JP2016036006A - Pzt系圧電セラミック材料及びそれを用いた圧電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】+5価や+6価の金属元素を添加してBサイト元素を置換することで、Aサイトに位置する鉛(Pb)の組成比が1未満であるにもかかわらず安定したペロブスカイト(perovskite)結晶構造を形成して、優れた誘電特性及び圧電特性を保持することができるPZT系圧電セラミック材料及びそれを用いた圧電素子を提供する。
【解決手段】PZT系圧電セラミック材料は、ABOペロブスカイト(perovskite)結晶構造を有し、一般式Pb(ZrTi)M1−y−zで表されるPZT系圧電セラミック材料であって、ここで、0.830≦x≦0.964、0.43≦y≦0.55、0.43≦z≦0.55であり、Mが+5価または+6価の金属元素である。
【選択図】図1

Description

本発明は、PZT系圧電セラミック材料及びそれを用いた圧電素子に関する。
近年、微小電気機械システム(Micro ElectroMechanical Systems:MEMS)などの軽薄小型化している様々な素子への活用のために、圧電薄膜の重要性が高まっている。
特に、チタン酸ジルコン酸鉛(Lead Zirconate Titanate:PZT)は、優れた強誘電性、残留分極及び圧電特性により、現在、各種センサ、スイッチ、共振子、メモリー素子などの広範囲な分野で応用及び研究されている。PZT系圧電材料は、ABOで表されるペロブスカイト(perovskite)構造を形成する際に圧電特性を発現するが、このペロブスカイト構造は、PZT系圧電材料の組成が化学量論(stoichiometry)と正確に一致する際に得られる構造である。
通常、鉛(Pb)は、融点が低くて比較的に揮発しやすい傾向にある。このような点を考慮して、PZT系圧電体の製造時には、化学量論を維持するために余分のPbを10〜50%で添加する。しかし、この余分のPbが全て消耗されずにPZT系圧電体の内部にPbやPbO相として局所的に存在することで、結局、降伏電圧(breakdown voltage)または誘電/圧電特性を低下させる主要原因として作用する。
PZTが圧電特性を表すためには、ペロブスカイト結晶構造を形成しなければならず、この際、Pb(ZrTi1−y)Oにおいて、化学量論比xとyは1≦x≦1.3、0.1≦y≦0.9の範囲を有しなければならない。ここで、Pbの組成比が1未満である場合には、ペロブスカイト結晶構造が形成されず、フルオライト(fluorite)またはパイロクロール(pyrochlore)結晶構造が形成されるため、Bサイトの非対称性が損失されて圧電特性が表れない。
これを補完するために、通常、PZTの製造時には、余分のPbを添加することで最終組成が化学量論と一致するように調整して、ペロブスカイト構造を形成する。しかし、過度に含まれたPbが金属やPbOの酸化物形態で残留して、最終PZT特性を低下させる。Pbの組成比を正確に制御することが不可能であるため、このような欠点にもかかわらず必要以上のPbを添加している状況である。
一方、特許文献1には、圧電特性を低下させることなく耐久性を向上させるPb含有圧電薄膜を備えた圧電素子が開示されており、特許文献2には、PZTセラミック系にMn、Sb、Nbの元素を添加し、そのモル比を調節することで、電気機械結合係数及び機械的品質係数が大きく、キュリー温度が高く、振動による自体発熱が少なく、機械的強度の高いマイクロ変圧器及びその焼成方法が開示されている。
特開2010−034448号公報 韓国公開特許第2001−0067818号公報
本発明の目的は、+5価や+6価の金属元素を添加してBサイト元素を置換することで、Aサイトに位置する鉛(Pb)の組成比が1未満であるにもかかわらず安定したペロブスカイト(perovskite)結晶構造を形成して、優れた誘電特性及び圧電特性を保持することができる圧電セラミック材料を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、+5価や+6価の金属元素を添加してBサイト元素を置換することで、Aサイトに位置する鉛(Pb)の組成比が1未満であるにもかかわらず安定したペロブスカイト(perovskite)結晶構造を形成して、優れた誘電特性及び圧電特性を保持することができる圧電セラミック材料を用いた圧電素子を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明によるPZT系圧電セラミック材料は、結晶格子Aサイト(site)及び結晶格子Bサイト(site)を含むABOペロブスカイト(perovskite)結晶構造を有し、一般式Pb(ZrTi)M1−y−zで表されるものであって、ここで、0.830≦x≦0.964、0.43≦y≦0.55、0.43≦z≦0.55であり、Mは+5価または+6価の元素である。
本発明の他の目的を達成するための圧電素子は、基板と、前記基板の一面に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成された圧電薄膜と、前記圧電薄膜上に形成された上部電極と、を含むものであって、前記圧電薄膜は、ABOペロブスカイト(perovskite)結晶構造を有し、一般式Pb(ZrTi)M1−y−zで表され、ここで、0.830≦x≦0.964、0.43≦y≦0.55、0.43≦z≦0.55であり、Mは+5価または+6価の元素であるPZT系圧電セラミック材料で製造される。
本発明のPZT系圧電セラミック材料及びそれを用いた圧電素子は、+5価や+6価の金属元素を添加してBサイト元素を置換することで、Aサイトに位置する鉛(Pb)の組成比が1未満であるにもかかわらず安定したペロブスカイト(perovskite)結晶構造を形成して、優れた誘電特性及び圧電特性を保持することができる。
Pb組成比が1未満であるにもかかわらずペロブスカイト結晶を形成する、NbがドープされたPZT系圧電薄膜を示すグラフである。 Pb組成比が1未満であるにもかかわらず、従来のPZT系圧電薄膜より高い圧電定数を示すグラフである。
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は、添付図面に係る以下の詳細な説明及び好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、「一面」、「他面」、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するために用いられるものであり、構成要素が前記用語によって限定されるものではない。以下、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨を不明瞭にする可能性がある係る公知技術についての詳細な説明は省略する。
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
本発明は、微小電子機械素子(microelectromechanical device)や強誘電性ランダムアクセスメモリー(random acess memory)だけでなく、他の圧電素子及び強誘電性素子に有用性を有する能動圧電性膜の製造に商業的に有用な方法及びその利用に関する。本発明は、Si集積のための様々な分野に適用可能であり、圧電効果及び他の強誘電性を著しく向上させることができる圧電体であるPb(Zr、Ti)O(PZT)からなる新しい薄膜材料を提供する。
通常、Pb(Zr、Ti)O(PZT)は、ABOで表されるペロブスカイト(perovskite)結晶構造を有しており、この際、AサイトにはPbが位置し、BサイトにはZr及びTiが位置する。
本発明の一実施例による圧電性及び強誘電性を有する変形されたPZT系圧電セラミック材料は、AサイトにPbが位置し、Bサイトには主にZr及びTiが位置し、残りのサイトに+5価または+6価の元素が位置することで、Pbの組成比が1未満であるにもかかわらず、安定したペロブスカイト結晶構造を形成することができる。
本発明の一実施例によるPZT系圧電セラミック材料は、結晶格子Aサイト及びBサイトを含むABOペロブスカイト結晶構造を有し、一般式Pb(ZrTi)M1−y−zで表される。この際、Pb、Zr、及びTiの化学量論は、それぞれ0.830≦x≦0.964、0.43≦y≦0.55、0.43≦z≦0.55の範囲を満たすべきである。
具体的に、ABOペロブスカイト結晶構造を有するPZT系圧電セラミック材料において、Aサイトに含まれたPbの化学量論xが1未満、より具体的に0.964であると、ドープされていないPZTの場合、二次相のパイロクロール(pyrochlore)結晶相が部分的に含まれるため圧電特性が著しく低下する。
しかし、本発明によれば、Bサイトに存在するZr、Tiを+5価または+6価の金属元素で置換することで、化学量論的にAサイト原子が占める割合が0.964より少なくなる場合にもペロブスカイト結晶構造が安定的及び全体的に形成される。これにより、圧電特性が低下しない。
上記の効果を得るためのPZT系圧電セラミック材料は、一般式Pb(ZrTi)M1−y−zにおいて、Pb、Zr、及びTiの化学量論がそれぞれ0.830≦x≦0.964、0.43≦y≦0.55、0.43≦z≦0.55の範囲を満たすべきである。
Aサイトを占めるPbの化学量論xが0.830未満である場合には、ペロブスカイト構造を形成することができず、化学量論xが0.964を超える場合には、化学量論xが1である場合と実質的に同一であるため、+5価または+6価の金属元素をドープせずに余分のPbを添加して製造したPZT系圧電セラミック材料との差別化が困難となる。
また、前記Mは、+5価または+6価の金属元素からなる群から選択され、より具体的には、+5価の金属元素V、Nb、Sb、Ta及び+6価の金属元素Wの少なくとも一つ以上が選択されることができる。
すなわち、Pbの組成比が1未満である場合にペロブスカイト結晶構造を保持するためには、ABO構造において鉛(Pb)が位置すべきのAサイトが、空格子点(vacancy)で存在するようにしなければならない。そのために、Bサイトに導入できる元素のうち、NbまたはTa等の+5価または+6価の元素をドープ(doping)することで、全体的に電気的均衡を維持しながらAサイトに空格子点の形成を誘導する。これにより、ペロブスカイト結晶構造を保持することができる。
本発明の一具体例によれば、12〜14at%のNbがドープされて前記Bサイト元素が置換されることが好ましく、13at%のNbがドープされて前記Bサイト元素が置換されることがより好ましい。図1を参照すれば、Pb(ZrTi)Nb1−y−zの組成比において、13at%のNbをドープする場合、Pbの組成比が1未満であるにもかかわらず安定したペロブスカイト結晶構造が形成されることを確認することができる。この際、添加されるドープ元素及びPb−空格子点の形成により、ペロブスカイト結晶構造の歪みを誘発することで、圧電特性を向上させることができる。
一方、図2は、化学量論を満たさず、Aサイトに位置し得るPbの組成比が1未満である際に、Pbの組成比による圧電定数値を示す。図2を参照すれば、Pbの組成比が1より小さい場合にも、既存のPZT系圧電膜に比べ優れた圧電特性を示すことが分かる。
Aサイトに含まれた原子の化学量論が0.83〜0.93であると、ドープされていないPZTの場合、二次相のパイロクロール(pyrochlore)結晶相が部分的に含まれるため圧電特性が低下する。
しかし、本発明によれば、化学量論的にAサイトの原子が占める割合が少ない場合にもペロブスカイト結晶構造が安定的及び全体的に形成されるため、圧電特性が低下しない。
この結果は、13%のNb5+がドープされることによる結果であって、Pbの組成比が0.83である場合には、既存のPZT系圧電薄膜と類似に絶対圧電定数値が12C/mを示し、Pbの組成比に応じて、絶対圧電定数値が最大15.1C/mを示す。通常、パイロクロール結晶相の形成をできるだけ抑えるために10〜40%のPbを過度に添加するPZTによりも、優れた圧電特性を示す。
過度に添加されたPbにより、残留Pbが金属や酸化物の形態で圧電膜に残留し、誘電特性及び電気的特性が低下する問題を根本的に抑えることができる。もし+6価の元素をドープすると、Pbの組成比がさらに低い場合にもPZT系圧電膜と同様の圧電特性を示すはずである。
この圧電特性だけでなく、前記組成で形成されるPb−空格子点やドープ元素の電気的特性を活用すれば、自発分極などの特性を誘導することができる。すなわち、電極との界面でPb−空格子点またはドープ元素を制御することで局所的な電気的均衡を形成して、内部バイアス(internal−bias)を誘導すれば、電場の勾配により圧電薄膜が蒸着されるとともに、分極方向が一定に配列される自発分極特性が発現される。
また、本発明の一実施例によれば、Pbを過度に添加しないため、特性を低下させる過度な残留PbやPbO相が形成されない。したがって、優れた電気的、誘電的及び圧電特性を発現することができる。また、局所的な電気的均衡を制御することで、圧電膜の蒸着とともに内部の分極方向を一定に配列することができるため、圧電膜の蒸着後における熱処理による(分極方向が初期状態に戻ろうとする性質による)劣化を最小化することができる。
本発明の他の実施例による圧電素子は、基板と、前記基板の一面に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成された圧電薄膜と、前記圧電薄膜上に形成された上部電極と、を含むことができる。
前記圧電薄膜は、一般式Pb(ZrTi)M1−y−zで表され、この際、0.830≦x≦0.964、0.43≦y≦0.55、0.43≦z≦0.55であり、Mは+5価または+6価の元素である。Pbの組成比が上述のxの範囲内に設定され、Zr、Ti及びMの組成比が上述のy及びzの範囲内に設定されると、Pbの組成比が1未満である場合にも、安定した圧電特性を示すペロブスカイト結晶構造が形成される。
以下、本発明による圧電セラミック材料の製造方法の一具体例について説明すれば、次のとおりである。
本発明の圧電セラミック材料は、通常の方法により製造されることができる。本発明による圧電セラミック材料を製造するためには、先ず、本発明の圧電セラミック材料を構成する成分の酸化物粉末と、+5価、+6価のBサイト置換元素の供給源とを秤量して混合する。
圧電セラミック材料を構成する成分のうち、PbはPbO、ZrはZrO、TiはTiOの形態で供給し、Bサイト置換元素の供給源のうち、NbはNb、ZnはZnO、NiはNiO、SbはSbの形態で供給して混合することが好ましい。
前記酸化物粉末と+5価、+6価のBサイト置換元素の供給源のスラリーの混合は、湿式ボールミルにより行うことが好ましく、ボールミルは、エタノール溶媒及び高純度の3Y−TZP(Tetragonal Zirconia Polycrystalline)ボールを用いて行うことが好ましい。
前記ボールミル工程では、通常、粉砕と混合が同時に行われる。上記のように混合する場合には、酸化物がスラリーの形態になる。
次に、上記のように混合した粉末スラリーを十分に乾燥させた後、結晶相を合成するためにか焼する。前記か焼温度が高すぎるか、か焼時間が長すぎると、粒子間の結合力が大きくなって後続する粉砕工程が困難となる恐れがあり、粒子成長が起こって焼結性が低下する恐れがある。したがって、このような点を考慮してか焼条件を設定することが好ましい。前記か焼温度及びか焼時間は800〜900℃で30分以上行うことが好ましく、2〜5時間行うことがより好ましい。
次に、か焼された粉末をさらに微粉砕する。前記微粉砕は、上記のようにエタノール及び3Y−TZP(Tetragonal Zirconia Polycrystalline)ボールを用いて行うことが好ましい。上記のように微粉砕されたか焼粉末はスラリーの形態になる。その後、微粉砕された粉末スラリーを所望の形状に成形してから乾燥する。
次に、上記のように乾燥された成形体を焼結する。ここで、焼結温度が高すぎるか焼結時間が長すぎると、結晶粒が大きく成長して機械的に弱くなり、またPbOの揮発が過度に発生して組成が変化して、圧電特性損失及び誘電損失が大きくなる。したがって、上記の点を考慮して焼結条件を設定することが好ましい。
前記焼結は、常圧下で900〜1200℃の温度範囲で30分以上行うことが好ましく、1100〜1200℃の温度範囲で1〜4時間行うことがより好ましい。上記のように焼成することで圧電セラミック材料が得られる。
本発明の圧電素子は、上記のように製造された圧電セラミック材料を用いて製造することができる。本発明による圧電素子の製造方法は特に限定されず、本発明が属する技術分野において通常的に用いられる方法であれば何れも可能である。
本発明の一実施例によれば、上記の方法により製造された圧電セラミック材料をターゲットとしてスパッタリングすることで圧電薄膜を形成することができ、これを用いて圧電素子を製造することができる。
本発明の一実施例による圧電素子は、基板と、前記基板の一面に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成された圧電薄膜と、前記圧電薄膜上に形成された上部電極と、を含むことができる。
前記基板の材料は特に制限されないが、通常、850℃以下で、特に、本発明の圧電薄膜の製造方法において400℃以上700℃以下で行われる焼成段階で、変形または溶融されない材料が好ましい。
そのため、例えば、シリコン(Si)またはタングステン(W)からなる半導体基板または耐熱ステンレス鋼(SUS)基板が好適に用いられるが、ジルコニア、アルミナ、シリカなどのセラミックが用いられてもよい。また、複数種の前記材料を組み合わせてもよく、材料を積層して多層構造を形成してもよい。材料は、白金及びパラジウムなどの金属層とともに組み合わされて積層されることができる。
前記下部電極及び上部電極はそれぞれ、約5〜2000nmの層厚さを有する導電層で構成される。前記電極の材料は特に制限されないが、圧電素子において通常的に用いられる任意の材料が用いられることができる。
例えば、Ti、Pt、Ta、Ir、Sr、In、Sn、Au、Al、Fe、Cr、Niなどの金属及びこれら金属の酸化物を含む。下部電極及び上部電極はそれぞれ、これらのうち1種からなってもよく、これらのうち2種以上が積層されてなってもよい。金属または酸化物は、ゾル−ゲル法、スパッタリング(sputtering)法、蒸着法などにより形成されることができる。前記下部電極及び上部電極は両方とも所望の形状にパターン化して用いられてもよい。
本発明の一実施例による圧電素子は、一面に下部電極が形成された基板を準備した後、前記下部電極上に、一般式Pb(ZrTi)M1−y−zで表され、0.830≦x≦0.964、0.43≦y≦0.55、0.43≦z≦0.55であり、Mが+5価または+6価の元素である圧電セラミック材料を用いてスパッタリング法により圧電薄膜を形成し、その圧電薄膜上に上部電極を形成することで製造することができる。
本発明の一実施例によれば、前記圧電素子はスパッタリング法で形成することができる。圧電素子をスパッタリングするために、単一酸化物ターゲット(single oxide target)を用いることができる。
単一酸化物ターゲットは、各組成比に応じて秤量した酸化物粉末を混合、成形、及び高温焼結することで製造することができ、このように製造された圧電セラミック焼結体をターゲットとしてラジオ周波数(radio frequency)スパッタリングにより圧電薄膜を蒸着することができる。
前記圧電薄膜の膜厚は、1000nm以上4000nm以下であることができる。薄膜形状が平らでなくて膜厚が一つの値に決定されない場合には、素子に形成される時に実質的に圧電部材として機能する二つの電極間の厚さの平均値が、前記範囲内の値であることができる。圧電薄膜の膜厚が1000nm以上に設定されるときに、圧電素子に要求される変位量または力が得られる。厚さが4000nm以下に設定されるときに、素子の高密度化を期待することができる。
本発明の広範囲に属する圧電素子は、特に限定されないが、圧電性アクチュエーティング(actuating)デバイス、能動及び受動MEMSデバイス、可動マイクロレンズアレイまたは可動マイクロ鏡アレイなどの幾何及びスペクトル(または干渉)に基づくデバイスを含む光学デバイス、エタロン構造で共振空胴を変更してデバイスの反射率をデチューン(detune)させるスペクトルデバイス、圧電性膜のカンチレバー幾何に基づくマイクロポンプ及びマイクロ弁、高周波数適用超音波変換器、マイクロエレクトロニクス、非冷却赤外放射焦電気検出器、及び非揮発性強誘電性メモリー素子などを含む。
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
本発明は、PZT系圧電セラミック材料及びそれを用いた圧電素子に適用可能である。

Claims (18)

  1. ABOペロブスカイト(perovskite)結晶構造を有し、一般式Pb(ZrTi)M1−y−zで表されるPZT系圧電セラミック材料であって、ここで、0.830≦x≦0.964、0.43≦y≦0.55、0.43≦z≦0.55であり、Mが+5価または+6価の金属元素である、PZT系圧電セラミック材料。
  2. 前記Mが、V、Nb、Sb、Ta、及びWからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素である、請求項1に記載のPZT系圧電セラミック材料。
  3. 前記MがNbである、請求項1に記載のPZT系圧電セラミック材料。
  4. 前記MがTaである、請求項1に記載のPZT系圧電セラミック材料。
  5. 12〜14at%のNbがドープされた、請求項3に記載のPZT系圧電セラミック材料。
  6. 基板と、
    前記基板の一面に形成された下部電極と、
    前記下部電極上に形成された圧電薄膜と、
    前記圧電薄膜上に形成された上部電極と、を含む圧電素子であって、
    前記圧電薄膜は、ABOペロブスカイト(perovskite)結晶構造を有し、一般式Pb(ZrTi)M1−y−zで表されるものであって、ここで、0.830≦x≦0.964、0.43≦y≦0.55、0.43≦z≦0.55であり、Mが+5価または+6価の元素である、PZT系圧電セラミック材料を用いて製造された圧電素子。
  7. 前記Mが、V、Nb、Sb、Ta、及びWからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素である、請求項6に記載の圧電素子。
  8. 前記MがNbである、請求項6に記載の圧電素子。
  9. 前記MがTaである、請求項6に記載の圧電素子。
  10. 12〜14at%のNbがドープされた、請求項8に記載の圧電素子。
  11. 前記圧電薄膜が、ラジオ周波数(radio frequency)スパッタリング法により成膜される、請求項6に記載の圧電素子。
  12. 前記基板が、シリコン(Si)またはタングステン(W)からなる半導体基板または耐熱ステンレス鋼(SUS)基板である、請求項6に記載の圧電素子。
  13. 前記上部電極は、Ti、Pt、Ta、Ir、Sr、In、Sn、Au、Al、Fe、Cr、Niの金属及びこれら金属の酸化物からなる群から選択されるもので形成される、請求項6に記載の圧電素子。
  14. 前記下部電極は、Ti、Pt、Ta、Ir、Sr、In、Sn、Au、Al、Fe、Cr、Niの金属及びこれら金属の酸化物からなる群から選択されるもので形成される、請求項6に記載の圧電素子。
  15. 前記圧電薄膜は、1000nm以上4000nm以下の膜厚を有する、請求項6に記載の圧電素子。
  16. 前記圧電素子がMEMS(Micro ElectroMechanical Systems)デバイスである、請求項6に記載の圧電素子。
  17. 前記圧電素子が圧電性アクチュエーティングデバイスである、請求項6に記載の圧電素子。
  18. 前記圧電素子が光学デバイスである、請求項6に記載の圧電素子。
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