JP2016038429A - 回折光学部品及びリニアエンコーダ - Google Patents

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Abstract

【課題】表面からの反射光や散乱光を抑えることができ、また、位相回折領域への異物の付着を防止することができ、これにより、回折素子としての所望の性能を発揮することのできる回折光学部品、及び、これを備えるリニアエンコーダを提供する。
【解決手段】透明材料の内部に位相回折領域が形成された回折光学部品であって、位相回折領域は、透明材料の屈折率と異なる屈折率を有する屈折率変化領域を周期的に配列することによって形成され、回折光学部品の入射面及び出射面の少なくともいずれか1面は平滑な面で構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、回折光学部品及びこれを備えたリニアエンコーダに関する。
半導体製造装置や露光装置などにおいて、対象物としての可動部の直線変位を精密に検出する位置検出装置として、リニアエンコーダ(リニアスケール)が用いられている(例えば特許文献1に記載の変位検出装置)。リニアエンコーダは、一般に、上記可動部に固定されるスケールと、スケールに対して相対的に移動可能な検出器とを備える。検出器は、スケールに光を照射する光源と、スケールを透過した光又はスケールで反射された光を検出するための光検出部とを有している。光検出部は、受光した光信号の変化によってスケールの変位を検出し、これによって半導体製造装置等の可動部の変位を測定することができる。ここで、スケール又は光検出部には回折格子が形成されており、スケールに形成された回折格子は入射光を回折によって分岐又は結合し、光検出部に形成された回折格子は、スケールへ照射する光、及び/又は、スケールから入射する光を回折によって分岐又は結合する。
特開2002−372407号公報
しかしながら、従来のリニアスケールにおいては、スケールその他の光学部材の表面からの反射光や散乱光がノイズとなって、光検出部における変位測定の精度が低下するという問題があった。また、半導体製造装置等の使用にともなって位置検出装置の各光学部材の表面に付着する、水、油その他の異物の影響により、スケールからの回折光の射出強度や受光強度が低下し、これによって変位の検出精度が低下するという問題があった。特に、回折格子の溝部分に上記異物が付着した場合には、所望の光学性能を発揮できないため、変位検出が低下する要因となっていた。
そこで、本発明は、表面からの反射光や散乱光を抑えることができ、また、位相回折領域への異物の付着を防止することができ、これにより、回折素子としての所望の性能を発揮することのできる回折光学部品、及び、これを備えるリニアエンコーダを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、以下に述べる回折光学部品及びリニアエンコーダを提供するものである。
(1)透明材料の内部に位相回折領域が形成された回折光学部品であって、位相回折領域は、透明材料の屈折率と異なる屈折率を有する屈折率変化領域を周期的に配列することによって形成され、回折光学部品の入射面及び出射面の少なくともいずれか1面は平滑な面で構成されている回折光学部品。
(2)上記平滑な面が平面状または曲面状の面である(1)に記載の回折光学部品。
(3)上記平滑な面の表面に、コーティングによって反射防止膜が形成されている、(1)又は(2)に記載の回折光学部品。
(4)上記平滑な面の表面に、コーティングによって、撥水膜、撥油膜、又は帯電防止膜が形成されている、(1)又は(2)に記載の回折光学部品。
(5)上記透明材料の内部において、位相回折領域と、入射面又は出射面と、の間に反射防止領域が形成され、この反射防止領域は、所定の屈折率を有する複数の屈折領域を所定順序で配列することによって形成される、(1)又は(2)に記載の回折光学部品。
(6)スケールと、スケールに対して相対移動する移動ユニットと、を備え、移動ユニットが備える光源がスケールを照射したときの、スケールからの反射光に基づいて変位量を検出するリニアエンコーダであって、移動ユニットが(1)から(5)のいずれか1項に記載の回折光学部品を備え、回折光学部品は、スケールへの照射光、及び/又は、スケールからの反射光を回折によって分岐又は結合するリニアエンコーダ。
(7)スケールと、スケールに対して相対移動する移動ユニットと、を備え、移動ユニットが備える光源がスケールを照射したときの、スケールからの反射光に基づいて変位量を検出するリニアエンコーダであって、スケールが(1)から(5)のいずれか1項に記載の回折光学部品を備え、回折光学部品は、スケールへの照射光を回折によって分岐又は結合するリニアエンコーダ。
本発明によると、透明材料の内部に位相回折領域が形成され、かつ、少なくとも入射面が平滑な面で構成されることから、回折素子としての所望の性能を維持できるとともに、平滑な面に反射防止・撥水・撥油・帯電防止等の機能を付与できるため、高機能の回折光学部品及びこれを備えたリニアエンコーダを提供することができる。
本発明の実施形態に係る回折光学部品の構成を示す平面図である。 図1の領域IIにおける回折光学部品の構成を示す断面図である。 第1変形例に係る回折光学部品の構成を示す平面図である。 第2変形例に係る回折光学部品の構成を示す平面図である。 本発明の実施形態に係るリニアエンコーダの構成を示す図である。 実施例に係る回折光学部品へ入射する光と、回折光学部品による回折光との関係を示す図である。 実施例に係る回折光学部品へ入射する回折光と、回折光学部品からの出射光との関係を示す図である。
<回折光学部品>
本実施形態の回折光学部品は、透明材料の内部に位相回折領域が形成された回折光学部品である。位相回折領域は、透明材料と、透明材料の屈折率と異なる屈折率を有する屈折率変化領域とを周期的に配列することによって形成され、回折光学部品の入射面及び出射面の少なくともいずれか1面は平滑な面で構成されている。この回折光学部品は、回折格子として用いることができ、例えば、リニアエンコーダのスケールや光検出部のための回折格子として用いることができる。
本実施形態における透明材料は一般の光学部品に用いる公知の材料を用いることができ、パルスレーザーによる加工および光学特性発現の観点から透明性のある材料を用いる。この材料の透過率は、パルスレーザーによる加工の効率や得られる光学部品の光学特性に影響するため、可視光の最も透過率の高い波長に対し透過率が30%以上あれば良く、40%以上あると好ましく、50%以上あると最も好ましい。このような材料としては、例えばSiO系ガラス、B系ガラス、P系ガラス等が挙げられる。また、上記透過率条件を満たせばガラスセラミックス材料を用いることもできる。
図1は、本発明の実施形態に係る回折光学部品10の構成を示す平面図である。図2は、図1の領域IIにおける回折光学部品10の構成を示す断面図である。図1、図2に示す、Z方向は回折光学部品10の厚み方向であり、X・Y方向はZ方向に直交する平面方向である。
図1・図2に示すように、回折光学部品10は、平面視で四角形状の透明材料11の内部において、X方向において周期的に一定幅の屈折率変化領域12が設けられている。これにより、透明材料11からなる領域と、透明材料11とは屈折率の異なる屈折率変化領域12とがX方向に並んだ位相回折領域13が形成される。ここで、屈折率変化領域12のピッチは、用途によって任意に設定できるが、例えば図5に示す反射型のリニアエンコーダに用いる場合は0.4〜20μmであることが好ましい。また、図1に示す例では、X方向において、透明材料11からなる領域と屈折率変化領域12の幅を同一にしているが、屈折率変化領域12が周期的に配列されていれば、透明材料11からなる領域よりも屈折率変化領域12の幅を広く、又は狭くしてもよい。
また、回折光学部品10は、互いに対向する、入射面21と出射面22を備えており、いずれも平滑な面である。ここで、平滑な面とは、光学部品の用途に応じて一般に求められる程度の凹凸の度合いを有する面である。より具体的には、平滑な面の平坦度は、10μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましい。また、表面粗さは、算術平均粗さRaで50Å以下であることが好ましい。
また、図2に示す例では、入射面21と出射面22はX−Y平面に沿って延び、互いに対向する平面であるが、互いに平行な関係でなくてもよい。また、その形状は、平面状に限らず、例えば曲面状であってもよい。
ここで、回折光学部品10は、屈折率変化領域12における屈折率の設定によって、入射面21から入射した光が位相回折領域13で回折して出射面22から出射する透過型の回折格子と、出射面22にクロムなどの金属をコーティングし、入射面21から入射した光が位相回折領域13を透過し、出射面22で反射され、再度位相回折領域13を透過して入射面21から出射する反射型の回折格子とのいずれを選ぶこともできる。透過型の回折格子とする場合は、入射面21と出射面22の両方を平滑な面とすることが好ましく、反射型の回折格子とする場合も入射面21と出射面22の両方を平滑な面とすることが好ましい。
屈折率変化領域12は、回折光学部品10の入射面21又は出射面22側から、パルス幅が10−12秒程度のピコ秒レーザーや、パルス幅が10−15秒程度のフェムト秒パルスレーザーと称される短パルスレーザーを照射することによって形成する。フェムト秒パルスレーザーとしては、例えば、チタンサファイアレーザー、フェムト秒ファイバーレーザー、Yb系フェムト秒レーザーを用いる。フェムト秒パルスレーザーによる加工は、ピーク強度が高く、かつ、周辺への影響が極めて少ない加工であるため、集光レンズ等を用いることによって、屈折率変化領域12を形成する位置にレーザー光を集光させると、入射面21又は出射面22の平滑性を損なうことなく照射範囲の材料の屈折率を変化させることができる。入射面21及び出射面22の平滑性を損なうことがないため、これらの面からの反射光や散乱光を抑えることができる。また、屈折率変化領域12を回折光学部品10の内部に形成していることから、従来のように光学部品の表面に凹凸状に設けた回折格子の溝に水、油その他の異物が付着して回折素子としての性能が低下することがない。
位相回折領域13は、屈折率変化領域12ごとにレーザー光を照射することによって形成することができる。この場合は、屈折率変化領域12の数が多いと加工時間が長くかかり、また、照射のたびにパルスレーザー照射装置と透明材料11の位置合わせをする必要があるため、加工精度にばらつきが生じるおそれがある。
これに対して、パルスレーザー光を複数に分割して照射すると、加工時間や加工精度の観点から好ましい。パルスレーザー光を複数に分割するためには、例えば、パルスレーザー照射装置と、透明材料11(回折光学部品10)との間に、複数の屈折率変化領域12及び位相回折領域13に対応したパターン形状のホログラムが形成された光学部材を配置して行う。この光学部材にパルスレーザー光を照射すると、光学部材のホログラムで分割された光が透明材料11に照射される。これにより、1回のレーザー光の照射で複数の屈折率変化領域12を一括形成させることが可能となるため、加工時間を短くすることができる。さらに、ホログラムは、電子線描画などによって精度良く形成することができるため、屈折率変化領域12及び位相回折領域13のパターン形状を高精度で形成することができる。また、一括形成を行うことから、パルスレーザー照射装置と透明材料11の位置合わせの回数が少なくなるため、加工精度のばらつきを抑えることができる。
図3は、第1変形例に係る回折光学部品110の構成を示す平面図である。図3においては、図1、図2と同じ部材については同じ参照符号を使用し、その詳細な説明は省略する。
回折光学部品110においては、入射面21及び出射面22の表面が平滑であるため、その面上に反射防止膜や、撥水膜や、撥油膜や、帯電防止膜を容易に形成することができる。反射防止膜と、撥水膜、撥油膜、又は帯電防止膜とは、入射面21の表面に両者を積層してもよいし、一方のみを形成してもよい。図3では、入射面21の表面上に反射防止膜31を形成した例を示している。反射防止膜、撥水膜、撥油膜、及び帯電防止膜はコーティングによって形成する。コーティングとしては、例えば、物理蒸着、化学蒸着、浸漬を用いることができる。反射防止膜31を形成することによって、不要な反射光や散乱光を低減することができる。また、撥水膜や撥油膜を形成することによって、表面に水又は油が付着することを防止でき、これによって回折素子としての性能を維持することができる。さらにまた、帯電防止膜を形成することにより帯電に起因したほこりの付着を防止することができ、回折素子としての性能を維持することができる。
図4は、第2変形例に係る回折光学部品120の構成を示す平面図である。図4においては、図1、図2と同じ部材については同じ参照符号を使用し、その詳細な説明は省略する。
回折光学部品120においては、透明材料11の内部において、位相回折領域13と、入射面21との間に反射防止領域32が形成されている。この反射防止領域32は、所望の反射防止性能に合わせて、所定の屈折率を有する複数の屈折層(屈折領域)を回折光学部品120の厚み方向(Z方向)に所定順序で配列することによって形成されている。反射防止領域32は、入射面21側からフェムト秒パルスレーザーを照射することによって形成する。使用するフェムト秒パルスレーザーは、屈折率変化領域12を形成する場合と同様のものを選択できる。反射防止領域32は、集光レンズ等を用いて、反射防止領域32の複数の屈折層を形成する位置にレーザー光を順次集光させることによって、入射面21の平滑性を損なうことなく、互いに異なる屈折率を有する複数の屈折層を形成することができる。反射防止領域32を内部に形成すると、入射面21の表面に反射防止膜を形成する場合と比べて、損傷等を受けることがないため、反射防止機能を長く維持することができる。なお、反射防止領域32を設けるとともに、回折光学部品120の入射面21の表面に撥水膜、撥油膜、又は帯電防止膜を形成すると、反射防止機能と撥水・撥油機能又は帯電防止機能とを同時に備えることができる。
<リニアエンコーダ>
本実施形態に係る回折光学部品10を用いたリニアエンコーダについて説明する。ここでは、干渉縞に基づいて変位を検出する干渉型リニアエンコーダのうち、スケールで反射された光によって受光素子に干渉縞が生じ、この干渉縞に基づいて変位を検出する、反射型のリニアエンコーダへの適用例について述べる。なお、本実施形態に係る回折光学部品10は、スケールを透過した光によって受光素子に生じる干渉縞に基づいて変位を検出する、透過型のリニアエンコーダや、干渉型以外のリニアエンコーダや、光源としてレーザーを用いたリニアエンコーダ等にも適用することができる。
図5は、本発明の実施形態に係るリニアエンコーダ40の構成を示す図である。リニアエンコーダ40は、反射型の第1回折格子42を備えたスケール41と、スケール41の長手方向(X方向)においてスケール41に対して相対的に移動可能な移動ユニット50とを備える。
移動ユニット50は、透過型の第2回折格子51と、第2回折格子51側へ平行光を出射するコリメータレンズ52と、コリメータレンズ52側へ検査光を出射する発光素子53と、受光素子54とを備える。発光素子53は、例えばLED(発光ダイオード)を用いる。受光素子54は、X方向において一定の間隔で配置された複数のフォトダイオードを備える。
スケール41が備える第1回折格子42は、本実施形態の回折光学部品10を用いており、第2回折格子51からの出射光が入射面21から入射するように配置されている。第1回折格子42は、屈折率変化領域12の屈折率の設定により、第2回折格子51からの入射光を第2回折格子51側へ反射する反射型の回折格子としている。第1回折格子42では、第2回折格子51からの入射光を0次回折光、+1次回折光、及び、−1次回折光に分岐させ、第2回折格子51側へ出射する。
第2回折格子51は、本実施形態の回折光学部品10を用いており、コリメータレンズ52からの出射光が入射面21から入射し、出射面22からスケール41側へ回折光が出射する。第2回折格子51は、屈折率変化領域12の屈折率の設定により、コリメータレンズ52から入射する平行光をスケール41側へ透過させるとともに、スケール41からの入射光をコリメータレンズ52側へ透過させる透過型の回折格子としている。
ここで、第1回折格子42及び第2回折格子51において屈折率変化領域12は、X方向において周期的に一定幅で設けられている。
第2回折格子51では、コリメータレンズ52からの入射光は、0次回折光、+1次回折光、及び、−1次回折光に分岐され、これらの光はスケール41へそれぞれ照射される(図6参照)。また、スケール41の第1回折格子42で分岐された光(0次回折光、+1次回折光、−1次回折光)のうち、第2回折格子51の同じ位置に入射した光は光路が結合されてコリメータレンズ52側へ出射される(図7参照)。
このような構成のリニアエンコーダにおいては、コリメータレンズ52によって生成された平行光が第2回折格子51で分岐されてスケール41に入射する。スケール41では、入射光が第1回折格子42において分岐されて第2回折格子51側へそれぞれ出射され、第2回折格子51及びコリメータレンズ52を経た光が受光素子54上において干渉縞を生成する。スケール41がX方向に変位すると受光素子54上の干渉縞が移動するため、受光素子54からは、第1回折格子42の屈折率変化領域12の設置周期又はその1/2の周期の正弦波信号が出力され、この信号に基づいてスケール41の変位量が検出される。
なお、本実施形態では、第1回折格子42と第2回折格子51の両方に対して本実施形態の回折光学部品10を適用したが、いずれか一方のみに適用し、他方は従来の回折格子を用いても良い。
以上のように構成されたことから、上記実施形態によれば、次の効果を奏する。
(1)透明材料11の内部に、透明材料11の屈折率と異なる屈折率を有する屈折率変化領域12を周期的に配列することによって位相回折領域13が形成され、かつ、回折光学部品10の入射面21及び出射面22の少なくともいずれか1面は平滑な面で構成されている。これにより、回折光学部品10の表面からの反射光や散乱光を抑えることができ、また、透明材料11の内部に形成した位相回折領域13への異物の付着を防止することができ、これにより、回折素子としての所望の性能を発揮することができる。
(2)上記平滑な面が平面状または曲面状の面であるため、回折格子としての設計の自由度を高めることができる。
(3)上記平滑な面の表面にコーティングによって反射防止膜を形成することによって、不要な反射光や散乱光を低減することができる。
(4)上記平滑な面の表面にコーティングによって、撥水膜、撥油膜、又は帯電防止膜を形成することによって、回折光学部品の表面に水、油、又はほこりが付着することを防止でき、これによって回折素子としての性能を維持することができる。
(5)上記透明材料11の内部において、位相回折領域13と、入射面21又は出射面22との間に反射防止領域32が形成され、この反射防止領域32は、所定の屈折率を有する複数の屈折領域を所定順序で配列することによって形成される構成により、入射面21の表面に反射防止膜31を形成する場合と比べて、外部から損傷等を受けることがないため、反射防止機能を長く維持することができる。さらに、回折光学部品120の入射面21の表面に撥水膜、撥油膜、又は帯電防止膜を形成すると、反射防止機能と撥水・撥油・帯電防止機能を同時に備えることができる。
(実施例)
上記実施形態の回折光学部品10について、回折格子に適用した実施例について説明する。
<回折光学部品10の作製>
本実施例の回折光学部品10は以下の条件で作製した。
透明材料11として、厚さ0.55mm、波長633nmでの屈折率n=1.80のP系ガラスを用いた。図1に示す屈折率変化領域12のX方向におけるピッチ(周期)は20μmとした。ここで、X方向における、屈折率変化領域12、及び、屈折率変化領域12に挟まれた透明材料11の幅はそれぞれ10μmである。また、屈折率変化領域12の厚み(Y方向の長さ)は32μmとした。
屈折率変化領域12は、以下の条件で、透明材料11の入射面21側からフェムト秒パルスレーザーを照射することによって形成した。すなわち、使用したフェムト秒パルスレーザーにおいては、パルス幅を320fs(フェムト秒)、波長を800nm、繰り返し周波数を250kHzとし、倍率40倍(N.A.=0.55)の対物レンズで入射面21から160μmの深さに集光照射し、透明材料11を透過光に垂直な方向に5mm/secの走査速度で相対移動させることによって屈折率変化領域12を形成した。フェムト秒パルスレーザーの出力は対物レンズ直前のパワーで50mWとした。
以上のように作製した回折光学部品10において、屈折率変化領域12の波長633nmでの屈折率nは1.79であり、屈折率変化領域12の加工厚さは、約32μmであった。
また、作製した回折光学部品10の入射面21と出射面22の表面に対して、波長633nmで設計された反射防止膜をそれぞれコーティングした。
<回折光学部品10の評価>
作製した回折光学部品10に対して、入射面21からレーザー光を入射すると、図6に示すように、+1次回折光と−1次回折光に分岐(分離)することが確認できた。ここで、0次光はほぼ出ていないことも確認した。したがって上述の条件で作製した回折光学部品10は、入射光を、+1次回折光と−1次回折光に分岐させる回折格子となっていることが分かる。
また、作製された回折格子に対して、図6に示した、+1次回折光と−1次回折光の光路側から出射面22へ2本の光線を入射させると、図7に示すように、これらの光線は1本の光路に結合されて干渉光として入射面21から出射されることを確認した。したがって、図6と図7に示す結果から、回折光学部品10は、干渉型のリニアエンコーダに対して利用可能であることを確認した。
表1は、反射防止膜を成膜する前と成膜した後の状態の回折光学部品10についての回折効率を示す表である。表1において、回折効率は波長633nmで測定した。
表1において、反射防止膜の成膜前と成膜後の回折効率を比較すると、反射防止膜を成膜することによって回折光の透過率がそれぞれ成膜前後比で約15%向上したことが分かる。これにより、同一光源で得られる干渉光の振幅強度の増加が確認された。また、反射防止膜によって多重反射が低減したことにより、高次回折光の迷光の影響が低減したことも分かった。以上の結果により、回折光学部品10をリニアエンコーダに適用することで信号読取り精度の向上に繋がることが分かった。
以上、本発明を例示の目的で詳細に説明したが、本実施例はあくまで例示の目的のみであって、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく多くの改変を当業者により成し得ることが理解されよう。
以上のように、本発明に係る回折光学部品は、精度の高い変位検出が求められる場合や、回折光学部品の表面に水、油その他の異物が付着しやすい環境で使用する場合に有用である。
10、110、120 回折光学部品
11 透明材料
12 屈折率変化領域
13 位相回折領域
21 入射面
22 出射面
31 反射防止膜
32 反射防止領域
40 リニアエンコーダ
41 スケール
42 第1回折格子
50 移動ユニット
51 第2回折格子
52 コリメータレンズ
53 発光素子
54 受光素子

Claims (7)

  1. 透明材料の内部に位相回折領域が形成された回折光学部品であって、
    前記位相回折領域は、前記透明材料の屈折率と異なる屈折率を有する屈折率変化領域を周期的に配列することによって形成され、
    前記回折光学部品の入射面及び出射面の少なくともいずれか1面は平滑な面で構成されていることを特徴とする回折光学部品。
  2. 前記平滑な面は平面状または曲面状の面であることを特徴とする請求項1に記載の回折光学部品。
  3. 前記平滑な面の表面には、コーティングによって反射防止膜が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回折光学部品。
  4. 前記平滑な面の表面には、コーティングによって、撥水膜、撥油膜、又は帯電防止膜が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回折光学部品。
  5. 前記透明材料の内部において、前記位相回折領域と、前記入射面又は前記出射面と、の間に反射防止領域が形成され、
    前記反射防止領域は、所定の屈折率を有する複数の屈折領域を所定順序で配列することによって形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回折光学部品。
  6. スケールと、前記スケールに対して相対移動する移動ユニットと、を備え、
    前記移動ユニットが備える光源が前記スケールを照射したときの、前記スケールからの反射光に基づいて変位量を検出するリニアエンコーダであって、
    前記移動ユニットが請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の回折光学部品を備え、
    前記回折光学部品は、前記スケールへの照射光、及び/又は、前記スケールからの反射光を回折によって分岐又は結合することを特徴とするリニアエンコーダ。
  7. スケールと、前記スケールに対して相対移動する移動ユニットと、を備え、
    前記移動ユニットが備える光源が前記スケールを照射したときの、前記スケールからの反射光に基づいて変位量を検出するリニアエンコーダであって、
    前記スケールが請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の回折光学部品を備え、
    前記回折光学部品は、前記スケールへの照射光を回折によって分岐又は結合することを特徴とするリニアエンコーダ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3943893A1 (de) * 2020-07-23 2022-01-26 Dr. Johannes Heidenhain GmbH Optische positionsmesseinrichtung

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