以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施の形態では、図1に示す第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させるためにスタートレバーSLに対する操作を行い、所定速度で回転している第1リールR1〜第3リールR3の挙動を変化させるためにストップボタンB1〜B3に対する操作を行うことを「遊技」と称し、「遊技」として、「本物遊技」と「擬似遊技」とを行うことができるようになっており、説明の便宜上、「本物遊技」を中断して「本物遊技」を再開させるまでの間において「本物遊技」を模して行われる「遊技」を「擬似遊技」と称する。
本実施形態の遊技機は、収納箱BX、前面上扉UD、および前面下扉DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1〜第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニットが収められている。また筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット(図示省略)が収められている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。なお本実施の形態では、図2に示すように、制御基板として遊技の進行を制御するメイン基板10と、メイン基板10から送信される信号を受けて遊技の進行状況に合わせた表示演出や音響演出を実行するための制御を行うサブ基板20とを含む複数種類の電子回路基板が設けられている。
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1〜第3リールR3は、ステッピングモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは個別に開閉可能に設けられており、前面上扉UDには第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定される。なお本実施形態の遊技機では、1回の本物遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が3枚または2枚に設定され、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1の中段、第2リールR2の下段、および第3リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。なお本実施形態の遊技機では、規定投入数が遊技状態に応じて異なっており、通常状態およびボーナス成立状態については、規定投入数が3枚に設定され、ボーナス状態については、規定投入数が2枚に設定される。
そして遊技結果は表示窓DW内の有効ラインL1に停止表示された図柄組合せによって判断され、有効ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットからメダルの払い出し等が行われる。
また前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス遊技の残り回数等の各種遊技情報が表示される。
また前面上扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCDが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。また本実施形態の遊技機では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。このスピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
また前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタン(投入操作手段)B0、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー(遊技開始操作手段)SL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタン(停止操作手段)B1〜B3などが設けられている。
本実施形態の遊技機では、本物遊技において、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作が許可(有効化)される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下していくと、ストップボタンB1〜B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜B3を解放すると、各ボタンのストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そして制御基板は、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また前面下扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、本物遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。
図2は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機は、メイン基板10およびサブ基板20を含む制御基板によって制御される。メイン基板10は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310や、ホッパーユニット320等の出力手段の動作制御を行う。またサブ基板20は、メイン基板10から送られてくる信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて表示装置330や、音響装置340等の出力手段の動作制御を行う。またメイン基板10やサブ基板20等の各基板の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そしてメイン基板10は、投入受付手段105と、乱数発生手段110と、内部抽選手段120と、リール制御手段130と、入賞判定手段140と、払出制御手段150と、リプレイ処理手段160と、遊技状態移行制御手段170と、通信制御手段175と、擬似遊技制御手段177と、メインメモリ190Mとを含んで構成されている。
投入受付手段105は、本物遊技において遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数(3枚または2枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSL(遊技開始操作手段)に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。なお本実施形態の遊技機では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。
また本実施形態の遊技機では、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また本実施形態の遊技機では、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットボタンB0が押下されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を巡回するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対する遊技開始操作(有効化されたスタートレバーSLへの最初の押下操作)により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、メインメモリ190Mのメイン抽選テーブル記憶手段191に格納されている複数種類の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、メイン抽選テーブル記憶手段191に、図3に示すような3種類の内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCが記憶されている。そして各内部抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役、およびボーナスなどの各種の役やハズレ(不当選)が対応づけられている。
なお本実施形態の遊技機では、小役として、ベル、特殊小役A1〜特殊小役A6、特殊小役B1〜特殊小役B2、チェリーが用意されており、小役の当選態様として、打順ベル1〜打順ベル12、およびチェリーが設定されている。打順ベルの当選態様は、図4に示すように、ベルと、特殊小役A1〜特殊小役A6のいずれか1種類と、特殊小役B1および特殊小役B2のいずれか1種類とを含む3種類の小役が重複して当選するように、同一の乱数値に対して当選態様に応じた3種類の小役が対応づけられていることを示している。
また本実施形態の遊技機では、リプレイとして、リプレイ1〜リプレイ11が用意されており、リプレイの当選態様として、図5に示すように、特殊リプレイ1、特殊リプレイ2、通常リプレイ、ベルリプレイ、弱スイカリプレイ、強スイカリプレイ、弱チャンスリプレイ1、弱チャンスリプレイ2、強チャンスリプレイが設定されている。これらのリプレイの当選態様は、同一の乱数値に対して当選態様に応じた1種類または複数種類のリプレイが対応づけられていることを意味する。
また本実施形態の遊技機では、ボーナスとしてビッグボーナス(BB)が用意されており、内部抽選テーブルAでは、ビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されているが、内部抽選テーブルBおよび内部抽選テーブルCでは、ビッグボーナス(BB)が抽選対象から除外されている。
また本実施形態の遊技機では、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、抽選テーブル選択処理では、遊技状態に応じて内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのいずれか1つを内部抽選で使用する内部抽選テーブルとして選択する。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値についてメインメモリ190Mのメイン抽選テーブル記憶手段191に記憶されている内部抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。本実施形態の遊技機では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお抽選フラグの設定情報は、メインメモリ190Mの抽選フラグ記憶手段192に格納される。
また本実施形態の遊技機では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナス(BB)があり、小役およびリプレイは後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選すると、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナス(BB)が入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段120は、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナス(BB)の抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。また本実施形態の遊技機では、ボーナス状態での遊技における抽選フラグ設定処理において、内部抽選の結果に関わらずに全ての小役についての抽選フラグが強制的に当選状態に設定される。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへの遊技開始操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動を開始し、第1リールR1〜第3リールR3が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)で定常回転しているリールに対応するストップボタンB1〜B3(停止操作手段)を押下することによる停止操作を有効化する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じた態様で停止させる制御を行う。
そしてリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作が有効化された状態において、遊技者がストップボタンB1〜B3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、ストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。
すなわちリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3を停止させるための操作に対応する。すなわち本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1〜B3の押下順序が変化すると、第1リールR1〜第3リールR3の停止順序が変化する。
また本実施形態の遊技機では、原則的には、第1リールR1〜第3リールR3について、ストップボタンB1〜B3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止し、ボーナス状態では、例外的に第1リールR1について、ストップボタンB1が押下された時点から75ms以内に停止し、第2リールR2および第3リールR3について、ストップボタンB2,B3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止するようになっている。そしてストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合には、回転している各リールの停止位置は、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲、第1の引き込み範囲)で決定される。またストップボタンの押下時点から75ms以内に回転中のリールを停止させる場合には、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに要するコマ数が0〜1コマの範囲(所定の引き込み範囲より狭い引き込み範囲、第2の引き込み範囲)で決定される。そして、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内(190ms以内に停止させる場合)、あるいは0コマ〜1コマの範囲内(75ms以内に停止させる場合)に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
そして本実施形態では、図6に示すように、リールユニット310を構成する第1リールR1〜第3リールR3の外周面に対して、赤7図柄A「赤7A」、赤7図柄B「赤7B」、白7図柄「白7」、BAR図柄「BAR」、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄「BL」、スイカ図柄A「WMA」、スイカ図柄B「WMB」、スイカ図柄C「WMC」、およびチェリー図柄「CH」が配列されており、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を有効ライン上に引き込む場合には、各リールの外周面において4コマ以内の間隔で配列されている図柄(例えば、ベル図柄「BL」やリプレイ図柄「BL」)について、押下検出位置に関わらずに、任意の表示位置に表示させることができるようになっている。
またリール制御手段130は、優先度により回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算と、メインメモリ190Mの停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理とを行っている。
まずロジック演算では、役毎に定められた優先順位データに従ってストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。なおボーナス状態では、第1リールR1については押下検出位置から0コマ〜1コマの範囲内に存在する2コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求め、第2リールR2および第3リールR3については上記と同様に押下検出位置に対応する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。そして各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただしロジック演算では、内部抽選の結果や押下検出位置などに応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合があり、最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、後述するテーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。
特に本実施形態の遊技機では、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められており、ロジック演算では、2種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合には、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補について優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。
なお本実施形態の遊技機では、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先度は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める場合とが存在し、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように各停止位置の候補についての優先度を求め、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先度を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先度はそれぞれ同一のものとして扱われる。
そして本実施形態では、打順ベルが当選した場合に、ストップボタンB1〜B3の押下順序に応じたロジック演算が行われる。具体的には、図7に示すように、打順ベル1〜打順ベル12のそれぞれに対して正解打順が設定されており、正解打順と異なる順序が不正解打順として扱われる。
そして図7に示すように、打順ベルが当選した場合には、いずれの打順ベルにおいてもストップボタンB1を最初に押下する順序(打順1,2)が不正解打順となっており、打順ベル1〜打順ベル6についてはストップボタンB2を最初に押下する順序(打順3,4)のうち1種類が正解打順となり、打順ベル7〜打順ベル12についてはストップボタンB3を最初に押下する順序(打順5,6)のうち1種類が正解打順となっている。
そして、いずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、メダルの払出数に応じて優先度を求めるロジック演算を行い、メダルの払出数が最も多くなる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。また、いずれかの打順ベルが当選した場合に、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの種類に応じて停止位置の候補についての優先度を求めるロジック演算を行い、最も多くの入賞形態を構成する図柄組合せを表示させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。なお本実施形態では、ボーナス成立状態において、いずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、最初のリールを停止させる際にはメダルの払出数が最も多くなる停止位置の候補が最も多くの入賞形態を構成する図柄組合せを表示させることができる停止位置の候補となっており、2番目以降に停止するリールにおいても正解打順である場合には引き続きメダルの払出数が最も多くなる停止位置の候補の優先度が高くなり、2番目以降に停止するリールにおいて不正解打順に転じた場合には最も多くの入賞形態を構成する図柄組合せを表示させることができる停止位置の候補の優先度が高くなるようになっている。
また本実施形態では、いずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、メダルの払出数が最も多くなるベルを入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われ、不正解打順であってストップボタンB1が最初に押下される順序でストップボタンB1〜B3が押下されると、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が最も多くなる特殊小役A(特殊小役A1〜特殊小役A6のいずれか)を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われ、不正解打順であってストップボタンB2やストップボタンB3が最初に押下される順序でストップボタンB1〜B3が押下されると、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が最も多くなる特殊小役B(特殊小役B1または特殊小役B2)を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われる。
またロジック演算では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方、蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このようにリール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算を行っている。
また本実施形態の遊技機では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス315を備えており、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックス315で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックス315によって検出されるコマ)からの回転角度(ステッピングモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわちリール制御手段130は、ストップスイッチ240の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
テーブル参照処理では、ロジック演算を行った結果、最も優先度の高い停止位置の候補が複数得られた場合に、いずれの位置を停止位置とするかを、メインメモリ190Mの停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照して決定する。
ここで停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、ストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置と、停止位置との対応関係が設定されている。なお停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、押下検出位置と押下検出位置から停止位置までの回転量を示す滑りコマ数との対応関係が設定されていてもよい。
そして内部抽選で打順ベル1〜打順ベル12のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図7に示すように、それぞれの打順ベルに対して正解打順が設定されており、正解打順いずれと異なる押下順序は不正解打順として扱われる。そして本実施形態では、いずれかの打順ベルが当選した場合に参照される停止制御テーブルにおいて、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、ベルが入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順であってストップボタンB1が最初に押下される順序でストップボタンB1〜B3が押下されると、特殊小役A(特殊小役A1〜特殊小役A6のいずれか)が入賞する場合と、いずれの役も入賞しない場合(取りこぼし)とが存在するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順であってストップボタンB2やストップボタンB3が最初に押下される順序でストップボタンB1〜B3が押下されると、特殊小役B(特殊小役B1または特殊小役B2)が入賞する場合と、いずれの役も入賞しない場合(取りこぼし)とが存在するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。このように本実施形態では、打順ベルの当選時に参照される停止制御テーブルにおいて、正解打順では最も多くのメダルが払い出されるように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順では有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数が最も多くなるように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、メインメモリ190Mの入賞判定テーブル記憶手段194に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した時点で有効ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ライン上に表示された図柄組合せによって、図8〜図12に示すように、ビッグボーナス(BB)、リプレイ1〜リプレイ11、ベル、特殊小役A1〜特殊小役A6、特殊小役B1〜特殊小役B2、チェリーの入賞の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、入賞時処理が実行される。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160によってリプレイ処理が行われ、ボーナスが入賞した場合には遊技状態移行制御手段170によって遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段150は、本物遊技の遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニット320(払出装置)に払い出させる制御を行う。
なお本実施形態では、図11および図12に示すように、小役の配当が規定投入数によって決定され、規定投入数が3枚である場合にはベルの配当が規定投入数よりも高く設定されているがベル以外の小役の配当は規定投入数以下に設定されており、規定投入数が2枚である場合にはベルを含む全ての小役の配当が規定投入数と同数以下に設定されている。
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられており、払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいてホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。
なおメダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、メインメモリ190Mのクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段160は、本物遊技においてリプレイが入賞した場合に、次回の本物遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の本物遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、前回の本物遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバーSLに対する遊技開始操作を待機する。
遊技状態移行制御手段170は、図13に示すように、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。具体的には、通常状態においてビッグボーナス(BB)が当選した場合にボーナス成立状態へ移行する。また通常状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのうち、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定され、かつビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されている内部抽選テーブルAを参照した内部抽選が行われる。
ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのうち、リプレイの当選確率が約1/3.8に設定され、かつビッグボーナス(BB)が抽選対象から除外された内部抽選テーブルBを参照した内部抽選が行われる。そしてボーナス成立状態において参照される内部抽選テーブルBでは、図3に示すように、内部抽選でハズレ(不当選)が発生することがなく、毎回の遊技で小役あるいはリプレイが当選するようになっている。
またボーナス成立状態では、ビッグボーナス(BB)が入賞するまでビッグボーナス(BB)に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる。
ボーナス状態は、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCのうち、全ての乱数値に対してハズレが対応づけられた内部抽選テーブルCを参照した内部抽選が行われるが、内部抽選の結果に関わらずに全ての小役についての抽選フラグが強制的に当選状態に設定され、第1リールR1については図柄の引き込み範囲が0コマ〜1コマに設定され、第2リールR2と第3リールR3については図柄の引き込み範囲が0コマ〜4コマに設定されてリールを停止させる制御が行われる。
またボーナス状態では、ボーナス状態によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数(例えば、10枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態移行制御手段170は、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御を行う。
通信制御手段175は、サブ基板20に対して信号を出力する制御と、外部装置であるホールコンピュータ410(遊技場に設置されている遊技機を集中管理するコンピュータ)やデータカウンタ420(遊技場に設置されている各遊技機に個別接続され、遊技機の遊技履歴に関する情報を表示する機器)などに対して信号を出力する制御とを行っている。なお本実施形態の遊技機では、メイン基板10とサブ基板20との間では、メイン基板10からサブ基板20への単方向通信のみが可能となっており、サブ基板20からはメイン基板10へ信号を送信することができないように通信接続されている。
そして通信制御手段175は、内部抽選手段120が内部抽選を行うと、サブ基板20に対して抽選結果信号を出力することによって、サブ基板20に内部抽選の結果を通知する。また通信制御手段175は、メダルを投入するためにベットボタンB0が押下されたり、スタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われたり、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作が行われたりすると、サブ基板20に対して操作通知信号を出力することによって、サブ基板20にベットボタンB0が押下されたことや、スタートレバーSLが押下されたことや、押下されたストップボタンの種類など遊技者の行った操作を通知する。また通信制御手段175は、サブ基板20に対して遊技状態信号を出力することによって、サブ基板20に現在の遊技状態を通知する。このように本実施形態の遊技機では、メイン基板10から出力される抽選結果信号、操作通知信号および遊技状態信号に基づいて、サブ基板20の演出制御手段180が内部抽選の結果、遊技者が行った操作、および現在の遊技状態に応じた演出や抽選などを実行することができるようになっている。
また本実施形態では、通信制御手段175は、スタートレバーSLに対して遊技開始操作が行われたことに基づいて遊技開始信号を出力し、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作が完了したことに基づいて遊技終了信号を出力し、遊技開始信号と遊技終了信号とによってホールコンピュータ410やデータカウンタ420に1回分の遊技が行われたことを通知する。
擬似遊技制御手段177は、スタートレバーSLに対して遊技開始操作が行われてからストップボタンB1〜B3に対する停止操作が有効化されるまでの間において、所定条件の成立に基づいて本物遊技の進行を中断して、本物遊技を模した擬似遊技を行わせてから本物遊技の進行を再開することによって、1回の本物遊技を、擬似遊技を含めた複数回の遊技として体験させるための擬似遊技関連処理を行う。
本実施形態では、内部抽選で特殊リプレイ1または特殊リプレイ2が当選したことに基づいて擬似遊技関連処理が実行される。そして擬似遊技制御手段177は、擬似遊技関連処理として、導入処理(第1処理)、セット遊技処理(第2処理)、および復帰処理(第3処理)を順に実行する。
導入処理では、内部抽選で特殊リプレイ1,2のいずれかが当選したことに基づいて、導入処理に係る擬似遊技における擬似当選役を擬似リプレイ1として、擬似リプレイ1に対応する抽選フラグを当選状態に設定するとともに、リール制御手段130によって本物遊技と同様に第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させ、各リールの回転速度が所定速度以上に達してからストップボタンB1〜B3に対する操作を擬似停止操作として受け付け可能とする。そしてストップボタンB1〜B3に対する擬似停止操作が行われると、擬似停止操作に対応する回転中のリールについてリールの擬似停止位置を決定し、当該リールを駆動するためのステッピングモータのロータに微少間隔で正回転トルク(図柄が上から下に流れるように見える回転方向へのトルク)と逆回転トルク(図柄が下から上に流れるように見える回転方向へのトルク)を交互に付与するようにコイルに対する励磁を行ってリールが擬似停止位置において揺れ動く動作を行わせる。本実施形態では、リールが停止ししているかのように見える状況としながらステッピングモータの動作が継続している状況を擬似停止と称する。なお導入処理では、回転中の各リールに対する擬似停止操作が行われると、擬似リプレイ1に対応する停止態様として図15(B)に示す特殊出目Aを表示するように各リールが擬似停止する。擬似当選役と擬似停止位置の関係等については、後述にて詳しく説明する。そして本実施形態では、導入処理において第1リールR1〜第3リールR3の全てが擬似停止すると導入処理が完了し、セット遊技処理に移行する。
セット遊技処理では、4回の擬似遊技を1セットとして、1セット終了時に行われる継続抽選によって次回の1セット分の擬似遊技を行わせる。具体的には、メインメモリ190Sのセット遊技終了判定カウンタ195に4回分の擬似遊技回数に相当する値(例えば、4)を設定し、擬似遊技が行われる毎に1回分の擬似遊技に相当する一定値(例えば、1)をセット遊技終了判定カウンタ195の値から減算するデクリメント更新を行い、セット遊技終了判定カウンタ195の値がしきい値(例えば、0)に達すると、1セット分の擬似遊技が行われたと判断できるようになっている。
またセット遊技処理では、擬似遊技毎に全てのリールが擬似停止している状態でスタートレバーSLに対する操作を擬似遊技開始操作として受け付け可能としてから、擬似遊技開始操作が行われたことに基づいて、内部抽選手段120によって擬似内部抽選が行われる。本実施形態では、擬似内部抽選において、本物遊技における内部抽選と同じ要領で、乱数発生手段110から0〜65535までの数値範囲からいずれかの値を乱数値として取得して擬似当選役を決定する。
特に本実施形態では、メインメモリ190Mのメイン抽選テーブル記憶手段191に複数種類の擬似内部抽選テーブルが格納されており、これらの擬似内部抽選テーブルの中から抽選モードに応じた擬似内部抽選テーブルが選択されて擬似内部抽選が行われる。具体的には、図14に示すような3種類の擬似内部抽選テーブルA〜擬似内部抽選テーブルCが記憶されている。そして各擬似内部抽選テーブルでは、所定範囲の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、擬似リプレイ1、擬似リプレイ2、擬似リプレイ3、擬似リプレイ4、ベルリプレイ、弱スイカリプレイ、強スイカリプレイ、弱チャンスリプレイ1、弱チャンスリプレイ2、強チャンスリプレイ、通常リプレイが対応づけられている。これらの当選態様のうちベルリプレイ、弱スイカリプレイ、強スイカリプレイ、弱チャンスリプレイ1、弱チャンスリプレイ2、強チャンスリプレイ、および通常リプレイについては本物遊技と共通の当選態様となっており、これらの当選態様を得た場合には、本物遊技と同一の抽選フラグが当選状態に設定される。また擬似リプレイ1、擬似リプレイ2、擬似リプレイ3、および擬似リプレイ4については、擬似内部抽選に限って得られる当選態様であるが、これらについても各擬似リプレイに対応する抽選フラグが予め用意されており、擬似内部抽選において擬似リプレイのいずれかを擬似当選役として決定した場合には、当選した擬似リプレイに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。
なお本実施形態では、擬似当選役が決定されると、通信制御手段175が、決定された擬似当選役の種類に応じた抽選結果信号をサブ基板20に送信することによって擬似遊技関連処理における擬似内部抽選などによって決定された擬似当選役がサブ基板20に通知される。特に本物遊技の内部抽選で当選し得るベルリプレイ、弱スイカリプレイ、強スイカリプレイ、弱チャンスリプレイ1、弱チャンスリプレイ2、強チャンスリプレイ、通常リプレイのいずれかが擬似当選役として決定された場合には、本物遊技の内部抽選の結果を通知する場合と同じ抽選結果信号をサブ基板20に送信する。
また本実施形態では、擬似内部抽選用の抽選モードとして低確率モード、中確率モード、高確率モードの3種類が用意されており、抽選モードの初期設定は低確率モードとされるが、低確率モードにおける擬似内部抽選で擬似リプレイ1〜擬似リプレイ4のいずれかが擬似当選役として決定されると、低確率モードから中確率モードへ抽選モードが更新され、中確率モードにおける擬似内部抽選で擬似リプレイ1〜擬似リプレイ4のいずれかが擬似当選役として決定されると、中確率モードから高確率モードへ抽選モードが更新される。なお抽選モードの更新は高確率モードに達すると行われなくなり、擬似遊技関連処理が終了するまで高確率モードが維持され、抽選モードが転落することはない。
そして抽選モードが低確率モードである場合には、擬似内部抽選において図14に示す擬似内部抽選テーブルAが参照され、抽選モードが中確率モードである場合には、擬似内部抽選において図14に示す擬似内部抽選テーブルBが参照され、抽選モードが高確率モードである場合には、擬似内部抽選において図14に示す擬似内部抽選テーブルCが参照される。なお本実施形態では、中確率モードでは、低確率モードよりも弱スイカリプレイ、弱チャンスリプレイ1、および弱チャンスリプレイ2の当選確率が高くなり、高確率モードでは、中確率モードよりも強スイカリプレイおよび強チャンスリプレイの当選確率が高くなるように擬似内部抽選テーブルA〜擬似内部抽選テーブルCが設定されている。なお本実施の形態では、高確率モードにおける擬似内部抽選で参照される擬似内部抽選テーブルCにおいて擬似リプレイ1〜擬似リプレイ4が抽選対象となっているが、高確率モードにおいては抽選モードの変更は発生しないため、各擬似リプレイを抽選対象から除外して、その分だけ、弱スイカリプレイ、強スイカリプレイ、弱チャンスリプレイ1、弱チャンスリプレイ2、強チャンスリプレイなどの当選確率を高めるようにしてもよい。
また擬似遊技において回転中のリールに対する擬似停止操作が行われると、本物遊技と同様にロジック演算と停止制御テーブルとによって擬似停止位置を決定する。そして擬似内部抽選において本物遊技における内部抽選と共通の当選態様を得て、その当選態様に含まれる役を擬似当選役として決定した場合には、本物遊技と同じ制御内容が実行されて擬似停止位置が決定され、擬似内部抽選においてのみ取得できる当選態様である擬似リプレイが擬似当選役として決定された場合には、図15(A)に示すように、ストップボタンB1〜B3の押下順序によって当選態様に応じた停止態様である特殊出目A〜特殊出目Dを出現させるように擬似停止位置が決定される。特に本実施形態では、擬似リプレイ1〜擬似リプレイ4の当選時においてストップボタンB1を最初に押下する順序(打順1,2)で停止操作が行われた場合の停止態様が擬似リプレイの種類に応じて異なっており、擬似リプレイ1の当選時には、図15(B)に示すように、各リールの中段からなるライン上に「RP・RP・BL」の図柄組合せが表示される特殊出目Aが出現し、擬似リプレイ2の当選時には、図15(C)に示すように、各リールの下段からなるライン上に「RP・RP・BL」の図柄組合せが表示される特殊出目Bが出現し、擬似リプレイ3の当選時には、図15(D)に示すように、第1リールR1の下段、第2リールR2の中段、第3リールR3の上段からなるライン上に「RP・RP・BL」の図柄組合せが表示される特殊出目Cが出現し、擬似リプレイ4の当選時には、図15(E)に示すように、第1リールR1の上段、第2リールR2の中段、第3リールR3の下段からなるライン上に「RP・RP・BL」の図柄組合せが表示される特殊出目Dが出現する。そして特殊出目Dの出現時においては、第1リールR1の下段にチェリー図柄「CH」が表示可能となっており、本物遊技において小役として設定されているチェリーの当選時の出目を模した出目を出現させることができるようになっている。
そして本実施形態では、擬似遊技における停止態様がいずれもリプレイを表示するものであり、本物遊技においてはリプレイの入賞時に新たなメダルの投入を要さずに遊技を行うことができることが認識できるため、擬似遊技においてはメダルの投入を要さずにスタートレバーSLを押下すれば、次回の擬似遊技を行い得ることを認識できるようになっている。このように擬似遊技における停止態様がリプレイを表示するものとした場合、遊技者が遊技を続行する動機を与えることができるため、本物遊技が終了していないのにも関わらずに、本物遊技が終了したと誤認して遊技をやめてしまうという事態を防ぐことができる。
そしてセット遊技処理では、遊技毎にデクリメント更新されるセット遊技終了判定カウンタ195の値がしきい値(例えば、0)に達したことに基づいて、1セット分の擬似遊技が行われたと判断して、当該セットの4回目の擬似遊技の終了時(全てのリールが擬似停止した時点)において継続抽選を行い、継続抽選に当選した場合には、セット遊技終了判定カウンタ195に4回分の擬似遊技回数に相当する値(例えば、4)を再設定し、新たな1セット分の擬似遊技を行わせる。
なお本実施形態では、セット遊技処理において実行される擬似遊技に関して、所定の擬似当選役が最低1回は当選するまでは継続抽選を行わずにセット遊技処理を続行できるようになっており、具体的には、擬似当選役を決定する擬似内部抽選において、擬似リプレイ4、弱スイカリプレイ、強スイカリプレイ、弱チャンスリプレイ、強チャンスリプレイのいずれかの当選態様が得られるまではメインメモリ190Sの一時記憶領域に設定される保証フラグをオン(第1状態)とし、保証フラグがオンである場合には継続抽選に依らずにセット遊技処理を継続し、保証フラグがオフである場合には継続抽選の結果に基づいてセット遊技処理を継続するか否かを決定する。そして継続抽選に当選しなかったことによってセット遊技処理が終了すると復帰処理に移行する。
復帰処理は、セット遊技処理において継続抽選に当選しなかったことによってセット遊技処理が終了したことに基づいて実行され、本物遊技に復帰させるためにスタートレバーSLに対する操作を復帰操作として受け付けて、スタートレバーSLに対する復帰操作に基づいてリール制御手段130によってリールの回転が開始されて一連の擬似遊技関連処理が終了し本物遊技に復帰する。
擬似遊技制御手段177は、セット遊技処理や復帰処理において、スタートレバーSLに対する擬似遊技開始操作を受け付ける場合に、60秒の操作可能時間を設定し、擬似遊技開始操作の受付開始時において操作可能時間の計時を開始して、操作可能時間の残り時間が0になったことに基づいて、リール制御手段130に第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる。そして操作可能時間内においてスタートレバーSLに対する擬似遊技開始操作が行われると、計時中の操作可能時間の残り時間を0に短縮して、操作可能時間の残り時間が0になったことに基づいて、リール制御手段130により第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始される。またセット遊技処理においては、擬似遊技開始操作の操作可能時間の残り時間が0になったことに基づいて、内部抽選手段120による擬似内部抽選も行われる。
なお擬似遊技において擬似遊技開始操作を受け付ける場合に、操作可能時間内に擬似遊技開始操作が行われた場合には擬似遊技開始操作に基づいて第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させ、操作可能時間内に擬似遊技開始操作が行われなかった場合には操作可能時間の満了をもって擬似遊技開始操作が行われたものとみなして第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させるようにしてもよい。擬似内部抽選についても同様であり、操作可能時間内に擬似遊技開始操作が行われた場合には擬似遊技開始操作に基づいて擬似内部抽選を行い、操作可能時間内に擬似遊技開始操作が行われなかった場合には操作可能時間の満了をもって擬似内部抽選が行われるようにしてもよい。
また本実施形態では、擬似遊技開始操作のみならず擬似停止操作に関しても操作可能時間が設定され、擬似遊技において第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定速度以上になって擬似停止操作が有効化されると、擬似遊技制御手段177は、擬似停止操作の有効化(受付開始)の時点から30秒の操作可能時間を設定する。そして擬似停止操作の受付開始時において操作可能時間の計時を開始して、操作可能時間内にストップボタンに対する擬似停止操作が受け付けられると、リール制御手段130が、擬似停止操作の行われた時点におけるリールの位置を押下検出位置として擬似停止位置を決定し、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを擬似停止させる。
一方、操作可能時間の残り時間が0になった時点で回転中のリールが存在する場合には、操作可能時間の残り時間が0になったことに基づいてリール制御手段130に回転中のリールを擬似停止させる。この場合には、操作可能時間の残り時間が0になった時点におけるリールの位置を押下検出位置として扱って擬似停止位置を決定し、回転中のリールの全てを擬似停止させる。
なお擬似遊技において擬似停止操作を受け付ける場合に、ストップボタンB1〜B3のそれぞれについて操作可能時間を設定し、操作可能時間内においてストップボタンに対する擬似停止操作が行われると、擬似停止操作が行われたストップボタンについての操作可能時間の残り時間を0に短縮して、操作可能時間の残り時間が0になったことに基づいてリール制御手段130が押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを擬似停止させるようにしてもよい。この場合には、擬似停止操作が有効化されると、各ストップボタンについての操作可能時間をほぼ同時に計時開始させて、リールの回転速度が所定速度以上になってから30秒を経過した時点で回転中のリールが存在する場合には、それらの操作可能時間がほぼ同時に0に達して、一斉に擬似停止するようにしてもよい。
また本実施形態では、擬似遊技において決定される擬似当選役は、いずれの役が擬似当選役として決定された場合であっても持越不可フラグとして扱われ、1回の擬似遊技が終了する毎に擬似当選役についての抽選フラグは非当選状態にリセットされる。なお本物遊技の当選役である特殊リプレイ1,2の抽選フラグやボーナス成立状態において当選状態が持ち越されているビッグボーナス(BB)の抽選フラグについては、擬似遊技関連処理の実行中においてもリセットされることはなく、当選状態が維持される。すなわち本実施形態では、擬似遊技関連処理が行われる場合に、本物遊技における内部抽選の結果を保持したまま、擬似内部抽選の結果については擬似遊技が行われる毎にリセットされる。
また擬似遊技関連処理が実行されている間においても、通信制御手段175は、スタートレバーSLに対して擬似遊技開始操作が行われたこと(擬似遊技開始操作の操作可能時間の残り時間が0になったこと)に基づいて遊技開始信号を出力し、ストップボタンB1〜B3に対する擬似停止操作が完了したこと(全てのリールが擬似停止したこと)に基づいて遊技終了信号を出力する。すなわち本実施形態では、擬似遊技関連処理が行われる場合に、外部装置側では、本物遊技における遊技開始信号と導入処理における遊技終了信号とを一組として遊技をカウントし、セット遊技処理における遊技開始信号と遊技終了信号を一組として遊技をカウントし、復帰処理における遊技開始信号と本物遊技における遊技終了信号を一組として遊技をカウントすることになる。
また本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1〜B3のそれぞれが2種類の光源(LEDやランプ)を内蔵しており、そのうちの1種類である第1光源は赤色に発光するものであり、残りの1種類である第2光源は緑色に発光するものである。
そして本実施形態の遊技機では、本物遊技の開始に際して規定投入数に相当するメダルが投入されると、第1光源を点灯させて各ストップボタンを赤色に点灯させ、スタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われて第1リールR1〜第3リールR3が回転駆動され、各リールの回転速度が所定速度に達すると、第1光源を消灯してその動作を終了させるとともに第2光源を点灯させて各ストップボタンを緑色に点灯させる。そして各ストップボタンが押下されると、押下されたストップボタンを緑色に点灯させている第2光源を消灯させて、ストップボタンを消灯させる。すなわち本実施形態の遊技機では、ストップボタンが消灯している場合および赤色に点灯している場合には、そのストップボタンに対する操作が受け付けられていない状態にあることを報知し、ストップボタンが緑色に点灯している場合には、そのストップボタンに対する操作が受け付けられている状態にあることを報知している。
また本実施形態の遊技機では、擬似遊技関連処理が実行されている場合には、内部的にはストップボタンB1〜B3に対する操作が停止操作としては受け付けられていない状態であっても、擬似遊技の進行のための擬似停止操作として受け付けられていることに基づいて、本物遊技と同様であるように見せかけるために、第1光源と第2光源の動作を制御してストップボタンB1〜B3の点灯色を赤色から緑色に変化させるようにしている。
続いて、サブ基板20について説明する。サブ基板20は、演出制御手段180と、サブメモリ190Sとを含んで構成されている。
演出制御手段180は、サブメモリ190Sの演出データ記憶手段196に記憶されている演出データに基づいて、表示装置330(演出装置の一例)を用いて行う表示演出や音響装置340(演出装置の一例)を用いて行う音響演出に関する制御を行う。例えば、メダルの投入や、ベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜B3に対する操作、遊技状態やメイン状態の変動などの遊技イベントの発生に応じてランプ(表示装置330の一例)やLED(表示装置330の一例)を点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCD(表示装置330の一例)の表示内容を変化させたり、スピーカ(音響装置340の一例)から音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
特に本実施形態の遊技機では、演出制御手段180が、図16に示すように、通常演出状態、遊技回数決定状態と、アシストタイム状態(AT状態)とを含む複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させる制御を行う。本実施形態では、演出状態が、遊技回数決定状態やAT状態に滞在している遊技では、演出制御手段180によって、打順ベルの当選時に正解打順を報知することによりベルの入賞を補助する入賞補助演出が行われ、通常演出状態に滞在している遊技よりもメダルが獲得しやすい遊技を行うことができるようになっている。
そして演出制御手段180は、通常演出状態において内部抽選でチェリー、弱スイカリプレイ、強スイカリプレイ、弱チャンスリプレイ1、弱チャンスリプレイ2、強チャンスリプレイが当選したことを契機としてAT抽選を行う。AT抽選では、0〜32767までの32768個の乱数値のいずれかを取得して、取得した乱数値をサブ抽選テーブル記憶手段197に記憶されているAT抽選テーブルと比較して、比較結果に応じてAT抽選に当選したか否かを判定する。AT抽選テーブルでは、例えば、0〜32767までの32768個の乱数値のそれぞれに対して、当選あるいはハズレのいずれかが対応付けられており、AT抽選で取得した乱数値がAT抽選テーブルにおいて当選に対応付けられている場合に、AT抽選に当選したと判定される。なお本実施形態では、AT抽選の実行契機となった内部抽選の当選態様に応じてAT抽選の当選確率が異なり、弱スイカリプレイ<弱チャンスリプレイ1,2<チェリー<強チャンスリプレイ<強スイカリプレイの順に当選確率が高くなるようにAT抽選が行われる。
なお本実施形態では、擬似遊技が行われている場合においても擬似内部抽選の結果に応じてAT抽選が行われる。具体的には、通常演出状態において擬似内部抽選で擬似リプレイ4(擬似遊技においてチェリーの代用として機能する役)、弱スイカリプレイ、強スイカリプレイ、弱チャンスリプレイ1、弱チャンスリプレイ2、強チャンスリプレイのいずれかが擬似当選役として設定されたことを契機としてAT抽選が行われる。また擬似遊技においては擬似リプレイ4がチェリーの代用として機能し、弱スイカリプレイ<弱チャンスリプレイ1,2<擬似リプレイ4<強チャンスリプレイ<強スイカリプレイの順に当選確率が高くなるようにAT抽選が行われる。
そして演出制御手段180は、AT抽選に当選したことに基づいて演出状態を遊技回数決定状態に移行させ、遊技回数決定状態では3回の遊技を行って、AT状態の終了条件となる遊技回数を決定する。
そして演出制御手段180は、遊技回数決定状態において、遊技毎に特殊抽選を行って、特殊抽選の結果に基づいてAT状態の終了条件となる遊技回数を決定する。特殊抽選は、本物遊技および擬似遊技のいずれにおいても実行可能であり、本物遊技であればスタートレバーSLに対する遊技開始操作を契機として実行され、擬似遊技であればスタートレバーSLに対する擬似遊技開始操作を契機として実行される。特殊抽選では、0〜32767までの32768個の乱数値のいずれかを取得して、取得した乱数値をサブ抽選テーブル記憶手段197に記憶されている特殊抽選テーブルと比較して、比較結果に応じて特殊抽選に当選したか否かを判定する。本実施形態では、特殊抽選の抽選モードとして3種類の抽選モード(バランスモード、安定モード、波乱モード)が用意されており、サブ抽選テーブル記憶手段197には、図17に示すように、3種類の抽選モードに対応した特殊抽選テーブルA〜特殊抽選テーブルCが記憶されている。そして本実施形態では、遊技回数決定状態の初回遊技(本物遊技、擬似遊技のいずれであるかを問わない)の開始時に5秒おきに選択対象となっている抽選モードをバランスモード、安定モード、波乱モードの順に遷移させ、その抽選モードの遷移の様子が液晶ディスプレイLCDに表示され、初回遊技を開始するためのスタートレバーSLに対する操作によって抽選モードが決定されるようになっている。なお抽選モードを選択するための操作手段を別途設けて、遊技者の選択操作によって抽選モードを選択可能としてもよく、遊技者による選択操作がなされずに初回遊技が開始されてしまった場合には、初回遊技の開始をもって抽選モードが選択されたものと扱ってもよい。
そして遊技回数決定状態において、バランスモードが選択された場合には、特殊抽選において特殊抽選テーブルAが参照され、安定モードが選択された場合には、特殊抽選において特殊抽選テーブルBが参照され、波乱モードが選択された場合位は、特殊抽選において特殊抽選テーブルCが参照される。各特殊抽選テーブルでは、例えば、0〜32767までの32768個の乱数値のそれぞれに対して、遊技回数が対応付けられており、特殊抽選で取得した乱数値が特殊抽選テーブルにおいて対応づけられている遊技回数(例えば、10回)に相当する値(例えば、10)がAT終了判定カウンタ198の値に加算される。
そして遊技回数決定状態において遊技回数が決定されると、演出制御手段180は、演出状態をAT状態に設定し、AT状態での遊技(本物遊技および擬似遊技のいずれでもよい)が行われる毎にAT終了判定カウンタ198の記憶値から1回分の遊技回数に相当する一定値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行う。そしてAT終了判定カウンタ198の記憶値がしきい値(例えば、0)に達すると、AT状態の終了条件が成立したものと判断してAT状態を終了させ、演出状態を通常演出状態に復帰させる制御を行う。なお本実施形態では、ビッグボーナス(BB)が入賞した場合には、AT終了判定カウンタ198の更新中断条件が成立したと判断され、この場合には、演出状態をAT状態に維持しつつ、AT終了判定カウンタ198の記憶値に関するデクリメント更新を中断し、ボーナス状態の終了後に遊技状態がボーナス成立状態に移行したことを契機にAT終了判定カウンタ198のデクリメント更新を再開させて未消化分の遊技を行わせる。なおビッグボーナス(BB)が入賞した場合には、AT終了判定カウンタ198の記憶値がしきい値に達していなくてもAT状態を終了させ、ビッグボーナス(BB)の当選に伴ってAT終了判定カウンタ198の記憶値を初期値(例えば、0)にリセットするようにしてもよい。
また演出制御手段180は、AT状態において内部抽選でチェリー、弱スイカリプレイ、強スイカリプレイ、弱チャンスリプレイ1、弱チャンスリプレイ2、強チャンスリプレイが当選したことを契機として上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選では、0〜32767までの32768個の乱数値のいずれかを取得して、取得した乱数値をサブ抽選テーブル記憶手段197に記憶されている上乗せ抽選テーブルと比較して、比較結果に応じて上乗せ抽選に当選したか否かを判定する。上乗せ抽選テーブルでは、例えば、0〜32767までの32768個の乱数値のそれぞれに対して、当選あるいはハズレのいずれかが対応付けられており、上乗せ抽選で取得した乱数値が上乗せ抽選テーブルにおいて当選に対応付けられている場合に、上乗せ抽選に当選したと判定される。なお本実施形態では、上乗せ抽選の実行契機となった内部抽選の当選態様に応じて上乗せ抽選の当選確率が異なり、弱スイカリプレイ<弱チャンスリプレイ1,2<チェリー<強チャンスリプレイ<強スイカリプレイの順に当選確率が高くなるように上乗せ抽選が行われる。
なお本実施形態では、擬似遊技が行われている場合においても擬似内部抽選の結果に応じて上乗せ抽選が行われる。具体的には、AT状態において擬似内部抽選で擬似リプレイ4(擬似遊技においてチェリーの代用として機能する役)、弱スイカリプレイ、強スイカリプレイ、弱チャンスリプレイ1、弱チャンスリプレイ2、強チャンスリプレイのいずれかが擬似当選役として決定されたことを契機として上乗せ抽選が行われる。また擬似遊技においては擬似リプレイ4がチェリーの代用として機能し、弱スイカリプレイ<弱チャンスリプレイ1,2<擬似リプレイ4<強チャンスリプレイ<強スイカリプレイの順に当選確率が高くなるように上乗せ抽選が行われる。
そして演出制御手段180は、上乗せ抽選に当選したことに基づいて演出状態を遊技回数決定状態に移行させ、遊技回数決定状態において特殊抽選を行ってAT状態の残り遊技回数に上乗せされる遊技回数(AT終了判定カウンタ198の値に加算される値)を決定する。
また演出制御手段180は、通常演出状態において、ストップボタンB1を最初に押下する順序(打順1,2)が推奨打順とされており、推奨打順と異なる停止操作が行われた場合(第2リールR2や第3リールR3が最初に停止する場合)に遊技者にとって不利益となるペナルティを発生させるペナルティ処理を行う。ペナルティ処理としては、例えば、一定の遊技回数を消化するまでAT抽選の実行を禁止する処理や、一定の遊技回数を消化するまでAT抽選の結果を破棄する処理や、AT抽選に当選しても一定の遊技回数を消化するまでAT状態への移行を保留する処理などを行うことができる。すなわち本実施の形態では、通常演出状態において、ストップボタンB2やストップボタンB3を最初に押下すると、一定の遊技回数を消化するまでAT状態への移行の機会を失ったり、AT状態への移行が遅れたりするというペナルティが発生するようになっている。なお通常演出状態において打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されたことによってベルが入賞することに基づいて、遊技者に不利なペナルティを発生させるようにしてもよい。
本実施形態の機能は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)によって仮想的に実現することができる。これらのシステムでは、本実施形態のメイン基板10やサブ基板20としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310、ホッパーユニット320などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
2.本実施形態の手法
本実施の形態では、本物遊技の進行を所定条件下で中断して本物遊技を模した擬似遊技を行わせてから本物遊技を再開することによって1回の本物遊技を複数回の遊技として体験させる手法を採用している。以下では、図18〜図24に示すフローチャートを参照しながら、本実施形態の遊技機において採用されている各種の手法を具体的に説明する。
まず図18に示すように、本物遊技を行うために必要なメダルの投入を受け付ける投入受付処理が行われる(ステップS100)。投入受付処理では、遊技者がメダル投入口MIにメダルを投入することにより投入されたメダルを投入状態に設定し、遊技者がベットボタンB0を押下してベットスイッチ220が作動することにより予め遊技機内にクレジットされたメダルを投入状態に設定する。また、前回の本物遊技でリプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダルを要さずに、遊技機側で自動的に前回の本物遊技と同じ投入数のメダルを投入状態に設定する。そして遊技開始条件として設定されている規定投入数(通常状態およびボーナス成立状態では3枚、ボーナス状態では2枚)のメダルの投入が完了すると(ステップS101でY)、ストップボタンB1〜B3を赤色に点灯させてから(ステップS102)、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を待機する(ステップS103)。なおストップボタンB1〜B3に対する押下操作が有効化されていない期間では、常時、ストップボタンB1〜B3を赤色に点灯させておくようにしてもよい。
そして遊技者がスタートレバーSLを押下する遊技開始操作が行われると(ステップS103でY)、内部抽選が行われる(ステップS104)。このときスタートレバーSLに対する遊技開始操作に基づいて遊技開始信号が出力される。そして内部抽選では、スタートレバーSLが押下されたことに伴うスタートスイッチ230の作動に伴って取得した乱数値を、遊技状態に応じて選択される内部抽選テーブルと比較することによって役の当否を決定し、当選した役(当選役)の抽選フラグを当選状態に設定する。この内部抽選で特殊リプレイ(特殊リプレイ1または特殊リプレイ2)が当選していた場合には(ステップS105でY)、擬似遊技関連処理が行われ(ステップS112)、内部抽選の結果が特殊リプレイの当選以外である場合には(ステップS105でN)、引き続き本物遊技に関する処理を続行する。また内部抽選が行われると、内部抽選の結果に対応する抽選結果信号がメイン基板10からサブ基板20に送信され、サブ基板20に内部抽選の結果が通知される。
具体的には、第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動するステッピングモータのロータへ正回転トルクを付与するように駆動パルスの供給が開始されて各リールの回転駆動が開始され(ステップS106)、各リールの回転速度が所定速度に達すると(ステップS107でY)、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作を有効化するとともにストップボタンB1〜B3を緑色に点灯させ(ステップS108)、ストップボタンに対する停止操作に応答して回転中のリールを停止させるリール停止制御を行う(ステップS109)。特に本実施の形態では、図19に示すフローチャートに従ってリール停止制御が行われる。
まず遊技者がストップボタンを押下すると(ステップS200でY)、押下されたストップボタンに対する操作を無効化するとともに押下されたストップボタンを消灯させてから(ステップS201)、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールの停止位置を決定する(ステップS202)。本実施の形態では、ロジック演算や停止制御テーブルを参照することによって停止位置が決定され、停止位置が決定されると、押下されたストップボタンに対応した回転中のリールを駆動するステッピングモータのロータにブレーキトルクを付与するように駆動パルスを供給して回転中のリールを停止させ(ステップS203)、全てのリールが停止していなければ(ステップS204でN)、ステップS200〜ステップS203の処理を繰返し行う。
そして、全てのリールが停止すると(ステップS204でY)、各リールの停止状態に基づいて入賞判定処理が行われる(ステップS110)。このとき第1リールR1〜第3リールR3の全てに対する停止操作が完了したことに基づいて遊技終了信号が出力される。本実施形態では、有効ライン上に役の入賞形態を示す図柄組合せが表示されたか否かに基づいて、役の入賞の有無を判定する。そして入賞判定の結果、役が入賞した場合には(ステップS110でY)、入賞した役の抽選フラグに応じた入賞時処理を行って一連の処理を終了する(ステップS111)。なお内部抽選において当選状態に設定された抽選フラグについては、その抽選フラグが持越不可フラグである場合には、次回の遊技が開始するまでの間にリセットされ、持越可能フラグである場合には、抽選フラグに応じた入賞時処理が実行された際にリセットされる。
また図18に示すように、本物遊技における内部抽選で特殊リプレイが当選した場合には(ステップS105でY)、本物遊技の進行を一時的に中断して、擬似遊技関連処理が実行される(ステップS112)。本実施の形態では、擬似遊技関連処理として、図20に示すように、導入処理(ステップS300)、セット遊技処理(ステップS400)、復帰処理(ステップS500)の順で処理が進められてから中断されている本物遊技を再開する。
まず図21に示す導入処理では、擬似当選役を擬似リプレイ1として擬似リプレイ1に対応する抽選フラグを当選状態に設定し(ステップS301)、第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動するステッピングモータのロータへ正回転トルクを付与するように駆動パルスの供給が開始されて各リールの回転駆動が開始される(ステップS302)。そして、各リールの回転速度が所定速度に達すると(ステップS303でY)、ストップボタンB1〜B3に対する擬似停止操作についての操作可能時間(30秒)の計時を開始し(ステップS304)、ストップボタンB1〜B3に対する擬似停止操作を有効化するとともにストップボタンB1〜B3を緑色に点灯させる(ステップS305)。
そして遊技者がストップボタンを押下すると(ステップS306でY)、押下されたストップボタンに対する擬似停止操作を無効化するとともに押下されたストップボタンを消灯させてから(ステップS307)、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールの擬似停止位置を決定する(ステップS308)。導入処理では、擬似当選役が擬似リプレイ1に設定され、本物遊技の内部抽選では擬似リプレイ1という抽選結果を得ることができないため、擬似リプレイ1を擬似当選役とする擬似遊技におけるリールの擬似停止位置については、本物遊技とは異なる擬似遊技専用のロジック演算を行ったり、本物遊技とは異なる停止制御テーブルを参照したりすることによって決定される。そして、押下されたストップボタンに対応した回転中のリールを駆動するステッピングモータのロータにブレーキトルクを付与してから擬似停止位置において正回転トルクと逆回転トルクを交互に付与するように駆動パルスを供給してリールが揺れ動いて見えるようにリールを擬似停止させ(ステップS309)、全てのリールが擬似停止していなければ(ステップS314でN)、操作可能時間内においてはステップS306〜ステップS309の処理を繰返し行う。
そして、操作可能時間内において行われた擬似停止操作によって第1リールR1〜第3リールR3の全てが擬似停止すると(ステップS314でY)、計時されている操作可能時間の残り時間を0にリセットしてから(ステップS315)、擬似当選役(ここでは擬似リプレイ1)に対応する抽選フラグを非当選状態にリセットして導入処理を終了する(ステップS316)。このとき第1リールR1〜第3リールR3の全てに対する擬似停止操作が完了したことに基づいて遊技終了信号が出力される。
また、回転中のリールが存在している状況で操作可能時間の残り時間が0になると(ステップS310でY)、回転中のリールの全てについてのストップボタンに対する擬似停止操作を無効化するとともに緑色に点灯しているストップボタンを全て消灯させてから(ステップS311)、回転中のリールの擬似停止位置を決定する(ステップS312)。この場合には、操作可能時間の残り時間が0になった時点におけるリールの位置を押下検出位置と同等に扱って擬似停止位置が決定される。そして回転中のリールの全てについて、それぞれのリールを駆動するステッピングモータのロータにブレーキトルクを付与してから擬似停止位置において正回転トルクと逆回転トルクを付与するように駆動パルスを供給してリールが揺れ動いて見えるようにリールを擬似停止させ(ステップS313)、擬似当選役(ここでは擬似リプレイ1)に対応する抽選フラグを非当選状態にリセットして導入処理を終了する(ステップS316)。なお操作可能時間の残り時間が0になったことによって擬似停止操作によらずに回転中のリールが擬似停止した場合においても、全てのリールが擬似停止した時点において、全てのリールに対する擬似停止操作が完了したとみなして遊技終了信号が出力される。また擬似当選役に対応する抽選フラグを非当選状態にリセットする際に、本物遊技において当選状態に設定された抽選フラグ(特殊リプレイやビッグボーナス(BB)に対応する抽選フラグなど)については、非当選状態にリセットされずに当選状態のまま維持される。
このようにして導入処理において第1リールR1〜第3リールR3の全てが擬似停止すると(ステップS314でY)、図15(B)に示すように擬似リプレイ1に対応する特殊出目A(中段に「RP・RP・BL」の図柄組み合わせが表示される出目)が出現してから、セット遊技処理に移行する。すなわち本実施の形態において導入処理は、セット遊技処理を開始するための準備として、4回1セットの擬似遊技が開始されることを特殊出目Aによって通知するべく遊技者に擬似停止操作を行わせるものである。
続いて図22および図23に示すセット遊技処理では、1セットの開始当初においてセット遊技終了判定カウンタ195の値を4回分の擬似遊技をカウントするための所定値「4」に設定し、スタートレバーSLに対する擬似遊技開始操作の操作可能時間を60秒として、その計時を開始するとともに(ステップS402)、ストップボタンB1〜B3を赤色に点灯させて(ステップS403)、スタートレバーSLに対する擬似遊技開始操作を待機する(ステップS404)。
そしてスタートレバーSLを押下する擬似遊技開始操作が行われると(ステップS404でY)、計時されている操作可能時間の残り時間を0にリセットする(ステップS405)。本実施の形態では、遊技開始操作についての操作可能時間の残り時間が0になったことに基づいて、セット遊技終了判定カウンタ195の値から1回分の擬似遊技に相当する一定値「1」を減算し(ステップS407)、内部抽選手段120によって擬似当選役を決定する擬似内部抽選が行われる(ステップS408)。なお操作可能時間内に擬似遊技開始操作が行われなかった場合には、操作可能時間の残り時間が0になったことに基づいて(ステップS404でN、ステップS406でY)、セット遊技終了判定カウンタ195の値から1回分の擬似遊技に相当する一定値「1」を減算し(ステップS407)、内部抽選手段120によって擬似当選役を決定する擬似内部抽選が行われる(ステップS408)。このように本実施の形態では、擬似内部抽選において、遊技開始操作の操作可能時間の残り時間が0になったことに伴って取得した乱数値を、抽選モード(初期は低確率モード、擬似当選役に応じて中確率モードや高確率モードに昇格する)に応じて選択される擬似内部抽選テーブルと比較することによって擬似当選役を決定し、擬似当選役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。また、操作可能時間内に擬似遊技開始操作が行われた場合、操作可能時間内に擬似遊技開始操作が行われなかった場合のいずれにおいても操作可能時間の残り時間が0になったことに基づいてスタートレバーSLに対する擬似遊技開始操作が行われたとみなして遊技開始信号が出力される。また擬似内部抽選が行われると、擬似内部抽選の結果に対応する抽選結果信号がメイン基板10からサブ基板20に送信され、サブ基板20に擬似内部抽選の結果が通知される。特に本実施の形態では、内部抽選と擬似内部抽選に共通の抽選結果については同一の抽選結果信号がメイン基板10からサブ基板20に送信される。このためサブ基板20では、内部抽選と擬似内部抽選に共通の抽選結果については擬似遊技においても本物遊技と同様の扱いで抽選結果に対応する処理が行われる。
そして擬似内部抽選が行われると保証フラグの設定をチェックし、保証フラグがオンである場合には(ステップS409でY)、擬似当選役が特定役(AT抽選や上乗せ抽選の実行契機となる役:擬似リプレイ4、弱スイカリプレイ、強スイカリプレイ、弱チャンスリプレイ1、弱チャンスリプレイ2、強チャンスリプレイ)であれば(ステップS410でY)、保証フラグをオフにし、擬似当選役が特定役出ない場合には(ステップS410でN)、保証フラグをオンのまま保持する。
また擬似当選役が擬似リプレイ1〜擬似リプレイ4のいずれかである場合には(ステップS412でY)、擬似内部抽選についての抽選モードの更新が行われる。具体的には、抽選モードが低確率モードである場合には中確率モードに更新され、抽選モードが中確率モードである場合には高確率モードに更新される。なお抽選モードが最上位の高確率モードに滞在している場合には、いずれかの擬似リプレイが当選しても、そのまま維持される。
そして第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動するステッピングモータのロータへ正回転トルクを付与するように駆動パルスの供給が開始されて各リールの回転駆動が開始される(ステップS414)。その後、各リールの回転速度が所定速度に達すると(ステップS415でY)、ストップボタンB1〜B3に対する擬似停止操作についての操作可能時間(30秒)の計時を開始し(ステップS416)、ストップボタンB1〜B3に対する擬似停止操作を有効化するとともにストップボタンB1〜B3を緑色に点灯させる(ステップS417)。
そして遊技者がストップボタンを押下すると(ステップS418でY)、押下されたストップボタンに対する擬似停止操作を無効化するとともに押下されたストップボタンを消灯させてから(ステップS419)、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールの擬似停止位置を決定する(ステップS420)。セット遊技処理では、擬似当選役が擬似内部抽選によって決定され、擬似当選役が本物遊技の内部抽選においても抽選対象となっている場合には、本物遊技と同じ要領(同じロジック演算や同じ停止制御テーブルを参照する)で擬似停止位置を決定し、擬似当選役が本物遊技の内部抽選では抽選対象となっていない場合(擬似リプレイ1〜擬似リプレイ4)には、本物遊技とは異なる擬似遊技専用のロジック演算を行ったり、擬似遊技専用の停止制御テーブルを参照したりすることによって、例えば、図15に示すような特殊出目を表示するように、擬似停止位置が決定される。そして、押下されたストップボタンに対応した回転中のリールを駆動するステッピングモータのロータにブレーキトルクを付与してから擬似停止位置において正回転トルクと逆回転トルクを付与するように駆動パルスを供給してリールが揺れ動いて見えるようにリールを擬似停止させ(ステップS421)、全てのリールが擬似停止していなければ(ステップS426でN)、操作可能時間内においてはステップS418〜ステップS421の処理を繰返し行う。
また、回転中のリールが存在している状況で操作可能時間の残り時間が0になると(ステップS422でY)、回転中のリールの全てについてのストップボタンに対する擬似停止操作を無効化するとともに緑色に点灯しているストップボタンを全て消灯させてから(ステップS423)、回転中のリールの擬似停止位置を決定する(ステップS424)。この場合には、操作可能時間の残り時間が0になった時点におけるリールの位置を押下検出位置と同等に扱って擬似停止位置が決定される。そして回転中のリールの全てについて、それぞれのリールを駆動するステッピングモータのロータにブレーキトルクを付与してから擬似停止位置において正回転トルクと逆回転トルクを付与するように駆動パルスを供給してリールが揺れ動いて見えるようにリールを擬似停止させる(ステップS425)。
このようにしてセット遊技処理において全てのリールが操作可能期間内に擬似停止すると(ステップS426でY)、操作可能時間の残り時間を0にリセットしてから(ステップS427)、擬似当選役に対応する抽選フラグを非当選状態にリセットする(ステップS428)。このとき第1リールR1〜第3リールR3の全てに対する擬似停止操作が完了したことに基づいて遊技終了信号が出力される。
またセット遊技処理において操作可能時間の残り時間が0になったことに基づいて(ステップS422でY)、第1リールR1〜第3リールR3の全てが擬似停止した場合にも(ステップS425)擬似当選役に対応する抽選フラグを非当選状態にリセットする(ステップS428)。このように操作可能時間の残り時間が0になったことによって擬似停止操作によらずに回転中のリールが擬似停止した場合においても、全てのリールが擬似停止した時点において、全てのリールに対する擬似停止操作が完了したとみなして遊技終了信号が出力される。
また擬似当選役に対応する抽選フラグを非当選状態にリセットする際に、本物遊技において当選状態に設定された抽選フラグ(特殊リプレイやビッグボーナス(BB)に対応する抽選フラグなど)については、非当選状態にリセットされずに当選状態のまま維持される。
次にセット遊技終了判定カウンタ195の値がしきい値「0」に達したか否かを判定し(ステップS429)、しきい値に達していなければ(ステップS429でN)、ステップS402へ戻って次回の擬似遊技を開始する。
一方、セット遊技終了判定カウンタ195の値がしきい値「0」に達している場合には(ステップS429でY)、保証フラグの設定チェックし(ステップS430)、保証フラグがオンである場合には(ステップS430でN)、擬似遊技において未だ特定役が擬似当選役として決定されていないことになるため、ステップS401へ戻って新たな1セットの擬似遊技を行わせる。
また保証フラグがオフである場合には(ステップS430でY)、当選確率が50%に設定された継続抽選を行い(ステップS431)、継続抽選に当選した場合には(ステップS432でY)、ステップS401へ戻って新たな1セットの擬似遊技を行わせ、継続抽選に当選しなかった場合には(ステップS432でN)、セット遊技処理が終了し、復帰処理に移行する。すなわち本実施の形態においてセット遊技処理は、遊技者に擬似遊技開始操作を行わせて擬似停止しているリールの回転を開始させ、擬似内部抽選によって擬似当選役を決定して、遊技者に回転中のリールについての擬似停止操作を行わせて擬似当選役に応じた態様でリールを擬似停止させるという本物遊技の一連の流れを疑似体験させるものである。なお本実施の形態では、保証フラグがオンの場合には、継続抽選を回避して新たな1セット分の擬似遊技を行わせるようにしているが、保証フラグがオンの場合には当選確率が100%の継続抽選を行い、保証フラグがオフの場合には当選確率が50%の継続抽選を行うようにしてもよい。
続いて図24に示す復帰処理では、スタートレバーSLに対する擬似遊技開始操作の操作可能時間を60秒として、その計時を開始するとともに(ステップS501)、ストップボタンB1〜B3を赤色に点灯させて(ステップS502)、スタートレバーSLに対する擬似遊技開始操作を待機する(ステップS503)。
そしてスタートレバーSLを押下する擬似遊技開始操作が行われると(ステップS503でY)、計時されている操作可能時間の残り時間を0にリセットする(ステップS504)。復帰処理では、遊技開始操作についての操作可能時間の残り時間が0になったことに基づいて(ステップS505でY)、第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動するステッピングモータのロータへ正回転トルクを付与するように駆動パルスの供給が開始されて各リールの回転駆動が開始されて(ステップS506)、復帰処理が終了して中断されていた本物遊技が再開されることになる。また操作可能時間内に擬似遊技開始操作が行われた場合、操作可能時間内に擬似遊技開始操作が行われなかった場合のいずれにおいても操作可能時間の残り時間が0になったことに基づいてスタートレバーSLに対する擬似遊技開始操作が行われたとみなして遊技開始信号が出力される。このように復帰処理では、スタートレバーSLに対する擬似遊技開始操作によって第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させて本物遊技に復帰させることにより擬似遊技の終了と本物遊技の再開の境界を遊技者に見分けにくくして自然な流れで本物遊技への復帰を果たすことができるようになっている。
以上に述べた本実施の形態では、内部抽選で特殊リプレイ1,2のいずれかが当選したことに基づいて、本物遊技の進行を中断して、導入処理とセット遊技処理と復帰処理とを行い、導入処理では、擬似リプレイ1を擬似当選役として決定してストップボタンB1〜B3に対する操作を擬似停止操作として受け付けて、擬似停止操作が行われたことに基づいて、擬似リプレイ1に対応する特殊出目Aが表示されるように回転中のリールを擬似停止させ、セット遊技処理では、スタートレバーSLに対する操作を擬似遊技開始操作として受け付けて、擬似遊技開始操作が行われたことに基づいて擬似当選役を決定する擬似内部抽選を行うとともに第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させ、ストップボタンB1〜B3に対する擬似停止操作が行われたことに基づいて、ストップボタンB1〜B3の操作態様と擬似内部抽選の結果とに応じた擬似停止位置で回転中のリールを擬似停止させて4回で1セットとして次セットへの継続の可否を判定する擬似遊技を進行させ、復帰処理では、擬似停止している第1リールR1〜第3リールR3をスタートレバーSLに対する擬似遊技開始操作に基づいて回転を開始させることによって中断されている本物遊技の進行を再開させている。
このため本実施の形態では、本物遊技における遊技開始操作と擬似遊技関連処理における導入処理での擬似停止操作とによって1回の遊技を構成し、擬似遊技関連処理におけるセット遊技処理での擬似遊技開始操作と擬似停止操作とによって1回の遊技を構成し、擬似遊技関連処理における復帰処理での擬似遊技開始操作と本物遊技における停止操作とによって1回の遊技を構成する。このように本実施の形態では、1回の本物遊技が行われる間に擬似遊技関連処理を導入処理、セット遊技処理、復帰処理の順に行うことによって複数回の遊技を行っているかのような体験を提供する斬新な操作インターフェース環境を実現し、遊技者の関心を惹きつけることができる。
また本実施の形態では、セット遊技処理では、本物遊技における内部抽選で取得可能な抽選結果(弱スイカリプレイ、強スイカリプレイ、弱チャンスリプレイ1、弱チャンスリプレイ2、強チャンスリプレイ)と、本物遊技における内部抽選で取得不可能な抽選結果(擬似リプレイ1〜擬似リプレイ4)とが存在するように擬似内部抽選が行われ、弱スイカリプレイ、強スイカリプレイ、弱チャンスリプレイ1、弱チャンスリプレイ2、または強チャンスリプレイを擬似内部抽選で擬似当選役として決定した場合には、第1リールR1〜第3リールR3の擬似停止位置を、内部抽選で弱スイカリプレイ、強スイカリプレイ、弱チャンスリプレイ1、弱チャンスリプレイ2、または強チャンスリプレイが当選した本物遊技における第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定する場合と同一の制御によって決定している。
このため本実施の形態によれば、本物遊技と同等感覚の擬似遊技を提供することができ、本物遊技と擬似遊技とにおいて同一の制御によって停止位置と擬似停止位置を決定する場合があるため、擬似停止位置を決定するためのデータ量を削減することができる。
また本実施の形態では、セット遊技処理における擬似内部抽選で擬似当選役として特定役(擬似リプレイ4、弱スイカリプレイ、強スイカリプレイ、弱チャンスリプレイ1、弱チャンスリプレイ2、または強チャンスリプレイのいずれか)が選択される確率が異なる複数種類の抽選モードが設定可能であり、擬似内部抽選で擬似リプレイ1〜擬似リプレイ4のいずれかが擬似当選役として決定された場合に、擬似内部抽選の抽選モードを低確率モードから中確率モード、または中確率モードから高確率モードへ変更している。
このため本実施の形態によれば、擬似遊技において確率変動遊技を疑似体験させることができる。
また本実施の形態では、スタートレバーSLに対する擬似遊技開始操作の操作可能時間を60秒に設定し、操作可能時間の残り時間が0になった時点で第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させ、操作可能時間内に行われたスタートレバーSLに対する擬似遊技開始操作によって操作可能時間の残り時間を0に短縮している。
このため本実施の形態によれば、遊技者が擬似遊技開始操作を行わずに放置しても擬似遊技関連処理を進行させることができるばかりではなく、操作可能時間という1種類の契機によってリールの回転開始に関する管理を行うため、擬似遊技関連処理の進行管理を簡素化することができる。
また本実施の形態では、ストップボタンB1〜B3に対する擬似停止操作の操作可能時間を30秒に設定し、操作可能時間の残り時間が0になった時点で回転中のリールが存在する場合には、回転中のリールを全て擬似停止させている。
このため本実施の形態によれば、遊技者がストップボタンB1〜B3に対する擬似停止操作を行わずに放置しても擬似遊技関連処理を進行させることができるようになる。
また本実施の形態では、メイン基板10が、本物遊技において実行された内部抽選の結果を通知する抽選結果信号をサブ基板20に送信し、サブ基板20が受信した抽選結果信号に応じてAT抽選や上乗せ抽選を実行し、メイン基板10がセット遊技処理において実行された擬似内部抽選で本物遊技における内部抽選で得られる抽選結果と同一の抽選結果を得た場合には、同一の抽選結果信号をサブ基板20に送信している。
このため本実施の形態によれば、AT抽選や上乗せ抽選などのサブ基板20によって特典が付与される機会を、擬似遊技においても本物遊技と同じ扱いで得ることができる。
また本実施の形態では、擬似遊技関連処理において、擬似遊技開始操作に基づいて、本物遊技において遊技開始操作が行われた場合と同様に遊技開始信号を出力し、第1リールR1〜第3リールR3の全てに対する擬似停止操作が完了したことに基づいて、本物遊技において第1リールR1〜第3リールR3の全てに対する停止操作が完了した場合と同様に遊技終了信号を出力する。
ここでホールコンピュータ410やデータカウンタ420では遊技開始信号と遊技終了信号を一組として1回の遊技がカウントされる。そして本実施の形態において擬似遊技関連処理が行われる場合には、本物遊技の開始から導入処理においては、遊技開始操作に基づく遊技開始信号と擬似停止操作に基づく遊技終了信号を一組として1回の遊技がカウントされ、セット遊技処理においては、擬似遊技開始操作に基づく遊技開始信号と擬似停止操作に基づく遊技終了信号を一組として1回の遊技がカウントされ、復帰処理から本物遊技の終了においては、擬似遊技開始操作に基づく遊技開始信号と停止操作に基づく遊技終了信号を一組として1回の遊技がカウントされる。このため本実施の形態によれば、ホールコンピュータ410やデータカウンタ420等の外部装置に本物遊技と擬似遊技を区別せずに遊技の回数等を集計させることができる。
3.変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
上記実施形態では、セット遊技処理において擬似内部抽選を行った結果、擬似当選役が擬似リプレイであった場合には、即座に擬似内部抽選の抽選モードを変更し、次回の擬似遊技が行われる場合に、変更後の抽選モードに応じた擬似内部抽選テーブルを参照して擬似内部抽選が行われる場合について説明したが、擬似内部抽選の抽選モードはセット単位で変更が行われるようにしてもよい。例えば、1セット分の4回の擬似遊技において、いずれかの擬似遊技で擬似リプレイが擬似当選役として決定されると、次セット分の4回の擬似遊技において擬似内部抽選の抽選モードが変更されるようにしてもよい。
また上記実施形態では、特殊リプレイ1,2のいずれかが当選すれば擬似遊技関連処理が実行される場合について説明したが、特殊リプレイ1の当選時と特殊リプレイ2の当選時とにおいて、擬似遊技関連処理の実行条件が異なっていてもよい。例えば、特殊リプレイ1については、内部抽選で当選すれば必ず擬似遊技関連処理が実行され、特殊リプレイ2については、内部抽選で当選しても、メイン基板10が所定の状況を認識していることに基づいて擬似遊技関連処理を実行するようにしてもよい。
具体的には、サブ基板20がAT抽選の後に所定回数の前兆遊技が行われてからAT抽選の当否を報知するような遊技仕様である場合には、内部抽選でAT抽選の実行契機となる役が当選した後は所定回数の遊技(本物遊技および擬似遊技のいずれでもよい)が行われるまでサブ基板20が前兆遊技を行わせているものと判断して、前兆遊技においては特殊リプレイ1,2のいずれが当選しても擬似遊技関連処理を行うが、前兆遊技でない場合には特殊リプレイ1の当選時のみ擬似遊技関連処理を行い、特殊リプレイ2の当選時においては擬似遊技関連処理を行わないようにしてもよい。このようにすれば、前兆遊技において擬似遊技関連処理が行われやすくなるため、AT抽選が行われてからAT抽選の当否を報知されるまでの間において遊技者がメダルを減らしにくくなり、AT抽選の当否を報知するための前兆遊技を行わせることによる遊技者のストレスを軽減することができる。
また擬似遊技関連処理を実行する際に、本物遊技における内部抽選で所定の抽選結果(上記実施形態では特殊リプレイの当選)を得た場合に、導入処理において特定の操作態様(例えば、所定の操作順序)でストップボタンB1〜B3に対する擬似停止操作が行われたことに基づいてセット遊技処理が実行され、導入処理において特定の操作態様でストップボタンB1〜B3に対する擬似停止操作が行われなかった場合にはセット遊技処理を実行せずに復帰処理を行うようにしてもよい。例えば、特殊リプレイ1の当選時には導入処理においてストップボタンB2を最初に押下する順序(B2→B1→B3またはB2→B3→B1)で擬似停止操作が行われるとセット遊技処理を実行し、特殊リプレイ2の当選時には導入処理においてストップボタンB3を最初に押下する順序(B3→B1→B2またはB3→B2→B1)で擬似停止操作が行われるとセット遊技処理を実行するようにする。このとき特殊リプレイ1,2の当選時にメイン基板10が導入処理を実行している際にセット遊技処理を実行させるか否かをサブ基板20において決定して、セット遊技処理を行わせる場合にはセット遊技処理の実行に必要な擬似停止操作の順序を演出によって報知することにより、サブ基板20側においてセット遊技処理の実行の有無を管理するようにしてもよい。このようにすればペナルティが発生している場合など擬似遊技関連処理によって遊技者に有利な状況を発生させることが好ましくない場合にセット遊技処理をキャンセルすることができる。
またセット遊技処理の実行中において特定の操作態様で擬似停止操作が行われたことをセット遊技処理の終了条件として設定してもよく、擬似内部抽選で所定の擬似当選役が設定された場合にサブ基板20によってセット遊技処理を継続させるか否かを抽選などによって決定し、セット遊技処理を継続する場合には、特定の操作態様をサブ基板20が演出によって報知し、セット遊技処理を継続させない場合には、特定の操作態様をサブ基板20が報知しないことによってセット遊技処理を終了させて復帰処理に移行するようにしてもよい。
また導入処理では、特殊リプレイ1の当選時と特殊リプレイ2の当選時とにおいて、異なる擬似リプレイが擬似当選役として設定されてもよい。例えば、特殊リプレイ1の当選時には擬似リプレイ1を設定し、特殊リプレイ2の当選時には擬似リプレイ2を設定することができる。また導入処理において擬似当選役に設定される擬似リプレイは、予め定められているのではなく、抽選によって決定されてもよい。
擬似停止の種類としては、擬似停止位置付近でリールが揺れ動く場合のみならず、ステッピングモータのロータについて拘束と解放を繰り返すようにコイルへの励磁の更新を行うことによってステッピングモータの動作を継続しながらも擬似停止位置で停止しているように見える場合や、例えば、60秒間で0.1コマ程度しか動かないような十分に遅い速度でリールを回転させたままとして、あたかも擬似停止位置で停止しているかのように見える場合も含まれる。
また上記実施形態では、基本的に遊技状態をボーナス成立状態に滞在させて各種の遊技を行わせるようになっているが、遊技者の操作によってはボーナス状態を経由して通常状態に滞在している可能性もある。そして通常状態において特殊リプレイ1,2が当選した場合に擬似遊技関連処理が発生することを防ぐためにボーナス成立状態では、特殊リプレイ1,2の当選に基づいて擬似遊技関連処理を行い、通常状態では、特殊リプレイ1,2が当選しても擬似遊技関連処理を行わないようにしてもよい。
また上記実施形態では、擬似内部抽選において本物遊技の内部抽選と共通に得られる抽選結果がいずれもリプレイに係るものであったが、擬似内部抽選において本物遊技における内部抽選での小役の当選やハズレなどに対応する抽選結果が得られるようにしてもよい。また内部抽選テーブルをそのまま参照して擬似内部抽選を行うようにしてもよく、この場合に一部の抽選結果については、そのまま擬似内部抽選の結果として採用し、その一部以外の抽選結果については、書き換えるようにしてもよい。例えば、擬似内部抽選において図3に示す内部抽選テーブルBを参照して擬似内部抽選を行った場合には、リプレイに係る当選態様を得る抽選結果である場合には、そのまま抽選結果を採用し、リプレイ以外の役に係る当選態様を得る抽選結果である場合には、抽選結果を通常リプレイに書き換えるようにしてもよい。
また上記実施形態では、本物遊技における内部抽選で所定の役が当選した場合に、その本物遊技を中断して擬似遊技関連処理を実行したが、本物遊技において所定の遊技結果(所定の役の当選、所定の役の入賞、所定の図柄組合せの表示等)を得た場合に、擬似遊技関連処理の実行を予約し、所与の回数の本物遊技を行った後において本物遊技を中断して擬似遊技関連処理が実行されるようにしてもよい。
また擬似遊技関連処理の実行開始の条件として本物遊技における内部抽選の結果と所定の操作態様で停止操作が行われたことを組み合わせてもよく、例えば、本物遊技における通常リプレイの当選時にメイン基板10において擬似遊技関連処理の実行に必要な停止操作の順序が割り当てられ、通常リプレイの当選した本物遊技においてメイン基板10が割り当てた順序と合致するように停止操作が行われた場合には、次回の本物遊技を中断して擬似遊技関連処理を実行するようにしてもよい。この場合に、メイン基板10が通常リプレイの当選時に割り当てた擬似遊技関連処理の実行に必要な停止操作の順序をサブ基板20に通知し、サブ基板20が擬似遊技関連処理を実行させると決定した場合に、その順序を演出によって報知することによって擬似遊技関連処理の実行をサブ基板20によって管理できるようにしてもよい。なお擬似遊技関連処理を実行条件としては、適切な順序で停止操作が行われた回数が所定回数に達したことを条件としてもよく、このようにすれば遊技者の誤った操作によって擬似遊技関連処理が実行されてしまう事態を防ぎやすくなる。
また本物遊技において特定のリプレイ(例えば、ベルリプレイなど)が表示された場合には、全てのリールに対する停止操作が完了した際に即座にリプレイ処理を実行するのではなく、所定時間の経過、メダル投入口MIへのメダルの投入、あるいはベットボタンB0に対する操作のいずれかの条件が成立するまではリプレイ処理の実行を保留するようにしてもよく、このような場合に、擬似遊技関連処理においても本物遊技と同様に特定のリプレイ(例えば、ベルリプレイなど)が表示される場合に、所定時間の経過、メダル投入口MIへのメダルの投入、あるいはベットボタンB0に対する操作のいずれかの条件が成立するまでは次回の擬似遊技が行うことができないようにしてもよい。
また本物遊技においてリプレイ処理が行われて遊技者によるメダルの投入が不要である場合においても、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を受け付けている状況ではメダル投入口MIへのメダルの投入やベットボタンB0に対する操作が可能であるようにしてもよく、このような場合に、擬似遊技関連処理において全てのリールが擬似停止し、スタートレバーSLに対する擬似遊技開始操作を受け付けている状況でもメダル投入口MIへのメダルの投入やベットボタンB0に対する操作が可能であるようにしてもよい。
また擬似遊技関連処理が実行されている場合には、液晶ディスプレイLCDの表示画面やランプの点灯状態、またはスピーカからの音声などによって擬似遊技が行われていることを報知するようにサブ基板20が演出の実行管理を行うようにしてもよい。