。すなわち、本実施形態において、第1弾性部材7は、4箇所に配置される。
第1弾性部材7は、X軸方向に弾性変形可能である。これにより、第1部材4及び第2部材5は、粗動テーブル1に対してX軸方向に相対移動可能である。一方、第1弾性部材7は、Y軸方向に変形し難い。これにより、Y軸方向に関する粗動テーブル1と第1部材4及び第2部材5との相対移動は規制(制限)される。本実施形態において、第2部材5は、第1弾性部材7により、X軸方向にガイドされる。第1部材4と第2部材5とは、連結され一体である。第1部材4と第2部材5とはX軸方向に一緒に移動する。
第2弾性部材8は、第2部材5と第3部材6とを連結するように配置される。第2部材5と第3部材6とは、第2弾性部材8を介して連結される。本実施形態において、第2弾性部材8は、板ばねを含む。−Y方向を向く一方の第2部材5の側面の+X側の端部と、−Y方向を向く一方の第3部材6の側面の+X側の端部とが、第2弾性部材8を介して連結される。−Y方向を向く一方の第2部材5の側面の−X側の端部と、−Y方向を向く一方の第3部材6の側面の−X側の端部とが、第2弾性部材8を介して連結される。+Y方向を向く他方の第2部材5の側面の+X側の端部と、+Y方向を向く他方の第3部材6の側面の+X側の端部とが、第2弾性部材8を介して連結される。+Y方向を向く他方の第2部材5の側面の−X側の端部と、+Y方向を向く他方の第3部材6の側面の−X側の端部とが、第2弾性部材8を介して連結される。すなわち、本実施形態において、第2弾性部材8は、4箇所に配置される。
第2弾性部材8は、Y軸方向に弾性変形可能である。これにより、第3部材6は、第2部材5に対してY軸方向に相対移動可能である。一方、第2弾性部材8は、X軸方向に変形し難い。これにより、X軸方向に関する第2部材5と第3部材6との相対移動は規制(制限)される。本実施形態において、第3部材6は、第2弾性部材8により、Y軸方向にガイドされる。第1弾性部材7により、Y軸方向に関する粗動テーブル1と第2部材5との相対移動は規制(制限)されている。第2弾性部材8により、第3部材6は、粗動テーブル1、第1部材4、及び第2部材5に対して、Y軸方向に相対移動可能である。
第1駆動素子51は、粗動テーブル1と第1部材4との間に配置される。第1駆動素子51は、圧電素子(ピエゾ素子)を含む。本実施形態において、第1駆動素子51は、粗動テーブル1に設けられた支持部材53に支持される。支持部材53は、粗動テーブル1に固定される。粗動テーブル1は、支持部材53を含む。
第1駆動素子51は、X軸方向に関する粗動テーブル1と第1部材4と相対位置を変化させるように作動する。第1駆動素子51の作動により、第1部材4及び第2部材5は、粗動テーブル1に対してX軸方向に相対移動する。第1駆動素子51は、回転モータ27を含む第1駆動装置13よりも高い分解能で第1部材4及び第2部材5を移動可能である。
本実施形態において、第1駆動素子51は、第1部材4と接触する先端部を有する。第1駆動素子51の先端部は、球面を含む。第1駆動素子51の先端部と第1部材4とは、実質的に点接触する。これにより、第1駆動素子51の先端部がX軸方向に変位したとき、第1部材4に対して第1駆動素子51の力をX軸方向にのみ作用させることができる。なお、第1駆動素子51の先端部と第1部材4とが接触したときの力によって第1駆動素子51の先端部が変形しないように、第1駆動素子51の先端部は、表面硬度を高めた部品で製造されることが好ましい。
第2駆動素子52は、第2部材5と第3部材6との間に配置される。第2駆動素子52は、圧電素子(ピエゾ素子)を含む。本実施形態において、第2駆動素子52は、第2部材5に設けられた支持部材54に支持される。支持部材54は、第2部材5に固定される。第2部材5は、支持部材54を含む。
第2駆動素子52は、Y軸方向に関する第2部材5と第3部材6と相対位置を変化させるように作動する。第2駆動素子52の作動により、第3部材6は、第2部材5に対してY軸方向に相対移動する。第2駆動素子52は、回転モータ32を含む第2駆動装置14よりも高い分解能で第3部材6を移動可能である。
微動テーブル2は、第3部材6の搭載面6Sに搭載され、第3部材6と連結される。第1部材4と第2部材5とは、相対位置が変化しないように連結(固定)されている。第1弾性部材7及び第1駆動素子51により、第1部材4及び第2部材5は、粗動テーブル1に対してX軸方向に相対移動可能である。また、第2弾性部材8により、第3部材6は、第2部材4に対してX軸方向に相対移動不可能である。また、第1弾性部材7により、第1部材4及び第2部材5は、粗動テーブル1に対してY軸方向に相対移動不可能である。これにより、第2駆動素子52が作動しない状態で、第1駆動素子51が作動すると、粗動テーブル1に対して、第1部材4と第2部材5と第3部材6と微動テーブル2とが、一体で、X軸方向に移動する。
第2弾性部材8及び第2駆動素子52により、第3部材6は、第2部材5に対してY軸方向に相対移動可能である。また、第1弾性部材7により、第1部材4及び第2部材5は、粗動テーブル1に対してY軸方向に相対移動不可能である。また、第2弾性部材8により、第3部材6は、第2部材5に対してX軸方向に相対移動不可能である。これにより、第1駆動素子51が作動しない状態で、第2駆動素子52が作動すると、粗動テーブル1に対して、第3部材6と微動テーブル2とが、一体で、Y軸方向に移動する。
このように、本実施形態によれば、第1駆動素子51の作動により、微動テーブル2は、粗動テーブル1に対してX軸方向に正確に移動可能である。第2駆動素子52の作動により、微動デーブル2は、粗動テーブル1に対してY軸方向に正確に移動可能である。
本実施形態においては、第1部材4と、第1部材4に連結される2つの第2部材5とを含むフレーム構造が設けられる。そのフレーム構造は、粗動テーブル1の周囲の少なくとも一部を囲むように配置される。また、そのフレーム構造は、粗動テーブル1の側面と対向し、粗動テーブル1の上面及び下面から突出しないように配置される。そのため、テーブル装置100の全高が高くなることが抑制される。
第3弾性部材9は、粗動テーブル1と第2部材5とを連結するように配置される。本実施形態において、第3弾性部材9は、第2駆動素子52を支持する支持部材54と粗動テーブル1とを連結する。支持部材54と粗動テーブル1とは、第3弾性部材9を介して連結される。
本実施形態において、第2駆動素子52は、粗動テーブル1の両側に配置される2つの第2部材5のうち一方の第2部材5と第3部材6との間に配置される。第2駆動素子52は、粗動テーブル1の両側に配置される2つの第2部材5のうち他方の第2部材5と第3部材6との間に配置されない。
第3弾性部材9は、2つの第2部材5のそれぞれと粗動テーブル1とを連結するように配置される。すなわち、第3弾性部材9は、粗動テーブル1の両側に配置される2つの第2部材5のうち一方の第2部材5と粗動テーブル1との間に配置される。第3弾性部材9は、他方の第2部材5と粗動テーブル1との間に配置される。
本実施形態において、第2駆動素子52が配置されない他方の第2部材5は、ダミーの支持部材(ダミー部材)55を含む。ダミー部材55は、第2駆動素子52を支持しない。ダミー部材55の外形(構造)は、支持部材54と実質的に同一である。本実施形態において、第3弾性部材9は、支持部材54と粗動テーブル1とを連結するように配置される。第3弾性部材9は、ダミー部材55と粗動テーブル1とを連結するように配置される。
本実施形態において、第3弾性部材9は、板ばねを含む。第3弾性部材9は、X軸方向に弾性変形可能である。第3弾性部材9により、支持部材54(第2駆動素子52)は、粗動テーブル1に対してX軸方向に相対移動可能である。第3弾性部材9により、ダミー部材55は、粗動テーブル1に対してX軸方向に相対移動可能である。一方、第3弾性部材9は、Y軸方向に変形し難い。第3弾性部材9により、Y軸方向に関する粗動テーブル1と支持部材54(第2駆動素子52)との相対移動は規制(制限)される。第3弾性部材9により、Y軸方向に関する粗動テーブル1とダミー部材55との相対移動は規制(制限)される。
第3弾性部材9により、X軸方向に関して粗動テーブル1と第2部材5(支持部材54)とは相対移動可能である。これにより、第2駆動素子52にX軸方向に関するせん断力が作用することが抑制される。
また、第3弾性部材9により、Y軸方向に関する粗動テーブル1と支持部材54(第2駆動素子52)との相対移動は規制(制限)される。X軸方向に関する第2部材5の両端部が第1弾性部材7を介して粗動テーブル1と連結され、第2部材5の中央部が第3弾性部材9を介して粗動テーブル1と連結されるので、第2部材5が薄い板状部材でも、第2部材5がY軸方向に変形(撓み変形、曲げ変形)されることが抑制される。これにより、第2駆動素子52が作動したときの反力は、粗動テーブル1に吸収される。
本実施形態において、第3弾性部材9は、粗動テーブル1と支持部材54との間に2つ配置される。第3弾性部材9は、粗動テーブル1とダミー部材55との間に2つ配置される。2つの第3弾性部材9は、X軸方向に配置される。2つの第3弾性部材9は、間隙を介して対向するように配置される。本実施形態においては、2つの第3弾性部材9は、ブロック部材56を介して連結される。ブロック部材56により、第3弾性部材9の座屈が抑制される。
図9は、本実施形態に係る第2弾性部材8の連結構造の一例を示す図である。板ばねを含む第2弾性部材8に押さえ板57が接続される。第2弾性部材8は、押さえ板57に抑えられた状態で、ボルト部材58により、第2部材5及び第3部材6のそれぞれと連結される。押さえ板57を用いることにより、第2弾性部材8においてボルト部材58の周囲に過度な応力集中が生じることが抑制される。
図10は、本実施形態に係る第2弾性部材8の連結構造の一例を示す図である。板ばねを含む第2弾性部材8が2つ設けられる。2つの第2弾性部材8の間にスペーサー59が配置される。2つの第2弾性部材8のうち、一方の第2弾性部材8に押さえ板57が接続される。第2弾性部材8は、押さえ板57に抑えられた状態で、ボルト部材58により、第2部材5及び第3部材6のそれぞれと連結される。第2弾性部材8を複数重ねることにより、ねじり剛性を高めることができる。また、スペーサー59を配置することにより、第2弾性部材8どうしが擦れ合うことが抑制される。
次に、上述のテーブル装置100の動作の一例について説明する。例えば、粗動システム10の第1駆動装置13の作動により、粗動テーブル1がY軸方向に移動する。粗動システム10の第2駆動装置14の作動により、粗動テーブル1がX軸方向に移動する。
微動システム50の第1駆動素子51の作動により、微動テーブル2が粗動テーブル1に対してX軸方向に移動する。微動システム50の第2駆動素子52の作動により、微動テーブル2が粗動テーブル1に対してY軸方向に移動する。
微動テーブル2は、第3部材6と連結される。第1部材4と第2部材5とは、相対位置が変化しないように連結(固定)されている。第1弾性部材7及び第1駆動素子51により、第1部材4及び第2部材5は、粗動テーブル1に対してX軸方向に相対移動可能である。また、第2弾性部材8により、第3部材6は、第2部材5に対してX軸方向に相対移動不可能である。また、第1弾性部材7により、第1部材4及び第2部材5は、粗動テーブル1に対してY軸方向に相対移動不可能である。これにより、第1駆動素子51が作動すると、粗動テーブル1に対して、第1部材4と第2部材5と第3部材6と微動テーブル2とが、一体で、X軸方向に移動する。
第2弾性部材8及び第2駆動素子52により、第3部材6は、第2部材5に対してY軸方向に相対移動可能である。また、第1弾性部材7により、第1部材4及び第2部材5は、粗動テーブル1に対してY軸方向に相対移動不可能である。また、第2弾性部材8により、第3部材6は、第2部材5に対してX軸方向に相対移動不可能である。これにより、第2駆動素子52が作動すると、粗動テーブル1に対して、第3部材6と微動テーブル2とが、一体で、Y軸方向に移動する。
このように、本実施形態によれば、第1駆動素子51の作動により、微動テーブル2は、粗動テーブル1に対してX軸方向に正確に移動可能である。第2駆動素子52の作動により、微動テーブル2は、粗動テーブル1に対してY軸方向に正確に移動可能である。
また、本実施形態においては、第1部材4と、第1部材4に連結される2つの第2部材5とを含むフレーム構造が設けられる。そのフレーム構造は、粗動テーブル1の周囲の少なくとも一部を囲むように配置される。また、そのフレーム構造は、粗動テーブル1の側面と対向し、粗動テーブル1の上面及び下面から突出しないように配置される。そのため、テーブル装置100の全高が高くなることが抑制される。
テーブル装置100の全高が高くなることが抑制されることにより、例えば、X軸方向に関する粗動テーブル1及び微動テーブル2の移動において、ピッチングに起因するテーブル装置100の位置決め誤差が大きくなることが抑制され、微動テーブル2の移動距離が大きくなることが抑制される。ピッチングとは、X軸方向に粗動テーブル1及び微動テーブル2が移動する場合において、θY方向に粗動テーブル1及び微動テーブル2が変位する現象をいう。テーブル装置100の位置決め誤差は、全高×tan(ピッチング)で表すことができ、テーブル装置100の全高が低くなることによって、位置決め誤差が抑制される。
ピッチングの発生が抑制されることにより、微動テーブル2の位置決め精度の不足が抑制される。また、ピッチングに起因する位置決め誤差を補うための第1駆動素子51のストロークは小さくて済む。
また、本実施形態によれば、第3弾性部材9は、一方の第2部材5と粗動テーブル1とを連結し、他方の第2部材5と粗動テーブル1とを連結するように配置される。これにより、例えば、X軸方向に関する粗動テーブル1及び微動テーブル2の移動において、ヨーイングが大きくなることが抑制される。ヨーイングとは、X軸方向に粗動テーブル1及び微動テーブル2が移動する場合において、θZ方向に粗動テーブル1及び微動テーブル2が変位する現象をいう。ヨーイングの発生が抑制されることにより、微動テーブル2の位置決め精度の不足が抑制される。
以上説明したように、本実施形態によれば、微動システム50は、第1部材4と、第1部材4に連結される2つの第2部材5とを含むフレーム構造を有し、粗動テーブル1の周囲の少なくとも一部を囲むように配置されるため、テーブル装置100の全高が高くなることが抑制される。また、第1弾性部材7、第2弾性部材8、第1駆動素子51、及び第2駆動素子52により、微動テーブル2は、粗動テーブル1に対して、X軸方向及びX軸方向のそれぞれに精度良く移動可能である。これにより、微動テーブル2の位置決め精度の不足が抑制される。
また、テーブル装置100の全高を低くすることができるため、粗動テーブル1及び微動テーブル2の移動においてピッチングが大きくなることが抑制される。そのため、ピッチングに起因する位置決め誤差を補うための第1駆動素子51のストロークは小さくて済む。
また、本実施形態によれば、X軸方向に関して第2部材5の両端部と粗動テーブル1とが第1弾性部材7を介して連結され、X軸方向に関して第2部材5の中央部と粗動テーブル1とが第3弾性部材9を介して連結される。そのため、第2駆動素子52の作動により第3部材6が移動したときの反力は、粗動テーブル1に吸収される。これにより、第2部材5の軽量化のために第2部材5を薄い板状部材にしても、第2部材5の変形が抑制される。第2部材5の変形が抑制されることにより、微動テーブル2をY軸方向に移動するための第2駆動素子52のストロークは小さくて済む。
また、本実施形態によれば、X軸方向に弾性変形可能な板ばねを含む第3弾性部材9は、第2駆動素子52を支持する支持部材54と粗動テーブル1とを連結するように配置される。第3弾性部材9は、Y軸方向に変形し難い。これにより、第2部材5の変形が抑制されるとともに、第2駆動素子52にX軸方向に関するせん断力が作用することが抑制される。
また、本実施形態によれば、第2駆動素子52は、粗動テーブル1の両側に配置される2つの第2部材5のうち一方の第2部材5の支持部材54と第3部材6との間に配置され、第3弾性部材9は、一方の第2部材5の支持部材54と粗動テーブル1とを連結し、他方の第2部材5のダミー部材55と粗動テーブル1とを連結するように配置される。これにより、X軸方向に関する粗動テーブル1及び微動テーブル2の移動においてヨーイングが大きくなることが抑制される。そのため、ヨーイングに起因する位置決め精度の不足が抑制される。
なお、本実施形態において、テーブル装置100を構成する各部材は、温度変化による板ばねへの圧縮荷重又は引張り荷重が作用しないように,線膨張係数を基準に選定するとよい。温度変化が緩やかなため温度分布が生じないのであれば,選定候補が少ない板ばねの素材に、部材の材質を合わせることが好ましい。例えば、粗動テーブル1の線膨張係数と第1部材4の線膨張係数とを一致させてもよい。第2部材5の線膨張係数と第3部材6の線膨張係数とを一致させてもよい。微動テーブル2の線膨張係数と第3部材6の線膨張係数とを一致させてもよい。
なお、本実施形態において、計測ミラー40及びレーザ干渉計を使って計測した微動テーブル2の位置情報に基づいて、粗動システム10及び微動システム50を制御することによって、微動テーブル2の位置を制御するフィードバック制御が実施されてもよい。なお、後述するように、本実施形態に係るテーブル装置100が組み込まれる装置(測定装置、半導体製造装置、フラットパネルディスプレイ製造装置、及び工作機械の少なくとも一つ)が、微動テーブル2に支持された物体(ワーク)を画像処理することによって、その微動テーブル2の位置を調整する方式の場合、第1駆動素子51及び第2駆動素子52に位置検出器を備えたセミクローズ制御が実施されてもよい。
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図11は、本実施形態に係るテーブル装置100を備える半導体製造装置500の一例を示す図である。半導体製造装置500は、半導体デバイスを製造可能な半導体デバイス製造装置を含む。半導体製造装置500は、半導体デバイスの製造工程の少なくとも一部において使用される。半導体製造装置500は、半導体デバイスを製造するための物体Sを搬送可能な搬送装置600を含む。搬送装置600は、本実施形態に係るテーブル装置100を含む。
なお、図11においては、テーブル装置100を簡略して図示する。物体Sは、微動テーブル2に支持される。
本実施形態において、物体Sは、半導体デバイスを製造するための基板である。物体Sから半導体デバイスが製造される。物体Sは、半導体ウエハを含んでもよいし、ガラス板を含んでもよい。物体Sにデバイスパターン(配線パターン)が形成されることによって、半導体デバイスが製造される。
半導体製造装置500は、処理位置(目標位置)PJ1に配置された物体Sに対して、デバイスパターンを形成するための処理を行う。テーブル装置100は、微動テーブル2に支持された物体Sを処理位置PJ1に配置する。搬送装置600は、テーブル装置100の微動テーブル2に物体Sを搬送(搬入)可能な搬入装置601と、微動テーブル2から物体Sを搬送(搬出)可能な搬出装置602とを含む。搬入装置601によって、処理前の物体Sが微動テーブル2に搬送(搬入)される。テーブル装置100によって、微動テーブル2に支持された物体Sが処理位置PJ1まで搬送される。搬出装置602によって、処理後の物体Sが微動テーブル2から搬送(搬出)される。
テーブル装置100は、微動テーブル2を移動して、微動テーブル2に支持された物体Sを処理位置PJ1に移動する。テーブル装置100は、微動テーブル2に支持された物体Sを高い位置決め精度で処理位置PJ1に配置可能である。
例えば、半導体製造装置500が、投影光学系501を介して物体Sにデバイスパターンを形成する露光装置を含む場合、処理位置PJ1は、投影光学系501の像面位置(露光位置)を含む。投影光学系501は、微動テーブル2に支持された物体Sを露光処理する処理部として機能する。処理位置PJ1に物体Sが配置されることにより、半導体製造装置500は、投影光学系501を介して、物体Sにデバイスパターンを形成可能である。
なお、半導体製造装置500が、物体Sに膜を形成する成膜装置を含んでもよい。半導体製造装置500が成膜装置を含む場合、処理位置PJ1は、膜を形成するための材料が供給される供給位置(成膜位置)を含む。材料を供給する供給部が、微動テーブル2に支持された物体Sの成膜処理を行う処理部として機能する。処理位置PJ1に物体Sが配置されることにより、デバイスパターンを形成するための膜が物体Sに形成される。
処理位置PJ1において物体Sが処理された後、その処理後の物体Sが搬出装置602によって微動テーブル2から搬送される。搬出装置602によって搬送(搬出)された物体Sは、後工程を行う処理装置に搬送される。
本実施形態においては、テーブル装置100は、物体Sを処理位置PJ1に配置可能である。そのため、不良な製品が製造されてしまうことが抑制される。すなわち、テーブル装置100によって、半導体製造装置500における物体Sの位置決め精度の不足が抑制されるため、不良な製品の発生が抑制される。
なお、フラットパネルディスプレイ製造装置がテーブル装置100を備えてもよい。フラットパネルディスプレイ製造装置は、フラットパネルディスプレイの製造工程の少なくとも一部において使用される。フラットパネルディスプレイは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、及び有機ELディスプレイの少なくとも一つを含む。
フラットパネルディスプレイ製造装置は、上述の露光装置を含んでもよい。フラットパネルディスプレイを製造するためのパターンが、投影光学系501を介して、ガラス板を含む物体Sに形成されてもよい。フラットパネルディスプレイを製造するためのパターンは、画素パターン、配線パターン、及びカラーフィルタパターンの少なくとも一つを含む。フラットパネルディスプレイ製造装置が露光装置を含む場合、投影光学系501が、微動テーブル2に支持された物体Sを処理する処理部として機能する。なお、フラットパネルディスプレイ製造装置が、上述の成膜装置を含んでもよい。
半導体製造装置500は、テーブル装置100を備えるので、微動テーブル2によって処理位置PJ1に配置された物体Sを処理できる。そのため、その物体Sから不良な製品(半導体デバイス)が製造されてしまうことが抑制される。
フラットパネルディスプレイ製造装置がテーブル装置100を備えることにより、そのフラットパネルディスプレイ製造装置は、微動テーブル2によって処理位置PJ1に配置された物体Sを処理できる。そのため、その物体Sから不良な製品(フラットパネルディスプレイ)が製造されてしまうことが抑制される。
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。図12は、本実施形態に係るテーブル装置100を備える測定装置700の一例を示す図である。測定装置700は、物体S2を測定する。物体S2は、例えば、上述の半導体製造装置500により製造された半導体デバイス、及びフラットパネルディスプレイ製造装置により製造されたフラットパネルディスプレイの少なくとも一方を含んでもよい。測定装置700は、物体S2を搬送可能な搬送装置600Bを含む。搬送装置600Bは、本実施形態に係るテーブル装置100を含む。
なお、図12において、テーブル装置100を簡略して図示する。物体S2は、微動テーブル2に支持される。
測定装置700は、測定位置(目標位置)PJ2に配置された物体S2の測定を行う。テーブル装置100は、微動テーブル2に支持された物体S2を測定位置PJ2に配置する。搬送装置600Bは、テーブル装置100の微動テーブル2に物体S2を搬送(搬入)可能な搬入装置601Bと、微動テーブル2から物体S2を搬送(搬出)可能な搬出装置602Bとを含む。搬入装置601Bによって、測定前の物体S2が微動テーブル2に搬送(搬入)される。テーブル装置100によって、微動テーブル2に支持された物体S2が測定位置PJ2まで搬送される。搬出装置602Bによって、測定後の物体S2が微動テーブル2から搬送(搬出)される。
テーブル装置100は、微動テーブル2を移動して、微動テーブル2に支持された物体S2を測定位置PJ2に移動する。テーブル装置100は、微動テーブル2に支持された物体S2を高い位置決め精度で測定位置PJ2に配置可能である。
本実施形態において、測定装置700は、検出光を用いて物体S2の測定を光学的に行う。測定装置700は、検出光を射出可能な照射装置701と、照射装置701から射出され、物体S2で反射した検出光の少なくとも一部を受光可能な受光装置702とを含む。本実施形態において、測定位置PJ2は、検出光の照射位置を含む。照射装置701及び受光装置702は、微動テーブル2に支持された物体S2を測定する測定部として機能する。測定位置PJ2に物体S2が配置されることにより、物体S2の状態が光学的に測定される。
測定位置PJ2において物体S2の測定が行われた後、その測定後の物体S2が搬出装置602Bによって微動テーブル2から搬送される。
本実施形態においては、テーブル装置100は、物体S2を測定位置(目標位置)PJ2に配置可能であるため、測定不良の発生を抑制できる。すなわち、測定装置700は、物体S2が不良であるか否かを良好に判断することができる。これにより、例えば不良な物体S2が後工程に搬送されたり、出荷されたりすることが抑制される。また、測定装置700は、微動テーブル2によって測定位置PJ2に配置された物体S2を測定できるので、その物体S2の測定を精密に行うことができる。
なお、三次元測定装置が、本実施形態に係るテーブル装置100を備えてもよいし、テーブル装置100を含む搬送装置を備えてもよい。測定対象の物体が微動テーブル2に支持されることにより、三次元測定装置は、目標位置に配置された物体を測定できるので、その物体の測定を精密に行うことができる。
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。図13は、本実施形態に係るテーブル装置100を備える工作機械800の一例を示す図である。工作機械800は、物体S3を加工する。工作機械800は、マシニングセンタを含み、テーブル装置100と、加工ヘッド801とを有する。加工ヘッド801が、テーブル装置100の微動テーブル2に支持された物体S3を加工する加工部として機能する。加工ヘッド801は、加工工具を有し、テーブル装置100の微動テーブル2に支持された物体S3を加工工具で加工する。加工ヘッド801は、物体S3を切削する機構である。加工ヘッド801は、微動テーブル2の移動方向と直交するZ軸方向に加工工具を移動させる。
工作機械800は、テーブル装置100で物体S3をXY平面内において移動させ、加工ヘッド801をZ軸方向に移動させることで、加工工具と物体S3とを相対的に移動させることができる。
工作機械800は、加工位置(目標位置)に配置された微動テーブル2上の物体S3を加工できるので、その物体S3の加工を精密に行うことができる。
なお、本実施形態においては、微動テーブル2がXY平面内(水平面内)に移動することとした。本実施形態において、微動テーブル2がXY平面に対して傾斜する方向に移動されてもよい。微動テーブル2がXY平面に対して傾斜する方向に移動されてもよい。すなわち、XY平面は、水平面と平行でもよいし、水平面に対して傾斜していてもよい。