JP2016038024A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸受部に異常が発生して昇温した際に、ドライバーがそれを早期に感知して信頼性を向上させた車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】内輪3の外周面にTi−Ni系合金の形状記憶合金からなるディフレクタ20が圧入され、このディフレクタ20が断面L字状に形成され、内輪3の外周面に圧入される円筒部20aと、この円筒部20aから径方向外方に延びる立板部20bを備え、この立板部20bの先端が外方部材10の内周面10cに微小すきまを介して対向配置され、ディフレクタ20が形状回復温度を超えた時に外方部材10の方向に変形するように設定されているので、各転走面に剥離や摩耗が促進して軸受内部が昇温し、ディフレクタ20の形状回復温度を超えた時、ディフレクタ20の立板部20bが変形して外方部材10の内周10cに接触し、異音や振動を発生してドライバーに異常を知らせることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受装置に関し、詳しくは、軸受部の異常を未然に感知して信頼性を向上させた車輪用軸受装置に関するものである。
従来から自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置は、車輪を取り付けるためのハブ輪を複列の転がり軸受を介して回転自在に支承するもので、駆動輪用と従動輪用とがある。構造上の理由から、駆動輪用では内輪回転方式が、従動輪用では内輪回転と外輪回転の両方式が一般的に採用されている。また、車輪用軸受装置には、懸架装置を構成するナックルとハブ輪との間に複列アンギュラ玉軸受等からなる車輪用軸受を嵌合させた第1世代と称される構造から、外方部材の外周に直接車体取付フランジまたは車輪取付フランジが形成された第2世代構造、また、ハブ輪の外周に一方の内側転走面が直接形成された第3世代構造、あるいは、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内側転走面が直接形成された第4世代構造とに大別されている。
これらの軸受部において、転走面の剥離等の異常が発生しても、ドライバーがその異常に気付かずに運転を続けた場合、車輪ロック等の重大な事故を引き起こす恐れがある。こうした軸受異常の発生を未然に感知して信頼性を向上させた車輪用軸受装置として図8に示すような構造のものが知られている。
外方部材50と内輪51との間に形成された環状空間の開口部にシール52が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。このシール52は、互いに対向配置されたスリンガ53と環状のシール板54とからなる、所謂パックシールで構成されている。
スリンガ53は鋼板からプレス加工にて断面が略L字状に形成され、内輪51の外径に圧入される円筒部53aと、この円筒部53aから径方向外方に延びる立板部53bとを備えている。そして、この立板部53bの側面に磁気エンコーダ57が加硫接着によって一体に接合されている。
一方、シール板54は、外方部材50に装着された芯金55と、この芯金55に加硫接着により一体に接合されたシール部材56とからなり、芯金55は鋼板からプレス加工にて断面略L字状に形成され、外方部材50の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部55aと、この嵌合部55aから径方向内方に延びる内径部55bとを備えている。シール部材56は合成ゴムからなり、径方向外方に傾斜して延びるサイドリップ56aと、二股状に形成されたグリースリップ56bとダストリップ56cを有している。シール部材56のサイドリップ56aはスリンガ53の立板部53bに所定の軸方向すきまを介して対向配置されると共に、グリースリップ56bとダストリップ56cは、スリンガ53の円筒部53aに所定の径方向シメシロを介して摺接されている。そして、シール板54とスリンガ53または磁気エンコーダ57とが僅かな径方向すきまeを介して対向し、ラビリンスシールを構成している。
ここで、回転側となる内輪51の外径に環状凸部58が一体に形成されると共に、固定側となる外方部材50の端部内周に円筒状の検出面59が形成され、この検出面59と内輪51の環状凸部58が微小な径方向すきまεを介して対向し、異常検出部60が構成されている。これにより、外方部材50の外側転走面50aや内輪51の内側転走面51aに剥離や摩耗が促進した時に、環状凸部58と検出面59とが接触し、異音や振動を発生してドライバーに異常を知らせることができ、軸受部の異常を未然に感知し、回転側の内輪51のロック等が生じるのを回避し、信頼性を向上させた車輪用軸受装置を提供することができる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2012−97823号公報
然しながら、このような従来の異常検出部60では、各転走面50a、51aの剥離や摩耗が相当進行しないと、外方部材50や内輪51は接触することがないため、異常検知が遅れ、焼付き等の重大な事故が発生する恐れがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軸受部に異常が発生して昇温した際に、ドライバーがそれを早期に感知して信頼性を向上させた車輪用軸受装置を提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封するシールと、を備えた車輪用軸受装置において、前記外方部材または内方部材に装着される部品が形状記憶合金により形成され、この部品が形状回復温度を超えた時に前記内方部材または外方部材あるいは前記内方部材または外方部材に装着された他の部品の方向に変形し、この変形に基づき異常が認識される。
このように、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封するシールと、を備えた車輪用軸受装置において、外方部材または内方部材に装着される部品が形状記憶合金により形成され、この部品が形状回復温度を超えた時に内方部材または外方部材あるいは内方部材または外方部材に装着された他の部品の方向に変形し、この変形に基づき異常が認識されるので、各転走面に剥離や摩耗が促進して軸受内部が昇温した際、例えば、内方部材に固定されたディフレクタが変形して外方部材の内周面に接触し、異音や振動を発生してドライバーに異常を知らせることができる。これにより、軸受部の異常を未然にかつ早期に感知し、信頼性を向上させた車輪用軸受装置を提供することができる。
また、請求項2に記載の発明のように、前記形状記憶合金により形成された部品が形状回復温度を超えた時に前記内方部材または外方部材あるいは前記内方部材または外方部材に装着された他の部品の方向に変形し、当該他の部品に接触するように設定されていても良い。
また、請求項3に記載の発明のように、前記部品はシールの構成部品であっても良い。
また、請求項4に記載の発明のように、前記内方部材の外周面に前記形状記憶合金からなるディフレクタが圧入され、このディフレクタが断面L字状に形成されると共に、前記内方部材の外周面に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部とを備え、この立板部の先端部が前記外方部材の内周面に微小すきまを介して対向配置されていれば、各転走面に剥離や摩耗が促進して軸受内部が昇温し、ディフレクタの形状回復温度を超えた時、回転側となるディフレクタの立板部が変形して固定側の外方部材の内周面に接触し、異音や振動を発生してドライバーに異常を知らせることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記形状記憶合金で形成されたシールの構成部品が形状回復温度を超えた時に変形し、この変形に伴って変化したシールの接触状態を電流の抵抗値から検出するようにしても良い。
また、請求項6に記載の発明のように、前記シールが、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部とを有する断面コの字状に形成された芯金と、この芯金に一体に加硫接着され、径方向外方に傾斜して延び、円弧状に形成された車輪取付フランジの基部に摺接されるサイドリップを備え、前記芯金が請求項3または5に記載のシールの構成部品であれば、各転走面に剥離や摩耗が促進して軸受内部が昇温し、芯金の形状回復温度を超えた時、例えば、芯金の先端を基部に微小すきまを介して対向配置しておくことにより、芯金の内径部が基部に接触し、異音や振動を発生してドライバーに異常を知らせることができる。
また、請求項7に記載の発明のように、前記シール部材が、前記基部に対して微小なすきまを介して対向する中間リップを有していれば、各転走面に剥離や摩耗が促進して軸受内部が昇温した際、芯金が形状回復温度を超えて変形することにより中間リップが基部に接触し、基部の電気抵抗値が変化する。この抵抗値の変化を検知することにより、ドライバーに異常を知らせることができる。
また、請求項8に記載の発明のように、前記シールが、断面がL字状に形成されて互いに対向配置された環状のシール板とスリンガとからなるパックシールで構成され、前記スリンガが、前記内方部材の外周面に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部からなると共に、前記シール板が、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部からなる芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合され、この芯金の内径側から径方向外方のインナー側に傾斜して延び、前記スリンガの立板部の側面に摺接するサイドリップを有するシール部材を備え、前記芯金が請求項3または5に記載のシールの構成部品であれば、各転走面に剥離や摩耗が促進して軸受内部が昇温し、芯金の形状回復温度を超えた時、例えば、芯金の内径部がスリンガの円筒部に接触し、異音や振動を発生してドライバーに異常を知らせることができる。
また、請求項9に記載の発明のように、前記形状記憶合金がTi−Ni系合金で形成されていれば、破壊しにくく安定した性質を示すことができる。
また、請求項10に記載の発明のように、前記形状記憶合金の形状回復温度が120℃に設定されていれば、NBR等の合成ゴムから形成されているシールやPA66等の熱可塑性合成樹脂から形成されている保持器の耐熱温度に対応し、これらの部品が劣化するのを防止することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封するシールと、を備えた車輪用軸受装置において、前記外方部材または内方部材に装着される部品が形状記憶合金により形成され、この部品が形状回復温度を超えた時に前記内方部材または外方部材あるいは前記内方部材または外方部材に装着された他の部品の方向に変形し、この変形に基づき異常が認識されるので、各転走面に剥離や摩耗が促進して軸受内部が昇温した際、例えば、内方部材に固定されたディフレクタが変形して外方部材の内周面に接触し、異音や振動を発生してドライバーに異常を知らせることができる。これにより、軸受部の異常を未然にかつ早期に感知し、信頼性を向上させた車輪用軸受装置を提供することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 (a)は、図1の一方のシール部を示す要部拡大図、(b)は、(a)の昇温時の状態を示す要部拡大図である。 (a)は、図1の他方のシール部の変形例を示す要部拡大図、(b)は、(a)の昇温時の状態を示す要部拡大図である。 (a)は、図2のシールの変形例を示す要部拡大図、(b)は、(a)の昇温時の状態を示す要部拡大図である。 (a)は、図3のシールの変形例を示す要部拡大図、(b)は、(a)の昇温時の状態を示す要部拡大図である。 (a)は、図2のシールの他の変形例を示す要部拡大図、(b)は、(a)の昇温時の状態を示す要部拡大図である。 (a)は、図5のシールの変形例を示す要部拡大図、(b)は、(a)の昇温時の状態を示す要部拡大図である。 従来の車輪用軸受装置の異常検出部を示す要部拡大図である。
外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封するシールと、を備えた車輪用軸受装置において、前記内輪の外周面にディフレクタが圧入され、このディフレクタがTi−Ni系合金からなる形状記憶合金から断面がL字状に形成されると共に、前記内輪の外周面に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部とを備え、この立板部の先端部が前記外方部材の内周面に微小すきまを介して対向配置され、前記ディフレクタが形状回復温度を超えた時に前記外方部材の方向に変形するように設定されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2(a)は、図1の一方のシール部を示す要部拡大図、(b)は、(a)の昇温時の状態を示す要部拡大図、図3(a)は、図1の他方のシール部の変形例を示す要部拡大図、(b)は、(a)の昇温時の状態を示す要部拡大図、図4(a)は、図2のシールの変形例を示す要部拡大図、(b)は、(a)の昇温時の状態を示す要部拡大図、図5(a)は、図3のシールの変形例を示す要部拡大図、(b)は、(a)の昇温時の状態を示す要部拡大図、図6(a)は、図2のシールの他の変形例を示す要部拡大図、(b)は、(a)の昇温時の状態を示す要部拡大図、図7(a)は、図5のシールの変形例を示す要部拡大図、(b)は、(a)の昇温時の状態を示す要部拡大図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
図1に示す車輪用軸受は駆動輪側の第3世代と称され、内方部材1と外方部材10、および両部材1、10間に転動自在に収容された複列の転動体(ボール)6、6とを備えている。内方部材1は、ハブ輪2と、このハブ輪2に圧入固定された内輪3とからなる。
ハブ輪2は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ4を一体に有し、この車輪取付フランジ4の円周等配位置に車輪を固定するためのハブボルト5が植設されている。また、ハブ輪2の外周には一方(アウター側)の内側転走面2aと、この内側転走面2aから軸方向に延びる円筒状の小径段部2bが形成され、内周にはトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)2cが形成されている。内輪3は外周に他方(インナー側)の内側転走面3aが形成され、ハブ輪2の小径段部2bに所定のシメシロを介して圧入されている。
ハブ輪2は、S53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中高炭素鋼で形成され、後述するシール8のシールランド部となる車輪取付フランジ4のインナー側の基部11をはじめ、アウター側の内側転走面2aから小径段部2bに亙り高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。これにより、車輪取付フランジ4の基部11の耐摩耗性が向上するばかりでなく、車輪取付フランジ4に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有することになり、ハブ輪2の強度・耐久性が向上する。一方、内輪3および転動体6はSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで、内輪3は58〜64HRC、転動体6は62〜67HRCの範囲で硬化処理されている。
外方部材10は、外周に車体(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ10bを一体に有し、内周に前記内方部材1の内側転走面2a、3aに対向する複列の外側転走面10a、10aが一体に形成されている。この外方部材10は、ハブ輪2と同様、S53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中高炭素鋼で形成され、少なくとも複列の外側転走面10a、10aが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。そして、それぞれの転走面10a、2aと10a、3a間に複列の転動体6、6が収容され、保持器7、7によりこれら複列の転動体6、6が転動自在に保持されている。また、外方部材10と内方部材1との間に形成される環状空間の開口部にはシール8、9が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
保持器7は、PA(ポリアミド)66等の熱可塑性合成樹脂をベースに、GF(グラスファイバー)等の強化材を適量含有させたものを射出成形することにより形成され、凹球面に形成されたポケットを備え、この開口部を弾性変形させて転動体6が装着され、所定のポケットすきまを介して包持する、所謂スナップオンタイプで構成されている。
なお、保持器7の材質として、前述したPA66以外にもPA46をはじめ、PPA(ポリフタルアミド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の所謂エンジニアリングプラスチックと呼称される熱可塑性の合成樹脂やポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)等の所謂スーパーエンジニアリングプラスチックと呼称される熱可塑性の合成樹脂、あるいは、フェノール樹脂(PF)、エポキシ樹脂(EP)、ポリイミド樹脂(PI)等をベースにCF(カーボンファイバー)等の強化繊維を含有させたものでも良い。
なお、ここでは、転動体6にボールを使用した複列アンギュラ玉軸受で構成された車輪用軸受装置を例示したが、これに限らず、転動体6に円錐ころを使用した複列円錐ころ軸受で構成されていても良い。また、ここでは、ハブ輪2の外周に直接内側転走面2aが形成された第3世代構造を例示したが、図示はしないが、ハブ輪の小径段部に一対の内輪が圧入固定された第1世代または第2世代構造であっても良い。
本実施形態では、アウター側のシール8は、芯金12と、この芯金12に一体に加硫接着されたシール部材13とからなる一体型の密封装置で構成されている。芯金12は、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)やオーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工にて断面が略L字状に形成され、外方部材10のアウター側の端部内周に所定のシメシロを介して圧入される円筒状の嵌合部12aと、この嵌合部12aの端部から径方向内方に延びる内径部12bとを有している。そして、内径部12bから嵌合部12aに亙る外表面を覆うように、シール部材13が回り込んで接合され、所謂ハーフメタル構造をなしている。これにより、嵌合部12aの気密性を高めて軸受内部を保護することができる。
一方、シール部材13は、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)等の合成ゴムからなり、径方向外方に傾斜して延び、円弧状に形成された車輪取付フランジ4の基部11に所定の軸方向シメシロを介して摺接されるサイドリップ13aとダストリップ13b、および軸受内方側に傾斜して延び、基部11に所定の径方向シメシロを介して摺接されるグリースリップ13cを一体に備えている。なお、シール部材13の材質としては、例示したNBR以外にも、例えば、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等をはじめ、耐熱性、耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等を例示することができる。
また、インナー側のシール9は、図2(a)に拡大して示すように、断面が略L字状に形成されて互いに対向配置された環状のシール板14とスリンガ15とからなるパックシールで構成されている。
環状のシール板14は、外方部材10のインナー側の端部内周に圧入された芯金16と、この芯金16に一体に加硫接着されたシール部材17とからなる。芯金16は、フェライト系ステンレス鋼板やオーステナイト系ステンレス鋼板、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼板からプレス加工にて断面が略L字状に形成され、外方部材10の端部内周に所定のシメシロを介して圧入される円筒状の嵌合部16aと、この嵌合部16aの端部から径方向内方に延びる内径部16bを有している。そして、芯金16の嵌合部16aの先端部が薄肉に形成されると共に、この先端部を覆うようにシール部材17が回り込んで接合されハーフメタル構造をなしている。
一方、スリンガ15は、フェライト系ステンレス鋼板、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼板からプレス加工にて断面が略L字状に形成され、内輪3の外周面に圧入される円筒部15aと、この円筒部15aから径方向外方に延びる立板部15bとからなる。なお、スリンガ15の立板部15bの外縁は、シール部材17と僅かな径方向すきまを介して対峙し、ラビリンスシール18を構成している。そして、この立板部15bのインナー側の側面に磁気エンコーダ19が加硫接着等で一体に接合されている。磁気エンコーダ19は、ゴム等のエラストマにフェライト等の磁性体粉が混入され、周方向に交互に磁極N、Sが着磁されて車輪の回転速度検出用のロータリエンコーダを構成している。
シール部材17はNBR等の合成ゴムからなり、芯金16の内径部16bの端部から径方向外方のインナー側に傾斜して延び、スリンガ15の立板部15bのアウター側の側面に所定の軸方向シメシロを介して摺接する一対のサイドリップ17a、17bと、これら一対のサイドリップ17a、17bの内径側に径方向内方のアウター側に傾斜して延び、スリンガ15の円筒部15aに所定の径方向シメシロを介して摺接するグリースリップ17cを備えている。なお、シール部材15の材質としては、例示したNBR以外にも、例えば、HNBR、EPDMをはじめ、ACM、FKM、あるいはシリコンゴム等を例示することができる。
ここで、内輪3の外周面のディフレクタ20が圧入されている。このディフレクタ20は前述したインナー側のシール9の軸受内部側の近傍に配設され、Ti−Ni系合金等の形状記憶合金からプレス加工にて断面が略L字状に形成されると共に、内輪3の外周面に圧入される円筒部20aと、この円筒部20aから径方向外方に延びる立板部20bとからなる。そして、この立板部20bの先端部は外方部材10の内周面10cに微小な軸方向すきまδを介して対向している。
このTi−Ni系の形状記憶合金は、チタンとニッケルの原子が略1:1の比をとりながら、規則正しく並んだ結晶を呈している金属間化合物の一つで、形状記憶効果をもたらす熱弾性型マルテンサイト変態が生じるかどうかの鍵がこの規則的な構造に係っている。脆くて扱いにくいものが多い金属間化合物の中にあって、このTi−Ni系の形状記憶合金は破壊しにくく安定した性質を示す特徴がある。なお、形状記憶合金として、これ以外にも、例えば、Ti−Ni−Co系合金、Ti−Ni−Cu系合金、Cu−Zn−Al系合金、Fe−Mn−Si系合金を例示することができる。
本実施形態では、各転走面に剥離や摩耗が促進して軸受内部が昇温し、ディフレクタ20の形状回復温度(ここでは、120℃)を超えた時、図2(b)に示すように、回転側となるディフレクタ20の立板部20bがアウター側(軸受内部側)に回復(変形)して固定側の外方部材10の内周面10cに接触し、異音や振動を発生してドライバーに異常を知らせることができる。これにより、軸受部の異常を未然にかつ早期に感知し、例えば、回転側の内輪3のロック等が生じるのを回避し、信頼性を向上させた車輪用軸受装置を提供することができる。
なお、ここでは、回転側部材となる内輪3に形状記憶合金からなるディフレクタ20が装着され、このディフレクタ20が軸受の昇温により形状を回復して固定側部材となる外方部材10に接触するような構成を例示したが、これに限らず、図示はしないが、例えば、外方部材の内周面にディフレクタを装着し、内輪の外周面に接触させるような構成であっても良い。
ここで、ディフレクタ20の形状回復温度を120℃に設定したのは、シール9と保持器7の劣化に起因している。すなわち、シール9はNBR等の合成ゴムから形成されているため、耐熱温度は120℃前後である。そのため、この耐熱温度を超えると、ゴムの変形や劣化等によりシール性が低下する恐れがある。一方、保持器7はPA66等の熱可塑性合成樹脂から形成されているため、耐熱温度は120℃前後である。そのため、この耐熱温度を超えると、保持器7の変形や劣化等により転動体6の保持性が低下する恐れがある。
なお、ディフレクタ20の立板部20bと外方部材10の内周面10cとの微小な軸方向すきまδは、外方部材10および内輪3のアキシアル振れ合算値よりも大きく設定されている。具体的には、0.02〜1.0mmの範囲に設定されている。この軸方向すきまδが0.02mm未満であれば、軸受部が正常であってもディフレクタ20外方部材10の内周面10cが車両走行中に接触する可能性があり、また、1.0mmを超えて大きく設定すれば、ディフレクタ20の形状回復温度を超えて回復しても外方部材10の内周面10cに接触しない恐れがあるので好ましくない。
図3(a)に、前述したアウター側のシール8の変形例を示す。なお、この実施形態は、前述した実施形態(図1)と基本的には芯金12の構成が異なるだけで、その他前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
このシール21は、芯金22と、この芯金22に一体に加硫接着されたシール部材13とからなる一体型の密封装置で構成されている。芯金22は、Ti−Ni系合金等の形状記憶合金からプレス加工にて形成され、外方部材10のアウター側の端部内周に所定のシメシロを介して圧入される円筒状の嵌合部22aと、この嵌合部22aの端部から径方向内方に延びる内径部22bとを有している。そして、内径部22bから嵌合部22aに亙る外表面を覆うように、シール部材13が回り込んで接合され、ハーフメタル構造をなしている。
本実施形態では、芯金22の内径部22bの先端が基部11に微小な径方向すきまを介して対向しており、各転走面に剥離や摩耗が促進して軸受内部が昇温し、芯金22の形状回復温度を超えた時、図3(b)に示すように、固定側となるシール21の芯金22の内径部22bが径方向内方に縮径して回転側のハブ輪2の基部11に接触し、異音や振動を発生してドライバーに異常を知らせることができる。これにより、軸受部の異常を未然にかつ早期に感知し、例えば、回転側のハブ輪2のロック等が生じるのを回避し、信頼性を向上させることができる。
図4(a)に、前述したインナー側のシール9の変形例を示す。なお、この実施形態は、前述した実施形態(図2)と基本的にはシール9の芯金16の構成が異なるだけで、その他前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
このシール23は、断面が略L字状に形成されて互いに対向配置された環状のシール板24とスリンガ15とからなるパックシールからなる。環状のシール板24は、外方部材10のインナー側の端部内周に圧入された芯金25と、この芯金25に一体に加硫接着されたシール部材17とからなる。芯金25は、Ti−Ni系合金等の形状記憶合金からプレス加工にて略L字状に形成され、外方部材10の端部内周に所定のシメシロを介して圧入される円筒状の嵌合部25aと、この嵌合部25aの端部から径方向内方に延びる内径部25bを有している。そして、この内径部25bにアウター側(軸受内部側)に傾斜した先端部25cが形成され、スリンガ15の円筒部15aに微小すきまを介して対向配置されている。
本実施形態では、各転走面に剥離や摩耗が促進して軸受内部が昇温し、芯金25の形状回復温度を超えた時、図4(b)に示すように、固定側となるシール板24の芯金25の先端部25cの傾斜が緩やかになって回転側のスリンガ15の円筒部15aに接触し、異音や振動を発生してドライバーに異常を知らせることができる。これにより、軸受部の異常を未然にかつ早期に感知し、例えば、回転側の内輪3のロック等が生じるのを回避し、信頼性を向上させることができる。
図5(a)に、前述したアウター側のシール21の変形例を示す。なお、この実施形態は、前述した実施形態(図3)と基本的には芯金22の構成が異なるだけで、その他前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
このシール26は、芯金27と、この芯金27に一体に加硫接着されたシール部材13とからなる一体型の密封装置で構成されている。芯金27は、Ti−Ni系合金等の形状記憶合金からプレス加工にて断面略コの字状に形成され、外方部材10のアウター側の端部内周に所定のシメシロを介して圧入される円筒状の嵌合部27aと、この嵌合部27aの端部から径方向内方に延びる内径部27bとを有している。
本実施形態では、ハブ輪2の基部11に微小電流を予め流しておき、各転走面に剥離や摩耗が促進して軸受内部が昇温し、芯金27の形状回復温度を超えた時、図5(b)に示すように、固定側となるシール26の芯金27の内径部27bが径方向内方に縮径してシール部材13の各リップの接触面圧が上昇し、シール摺動部、ここでは、シール26のシールランド部となる車輪取付フランジ4のインナー側の基部11の電気抵抗値が変化し、この抵抗値の変化を検知することにより、ドライバーに異常を知らせることができる。これにより、軸受部の異常を未然にかつ早期に感知し、例えば、回転側のハブ輪2のロック等が生じるのを回避し、信頼性を向上させることができる。
図6(a)に、前述したインナー側のシール23の変形例を示す。なお、この実施形態は、前述した実施形態(図4)と基本的には芯金25の構成が異なるだけで、その他前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
このシール28は、断面が略L字状に形成されて互いに対向配置された環状のシール板29とスリンガ15とからなるパックシールからなる。環状のシール板29は、外方部材10のインナー側の端部内周に圧入された芯金30と、この芯金30に一体に加硫接着されたシール部材17とからなる。芯金30は、Ti−Ni系合金等の形状記憶合金からプレス加工にて略L字状に形成され、外方部材10の端部内周に所定のシメシロを介して圧入される円筒状の嵌合部30aと、この嵌合部30aの端部から径方向内方に延びる内径部30bを有している。
本実施形態では、スリンガ15に微小電流を予め流しておき、各転走面に剥離や摩耗が促進して軸受内部が昇温し、芯金30の形状回復温度を超えた時、図6(b)に示すように、固定側となるシール板29の芯金30の先端部がインナー側に傾斜し、シール部材17の一対のサイドリップ17a、17bの接触面圧が上昇し、シール摺動部、ここでは、スリンガ15の電気抵抗値が変化し、この抵抗値の変化を検知することにより、ドライバーに異常を知らせることができる。これにより、軸受部の異常を未然にかつ早期に感知し、例えば、回転側の内輪3のロック等が生じるのを回避し、信頼性を向上させることができる。
図7(a)に、前述したアウター側のシール26の変形例を示す。なお、この実施形態は、前述した実施形態(図5)と基本的にはシール部材13の構成が異なるだけで、その他前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
このシール31は、芯金27と、この芯金27に一体に加硫接着されたシール部材32とからなる一体型の密封装置で構成されている。シール部材32は、NBR等の合成ゴムからなり、径方向外方に傾斜して延び、円弧状に形成された車輪取付フランジ4の基部11に所定の軸方向シメシロを介して摺接されるサイドリップ13aとダストリップ13bおよび軸受内方側に傾斜して延び、基部11に所定の径方向シメシロを介して摺接されるグリースリップ13cを一体に備えると共に、これらダストリップ13bとグリースリップ13cとの間に中間リップ32aが成形されている。この中間リップ32aは基部11に対して微小なすきまを介して対向している。なお、シール部材32の材質としては、例示したNBR以外にも、例えば、耐熱性に優れたHNBR、EPDM等をはじめ、耐熱性、耐薬品性に優れたACM、FKM、あるいはシリコンゴム等を例示することができる。
本実施形態では、ハブ輪2の基部11に微小電流を予め流しておき、各転走面に剥離や摩耗が促進して軸受内部が昇温し、芯金27の形状回復温度を超えた時、図7(b)に示すように、固定側となるシール31の芯金27の内径部27bが径方向内方に縮径してシール部材32のサイドリップ13a、ダストリップ13bおよびグリースリップ13cの接触面圧が上昇すると共に、中間リップ32aが基部11に接触する。これにより、シール31のシールランド部となる基部11の電気抵抗値が変化し、この抵抗値の変化を検知することにより、ドライバーに異常を知らせることができる。これにより、軸受部の異常を未然にかつ早期に感知することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、両端部にシールが装着された密封型の第1世代乃至第4世代構造の車輪用軸受装置に適用することができる。
1 内方部材
2 ハブ輪
2a、3a 内側転走面
2b 小径段部
2c セレーション
3 内輪
4 車輪取付フランジ
5 ハブボルト
6 転動体
7 保持器
8、21、26、31 アウター側のシール
9、23、28 インナー側のシール
10 外方部材
10a 外側転走面
10b 車体取付フランジ
10c 外方部材の内周面
11 車輪取付フランジのインナー側の基部
12、16、22、25、27、30 芯金
12a、16a、22a、25a、27a、30a 嵌合部
12b、16b、22b、25b、27b、30b 内径部
13、17、32 シール部材
13a、17a、17b サイドリップ
13b ダストリップ
13c、17c グリースリップ
14、24、29 シール板
15 スリンガ
15a、20a 円筒部
15b、20b 立板部
18 ラビリンスシール
19 磁気エンコーダ
20 ディフレクタ
25c 先端部
32a 中間リップ
50 外方部材
50a 外側転走面
51 内輪
51a 内側転走面
52 シール
53 スリンガ
53a 円筒部
53b 立板部
54 シール板
55 芯金
55a 嵌合部
55b 内径部
56 シール部材
56a サイドリップ
56c ダストリップ
56b グリースリップ
57 磁気エンコーダ
58 環状凸部
59 検出面
60 異常検出部
δ 軸方向すきま
e ラビリンスシールの径方向すきま
ε 異常検出部の径方向すきま

Claims (10)

  1. 内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封するシールと、を備えた車輪用軸受装置において、
    前記外方部材または内方部材に装着される部品が形状記憶合金により形成され、この部品が形状回復温度を超えた時に前記内方部材または外方部材あるいは前記内方部材または外方部材に装着された他の部品の方向に変形し、この変形に基づき異常が認識されることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記形状記憶合金により形成された部品が形状回復温度を超えた時に前記内方部材または外方部材あるいは前記内方部材または外方部材に装着された他の部品の方向に変形し、当該他の部品に接触するように設定されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記部品はシールの構成部品である請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記内方部材の外周面に前記形状記憶合金からなるディフレクタが圧入され、このディフレクタが断面L字状に形成されると共に、前記内方部材の外周面に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部とを備え、この立板部の先端部が前記外方部材の内周面に微小すきまを介して対向配置されている請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記形状記憶合金で形成されたシールの構成部品が形状回復温度を超えた時に変形し、この変形に伴って変化したシールの接触状態を電流の抵抗値から検出する請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  6. 前記シールが、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部とを有する断面コの字状に形成された芯金と、この芯金に一体に加硫接着され、径方向外方に傾斜して延び、円弧状に形成された車輪取付フランジの基部に摺接されるサイドリップを備え、前記芯金が請求項3または5に記載のシールの構成部品である車輪用軸受装置。
  7. 前記シール部材が、前記基部に対して微小なすきまを介して対向する中間リップを有している請求項6に記載の車輪用軸受装置。
  8. 前記シールが、断面がL字状に形成されて互いに対向配置された環状のシール板とスリンガとからなるパックシールで構成され、前記スリンガが、前記内方部材の外周面に圧入される円筒部と、この円筒部から径方向外方に延びる立板部からなると共に、前記シール板が、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部からなる芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合され、この芯金の内径側から径方向外方のインナー側に傾斜して延び、前記スリンガの立板部の側面に摺接するサイドリップを有するシール部材を備え、前記芯金が請求項3または5に記載のシールの構成部品である車輪用軸受装置。
  9. 前記形状記憶合金がTi−Ni系合金で形成されている請求項1、2および請求項5いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  10. 前記形状記憶合金の形状回復温度が120℃に設定されている請求項1、2、5および請求項9いずれかに記載の車輪用軸受装置。
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