JP2016032034A - アバランシェフォトダイオード - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造で感度を保ちつつキャリア走行時間を短縮したアバランシェフォトダイオードを提供すること。
【解決手段】なだれ増倍層の両側に第1および第2の光吸収層を積層したことを特徴とするアバランシェフォトダイオード。該アバランシェフォトダイオードは、所望の受光特性に応じて決定される前記第1および第2の光吸収層の合計の厚みに対して光電流応答速度が最大となるように、前記第1の光吸収層と前記第2の光吸収層とのそれぞれの厚みの割合が調整される。さらに該アバランシェフォトダイオードは、基板上に形成され、基板側に配置された第1の導電形を有する第1の半導体電極層と、基板から離れた側に配置された第2の導電形を有する第2の半導体電極層との間に、基板側から順に配置された第1の光吸収層と、なだれ増倍層と、第2の光吸収層とを有する積層構造を備える
【選択図】図1

Description

本発明は超高速光レシーバに使用される低雑音受信デバイスであるアバランシェフォトダイオードに関する。
光ファイバ通信システムの光レシーバには、フォトダイオード(PD: Photodiode)もしくはアバランシェフォトダイオード(APD: Avalanche Photodiode)と、それらの出力電流を増幅するトランスインピーダンスアンプ(TIA: Transimpedance Amplifier)を組み合わせた形態を持つ「受信フロントエンド」が配置される。PDを用いる場合、TIAで発生する雑音電流の影響が支配的であるため、通常は、光レシーバの光受信感度がPD出力の雑音電流で制限されることはない。
一方、APDを用いると、なだれ増倍機能により信号および雑音電流ともに増幅され、なだれ過剰雑音によりS/N比は劣化するものの、その雑音電流がTIAの雑音電流より低い範囲では、結果的にS/N比を上げることができる。従って、例えば、長距離の伝送で減衰した光信号を受信する際に、APDを用いた光レシーバは高感度化にとって有用な手段となる。
また、多数の波長チャネルを一本の光ファイバ中で伝送する場合、1波長チャネル当たりに許容される光信号電力レベルが制約されるので、より低い光信号電力の信号の受信を可能とするAPDの導入は受信特性の向上に寄与する。
APD特性に対する本質的な制約は、その応答速度がPDのそれに対して相対的に遅くなることである。すなわち、なだれ増倍率を上げるに従って「なだれ増倍時間」の影響で、その応答帯域は低下する。いわゆる、「なだれ増倍/帯域幅積(GB積:gain-bandwidth product )」で決まる制約である。結局、光通信の変調クロック速度が上がるに従い、APDはその利点を生かすことが困難となる傾向を持つ。なだれ増倍時間の短縮(GB積の増大)がAPDの高性能化において最重要視される理由はそこにある。最近開発されている光ファイバ通信システム用のAPDが、なだれ増倍層の半導体材料として、従来のInPに変えてInAlAsを導入することが多いのはGB積の増大に有利になるという理由による(非特許文献1)。
なだれ過剰雑音を低く保つため、イオン化率の高い方の光生成キャリアを注入する構造を取るのが一般的であり、InPアバランシェ層を用いる場合はホール注入形、InAlAsアバランシェ層を用いる場合は電子注入形の構成が採用されている。通常の応用においては、この「なだれ過剰雑音」を最小限にする設計がなされるので、注入されるキャリア種は、電子またはホールのいずれかであり、光吸収層はなだれ増倍層の一方の側に置かれる。図4は、従来の典型的な高速APDの半導体層構成を示すものであり、p電極41の側から、p形電極層42、Waの厚さを有する光吸収層43、p形の電界制御層44、なだれ増倍層45、n形電極層48の順で半導体層が積層され、電圧を印可するためのp電極41とn電極49、それぞれの電極への端子41a、49aが接続されている。
端子41a、49a間に逆バイアス電圧を印可すると、なだれ増倍層45の両側のp形の電界制御層44のアクセプタ不純物およびn形の電極層48のなだれ増倍層45側の一部のドナー不純物がイオン化し、なだれ増倍層45に高電界が誘起される。光吸収により光吸収層43内に電子・ホール対が生成されると、電子はなだれ増倍層45の側に、ホールはp形電極層42の側に走行する。なだれ増倍層45に達した電子はイオン化プロセスを通してなだれ増倍を誘起し、なだれ増倍層45に注入された1個の電子は、最終的にM−1個の電子・ホール対を発生させる。Mは増倍率であり、PD動作の場合のM倍の電流が外部回路に誘導電流として流れることになる。ここで示した従来例は、電子注入形のAPDであり、電子のイオン化率がホールのそれよりも高い半導体材料で採用される構造である。ここで、なだれ増倍後の電流はホール電流の寄与が支配的となる。これは、空乏層中でホールが走行する距離の方が長いからである。
特許第5327892号
M. Lahrichi et al.,, "240-GHz Gain-Bandwidth Product Back-Side Illuminated AlInAs Avalanche Photodiodes," IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS, VOL. 22, NO. 18, SEPTEMBER 15, 2010, pp. 1373-1375. Nami Yasuoka et al., "High-speed and high-efficiency InP/InGaAs waveguide avalanche photodiodes for 40 Gbit/s transmission systems," 2004 OSA/FOC, TuM2.
上記のGB積の制約の他にも、キャリア(電子とホール)の走行時間の影響も無視することはできない。これは、GB積が高くなるに従い、キャリア走行時間が応答帯域を制限する傾向を持つからである。ここで、電子とホールの走行時間の短縮には光吸収層厚の薄層化が要求されるので、単位面積あたりの接合容量が増大してしまうという一般的な問題が起こる。従って、APDのデバイスの接合容量を増大させないためには、接合面積の縮小が必須となる。結局、典型的な面形の光入射構造を持つAPDでは、走行時間の短縮に伴い、接合面積の縮小による結合効率の劣化、及び、光吸収層厚の薄層化による受光感度の低下が問題となる。
上記の問題を改善するための構造として導波路形のAPDがある(非特許文献2)。この導波路形APDは、導波路に沿った光吸収の形態を導入することで光結合効率が改善されるので、接合面積を縮小しても受光感度を確保できる一つの構造である。しかしながら、導波路形APDは、デバイスの加工が必ずしも簡易なものではなく、構造パラメータの変化により入射信号光の偏波依存性を持ちやすいという欠点がある。要求条件にも依存するが、いずれも、製造コストの上昇を招くという課題がある。
上述したように、APDの高速化には、GB積の増大に加え、キャリア走行時間の短縮が重要である。しかしながら、面形の光入射構造を取るAPDでは、高速化を追求した構造を実現するためには、受光感度の低下が避けられない。また、導波路形APDは、その構造に依存して信頼性の高いデバイスを作製するための製造コストが高くなりやすい、という問題がある。このように、高速動作を目的とするアバランシェフォトダイオードでは、接合容量を増大させることなく、簡易な構造で電子とホールの走行時間の影響を低減することが求められている。
本発明は上記従来の問題に鑑みなされたものであって、本発明の課題は、簡易な構造で感度を保ちつつキャリア走行時間を短縮したアバランシェフォトダイオードを提供することにある。
上記の課題を解決するために、一実施形態に記載された発明は、なだれ増倍層の両側に第1および第2の光吸収層を積層したことを特徴とするアバランシェフォトダイオードである。
(a)は第1の実施形態のAPDの基本構造を示す図であり、(b)は第1の光吸収層13の厚さWabs1に対して、なだれ増倍率M=10の場合の3dB低下帯域(f3dB)がどの様に変化するのかを示した図である。 第2の実施形態のAPDの構成例を示す図である。 第3の実施形態のAPDの構成例を示す図である。 従来の典型的な高速APDの半導体層構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態のアバランシェフォトダイオード(APD)について説明する。図1(a)は、第1の実施形態のAPDの基本構造を示す図である。図1(a)に示すように第1の実施形態のAPDは、p電極11の側から、p形電極層12と、Wa1の厚さを有する第1の光吸収層13と、p形の電界制御層14と、なだれ増倍層15と、n形の電界制御層16と、Wa2の厚さを有する第2の光吸収層17と、n形電極層18とが順次積層されて構成されている。図1(a)に示すAPDは、p電極11とn電極19にそれぞれ接続された端子11a、19aの間に逆バイアス電圧を印可すると、なだれ増倍層15の両側のp形の電界制御層14のアクセプタ不純物およびn形の電界制御層16のドナー不純物がイオン化し、なだれ増倍層15に高電界が誘起される。
本実施形態のAPDでは、第1の光吸収層13、第2の光吸収層17が、逆バイアス印可された動作状態で空乏化する様に、p形の電界制御層14とn形の電界制御層16におけるドーピング量が設定されている。第1の実施形態のAPDの主要な特徴は、なだれ増倍層の両側に光吸収層が配置されていることである。
本実施形態のAPDでは、なだれ増倍層15の両側に第1の光吸収層13と第2の光吸収層17とを配置している(図1(a))。この構成では、なだれ増倍層15で発生したキャリアは、なだれ増倍層15と第1の光吸収層13との間またはなだれ増倍層15と第2の光吸収層17との間のいずれかの経路を走行する。光吸収層の合計の厚さが同一の条件では、光吸収層が第1の光吸収層13と第2の光吸収層17とに分割されているだけで、なだれ増倍が起きない状態の受光感度に変わりはない。
光吸収により第1の光吸収層13と第2の光吸収層17内に電子・ホール対が生成されると、第1の光吸収層13の電子および第2の光吸収層17のホールは、なだれ増倍層15に達し、電子とホールは共にイオン化プロセスを通してなだれ増倍を誘起する。すなわち、二重注入によるなだれ増倍を行う。なだれ増倍層に注入された電子とホールそれぞれが、なだれ増倍層で発生させる電子・ホール対の数は、第1の光吸収層13と第2の光吸収層17それぞれの厚さと、電子およびホールそれぞれのイオン化率とに依存する。
本実施形態のAPDは、光吸収層が分割されているが故に、光吸収で発生したキャリアがなだれ増倍層に達するまでのキャリア走行時間、および、なだれ増倍したキャリアが電極層まで至る走行時間が、同じ厚さの単一の光吸収層を持つ構造の場合に比べ共に短縮される。本実施形態のAPDではキャリアとして電子とホールを注入するいわゆる二重注入動作を採用している。二重注入動作は「なだれ過剰雑音を低く保つ」という目的には、必ずしも適切ではないし、一般に理解されている設計手法ではない。しかしながら、APD動作の受信特性は多くのパラメータに存在する。特に増倍率を上げていく際に、動作帯域の光信号の受信特性に与える影響が、なだれ過剰雑音の影響よりも大きい時は、二重注入動作により光レシーバの性能の向上が期待できる。
第1の光吸収層(層厚:Wabs1)と第2の光吸収層(層厚:Wabs2)を合計した光吸収層の厚さを、Wabs1+Wabs2=(一定)とした場合の、真正周波数応答特性の計算例を、以下に説明する。ここでは、一例として、Wabs1+Wabs2を0.7μm、p形の電界制御層14、なだれ増倍層15、n形の電界制御層16を合わせた層厚を0.3μmと設定する。簡単のため、電子とホールのイオン化率は等しいと仮定、また、なだれ増倍電流は、注入キャリア電流のM−1倍の電流出力を持つ電流源(GB積=240GHz)で近似し、なだれ増倍層の中心(p形の電界制御層14、なだれ増倍層15、n形の電界制御層16全体の中心)に置いた。電子速度は、注入までの走行時は4×10cm/s、なだれ増倍後は0.7×10cm/s、ホール速度は0.45×10cm/sの一定な値を仮定した。
図1(b)は、第1の光吸収層13の厚さWabs1に対して、なだれ増倍率M=10の場合の3dB低下帯域(f3dB)がどの様に変化するのかを示した図である。Wabs1=0の側はホール注入が優勢なモード、Wabs1=0.7μmの側は電子注入が優勢なモードである。図1(b)から明らかな様に、電子注入とホール注入が混在する構成(二重注入)の方がf3dBが高くなることがわかる。Wabs1=0.35μmでピークf3dBは18.6GHzに達し、これは、純粋なホール注入動作(f3dB=14.3GHz)に比べ30%、純粋な電子注入動作(f3dB=14.9GHz)に比べ25%の改善である。M=10の条件ではGB積の影響で、二重注入動作のf3dBの改善効果は少な目に出ている。よりGB積の制約が少ないM=5の条件で見ると、Wabs1=0.35μmでピークf3dBは24.2GHzに達し、これは、純粋なホール注入動作(f3dB=15.9GHz)に比べ52%、純粋な電子注入動作(f3dB=17.5GHz)に比べ38%増大し、大幅な改善効果がある。
上述の光吸収層厚(Wabs1+Wabs2)が一定の条件でf3dBが最大となる様に最適化したWabs1とWabs2との組み合わせは、必要なf3dBに対して最大の受光感度を与える解でもある。これは、全光吸収層厚の逆数に対して、最大のf3dBが単調増加関数であることによる。したがって、上述したようにf3dBが最大となる様に最適化してWabs1とWabs2との組み合わせを決めることが好ましい。
本発明のAPD構造は、電子、ホールそれぞれのイオン化率に違いがある場合にも、それらの比が2倍程度の範囲であれば有効な作用をもたらす。片方のキャリアのイオン化率が相対的に高く、もう一方のキャリアの注入によるなだれ増倍への寄与が少なくなるに従い、二重注入動作の利点が失われる傾向がある。しかしながら、一般に、電界が高くなるほど電子とホールのイオン化率の相対的な比率が小さくなる傾向があり、上述したAPD構造の設計思想は広く応用できる。電子とホールのイオン化率が近い材料として、例えば、InPがあり、この半導体材料をなだれ増倍層とするAPDは、上述したAPD構造を適用するのに好都合と考えられる。
以上の実施形態によれば、アバランシェフォトダイオード(APD)の高速化に関し、一定の光吸層厚に対して、動作速度を最大とする設計手段を提供する。すなわち、動作速度の改善、すなわち3dB帯域の拡大は、より増倍率の高いAPD動作、また、より高いビットレートの光受信を可能とするので、光ファイバ通信システムの光レシーバの性能向上に寄与する。
(第2の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態のAPDの基本的な構成をメサ形のAPDに適用した構成である。図2は、第2の実施形態のAPDの構成例を示す図である。この実施形態のAPDの半導体の層構成は第1の実施形態のそれと基本的に同じである。
本実施形態のAPDは、半絶縁性InP基板20の上に、p形InP電極層22と、InGaAsからなる第1の光吸収層23と、InPからなるp形の電界制御層24と、InPからなるなだれ増倍層25と、InPからなるn形の電界制御層26と、InGaAsからなる第2の光吸収層27と、InPまたはInGaAsPからなるn形電極層28a、28b、28cとの順で積層され、p形電極層22と最上層のn形電極層28cには、それぞれ、p形電極21とn形電極29とが形成されている。ここで、p形電極層22は半絶縁性の基板20上の島となる様に、電気的に分離されている。第1の光吸収層23からn形の電界制御層26までの積層構造が第1のメサを形成し、第1のメサの外周の内側に、第2の光吸収層27と下部のn形電極層28aとを積層した第2のメサが形成され、第2のメサの外周の内側に、中間n形電極層28bと上部のn形電極層28cとを積層した第3のメサが形成される。第2の光吸収層27の上部に形成される下部n形電極層28aは、第2の光吸収層27よりもバンドギャップの大きな半導体材料を用いるのが好ましい。これは、半導体表面の表面電流を抑制しやすいからである。
p形電極21とn形電極29の間に逆バイアス電圧を印可すると、なだれ増倍層25の両側のp形の電界制御層24のアクセプタ不純物およびn形の電界制御層26のドナー不純物がイオン化し、なだれ増倍層25に高電界が誘起される。APDのこの動作は第1の実施形態の場合と同様である。なお、ここでは示していないが、第1の光吸収層23およびp形の電界制御層24の間、n形の電界制御層26および第2の光吸収層27の間に、バンドギャップが両層の間にある「バンドギャップ傾斜層」を設けてもよいことは、通常のAPDの場合と同じ様に、ヘテロ界面のバリアの影響を抑制する意味で有効である。
第2の実施形態では、第1、第2、第3のメサを、サイズを順次縮小して配置している。各メサの周辺を流れる表面リークを抑制することができるからである。仮に3段階のメサを形成しない構造の場合、APDを動作状態とすべく逆バイアス電圧を上げると、デバイス内部(バルク)の電位に応じた電位分布がメサ表面に現れ、その電界に依存して表面リーク電流が流れてしまう。これは、APDの受信動作における感度を劣化させたたり、APDの寿命を短くする要因となるので、好ましいものではない。
一方、本実施形態でも、APDを動作状態とすべく逆バイアス電圧を上げるに従い、第1の光吸収層23から中間のn形電極層28bの一部まですべて空乏化する。しかしながら、第1のメサの上面であるn形の電界制御層26の空乏化が終了すると、さらに逆バイアス電圧を上げても、n形の電界制御層26の電位はほとんど変化しない。これは、n形の電界制御層26の上の媒質(例えば絶縁体)の誘電率が半導体のそれよりも十分に小さいこと、また、中間のn形電極層28bの周辺から第1のメサの周辺までの空間的な距離が十分大きいことによる。第1のメサ周辺部の第1の光吸収層23の電界強度の上昇を抑えることが可能となる(特許文献1)。
同様のことは、第2のメサの上面である下部のn形電極層28aについても成立し、さらに逆バイアス電圧を上げても、下部のn形電極層28aの電位はほとんど変化しない。すなわち、第2の光吸収層27の電界強度が上昇し続けることはない。結局、第2の実施形態のようなメサ形APD構成とすると、メサの周辺の表面リーク電流を大幅に低減することができる。ここでは、光吸収層の半導体材料としてInGaAs、なだれ増倍層の半導体材料としてInPを用いているが、本実施形態のAPDの設計思想は、必ずしも用いる半導体材料を制限するものではなく、様々な半導体材料の組み合わせに適用することができる。
(第3の実施形態)
第1の光吸収層は、必ずしも、逆バイアス印可時の動作状態で空乏化している必要はない。そこで第3の実施形態では、第2の実施形態における第1の光吸収層を、p形の光吸収層と動作時に空乏化する光吸収層とに分割した構造としている。すなわち、第1の光吸収層が少なくとも2層以上の構造を持ち、その第1の半導体電極層側の一部が動作時に中性を保つように第1の光吸収層のドーピングプロファイルが形成された構造としている。仮に、光吸収層の厚さの合計が同じであれば、第2の実施形態のAPDと比較して、この構造の受光感度に変わりはない。図3は第3の実施形態のAPDの構成例を示す図である。第1の光吸収層がp形の光吸収層33aと空乏化する光吸収層33bとから構成されている以外は第2の実施形態のAPDと同様の構成である。
p形の光吸収層33aの半導体材料を、電子移動度が高い材料、典型的にはInGaAsで形成すると、p形の光吸収層33aで生成した少数キャリアである電子は、十分に短い時間でなだれ増倍層側に走行するので、なだれ増倍層に到達する時間が大きく増大することはない。より正確に言うならば、p形の光吸収層33aが一定の厚さ以下の範囲であれば、p形の光吸収層33a及び動作時に空乏化する光吸収層33b両層で発生する電子のなだれ増倍層に到達する平均的な時間が増大することがなく、そのために、APDの応答特性に大きな影響を与えるということはない。
光吸収層の一部が動作時に中性を保つように第1の光吸収層のドーピングプロファイルが形成されたこの構造の重要な利点は3dB帯域の改善である。すなわち、動作時に空乏化する光吸収層33bの厚さが相対的に薄くなるので、増倍後のホールが光吸収層33bを通過してp形の光吸収層33aに達する時間が短縮され、ホール走行時間がさらに短縮される。通常、なだれ増倍率が大きくなるに従い、なだれ増倍層への到達時間よりも、数を増した両キャリアの走行時間が3dB帯域を支配する傾向があり、ホールの走行速度が電子の走行速度よりも相対的に低いゆえに、動作時に空乏化する光吸収層33bを薄くすると3dB帯域が改善される。
本実施形態では、第1の光吸収層をp形の光吸収層と動作時に空乏化する光吸収層とに分割した場合を例に挙げて説明したが、第2の光吸収層をn形の光吸収層と動作時に空乏化する光吸収層とに分割してもよい。
11、21、31 p電極
12、22、32 p形電極層
13、23、33 第1の光吸収層
14、24、34 p形の電界制御層
15、25、35 なだれ増倍層
16、26、36 n形の電界制御層
17、27、37 第2の光吸収層
18、28a、28b、28c、38a、38b、38c n形電極層
19、29、39 n電極
11a、19a 端子

Claims (5)

  1. なだれ増倍層の両側に第1および第2の光吸収層を積層したことを特徴とするアバランシェフォトダイオード。
  2. 所望の受光特性に応じて決定される前記第1および第2の光吸収層の合計の厚みに対して光電流応答速度が最大となるように、前記第1の光吸収層と前記第2の光吸収層とのそれぞれの厚みの割合が調整されることを特徴とする請求項1に記載のアバランシェフォトダイオード。
  3. 基板上に形成され、基板側に配置された第1の導電形を有する第1の半導体電極層と、基板から離れた側に配置された第2の導電形を有する第2の半導体電極層との間に、基板側から順に配置された第1の光吸収層と、なだれ増倍層と、第2の光吸収層とを有する積層構造を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のアバランシェフォトダイオード。
  4. 基板上に形成され、基板側に配置された第1の導電形を有する第1の半導体電極層と、基板から離れた側に配置された第2の導電形を有する第2の半導体電極層との間に、基板側から順に配置された第1の光吸収層と、なだれ増倍層とを有する第1のメサが形成され、該第1のメサの外周の内部に、基板側から順に配置された第2の光吸収層と第2の半導体電極層とを有する第2のメサが形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のアバランシェフォトダイオード。
  5. 前記第1の光吸収層が少なくとも2層以上の構造を持ち、その第1の半導体電極層側の一部が動作時に中性を保つ様に第1の光吸収層のドーピングプロファイルが形成されたことを特徴とする請求項4に記載のアバランシェフォトダイオード。
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