JP2016032317A - 回転機 - Google Patents

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Terukazu Sato
輝一 佐藤
健 諏訪園
Takeshi Suwazono
健 諏訪園
好晴 内藤
Yoshiharu Naito
好晴 内藤
有 酒井
Yu Sakai
有 酒井
和生 渡辺
Kazuo Watanabe
和生 渡辺
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Abstract

【課題】多相交流回転機において、製造コストの増加を抑えつつ、コイルの正確な温度を計測できるようにする。
【解決手段】略円筒形状のステータコア10と、前記ステータコア10に巻装される巻線20と、前記巻線20と電気的に接続されるバスバー30と、前記バスバー30を前記ステータコア10の軸方向一端側に保持するバスバー保持部材40と、前記巻線20の温度を計測する温度検知器70とを備えた回転機において、前記バスバー保持部材40が、前記温度検知器70を前記巻線20の外周側に接触して温度を計測可能な位置に保持して成る。
【選択図】図1

Description

本発明は、多相交流を用いた回転機に関する。
多相交流回転機は、ステータ(固定子)に巻装されたコイル(巻線)に位相をずらした所定周波数の電流(多相交流)が供給されることによって回転磁界を生じ、ステータに回転自在に保持されたロータ(回転子)が当該回転磁界によって回転駆動されて成る。多相交流回転機のステータにおいては、ステータコア(固定子鉄心)に巻線を巻装するための多数のスロットが設けられ、各スロットに巻回される巻線の巻き始めと巻き終わりとが相毎に電気的に接続されている。
また、多相交流回転機においては、コイルの温度を計測するための温度検知器(サーミスタ)が取り付けられる。これは、コイルの温度がコイル表面を被覆して絶縁性を確保しているエナメルの耐熱温度を超えないようするためであり、コイルに流す電流のコントロールと電子部品の保護とを目的として、温度検知器によるコイル温度の計測がなされている。
特開2013−51806号公報 特開2013−51807号公報
温度検知器を取り付ける構成としては、温度検知器固定用の専用部品を用いて取り付けるもの(例えば、特許文献1)、コイルを構成する多数本の巻線の中に温度検知器を入れ込んで巻線と共にレーシングすることにより取り付けるもの(例えば、特許文献2)などが挙げられる。
しかし、上記特許文献1の構成においては、温度検知器固定用の専用部品を追加するので、回転機における部品点数の増加や当該専用部品の設置スペースの確保が必要となり、回転機の製造コストが増加する虞がある。
また、上記特許文献2の構成においては、コイルを構成する巻線の形状によって、温度検知器をコイルに対して十分に接触させることができず、コイルの正確な温度を計測できない虞がある。コイルを構成する巻線として、例えば、平角銅線を使用した場合においては、平角銅線の剛性が丸銅線の剛性と比較して高く、レーシングによる結束が困難である。よって、平角銅線のコイルにおいては、銅線間の隙間が大きくなってしまい、コイルに入れ込んだ温度検知器をコイルに対して十分に接触させることができない、すなわち、温度検知器のコイルに対する接触力を十分に確保できない虞がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、多相交流回転機において、製造コストの増加を抑えつつ、コイルの正確な温度を計測できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決する第一の発明に係る回転機は、略円筒形状のステータコアと、前記ステータコアに巻装される巻線と、前記巻線と電気的に接続されるバスバーと、前記バスバーを前記ステータコアの軸方向一端側に保持するバスバー保持部材と、前記巻線の温度を計測する温度検知器とを備えた回転機において、前記バスバー保持部材が、前記温度検知器を前記巻線の外周側に接触して温度を計測可能な位置に保持することを特徴とする。
上記課題を解決する第二の発明に係る回転機は、第一の発明に係る回転機において、前記バスバー保持部材が、前記巻線と対向する面に臨んで前記温度検知器と係合可能な係合部を有し、前記温度検知器が、前記係合部に係合した状態で前記巻線に接触することにより保持されることを特徴とする。
第一の発明に係る回転機によれば、既存部品であるバスバー保持部材によって温度検知器を保持するので、温度検知器固定用の専用部品等を追加することがなく、製造コストの増加を抑えることができる。また、バスバー保持部材によって温度検知器を巻線の外周側に接触して温度を計測可能な位置に保持するので、巻線の形状によらずに、温度検知器を巻線に対して十分に接触させ、巻線の正確な温度を計測することができる。
第二の発明に係る回転機によれば、バスバー保持部材による温度検知器の保持を簡易な構造とし、バスバー保持部材への温度検知器の取り付けを容易にすることができる。また、温度検知器を係合部に係合した状態で巻線に接触させることにより保持するので、巻線に対して十分に接触させることができ、巻線に対する接触力を十分に確保することができる。
実施例1に係る回転機に備えられるステータを示す概略斜視図である。 実施例1に係る回転機に備えられるステータを示す概略平面図(図1におけるII矢視図)である。 実施例1に係る回転機に備えられるステータにおけるバスバーの保持を示す説明図(図1におけるIII−III矢視断面図)である。 実施例1に係る回転機に備えられるステータにおける絶縁リングを示す斜視図である。 実施例1に係る回転機に備えられるステータにおける絶縁リングを示す部分縦断面図(図4におけるV−V矢視断面図)である。 実施例1に係る回転機に備えられるステータにおける絶縁リングホルダを示す斜視図である。 実施例1に係る回転機に備えられるステータにおける絶縁リングホルダを示す平面図(図6におけるVII矢視図)である。 実施例1に係る回転機に備えられるステータにおけるサーミスタ取り付け部を示す平面図である。 実施例1に係る回転機に備えられるステータにおけるサーミスタ取り付け部を示す部分断面図(図8におけるIX−IX矢視断面図)である。
以下に、本発明に係る回転機の実施例について、添付図面を参照して詳細に説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各種変更が可能であることは言うまでもない。
本発明の実施例1に係る回転機は、略円筒形状から成るステータ1(図1参照)と、ステータ1の内周側に回転自在に保持される図示しないロータとから成る三相交流回転機である。ステータ1においては、図示しない給電部から位相をずらした所定周波数の電流(三相交流)を供給されることによって回転磁界が作られ、当該回転磁界によって図示しないロータが回転駆動される。
本実施例に係る回転機に備えられるステータ(固定子)1の構造について、図1から図9を参照して説明する。
図1に示すように、ステータ1は、多数枚の積層鋼板から成る略円筒形状のステータコア10と、当該ステータコア10の内周側において図示しないティース部に巻回されるコイル(巻線)20とから概略構成されている。なお、図1においては、図を見やすくするために、コイル20などを簡略化して示している。
また、ステータ1には、コイル20と図示しない給電部とを電気的に接続するためのバスリング(バスバー)30と、当該バスリング30をステータコア10の軸方向一端側(図1における上方側)に保持するためのリング保持部材(バスバー保持部材)40とが設けられている。つまり、図示しない給電部からリング保持部材40によって保持されたバスリング30を介して、コイル20に電流が供給されるようになっている。
ステータ1は、三相交流回転機に用いられるものであり、図示しない給電部からコイル20に三相交流を給電するために、三つのバスリング30を備えている。三つのバスリング30は、リング保持部材40によって保持され、ステータコア10の軸方向一端側において段積みされるように軸方向に並んで配設されている。なお、三つのバスリング30は、三相交流の位相をずらした所定周波数の電流にそれぞれ対応しており、ステータコア10側から順にU相のバスリング30U、V相のバスリング30V、W相のバスリング30Wである。
また、図1および図2に示すように、ステータコア10には、図示しないフレーム等に固定するため、図示しないボルトを挿通可能なボルト穴11が三つ形成されている。よって、ステータコア10は、ボルト穴11に図示しないボルトを挿通させることにより、ステータコア10の外周部材である図示しないフレーム、ブラケット、ケーシングなどの構造部材に固定(締結)することができるようになっている。
図2に示すように、バスリング30は、図示しないロータを挿通させることができる程度の内径を有する有端の略円環形状すなわち略半円形状のリング部31と、リング部31の一端部から径方向外周側へ延出する接続部32とから構成されている。リング部31は、略円筒形状から成るコイル20との接続を容易にするために略円環形状となっており、接続部32は、図示しない給電部との接続を容易にするために径方向外周側へ突出する形状となっている。
また、リング部31の他端部には、後述するリング保持部材40の絶縁リング50との位置決め手段として使用される位置決め穴33が設けられている。このように、バスリング30の他端部近傍に位置決め穴33を形成することにより、電流が流れる範囲のバスリング30の断面積を一定にすることができる。つまり、位置決め穴33を形成することによって断面積が減少して抵抗値が増加してしまうのを回避することができる。
もちろん、バスリング30の位置決め穴33を形成する位置は、本実施例のようにバスリング30の他端部近傍に限定されない。例えば、バスリング30の他端部近傍以外の場所に位置決め穴33を形成した場合には、他端部近傍に位置決め穴33を形成するための余裕分が必要なくなるので、リング部31の長さを短くすることができる。つまり、バスリング30の材料費を削減することができる。
図1および図2に示すように、リング保持部材40は、バスリング30と係合する略円環形状の絶縁リング50と、バスリング30および当該バスリング30と係合した絶縁リング50を保持するための絶縁リングホルダ60とから構成されている。リング保持部材40は、三つのバスリング30U,30V,30Wをステータコア10の軸方向一端側において段積みされるように軸方向に並んで保持する一方で、ステータコア10と共に図示しないフレーム等に固定(共締め)されるようになっている。つまり、三つのバスリング30U,30V,30Wは、リング保持部材40によって保持され、三つのバスリング30U,30V,30Wを保持したリング保持部材40は、ステータコア10と共に図示しないフレーム等に固定(共締め)される。
ステータコア10およびリング保持部材40を共締めする対象部材としては、ステータコア10の外周部材である図示しないフレームだけではなく、ブラケットやケーシングなどが挙げられ、ステータ1を固定することができる構造部材であれば良い。
図4および図5に示すように、絶縁リング50は、樹脂等の絶縁部材から成り、バスリング30におけるリング部31の内周側に係合する略円筒形状の円筒部51と、当該円筒部51の一端側(図5における下方側)から径方向外周側(図5における右方側)へ延びる略円盤形状の円盤部52とから構成され、円筒部51と円盤部52とで略L字の縦断面形状を成している。バスリング30におけるリング部31の内周側に絶縁リング50における円筒部51を係合させると共に、バスリング30の一端面(図5における下方側の端面)30aに絶縁リング50における円盤部52を当接させることにより、バスリング30は安定して絶縁リング50に保持されるようになっている。
また、絶縁リング50の円盤部52には、軸方向に突出する位置決め突起部55が形成され、前述したバスリング30の位置決め穴33と係合するようになっている。絶縁リング50における位置決め突起部55とバスリング30における位置決め穴33とが係合することにより、絶縁リング50とバスリング30との周方向の位置決めがなされるようになっている。
このように、一つの絶縁リング50は、一つのバスリング30を係合保持するようになっている。よって、本実施例におけるステータ1は、三相交流にそれぞれ対応する三つのバスリング30を備えているので、三つのバスリング30U,30V,30Wをそれぞれ係合保持する三つの絶縁リング50U,50V,50Wを備えている(図1および図3参照)。
図4および図5に示すように、絶縁リング50には、周方向に所定距離の間隔を空けて開口部53が設けられている。当該開口部53は、円筒部51の一部を径方向(図5における左右方向)に貫通すると共に、絶縁リング50の下面(円盤部52の下面)52aに臨むように形成されている。また、絶縁リング50の円筒部51における上端部51aには、軸方向上方側(図5における上方側)に突出する突出部54が周方向に複数箇所(本実施例においては三箇所)設けられている。
図3に示すように、絶縁リング50の上端部51aに設けられた突出部54は、複数の絶縁リング50U,50V,50Wを軸方向に段積みした際に隣接する絶縁リング50の下面(円盤部52の下面)52aに臨んで形成された開口部53と係合するように形成されている。つまり、複数の絶縁リング50U,50V,50Wは、隣接する絶縁リング50同士の開口部53と突出部54とが係合した状態で、軸方向(図3における上下方向)に段積みされる。
また、絶縁リング50の円筒部51は、複数の絶縁リング50を軸方向に段積みした際に、円筒部51に係合したバスリング30が隣接する絶縁リング50の下面(円盤部52の下面)52aに接触しない程度の高さ(軸方向長さ)Hを有している。つまり、複数の絶縁リング50を軸方向に段積みした際には、絶縁リング50の円筒部51に係合したバスリング30の上端面(図3における上方側の端面)30bと隣接する絶縁リング50の下面(円盤部52の下面)52aとの間に隙間Dが作られるようになっている。
このように、複数の絶縁リング50を軸方向に段積みした際においても、隙間Dによってバスリング30の上端面30bが空気や油等の冷却媒体に晒され得る、すなわち、隙間Dが冷却媒体を流通させる冷媒流路となり、バスリング30の冷却性能を向上させることができる。
また、絶縁リング50の円筒部51に設けた開口部53は、複数の絶縁リング50を軸方向に段積みした際に作られる隙間Dにも臨むように、広範囲に形成されている。このように、開口部53を隙間Dに臨んで形成することにより、バスリング30近傍における空気や油等の冷却媒体を流れ易くすることができる。つまり、開口部53および隙間Dを冷却媒体の流通流路とすることにより、開口部53および隙間Dに冷却媒体を周方向および径方向に流通させることができるので、バスリング30の冷却性能を更に向上させることができる。
もちろん、バスリング30の冷却性能を向上させる開口部(冷却孔)は、本実施例のように絶縁リング50の円筒部51に形成される開口部53だけでなく、絶縁リング50の円盤部52に形成しても良い。このように多く(または広範囲)の開口部を設けることにより、バスリング30の冷却性能を向上させると共に、絶縁リング50の材料費を削減し、当該絶縁リング50を備えたステータ1および回転機の軽量化を図ることもできる。
図1および図6に示すように、絶縁リングホルダ60は、樹脂等の絶縁部材から成り、径方向に延設されて絶縁リング50を保持する保持アーム部61と、当該保持アーム部61の径方向外周側の端部から軸方向に延びて保持アーム部61を支持するアーム支持部62と、アーム支持部62の一端側に設けられステータコア10の軸方向一端面(図1における上方側端面)に当接するホルダ当接部63とから構成されている。
図7に示すように、ホルダ当接部63は、コイル20の外周に沿う対向面63bから径方向外周側(図7における下方側)へ略三角形状に延出する平板部材から成り、径方向外周側の略中央部には、図示しないボルトを挿通可能なボルト穴63aが形成されている。図1に示すように、リング保持部材40は、絶縁リングホルダ60におけるホルダ当接部63のボルト穴63aがステータコア10におけるボルト穴11と略同軸となるように配置され、図示しないボルト(機械的締結手段)によってステータコア10と共に図示しないフレーム等に固定(共締め)されるようになっている。本実施例においては、ステータコア10に形成されたボルト穴11の数量および設置位置に応じて、三つの絶縁リングホルダ60が設置されている。
また、図7に示すように、ホルダ当接部63の周方向(図7における左右方向)における両端部近傍には、サーミスタ設置部80が設けられ、図8および図9に示すように、当該サーミスタ設置部80にコイル20の温度を計測するためのサーミスタ(温度検知器)70が保持されるようになっている。サーミスタ設置部80は、サーミスタ70の検知部本体71を係合保持可能な凹部(溝部)である本体係合部81と、サーミスタ70の配線部72を収容可能な凹部(溝部)である配線収容部82とから成る。
本体係合部81は、ホルダ当接部63においてコイル20と対向する対向面63bに臨んで形成され、本体係合部81の幅(周方向長さ)t1は、サーミスタ70における検知部本体71の幅(周方向長さ)T1と略同じ長さである。
また、本体係合部81の全長(径方向長さ)bは、ホルダ当接部63のボルト穴63aとステータコア10におけるボルト穴11とを略同軸に位置した際に(図1および図2参照)、サーミスタ70の検知部本体71における検知面(接触面)71aがコイル20の径方向外周側に接触する長さに設定されている(図8および図9参照)。つまり、コイル20とホルダ当接部63の対向面63bとの隙間dと、サーミスタ設置部80の本体係合部81の全長bとの和は、サーミスタ70の検知部本体71の全長(径方向長さ)Bと略同じである。
よって、サーミスタ設置部80の本体係合部81にサーミスタ70の検知部本体71を係合させると、サーミスタ70の検知面71aが、ホルダ当接部63の対向面63bよりも僅か(コイル20とホルダ当接部63の対向面63bとの隙間dと略同じ距離)にコイル20側(径方向内周側、図8における上方側、図9における左方側)に位置する。つまり、絶縁リングホルダ60におけるホルダ当接部63のボルト穴63aがステータコア10におけるボルト穴11と略同軸となるように絶縁リングホルダ60を配置すると、ホルダ当接部63のサーミスタ設置部80に係合保持されたサーミスタ70が計測可能位置に位置する、すなわち、サーミスタ70の検知面71aがコイル20の外周側に十分な接触力で接するようになっている。
配線収容部82は、本体係合部81から径方向外周側へ向かって形成される凹部(溝部)である。配線収容部82の幅(周方向長さ)t2は、サーミスタ70における配線部72の幅(周方向長さ)T2よりも大きく形成されている。つまり、検知部本体71を本体係合部81に係合させた際に、検知部本体71に接続された配線部72がホルダ当接部63と干渉しないようになっている。
よって、専用部品等を追加することなく温度検知器70を計測可能位置に保持することができると共に、コイル20を構成する巻線の形状によらずに、温度検知器70をコイル20に対して十分に接触させ、コイル20の正確な温度を計測することができる。つまり、コイル20を構成する巻線が平角銅線または丸銅線であったとしても、コイル20に対して十分に接触させることができ、コイル20に対する接触力を十分に確保することができる。
図6および図7に示すように、絶縁リングホルダ60の保持アーム部61は、軸方向(図6における上下方向)に所定距離離間して四段の保持アーム部61a,61b,61c,61dが設けられ、当該四段の保持アーム部61a,61b,61c,61dが周方向(図7における左右方向)に所定距離離間して設けられて成る。
図3に示すように、保持アーム部61における四段の保持アーム部61a〜61dのうち下三段(ステータコア側すなわち図3における下方側から三段)の保持アーム部61b,61c,61dは、絶縁リング50における円盤部52と当接し、絶縁リング50を下方側(図3における下方側)から支えるようになっている。
また、保持アーム部61における四段の保持アーム部61a〜61dのうち上三段(ステータコアと反対の側すなわち図3における上方側から三段)の保持アーム部61a,61b,61cの先端部は、絶縁リング50の円筒部51に当接すると共に絶縁リング50の開口部53に合わせた形状で形成され、絶縁リング50の開口部53に一部を挿入することができるようになっている。このように、保持アーム部61における上三段の保持アーム部61a,61b,61cの先端部を絶縁リング50の開口部53に挿入することにより、絶縁リングホルダ60は絶縁リング50に装着される。
そして、絶縁リング50に対して径方向外周側の三方向から絶縁リングホルダ60を装着することにより、三つの絶縁リングホルダ60で絶縁リング50を保持するようになっている(図1および図2参照)。
もちろん、本発明における保持部材は、本実施例のようにバスリング30と係合する絶縁リング50を径方向外周側の三方向から絶縁リングホルダ60によって保持するものに限定されず、絶縁リング50に複数の方向から絶縁リングホルダ60を装着することにより、絶縁リング50を確実に保持することができるものであれば良い。例えば、ステータコア10におけるフレームに固定するためのボルト穴の数量および設置位置に応じて、絶縁リング50に対して径方向外周側の二または四以上の方向から絶縁リングホルダ60を装着するようにしても良く、絶縁リング50に対して径方向内周側の複数の方向から絶縁リングホルダ60を装着するようにしても良い。
また、本発明における保持部材は、本実施例のように絶縁リング50と絶縁リングホルダ60との別体構造のものに限定されず、バスリング30を係合保持する絶縁リング50と当該絶縁リング50を保持する絶縁リングホルダ60とを一体物で形成した一体構造のものであっても良い。このような一体構造の保持部材の場合においても、当接部にボルトを挿通可能なボルト穴(第二の挿通孔)を設け、当該ボルト穴およびステータコア10のボルト穴11にボルトを挿通させた場合に、サーミスタ70の検知面71aがコイル20に接触するように、ホルダ当接部63の対向面63bに臨むサーミスタ設置部80を形成することにより、追加部品(温度検知器固定用の専用部品等)を伴わずにバスリング30を保持するための保持部材40によってサーミスタ70を保持することができる。
以上の構成により、本実施例におけるステータ1を備えた回転機においては、図示しない給電部からステータ1に巻装されたコイル20に、位相をずらした所定周波数の電流(三相交流)を供給することによって回転磁界が作られ、ステータ1の内周側において回転自在に保持された図示しないロータが当該回転磁界によって回転駆動される。
なお、本実施例においては、コイル20を、スター結線方式にて結線し、U相の巻線,V相の巻線,W相の巻線のそれぞれの巻き始めの一端部および巻き終わりの他端部を、それぞれ対応するU相のバスリング30U,V相のバスリング30V,W相のバスリング30Wに接続している。もちろん、本発明における巻線は、本実施例のようにスター結線方式にて結線したものに限定されず、デルタ結線など種々の結線方式にて結線したものであっても良い。
また、本実施例においては、ステータ1におけるコイル20の中性点を、絶縁紙等によって絶縁性を保持させた状態で、コイルエンド21とU相のバスリング30Uとの間の空間で接続するようにしている。もちろん、本発明は、これに限定されず、例えば、ステータ1に中性点用のバスリング30を更に備える、すなわち、中性点用のバスリング30を三つのバスリング30U,30V,30Wと共にステータコア10の軸方向一端側において段積みされるように軸方向に並んで配設し、当該バスリング30を介して巻線20における中性点を接続するようにしても良い。
本発明の実施例1に係る回転機の製造方法について、図1から図3を参照して説明する。
まず、ステータコア10の軸方向一端側すなわちバスリング30を設置する側において、絶縁紙などを用いて、ステータコア10の図示しないティース部に巻装されたコイル(巻線)20の中性点を、絶縁紙等によって絶縁性を保持させた状態で接続する。
次に、バスリング30(30U)を絶縁リング50(50U)で係合保持し、ステータコア10の軸方向一端側に絶縁リング50(50U)および絶縁リング50(50U)に係合保持されたバスリング30(30U)を配置する。そして、ステータコア10の図示しないティース部に巻装されたコイル20における巻き始めの一端部および巻き終わりの他端部(本実施例においてはU相に対応する巻線の端部)を絶縁リング50(50U)に係合保持されたバスリング30(30U)に溶接等によって電気的に接続する。
このとき、絶縁リング50(50U)および当該絶縁リング50(50U)と係合保持したバスリング30(30U)は、コイル20との接続によって仮固定される。コイル20の剛性が低く、絶縁リング50(50U)および当該絶縁リング50(50U)と係合保持したバスリング30(30U)の仮固定を行うことができない場合には、別途治具等を設けることにより絶縁リング50(50U)および当該絶縁リング50(50U)と係合保持したバスリング30(30U)の仮固定を行っても良い。
次に、バスリング30(30V)を絶縁リング50(50V)で係合保持し、ステータコア10の軸方向一端側に設置された絶縁リング50(50U)に更なる絶縁リング50(50V)を段積みする。つまり、ステータコア10の軸方向一端側に設置された絶縁リング50(50U)の突出部54に、新たな絶縁リング50(50V)の開口部53を係合させて、絶縁リング50(50U,50V)を二段積みする。
そして、ステータコア10の図示しないティース部に巻装されたコイル20における巻き始めの一端部および巻き終わりの他端部(本実施例においてはV相に対応する巻線の端部)を絶縁リング50(50V)に係合保持されたバスリング30(30V)に溶接等によって電気的に接続する。
このとき、絶縁リング50(50V)および当該絶縁リング50(50V)と係合保持したバスリング30(30V)は、既設の絶縁リング50(50U)との係合およびコイル20との接続によって仮固定される。コイル20の剛性が低く、絶縁リング50(50V)および当該絶縁リング50(50V)と係合保持したバスリング30(30V)の仮固定を行うことができない場合には、別途治具等を設けることにより絶縁リング50(50V)および当該絶縁リング50(50V)と係合保持したバスリング30(30V)の仮固定を行っても良い。
なお、前述と同様に、本実施例のように絶縁リング50(50V)を絶縁体で形成していない場合には、絶縁リング50(50V)および絶縁リング50(50V)に係合保持されたバスリング30(30V)を配置する際に中性点と接触しないようにする。
続いて、バスリング30(30W)を絶縁リング50(50W)で係合保持し、ステータコア10の軸方向一端側に設置された絶縁リング50(50U,50V)に更なる絶縁リング50(50W)を段積みする。つまり、ステータコア10の軸方向一端側に設置された絶縁リング50(50V)の突出部54に、新たな絶縁リング50(50W)の開口部53を係合させて、絶縁リング50(50U,50V,50W)を三段積みする。
そして、ステータコア10の図示しないティース部に巻装されたコイル20における巻き始めの一端部および巻き終わりの他端部(本実施例においてはW相に対応する巻線の端部)を絶縁リング50(50W)に係合保持されたバスリング30(30W)に溶接等によって電気的に接続する。
このとき、絶縁リング50(50W)および当該絶縁リング50(50W)と係合保持したバスリング30(30W)は、既設の絶縁リング50(50V)との係合およびコイル20との接続によって仮固定される。コイル20の剛性が低く、絶縁リング50(50W)および当該絶縁リング50(50W)と係合保持したバスリング30(30W)の仮固定を行うことができない場合には、別途治具等を設けることにより絶縁リング50(50W)および当該絶縁リング50(50W)と係合保持したバスリング30(30W)の仮固定を行っても良い。
次に、絶縁リングホルダ60の当接部63におけるサーミスタ設置部80にサーミスタ70を係合保持させ、当該絶縁リングホルダ60を三つの絶縁リング50U,50V,50Wに対して径方向外周側の三方向から装着することにより、三つの絶縁リングホルダ60でステータコア10の軸方向一端側において段積みされるように軸方向に並んで配設された絶縁リング50U,50V,50Wを保持する。
最後に、三つの絶縁リングホルダ60を、絶縁リングホルダ60におけるホルダ当接部63のボルト穴63aがステータコア10におけるボルト穴11と略同軸となるように配置し、図示しないボルトによってステータコア10およびリング保持部材40を図示しないフレーム等の構造部材に共締めして固定する。
このとき、絶縁リングホルダ60におけるサーミスタ設置部80の本体係合部81に係合保持されたサーミスタ70の検知部本体71は、検知面71aが、ホルダ当接部63の対向面63bよりも僅か(コイル20とホルダ当接部63の対向面63bとの隙間dと略同じ距離)にコイル20側に位置し、コイル20の温度を計測可能な計測可能位置に位置し、サーミスタ70の検知面71aがコイル20の外周側に十分な接触力で接する
以上により、ステータ1において、部品点数の増加や設置スペースを新たに設けることなく、サーミスタ70を所定の位置(計測可能位置)に設置することができ、当該ステータ1を備えた三相交流回転機を製造することができる。
また、ステータ1においては、コイル20を構成する巻線の断面形状等によらず、コイル20に対して十分な接触力を確保することができ、コイル20の正確な温度を計測することができる。よって、巻線として平角銅線を使用した場合、すなわち、剛性が丸銅線と比較して高く、レーシングで結束させるのが困難であるため、銅線間の隙間が大きくなってしまう場合においても、コイル20に対して十分な接触力を確保することができ、コイル20の正確な温度を計測することができる。
本実施例においては、三相交流回転機に備えられ、バスリング30がステータコア10の軸方向一端側において段積みされるように軸方向に並んで配設されたステータ1の構造および製造について説明したが、本発明はこれに限定されない。
本発明は、例えば、三相以外の多相交流回転機に適用することもでき、バスバーがステータコアの軸方向一端側において径方向に並んで配設されるステータを備えた回転機に適用することもできる。
1 ステータ
10 ステータコア
11 ステータコアのボルト穴
20 コイル(巻線)
21 コイルエンド
30 バスリング(バスバー)
31 バスリングのリング部
32 バスリングの接続部
33 バスリングの位置決め穴
40 リング保持部材(バスバー保持部材)
50 絶縁リング(保持部)
51 絶縁リングの円筒部
52 絶縁リングの円盤部
53 絶縁リングの開口部
54 絶縁リングの突出部
55 絶縁リングの位置決め突起部
60 絶縁リングホルダ
61 絶縁リングホルダの保持アーム部(保持部)
62 絶縁リングホルダのアーム支持部
63 絶縁リングホルダのホルダ当接部(当接部)
63a 絶縁リングホルダのボルト穴
63b 絶縁リングホルダのコイル対向面
70 サーミスタ(温度計測器)
71 サーミスタの周方向側面
72 サーミスタの径方向外周側端面(後面)
73 サーミスタの径方向内周側端面(温度計測面、前面)
80 ホルダ当接部の係合凹部
81 係合凹部の周方向側面
82 係合凹部の径方向外周側端面

Claims (2)

  1. 略円筒形状のステータコアと、
    前記ステータコアに巻装される巻線と、
    前記巻線と電気的に接続されるバスバーと、
    前記バスバーを前記ステータコアの軸方向一端側に保持するバスバー保持部材と、
    前記巻線の温度を計測する温度検知器と
    を備えた回転機において、
    前記バスバー保持部材が、前記温度検知器を前記巻線の外周側に接触して温度を計測可能な位置に保持する
    ことを特徴とする回転機。
  2. 前記バスバー保持部材が、前記巻線と対向する面に臨んで前記温度検知器と係合可能な係合部を有し、
    前記温度検知器が、前記係合部に係合した状態で前記巻線に接触することにより保持される
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転機。
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