JP2016031930A - 剥離方法、発光装置、モジュール、及び電子機器 - Google Patents

剥離方法、発光装置、モジュール、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】歩留まりを改善した剥離方法、及び光取り出し効率の高い発光装置を提供する。
【解決手段】基板101上に剥離層102を形成する第1の工程と、剥離層の表面にプラズマ処理を行う第2の工程と、剥離層上に被剥離層110を形成する第3の工程と、剥離層と被剥離層を加熱する第4の工程と、剥離層と被剥離層を分離する第5の工程と、を有し、プラズマ処理は、亜酸化窒素及びシランを含む雰囲気下で行う、剥離方法。
【選択図】図1

Description

本発明の一態様は、剥離方法、剥離工程を有する装置の作製方法、発光装置、入出力装置、モジュール、及び電子機器に関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、電子機器、照明装置、入力装置(例えば、タッチセンサなど)、入出力装置(例えば、タッチパネルなど)、それらの駆動方法、又は、それらの製造方法を一例として挙げることができる。
近年、可撓性を有する基板(以下、可撓性基板と記す)上に半導体素子、表示素子、発光素子などの機能素子が設けられたフレキシブルデバイスの開発が進められている。フレキシブルデバイスの代表的な例としては、照明装置、画像表示装置の他、トランジスタなどの半導体素子を有する種々の半導体回路などが挙げられる。
可撓性基板を用いた装置の作製方法としては、ガラス基板や石英基板などの作製基板上に薄膜トランジスタや有機EL(Electroluminescence)素子などの機能素子を作製したのち、可撓性基板に該機能素子を転置する技術が開発されている。この方法では、作製基板から機能素子を含む層を剥離する工程(剥離工程と記す)が必要である。
例えば、特許文献1に開示されているレーザアブレーションを用いた剥離技術では、まず、基板上に非晶質シリコンなどからなる分離層を設け、分離層上に薄膜素子からなる被剥離層を設け、被剥離層を接着層により転写体に接着させる。そして、レーザ光の照射により分離層をアブレーションさせることで、分離層に剥離を生じさせている。
また、特許文献2には人の手などの物理的な力で剥離を行う技術が記載されている。特許文献2では、基板と酸化物層との間に金属層を形成し、酸化物層と金属層との結合が弱いことを利用して、酸化物層と金属層との界面で剥離を生じさせることで、被剥離層と基板とを分離している。
特開平10−125931号公報 特開2003−174153号公報
剥離工程において、剥離界面における剥離性が劣ると、被剥離層中に大きな応力がかかり、被剥離層を構成する層にクラックが入ってしまう場合や、機能素子が破壊されてしまう場合がある。
本発明の一態様は、剥離工程における歩留まりを向上することを目的の一とする。
または、本発明の一態様は、発光装置、表示装置、半導体装置、入出力装置、電子機器、又は照明装置等の装置の作製工程における歩留まりを向上することを目的の一とする。特に、軽量である、薄型である、もしくは可撓性を有する発光装置、表示装置、半導体装置、入出力装置、電子機器、又は照明装置等の装置の作製工程における歩留まりを向上することを目的の一とする。
または、本発明の一態様は、剥離性の高い剥離方法を提供することを目的の一とする。または、本発明の一態様は、生産性の高い装置の作製方法を提供することを目的の一とする。
または、本発明の一態様は、信頼性の高い発光装置などを提供することを目的の一とする。または、本発明の一態様は、光取り出し効率の高い発光装置などを提供することを目的の一とする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項の記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項の記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
または、本発明の一態様は、基板上に剥離層を形成する第1の工程と、剥離層の表面にプラズマ処理を行う第2の工程と、剥離層上に被剥離層を形成する第3の工程と、剥離層と被剥離層を加熱する第4の工程と、剥離層と被剥離層を分離する第5の工程と、を有し、プラズマ処理は、窒素、酸素、珪素、及び水素を含む雰囲気下で行う、剥離方法である。
上記方法において、該プラズマ処理は、亜酸化窒素及びシランを含む雰囲気下で行うことが好ましい。
上記方法において、該プラズマ処理は、亜酸化窒素、シラン、及びアンモニアを含む雰囲気下で行うことが好ましい。
上記各方法において、第2の工程では、該プラズマ処理を行うことで、剥離層の表面に酸化物層を形成することが好ましい。例えば、第1の工程では、タングステンを用いて剥離層を形成し、第2の工程では、プラズマ処理を行うことで、タングステン及び酸素を含む酸化物層を形成してもよい。
または、本発明の一態様は、第1の基板と、第1の接着層と、第1の酸化物層と、第1の絶縁層と、素子層とを、この順で積層して有し、第1の基板は可撓性を有し、素子層は発光素子を有し、第1の基板、第1の接着層、第1の酸化物層、及び第1の絶縁層の積層構造の、波長450nm以上700nm以下の範囲の光の透過率の平均値は、70%以上100%以下である、発光装置である。該平均値は、80%以上であるとより好ましい。
上記構成において、第1の酸化物層の第1の接着層側の面に対して行うX線光電子分光分析で求められる、W4f軌道に帰属される第1のピークは、W4f軌道に帰属される第2のピークの0.60倍以上1.0倍以下の強度を有することが好ましく、0.70倍以上の強度を有することがより好ましく、0.75倍以上の強度を有することがさらに好ましい。なお、第1のピークは、WO(2≦x<3)で表される酸化タングステン及びタングステン窒化物に由来するピークのうち最も強度の高いピークであり、第2のピークは、酸化タングステン(VI)(三酸化タングステン、WOともいう)に由来するピークのうち最も強度の高いピークである。WO(2≦x<3)としては、酸化タングステン(IV)(二酸化タングステン、WOともいう)、酸化タングステン(V)(Wともいう)、W11等が挙げられる。
または、上記構成において、第1の酸化物層の第1の接着層側の面に対して行うX線光電子分光分析で求められる、W4f軌道に帰属される第3のピークは、W4f軌道に帰属される第4のピークよりも高い強度を有することが好ましく、1.30倍以上2.0倍以下の強度を有することがより好ましい。なお、第3のピークは、WO(2≦x<3)で表される酸化タングステン及びタングステン窒化物に由来するピークのうち最も強度の高いピークであり、第4のピークは、酸化タングステン(VI)に由来するピークのうち2番目に強度の高いピークである。
上記各構成において、第1の酸化物層の厚さは、1nm以上5nm未満であってもよい。
上記各構成において、第1の酸化物層の抵抗率は、1.0×10Ω・m以上1.0×1015Ω・m以下であってもよい。
上記各構成において、第1の絶縁層は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)で検出される水素濃度が、1.0×1020atoms/cm以上1.0×1022atoms/cm以下である領域を含んでいてもよい。
上記各構成において、第1の絶縁層は、SIMSで検出される窒素濃度が、5.0×1020atoms/cm以上1.0×1023atoms/cm以下である領域を含んでいてもよい。
上記各構成において、第2の基板と、第2の接着層と、第2の酸化物層と、第2の絶縁層とを、この順で積層して有し、第2の基板は可撓性を有し、素子層は、第1の絶縁層と第2の絶縁層との間に設けられ、第2の絶縁層は、第2の酸化物層と素子層との間に設けられ、第2の基板、第2の接着層、第2の酸化物層、及び第2の絶縁層の積層構造の、波長450nm以上700nm以下の範囲の光の透過率の平均値が70%以上100%以下であってもよい。該平均値は、80%以上であるとより好ましい。
さらに、上記構成において、第2の酸化物層の第2の接着層側の面に対して行うX線光電子分光分析で求められる、W4f軌道に帰属される第5のピークは、W4f軌道に帰属される第6のピークの0.60倍以上1.0倍以下の強度を有していてもよく、0.70倍以上の強度を有することが好ましく、0.75倍以上の強度を有することがより好ましい。なお、第5のピークは、WO(2≦x<3)で表される酸化タングステン及びタングステン窒化物に由来するピークのうち最も強度の高いピークであり、第6のピークは、酸化タングステン(VI)に由来するピークのうち最も強度の高いピークである。
または、上記構成において、第2の酸化物層の第2の接着層側の面に対して行うX線光電子分光分析で求められる、W4f軌道に帰属される第7のピークは、W4f軌道に帰属される第8のピークよりも高い強度を有していてもよく、1.30倍以上2.0倍以下の強度を有することが好ましい。なお、第7のピークは、WO(2≦x<3)で表される酸化タングステン及びタングステン窒化物に由来するピークのうち最も強度の高いピークであり、第8のピークは、酸化タングステン(VI)に由来するピークのうち2番目に強度の高いピークである。
上記各構成において、第2の酸化物層の厚さは、1nm以上5nm未満であってもよい。
上記各構成において、第2の酸化物層の抵抗率は、1.0×10Ω・m以上1.0×1015Ω・m以下であってもよい。
上記各構成において、第2の絶縁層は、SIMSで検出される水素濃度が、1.0×1020atoms/cm以上1.0×1022atoms/cm以下である領域を含んでいてもよい。
上記各構成において、第2の絶縁層は、SIMSで検出される窒素濃度が、5.0×1020atoms/cm以上1.0×1023atoms/cm以下である領域を含んでいてもよい。
また、上記いずれかの構成が適用された表示装置、半導体装置、又は入出力装置等の装置も本発明の一態様である。これらの装置はそれぞれ、機能層に含まれる機能素子が異なる。例えば、本発明の一態様の表示装置は、機能素子として表示素子を有する。本発明の一態様の半導体装置は、機能素子として半導体素子を有する。本発明の一態様の入出力装置は、機能素子として発光素子又は表示素子と、検知素子又はタッチセンサと、を有する。
また、本発明の一態様は、上記いずれかの構成が適用された発光装置、表示装置、半導体装置、又は入出力装置を有し、FPC(Flexible printed circuit)もしくはTCP(Tape Carrier Package)などのコネクターが取り付けられたモジュール、又はCOG(Chip On Glass)方式等によりICが実装されたモジュールである。
また、上記モジュールを用いた電子機器や照明装置も本発明の一態様である。例えば、本発明の一態様は、上記モジュールと、アンテナ、バッテリ、筐体、スピーカ、マイク、操作スイッチ、又は操作ボタンと、を有する、電子機器である。
本発明の一態様により、剥離工程における歩留まりを向上することができる。
または、本発明の一態様により、発光装置、表示装置、半導体装置、入出力装置、電子機器、もしくは照明装置等の装置の作製工程における歩留まりを向上することができる。特に、軽量である、薄型である、もしくは可撓性を有する発光装置、表示装置、半導体装置、入出力装置、電子機器、又は照明装置等の装置の作製工程における歩留まりを向上することができる。
または、本発明の一態様により、剥離性の高い剥離方法を提供することができる。または、本発明の一態様により、生産性の高い装置の作製方法を提供することができる。
または、本発明の一態様により、信頼性の高い発光装置などを提供することができる。または、本発明の一態様により、光取り出し効率の高い発光装置などを提供することができる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項の記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項の記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
剥離方法の一例を示す図。 発光装置の一例を示す図。 発光装置の一例を示す図。 発光装置の一例を示す図。 入出力装置の一例を示す図。 入出力装置の一例を示す図。 入出力装置の一例を示す図。 入出力装置の一例を示す図。 入出力装置の一例を示す図。 入出力装置の一例を示す図。 電子機器及び照明装置の一例を示す図。 電子機器の一例を示す図。 実施例1に係る、断面TEM画像。 実施例1に係る、剥離に要する力の測定に用いた装置を示す図。 実施例1に係る、試料の透過率を示す図。 実施例1に係る、試料のXPS分析結果を示す図。 実施例1に係る、試料のXPS分析結果を示す図。 実施例1に係る、試料の電流−電圧特性を示す図。 実施例1に係る、SIMS分析結果を示す図。 実施例1に係る、SIMS分析結果を示す図。
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
また、図面において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、又は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能である。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能である。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の剥離方法について説明する。
本発明の一態様では、作製基板上に剥離層を形成し、当該剥離層の表面にプラズマ処理を行い、プラズマ処理が施された剥離層上に被剥離層を形成し、剥離層及び被剥離層を加熱した後、剥離層と被剥離層を分離する。
本発明の一態様において、プラズマ処理は、亜酸化窒素(NO)及びシラン(SiH)を含む雰囲気下で行う。亜酸化窒素を含む雰囲気下でプラズマ処理を行うことで、剥離層の表面を酸化し、酸化物層を形成することができる。該酸化物層は、剥離層に含まれる材料の酸化物を含む。例えば、剥離層にタングステンを含む場合、酸化タングステンを含む酸化物層を形成することができる。
ここで、剥離層と被剥離層を分離した後、酸化タングステンなどの金属酸化物を含む酸化物層の一部が被剥離層側に残存することがある。酸化物層が可視光に対する透過性が低い場合、発光装置や表示装置の光取り出し効率の低下の要因となる恐れがある。また、導電性を有する酸化物は寄生容量の原因となり、半導体素子の特性に影響を及ぼす可能性がある。
そこで、本発明の一態様では、上述の通り、亜酸化窒素だけでなく、シランも含む雰囲気下で、プラズマ処理を行う。シランを用いることで、剥離層の表面が亜酸化窒素により酸化されることを制御することができる。これにより、剥離層の表面に形成される酸化物層の膜厚を小さくすることができる。なお、酸化物層は、電子顕微鏡等による断面観察で確認が困難な程度に薄い膜であってもよい。酸化物層がとても薄い厚さであると、発光装置や表示装置の光取り出し効率の低下を抑制できる。または、半導体素子の特性変動を抑制できる。
亜酸化窒素とシランを含む雰囲気下でプラズマ処理を行うと、亜酸化窒素により剥離層の表面が酸化されると同時に、シランにより剥離層上に膜(例えば、酸化窒化シリコン膜や窒化酸化シリコン膜など)が形成される。剥離層上に膜が形成されることで、剥離層の酸化の進行を制御することができる。これにより、剥離層の表面に、薄膜の酸化物層を形成することができる。
被剥離層は、剥離層上の第1の層と、第1の層上の第2の層を有することが好ましい。
第1の層は、加熱工程において、水素を放出することができる層である。加熱により、第1の層から水素が放出されることで、酸化物層に水素が供給される。
第1の層は、加熱工程において、水素だけでなく、窒素も放出することができる層であってもよい。加熱により、第1の層から窒素が放出されることで、酸化物層に窒素が供給される。
第2の層は、水素をブロックすることができる層である。第2の層は、水素及び窒素をブロックすることができる層であってもよい。第2の層により、第1の層から被剥離層に水素(及び窒素)が供給されることを抑制することができるとともに、酸化物層に水素(及び窒素)を効率よく供給することができる。
酸化物層内に供給された水素により、酸化物層内の酸化物が還元され、酸化物層中に酸素の組成の異なる複数の酸化物が混在した状態となる。例えば、剥離層にタングステンを含む場合には、プラズマ処理により形成されたWOが還元され、WOよりも酸素の組成の少ないWO(2<x<3)やWOが生成され、これらが混在した状態となる。このような混合金属酸化物は酸素の組成に応じて異なる結晶構造を示すため、酸化物層内の機械的強度が脆弱化する。その結果、酸化物層の内部で崩壊しやすい状態が実現され、後の剥離工程における剥離性を向上させることができる。
さらに、酸化物層に供給された窒素により、剥離層に含まれる材料と窒素を含む化合物も生成される。このような化合物の存在により、酸化物層の機械的強度をより脆弱化させることができ、剥離性を高めることができる。剥離層に金属を含む場合、酸化物層に金属と窒素を含む化合物(金属窒化物)が生成される。例えば、剥離層にタングステンを含む場合には、タングステン窒化物が酸化物層に生成される。
酸化物層内に供給する水素が多いほど、WOが還元されやすく、酸化物層中に酸素の組成の異なる複数の酸化物が混在した状態となりやすいため、剥離に要する力を少なくすることができる。酸化物層内に供給する窒素が多いほど、酸化物層の機械的強度を脆弱化させることができ、剥離に要する力を少なくすることができる。第1の層が厚いほど、水素(及び窒素)の放出量を多くすることができるため好ましい。一方、第1の層が薄いほど、生産性が高くなり好ましい。
そこで、本発明の一態様では、亜酸化窒素及びシランだけでなく、アンモニア(NH)も含む雰囲気下でプラズマ処理を行う。これにより、第1の層から供給する必要がある水素量や窒素量を減少させることができるため、第1の層の薄膜化が可能となり、生産性の向上と剥離性の向上を両立させることができる。これは、亜酸化窒素、シラン、及びアンモニアを含む雰囲気下でプラズマ処理を行うことで、酸化物層に水素や窒素が供給されるためと考えられる。
なお、剥離層と被剥離層の分離後、露出した剥離層の表面や被剥離層の表面に対して、X線光電子分光法(XPS:X‐ray Photoelectron Spectroscopy)などを用いた分析を行うことで、酸化物や窒化物の存在を確認することができる。つまり、電子顕微鏡等による断面観察で酸化物層の確認が困難であっても、酸化物層が形成されたことを、XPS分析等を用いて確認することができる。
例えば、被剥離層の表面に対してXPS分析を行うと、W4f軌道に帰属される3つのピーク(ピークA、B、C)が確認される。ピークAは、最も強度の高いピークであり、かつ、WOに由来する。ピークBは、WOに由来するピークのうち2番目に強度の高いピークである。ピークBは、ピークAより高エネルギー側(ピークAから+5eV以内)に現れる。ピークCは、WO(2<x<3)、WO、タングステン窒化物に由来するピークのうち最も強度の高いピークである。ピークCはピークAより低エネルギー側(ピークAから−4eV以内)に現れる。
具体的には、34.5eV以上36.5eV以下の範囲のピーク(ピークAに対応)や、37.5eV以上39.5eV以下の範囲のピーク(ピークBに対応)が、WOに由来するピークである。また、32.5eV以上34.5eV未満の範囲のピーク(ピークCに対応)が、WO(2<x<3)、WO、タングステン窒化物に由来するピークである。
ピークCは、ピークAの0.60倍以上の強度を有することが好ましい。ピークCは、より好ましくは、ピークAの0.70倍以上、さらに好ましくは0.75倍以上の強度を有する。ピークCがピークAよりも低い強度である場合、ピークAとピークCの強度の差が小さいほど、剥離に要する力を小さくすることができる。ピークCは、ピークAより高い強度を有していてもよい。
または、ピークCは、ピークBより高い強度を有することが好ましい。ピークBよりもピークCの方が高い強度を有すると、剥離に要する力が小さくなり、好ましい。
また、剥離層と被剥離層の分離後、露出した被剥離層の表面の抵抗を測定すると、十分な絶縁性が確認できる。例えば、実施例1で後述するように、露出した被剥離層上に一対の電極を形成し、一対の電極間の電流−電圧特性を得ることで、被剥離層の表面の抵抗を求めることができる。被剥離層の表面の抵抗が、1.0×1010Ω以上1.0×1014Ω以下であると好ましく、1.0×1012Ω以上1.0×1014Ω以下であるとより好ましい。なお、抵抗は1.0×1014Ωより大きくてもよい。
酸化物層の抵抗率は、1.0×10Ω・m以上1.0×1015Ω・m以下、好ましくは、1.0×10Ω・m以上1.0×1015Ω・m以下である。なお、酸化物層の抵抗率は1.0×1015Ω・mより大きくてもよい。
以下では、図1を用いて本発明の一態様の剥離方法をより詳細に説明する。なお、各実施の形態で説明に用いる図面には、酸化物層を図示している((図1(B)等に示す酸化物層111や図2(C)等に示す酸化物層704、酸化物層714参照)が、上述の通り、本発明の一態様で形成する酸化物層は極めて薄く、視認や断面観察等での確認が困難である場合がある。
[第1の工程]
まず、作製基板101上に剥離層102を形成する(図1(A))。
作製基板101には、少なくとも作製工程中の処理温度に耐えうる耐熱性を有する基板を用いる。作製基板101としては、例えばガラス基板、石英基板、サファイア基板、半導体基板、セラミック基板、金属基板、プラスチック基板などを用いることができる。
なお、量産性を向上させるため、作製基板101として大型のガラス基板を用いることが好ましい。例えば、第3世代(550mm×650mm)以上第10世代(2950mm×3400mm)以下の各ガラス基板、又は第10世代よりも大型のガラス基板を用いることが好ましい。
作製基板101にガラス基板を用いる場合、作製基板101と剥離層102との間に下地膜を形成すると、ガラス基板からの汚染を防止でき、好ましい。下地膜としては、例えば、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、又は窒化酸化シリコン膜等の絶縁膜が挙げられる。
剥離層102には、無機材料を用いることができる。無機材料としては、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン、タンタル、ニオブ、ニッケル、コバルト、ジルコニウム、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、シリコンから選択された元素を含む金属、該元素を含む合金、又は該元素を含む化合物等が挙げられる。シリコンを含む層の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれでもよい。
剥離層102に、タングステン、チタン、モリブデンなどの高融点金属を用いると、被剥離層の形成工程の自由度が高まるため好ましい。
剥離層102が単層構造の場合、タングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成することが好ましい。なお、タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相当する。例えば、Mo:W=3:1、1:1、又は1:3(いずれも原子数比)などのモリブデンとタングステンの合金膜を用いてもよい。また、モリブデンとタングステンの合金膜は、例えば、Mo:W=49:51、61:39、又は14.8:85.2(いずれも重量%)の組成の金属ターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。
剥離層102は、例えばスパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法(プラズマCVD法、熱CVD法、MOCVD(Metal Organic CVD)法など)、ALD(Atomic Layer Deposition)法、塗布法(スピンコーティング法、液滴吐出法、ディスペンス法等を含む)、印刷法、蒸着法等により形成できる。
剥離層102の厚さは、1nm以上1000nm以下、好ましくは10nm以上200nm以下、より好ましくは10nm以上100nm以下とする。
本実施の形態では、タングステンを用いて剥離層102を形成する。
[第2の工程]
次に、剥離層102の表面にプラズマ処理を行う(図1(A)の点線で示す矢印参照)。
剥離層102の表面状態を変えることにより、剥離層102と後に形成される被剥離層との密着性を制御することが可能である。
上述の通り、本発明の一態様において、プラズマ処理は、亜酸化窒素及びシランを含む雰囲気下で行う。これにより、剥離層102の表面に、剥離層102を構成する材料の酸化物層111を形成することができる。この方法によると、とても薄い厚さの酸化物層111を形成することができる。
プラズマ処理は、亜酸化窒素、シラン、及びアンモニアを含む雰囲気下で行うことが好ましい。これにより、第5の工程で剥離層102と被剥離層110を分離する際に要する力を小さくでき、工程の歩留まりを高めることができる。
プラズマ処理を行うことで、剥離層102の表面が酸化され、酸化物層111が形成される(図1(B))。
酸化物層111は、剥離層に含まれる材料の酸化物を含む層である。剥離層102が金属を含む場合、酸化物層111は、剥離層102に含まれる金属の酸化物を含む層である。酸化物層111は、タングステン酸化物、チタン酸化物、又はモリブデン酸化物を含むことが好ましい。
タングステン酸化物は一般にWO(2≦x<3)で表記され、代表的にはWO、W、W11、WOといった様々な組成をとりうる不定比性化合物としても存在する。またチタン酸化物や、モリブデン酸化物も同様に不定比性化合物としても存在する。
本実施の形態では、酸化物層111がタングステン酸化物を含む。
酸化物層111の厚さは、1nm以上5nm未満、好ましくは1nm以上3nm以下とする。酸化物層111の厚さは、1nm未満であってもよい。なお、上述の通り、酸化物層111が極めて薄い場合には、断面観察像で確認が困難である。
この段階における酸化物層111は、酸素を多く含む状態であることが好ましい。例えば剥離層102としてタングステンを用いた場合には、酸化物層111がWOを主成分とするタングステン酸化物であることが好ましい。
本発明の一態様では、プラズマ処理を用いて酸化物層111を形成するため、酸化物層111の厚さをプラズマ処理の条件によって変化させることができる。なお、本発明の一態様では、シランの代わりに、ジシラン又はトリシランを用いてもよい。
[第3の工程]
次に、剥離層102(及び酸化物層111)上に被剥離層110を形成する。具体的には、剥離層102(及び酸化物層111)上に第1の層103を形成し、第1の層103上に第2の層104を形成する(図1(B))。
第1の層103としては、例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、又は窒化酸化シリコン膜を用いることができる。第1の層103は、酸素、窒素、及びシリコンを含むことが好ましい。
なお、本明細書等において「酸化窒化シリコン」とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものをいう。また、本明細書等において、「窒化酸化シリコン」とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものをいう。
第1の層103は、さらに水素を含むことが好ましい。上述の通り、第1の層103は、後の加熱工程において、水素を放出する機能を有する。また、第1の層103は、後の加熱工程において、水素及び窒素を放出する機能を有していてもよい。なお、酸化物層111と第1の層103は接していなくてもよく、酸化物層111と第1の層103の間に他の層を有していてもよい。
第1の層103は、SIMSにより検出される水素濃度が1.0×1020atoms/cm以上1.0×1022atoms/cm以下、好ましくは5.0×1020atoms/cm以上5.0×1021atoms/cm以下である領域を含むことが好ましい。
第1の層103は、SIMSにより検出される窒素濃度が5.0×1020atoms/cm以上1.0×1023atoms/cm以下、好ましくは1.0×1021atoms/cm以上5.0×1022atoms/cm以下である領域を含むことが好ましい。
第1の層103は、スパッタリング法、プラズマCVD法などの成膜方法により形成できる。特に、第1の層103に含まれる酸化窒化シリコン膜を、シランガス及び亜酸化窒素ガスを含む成膜ガスを用いたプラズマCVD法により成膜することで、多量の水素及び窒素を膜中に含有させることができるため好ましい。また、成膜ガス中のシランガスの割合を大きくするほど、後の加熱工程において水素の放出量が多くなるため好ましい。
第1の層103の厚さが厚いほど、水素や窒素の放出量が多くなるため好ましいが、生産性を考慮した厚さに設定することが好ましい。本発明の一態様では、剥離層102に対してアンモニアを含む雰囲気下でプラズマ処理を行うことで、第1の層103から剥離層102へ供給する水素量や窒素量を低減することができるため、第1の層103の薄膜化が可能となり、生産性を向上させることができる。第1の層103の厚さは、1nm以上1μm以下が好ましく、50nm以上800nm以下がより好ましく、100nm以上400nm以下がさらに好ましく、100nm以上200nm以下が特に好ましい。
第2の層104は、窒素及びシリコンを含むことが好ましい。第2の層104としては、例えば、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、又は窒化酸化シリコン膜を用いることができる。特に、窒化シリコン膜又は窒化酸化シリコン膜が好ましい。
上述の通り、第2の層104は、後の加熱工程において、第1の層103から放出された水素(及び窒素)をブロックする機能を有する。なお、第1の層103と第2の層104の間に他の層を有していてもよい。
第2の層104は、スパッタリング法、プラズマCVD法などの成膜方法により形成できる。例えば、第2の層104に含まれる窒化シリコン膜を、シランガス、窒素ガス及びアンモニアガスを含む成膜ガスを用いたプラズマCVD法により成膜する。
第2の層104の厚さは特に限定されない。例えば、50nm以上600nm以下、好ましくは100nm以上300nm以下の厚さとすればよい。
被剥離層110は、機能素子を有していてもよい。機能素子は第1の層103上に形成することができる。機能素子は、第2の層104上に形成してもよい。例えば、トランジスタを用いたフレキシブルデバイスに本発明の一態様を適用する場合には、第2の層104上にトランジスタを作製すればよい。
[第4の工程]
次に、剥離層102と(酸化物層111と)被剥離層110を加熱する。
加熱処理を行うことにより、第1の層103から水素(及び窒素)が放出され、酸化物層111に供給される。このとき、第2の層104が放出された水素(及び窒素)をブロックするため、酸化物層111に水素(及び窒素)を効率よく供給することができる。
加熱処理は、第1の層103から水素(及び窒素)が脱離する温度以上、作製基板101の軟化点以下で行えばよい。また、酸化物層111内の金属酸化物の水素による還元反応が生じる温度以上で加熱を行うことが好ましい。加熱処理の温度が高いほど、第1の層103からの水素(及び窒素)の脱離量が高まるため、その後の剥離性を向上させることができる。なお、加熱時間、加熱温度によっては、剥離性が高くなりすぎ、意図しないタイミングで剥離が生じる場合がある。したがって、剥離層102にタングステンを用いる場合には、300℃以上700℃未満、好ましくは400℃以上650℃未満、より好ましくは400℃以上500℃以下の温度で加熱する。
加熱処理を行う雰囲気は特に限定されず、大気雰囲気下で行ってもよいが、窒素や希ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
加熱処理により被剥離層110から放出された水素や窒素は、第1の層103と剥離層102との間にトラップされる。その結果、酸化物層111内に、水素濃度や窒素濃度の高い領域が形成される。例えば、酸化物層111中に、SIMSにより検出される水素濃度が、第1の層103よりも高い領域が形成される。または、酸化物層111中に、SIMSにより検出される窒素濃度が、第1の層103よりも高い領域が形成される。
続いて、作製基板101と基板121とを接着層122により貼り合わせる(図1(C))。
基板121としては、作製基板101に用いることができる各種基板を適用できる。また、可撓性基板を用いてもよい。また、基板121として、トランジスタなどの半導体素子、有機EL素子などの発光素子、液晶素子、検知素子などの機能素子やカラーフィルタ等があらかじめ形成された基板を用いてもよい。
接着層122としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。また、接着層122として、水溶性樹脂、有機溶媒に可溶な樹脂、紫外線などの照射により可塑化させることが可能である樹脂等、必要時に基板121と被剥離層110とを分離することが可能な接着剤を用いてもよい。
[第5の工程]
そして、剥離層102と被剥離層110を分離する(図1(D))。
剥離の方法としては、例えば作製基板101又は基板121を吸着ステージに固定し、剥離層102と被剥離層110の間に剥離の起点を形成する。例えば、これらの間に刃物などの鋭利な形状の器具を差し込むことで剥離の起点を形成してもよい。また、レーザ光を照射し剥離層102の一部を溶解させることで剥離の起点を形成してもよい。また、液体(例えばアルコールや水、二酸化炭素を含む水など)を例えば剥離層102や被剥離層110の端部に滴下し、毛細管現象を利用して該液体を剥離層102と被剥離層110の境界に浸透させることにより剥離の起点を形成してもよい。
次いで、剥離の起点が形成された部分において、密着面に対して概略垂直方向に、緩やかに物理的な力を加えること(人間の手や治具で引き剥がす処理や、ローラーを回転させながら分離する処理等)により、被剥離層110を破損することなく剥離することができる。例えば、作製基板101又は基板121にテープ等を貼り付け、当該テープを上記方向に引っ張ることで剥離を行ってもよいし、鉤状の部材を作製基板101又は基板121の端部に引っかけて剥離を行ってもよい。また、粘着性の部材や真空吸着が可能な部材を作製基板101又は基板121の裏面に吸着させて引っ張ることにより、剥離を行ってもよい。
ここで、剥離時に、剥離界面に水や水溶液など、水を含む液体を添加し、該液体が剥離界面に浸透するように剥離を行うことで、剥離性を向上させることができる。また、剥離時に生じる静電気が、被剥離層110に含まれる機能素子に悪影響を及ぼすこと(半導体素子が静電気により破壊されるなど)を抑制できる。
剥離は主として酸化物層111の内部、及び酸化物層111と剥離層102との界面で生じる。したがって、図1(D)に示すように、剥離後の剥離層102の表面及び第1の層103の表面には、酸化物層111の一部が付着する場合がある。なお、付着した酸化物層111のそれぞれの厚さは異なっていてもよく、上述のように酸化物層111と剥離層102との界面で剥離しやすいことから第1の層103側に厚く付着する場合が多い。本発明の一態様では、とても薄い厚さの酸化物層を形成するため、剥離後の第1の層103の表面に酸化物層111が残存しても、発光装置や表示装置の光取り出し効率の低下を抑制できる。または、半導体素子の特性変動を抑制できる。
以上の方法により、作製基板101から被剥離層110を歩留まりよく剥離することができる。
その後、被剥離層110の剥離面側に接着層132を介して基板131を貼り付けてもよい(図1(E))。接着層132には、接着層122に用いることができる材料を適用できる。基板131には、基板121に用いることができる材料を適用できる。
基板121及び基板131にそれぞれ可撓性基板を用いることで、フレキシブルな積層体を作製することができる。なお、基板121が仮支持基板として機能する場合、基板121と被剥離層110とを分離し、被剥離層110と別の基板(例えば可撓性基板)を貼り合わせてもよい。
ここで、基板131及び接着層132に可視光に対する透過性を有する材料を用いた場合、基板131、接着層132、酸化物層111、第1の層103、及び第2の層104の積層構造の、波長450nm以上700nm以下の範囲の光の透過率の平均値を70%以上、あるいは80%以上、とすることができる。なお、被剥離層110に含まれる他の絶縁層を、該積層構造に含めてもよい。
以上のように、本発明の一態様の剥離方法では、亜酸化窒素及びシランを含む雰囲気下でプラズマ処理を行うことで、とても薄い厚さの酸化物層を、剥離層上に形成することができる。これにより、光取り出し効率の高い発光装置や表示装置を作製できる。または、信頼性の高い半導体装置等を作製できる。さらに、本発明の一態様の剥離方法では、亜酸化窒素、シラン、及びアンモニアを含む雰囲気下で該プラズマ処理を行うことで、加熱により水素や窒素を放出することができる層の厚さを薄くすることができる。したがって、剥離性の向上と生産性の向上を両立することができる。また、剥離性を高めることで、剥離工程の歩留まりを向上できる。
また、本発明の一態様の剥離方法は、作製基板上に機能素子を形成した後に剥離を行うことでフレキシブル性を実現できるため、機能素子の形成工程にかかる熱に対する制限がほとんど無い。したがって、高温プロセスにて作製した極めて信頼性の高い機能素子を、耐熱性の劣る可撓性基板上に歩留まりよく作製することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光装置について図面を用いて説明する。
本実施の形態では、主に有機EL素子を用いた発光装置を例示するが、本発明の一態様はこれに限られない。本実施の形態で後に例示する、他の発光素子や表示素子を用いた発光装置又は表示装置も、本発明の一態様である。また、本発明の一態様は、発光装置及び表示装置に限られず、半導体装置、入出力装置等の各種装置に適用することができる。
<具体例1>
図2(A)に発光装置の平面図を示し、図2(A)における一点鎖線A1−A2間の断面図の一例を図2(C)に示す。具体例1で示す発光装置は、カラーフィルタ方式を用いたトップエミッション型の発光装置である。本実施の形態において、発光装置は、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色の副画素で1つの色を表現する構成や、R、G、B、W(白)の4色の副画素で1つの色を表現する構成、R、G、B、Y(黄)の4色の副画素で1つの色を表現する構成等が適用できる。色要素としては特に限定はなく、RGBWY以外の色を用いてもよく、例えば、シアンやマゼンタ等を用いてもよい。
図2(A)に示す発光装置は、発光部804、駆動回路部806、FPC808を有する。
図2(C)に示す発光装置は、基板701、接着層703、酸化物層704、絶縁層705、複数のトランジスタ、導電層857、絶縁層815、絶縁層817、複数の発光素子、絶縁層821、接着層822、着色層845、遮光層847、絶縁層715、酸化物層714、接着層713、及び基板711を有する。接着層822、絶縁層715、酸化物層714、接着層713、及び基板711は可視光を透過する。発光部804及び駆動回路部806に含まれる発光素子やトランジスタは基板701、基板711、及び接着層822によって封止されている。
酸化物層704の接着層703側の面、又は、酸化物層714の接着層713側の面に対して行うXPS分析において、WO(2≦x<3)及びタングステン窒化物のW4f軌道に由来するピークのうち最も強度の高いピークは、WOのW4f軌道に由来するピークのうち最も強度の高いピークの0.60倍以上の強度を有することが好ましい。または、WO(2≦x<3)及びタングステン窒化物のW4f軌道に由来するピークのうち最も強度の高いピークは、WOのW4f軌道に由来するピークのうち2番目に強度の高いピークよりも高い強度を有することが好ましい。
光取り出し効率が高い発光装置を実現するために、基板711、接着層713、酸化物層714、絶縁層715の積層構造の、波長450nm以上700nm以下の範囲の光の透過率の平均値が70%以上であると好ましく、80%以上であるとさらに好ましい。
酸化物層704の厚さは、例えば、1nm以上5nm未満である。また、酸化物層714の厚さは、例えば、1nm以上5nm未満である。
トランジスタ820等の特性変動を抑制するためには、酸化物層704が十分な絶縁性を有していることが好ましい。酸化物層704の抵抗率は、例えば、1.0×10Ω・m以上1.0×1015Ω・m以下である。
絶縁層705は、酸化物層704側から、第1の層と、第2の層と、をこの順で積層して有することが好ましい。また、絶縁層715は、酸化物層714側から、第1の層と、第2の層と、をこの順で積層して有することが好ましい。第1の層及び第2の層の構成は実施の形態1を参照できる。
絶縁層705は、SIMSで検出される水素濃度が、1.0×1020atoms/cm以上1.0×1022atoms/cm以下である領域を含んでいてもよい。また、絶縁層705は、SIMSで検出される窒素濃度が、5.0×1020atoms/cm以上1.0×1023atoms/cm以下である領域を含んでいてもよい。
また、絶縁層715は、SIMSで検出される水素濃度が、1.0×1020atoms/cm以上1.0×1022atoms/cm以下である領域を含んでいてもよい。また、絶縁層715は、SIMSで検出される窒素濃度が、5.0×1020atoms/cm以上1.0×1023atoms/cm以下である領域を含んでいてもよい。
発光部804は、接着層703、酸化物層704、及び絶縁層705を介して基板701上にトランジスタ820及び発光素子830を有する。発光素子830は、絶縁層817上の下部電極831と、下部電極831上のEL層833と、EL層833上の上部電極835と、を有する。下部電極831は、トランジスタ820のソース電極又はドレイン電極と電気的に接続する。下部電極831の端部は、絶縁層821で覆われている。下部電極831は可視光を反射することが好ましい。上部電極835は可視光を透過する。
また、発光部804は、発光素子830と重なる着色層845と、絶縁層821と重なる遮光層847と、を有する。発光素子830と着色層845の間は接着層822で充填されている。
絶縁層815は、トランジスタを構成する半導体への不純物の拡散を抑制する効果を奏する。また、絶縁層817は、トランジスタ起因の表面凹凸を低減するために平坦化機能を有する絶縁層を選択することが好適である。
駆動回路部806は、接着層703及び絶縁層705を介して基板701上にトランジスタを複数有する。図2(C)では、駆動回路部806が有するトランジスタのうち、1つのトランジスタを示している。
絶縁層705と基板701は接着層703によって貼り合わされている。また、絶縁層715と基板711は接着層713によって貼り合わされている。絶縁層705や絶縁層715に防湿性の高い膜を用いると、発光素子830やトランジスタ820に水等の不純物が侵入することを抑制でき、発光装置の信頼性が高くなるため好ましい。
導電層857は、駆動回路部806に外部からの信号(ビデオ信号、クロック信号、スタート信号、又はリセット信号等)や電位を伝達する外部入力端子と電気的に接続する。ここでは、外部入力端子としてFPC808を設ける例を示している。工程数の増加を防ぐため、導電層857は、発光部や駆動回路部に用いる電極や配線と同一の材料、同一の工程で作製することが好ましい。ここでは、導電層857を、トランジスタ820を構成する電極と同一の材料、同一の工程で作製した例を示す。
図2(C)に示す発光装置では、FPC808が基板711上に位置する。接続体825は、基板711、接着層713、酸化物層714、絶縁層715、接着層822、絶縁層817、及び絶縁層815に設けられた開口を介して導電層857と接続している。また、接続体825はFPC808に接続している。接続体825を介してFPC808と導電層857は電気的に接続する。導電層857と基板711とが重なる場合には、基板711を開口する(又は開口部を有する基板を用いる)ことで、導電層857、接続体825、及びFPC808を電気的に接続させることができる。
<具体例2>
図2(B)に発光装置の平面図を示し、図2(B)における一点鎖線A3−A4間の断面図の一例を図3(A)に示す。具体例2で示す発光装置は、具体例1とは異なる、カラーフィルタ方式を用いたトップエミッション型の発光装置である。ここでは、具体例1と異なる点のみ詳述し、具体例1と共通する点は説明を省略する。
図3(A)に示す発光装置は、図2(C)に示す発光装置と下記の点で異なる。
図3(A)に示す発光装置は、絶縁層817a及び絶縁層817bを有し、絶縁層817a上に導電層856を有する。トランジスタ820のソース電極又はドレイン電極と、発光素子830の下部電極と、が、導電層856を介して、電気的に接続される。
図3(A)に示す発光装置は、絶縁層821上にスペーサ823を有する。スペーサ823を設けることで、基板701と基板711の間隔を調整することができる。
図3(A)に示す発光装置は、着色層845及び遮光層847を覆うオーバーコート849を有する。発光素子830とオーバーコート849の間は接着層822で充填されている。
また、図3(A)に示す発光装置は、基板701と基板711とで大きさが異なる。FPC808が絶縁層715上に位置し、基板711と重ならない。接続体825は、酸化物層714、絶縁層715、接着層822、絶縁層817a、及び絶縁層815に設けられた開口を介して導電層857と接続している。基板711に開口を設ける必要がないため、基板711の材料が制限されない。
なお、図3(B)に示すように、発光素子830は、下部電極831とEL層833の間に、光学調整層832を有していてもよい。光学調整層832には、透光性を有する導電性材料を用いることが好ましい。カラーフィルタ(着色層)とマイクロキャビティ構造(光学調整層)との組み合わせにより、本発明の一態様の発光装置からは、色純度の高い光を取り出すことができる。光学調整層の膜厚は、各副画素の発光色に応じて変化させればよい。
<具体例3>
図2(B)に発光装置の平面図を示し、図2(B)における一点鎖線A3−A4間の断面図の一例を図3(C)に示す。具体例3で示す発光装置は、塗り分け方式を用いたトップエミッション型の発光装置である。
図3(C)に示す発光装置は、基板701、接着層703、酸化物層704、絶縁層705、複数のトランジスタ、導電層857、絶縁層815、絶縁層817、複数の発光素子、絶縁層821、スペーサ823、接着層822、及び基板711を有する。接着層822及び基板711は可視光を透過する。
具体例1と同様に、酸化物層704の接着層703側の面に対して行うXPS分析において、WO(2≦x<3)及びタングステン窒化物のW4f軌道に由来するピークのうち最も強度の高いピークは、WOのW4f軌道に由来するピークのうち最も強度の高いピークの0.60倍以上の強度を有することが好ましい。または、WO(2≦x<3)及びタングステン窒化物のW4f軌道に由来するピークのうち最も強度の高いピークは、WOのW4f軌道に由来するピークのうち2番目に強度の高いピークよりも高い強度を有することが好ましい。
酸化物層704の厚さは、例えば、1nm以上5nm未満である。
トランジスタ820等の特性変動を抑制するためには、酸化物層704が十分な絶縁性を有していることが好ましい。酸化物層704の抵抗率は、例えば、1.0×10Ω・m以上1.0×1015Ω・m以下である。
絶縁層705は、酸化物層704側から、第1の層と、第2の層と、をこの順で積層して有することが好ましい。
絶縁層705は、SIMSで検出される水素濃度が、1.0×1020atoms/cm以上1.0×1022atoms/cm以下である領域を含んでいてもよい。また、絶縁層705は、SIMSで検出される窒素濃度が、5.0×1020atoms/cm以上1.0×1023atoms/cm以下である領域を含んでいてもよい。
図3(C)に示す発光装置では、接続体825が絶縁層815上に位置する。接続体825は、絶縁層815に設けられた開口を介して導電層857と接続している。また、接続体825はFPC808に接続している。接続体825を介してFPC808と導電層857は電気的に接続する。
<具体例4>
図2(B)に発光装置の平面図を示し、図2(B)における一点鎖線A3−A4間の断面図の一例を図4(A)に示す。具体例4で示す発光装置は、カラーフィルタ方式を用いたボトムエミッション型の発光装置である。
図4(A)に示す発光装置は、基板701、接着層703、酸化物層704、絶縁層705、複数のトランジスタ、導電層857、絶縁層815、着色層845、絶縁層817a、絶縁層817b、導電層856、複数の発光素子、絶縁層821、接着層822、及び基板711を有する。基板701、接着層703、酸化物層704、絶縁層705、絶縁層815、絶縁層817a、及び絶縁層817bは可視光を透過する。
酸化物層704の接着層703側の面に対して行うXPS分析において、WO(2≦x<3)及びタングステン窒化物のW4f軌道に由来するピークのうち最も強度の高いピークは、WOのW4f軌道に由来するピークのうち最も強度の高いピークの0.60倍以上の強度を有することが好ましい。または、WO(2≦x<3)及びタングステン窒化物のW4f軌道に由来するピークのうち最も強度の高いピークは、WOのW4f軌道に由来するピークのうち2番目に強度の高いピークよりも高い強度を有することが好ましい。
光取り出し効率が高い発光装置を実現するために、基板701、接着層703、酸化物層704、絶縁層705の積層構造の、波長450nm以上700nm以下の範囲の光の透過率の平均値が70%以上であると好ましく、80%以上であるとさらに好ましい。
酸化物層704の厚さは、例えば、1nm以上5nm未満である。
トランジスタ820等の特性変動を抑制するためには、酸化物層704が十分な絶縁性を有していることが好ましい。酸化物層704の抵抗率は、例えば、1.0×10Ω・m以上1.0×1015Ω・m以下である。
絶縁層705は、酸化物層704側から、第1の層と、第2の層と、をこの順で積層して有することが好ましい。絶縁層705は、SIMSで検出される水素濃度が、1.0×1020atoms/cm以上1.0×1022atoms/cm以下である領域を含んでいてもよい。また、絶縁層705は、SIMSで検出される窒素濃度が、5.0×1020atoms/cm以上1.0×1023atoms/cm以下である領域を含んでいてもよい。
発光部804は、接着層703、酸化物層704及び絶縁層705を介して基板701上にトランジスタ820、トランジスタ824、及び発光素子830を有する。発光素子830は、絶縁層817b上の下部電極831と、下部電極831上のEL層833と、EL層833上の上部電極835と、を有する。下部電極831は、トランジスタ820のソース電極又はドレイン電極と電気的に接続する。下部電極831の端部は、絶縁層821で覆われている。上部電極835は可視光を反射することが好ましい。下部電極831は可視光を透過する。発光素子830と重なる着色層845を設ける位置は、特に限定されず、例えば、絶縁層817aと絶縁層817bの間や、絶縁層815と絶縁層817aの間等に設ければよい。
駆動回路部806は、接着層703及び絶縁層705を介して基板701上にトランジスタを複数有する。図4(A)では、駆動回路部806が有するトランジスタのうち、2つのトランジスタを示している。
絶縁層705と基板701は接着層703によって貼り合わされている。絶縁層705に防湿性の高い膜を用いると、発光素子830やトランジスタ820、トランジスタ824に水等の不純物が侵入することを抑制でき、発光装置の信頼性が高くなるため好ましい。
導電層857は、駆動回路部806に外部からの信号や電位を伝達する外部入力端子と電気的に接続する。ここでは、外部入力端子としてFPC808を設ける例を示している。また、ここでは、導電層857を、導電層856と同一の材料、同一の工程で作製した例を示す。
<具体例5>
図4(B)に具体例1〜4とは異なる発光装置の例を示す。
図4(B)に示す発光装置は、基板701、接着層703、酸化物層704、絶縁層705、導電層814、導電層857a、導電層857b、発光素子830、絶縁層821、接着層822、及び基板711を有する。
導電層857a及び導電層857bは、発光装置の外部接続電極であり、FPC等と電気的に接続させることができる。
発光素子830は、下部電極831、EL層833、及び上部電極835を有する。下部電極831の端部は、絶縁層821で覆われている。発光素子830はボトムエミッション型、トップエミッション型、又はデュアルエミッション型である。光を取り出す側の電極、基板、絶縁層等は、それぞれ可視光を透過する。導電層814は、下部電極831と電気的に接続する。
図4(B)では、発光素子830がボトムエミッション型である場合の例を示す。絶縁層705及び酸化物層704の好ましい構成は、具体例4と同様である。
光を取り出す側の基板は、光取り出し構造として、半球レンズ、マイクロレンズアレイ、凹凸構造が施されたフィルム、光拡散フィルム等を有していてもよい。例えば、樹脂基板上に上記レンズやフィルムを、該基板又は該レンズもしくはフィルムと同程度の屈折率を有する接着剤等を用いて接着することで、光取り出し構造を有する基板を形成することができる。
導電層814は必ずしも設ける必要は無いが、下部電極831の抵抗に起因する電圧降下を抑制できるため、設けることが好ましい。また、同様の目的で、上部電極835と電気的に接続する導電層を絶縁層821上、EL層833上、又は上部電極835上などに設けてもよい。
導電層814は、銅、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジム、スカンジウム、ニッケル、アルミニウムから選ばれた材料又はこれらを主成分とする合金材料等を用いて、単層で又は積層して形成することができる。導電層814の膜厚は、例えば、0.1μm以上3μm以下とすることができ、好ましくは、0.1μm以上0.5μm以下である。
<材料の一例>
次に、発光装置に用いることができる材料等を説明する。なお、本明細書中で先に説明した構成については説明を省略する場合がある。
基板には、ガラス、石英、有機樹脂、金属、合金などの材料を用いることができる。発光素子からの光を取り出す側の基板は、該光を透過する材料を用いる。
特に、可撓性基板を用いることが好ましい。例えば、有機樹脂や可撓性を有する程度の厚さのガラス、金属、合金を用いることができる。
ガラスに比べて有機樹脂は比重が小さいため、可撓性基板として有機樹脂を用いると、ガラスを用いる場合に比べて発光装置を軽量化でき、好ましい。
基板には、靱性が高い材料を用いることが好ましい。これにより、耐衝撃性に優れ、破損しにくい発光装置を実現できる。例えば、有機樹脂基板や、厚さの薄い金属基板もしくは合金基板を用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて、軽量であり、破損しにくい発光装置を実現できる。
金属材料や合金材料は熱伝導性が高く、基板全体に熱を容易に伝導できるため、発光装置の局所的な温度上昇を抑制することができ、好ましい。金属材料や合金材料を用いた基板の厚さは、10μm以上200μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下であることがより好ましい。
金属基板や合金基板を構成する材料としては、特に限定はないが、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、又は、アルミニウム合金もしくはステンレス等の金属の合金などを好適に用いることができる。
また、基板に、熱放射率が高い材料を用いると発光装置の表面温度が高くなることを抑制でき、発光装置の破壊や信頼性の低下を抑制できる。例えば、基板を金属基板と熱放射率の高い層(例えば、金属酸化物やセラミック材料を用いることができる)の積層構造としてもよい。
可撓性及び透光性を有する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド等)、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂等が挙げられる。特に、線膨張係数の低い材料を用いることが好ましく、例えば、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、PET等を好適に用いることができる。また、繊維体に樹脂を含浸した基板(プリプレグともいう)や、無機フィラーを有機樹脂に混ぜて線膨張係数を下げた基板を使用することもできる。
可撓性基板としては、上記材料を用いた層が、装置の表面を傷などから保護するハードコート層(例えば、窒化シリコン層など)や、押圧を分散可能な材質の層(例えば、アラミド樹脂層など)等と積層されて構成されていてもよい。
可撓性基板は、複数の層を積層して用いることもできる。特に、ガラス層を有する構成とすると、水や酸素に対するバリア性を向上させ、信頼性の高い発光装置とすることができる。
例えば、発光素子に近い側からガラス層、接着層、及び有機樹脂層を積層した可撓性基板を用いることができる。当該ガラス層の厚さとしては20μm以上200μm以下、好ましくは25μm以上100μm以下とする。このような厚さのガラス層は、水や酸素に対する高いバリア性と可撓性を同時に実現できる。また、有機樹脂層の厚さとしては、10μm以上200μm以下、好ましくは20μm以上50μm以下とする。このような有機樹脂層をガラス層よりも外側に設けることにより、ガラス層の割れやクラックを抑制し、機械的強度を向上させることができる。このようなガラス材料と有機樹脂の複合材料を基板に適用することにより、極めて信頼性が高いフレキシブルな発光装置とすることができる。
接着層には、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
また、上記樹脂に乾燥剤を含んでいてもよい。例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸化カルシウムや酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物質を用いることができる。または、ゼオライトやシリカゲル等のように、物理吸着によって水分を吸着する物質を用いてもよい。乾燥剤が含まれていると、水分などの不純物が機能素子に侵入することを抑制でき、発光装置の信頼性が向上するため好ましい。
また、上記樹脂に屈折率の高いフィラーや光散乱部材を混合することにより、発光素子からの光取り出し効率を向上させることができる。例えば、酸化チタン、酸化バリウム、ゼオライト、ジルコニウム等を用いることができる。
絶縁層705や絶縁層715は、不純物の発光素子への拡散を防ぐ機能を有していてもよい。例えば、高い防湿性を有することが好ましい。
防湿性の高い絶縁膜としては、実施の形態1で述べた窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜等の窒素と珪素を含む膜や酸化シリコン膜以外に、窒化アルミニウム膜等の窒素とアルミニウムを含む膜や酸化アルミニウム膜等が挙げられる。
例えば、水蒸気透過量は、1×10−5[g/(m・day)]以下、好ましくは1×10−6[g/(m・day)]以下、より好ましくは1×10−7[g/(m・day)]以下、さらに好ましくは1×10−8[g/(m・day)]以下とする。
発光装置において、絶縁層705又は絶縁層715の少なくとも一方は、発光素子の発光を透過する必要がある。絶縁層705又は絶縁層715のうち、発光素子の発光を透過する側の絶縁層は、他方の絶縁層よりも、波長400nm以上800nm以下における光の透過率の平均が高いことが好ましい。
絶縁層705や絶縁層715は、酸素、窒素、及びシリコンを有することが好ましい。例えば、絶縁層705や絶縁層715は、酸化窒化シリコンを有することが好ましい。また、絶縁層705や絶縁層715は、窒化シリコン又は窒化酸化シリコンを有することが好ましい。また、絶縁層705や絶縁層715は、酸化窒化シリコン膜及び窒化シリコン膜の積層構造を有し、該酸化窒化シリコン膜及び該窒化シリコン膜は接することが好ましい。酸化窒化シリコン膜と、窒化シリコン膜と、を交互に積層し、逆位相の干渉が可視領域で多く起こるようにすることで、積層体の可視光の透過率を高めることができる。
発光装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、スタガ型のトランジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート型又はボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。トランジスタに用いる半導体材料は特に限定されず、例えば、シリコン、ゲルマニウム、有機半導体等が挙げられる。または、In−Ga−Zn系金属酸化物などの、インジウム、ガリウム、亜鉛のうち少なくとも一つを含む酸化物半導体を用いてもよい。
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
トランジスタの特性安定化等のため、下地膜を設けることが好ましい。下地膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜などの無機絶縁膜を用い、単層で又は積層して作製することができる。下地膜はスパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法(プラズマCVD法、熱CVD法、MOCVD(Metal Organic CVD)法など)、ALD(Atomic Layer Deposition)法、塗布法、印刷法等を用いて形成できる。なお、下地膜は、必要で無ければ設けなくてもよく、この場合、絶縁層705がトランジスタの下地膜を兼ねることができる。
発光素子としては、自発光が可能な素子を用いることができ、電流又は電圧によって輝度が制御される素子をその範疇に含んでいる。例えば、発光ダイオード(LED)、有機EL素子、無機EL素子等を用いることができる。
発光素子は、トップエミッション型、ボトムエミッション型、デュアルエミッション型のいずれであってもよい。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。
可視光を透過する導電膜は、例えば、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛(ZnO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛などを用いて形成することができる。また、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、もしくはチタン等の金属材料、これら金属材料を含む合金、又はこれら金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等も、透光性を有する程度に薄く形成することで用いることができる。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とITOの積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。また、グラフェン等を用いてもよい。
可視光を反射する導電膜は、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、もしくはパラジウム等の金属材料、又はこれら金属材料を含む合金を用いることができる。また、上記金属材料や合金に、ランタン、ネオジム、又はゲルマニウム等が添加されていてもよい。また、アルミニウムとチタンの合金、アルミニウムとニッケルの合金、アルミニウムとネオジムの合金、アルミニウム、ニッケル、及びランタンの合金(Al−Ni−La)等のアルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)や、銀と銅の合金、銀とパラジウムと銅の合金(Ag−Pd−Cu、APCとも記す)、銀とマグネシウムの合金等の銀を含む合金を用いて形成することができる。銀と銅を含む合金は、耐熱性が高いため好ましい。さらに、アルミニウム合金膜に接する金属膜又は金属酸化物膜を積層することで、アルミニウム合金膜の酸化を抑制することができる。該金属膜、金属酸化物膜の材料としては、チタン、酸化チタンなどが挙げられる。また、上記可視光を透過する導電膜と金属材料からなる膜とを積層してもよい。例えば、銀とITOの積層膜、銀とマグネシウムの合金とITOの積層膜などを用いることができる。
電極は、それぞれ、蒸着法やスパッタリング法を用いて形成すればよい。そのほか、インクジェット法などの吐出法、スクリーン印刷法などの印刷法、又はメッキ法を用いて形成することができる。
下部電極831及び上部電極835の間に、発光素子の閾値電圧より高い電圧を印加すると、EL層833に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入された電子と正孔はEL層833において再結合し、EL層833に含まれる発光物質が発光する。
EL層833は少なくとも発光層を有する。EL層833は、発光層以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。
EL層833には低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。EL層833を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
発光素子830は、2以上の発光物質を含んでいてもよい。これにより、例えば、白色発光の発光素子を実現することができる。例えば2以上の発光物質の各々の発光が補色の関係となるように、発光物質を選択することにより白色発光を得ることができる。例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)、Y(黄)、又はO(橙)等の発光を示す発光物質や、R、G、Bのうち2以上の色のスペクトル成分を含む発光を示す発光物質を用いることができる。例えば、青の発光を示す発光物質と、黄の発光を示す発光物質を用いてもよい。このとき、黄の発光を示す発光物質の発光スペクトルは、緑及び赤のスペクトル成分を含むことが好ましい。また、発光素子830の発光スペクトルは、可視領域(例えば350nm以上750nm以下、又は400nm以上800nm以下など)の範囲内に2以上のピークを有することが好ましい。
EL層833は、複数の発光層を有していてもよい。EL層833において、複数の発光層は、互いに接して積層されていてもよいし、分離層を介して積層されていてもよい。例えば、蛍光発光層と、燐光発光層との間に、分離層を設けてもよい。
分離層は、例えば、燐光発光層中で生成する燐光材料の励起状態から蛍光発光層中の蛍光材料へのデクスター機構によるエネルギー移動(特に三重項エネルギー移動)を防ぐために設けることができる。分離層は数nm程度の厚さがあればよい。具体的には、0.1nm以上20nm以下、あるいは1nm以上10nm以下、あるいは1nm以上5nm以下である。分離層は、単一の材料(好ましくはバイポーラ性の物質)、又は複数の材料(好ましくは正孔輸送性材料及び電子輸送性材料)を含む。
分離層は、該分離層と接する発光層に含まれる材料を用いて形成してもよい。これにより、発光素子の作製が容易になり、また、駆動電圧が低減される。例えば、燐光発光層が、ホスト材料、アシスト材料、及び燐光材料(ゲスト材料)からなる場合、分離層を、該ホスト材料及びアシスト材料で形成してもよい。上記構成を別言すると、分離層は、燐光材料を含まない領域を有し、燐光発光層は、燐光材料を含む領域を有する。これにより、分離層と燐光発光層とを燐光材料の有無で蒸着することが可能となる。また、このような構成とすることで、分離層と燐光発光層を同じチャンバーで成膜することが可能となる。これにより、製造コストを削減することができる。
また、発光素子830は、EL層を1つ有するシングル素子であってもよいし、電荷発生層を介して積層されたEL層を複数有するタンデム素子であってもよい。
発光素子は、一対の防湿性の高い絶縁膜の間に設けられていることが好ましい。これにより、発光素子に水等の不純物が侵入することを抑制でき、発光装置の信頼性の低下を抑制できる。具体的には、上記のように、絶縁層705及び絶縁層715として、防湿性の高い絶縁膜を用いると、発光素子が一対の防湿性の高い絶縁膜の間に位置し、発光装置の信頼性の低下を抑制できる。
絶縁層815としては、例えば、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。また、絶縁層817、絶縁層817a、及び絶縁層817bとしては、例えば、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、ベンゾシクロブテン系樹脂等の有機材料をそれぞれ用いることができる。また、低誘電率材料(low−k材料)等を用いることができる。また、絶縁膜を複数積層させることで、各絶縁層を形成してもよい。
絶縁層821としては、有機絶縁材料又は無機絶縁材料を用いて形成する。樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、シロキサン樹脂、エポキシ樹脂、又はフェノール樹脂等を用いることができる。特に感光性の樹脂材料を用い、下部電極831上に開口部を形成し、絶縁層821の側壁が曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
絶縁層821の形成方法は、特に限定されないが、フォトリソグラフィ法、スパッタ法、蒸着法、液滴吐出法(インクジェット法等)、印刷法(スクリーン印刷、オフセット印刷等)等を用いればよい。
スペーサ823は、無機絶縁材料、有機絶縁材料、金属材料等を用いて形成することができる。例えば、無機絶縁材料や有機絶縁材料としては、上記絶縁層に用いることができる各種材料が挙げられる。金属材料としては、チタン、アルミニウムなどを用いることができる。導電材料を含むスペーサ823と上部電極835とを電気的に接続させる構成とすることで、上部電極835の抵抗に起因した電位降下を抑制できる。また、スペーサ823は、順テーパ形状であっても逆テーパ形状であってもよい。
トランジスタの電極や配線、又は発光素子の補助電極等として機能する、発光装置に用いる導電層は、例えば、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらの元素を含む合金材料を用いて、単層で又は積層して形成することができる。また、導電層は、導電性の金属酸化物を用いて形成してもよい。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In等)、酸化スズ(SnO等)、ZnO、ITO、インジウム亜鉛酸化物(In−ZnO等)又はこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。
着色層は特定の波長帯域の光を透過する有色層である。例えば、赤色、緑色、青色、又は黄色の波長帯域の光を透過するカラーフィルタなどを用いることができる。各着色層は、様々な材料を用いて、印刷法、インクジェット法、フォトリソグラフィ法を用いたエッチング方法などでそれぞれ所望の位置に形成する。また、白色の副画素では、発光素子と重ねて透明の樹脂を配置してもよい。
遮光層は、隣接する着色層の間に設けられている。遮光層は隣接する発光素子からの光を遮光し、隣接する発光素子間における混色を抑制する。ここで、着色層の端部を、遮光層と重なるように設けることにより、光漏れを抑制することができる。遮光層としては、発光素子からの発光を遮る材料を用いることができ、例えば、金属材料や顔料や染料を含む樹脂材料を用いてブラックマトリクスを形成すればよい。なお、遮光層は、駆動回路部などの発光部以外の領域に設けると、導波光などによる意図しない光漏れを抑制できるため好ましい。
また、着色層及び遮光層を覆うオーバーコートを設けてもよい。オーバーコートを設けることで、着色層に含有された不純物等の発光素子への拡散を防止することができる。オーバーコートは、発光素子からの発光を透過する材料から構成され、例えば窒化シリコン膜、酸化シリコン膜等の無機絶縁膜や、アクリル膜、ポリイミド膜等の有機絶縁膜を用いることができ、有機絶縁膜と無機絶縁膜との積層構造としてもよい。
また、接着層の材料を着色層及び遮光層上に塗布する場合、オーバーコートの材料として接着層の材料に対してぬれ性の高い材料を用いることが好ましい。例えば、オーバーコートとして、ITO膜などの酸化物導電膜や、透光性を有する程度に薄いAg膜等の金属膜を用いることが好ましい。
接続体としては、様々な異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
上述の通り、本発明の一態様は、発光装置、表示装置、照明装置等の各種装置に適用することができる。
なお、本発明の一態様の発光装置は、表示装置として用いてもよいし、照明装置として用いてもよい。例えば、バックライトやフロントライトなどの光源、つまり、表示パネルのための照明装置として活用してもよい。
以上、本実施の形態で示したように、本発明の一態様では、とても薄い厚さの酸化物層を有するため、歩留まり良く、光取り出し効率の高い発光装置や表示装置を作製できる。また、本発明の一態様では、とても薄い厚さの酸化物層を有するため、歩留まり良く、半導体素子等の特性の変動が抑制された、信頼性の高い半導体装置等の装置を作製できる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の入出力装置について図面を用いて説明する。なお、入出力装置が有する構成要素のうち、実施の形態2で説明した発光装置と同様の構成要素については、先の記載も参照することができる。また、本実施の形態では、発光素子を用いた入出力装置を例示するが、これに限られない。本実施の形態で説明する入出力装置は、タッチパネルともいえる。
本発明の一態様では、とても薄い厚さの酸化物層を有するため、歩留まり良く、光取り出し効率の高い入出力装置を作製できる。また、本発明の一態様では、とても薄い厚さの酸化物層を有するため、歩留まり良く、半導体素子やタッチセンサ等の特性の変動が抑制された、信頼性の高い入出力装置の装置を作製できる。
<構成例1>
図5(A)は入出力装置の上面図である。図5(B)は図5(A)の一点鎖線A−B間及び一点鎖線C−D間の断面図である。図5(C)は図5(A)の一点鎖線E−F間の断面図である。
図5(A)に示す入出力装置390は、表示部301(入力部も兼ねる)、走査線駆動回路303g(1)、撮像画素駆動回路303g(2)、画像信号線駆動回路303s(1)、及び撮像信号線駆動回路303s(2)を有する。
表示部301は、複数の画素302と、複数の撮像画素308と、を有する。
画素302は、複数の副画素を有する。各副画素は、発光素子及び画素回路を有する。
画素回路は、発光素子を駆動する電力を供給することができる。画素回路は、選択信号を供給することができる配線と電気的に接続される。また、画素回路は、画像信号を供給することができる配線と電気的に接続される。
走査線駆動回路303g(1)は、選択信号を画素302に供給することができる。
画像信号線駆動回路303s(1)は、画像信号を画素302に供給することができる。
撮像画素308を用いてタッチセンサを構成することができる。具体的には、撮像画素308は、表示部301に触れる指等を検知することができる。
撮像画素308は、光電変換素子及び撮像画素回路を有する。
撮像画素回路は、光電変換素子を駆動することができる。撮像画素回路は、制御信号を供給することができる配線と電気的に接続される。また、撮像画素回路は、電源電位を供給することができる配線と電気的に接続される。
制御信号としては、例えば、記録された撮像信号を読み出す撮像画素回路を選択することができる信号、撮像画素回路を初期化することができる信号、及び撮像画素回路が光を検知する時間を決定することができる信号などを挙げることができる。
撮像画素駆動回路303g(2)は、制御信号を撮像画素308に供給することができる。
撮像信号線駆動回路303s(2)は、撮像信号を読み出すことができる。
図5(B)、(C)に示すように、入出力装置390は、基板701、接着層703、酸化物層704、絶縁層705、基板711、接着層713、酸化物層714、及び絶縁層715を有する。また、基板701及び基板711は、接着層360で貼り合わされている。
基板701と酸化物層704は接着層703で貼り合わされている。また、基板711と酸化物層714は接着層713で貼り合わされている。
基板、接着層、酸化物層、及び絶縁層に用いることができる材料については実施の形態2を参照することができる。
画素302は、副画素302R、副画素302G、及び副画素302Bを有する(図5(C))。
例えば副画素302Rは、発光素子350R及び画素回路を有する。画素回路は、発光素子350Rに電力を供給することができるトランジスタ302tを含む。また、副画素302Rはさらに光学素子(例えば赤色の光を透過する着色層367R)を有する。
発光素子350Rは、下部電極351R、EL層353、及び上部電極352をこの順で積層して有する(図5(C))。
EL層353は、第1のEL層353a、中間層354、及び第2のEL層353bをこの順で積層して有する。
なお、特定の波長の光を効率よく取り出せるように、発光素子350Rにマイクロキャビティ構造を配設することができる。具体的には、特定の光を効率よく取り出せるように配置された可視光を反射する膜及び半反射・半透過する膜の間にEL層を配置してもよい。
副画素302Rは、発光素子350Rと着色層367Rに接する接着層360を有する。
着色層367Rは発光素子350Rと重なる位置にある。これにより、発光素子350Rが発する光の一部は、接着層360及び着色層367Rを透過して、図中の矢印に示すように副画素302Rの外部に射出される。
入出力装置390は、遮光層367BMを有する。遮光層367BMは、着色層(例えば着色層367R)を囲むように設けられている。
入出力装置390は、反射防止層367pを表示部301に重なる位置に有する。反射防止層367pとして、例えば円偏光板を用いることができる。
入出力装置390は、絶縁層321を有する。絶縁層321はトランジスタ302t等を覆っている。なお、絶縁層321は画素回路や撮像画素回路に起因する凹凸を平坦化するための層として用いることができる。また、不純物のトランジスタ302t等への拡散を抑制することができる絶縁層を、絶縁層321に適用することができる。
入出力装置390は、下部電極351Rの端部に重なる隔壁328を有する。また、基板701と基板711の間隔を制御するスペーサ329を、隔壁328上に有する。
画像信号線駆動回路303s(1)は、トランジスタ303t及び容量303cを含む。なお、駆動回路は画素回路と同一の工程で同一基板上に形成することができる。図5(B)に示すようにトランジスタ303tは絶縁層321上に第2のゲート304を有していてもよい。第2のゲート304はトランジスタ303tのゲートと電気的に接続されていてもよいし、これらに異なる電位が与えられていてもよい。また、必要であれば、第2のゲート304をトランジスタ308t、トランジスタ302t等に設けてもよい。
撮像画素308は、光電変換素子308p及び撮像画素回路を有する。撮像画素回路は、光電変換素子308pに照射された光を検知することができる。撮像画素回路は、トランジスタ308tを含む。
例えばpin型のフォトダイオードを光電変換素子308pに用いることができる。
入出力装置390は、信号を供給することができる配線311を有し、端子319が配線311に設けられている。画像信号及び同期信号等の信号を供給することができるFPC309が端子319に電気的に接続されている。FPC309にはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていてもよい。
なお、トランジスタ302t、トランジスタ303t、トランジスタ308t等のトランジスタは、同一の工程で形成することができる。または、それぞれ異なる工程で形成してもよい。
<構成例2>
図6(A)、(B)は、入出力装置505の斜視図である。なお明瞭化のため、代表的な構成要素を示す。図7は、図6(A)に示す一点鎖線X1−X2間の断面図である。
図6(A)、(B)に示すように、入出力装置505は、表示部501、走査線駆動回路303g(1)、及びタッチセンサ595等を有する。また、入出力装置505は、基板701、基板711、及び基板590を有する。
入出力装置505は、複数の画素及び複数の配線311を有する。複数の配線311は、画素に信号を供給することができる。複数の配線311は、基板701の外周部にまで引き回され、その一部が端子319を構成している。端子319はFPC509(1)と電気的に接続する。
入出力装置505は、タッチセンサ595及び複数の配線598を有する。複数の配線598は、タッチセンサ595と電気的に接続される。複数の配線598は基板590の外周部に引き回され、その一部は端子を構成する。そして、当該端子はFPC509(2)と電気的に接続される。なお、図6(B)では明瞭化のため、基板590の裏面側(基板701と対向する面側)に設けられるタッチセンサ595の電極や配線等を実線で示している。
タッチセンサ595には、例えば静電容量方式のタッチセンサを適用できる。静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。ここでは、投影型静電容量方式のタッチセンサを適用する場合を示す。
投影型静電容量方式としては、自己容量方式、相互容量方式などがある。相互容量方式を用いると同時多点検出が可能となるため好ましい。
なお、タッチセンサ595には、指等の検知対象の近接又は接触を検知することができるさまざまなセンサを適用することができる。
投影型静電容量方式のタッチセンサ595は、電極591と電極592を有する。電極591は複数の配線598のいずれかと電気的に接続し、電極592は複数の配線598の他のいずれかと電気的に接続する。
電極592は、図6(A)、(B)に示すように、一方向に繰り返し配置された複数の四辺形が角部で接続された形状を有する。
電極591は四辺形であり、電極592が延在する方向と交差する方向に繰り返し配置されている。なお、複数の電極591は、一の電極592と必ずしも直交する方向に配置される必要はなく、90度未満の角度をなすように配置されてもよい。
配線594は電極592と交差して設けられている。配線594は、電極592の1つを挟む2つの電極591を電気的に接続する。このとき、電極592と配線594の交差部の面積ができるだけ小さくなる形状が好ましい。これにより、電極が設けられていない領域の面積を低減でき、光の透過率のムラを低減できる。その結果、タッチセンサ595を透過する光の輝度ムラを低減することができる。
なお、電極591、電極592の形状はこれに限られず、様々な形状を取りうる。例えば、帯状の複数の第1の電極をできるだけ隙間が生じないように配置し、絶縁層を介して帯状の複数の第2の電極を、第1の電極と交差するよう配置する。このとき隣接する2つの第2の電極は離間して設ける構成としてもよい。このとき、隣接する2つの第2の電極の間に、これらとは電気的に絶縁されたダミー電極を設けると、光の透過率の異なる領域の面積を低減できるため好ましい。
図7(A)に示すように、入出力装置505は、基板701、接着層703、酸化物層704、絶縁層705、基板711、接着層713、酸化物層714、及び絶縁層715を有する。また、基板701及び基板711は、接着層360で貼り合わされている。
接着層597は、タッチセンサ595が表示部501に重なるように、基板590を基板711に貼り合わせている。接着層597は、透光性を有する。
電極591及び電極592は、透光性を有する導電材料を用いて形成する。透光性を有する導電性材料としては、酸化インジウム、ITO、インジウム亜鉛酸化物、ZnO、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を用いることができる。なお、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば膜状に形成された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。還元する方法としては、加熱等を挙げることができる。
また、電極591、電極592、配線594などの導電膜、つまり、タッチパネルを構成する配線や電極に用いる材料の抵抗値が低いことが望ましい。一例として、ITO、インジウム亜鉛酸化物、ZnO、銀、銅、アルミニウム、カーボンナノチューブ、グラフェンなどを用いてもよい。さらに、非常に細くした(例えば、直径が数ナノメートル)、多数の導電体を用いて構成される金属ナノワイヤを用いてもよい。一例としては、Agナノワイヤ、Cuナノワイヤ、又はAlナノワイヤ等を用いてもよい。Agナノワイヤの場合、例えば、89%以上の光透過率、40Ω/□以上100Ω/□以下のシート抵抗値を実現することができる。なお、透過率が高いため、表示素子に用いる電極、例えば、画素電極や共通電極に、金属ナノワイヤ、カーボンナノチューブ、グラフェンなどを用いてもよい。
透光性を有する導電性材料を基板590上にスパッタリング法により成膜した後、フォトリソグラフィ法等の様々なパターニング技術により、不要な部分を除去して、電極591及び電極592を形成することができる。
電極591及び電極592は絶縁層593で覆われている。また、電極591に達する開口が絶縁層593に設けられ、配線594が隣接する電極591を電気的に接続する。透光性の導電性材料は、入出力装置の開口率を高まることができるため、配線594に好適に用いることができる。また、電極591及び電極592より導電性の高い材料は、電気抵抗を低減できるため配線594に好適に用いることができる。
なお、絶縁層593及び配線594を覆う絶縁層を設けて、タッチセンサ595を保護することができる。
また、接続層599は、配線598とFPC509(2)を電気的に接続する。
表示部501は、マトリクス状に配置された複数の画素を有する。画素は、構成例1と同様であるため、説明を省略する。
なお、様々なトランジスタを入出力装置に適用できる。ボトムゲート型のトランジスタを適用する場合の構成を、図7(A)、(B)に示す。
例えば、酸化物半導体、アモルファスシリコン等を含む半導体層を、図7(A)に示すトランジスタ302t及びトランジスタ303tに適用することができる。
例えば、レーザーアニールなどの処理により結晶化させた多結晶シリコンを含む半導体層を、図7(B)に示すトランジスタ302t及びトランジスタ303tに適用することができる。
また、トップゲート型のトランジスタを適用する場合の構成を、図7(C)に示す。
例えば、多結晶シリコン又は単結晶シリコン基板等から転置された単結晶シリコン膜等を含む半導体層を、図7(C)に示すトランジスタ302t及びトランジスタ303tに適用することができる。
<構成例3>
図8は、入出力装置505Bの断面図である。本実施の形態で説明する入出力装置505Bは、供給された画像情報をトランジスタが設けられている側に表示する点及びタッチセンサが表示部の基板701側に設けられている点が、構成例2の入出力装置505とは異なる。ここでは異なる構成について詳細に説明し、同様の構成を用いることができる部分は、上記の説明を援用する。
着色層367Rは発光素子350Rと重なる位置にある。また、図8(A)に示す発光素子350Rは、トランジスタ302tが設けられている側に光を射出する。これにより、発光素子350Rが発する光の一部は着色層367Rを透過して、図中に示す矢印の方向の入出力装置505Bの外部に射出される。
入出力装置505Bは、光を射出する方向に遮光層367BMを有する。遮光層367BMは、着色層(例えば着色層367R)を囲むように設けられている。
タッチセンサ595は、基板711側でなく、基板701側に設けられている(図8(A))。
接着層597は、タッチセンサ595が表示部に重なるように、基板590を基板701に貼り合わせている。接着層597は、透光性を有する。
なお、ボトムゲート型のトランジスタを表示部501に適用する場合の構成を、図8(A)、(B)に示す。
例えば、酸化物半導体、アモルファスシリコン等を含む半導体層を、図8(A)に示すトランジスタ302t及びトランジスタ303tに適用することができる。
例えば、多結晶シリコン等を含む半導体層を、図8(B)に示すトランジスタ302t及びトランジスタ303tに適用することができる。
また、トップゲート型のトランジスタを適用する場合の構成を、図8(C)に示す。
例えば、多結晶シリコン又は単結晶シリコン基板から転置された単結晶シリコン膜等を含む半導体層を、図8(C)に示すトランジスタ302t及びトランジスタ303tに適用することができる。
<構成例4>
図9に示すように、入出力装置500TPは、表示部500及び入力部600を重ねて有する。図10は、図9に示す一点鎖線Z1−Z2間の断面図である。
以下に、入出力装置500TPを構成する個々の要素について説明する。なお、これらの構成は明確に分離できず、一つの構成が他の構成を兼ねる場合や他の構成の一部を含む場合がある。なお、表示部500に入力部600が重ねられた入出力装置500TPをタッチパネルともいう。
入力部600は、マトリクス状に配設される複数の検知ユニット602を有する。また、入力部600は、選択信号線G1、制御線RES、信号線DLなどを有する。
選択信号線G1や制御線RESは、行方向(図中に矢印Rで示す)に配置される複数の検知ユニット602と電気的に接続される。信号線DLは、列方向(図中に矢印Cで示す)に配置される複数の検知ユニット602と電気的に接続される。
検知ユニット602は近接又は接触するものを検知して検知信号を供給する。例えば静電容量、照度、磁力、電波又は圧力等を検知して、検知した物理量に基づく情報を供給する。具体的には、容量素子、光電変換素子、磁気検知素子、圧電素子又は共振器等を検知素子に用いることができる。
検知ユニット602は、例えば、近接又は接触するものとの間の静電容量の変化を検知する。
なお、大気中において、指などの大気より大きな誘電率を有するものが導電膜に近接すると、指と導電膜の間の静電容量が変化する。この静電容量の変化を検知して検知情報を供給することができる。
例えば、静電容量の変化に伴い容量素子との間で電荷の分配が引き起こされ、容量素子の両端の電極の電圧が変化する。この電圧の変化を検知信号に用いることができる。
検知ユニット602は検知回路を有する。検知回路は、選択信号線G1、制御線RES又は信号線DLなどに電気的に接続される。
検知回路は、トランジスタ又は/及び検知素子等を有する。例えば、導電膜と、当該導電膜に電気的に接続される容量素子と、を検知回路に用いることができる。また、容量素子と、当該容量素子に電気的に接続されるトランジスタと、を検知回路に用いることができる。
検知回路には、例えば、絶縁層653と、絶縁層653を挟持する第1の電極651及び第2の電極652と、を有する容量素子650を用いることができる(図10)。容量素子650の電極間の電圧は一方の電極に電気的に接続された導電膜にものが近接することにより変化する。
検知ユニット602は、制御信号に基づいて導通状態又は非導通状態にすることができるスイッチを有する。例えば、トランジスタM12をスイッチに用いることができる。
また、検知信号を増幅するトランジスタを検知ユニット602に用いることができる。
同一の工程で作製することができるトランジスタを、検知信号を増幅するトランジスタ及びスイッチに用いることができる。これにより、作製工程が簡略化された入力部600を提供できる。
また、検知ユニットはマトリクス状に配置された複数の窓部667を有する。窓部667は可視光を透過し、複数の窓部667の間に遮光性の層BMを配設してもよい。
入出力装置500TPは、窓部667に重なる位置に着色層を有する。着色層は、所定の色の光を透過する。なお、着色層はカラーフィルタということができる。例えば、青色の光を透過する着色層367B、緑色の光を透過する着色層367G、又は赤色の光を透過する着色層367Rを用いることができる。また、黄色の光を透過する着色層や白色の光を透過する着色層を用いてもよい。
表示部500は、マトリクス状に配置された複数の画素302を有する。画素302は入力部600の窓部667と重なるように配置されている。画素302は、検知ユニット602に比べて高い精細度で配設されてもよい。画素は、構成例1と同様であるため、説明を省略する。
入出力装置500TPは、可視光を透過する窓部667及びマトリクス状に配設される複数の検知ユニット602を有する入力部600と、窓部667に重なる画素302を複数有する表示部500と、を有し、窓部667と画素302の間に着色層を含んで構成される。また、それぞれの検知ユニットに他の検知ユニットへの干渉を低減することができるスイッチが配設されている。
これにより、各検知ユニットが検知する検知情報を検知ユニットの位置情報と共に供給することができる。また、画像を表示する画素の位置情報に関連付けて検知情報を供給することができる。また、検知情報を供給させない検知ユニットと信号線を非導通状態にすることで、検知信号を供給させる検知ユニットへの干渉を低減することができる。その結果、利便性又は信頼性に優れた入出力装置500TPを提供することができる。具体的には、入出力装置500TPの使用者は、入力部600に触れた指等を用いて様々なジェスチャー(タップ、ドラッグ、スワイプ又はピンチイン等)をすることができる。
演算装置は供給された情報が所定の条件を満たすか否かをプログラム等に基づいて判断し、所定のジェスチャーに関連付けられた命令を実行する。
これにより、入力部600の使用者は、指等を用いて所定のジェスチャーを供給し、所定のジェスチャーに関連付けられた命令を演算装置に実行させることができる。
例えば、入出力装置500TPの入力部600は、まず、一の信号線に検知情報を供給することができる複数の検知ユニットから一の検知ユニットXを選択する。そして、検知ユニットXを除いた他の検知ユニットと当該一の信号線を非導通状態にする。これにより、他の検知ユニットがもたらす検知ユニットXへの干渉を低減することができる。
これにより、入出力装置500TPはその大きさに依存することなく、検知ユニットを駆動して、検知情報を供給させることができる。例えば、ハンドヘルド型に用いることができる大きさから、電子黒板に用いることができる大きさまで、さまざまな大きさの入出力装置500TPを提供することができる。
また、入出力装置500TPは、折り畳まれた状態及び展開された状態にすることができる。そして、折り畳まれた状態と展開された状態とで、他の検知ユニットがもたらす検知ユニットXへの干渉が異なる場合においても、入出力装置500TPの状態に依存することなく検知ユニットを駆動して、検知情報を供給させることができる。
また、入出力装置500TPの表示部500は表示情報を供給されることができる。例えば、演算装置は表示情報を供給することができる。
以上の構成に加えて、入出力装置500TPは以下の構成を有することもできる。
入出力装置500TPは、駆動回路603g又は駆動回路603dを有してもよい。また、入出力装置500TP(又は駆動回路)は、FPC1と電気的に接続されてもよい。
駆動回路603gは例えば所定のタイミングで選択信号を供給することができる。具体的には、選択信号を選択信号線G1ごとに所定の順番で供給する。また、さまざまな回路を駆動回路603gに用いることができる。例えば、シフトレジスタ、フリップフロップ回路、組み合わせ回路などを用いることができる。
駆動回路603dは、検知ユニット602が供給する検知信号に基づいて検知情報を供給する。また、さまざまな回路を駆動回路603dに用いることができる。例えば、検知ユニットに配設された検知回路と電気的に接続されることによりソースフォロワ回路やカレントミラー回路を構成することができる回路を、駆動回路603dに用いることができる。また、検知信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換回路を有していてもよい。
FPC1は、タイミング信号、電源電位等を供給し、検知信号を供給される。
入出力装置500TPは、駆動回路503g、駆動回路503s、配線311、又は端子319を有してもよい。また、入出力装置500TP(又は駆動回路)は、FPC2と電気的に接続されてもよい。
また、傷の発生を防いで入出力装置500TPを保護する保護層670を有していてもよい。例えば、セラミックコート層又はハードコート層を保護層670に用いることができる。具体的には、酸化アルミニウムを含む層又はUV硬化樹脂を用いることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器及び照明装置について、図面を用いて説明する。
電子機器や照明装置に用いることができる発光装置、表示装置、半導体装置等は、本発明の一態様の剥離方法を適用することで、歩留まりよく作製できる。本発明の一態様の剥離方法を適用することで、生産性高く、曲面を有する、もしくは、可撓性を有する、電子機器や照明装置を作製できる。
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの固定ゲーム機などが挙げられる。
また、本発明の一態様の電子機器又は照明装置は可撓性を有するため、家屋やビルの内壁もしくは外壁、又は、自動車の内装もしくは外装の曲面に沿って組み込むことも可能である。
また、本発明の一態様の電子機器は、二次電池を有していてもよく、非接触電力伝送を用いて、二次電池を充電することができると好ましい。
二次電池としては、例えば、ゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池(リチウムイオンポリマー電池)等のリチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛電池などが挙げられる。
本発明の一態様の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信することで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器が二次電池を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
図11(A)、(B)、(C1)、(C2)、(D)、(E)に、湾曲した表示部7000を有する電子機器の一例を示す。表示部7000はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。表示部7000は可撓性を有していてもよい。
図11(A)、(B)、(C1)、(C2)、(D)、(E)に示す各電子機器が有する表示部7000は、本発明の一態様の発光装置、表示装置、又は入出力装置等を用いて作製される。
本発明の一態様により、湾曲した表示部を備える電子機器を歩留まりよく提供できる。
図11(A)に携帯電話機の一例を示す。携帯電話機7100は、筐体7101、表示部7000、操作ボタン7103、外部接続ポート7104、スピーカ7105、マイク7106等を有する。
図11(A)に示す携帯電話機7100は、表示部7000にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部7000に触れることで行うことができる。
また、操作ボタン7103の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部7000に表示される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
図11(B)にテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置7200は、筐体7201に表示部7000が組み込まれている。ここでは、スタンド7203により筐体7201を支持した構成を示している。
図11(B)に示すテレビジョン装置7200の操作は、筐体7201が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機7211により行うことができる。または、表示部7000にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7000に触れることで操作してもよい。リモコン操作機7211は、当該リモコン操作機7211から出力する情報を表示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機7211が備える操作キー又はタッチパネルにより、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部7000に表示される映像を操作することができる。
なお、テレビジョン装置7200は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線又は無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
図11(C1)、(C2)、(D)、(E)に携帯情報端末の一例を示す。各携帯情報端末は、筐体7301及び表示部7000を有する。さらに、操作ボタン、外部接続ポート、スピーカ、マイク、アンテナ、又はバッテリ等を有していてもよい。表示部7000にはタッチセンサを備える。携帯情報端末の操作は、指やスタイラスなどで表示部7000に触れることで行うことができる。
図11(C1)は、携帯情報端末7300の斜視図であり、図11(C2)は携帯情報端末7300の上面図である。図11(D)は、携帯情報端末7310の斜視図である。図11(E)は、携帯情報端末7320の斜視図である。
本実施の形態で例示する携帯情報端末は、例えば、電話機、手帳又は情報閲覧装置等から選ばれた一つ又は複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとしてそれぞれ用いることができる。本実施の形態で例示する携帯情報端末は、例えば、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
携帯情報端末7300、携帯情報端末7310及び携帯情報端末7320は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。例えば、図11(C1)、(D)に示すように、3つの操作ボタン7302を一の面に表示し、矩形で示す情報7303を他の面に表示することができる。図11(C2)では、携帯情報端末の上側に情報7303が表示される例を示し、図11(D)では、携帯情報端末の横側に情報7303が表示される例を示す。また、携帯情報端末の3面以上に情報を表示してもよく、図11(E)では、情報7304、情報7305、情報7306がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。
なお、情報の例としては、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の通知、電子メールや電話などの着信を知らせる表示、電子メールなどの題名もしくは送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、アンテナ受信の強度などがある。または、情報が表示されている位置に、情報の代わりに、操作ボタン、アイコンなどを表示してもよい。
例えば、携帯情報端末7300の使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末7300を収納した状態で、その表示(ここでは情報7303)を確認することができる。
具体的には、着信した電話の発信者の電話番号又は氏名等を、携帯情報端末7300の上方から観察できる位置に表示する。使用者は、携帯情報端末7300をポケットから取り出すことなく、表示を確認し、電話を受けるか否かを判断できる。
図11(F)〜(H)に、湾曲した発光部を有する照明装置の一例を示している。
図11(F)〜(H)に示す各照明装置が有する発光部は、本発明の一態様の発光装置等を用いて作製される。
本発明の一態様により、湾曲した発光部を備える照明装置を歩留まりよく提供できる。
図11(F)に示す照明装置7400は、波状の発光面を有する発光部7402を備える。したがってデザイン性の高い照明装置となっている。
図11(G)に示す照明装置7410の備える発光部7412は、凸状に湾曲した2つの発光部が対称的に配置された構成となっている。したがって照明装置7410を中心に全方位を照らすことができる。
図11(H)に示す照明装置7420は、凹状に湾曲した発光部7422を備える。したがって、発光部7422からの発光を、照明装置7420の前面に集光するため、特定の範囲を明るく照らす場合に適している。また、このような形態とすることで、影ができにくいという効果を奏する。
また、照明装置7400、照明装置7410及び照明装置7420の備える各々の発光部は可撓性を有していてもよい。発光部を可塑性の部材や可動なフレームなどの部材で固定し、用途に合わせて発光部の発光面を自在に湾曲可能な構成としてもよい。
照明装置7400、照明装置7410及び照明装置7420は、それぞれ、操作スイッチ7403を備える台部7401と、台部7401に支持される発光部を有する。
なおここでは、台部によって発光部が支持された照明装置について例示したが、発光部を備える筐体を天井に固定する、又は天井からつり下げるように用いることもできる。発光面を湾曲させて用いることができるため、発光面を凹状に湾曲させて特定の領域を明るく照らす、又は発光面を凸状に湾曲させて部屋全体を明るく照らすこともできる。
図12(A1)、(A2)、(B)〜(I)に、可撓性を有する表示部7001を有する携帯情報端末の一例を示す。
各携帯情報端末が有する表示部7001は、本発明の一態様の発光装置、表示装置、又は入出力装置等を用いて作製される。例えば、曲率半径0.01mm以上150mm以下で曲げることができる発光装置、表示装置、又は入出力装置等を適用できる。また、表示部7001はタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7001に触れることで携帯情報端末を操作することができる。
本発明の一態様により、可撓性を有する表示部を備える電子機器を歩留まりよく提供できる。
図12(A1)、(A2)は、携帯情報端末の一例を示す斜視図及び側面図である。携帯情報端末7500は、筐体7501、表示部7001、引き出し部材7502、操作ボタン7503等を有する。
携帯情報端末7500は、筐体7501内にロール状に巻かれた可撓性を有する表示部7001を有する。
また、携帯情報端末7500は内蔵された制御部によって映像信号を受信可能で、受信した映像を表示部7001に表示することができる。また、携帯情報端末7500にはバッテリが内蔵されている。また、筐体7501にコネクターを接続する端子部を備え、映像信号や電力を有線により外部から直接供給する構成としてもよい。
また、操作ボタン7503によって、電源のON、OFF動作や表示する映像の切り替え等を行うことができる。なお、図12(A1)、(A2)、(B)では、携帯情報端末7500の側面に操作ボタン7503を配置する例を示すが、これに限られず、携帯情報端末7500の表示面と同じ面(おもて面)や、裏面に配置してもよい。
図12(B)には、表示部7001を引き出し部材7502により引き出した状態の携帯情報端末7500を示す。この状態で表示部7001に映像を表示することができる。また、表示部7001の一部がロール状に巻かれた図12(A1)の状態と表示部7001を引き出した図12(B)の状態とで、携帯情報端末7500が異なる表示を行う構成としてもよい。例えば、図12(A1)の状態のときに、表示部7001のロール状に巻かれた部分を非表示とすることで、携帯情報端末7500の消費電力を下げることができる。
なお、表示部7001を引き出した際に表示部7001の表示面が平面状となるように固定するため、表示部7001の側部に補強のためのフレームを設けていてもよい。
なお、この構成以外に、筐体にスピーカを設け、映像信号と共に受信した音声信号によって音声を出力する構成としてもよい。
図12(C)〜(E)に、折りたたみ可能な携帯情報端末の一例を示す。図12(C)では、展開した状態、図12(D)では、展開した状態又は折りたたんだ状態の一方から他方に変化する途中の状態、図12(E)では、折りたたんだ状態の携帯情報端末7600を示す。携帯情報端末7600は、折りたたんだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により一覧性に優れる。
表示部7001はヒンジ7602によって連結された3つの筐体7601に支持されている。ヒンジ7602を介して2つの筐体7601間を屈曲させることにより、携帯情報端末7600を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。
図12(F)、(G)に、折りたたみ可能な携帯情報端末の一例を示す。図12(F)では、表示部7001が内側になるように折りたたんだ状態、図12(G)では、表示部7001が外側になるように折りたたんだ状態の携帯情報端末7650を示す。携帯情報端末7650は表示部7001及び非表示部7651を有する。携帯情報端末7650を使用しない際に、表示部7001が内側になるように折りたたむことで、表示部7001の汚れや傷つきを抑制できる。
図12(H)に、可撓性を有する携帯情報端末の一例を示す。携帯情報端末7700は、筐体7701及び表示部7001を有する。さらに、入力手段であるボタン7703a、7703b、音声出力手段であるスピーカ7704a、7704b、外部接続ポート7705、マイク7706等を有していてもよい。また、携帯情報端末7700は、可撓性を有するバッテリ7709を搭載することができる。バッテリ7709は例えば表示部7001と重ねて配置してもよい。
筐体7701、表示部7001、及びバッテリ7709は可撓性を有する。そのため、携帯情報端末7700を所望の形状に湾曲させることや、携帯情報端末7700に捻りを加えることが容易である。例えば、携帯情報端末7700は、表示部7001が内側又は外側になるように折り曲げて使用することができる。または、携帯情報端末7700をロール状に巻いた状態で使用することもできる。このように、筐体7701及び表示部7001を自由に変形することが可能であるため、携帯情報端末7700は、落下した場合、又は意図しない外力が加わった場合であっても、破損しにくいという利点がある。
また、携帯情報端末7700は軽量であるため、筐体7701の上部をクリップ等で把持してぶら下げて使用する、又は、筐体7701を磁石等で壁面に固定して使用するなど、様々な状況において利便性良く使用することができる。
図12(I)に腕時計型の携帯情報端末の一例を示す。携帯情報端末7800は、バンド7801、表示部7001、入出力端子7802、操作ボタン7803等を有する。バンド7801は、筐体としての機能を有する。また、携帯情報端末7800は、可撓性を有するバッテリ7805を搭載することができる。バッテリ7805は例えば表示部7001やバンド7801と重ねて配置してもよい。
バンド7801、表示部7001、及びバッテリ7805は可撓性を有する。そのため、携帯情報端末7800を所望の形状に湾曲させることが容易である。
操作ボタン7803は、時刻設定のほか、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オフ動作、マナーモードの実行及び解除、省電力モードの実行及び解除など、様々な機能を持たせることができる。例えば、携帯情報端末7800に組み込まれたオペレーティングシステムにより、操作ボタン7803の機能を自由に設定することもできる。
また、表示部7001に表示されたアイコン7804に指等で触れることで、アプリケーションを起動することができる。
また、携帯情報端末7800は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。
また、携帯情報端末7800は入出力端子7802を有していてもよい。入出力端子7802を有する場合、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また入出力端子7802を介して充電を行うこともできる。なお、本実施の形態で例示する携帯情報端末の充電動作は、入出力端子を介さずに非接触電力伝送により行ってもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
本実施例では、剥離層に施すプラズマ処理の影響を調べた結果について説明する。
はじめに、図1を用いて、試料の作製方法を説明する。試料は4種類(試料1及び試料2、並びに、比較試料1及び比較試料2)とし、それぞれ異なる条件のプラズマ処理を剥離層に施すものとした。
[第1の工程]
まず、作製基板101上に剥離層102を形成した。
作製基板101にはガラス基板を用いた。剥離層102としては、厚さ約30nmのタングステン膜を形成した。タングステン膜は、スパッタリング法にて、Arガスの流量を100sccmとし、電源電力60kW、圧力2Pa、基板温度100℃の条件で形成した。
[第2の工程]
次に、剥離層102の表面にプラズマ処理を行った(図1(A)の点線で示す矢印参照)。
試料1は、NOガス及びSiHガスを含む雰囲気下でプラズマ処理を行った。NOガスの流量は1200sccmとし、SiHガスの流量は5sccmとし、電源電力120W、圧力70Pa、基板温度330℃、300秒間の条件で行った。
試料2は、NOガス、SiHガス、及びNHガスを含む雰囲気下でプラズマ処理を行った。NOガスの流量は1200sccmとし、SiHガスの流量は5sccmとし、NHガスの流量は250sccmとし、電源電力500W、圧力70Pa、基板温度330℃、300秒間の条件で行った。
比較試料1は、NOガスを含む雰囲気下でプラズマ処理を行った。NOガスの流量は100sccmとし、電源電力500W、圧力100Pa、基板温度330℃、240秒間の条件で行った。
比較試料2は、NOガス及びNHガスを含む雰囲気下でプラズマ処理を行った。NOガスの流量は1200sccmとし、NHガスの流量は250sccmとし、電源電力500W、圧力70Pa、基板温度330℃、240秒間の条件で行った。
次に、剥離層102上に被剥離層110を形成した(図1(B))。本実施例の被剥離層110は、剥離層102側から、第1の酸化窒化シリコン膜(第1の層103に相当)、窒化シリコン膜(第2の層104に相当)、第2の酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、及び第3の酸化窒化シリコン膜が積層された構成である。
被剥離層110としては、まず、剥離層102上に、厚さ約600nmの第1の酸化窒化シリコン膜を形成した。第1の酸化窒化シリコン膜は、プラズマCVD法にて、SiHガスとNOガスの流量をそれぞれ75sccm、1200sccmとし、電源電力120W、圧力70Pa、基板温度330℃の条件で形成した。
次に、第1の酸化窒化シリコン膜上に、厚さ約200nmの窒化シリコン膜を形成した。窒化シリコン膜は、プラズマCVD法にて、SiHガス、Hガス及びNHガスの流量をそれぞれ30sccm、800sccm、300sccmとし、電源電力600W、圧力60Pa、基板温度330℃の条件で形成した。
次に、窒化シリコン膜上に、厚さ約200nmの第2の酸化窒化シリコン膜を形成した。第2の酸化窒化シリコン膜は、プラズマCVD法にて、SiHガスとNOガスの流量をそれぞれ50sccm、1200sccmとし、電源電力120W、圧力70Pa、基板温度330℃の条件で形成した。
次に、第2の酸化窒化シリコン膜上に、厚さ約140nmの窒化酸化シリコン膜を形成した。窒化酸化シリコン膜は、プラズマCVD法にて、SiHガス、Hガス、Nガス、NHガス、NOガスの流量をそれぞれ110sccm、800sccm、800sccm、800sccm、70sccmとし、電源電力320W、圧力100Pa、基板温度330℃の条件で形成した。
次に、窒化酸化シリコン膜上に、厚さ約100nmの第3の酸化窒化シリコン膜を形成した。第3の酸化窒化シリコン膜は、プラズマCVD法にて、SiHガスとNOガスの流量をそれぞれ10sccm、1200sccmとし、電源電力30W、圧力22Pa、基板温度330℃の条件で形成した。
その後、窒素雰囲気下、450℃で1時間の加熱処理を行った。
そして、被剥離層110と基板121とを接着層122で貼り合わせた(図1(C))。基板121には有機樹脂フィルムを用いた。接着層122にはエポキシ樹脂を用いた。
[断面観察]
加熱処理後の試料(基板121を貼っていないもの)について、断面観察を行った。断面観察はSTEM(Scanning Transmission Electron Microscopy)法を用いて行った。
図13(A)は、試料2における断面観察像であり、図13(B)は、比較試料1における断面観察像である。
試料2では、剥離層102(タングステン膜)と第1の層103(酸化窒化シリコン膜)の間に、酸化タングステン膜が形成されていることは確認できなかった。同様に、試料1においても、酸化タングステン膜が形成されていることは確認できなかった。
一方、比較試料1では、タングステン膜と酸化窒化シリコン膜の間に、厚さ約10nmの酸化タングステン膜が形成されていることが確認できた。同様に、比較試料2においても、タングステン膜と酸化窒化シリコン膜の間に、酸化タングステン膜が形成されていることが確認できた。
各試料は、プラズマ処理にNOガスを用いた点で共通しているが、試料1及び試料2では、プラズマ処理にSiHガスを用いたのに対し、比較試料1及び比較試料2では、SiHガスを用いていない点で相違している。このことから、プラズマ処理にNOガスと共にSiHガスを用いることで、タングステン膜の酸化の進行を抑制し、剥離層と被剥離層の界面に酸化物層が厚く形成されることを抑制できることが示された。
[剥離試験]
本実施例の試料について、作製基板101から被剥離層110を剥離するのに要する力の評価を行った。評価には、図14(A)に示すような治具を用いた。図14(A)に示す治具は、複数のガイドローラ154と、サポートローラ153を有する。測定方法としては、まず、作製基板101上に予め形成された被剥離層を含む層150にテープ151を貼り付け、端部を一部剥離しておく。次に、テープ151をサポートローラ153に引っ掛けるように作製基板101を治具に取り付け、テープ151及び被剥離層を含む層150が作製基板101に対して垂直方向になるようにする。ここで、テープ151を作製基板101に対して垂直方向に引っ張り(速度20mm/min)、被剥離層を含む層150を作製基板101から剥離する際に、垂直方向に引っ張る力を測定することで、剥離に要する力を測定することができる。ここで、剥離が進行している間、剥離層102が露出した状態で作製基板101がガイドローラ154に沿ってその面方向に走行する。サポートローラ153及びガイドローラ154は、被剥離層を含む層150及び作製基板101の走行中の摩擦の影響を無くすために回転可能に設けられている。
剥離試験には、島津製作所製の小型卓上試験機(EZ−TEST EZ−S−50N)及び日本工業規格(JIS)の規格番号JIS Z0237に準拠する粘着テープ・粘着シート試験方法を用いた。各試料の寸法は、126mm×25mmとした。
表1に、本実施例の各試料における、プラズマ処理のガス種及び時間、剥離に要する力、並びに、断面観察で酸化物層111が観察できたか否か、を示す。なお、剥離に要する力は、各試料、6ポイントで測定した平均値で示す。
剥離に要する力が0.14N以上の場合、剥離試験後に作製基板101側に被剥離層110が残存しやすい。一方、剥離に要する力が0.14N未満の場合では、被剥離層110が作製基板101に残存することなく、良好に剥離を行うことができる。
表1より、本実施例の試料はいずれも剥離に要する力が小さく、被剥離層110が作製基板101に残存することなく剥離可能であることがわかった。試料1では、プラズマ処理に、NOガス及びSiHガスを用いたのに対し、試料2では、NOガス及びSiHガスと共にNHガスを用いた。このことから、プラズマ処理に、NOガス及びSiHガスと共にNHガスを用いることで、剥離に要する力を小さくできることが示された。
[透過率測定]
本実施例の試料について、作製基板101から剥離した、被剥離層を含む層150(図14(B)参照)の透過率を測定した。
図15に、試料2及び比較試料1における、波長300nm以上800nm以下の範囲の光の透過率(%)を示す。
断面観察にて酸化タングステン膜が確認された比較試料1に比べて、酸化タングステン膜が確認できなかった試料2は、可視光の透過率が高かった。具体的には、波長450nm以上700nm以下の範囲の光の透過率の平均値は、比較試料1では約67%であるのに対し、試料2では約84%であった。このことから、電子顕微鏡等による断面観察での確認が困難であるほど薄膜な酸化物層を形成することで、発光装置や表示装置の光取り出し効率の低下を抑制できることが示唆された。
[XPS分析]
本実施例の試料における、作製基板101から剥離した、被剥離層を含む層150(図14(B)参照)の剥離面について、XPSを用いて組成分析を行った。
図16及び図17にW4f軌道に由来するピークを示す。図16は、試料1、図17(A)は試料2、図17(B)は比較試料1の結果である。
いずれの試料も、WOに由来するピーク、及びWO(2<x<3)、WO、タングステン窒化物等に由来するピークが確認できた。
試料1では、XPSスペクトルにおける、32.5eV以上33.5eV以下の範囲のピーク(WO(2<x<3)、WO、タングステン窒化物等に由来する最も強度の高いピークに相当)が、34.5eV以上35.5eV以下の範囲のピーク(WOに由来する最も強度の高いピークに相当)の0.67倍の強度を有する。
試料2では、XPSスペクトルにおける、33.5eV以上34.5eV以下の範囲のピーク(WO(2<x<3)、WO、タングステン窒化物等に由来する最も強度の高いピークに相当)が、35.5eV以上36.5eV以下の範囲のピーク(WOに由来する最も強度の高いピークに相当)の0.76倍の強度を有する。
比較試料1では、XPSスペクトルにおける、32.5eV以上33.5eV以下の範囲のピーク(WO(2<x<3)、WO、タングステン窒化物等に由来する最も強度の高いピークに相当)が、34.5eV以上35.5eV以下の範囲のピーク(WOに由来する最も強度の高いピークに相当)の0.76倍の強度を有する。
試料2及び比較試料1では、WOに由来するピークの強度に対する、WO(2<x<3)、WO、タングステン窒化物等に由来するピークの強度の大きさが、試料1に比べて大きかった。このことは、試料2及び比較試料1では、酸化物層に供給された水素によってWOが還元され、酸化数の小さなタングステン酸化物がより多く存在していることを示唆する。または、試料2及び比較試料1では、酸化物層に供給された窒素によって、タングステン窒化物がより多く生成されたことを示唆する。
また、試料1では、XPSスペクトルにおける、32.5eV以上33.5eV以下の範囲のピークが、37.5eV以上38.5eV以下の範囲のピーク(WOに由来する2番目に強度の高いピークに相当)よりも低い強度を有する。
試料2では、XPSスペクトルにおける、33.5eV以上34.5eV以下の範囲のピークが、38.5eV以上39.5eV以下の範囲のピーク(WOに由来する2番目に強度の高いピークに相当)よりも高い強度を有する。
比較試料1では、XPSスペクトルにおける、32.5eV以上33.5eV以下の範囲のピークが、37.5eV以上38.5eV以下の範囲のピーク(WOに由来する2番目に強度の高いピークに相当)よりも高い強度を有する。
なお、試料2では、残存しているタングステン化合物が微量であり、ノイズ等の影響により、WOに由来する2番目に強度の高いピークの位置の特定が困難であった。そのため、試料1及び比較試料1における、ピークの相対的な位置関係をもとに特定した。試料1及び比較試料1で、WOに由来する2番目に強度の高いピークの位置は、WOに由来する最も強度の高いピークから約+3eVの位置、及び、WO(2<x<3)、WO、タングステン窒化物等に由来する最も強度の高いピークから約+7eVの位置、ということができる。したがって、試料2においてこれらの位置に相当する、33.5eV以上34.5eV以下の範囲のピークを、WOに由来する2番目に強度の高いピークとみなした。
試料2及び比較試料1は、試料1と異なり、WO(2<x<3)、WO、タングステン窒化物等に由来するピークの方が、WOに由来する2番目に強度の高いピークよりも強度が高かった。このことも、試料2及び比較試料1には、酸化数の小さなタングステン酸化物やタングステン窒化物がより多く存在していることを示唆する。
試料2及び比較試料1は、試料1に比べて、剥離に要する力が小さい。以上の結果から、試料2及び比較試料1は、試料1に比べて、酸化数の小さなタングステン酸化物やタングステン窒化物が多く存在することで、酸化物層内の機械的強度が脆弱化した結果、剥離に要する力が小さくなったと考えられる。
[抵抗測定]
本実施例の試料における、作製基板101から剥離した、被剥離層を含む層150の剥離面の抵抗を測定した。
本実施例では、図14(C)に示すように、被剥離層を含む層150の剥離面に、チタン電極159をスパッタリング法により形成し、電流‐電圧特性を測定することで、電極間の抵抗値を評価した。チタン電極159は幅1mm、長さ70.9mmとした。本実施例では、試料2及び比較試料1について、評価した。なお、抵抗は、各試料6ポイントで測定した平均値で示す。
図18に、試料2における電流‐電圧特性を示す。電極間の抵抗は、1.69×1012Ωであった。この値は、比較試料1(7.16×10Ω)よりも高い値であった。このことから、本発明の一態様を適用することで、被剥離層を含む層150の剥離面は高い絶縁性を有することがわかった。したがって、寄生容量の原因となりにくく、トランジスタ等の素子の特性変動を抑制できることが示された。
[SIMS分析]
また、加熱処理後の試料2及び比較試料1について、SIMSを用いて、深さ方向の水素濃度及び窒素濃度を測定した結果について説明する。
図19(A)に試料2の水素濃度プロファイルを示し、図19(B)に比較試料1の水素濃度プロファイルを示す。図20(A)に試料2の窒素濃度プロファイルを示し、図20(B)に比較試料1の窒素濃度プロファイルを示す。なお、分析は被剥離層110側から行った。なお、図19及び図20では、横軸のスケールに比べて酸化物層111の厚さが極めて小さいため、酸化物層111を図示していないが、図1(B)で示すように、酸化物層111は第1の層103と剥離層102の間に位置する。
まず、図19(A)、(B)を用いて、比較試料1と試料2の水素濃度プロファイルを比較する。比較試料1では、第1の層103の第2の層104側から剥離層102側にかけて水素濃度が低くなるように、勾配を有することがわかった。一方、試料2では、このような勾配は見られず、1.0×1021atoms/cmから1.0×1022atoms/cmの範囲で略一定であった。また、いずれの試料においても、第1の層103と剥離層102の間(酸化物層111内、又は酸化物層111の近傍)に、第1の層103よりも水素濃度が高い領域とが確認された。該領域の水素濃度は、比較試料1の方が、試料2に比べて高かった。
次に、図20(A)、(B)を用いて、比較試料1と試料2の窒素濃度プロファイルを比較する。水素濃度と同様に、比較試料1では、第1の層103の第2の層104側から剥離層102側にかけて窒素濃度が低くなるように、勾配を有することがわかった。一方、試料2では、このような勾配は見られず、5.0×1020atoms/cmから1.0×1023atoms/cmの範囲で略一定であった。また、いずれの試料においても、第1の層103と剥離層102の間(酸化物層111内、又は酸化物層111の近傍)に、第1の層103よりも窒素濃度が高い領域とが確認された。該領域の窒素濃度は、比較試料1の方が、試料2に比べて高かった。
以上の結果から、試料2は、比較試料1に比べて、第1の層103が酸化物層111に供給する必要のある水素量や窒素量が少ないことが示唆された。これは、試料2の場合、プラズマ処理によって、事前に酸化物層111に水素や窒素が供給されているためであると考えられる。第1の層103が酸化物層111に供給する必要のある水素量や窒素量が少ないので、第1の層103の厚さを小さくすることができる。よって、生産性を高めることができる。また、生産のコストを低減することができる。
本実施例では、第1の層103の膜厚の影響について説明する。
はじめに、図1を用いて、試料の作製方法を説明する。試料は3種類(試料A〜試料C)とし、それぞれ異なる厚さの第1の層103を有するものとした。
[第1の工程]
まず、作製基板101上に剥離層102を形成した。作製基板101の構成、及び剥離層102の成膜条件は、実施例1と同様である。
[第2の工程]
次に、剥離層102の表面にプラズマ処理を行った(図1(A)の点線で示す矢印参照)。
本実施例では、NOガス、SiHガス、及びNHガスを含む雰囲気下でプラズマ処理を行った。NOガスの流量は1200sccmとし、SiHガスの流量は5sccmとし、NHガスの流量は250sccmとし、電源電力500W、圧力70Pa、基板温度330℃、240秒間の条件で行った。
次に、剥離層102上に被剥離層110を形成した。本実施例の被剥離層110は、剥離層102側から、第1の酸化窒化シリコン膜(第1の層103に相当)、窒化シリコン膜(第2の層104に相当)、第2の酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、及び第3の酸化窒化シリコン膜が積層された構成である。
被剥離層110としては、まず、剥離層102上に第1の酸化窒化シリコン膜を形成した。第1の酸化窒化シリコン膜は、プラズマCVD法にて、SiHガスとNOガスの流量をそれぞれ75sccm、1200sccmとし、電源電力120W、圧力70Pa、基板温度330℃の条件で形成した。
第1の酸化窒化シリコン膜の膜厚は、試料Aでは、約600nm、試料Bでは、約400nm、試料Cでは、約200nmとした。
次に、第1の酸化窒化シリコン膜上に、厚さ約200nmの窒化シリコン膜、厚さ約200nmの第2の酸化窒化シリコン膜、厚さ約140nmの窒化酸化シリコン膜、厚さ約100nmの第3の酸化窒化シリコン膜をこの順で形成した。各層の成膜条件は実施例1と同様である。
その後、窒素雰囲気下、450℃で1時間の加熱処理を行った。
そして、被剥離層110と基板121とを接着層122で貼り合わせた(図1(C))。
上記の条件で作製した各試料において、作製基板から被剥離層を剥離するのに要する力の評価を行った。剥離に要する力は、試料A及び試料Bでは、0.066N、試料Cでは、0.075Nであった。
Oガスのみを用いたプラズマ処理では、第1の層103の厚さが薄いと剥離の歩留まりが低下することがあった。これは、第1の層103から酸化物層111に供給される水素量や窒素量が足りなかったためと考えられる。一方、本実施例では、第1の層103の厚さを薄くしても剥離性の低下を抑制でき、高い剥離性と高い生産性の両立が可能であった。これは、第1の層103が酸化物層111に供給する必要のある水素量や窒素量を減少することができたためと考えられる。つまり、NOガス、SiHガス、及びNHガスを用いることで、プラズマ処理によっても酸化物層111に水素や窒素を供給することができたと示唆される。
101 作製基板
102 剥離層
103 第1の層
104 第2の層
110 被剥離層
111 酸化物層
121 基板
122 接着層
131 基板
132 接着層
150 被剥離層を含む層
151 テープ
153 サポートローラ
154 ガイドローラ
159 チタン電極
301 表示部
302 画素
302B 副画素
302G 副画素
302R 副画素
302t トランジスタ
303c 容量
303g(1) 走査線駆動回路
303g(2) 撮像画素駆動回路
303s(1) 画像信号線駆動回路
303s(2) 撮像信号線駆動回路
303t トランジスタ
304 ゲート
308 撮像画素
308p 光電変換素子
308t トランジスタ
309 FPC
311 配線
319 端子
321 絶縁層
328 隔壁
329 スペーサ
350R 発光素子
351R 下部電極
352 上部電極
353 EL層
353a EL層
353b EL層
354 中間層
360 接着層
367B 着色層
367BM 遮光層
367G 着色層
367p 反射防止層
367R 着色層
390 入出力装置
500 表示部
500TP 入出力装置
501 表示部
503g 駆動回路
503s 駆動回路
505 入出力装置
505B 入出力装置
509 FPC
590 基板
591 電極
592 電極
593 絶縁層
594 配線
595 タッチセンサ
597 接着層
598 配線
599 接続層
600 入力部
602 検知ユニット
603d 駆動回路
603g 駆動回路
650 容量素子
651 電極
652 電極
653 絶縁層
667 窓部
670 保護層
701 基板
703 接着層
704 酸化物層
705 絶縁層
711 基板
713 接着層
714 酸化物層
715 絶縁層
804 発光部
806 駆動回路部
808 FPC
814 導電層
815 絶縁層
817 絶縁層
817a 絶縁層
817b 絶縁層
820 トランジスタ
821 絶縁層
822 接着層
823 スペーサ
824 トランジスタ
825 接続体
830 発光素子
831 下部電極
832 光学調整層
833 EL層
835 上部電極
845 着色層
847 遮光層
849 オーバーコート
856 導電層
857 導電層
857a 導電層
857b 導電層
7000 表示部
7001 表示部
7100 携帯電話機
7101 筐体
7103 操作ボタン
7104 外部接続ポート
7105 スピーカ
7106 マイク
7200 テレビジョン装置
7201 筐体
7203 スタンド
7211 リモコン操作機
7300 携帯情報端末
7301 筐体
7302 操作ボタン
7303 情報
7304 情報
7305 情報
7306 情報
7310 携帯情報端末
7320 携帯情報端末
7400 照明装置
7401 台部
7402 発光部
7403 操作スイッチ
7410 照明装置
7412 発光部
7420 照明装置
7422 発光部
7500 携帯情報端末
7501 筐体
7502 部材
7503 操作ボタン
7600 携帯情報端末
7601 筐体
7602 ヒンジ
7650 携帯情報端末
7651 非表示部
7700 携帯情報端末
7701 筐体
7703a ボタン
7703b ボタン
7704a スピーカ
7704b スピーカ
7705 外部接続ポート
7706 マイク
7709 バッテリ
7800 携帯情報端末
7801 バンド
7802 入出力端子
7803 操作ボタン
7804 アイコン
7805 バッテリ

Claims (21)

  1. 基板上に剥離層を形成する第1の工程と、
    前記剥離層の表面にプラズマ処理を行う第2の工程と、
    前記剥離層上に被剥離層を形成する第3の工程と、
    前記剥離層と前記被剥離層を加熱する第4の工程と、
    前記剥離層と前記被剥離層を分離する第5の工程と、を有し、
    前記プラズマ処理は、窒素、酸素、珪素、及び水素を含む雰囲気下で行う、剥離方法。
  2. 請求項1において、
    前記プラズマ処理は、亜酸化窒素及びシランを含む雰囲気下で行う、剥離方法。
  3. 請求項1において、
    前記プラズマ処理は、亜酸化窒素、シラン、及びアンモニアを含む雰囲気下で行う、剥離方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項において、
    前記第2の工程では、前記プラズマ処理を行うことで、前記剥離層の表面に酸化物層を形成し、
    前記酸化物層は、前記剥離層に含まれる材料の少なくとも一つを含む、剥離方法。
  5. 請求項4において、
    前記第1の工程では、タングステンを含む前記剥離層を形成し、
    前記第2の工程では、前記プラズマ処理を行うことで、タングステン及び酸素を含む前記酸化物層を形成する、剥離方法。
  6. 第1の基板と、第1の接着層と、第1の酸化物層と、第1の絶縁層と、素子層とを、この順で積層して有し、
    前記第1の基板は、可撓性を有し、
    前記素子層は、発光素子を有し、
    前記第1の基板、前記第1の接着層、前記第1の酸化物層、及び前記第1の絶縁層の積層構造の、波長450nm以上700nm以下の範囲の光の透過率の平均値が70%以上100%以下である、発光装置。
  7. 請求項6において、
    前記第1の酸化物層の前記第1の接着層側の面に対して行うX線光電子分光分析で求められる、W4f軌道に帰属される第1のピークは、W4f軌道に帰属される第2のピークの0.60倍以上1.0倍以下の強度を有し、
    前記第1のピークは、WO(2≦x<3)で表される酸化タングステン及びタングステン窒化物に由来するピークのうち最も強度の高いピークであり、
    前記第2のピークは、酸化タングステン(VI)に由来するピークのうち最も強度の高いピークである、発光装置。
  8. 請求項6又は7において、
    前記第1の酸化物層の前記第1の接着層側の面に対して行うX線光電子分光分析で求められる、W4f軌道に帰属される第3のピークは、W4f軌道に帰属される第4のピークよりも高い強度を有し、
    前記第3のピークは、WO(2≦x<3)で表される酸化タングステン及びタングステン窒化物に由来するピークのうち最も強度の高いピークであり、
    前記第4のピークは、酸化タングステン(VI)に由来するピークのうち2番目に強度の高いピークである、発光装置。
  9. 請求項6乃至8のいずれか一項において、
    前記第1の酸化物層は、厚さが1nm以上5nm未満である部分を有する、発光装置。
  10. 請求項6乃至9のいずれか一項において、
    前記第1の酸化物層の抵抗率は、1.0×10Ω・m以上1.0×1015Ω・m以下である、発光装置。
  11. 請求項6乃至10のいずれか一項において、
    前記第1の絶縁層は、二次イオン質量分析法で検出される水素濃度が、1.0×1020atoms/cm以上1.0×1022atoms/cm以下である領域を含む、発光装置。
  12. 請求項6乃至11のいずれか一項において、
    前記第1の絶縁層は、二次イオン質量分析法で検出される窒素濃度が、5.0×1020atoms/cm以上1.0×1023atoms/cm以下である領域を含む、発光装置。
  13. 請求項6乃至12のいずれか一項において、
    第2の基板と、第2の接着層と、第2の酸化物層と、第2の絶縁層とを、この順で積層して有し、
    前記第2の基板は、可撓性を有し、
    前記素子層は、前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層との間に設けられ、
    前記第2の絶縁層は、前記第2の酸化物層と前記素子層との間に設けられ、
    前記第2の基板、前記第2の接着層、前記第2の酸化物層、及び前記第2の絶縁層の積層構造の、波長450nm以上700nm以下の範囲の光の透過率の平均値が70%以上100%以下である、発光装置。
  14. 請求項13において、
    前記第2の酸化物層の前記第2の接着層側の面に対して行うX線光電子分光分析で求められる、W4f軌道に帰属される第5のピークは、W4f軌道に帰属される第6のピークの0.60倍以上1.0倍以下の強度を有し、
    前記第5のピークは、WO(2≦x<3)で表される酸化タングステン及びタングステン窒化物に由来するピークのうち最も強度の高いピークであり、
    前記第6のピークは、酸化タングステン(VI)に由来するピークのうち最も強度の高いピークである、発光装置。
  15. 請求項13又は14において、
    前記第2の酸化物層の前記第2の接着層側の面に対して行うX線光電子分光分析で求められる、W4f軌道に帰属される第7のピークは、W4f軌道に帰属される第8のピークよりも高い強度を有し、
    前記第7のピークは、WO(2≦x<3)で表される酸化タングステン及びタングステン窒化物に由来するピークのうち最も強度の高いピークであり、
    前記第8のピークは、酸化タングステン(VI)に由来するピークのうち2番目に強度の高いピークである、発光装置。
  16. 請求項13乃至15のいずれか一項において、
    前記第2の酸化物層は、厚さが1nm以上5nm未満である部分を有する、発光装置。
  17. 請求項13乃至16のいずれか一項において、
    前記第2の酸化物層の抵抗値は、1.0×10Ω・m以上1.0×1015Ω・m以下である、発光装置。
  18. 請求項13乃至17のいずれか一項において、
    前記第2の絶縁層は、二次イオン質量分析法で検出される水素濃度が、1.0×1020atoms/cm以上1.0×1022atoms/cm以下である領域を含む、発光装置。
  19. 請求項13乃至18のいずれか一項において、
    前記第2の絶縁層は、二次イオン質量分析法で検出される窒素濃度が、5.0×1020atoms/cm以上1.0×1023atoms/cm以下である領域を含む、発光装置。
  20. 請求項6乃至19のいずれか一項に記載の発光装置と、
    FPCと、を有する、モジュール。
  21. 請求項6乃至19のいずれか一項に記載の発光装置、又は請求項20に記載のモジュールと、
    アンテナ、バッテリ、筐体、スピーカ、マイク、操作スイッチ、又は操作ボタンと、を有する、電子機器。
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