JP2016037516A - 無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物およびこれを用いた絶縁電線、ケーブル - Google Patents

無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物およびこれを用いた絶縁電線、ケーブル Download PDF

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【課題】機械的強度と柔軟性と耐熱性とに優れ、絶縁性にも優れた無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物は、示差走査熱量計により測定された融解熱が60J/g以下の範囲にあるエチレン・酢酸ビニル共重合体を主成分とする樹脂成分を有し、引張強さが7MPa以上で伸びが350%以上の機械的強度を有し、100%モジュラスが6MPa以下の柔軟性を有し、150℃で96時間の熱老化試験後の引張強さ残率が80%以上で伸び残率が80%以上の耐熱性を有し、1×1014Ω・cm以上の体積抵抗率を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物およびこれを用いた絶縁電線、ケーブルに関する。
近年、ポリ塩化ビニルやハロゲン系難燃剤を使用しないノンハロゲン難燃電線・ケーブルが、いわゆるエコ電線・ケーブルとして急速に普及している。これらのノンハロゲン難燃電線・ケーブルでは、電線の絶縁体としてポリオレフィンに水酸化マグネシウムをはじめとするノンハロゲン難燃剤を多量に混和した樹脂組成物が用いられているのが一般的である(例えば特許文献1)。
しかしながら、水酸化マグネシウムをはじめとするノンハロゲン難燃剤を用いて、海外の難燃規格(EN、DIN、BS)に合格するような、垂直トレイ燃焼試験における高難燃化を実現するためには、多量のノンハロゲン難燃剤を混和する必要があり、このため、引張強さや伸びなどの機械的強度が大幅に低下しやすい。
赤リンなどの難燃助剤を加え、ノンハロゲン難燃剤を減量する方法もあるが、赤リンは燃焼時に有害なホスフィンを発生したり、廃却時にはリン酸を生成し地下水脈を汚染したりする懸念が指摘される。リンを難燃助剤等として使用しない無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物が望まれる。
特開平10−287777号公報
無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物は、機械的強度とともに、柔軟性や耐熱性も優れていることが望まれる。さらに、絶縁性も優れていることが望まれる。
本発明の一目的は、機械的強度と柔軟性と耐熱性とに優れ、絶縁性にも優れた無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物、およびこれを用いた絶縁電線、ケーブルを提供することである。
本発明の第1の観点によれば、
示差走査熱量計により測定された融解熱が60J/g以下の範囲にあるエチレン・酢酸ビニル共重合体を主成分とする樹脂成分を有し、引張強さが7MPa以上で伸びが350%以上の機械的強度を有し、100%モジュラスが6MPa以下の柔軟性を有し、150℃で96時間の熱老化試験後の引張強さ残率が80%以上で伸び残率が80%以上の耐熱性を有し、1×1014Ω・cm以上の体積抵抗率を有する無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物
が提供される。
本発明の第2の観点によれば、
導体と、
前記導体の外側を被覆する被覆層と
を有し、
前記被覆層は、第1の観点による無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物により形成されている、無リン系ノンハロゲン難燃性絶縁電線
が提供される。
本発明の第3の観点によれば、
絶縁電線と、
前記絶縁電線の外側を被覆する被覆層と
を有し、
前記被覆層は、第1の観点による無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物により形成されている、無リン系ノンハロゲン難燃性ケーブル
が提供される。
機械的強度と柔軟性と耐熱性とに優れ、絶縁性にも優れた無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物は、絶縁電線やケーブルに好ましく用いることができる。
本発明の一実施形態による無リン系ノンハロゲン難燃性絶縁電線の例を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態による無リン系ノンハロゲン難燃性絶縁ケーブルの例を示す概略断面図である。
以下、本発明の一実施形態による無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物について説明する。本願発明者は、後述の「実施例」の欄で説明する実験に基づいて、機械的強度と柔軟性と耐熱性とに優れ、絶縁性にも優れた無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物を得ることができることを見出した。
本実施形態による、機械的強度と柔軟性と耐熱性とに優れ、絶縁性にも優れた無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物とは、より具体的には、示差走査熱量計により測定された融解熱が60J/g以下の範囲にあるエチレン・酢酸ビニル共重合体を主成分とする樹脂成分を有し、引張強さが7MPa以上で伸びが350%以上の機械的強度を有し、100%モジュラスが6MPa以下の柔軟性を有し、150℃で96時間の熱老化試験後の引張強さ残率が80%以上で伸び残率が80%以上の耐熱性を有し、1×1014Ω・cm以上の体積抵抗率を有する無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物である。
示差走査熱量計(DSC)により測定された融解熱を、以下、単に「融解熱」と呼ぶ。なお、示差走査熱量計による融解熱の測定条件は、温度範囲−50℃〜200℃、昇温速度10℃/分である。「主成分」とは、無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物の樹脂成分中におけるエチレン・酢酸ビニル共重合体の含有量が、樹脂成分100質量部に対して50質量部以上であることをいう。
融解熱が低い、具体的には例えば60J/g以下の、エチレン・酢酸ビニル共重合体は、充填剤を多量に添加しても、機械的強度や柔軟性や耐熱性の低下が少なく、機械的強度と柔軟性と耐熱性とに優れた無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物の樹脂成分に好ましい材料であることが見出された。エチレン・酢酸ビニル共重合体の融解熱が60J/gを超えると、特に、耐熱性が低下しやすいことがわかった。エチレン・酢酸ビニル共重合体の融解熱は、50J/g以下であることがより好ましく、40J/g以下であることがさらに好ましい。
実施形態による無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物は、樹脂成分中に、好ましくは、マレイン酸変性エチレン共重合体を含有する。マレイン酸変性エチレン共重合体として、好ましくは、エチレンと炭素数が3から8のα−オレフィンとの共重合体を無水マレイン酸で変性したマレイン酸変性エチレン共重合体が用いられる。
このようなマレイン酸変性エチレン共重合体は、樹脂成分100質量部中で5質量部以上含有させることが好ましい。5質量部未満の添加量では、エチレン・酢酸ビニル共重合体とノンハロゲン難燃剤との密着性が低いため、十分な機械的強度(引張強さ)が得られ難くなるのではないかと推測される。
エチレンと炭素数が3から8のα−オレフィンとの共重合体としては、例えば、エチレン・プロピレンコポリマ、エチレン・ブテンコポリマ、エチレン・ヘキセンコポリマ、エチレン・オクテンコポリマ等を用いることができる。炭素数が3から8のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。これらの内、1−ブテン、1−オクテンがより好ましい。
実施形態による無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物は、難燃性向上の観点から、ノンハロゲン難燃剤を含有する。ノンハロゲン難燃剤は、難燃性に加え、機械的強度、柔軟性、耐熱性、および絶縁性が良好となるような量で添加されることが好ましい。ノンハロゲン難燃剤の含有量は、好ましくは、樹脂成分100質量部に対して100〜250質量部である。100質量部未満では難燃性が不十分であり、250質量部を超えると、機械的強度(引張強さおよび伸び)が大幅に低下し、柔軟性(100%モジュラス)も劣るためである。また、ノンハロゲン難燃剤の含有量が250質量部を超えると、絶縁性も劣る。
ノンハロゲン難燃剤として、好ましくは、例えば金属水酸化物(例えば水酸化マグネシウム)を用いることができ、柔軟性を考慮すると、より好ましくは、例えば、脂肪酸処理した水酸化マグネシウムが用いられる。
なお、実施形態による無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物には、上記成分以外に、他のポリマ、無機充填剤、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤等の添加剤を種々配合することが可能である。
例えば、樹脂成分中に添加される他のポリマとしては、例えばエチレン・ブテン共重合体が挙げられる。
次に、実施形態による無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物を用いて作製される構造物の例について説明する。第1の例として絶縁電線、第2の例としてケーブルについて説明する。
図1は、第1の例による無リン系ノンハロゲン難燃性絶縁電線10の概略構造を示す断面図である。絶縁電線10は、導体1と、導体1の外側を被覆する被覆層(絶縁層)2とにより構成されている。絶縁層2の材料として、上記実施形態による無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物を用いることができる。
図2は、第2の例による無リン系ノンハロゲン難燃性ケーブル11の概略構造を示す断面図である。ケーブル11は、複数本束ねられた絶縁電線10と、介在3と、(介在3を介し)絶縁電線10の外側を被覆する被覆層(シース)4により構成されている。シース4の材料として、上記実施形態による無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物を用いることができる。
実施形態による無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物を用いることにより、機械的強度と柔軟性と耐熱性とに優れ、絶縁性にも優れた無リン系ノンハロゲン難燃性絶縁電線やケーブルを得ることができる。
以下、上述の実施形態による無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物について検討するために行った実験について説明する。
まず、表1の実施例1〜5および比較例1〜5の各欄に示す成分を、ロールを用いて混練して、コンパウンドを作製した。
次に、このコンパウンドを100℃に保持した40mm押出機(L/D=22)を用い、導体径2.3mmの錫めっき銅撚線導体上に厚さ1.1mmに押出被覆し、その後13kg/cmのスチームにて3分間架橋を行った。
上記のようにして製造した絶縁電線を用い、機械的強度(引張強さ、伸び)、柔軟性(100%モジュラス)、耐熱性(引張強さ残率、伸び残率)、体積抵抗率、および難燃性(VTFT)を評価した。
機械的強度、柔軟性、および耐熱性は、JIS C 3005の「4.16 絶縁体及びシースの引張り」および「4.17 加熱」に準拠し、絶縁電線から導体を引き抜いてチューブ形状とした絶縁層に対して測定した。引張強さは7MPa以上、伸びは350%以上、100%モジュラスは6MPa以下を目標とした。耐熱性は、150℃で96時間熱老化試験機に入れた後、取出し、機械的強度(試験後)を測定し、これらの初期(試験前)の値と比較した。具体的には、引張強さ残率(%)=(試験後の引張強さ/試験前の引張強さ)×100、伸び残率(%)=(試験後の伸び/試験前の伸び)×100(%)として、これらの数値がいずれも80%以上を目標とした。
体積抵抗率は、JIS K 6271の「6. 二重リング電極法」に準拠し、プレス架橋で厚さ1mmのシートを作製し、500V1分間の条件で測定した。1×1014Ω・cm以上を目標とした。難燃性は、BS6853規格、BS EN60332Part3−21試験法に準拠し、垂直トレイ燃焼試験(VTFT)を行った。全長3.5mの電線を7本撚りの1束とし、11束を等間隔で垂直に並べ、20分間燃焼させた後、自己消炎後、炭化長が下端部より2.5m以下を目標とした。
評価結果は表1の下欄に示したとおりである。機械的強度、柔軟性、耐熱性、体積抵抗率、および難燃性の評価が上述の目標を満たしたサンプルを実施例とし、満たさなかったサンプルを比較例とした。
なお、上述のような評価指標について、機械的強度の引張強さと伸び、耐熱性の引張強さ残率と伸び残率、および体積抵抗率は、値が大きくなるほど「特性が向上する(良好な特性)」と表現され、値が小さくなるほど「特性が低下する」と表現される。一方、柔軟性の100%モジュラス、および難燃性(炭化長)は、値が小さくなるほど「特性が向上する(良好な特性)」と表現され、値が大きくなるほど「特性が低下する」と表現される。
Figure 2016037516
実施例1〜5は、機械的強度、柔軟性、耐熱性、体積抵抗率、難燃性のいずれも良好であった。このように、機械的強度と柔軟性と耐熱性とに優れ、絶縁性にも優れた無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物を得ることができることがわかった。
比較例1では、実施例1〜5と比べて、耐熱性の低下が見られる。実施例1では、融解熱が5J/gのエチレン・酢酸ビニル共重合体を用いることで、また、実施例2〜5では、融解熱が40J/gのエチレン・酢酸ビニル共重合体を用いることで、耐熱性等の良好な特性が得られているのに対し、比較例1では、融解熱が70J/gのエチレン・酢酸ビニル共重合体を用いることで、耐熱性が低下しているのではないかと推測される。
これらの結果より、エチレン・酢酸ビニル共重合体の融解熱が、70J/gより少し低い値以下、例えば、好ましくは60J/g以下、より好ましくは50J/g以下であれば、耐熱性等の良好な特性を得やすいのではないかと推測される。エチレン・酢酸ビニル共重合体の融解熱は、40J/g以下であれば、さらに好ましいといえる。なお、エチレン・酢酸ビニル共重合体の融解熱の下限は特に限定されず、0J/gであってもよい。
実施例2と実施例4とを比べると、難燃剤の添加量が増えるにつれ、機械的強度、柔軟性、および耐熱性が低下する傾向が見られる。しかし、実施例4では、難燃剤が、樹脂成分100質量部に対し200質量部と多量に添加されているにも係らず、機械的強度、柔軟性、および耐熱性の低下が、許容できる程度に抑制されている。
このことより、融解熱が例えば60J/g以下と低いエチレン・酢酸ビニル共重合体は、難燃剤等の充填剤を多量に添加しても、機械的強度や柔軟性や耐熱性の低下が少なく、機械的強度と柔軟性と耐熱性とに優れた無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物の樹脂成分の主成分として好ましい材料であるといえる。
なお、実施例1〜5の樹脂成分において、エチレン・酢酸ビニル共重合体に、マレイン酸変性エチレン共重合体が添加されている。また、実施例5では、マレイン酸変性エチレン共重合体とともにエチレン・ブテン共重合体が添加されている。これらのマレイン酸変性エチレン共重合体、エチレン・ブテン共重合体の融解熱は、それぞれ20J/g、27J/gと、上述の低い融解熱の目安である60J/g、50J/g、あるいは40J/gと比べて低い。このように、樹脂成分中に(例えば60J/gを超えるような)融解熱の高いポリマが添加されていないことで、樹脂成分全体の平均的な融解熱も低く保たれていることにより、良好な諸特性が得られ易くなっているのではないかと推測することもできる。樹脂成分中でエチレン・酢酸ビニル共重合体に添加されるポリマの融解熱は、60J/g以下であることが好ましく、50J/g以下であることがより好ましく、40J/g以下であることがさらに好ましい。
比較例2では、実施例1〜5と比べて、機械的強度の引張強さや、耐熱性の低下が見られる。実施例1〜5では、エチレンと炭素数が3から8のα−オレフィンとの共重合体を無水マレイン酸で変性したマレイン酸変性エチレン共重合体を、樹脂成分100質量部中に5〜20質量部添加することで、良好な諸特性が得られているのに対し、比較例2では、このようなマレイン酸変性エチレン共重合体の添加量が2質量部と少なくなっていることで、引張強さ等が低下しているのではないかと推測される。これらの結果より、このようなマレイン酸変性エチレン共重合体は、樹脂成分100質量部中で5質量部以上添加することが好ましいといえる。
なお、このようなマレイン酸変性エチレン共重合体は、エチレン・酢酸ビニル共重合体と、ノンハロゲン難燃剤(例えば、脂肪酸処理した水酸化マグネシウム)との界面を密着させて、機械的強度(引張強さ)を向上させる機能等を持つのではないかと推測され、添加量を5質量部以上とすることで、このような効果が十分に得られやすくなるのではないかと推測される。なお、このようなマレイン酸変性エチレン共重合体の含有量の上限は、樹脂成分中で多くなり過ぎない程度の量、例えば30質量部である。
比較例3では、実施例1〜5と比べて、機械的強度や柔軟性等の低下が見られる。例えば実施例4では、樹脂成分100質量部に対するノンハロゲン難燃剤の添加量を200質量部として良好な諸特性が得られているのに対し、比較例3では、ノンハロゲン難燃剤の添加量が270質量部と多すぎるため、機械的強度等が低下しているのではないかと考えられる。これらの結果より、ノンハロゲン難燃剤の添加量が、270質量部よりやや少ない量以下、例えば250質量部以下であれば、機械的強度等の良好な特性が得やすいのではないかと推測される。
比較例5では、実施例1〜5と比べて、難燃性が低下している。例えば実施例2では、ノンハロゲン難燃剤の添加量を150質量部として良好な諸特性が得られているのに対し、比較例5では、ノンハロゲン難燃剤の添加量が80質量部と少なすぎるため、難燃性が低下していると考えられる。これらの結果より、ノンハロゲン難燃剤の添加量が、80質量部よりやや多い量以上、例えば100質量部以上であれば、難燃性等の良好な特性が得やすいのではないかと推測される。
比較例4では、実施例1〜5と比べて、柔軟性の低下が見られる。実施例1〜5では、ノンハロゲン難燃剤として脂肪酸処理水酸化マグネシウムを用いることで、良好な諸特性が得られているのに対し、比較例4では、ノンハロゲン難燃剤としてシラン処理水酸化マグネシウムを用いることで、柔軟性の低下が見られるのではないかと考えられる。これらの結果より、ノンハロゲン難燃剤としては、脂肪酸処理水酸化マグネシウムを用いることが好ましいといえる。
なお、ノンハロゲン難燃剤としてシラン処理水酸化マグネシウムを用いると、エチレン・酢酸ビニル共重合体とノンハロゲン難燃剤との密着性が高くなりすぎて、柔軟性が低下するのではないかと推測される。一方、脂肪酸処理水酸化マグネシウムを用いると、エチレン・酢酸ビニル共重合体とノンハロゲン難燃剤との適度な密着性が得られることにより、良好な柔軟性が得られやすいのではないかと推測される。
実施例5は、樹脂成分中にエチレン・ブテン共重合体を含有させている。エチレン・ブテン共重合体の添加により、柔軟性の向上が見られる。なお、エチレン・ブテン共重合体の添加により、体積抵抗率が向上することも確認されている。
以上、実施形態および実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
1 導体
2 絶縁層
3 介在
4 シース
10 絶縁電線
11 ケーブル

Claims (5)

  1. 示差走査熱量計により測定された融解熱が60J/g以下の範囲にあるエチレン・酢酸ビニル共重合体を主成分とする樹脂成分を有し、引張強さが7MPa以上で伸びが350%以上の機械的強度を有し、100%モジュラスが6MPa以下の柔軟性を有し、150℃で96時間の熱老化試験後の引張強さ残率が80%以上で伸び残率が80%以上の耐熱性を有し、1×1014Ω・cm以上の体積抵抗率を有する無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物。
  2. 前記樹脂成分は、エチレンと炭素数が3から8のα−オレフィンとの共重合体を無水マレイン酸で変性したマレイン酸変性エチレン共重合体を、前記樹脂成分100質量部に対して5質量部以上含有し、
    ノンハロゲン難燃剤を、前記樹脂成分100質量部に対して100〜250質量部含有する請求項1に記載の無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物。
  3. ノンハロゲン難燃剤として、脂肪酸処理した水酸化マグネシウムを有する請求項1または2に記載の無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物。
  4. 導体と、
    前記導体の外側を被覆する被覆層と
    を有し、
    前記被覆層は、請求項1〜3のいずれかに記載の無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物により形成されている、無リン系ノンハロゲン難燃性絶縁電線。
  5. 絶縁電線と、
    前記絶縁電線の外側を被覆する被覆層と
    を有し、
    前記被覆層は、請求項1〜3のいずれかに記載の無リン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物により形成されている、無リン系ノンハロゲン難燃性ケーブル。
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