JP2016031978A - 電磁誘導器および電磁誘導器のコアの製造方法 - Google Patents

電磁誘導器および電磁誘導器のコアの製造方法 Download PDF

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久男 中村
Hisao Nakamura
久男 中村
利光 小日向
Toshimitsu Kohinata
利光 小日向
啓祐 本田
Keisuke Honda
啓祐 本田
雄太▲郎▼ 大塚
Yutaro Otsuka
雄太▲郎▼ 大塚
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Abstract

【課題】工数アップおよびコイルの巻回乱れを改善する電磁誘導器を提供する。【解決手段】コイルと、コイルへの通電により形成される磁気回路に配置されたコアとを備え、コアは、一対のコア片1、1を重合してなり、各コア片1は、コイル内部に配置される柱状の中足部3と、中足部3の外周を部分的に囲むように配置されるC字状またはU字状の外足部5と、中足部3の軸心C方向の一端部31と外足部5の軸心C方向の一端部51とを連結する連結部7とを具備する。連結部7は、外足部5の一端部51における一対の周方向端縁55と軸心C方向に重なる位置555から、中足部3の一端部31における周方向に離間した一対の接続点35と軸心C方向に重なる位置355に延びる、一対の連結端面75を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、インダクタを含み電源回路の平滑回路等に使用されるチョークコイル、チョークトランスなどの電磁誘導器および該電磁誘導器のコアの製造方法に関する。
従来から、安定した直流信号を得る目的や所定の周波数より高い成分が除去された信号を得る目的で、またはトランスでの使用目的で、電磁誘導器が使用される。電磁誘導器は、例えば、筒状のボビンと、ボビンに巻回されたコイルと、前記コイルへの通電により形成される磁気回路に配置された磁気コアとを備えている。磁気コアとしては、その外形形状から、例えばE形、I形コアなどとよばれるコアが知られている。
特許文献1には、2つの巻線(コイル)が各々巻回される2つの平行な巻線用アームと、巻線用アームの夫々と磁束のループを形成する1つの共通アームと、一対の基部とを有し、巻線用アーム及び共通アームが、共通アームを中足にして平行に並び、一対の基部の間に挟まれた形状の、いわゆるEI形磁気コアを有するインダクタが開示されている。このインダクタでは、各巻線による磁束を共通アームで互いに打ち消すことが可能となる。このため、このインダクタでは、共通アームを貫く磁束の大きさを小さくすることができることから、共通アームの断面積を巻線用アームの断面積よりも小さくすることができるので、インダクタの大きさを小さく抑えることが可能となる。
特表2013−501346号公報
しかし、上記従来技術の磁気コアでは、上記EI形コアを貫く磁束は少数で、多くの磁束はコアの外に存在し、いわゆる漏れ磁束が多いことが知られている。このように、上記従来技術の磁気コアは、インダクタの大きさを小さく抑えることができる一方で、漏れ磁束が多い課題があった。
そこで、コイルを囲む形状で磁束のシールド効果を有するドーム型コアまたはポット形(P形)コアと呼ばれる磁気コアや、上記E形コアとP形コアとが合わさったEP形の磁気コアが知られている。EP形コアは、磁束の漏れが少ないいわゆる低リーケージフラックスタイプの磁気コアであり、従来技術のように電磁誘導器の小型化も達成可能である。以下では、EP形コアを複数組み合わせて使用する場合は、それら複数のEP形コアのうちの一つをEP形コア片と呼ぶ。図9(A)にEP形コア片10の側面図、図9(B)に正面図を示す。また図10に、一対のEP形コア片10が面対称で重合され、EP形コアの内部に挟まれたボビンBN0の断面図を示す。図11にEP形コア片10の斜視図を示す。
EP形コア片10は、例えば図9に示すように、中足部30、外足部50、および、中足部30と外足部50とを連結する連結部70が一体形成されてなる。外足部50は、中足部30の外周のほぼ3/4を囲み、高さが中足部30と同じまたはそれより若干高いU字状の外周壁50aを有し、U字状の開口部50bが外周壁50aの一面に部分的に位置している。ここで、一対のEP形コア片を面対称で重合させるとは、開口部50bおよび外周壁50aの周方向の位置を各々一致させた状態で、中足部30と外足部50とを対向させて、一対のEP形コア片を接触させることをいう。
EP形コアは、磁束の漏れが少なく、かつ電磁誘導器の小型化が可能ではあるものの、以下の2点の課題がある。
このEP形コアの1点目の課題は、以下のとおりである。図10に示すように、コイル90を端子TMに電気的に接続するために、コイル90の最内側の引出し線90aが、ボビンBN0内部から外部へと引き出される。この引出し線90aは、コイル90が巻回される円筒状のボビンBN0の胴部RLから長さDの分だけ径方向に離れた箇所に設けられる。この理由は、図9に示す開口部50bが中足部30から最短で距離D1だけ離間したところに存在するので、その距離D1の分だけ引出し線90aが中足部30すなわち胴部RLから離れるからであり、前記距離D1は上記の長さDにほぼ等しい。この引出しの際に、当該引出し線90aは、コイル90と絶縁する目的などにより、絶縁テープTPが貼付される。このように、EP形コア10を使用する場合には、コイルからの引出し線90aを外部へ引き出す際の絶縁テープTPを貼付する必要があることから工数がアップし、さらに引出し線90aの引出しによりコイル90の巻回に乱れが生じるという、1点目の課題があった。
従来のEP形コアの2点目の課題は、以下のとおりである。図11に示すように、中足部30を取り囲むように、外周壁50aが立設されている。一般に、磁気コアの中足部は、一対の磁気コアを面対称で重合した場合に両中足部の間に所望の大きさの磁気ギャップが生じるように、磁気コアが焼結成形された後に先端面が研磨される。E形コアの場合は、各中足部が隣り合うように複数のE形コアが隣り合って一列に並べられて、例えば研削砥石を有するグラインダを用いて、各中足部が同時にまとめて研磨される。しかし、EP形コアの場合は、複数のEP形コア10を隣り合わせて並べた場合、中足部30と外周壁50aとが交互に一列に並ぶこととなり、上述のようにグラインダを用いて同時にまとめて研磨すると、中足部30だけでなく、外周壁50aすなわち外足部50も研磨されてしまう不具合が生じる。よって、EP形コアの中足部を研磨する場合は、磁気コアを一つずつ加工機に設置して、中足部の部分だけを研磨するという作業が必要であり、磁気ギャップ生成における作業性が低下する2点目の課題があった。
そこで、本発明の第1の目的は、工数アップおよびコイルの巻回乱れを改善する電磁誘導器を提供することである。本発明の第2の目的は、磁気ギャップ生成における作業性を向上させる電磁誘導器および該電磁誘導器のコアの製造方法を提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。
すなわち、本発明にかかる電磁誘導器は、コイルと、前記コイルへの通電により形成される磁気回路に配置されたコアとを備えた電磁誘導器であって、前記コアは、一対のコア片を重合してなり、各コア片は、前記コイル内部に配置される柱状の中足部と、前記中足部の外周を部分的に囲むように配置されるC字状またはU字状の外足部と、前記中足部の軸心方向の一端部と前記外足部の前記軸心方向の一端部とを連結する連結部とを具備し、前記連結部は、前記外足部の前記一端部における一対の周方向端縁と前記軸心方向に重なる位置から、前記中足部の前記一端部における周方向に離間した一対の接続点と前記軸心方向に重なる位置に延びる、一対の連結端面を有する。
この構成によれば、連結部の一対の連結端面が外足部の周方向端縁から中足部上の一対の接続点まで形成されることで、一対の連結端面に囲まれて形成される切欠部が、中足部の軸心方向から見て、中足部の外周面の一部をコアから露出させる。したがって、コイルの引出し線を中足部の露出した外周面上に最も近い位置から引き出すことができる。すなわち、電線を引き出す際に最内側のコイルの電線を軸心に直交する方向に引き回す必要がなくなるので、コイルの電線を外部へ引き出す際の工数アップおよびコイルの巻回乱れを改善することができ、上記本発明の第1の目的を達成できる。
本発明において、前記外足部の前記一対の周方向端縁を結んだ仮想線が、前記中足部よりも、前記軸心に直交する方向の外方に位置していることが好ましい。この構成によれば、外足部が中足部の周方向のより大きな部分を囲むことになるので、中足部の外周に装着されるコイルの、外足部が囲まない部分をより減少させることができ、その結果、コイルからの磁束の磁束漏れをより減少させることができる。
前記中足部は、前記連結部と反対側の他端部の端面が前記中足部の前記軸心方向の高さ調整のための研磨が非施工であり、前記外足部は、前記連結部と反対側の他端部の端面が前記外足部の前記軸心方向の高さ調整のために研磨された研磨面を有することが好ましい。この構成によれば、中足部の高さを外足部の高さよりも低く形成して、一対のコア片を重合した際に両中足部間に隙間すなわち磁気ギャップを形成した場合に、中足部を研磨することなく外足部の研磨面を研磨できるので、磁気ギャップ長さを微調整することができ、本発明の第2の目的を達成することが可能となるとともに、研磨面を介して外足部同士を安定して密着させることができ、密着度の差による磁気抵抗のばらつきを防止できる。
本発明にかかる上記の電磁誘導器のコアを製造する方法は、前記中足部の前記他端部の端面における前記高さが変更可能な型を使用してコア素材を作製し、前記コア素材の前記外足部の、前記他端部の前記研磨面を、前記高さ調整のために研磨する。
この製造方法によれば、中足部の他端部の端面を研磨することなく、中足部の高さを外足部の高さよりも所望の長さだけ低く形成することができるので、磁気ギャップ生成における作業性を向上させることができ、本発明の第2の目的を解決できる。加えて、コア素材の作製後に、中足部を研磨することなく外足部の高さを調整することができ、一対のコア片を重合した際の磁気ギャップ長さを調整することができる
第1に、本発明に係る電磁誘導器は、工数アップおよびコイルの巻回乱れを改善できる。第2に、本発明に係る電磁誘導器および該電磁誘導器のコアの製造方法は、磁気ギャップ生成における作業性を向上できる。
本発明の第1実施形態に係る電磁誘導器を示す分解斜視図である。 別の方向から見た第1実施形態に係る電磁誘導器を示す分解斜視図である。 (A)は第1実施形態に係る電磁誘導器のコア片を示す側面図であり、(B)は正面図である。 第1実施形態に係る電磁誘導器に使用されるボビンを示す縦断面図である。 図4Aのボビンを使用した電磁誘導器の正面図である。 第2実施形態に係る電磁誘導器のコア片を示す側面図である。 本発明の第2実施形態に係る電磁誘導器のコア片の製造方法の一工程を説明する縦断面図である。 (A)は各実施形態に係る電磁誘導器のコア片の一変形例を示す側面図であり、(B)は正面図である。 (A)は各実施形態に係る電磁誘導器のコア片の他の変形例を示す側面図であり、(B)は正面図である。 (A)は従来の電磁誘導器のコア片を示す側面図であり、(B)は正面図である。 従来の電磁誘導器に使用されるボビンを示す縦断面図である。 従来の電磁誘導器のコア片を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号は、同一または相当部分を示し、特段変更等の説明がない限り、適宜その説明を省略する。
[第1実施形態]
図1に、第1実施形態に係る電磁誘導器100を、磁気コアCRと、コイル9(図4A)が巻回されるボビンBNとに分解した分解斜視図を示す。ボビンBNは、例えば樹脂製であり、コイル9が巻回される円筒状の胴部RLと、その両端部の各々に設けたつば部RLaと、端子台TBとが一体成形されており、各端子台TBに複数の端子TMが一列に並んで植設されている。本実施形態では、磁気コアCRは一対の磁気コア片1、1からなる。磁気コア片1、1は同一形状のEP形コアであり、互いに反対向きに設置されて面対称となっている。一対のEP形コア片1、1が面対称で重合方向Pに重合される際に、ボビンBNが一対のEP形コア片1、1の内部に挟まれる形で入り込む。このとき、一対のEP形コア片1、1は、コイル9へ通電した際に形成される磁気回路に配置される。図1では、ボビンBNの端子TMが下方に存在しており、電磁誘導器100を上方から見た分解斜視図となっている。図2に、本実施形態に係る電磁誘導器を下方から見た分解斜視図を示す。図2に示す電磁誘導器では、コイルの一部分である上部部分が露出する。磁気コアとしては、例えば、多結晶磁性セラミックスからなるフェライトコアや、いわゆるダストコアが用いられる。ダストコアは、圧粉磁心とも呼ばれ、例えば強磁性体を微細な粉末にして粉末表面を絶縁被膜で覆い、圧縮して固めて作成(加圧成型等)された磁気コアである。
図3に示すように、EP形コア片1は、コイル9(図4A)の内部に配置される柱状の中足部3と、中足部3の外周を部分的に囲むように配置される外足部5と、中足部3と外足部5とを連結する連結部7とを具備している。EP形コア片1は、本実施形態では、金型等を使用して一体成形された磁気コア片であるが、中足部3、外足部5および連結部7のうちの少なくとも1つが別体で形成されて、例えば接着剤で接合されても良い。
中足部3は、本実施形態では、円筒状のボビンBNの胴部RL(図4A、図4B)の内径よりも若干小さい外径を有する円柱状である。ここで、中足部の軸心Cは、円筒状のボビンBNの軸心および螺旋形状のコイル9(図4A)の軸心と一致する。中足部3の断面を円形とすることで、磁気コアCRの低周波特性を向上させることができ、実効体積を増加させることができる。中足部3は、連結部7側にある一端部31とは反対側の他端部の端面33を有する。
外足部5は、本実施形態では、中足部3の外周を部分的に囲むように配置され、C字状またはU字状をしている。ここで、中足部3の外周を部分的に囲むとは、外足部5が外周壁5aにより、完全円筒状で中足部3の外周全体を囲むのではなく、外足部5の周方向の一部が切欠きされて、すなわち外足部5が開ループとなって、開口5bが形成されていることを示す。本実施形態では、外足部5は、開口5bを一ヶ所のみ有し、EP形コア片1は、単一の外足部5を具備する。このため、本実施形態の外足部5は、軸心Cの方向から見て、ほぼC字状である。ただし、外足部5は、図9に示した外足部50のようなU字状であってもよい。外足部5は、連結部7にある一端部51とは反対側の他端部の端面53を有する。
連結部7は、本実施形態では、中足部3の軸心C方向の一端部31と外足部5の軸心C方向の一端部51とを連結する。連結部7は、中足部3の一端部31および外足部5の一端部51と同一の軸心C方向の位置に平坦面71を有し、当該平坦面71と中足部3の一端部31および外足部5の一端部51とが同一面上に存在して重なることで、中足部3の一端部31と外足部5の一端部51とを連結する。よって、連結部7の平坦面71、中足部3の一端部31および外足部5の一端部51は、EP形コア片1の内部に存在し、EP形コア片1の全体が一体成形される本実施形態においては、現実的に面として形成されるものではない。
連結部7は、外足部5の一端部51における一対の周方向端縁55、55と軸心C方向に重なる位置、つまり各周方向端縁55、55から連結部7上を軸心C方向に延長した線分555から、中足部3の一端部31における周方向に離間した一対の接続点35、35と軸心C方向に重なる位置、つまり各接続点35、35から連結部7上を軸心C方向に延長した線分355にまで延びる、一対の連結端面75、75を有する。一対の連結端面75、75は、各周方向端縁55、55と軸心C方向に重なる連結部7内の各線分555から、各接続点35、35と軸心C方向に重なる連結部7内の各々対応する線分355に延びる面であり、具体的には、線分555上と線分355とを含む平坦な面である。一対の周方向端縁55、55は、開口5bに面した、外足部5の一端部51における、外足部5の周方向の両端部に位置する端縁であり、上述のC字の両端部に位置する端縁である。一対の接続点35、35は、中足部3の一端部31上の開口部5b側に、互いに周方向に離間して存在していれば、その位置は任意であり、例えば実験結果や数値演算結果、経験等から決定される。
軸心C方向からみて、この2つの連結端面75、一対の接続点35、35を両端とする中足部3の劣弧MN、および外足部5の一対の周方向端縁55、55を結んだ仮想線Lで囲まれた部分が、連結部7が存在しない切欠部NTである。切欠部NTでは、仮想線Lと劣弧MNとの位置関係により、仮想線Lと劣弧MNとの間に隙間Sが存在している。ただし、この隙間Sは無くてもよい。開口5bが小さくなるに連れて、仮想線Lの長さが短くなり、すなわち一方の周方向端縁55と軸心Cと他方の周方向端縁55とで作る角度θが小さくなり、仮想線Lと劣弧MNとが離間して、隙間Sが大きくなる。逆に、開口5bが大きくなるに連れて、仮想線Lの長さが長くなり、すなわち角度θが大きくなり、仮想線Lと劣弧MNとが交わる方向に向かい、隙間Sは小さくなる。この構成により、仮想線Lが、中足部3の軸心Cに直交する方向の外方に離れていればいるほど、つまり、図3(b)において中足部3よりも、外周壁5aの周方向の中央部5aaと反対側に離れて位置していればいるほど、仮想線Lの長さが短くなるので、外足部5が中足部3およびコイル9(図4A)の周方向のより大きな部分を囲むことができ、すなわち外足部5がコイル9を囲まない部分をより減少させることができ、コイル9からの磁束の磁束漏れをより減少させることが可能となる。
本実施形態の電磁誘導器100は、切欠部NTを有する上記の構成により、以下の効果を奏する。図4Aに示すように、本実施形態のボビンBNでは、コイル9を端子TMに電気的に接続する引出し線9aがボビンBNの胴部RLの径方向直近から引き出される。この理由は、図3の切欠部NTが中足部3の外周面に達しているので、コイル9の最内側からの引出し線9aを、コイル9の他の部分に接することなく、軸心C方向に向けてそのまま外側に引き出すことができるからである。引出し線9aは、図4Bに示すように、端子TMにはんだ付けされる。よって、図10に示した従来のように、コイル9の内側からの引出し線9aを絶縁するために、ボビンBNのつば部RLaの内面に沿って絶縁テープTPを貼付する必要は無く、当該絶縁テープTP貼付のための工数アップと、引出し線9aの引出しによるコイル90の巻回の乱れを改善するという、従来の1点目の課題を解決することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の電磁誘導器について説明する。本実施形態の電磁誘導器は、コイルと、図5に示す一対のEP形コア片1Aとを備える。EP形コア片1Aは、第1実施形態のEP形コア片1と基本的に同じであるが、さらに以下の構成を有する。なお、本実施形態の各構成において第1実施形態の構成に対応するものには、同じ数字にアルファベットを添えた符号が付され、その説明は、変更等の説明が特段ない限り省略する。
EP形コア片1Aの中足部3Aは、連結部7Aと反対側の他端部の端面33Aが高さ調整のための研磨が非施工である。ここで、中足部3Aの高さH1とは、中足部3Aの軸心C方向の長さのことである。また、外足部5Aは、連結部7Aと反対側の他端部の端面53Aが高さ調整のために研磨された研磨面を有する。ここで、外足部5Aの高さH2とは、外足部5Aの軸心C方向の長さのことである。中足部3Aの端面33Aが高さ調整のための研磨が非施工であり、外足部5Aの端面53Aが高さ調整のための研磨が施工される理由は次の理由による。
このEP形の磁気コアの中足部3Aは、既に述べた様に、E形コアの中足部とは異なり、複数のコアを隣り合わせて並べて、グラインダを用いて同時にまとめて研磨することができない。しかし、図5に示す本実施形態のEP形コア片1Aでは、次に述べる製造方法により中足部3Aの高さH1を外足部5Aの高さH2よりも低く形成することで、中足部3Aの端面33Aは高さ調整のための研磨が不要でありながら、中足部3A、3A間の前記磁気ギャップが形成可能となり、このとき中足部3Aを研磨することなく外足部5Aの端面53Aのみを高さ調整のために研磨方向GRに沿って微少研磨することができるので、磁気ギャップ長さを微調整することができる。以上のことから、磁気ギャップ生成における作業性が低下するという、従来の2点目の課題を解決することができるとともに、研磨面を介して外足部同士を安定して密着させることができ、密着度の差による磁気抵抗のばらつきを防止できる。
次に、第2実施形態の電磁誘導器の製造方法について説明する。図6に、本実施形態の電磁誘導器のEP形コア片1Aと共に、EP形コア片1Aの製造に使用する、上パンチMD1、ダイMD2、下パンチMD3および移動型MD4で構成される成形型MDの概略縦断面図を示す。最初の工程として、移動型MD4が摺動可能に設けられた下パンチMD3とダイMD2とで受け型を形成してから、その中へ磁性セラミックス材料または表面を絶縁被膜で覆った強磁性体の微細粉末を充填した後に、上パンチMD1を上記受け型に装着する。なお、ダイMD2は、図6中では複数の部分に分かれて描かれているが、一体の型である。その後、下パンチMD3と上パンチMD1とを互いに押圧する。その際、移動型MD4を下パンチMD3に対して軸心C方向に摺動させて所定の位置で固定することで、中足部3Aを所望の磁気ギャップに対応した高さとすることが可能となる。この状態で、EP形コア片1Aを加圧焼結することで、EP形コア片1Aのコア素材が作製される。次の工程で、図5に示したように、このEP形コア片1Aのコア素材における外足部5Aの研磨面53Aを、高さ調整のために研磨する。以上の工程により、本実施形態の電磁誘導器のEP形コア片1Aが完成する。
このような製造方法により、中足部3Aの他端部の端面33Aを研磨することなく、中足部3Aの高さH1を外足部5Aの高さH2よりも所望の長さだけ低く形成することができるので、磁気ギャップ生成における作業性を向上させることができ、従来の2点目の課題を解決できる。加えて、コア素材の作製後に、中足部3Aを研磨することなく外足部5Aの高さを調整することができ、一対のコア片1Aを重合した際の磁気ギャップ長さを調整することができる。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。例えば、上記の各実施形態のEP形コア片において、図7および図8に示すように、中足部3B、3Cの断面形状を円形に限ることなく、楕円形状(図7)やほぼ矩形形状(図8)とすることができる。中足部3B、3Cの断面形状が楕円形状、またはほぼ矩形形状となることに連動して、外足部5B、5Cおよび連結部7B、7Cも、各々対応した形状とすることができる。こうした形状のEP形コア片1B、1Cも本発明の範囲内に含まれる。
1、1A、1B、1C コア片
3 中足部
31 (中足部の)一端部
33 他端部端面
35 接続点
355 線分(重なる位置)
5 外足部
51 (外足部の)一端部
53 他端部端面(研磨面)
55 周方向端縁
555 線分(重なる位置)
7 連結部
75 連結端面
9 コイル
100 電磁誘導器
C 軸心
CR コア
GR 研磨方向
L 仮想線
MD 成形型(高さが変更可能な型)

Claims (4)

  1. コイルと、前記コイルへの通電により形成される磁気回路に配置されたコアとを備えた電磁誘導器であって、
    前記コアは、一対のコア片を重合してなり、
    各コア片は、
    前記コイル内部に配置される柱状の中足部と、
    前記中足部の外周を部分的に囲むように配置されるC字状またはU字状の外足部と、
    前記中足部の軸心方向の一端部と前記外足部の前記軸心方向の一端部とを連結する連結部と
    を具備し、
    前記連結部は、前記外足部の前記一端部における一対の周方向端縁と前記軸心方向に重なる位置から、前記中足部の前記一端部における周方向に離間した一対の接続点と前記軸心方向に重なる位置に延びる、一対の連結端面を有する
    電磁誘導器。
  2. 請求項1において、
    前記外足部の前記一対の周方向端縁を結んだ仮想線が、前記中足部よりも、前記軸心に直交する方向の外方に位置している
    電磁誘導器。
  3. 請求項1または2において、
    前記中足部は、前記連結部と反対側の他端部の端面が前記中足部の前記軸心方向の高さ調整のための研磨が非施工であり、
    前記外足部は、前記連結部と反対側の他端部の端面が前記外足部の前記軸心方向の高さ調整のために研磨された研磨面を有する
    電磁誘導器。
  4. 請求項3に記載の電磁誘導器のコアを製造する方法であって、
    前記中足部の前記他端部の端面における前記高さが変更可能な型を使用してコア素材を作製し、
    前記コア素材の前記外足部の、前記他端部の前記研磨面を、前記高さ調整のために研磨する
    電磁誘導器のコアの製造方法。
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