JP2016031500A - 画像表示装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 密着性及び遮光部の硬化性に優れた画像表示装置を生産性良く得る製造方法を提供する。
【解決手段】 貼り合わせる一つの光学基材が遮光部を有し、以下の工程(1)〜(4)を有する、光学基材が貼り合わされた光学部材を有する画像表示装置の製造方法。
工程(1):光学基材に、重合性物質(A)、ラジカル開始剤(B)並びに酸発生剤(C)及び/又は塩基発生剤(D)を含有する活性光線硬化型樹脂組成物を塗布する工程、
工程(2):樹脂組成物に対して、活性光線を照射して仮硬化させることにより仮硬化樹脂層を得る工程、
工程(3):仮硬化樹脂層に対して他の光学基材を貼り合わせ、仮硬化樹脂を有する光学部材を得る工程、
工程(4):光学部材に対して、活性光線を照射して基材間に挟まれた仮硬化樹脂層を本硬化させることにより、本硬化樹脂層を介して光学基材が貼り合わされた光学部材を有する画像表示装置を得る工程。
【選択図】なし

Description

本発明は、遮光部を有する光学基材と他の光学基材とを、活性光線硬化型樹脂層を介して貼り合わせて画像表示装置を製造する方法に関する。
近年、タブレット端末やスマートフォンに用いられている液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の画像表示装置は、液晶パネルや有機ELパネル等の光学基材に、タッチパネルを貼り合わせたものが広く利用されている。このタッチパネルは、透明電極が形成された透明基板がわずかな空隙を空けて貼り合わせられており、必要に応じて、タッチ面の上に、表面を保護するための光透過性カバー基材を貼り合わせた構造を有している。
タッチパネルにおける透明電極が形成された透明基板と光透過性カバー基材との貼り合わせ、又は、タッチパネルと画像表示基材との貼り合わせの技術の一つに、柔軟性のある活性光線硬化型樹脂組成物を介して貼り合わせる方法がある。
一方、光透過性カバー基材の周縁部には、表示画像の輝度やコントラスト向上のために遮光部が形成されている。このため、活性光線硬化型樹脂組成物のうち遮光部の影になる部分には充分な活性光線が到達せず、硬化不良になる。そのため十分な接着強度が得られず、基材どうしの剥離や、基材間への水分の侵入による画像品質の低下等の問題が発生する。
遮光部の樹脂の硬化性を向上させる技術として、熱重合開始剤を活性光線硬化型樹脂組成物に含有させ、活性光線照射して硬化させた後に、加熱処理することにより、遮光部の樹脂を硬化する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、樹脂を十分に硬化させるために長時間の加熱処理が必要であるため生産性に乏しく、また画像表示基材等に熱ダメージを与える懸念があった。
また、カチオン重合性の活性光線硬化型樹脂の遅延硬化性を利用する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法では、遮光部及び非遮光部共に十分な初期密着性が得られるが、硬化後の樹脂の柔軟性及び伸び性が劣り、更に耐久性試験後の密着性が不足する懸念があった。
特開2008−126860号公報 特開2010−248387号公報
本発明の目的は、密着性(初期密着性及び密着耐久性)及び遮光部の硬化性に優れた画像表示装置を生産性良く得る製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、貼り合わせる少なくとも一つの光学基材が遮光部を有し、以下の工程(1)〜(4)を有する、少なくとも二つの光学基材が貼り合わされた光学部材を有する画像表示装置の製造方法;及び前記製造方法で製造された画像表示装置である。
工程(1):少なくとも一つの光学基材に、重合性物質(A)、ラジカル開始剤(B)並びに酸発生剤(C)及び/又は塩基発生剤(D)を含有する活性光線硬化型樹脂組成物を塗布する工程、
工程(2):前記塗布された活性光線硬化型樹脂組成物に対して、活性光線を照射して仮硬化させることにより仮硬化樹脂層を得る工程、
工程(3):前記仮硬化樹脂層に対して他の光学基材を貼り合わせ、少なくとも二つの光学基材が貼り合わされた、仮硬化樹脂を有する光学部材を得る工程、
工程(4):前記貼り合わされた一対の光学部材に対して、活性光線を照射して基材間に挟まれた仮硬化樹脂層を本硬化させることにより、本硬化樹脂層を介して少なくとも二つの光学基材が貼り合わされた光学部材を有する画像表示装置を得る工程。
本発明の製造方法により、密着性(初期密着性及び密着耐久性)及び遮光部の硬化性に優れた画像表示装置を生産性良く得ることができる。
本発明の少なくとも二つの光学基材が貼り合わされた光学部材を有する画像表示装置の製造方法は、貼り合わせる少なくとも一つの光学基材が遮光部を有し、以下の工程(1)〜(4)を有する。
工程(1):少なくとも一つの光学基材に、重合性物質(A)、ラジカル開始剤(B)並びに酸発生剤(C)及び/又は塩基発生剤(D)を含有する活性光線硬化型樹脂組成物を塗布する工程、
工程(2):前記塗布された活性光線硬化型樹脂組成物に対して、活性光線を照射して仮硬化させることにより仮硬化樹脂層を得る工程、
工程(3):前記仮硬化樹脂層に対して他の光学基材を貼り合わせ、少なくとも二つの光学基材が貼り合わされた、仮硬化樹脂を有する光学部材を得る工程、
工程(4):前記貼り合わされた一対の光学部材に対して、活性光線を照射して基材間に挟まれた仮硬化樹脂層を本硬化させることにより、本硬化樹脂層を介して少なくとも二つの光学基材が貼り合わされた光学部材を有する画像表示装置を得る工程。
以下に、本発明の画像表示装置の製造方法における工程(1)〜(4)の具体的な実施の形態について、詳細に説明する。
本発明における工程(1)とは、少なくとも一つの光学基材に、重合性物質(A)、ラジカル開始剤(B)並びに酸発生剤(C)及び/又は塩基発生剤(D)を含有する活性光線硬化型樹脂組成物を塗布する工程である。
重合性物質(A)、ラジカル開始剤(B)並びに酸発生剤(C)及び/又は塩基発生剤(D)を含有する活性光線硬化型樹脂組成物を、少なくとも一つの光学基材の表面に平坦になるように塗布する。
活性光線型樹脂組成物の塗布方法としては、スリットコート、スピンコート、ロールコート及びスプレーコート等の公知のコーティング法並びにスクリーン印刷等の印刷法を適用できる。
活性光線硬化型樹脂の硬化物の厚みは、画像表示装置の光学特性の観点から、通常30〜500μm、好ましくは50〜400μm、更に好ましくは50〜350μmである。樹脂組成物の塗布は、必要な厚みが得られるのであれば1回でもよいし、2回以上塗布してもよい。
本発明における工程(2)とは、塗布された活性光線硬化型樹脂組成物に対して、活性光線を照射して仮硬化させることにより仮硬化樹脂層を得る工程である。
本発明における仮硬化とは、遮光部の硬化性、初期密着性及び生産性を向上させる目的で、後述の仮硬化樹脂層が本硬化する条件よりも弱い条件で行う硬化である。樹脂組成物を仮硬化させることにより、塗布された樹脂組成物の漏れ出しを防ぐことができるため貼り合わせる光学基材間の樹脂層を排除することなく十分に光硬化させることができ、また樹脂組成物の流動による位置ずれがなくなり気泡の発生を防ぐことができることから生産性が向上する。加えて、貼り合わせ前に仮硬化させることで遮光部の硬化性および初期密着性を確保でき、硬化収縮も低減することができる。
樹脂組成物を仮硬化させた後の仮硬化樹脂の反応率は、初期密着性の観点から、好ましくは10〜75%、更に好ましくは25〜60%である。
本発明における樹脂の反応率とは、活性光線照射前の樹脂組成物中の末端二重結合の存在量に対する活性光線照射後の仮硬化樹脂中の末端二重結合の存在量の割合であり、この数値が大きいほど、反応が進行していることを示す。
尚、本発明における樹脂の反応率は、活性光線照射前の樹脂組成物のFT−IR測定チャートにおけるベースラインからの810cm-1付近の吸収ピーク高さ(Z)と、活性光線照射後の樹脂組成物層のFT−IR測定チャートにおけるベースラインからの810cm-1付近の吸収ピーク高さ(Y)とを、以下の式(1)に代入することにより算出することができる。
樹脂の反応率(%)={(Z−Y)/X}×100 (1)
仮硬化樹脂層を形成する仮硬化樹脂の25℃での貯蔵弾性率は、遮光部の硬化性及び硬化収縮低減の観点から好ましくは1.0×102〜1.0×106Pa、更に好ましくは1.0×102〜1.0×105Paであり、25℃での損失正接(以下、tanδと略記)は、遮光部の硬化性及び硬化収縮低減の観点から好ましくは0.3〜1.0、更に好ましくは0.4〜1.0である。尚、tanδとは、貯蔵弾性率(E’)と損失弾性率(E”)の比(E”/E’)であり、本発明における貯蔵弾性率及びtanδは、後述の方法で測定することができる。
樹脂組成物を仮硬化させるときの活性光線の照射方法は、仮硬化樹脂が上述の範囲になるように仮硬化させることができる限り、光源の種類、出力、積算光量に特に制限はなく、公知の方法を使用することができる。
活性光線としては、可視光線及び紫外線等が挙げられる。本発明の画像表示装置の製造方法で使用される活性光線硬化型樹脂組成物は、360〜830nmの活性光線の照射でも光硬化できるため、一般的に使用されている高圧水銀灯の他、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ及びハイパワーメタルハライドランプ等が使用できる。また、LED光源を使用した照射装置も好適に使用できる。
仮硬化させるときの積算光量は、初期密着性の観点から10〜3000mJ/cm2が好ましい。
本発明における工程(3)とは、仮硬化樹脂層に対して他の光学基材を貼り合わせ、少なくとも二つの光学基材が貼り合わされた仮硬化樹脂を有する光学部材を得る工程である。
仮硬化樹脂層に対して他の光学基材を貼り合わせる方法としては、光学基材上の仮硬化樹脂層と仮硬化樹脂層を有しない光学基材の表面を対向させて張り合わせる方法等が挙げられる。貼り合わせは、大気中及び真空中のいずれでもできるが、貼り合わせの際に気泡が生じることを防ぐためには、真空中で貼り合わせることが好適である。
本発明における工程(4)とは、貼り合わされた一対の光学部材に対して、活性光線を照射して基材間に挟まれた仮硬化樹脂層を本硬化させることにより、本硬化樹脂層を介して少なくとも二つの光学基材が貼り合わされた光学部材を有する画像表示装置を得る工程である。光学部材に活性光線を照射して本硬化させることにより、画像表示装置を得る。この本硬化工程により、仮硬化樹脂層を十分に硬化させて、少なくとも二つ以上の光学基材を接着し積層することができる。
本発明における本硬化とは、少なくとも二つ以上の光学基材を密着させるために、前述の仮硬化樹脂層の条件よりも強い条件で行う硬化である。
仮硬化樹脂層を本硬化させた後の本硬化樹脂層の反応率は、好ましくは75%以上、更に好ましくは80%以上である。
本硬化樹脂層を形成する本硬化樹脂の25℃での貯蔵弾性率は、生産性及び密着耐久性の観点から好ましくは1.0×103〜1.0×107Pa、更に好ましくは1.0×103〜1.0×106Paであり、25℃でのtanδは、生産性及び密着耐久性の観点から仮硬化樹脂のtanδよりも大きいことが好ましい。
仮硬化樹脂を本硬化させるときの活性光線の照射方法は、本硬化樹脂層が上述の範囲になるように本硬化させることができる限り、樹脂組成物を仮硬化の場合と同様である。
本硬化させるときの積算光量は、仮硬化樹脂の硬化性の観点から500〜6000mJ/cm2が好ましい。
本明細書における光学基材とは、遮光部を有しない光学基材と、遮光部を有する光学基材の両方を意味する。本発明の画像表示装置の製造方法においては、少なくとも二つ以上の光学基材を用いるが、貼り合わせる少なくとも一つの光学基材が遮光部を有していればよい。
本発明における光学基材としては、好ましくは透明基板(透明電極が形成してあるもの)、透明板(ガラス板、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びポリカーボネート板等)、化粧板、タッチパネル、アイコンシート及び画像表示部材[液晶モジュール(電極を形成した一対の基板間に液晶材料が封入された液晶パネルに偏光板、駆動回路、信号入力ケーブル及びバックライトユニットが備わったもの)及び有機ELモジュール等]であり、光学基材は1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
光学基材が有する遮光部は、表示画像のコントラスト向上等のために形成されるものである。遮光部を有する透明板とは、ガラス板、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びポリカーボネート板等の透明板の貼り合わせ面の表面上に、黒色枠状の遮光部が形成されたものである。
光学基材における遮光部の位置は、特に限定されないが、好ましくは光学基材の周縁部であり、遮光部の幅は好ましくは0.05〜20mm、更に好ましくは0.1〜15mm、特に好ましくは0.1〜10mmである。遮光部は、テープの貼付、塗料の塗布又は印刷等によって形成することができる。
本発明における活性光線硬化型樹脂組成物は、重合性物質(A)、ラジカル開始剤(B)並びに酸発生剤(C)及び/又は塩基発生剤(D)を含有する。
本発明における重合性物質(A)としては、ラジカル重合性化合物(A1)及びイオン重合性化合物(A2)等の公知の化合物を用いることができる。(A)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性化合物(A1)としては、エチレン性不飽和結合を有する公知の化合物を用いることができる。エチレン性不飽和結合とは、ビニル基、プロペニル基、(メタ)アクリロイル基などがあげられる。これらの内、活性光線硬化性の観点から(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(A11)を含有するのが好ましい。
尚、上記及び以下において、「アクリロイル」、「メタクリロイル」の双方又はいずれかを指す場合「(メタ)アクリロイル」と、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方又はいずれかを指す場合「(メタ)アクリレート」と、「アクリル」、「メタクリル」の双方又はいずれかを指す場合「(メタ)アクリル」と、それぞれ記載する。
(メタ)アクリレート(A11)〔後述するポリイソプレンを骨格にもつ(メタ)アクリレートオリゴマー(A15)、ポリブタジエンを骨格にもつ(メタ)アクリレートオリゴマー(A16)、ポリウレタンを骨格にもつ(メタ)アクリレートオリゴマー(A17)及びポリエステルを骨格にもつ(メタ)アクリレート(A18)を除く。〕としては、炭素数が4〜50のものが好ましく、例えば単官能(メタ)アクリレート(A111)、2官能(メタ)アクリレート(A112)及び3官能以上の(メタ)アクリレート(A113)が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
単官能(メタ)アクリレート(A111)としては、エチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロへキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシルカルビトール(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノビニルエーテルモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(以下、EOと略記)(1〜40モル、以下同様)付加フェノール(メタ)アクリレート、EO付加クレゾール(メタ)アクリレート、EO付加ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(以下、POと略記)(1〜40モル、以下同様)付加ノニルフェノール(メタ)アクリレート及びEO付加2−エチルヘキシルアルコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの内、光学基材の密着性の観点から好ましいのは、イソオクチル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート及びジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートであり、硬化物の耐水性の観点から好ましいのは2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート及びジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートである。
2官能(メタ)アクリレート(A112)としては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート及びトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの内、光学基材の密着性の観点から好ましいのは、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート及び1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレートである。
3官能以上の(メタ)アクリレート(A113)としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド(EO及びPO等、以下のアルキレンオキサイドも同じ)(1〜40モル、以下同様)付加物トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド付加物トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのEO付加物テトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド付加物ヘキサ(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの内、組成物の柔軟性及び伸び性の観点から好ましいのは、単官能(メタ)アクリレート(A111)であり、その含有量が、重合性物質(A)全体に占める(A111)の割合が50〜99.9重量%であることが更に好ましい。
ラジカル重合性化合物(A1)としては、前記(メタ)アクリレート(A11)以外に、(メタ)アクリルアミド化合物(A12)、芳香族ビニル化合物(A13)、ビニルエーテル化合物(A14)、ポリイソプレンを骨格にもつ(メタ)アクリレートオリゴマー(A15)、ポリブタジエンを骨格にもつ(メタ)アクリレートオリゴマー(A16)、ポリウレタンを骨格にもつ(メタ)アクリレートオリゴマー(A17)及びポリエステルを骨格にもつ(メタ)アクリレート(A18)及びその他のラジカル重合性化合物(A19)を用いることができる。
(メタ)アクリルアミド化合物(A12)としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。
芳香族ビニル化合物(A13)としては、ビニルチオフェン、ビニルフラン、ビニルピリジン、スチレン、メチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−tert−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン及び4−tert−ブトキシスチレン等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物(A14)としては、単官能又は多官能ビニルエーテル等が挙げられる。
単官能ビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル及びフェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
多官能ビニルエーテルとしては、ジビニルエーテル類(エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテル等)、トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、EO付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、PO付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、EO付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、PO付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、EO付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、PO付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、EO付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル及びPO付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等が挙げられる。
ポリイソプレンを骨格にもつ(メタ)アクリレートオリゴマー(A15)は、(メタ)アクリル変性ポリイソプレンとも呼ばれ、好ましくは1,000〜100,000、更に好ましくは10,000〜50,000の数平均分子量(以下、Mnと略記)を有する。ポリイソプレンは1,2付加物であっても1,4付加物であっても特に区別なく使用できる。市販品として、例えば、(株)クラレ製の「UC−1」(Mn25,000)がある。
ポリブタジエンを骨格にもつ(メタ)アクリレートオリゴマー(A16)は、(メタ)アクリル変性ポリブタジエンとも呼ばれ、好ましくは500〜100,000、更に好ましくは1,000〜30,000のMnを有する。1,2付加物であっても1,4付加物であっても特に区別なく使用できる。市販品として、例えば、新日本石油(株)製の「TE2000」(Mn2,000)、大阪有機化学工業(株)製の「BAC−45」(Mn10,000)がある。
ポリウレタンを骨格にもつ(メタ)アクリレートオリゴマー(A17)は、(メタ)アクリル変性ポリウレタンとも呼ばれ、好ましくは1,000〜100,000、更に好ましくは10,000〜50,000のMnを有する。
ポリウレタンを骨格にもつ(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、イソシアネート(I)に水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られる化合物等が挙げられ、例えば、2つのイソシアネート基を有する化合物1当量に対して水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体2当量を触媒としてスズ系化合物存在下で反応させることによって得ることができる。
ポリウレタンを骨格にもつ(メタ)アクリレートオリゴマーの原料となるイソシアネート(I)としては特に限定されず、イソホロンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDIと略記)、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと略記)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(以下、MDIと略記)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイオシアネート(以下、XDIと略記)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート及び1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記イソシアネートとしては、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール及びポリカプロラクトンジオール等のポリオールと過剰のイソシアネートとの反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も用いることができる。
ポリウレタンを骨格にもつ(メタ)アクリレートオリゴマーの原料となる水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては特に限定されず、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の市販品やエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール及びポリエチレングリコール等の2価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン及びグリセリン等の3価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレート並びにビスフェノールA変性エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
市販品としては、ライトケミカル(株)製の「UA−1」及び大阪有機化学工業(株)製の「UV−4108F」(Mn10,000)等がある。
ポリエステルを骨格にもつ(メタ)アクリレートオリゴマー(A18)は、(メタ)アクリル変性ポリエステルとも呼ばれ、好ましくは1,000〜100,000、更に好ましくは10,000〜50,000のMnを有する。2価のカルボン酸(a181)と2価のアルコール(a182)の縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの両末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
2価のカルボン酸(a181)としては、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバンチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクチルコハク酸及びこれらの無水物又は低級アルキルエステル等が挙げられる。
2価のアルコール(a182)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオール等)、アルキレンエーテルグリコール類(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコール等)、脂環式ジオール類(1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA等)、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等)及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド(EO、PO及びブチレンオキサイド等)2〜8モル付加物等が挙げられる。
市販品として、東亜合成(株)製の「アロニックスM6500」等が挙げられる。
本発明におけるMnの測定は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(以下、GPCと略記)を用いて以下の条件で測定することができる。
<GPC測定条件>
[1]装置 :GPC
「HLC−8120GPC」、東ソー(株)製
[2]カラム :「TSKgel GMHXL」2本+「TSKgel
Multipore HXL−M 」、東ソー(株)製
[3]溶離液 :テトラヒドロフラン
[4]基準物質:標準ポリスチレン
(TSKstandard POLYSTYRENE)、
東ソー(株)製
[5]注入条件:サンプル濃度0.25重量%、カラム温度40℃
その他のラジカル重合性化合物(A19)としては、アクリロニトリル、ビニルエステル化合物(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びバーサチック酸ビニル等)、アリルエステル化合物(酢酸アリル等)、ハロゲン含有単量体(塩化ビニリデン及び塩化ビニル等)及びオレフィン化合物(エチレン及びプロピレン等)等が挙げられる。
イオン重合性化合物(A2)としては、炭素数3〜20のエポキシ化合物(A21)及び炭素数4〜20のオキセタン化合物等(A22)が挙げられる。
炭素数3〜20のエポキシ化合物(A21)としては、単官能又は多官能エポキシ化合物等が挙げられる。
単官能エポキシ化合物としては、フェニルグリシジルエーテル、p−tert―ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド及び3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
多官能エポキシ化合物としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン及び1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。
これらの内、硬化速度の観点から、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、脂環式エポキシドが更に好ましい。
炭素数4〜20のオキセタン化合物(A22)としては、オキセタン環を1個〜6個有する化合物等が挙げられる。
オキセタン環を1個有する化合物としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、4−メトキシ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル]フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル及びボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
オキセタン環を2〜6個有する化合物としては、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル及びEO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
これらの内、硬化速度の観点から、オキセタン環を1〜2個有する化合物が好ましい。
本発明においてラジカル開始剤(B)とは、活性光線、酸及び塩基のうちの少なくとも1種によりラジカルを発生する化合物を意味し、活性光線によりラジカルを発生するラジカル開始剤(B1)並びに酸及び/又は塩基によりラジカルを発生するラジカル開始剤(B2)等の公知の化合物を用いることができる。
例えば、アシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(B121)、α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(B122)、ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(B123)、α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(B124)、ベンゾイン誘導体系重合開始剤(B125)、オキシムエステル誘導体系重合開始剤(B126)及びチタノセン誘導体系重合開始剤(B127)等は活性光線、酸及び塩基いずれによってもラジカルを発生させることが可能で(B1)、(B2)のいずれとしても適用できる。
また、有機過酸化物系重合開始剤(B21)、アゾ化合物系重合開始剤(B22)、その他のラジカル開始剤(B23)等は、酸及び/又は塩基によってラジカルを発生させることが可能である。
(B)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
尚、(B121)は、(B1)、(B2)のいずれとしても適用できる化合物(B12)の1番目の例であることを示す。
アシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(B121)としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド[BASFジャパン社製(LUCIRIN TPO)]及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド[BASFジャパン社製(IRGACURE 819)]等が挙げられる。
α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(B122)としては、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン[BASFジャパン社製(IRGACURE 907)]、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン[BASFジャパン社製(IRGACURE 369)]及び1,2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン[BASFジャパン社製(IRGACURE 379)]等が挙げられる。
ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(B123)としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[BASFジャパン社製(IRGACURE 651)]等が挙げられる。
α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(B124)としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン[BASFジャパン社製(IRGACURE 184)]、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン[BASFジャパン社製(DAROCUR 1173)]、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン[BASFジャパン社製(IRGACURE 2959)]及び2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン[BASFジャパン社製(IRGACURE 127)]等が挙げられる。
ベンゾイン誘導体系重合開始剤(B125)としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。
オキシムエステル誘導体系重合開始剤(B126)としては、1,2−オクタンジオン−1−(4−[フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)][BASFジャパン社製(IRGACURE OXE 01)]及びエタノン−1−(9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)[BASFジャパン社製(IRGACURE OXE 02)]等が挙げられる。
チタノセン誘導体系重合開始剤(B127)としては、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム[BASFジャパン社製(IRGACURE 784)]等が挙げられる。
有機過酸化物系重合開始剤(B21)としては、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、tert−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル4,4−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−(2−tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ヘキシルパーオキサイド、2,5,−ジメチル−2,5,−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3,−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド及びt−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド等が挙げられる。
アゾ化合物系重合開始剤(B22)としては、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)及び2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。
その他の重合開始剤(B23)としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等が挙げられる。
酸及び/又は塩基によりラジカルを発生するラジカル開始剤(B2)としては、有機過酸化物系重合開始剤(B21)及び/又はアゾ化合物系重合開始剤(B22)が好ましい。
これらのラジカル開始剤(B)の中では、活性光線硬化型組成物の貯蔵安定性の観点から、熱によってもラジカルが発生する有機過酸化物系重合開始剤やアゾ化合物系重合開始剤以外のもの、即ち活性光線によりラジカルを発生するラジカル開始剤が好ましい。
本発明の活性光線硬化型組成物中のラジカル開始剤(B)の含有量は、重合性物質(A)に対して、光硬化性と耐候性の観点から、好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは0.2〜10重量%である。
本発明において酸発生剤(C)とは、活性光線、ラジカル、酸及び塩基のうちの少なくとも1種により酸を発生する化合物を意味し、活性光線により酸を発生する酸発生剤(C1)並びにラジカル、酸及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により酸を発生する酸発生剤(C2)等の公知の化合物が挙げられる。
例えば、スルホニウム塩誘導体(C121)及びヨードニウム塩誘導体(C122)等は活性光線又はラジカルによって酸を発生させることが可能で、(C1)又は(C2)として適用できる。
また、スルホン酸エステル誘導体(C21)、酢酸エステル誘導体(C22)及びホスホン酸エステル(C23)等は酸及び/又は塩基によって酸を発生させることが可能で、(C2)として適用できる。
(C)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
尚、(C121)は、(C1)、(C2)のいずれとしても適用できる化合物(C12)の1番目の例であることを示す。
これら(C)の中では、活性光線により酸を発生する酸発生剤(C1)〔(C12)を含む〕が好ましい。
本発明におけるスルホニウム塩誘導体(C121)としては、下記一般式(1)又は下記一般式(2)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2016031500
一般式(1)又は(2)において、A1は下記一般式(3)〜(10)のいずれかで表される2価又は3価の基であり、Ar1〜Ar7はそれぞれ独立にベンゼン環骨格を少なくとも1個有し、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基及びフェニルチオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は置換基で置換されていてもよい芳香族炭化水素基又は複素環基であってAr1〜Ar4、Ar6及びAr7は1価の基、Ar5は2価の基であり、(X1-及び(X2-は陰イオンを表し、aは0〜2の整数、bは1〜3の整数で、かつa+bは2又は3でA1の価数と同じ整数である。
Figure 2016031500
一般式(5)〜(8)におけるR1〜R7は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、又は、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基及びフェニルチオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、R1とR2、R4とR5及びR6とR7は互いに結合して環構造を形成していてもよい。
一般式(2)におけるA1として、酸発生効率の観点から好ましいのは、一般式(5)及び一般式(7)〜(10)で表される基であり、一般式(5)及び(8)〜(10)で表される基が更に好ましい。
一般式(1)及び一般式(2)におけるAr1〜Ar7は、一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物が紫外〜可視光領域に吸収をもつようになる基である。
Ar1〜Ar7におけるベンゼン環骨格の数は、好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜4である。
ベンゼン環骨格を1個有する場合の例としては、ベンゼン、又はベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、キノリン及びクマリン等の複素環化合物から水素原子を1個又は2個除いた残基が挙げられる。
ベンゼン環骨格を2個有する場合の例としては、ナフタレン、ビフェニル、フルオレン、又はジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、キサントン、キサンテン、チオキサントン、アクリジン、フェノチアジン及びチアントレン等の複素環化合物から水素原子を1個又は2個除いた残基が挙げられる。
ベンゼン環骨格を3個有する場合の例としては、アントラセン、フェナントレン、ターフェニル、p−(チオキサンチルメルカプト)ベンゼン及びナフトベンゾチオフェン等の複素環化合物から水素原子を1個又は2個除いた残基が挙げられる。
ベンゼン環骨格を4個有する場合の例としては、ナフタセン、ピレン、ベンゾアントラセン及びトリフェニレン等から水素原子を1個又は2個除いた残基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられ、フッ素及び塩素が好ましい。
炭素数1〜20のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基、バレリル基及びシクロヘキシルカルボニル基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−又はiso−プロピル基、n−、sec−又はtert−ブチル基、n−、iso−又はneo−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基及びオクチル基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−又はiso−プロポキシ基、n−、sec−又はtert−ブトキシ基、n−、iso−、又はneo−ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基及びオクチルオキシ基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n−又はiso−プロピルチオ基、n−、sec−又はtert−ブチルチオ基、n−、iso−又はneo−ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基及びオクチルチオ基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基及びトリイソプロピルシリル基等のトリアルキルシリル基等が挙げられる。ここでアルキルは直鎖構造でも分岐構造でも構わない。
Ar1〜Ar7の置換する原子又は置換基として、酸発生効率の観点から好ましいのは、ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、フェニルチオ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基及び炭素数1〜20のアシル基であり、更に好ましいのは、シアノ基、フェニル基、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜15のアルコキシ基、炭素数1〜15のアルキルチオ基及び炭素数1〜15のアシル基、特に好ましいのは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基及び炭素数1〜10のアシル基である。尚、上記のアルキル部分は直鎖でも分岐でも環状でもよい。
Ar1〜Ar4、Ar6及びAr7として、酸発生効率の観点から好ましいのは、フェニル基、p−メチルフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、p−(チオキサンチルメルカプト)フェニル基及びm−クロロフェニル基である。
Ar5として、酸発生効率の観点から好ましいのは、フェニレン基、2−又は3−メチルフェニレン基、2−又は3−メトキシフェニレン基、2−又は3−ブチルフェニレン基及び2−又は3−クロロフェニレン基である。
一般式(1)又は(2)において(X1-又は(X2-で表される陰イオンとしては、ハロゲン化物アニオン、水酸化物アニオン、チオシアナートアニオン、炭素数1〜4のジアルキルジチオカルバメートアニオン、炭酸アニオン、炭酸水素アニオン、ハロゲンで置換されていてもよい脂肪族又は芳香族カルボキシアニオン(安息香酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、パーフルオロアルキル酢酸アニオン及びフェニルグリオキシル酸アニオン等)、ハロゲンで置換されていてもよい脂肪族又は芳香族スルホキシアニオン(トリフルオロメタンスルホン酸アニオン等)、6フッ化アンチモネートアニオン(SbF6 -)、リンアニオン[6フッ化リンアニオン(PF6 -)及び3フッ化トリス(パーフルオロエチル)リンアニオン(PF3(C253 -)等]及びボレートアニオン(テトラフェニルボレート、テトラキス(パーフルオロフェニル)ボレート及びブチルトリフェニルボレートアニオン等)等が挙げられ、酸発生効率の観点から、フッ素原子を含有するホスフェートアニオン又はボレートアニオンが好ましい。更に好ましくはヘキサフルオロホスフェートアニオン、トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]ホスフェートアニオン及びテトラキス(パーフルオロフェニル)ボレートアニオンであり、特に好ましくはトリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]ホスフェートアニオン及びテトラキス(パーフルオロフェニル)ボレートアニオンである。
スルホニウム塩誘導体(C121)として、酸発生効率の観点から好ましいのは、トリフェニルスルホニウムカチオン、トリ−p−トリルスルホニウムカチオン又は[p−(フェニルメルカプト)フェニル]ジフェニルスルホニウムカチオンをカチオン骨格として有する化合物及び下記一般式(11)〜(14)で示される化合物であり、更に好ましいのは下記一般式(11)〜(14)で示される化合物である。
Figure 2016031500
一般式(11)〜(14)における(X3-〜(X6-は陰イオンを表し、具体的には一般式(1)又は(2)における(X1-又は(X2-として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
本発明におけるヨードニウム塩誘導体(C122)としては、下記一般式(15)又は下記一般式(16)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2016031500
式中、A2は前記一般式(3)〜(10)のいずれかで表される2価又は3価の基であり、Ar8〜Ar12はそれぞれ独立にベンゼン環骨格を少なくとも1個有し、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基及びフェニルチオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基で置換されていてもよい芳香族炭化水素基又は複素環基であって、Ar8〜Ar10及びAr12は1価の基、Ar11は2価の基であり、(X7-及び(X8-は陰イオンを表し、cは0〜2の整数、dは1〜3の整数で、かつc+dは2又は3でA2の価数と同じ整数である。
ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基及び炭素数1〜20のアルキルシリル基としては、一般式(1)及び一般式(2)の説明で記載したものと同様のものが例示される。
一般式(16)におけるA2として、酸を発生する効率の観点から好ましいのは、前記一般式(5)及び一般式(7)〜(10)で表される基であり、一般式(5)及び(8)〜(10)で表される基が更に好ましい。
一般式(15)又は一般式(16)におけるAr8〜Ar12は、一般式(15)又は一般式(16)で表される化合物が紫外〜可視光領域に吸収をもつようになる基である。
Ar8〜Ar12におけるベンゼン環骨格の数は、好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜4であり、Ar8〜Ar12の具体例としては、一般式(1)又は一般式(2)のAr1〜Ar7として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
(X7-及び(X8-としては、一般式(1)又は(2)における(X1-又は(X2-として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
ヨードニウム塩誘導体(C122)として、酸発生効率の観点から好ましいのは、(4−メチルフェニル){4−(2−メチルプロピル)フェニル}ヨードニウムカチオン、[ビス(4−t−ブチルフェニル)]ヨードニウムカチオン、[ビス(4−t−ブチルフェニル)]トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]ヨードニウムカチオン及び[ビス(4−メトキシフェニル)]ヨードニウムカチオンをカチオン骨格として有する化合物並びにこれら以外の下記一般式(17)〜(20)で示される化合物であり、更に好ましいのは下記一般式(17)〜(20)で示される化合物(例示した化合物を含む)である。
Figure 2016031500
一般式(17)〜(20)において、R8〜R13は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基からなる群から選ばれる原子又は置換基であり、(X9-〜(X12-は陰イオンを表す。
ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基及び炭素数1〜20のアルキルシリル基としては、一般式(1)及び一般式(2)の説明で記載したものと同様のものが例示される。
8〜R13として好ましいのは、ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、炭素数1〜20のアルキル基及び炭素数1〜20のアルコキシ基であり、更に好ましいのは、シアノ基、フェニル基、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜15のアルコキシ基及び炭素数1〜15のアシル基、特に好ましいのは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基及び炭素数1〜10のアシル基である。尚、上記のアルキル部分は直鎖でも分岐でも環状でもよい。
一般式(17)〜(20)における(X9-〜(X12-としては一般式(1)又は(2)における(X1-又は(X2-として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
一般に可視光領域(360〜830nm;JIS−Z8120参照)での硬化に使用可能な光重合開始剤は、可視光を吸収するため開始剤自体が着色しており、硬化物の色相に悪影響を与るが、一般式(2)又は一般式(16)で示される化合物を使用することにより硬化物の色相への悪影響を抑止することができる。
スルホン酸エステル誘導体(C21)としては、メタンスルホン酸シクロヘキシルエステル、エタンスルホン酸イソプロピルエステル、ベンゼンスルホン酸−tert−ブチルエステル、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシルエステル及びナフタレンスルホン酸シクロヘキシルエステル等が挙げられる。
酢酸エステル誘導体(C22)としては、ジクロロ酢酸シクロヘキシルエステル及びトリクロロ酢酸イソプロピルエステル等が挙げられる。
ホスホン酸エステル(C23)としては、トリフェニルホスホン酸シクロヘキシルエステル等が挙げられる。
本発明において塩基発生剤(D)とは、活性光線、ラジカル、酸及び塩基のうちの少なくとも1種により塩基を発生する化合物を意味し、活性光線により塩基を発生する塩基発生剤(D1)並びにラジカル、酸及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により塩基を発生する塩基発生剤(D2)等の公知の化合物を用いることができる。
例えば、オキシム誘導体(D121)、4級アンモニウム塩誘導体(D122)及び4級アミジン塩誘導体(D123)等は活性光線又はラジカルによって塩基を発生させることが可能で、(D1)又は(D2)として適用できる。
また、カルバメート誘導体(D21)は塩基によって塩基を発生させることが可能で、(D2)として適用できる。
(D)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
尚、(D121)は、(D1)、(D2)のいずれとしても適用できる化合物(D12)の1番目の例であることを示す。
これら(D)の中では、活性光線により塩基を発生する塩基発生剤(D1)〔(D12)を含む〕が好ましい。
オキシム誘導体(D121)としては、O−アシロキシム等が挙げられる。
4級アンモニウム塩誘導体(D122)及び4級アミジン塩誘導体(D123)としては、下記一般式(21)〜(23)のいずれかで示される化合物等が挙げられる。
Figure 2016031500
一般式(21)〜(23)におけるR14〜R41は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、一般式(24)で表される置換基及び一般式(25)で表される置換基からなる群から選ばれる原子又は置換基であって、R14〜R23のいずれか1つは一般式(24)又は一般式(25)で表される置換基であり、R24〜R31のいずれか1つは一般式(24)又は一般式(25)で表される置換基であり、R32〜R41のいずれか1つは一般式(24)又は一般式(25)で表される置換基である。
Figure 2016031500
一般式(24)及び(25)におけるR42〜R45は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、R46〜R48は水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基であり、(X13-及び(X14-は、陰イオンを表し、eは2〜4の整数である。
一般式(21)〜(23)におけるハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基及び炭素数1〜20のアルキルシリル基としては、一般式(1)及び一般式(2)の説明で記載したものと同様のものが例示される。
一般式(21)で示される化合物はアントラセン骨格、一般式(22)で示される化合物はチオキサントン骨格、一般式(23)で示される化合物はベンゾフェノン骨格を有する化合物であり、それぞれi線(365nm)付近に最大吸収波長を有する化合物の一例である。R14〜R23は吸収波長の調整、感度の調整、熱安定性、反応性及び分解性等を考慮して変性させるものであり、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20のアシル基、アミノ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、ナフチル基からなる群から選ばれる原子又は置換基で目的に応じて変性される。但し、R14〜R23のいずれか1つは一般式(24)又は一般式(25)で表される置換基である。
14〜R23として好ましいのは、ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、炭素数1〜20のアルキル基及び炭素数1〜20のアルコキシ基であり、更に好ましいのは、シアノ基、フェニル基、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜15のアルコキシ基及び炭素数1〜15のアシル基、特に好ましいのは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基及び炭素数1〜10のアシル基である。尚、上記のアルキル部分は直鎖でも分岐でも環状でもよい。
上記のR14〜R23の具体例としては、一般式(17)〜(19)のR8〜R13の説明で記載した化合物が例示される。
一般式(24)で示される置換基はカチオン化したアミジン骨格を有する置換基であり、eは2〜4の整数である。この置換基としては、eが4である1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンがカチオン化した構造を有する置換基及びeが2である1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネンがカチオン化した構造を有する置換基が好ましい。R42とR43は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、好ましいのは水素原子及び炭素数1〜10のアルキル基、更に好ましいのは水素原子及び炭素数1〜5のアルキル基である。
一般式(25)は4級アンモニウム構造を有しており、R44とR45は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、好ましくは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、更に好ましくは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。また、R46〜R48は水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基を表し、直鎖でも分岐でも環状でもよい。R46〜R48は好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、特に好ましくは炭素数1〜5のアルキル基である。
一般式(24)及び(25)における(X13-及び(X14-は陰イオンを表し、具体的には一般式(1)又は(2)における(X1-又は(X2-として例示したものと同様のものが挙げられる。これらの内、光分解性の観点から、脂肪族又は芳香族カルボキシイオン及びボレートアニオンが好ましい。
一般式(24)で示される化合物は活性光線の照射により、R42とR43が結合した炭素と窒素の間の結合が解裂してアミジン骨格を有する塩基性化合物を生成し、一般式(25)で示される化合物は活性光線の照射により、R44とR45が結合した炭素と窒素の間の結合が解裂して3級アミンが生成する。
カルバメート誘導体(D21)としては、1−Fmoc−4−ピペリドン、o−ニトロベンゾイルカルバメート及び1−Z−4−ピペリドン等が挙げられる。
酸発生剤(C)及び塩基発生剤(D)のいずれかを含むことで、高感度され、マクロ的な反応率分布が抑制できるため欠点が生じにくく、均質性に優れた硬化物が得られる。この結果、伸び性及び密着性も向上すると推定される。酸発生剤(C)及び塩基発生剤(D)のいずれを用いても前記の効果が得られるが、光硬化性の観点からは、酸発生剤(C)を用いるのが好ましい。
本発明の画像表示装置の製造方法においては、ラジカル開始剤(B)、酸発生剤(C)及び塩基発生剤(D)の内の少なくとも1つが活性光線の照射により活性種(H)を発生し、前記活性種(H)がラジカル開始剤(B)、酸発生剤(C)及び/又は塩基発生剤(D)と反応して新たな活性種(I)を生成して、前記新たな活性種(I)による重合性化合物(A)の重合反応が進行するのが好ましい。ここで、活性種(H)及び(I)としては、ラジカル、酸及び塩基等が挙げられるが、上記反応において、活性種(H)又は(I)のいずれかは酸又は塩基であることが好ましい。活性種(H)が拡散することにより硬化がより促進される。また、得られる硬化物の光学基材への密着性が向上する。活性種(H)が容易に拡散するためには、重合性化合物(A)として、活性種(H)と反応しないものを使用することが好ましい。
本発明においては、(B1)、(B2)、(C1)、(C2)、(D1)、又は(D2)を、以下の(1)〜(4)のいずれかの組合せで含有することが好ましい。
(1)(B1)並びに(C2)及び/又は(D2)を含有する。
(2)(C1)、(B2)及び必要により(D2)を含有する。
(3)(D1)、(B2)及び必要により(C2)を含有する。
(4)上記(1)〜(3)の2種類以上の組合せ。
上記(1)においては、活性光線の照射により活性種(H)としてラジカルが発生し、活性種(I)として酸及び/又は塩基が発生する。
上記(2)においては、活性光線の照射により活性種(H)として酸が発生し、活性種(I)としてラジカル及び必要により塩基が発生する。
上記(3)においては、活性光線の照射により活性種(H)として塩基が発生し、活性種(I)としてラジカル及び必要により酸が発生する。
これらの組合せの中で更に好ましいものは、(1)の内(B1)及び(C2)を含有するもの、(2)の内(C1)及び(B2)の内前記(B1)、(B2)のいずれとしても適用できる前記化合物(B12)を含有するもの、並びに(3)の内(D1)及び(B2)の内前記(B1)、(B2)のいずれとしても適用できる前記化合物(B12)を含有するものであり、特に好ましいものは、(B1)及び(C2)を含有するもの、並びに(C1)及び(B12)を含有するものである。
本発明の画像表示装置の製造方法に用いる活性光線硬化型樹脂組成物中の酸発生剤(C)及び/又は塩基発生剤(D)の含有量〔(C)と(D)の合計〕は、重合性物質(A)の重量に対して、好ましくは0.005〜10重量%、更に好ましくは0.01〜5重量%である。酸発生剤(C)及び/又は塩基発生剤(D)の含有量を前記範囲に調整することにより、遮光部の硬化性と伸び性を両立し、更に密着耐久性が良好な画像表示装置を得ることができる。
本発明の画像表示装置の製造方法に用いる活性光線硬化型樹脂組成物は、密着性及び柔軟性の観点から、更に非重合性ポリマー(F)を含有することが好ましい。
非重合性ポリマー(F)としては、単官能ラジカル重合性物質(f1)を構成単位として有するビニルポリマー(F1)、2価のアルコール(f21)と2価のカルボン酸(f22)を構成単位として有するポリエステル樹脂(F2)、2価のアルコール(f21)と2価のイソシアネート(f31)を構成単位として有するポリウレタン樹脂(F3)、ポリイソプレン又はポリブタジエン骨格を有するポリマー(F4)等の公知の化合物を用いることができる。上記各構成単位は、1種であっても2種以上であってもよい。
(F)は単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
単官能ラジカル重合性物質(f1)としては、(メタ)アクリル酸、上述の単官能(メタ)アクリレート(A111)、上述の(メタ)アクリルアミド化合物(A12)、上述の芳香族ビニル化合物(A13)、上述の炭素数3〜20のビニルエーテル化合物(A14)及び上述のその他のラジカル重合性物質(A19)の内の単官能の化合物等が挙げられる。
ポリエステル樹脂(F2)の構成単位である2価のカルボン酸(f22)としては、上述の2価のカルボン酸(a181)と同様のものが挙げられる。
ポリエステル樹脂(F2)及びポリウレタン樹脂(F3)の構成単位である2価のアルコール(f21)としては、上述の2価のアルコール(a182)と同様のものが挙げられる。
ポリウレタン樹脂(F3)の構成単位である2価のイソシアネート(f31)としては、上述のイソシアネート(I)の内、2価のものと同様のものが挙げられる。
ポリイソプレン又はポリブタジエン骨格を有するポリマー(F4)としては、例えば、イソプレンホモポリマー、1,2−ポリブタジエンホモポリマー及びこれらを水素化したもの等が挙げられる。
非重合性ポリマー(F)として好ましいのは、組成物との相溶性の観点から、単官能ラジカル重合性物質(f1)を構成単位として有するビニルポリマー(F1)であり、更に好ましくは、炭素数6〜35の単官能分岐(メタ)アクリレートを構成単位として有するビニルポリマーであり、特に好ましくは、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートを構成単位として50モル%以上有するビニルポリマーである。
非重合性ポリマー(F)の重量平均分子量(以下、Mwと略記)は、通常1,000以上、好ましくは10,000〜1,000,000、更に好ましくは100,000〜900,000である。Mwが10,000未満では光学基材に対する密着性が悪くなる。
本発明におけるMwの測定は、GPCを用いて以下の条件で測定することができる。
<GPC測定条件>
[1]装置 : GPC
「HLC−8120GPC」、東ソー(株)製
[2]カラム :「TSKgel GMHXL」2本+「TSKgel
Multipore HXL−M 」、東ソー(株)製
[3]溶離液 :テトラヒドロフラン
[4]基準物質:標準ポリスチレン
(TSKstandard POLYSTYRENE)、
東ソー(株)製
[5]注入条件:サンプル濃度0.25重量%、カラム温度40℃
これらの非重合性ポリマー(F)を含有することで更に柔軟性及び密着性をあげることができ、接着面が剥がれにくくなる。また、(F)の含有量は、重合性物質(A)に対して5〜500重量%含有することが好ましく、更に好ましくは30〜400重量%、特に好ましくは50〜300重量%である。
本発明における活性光線硬化型樹脂組成物は、使用目的に合わせて、更にその他の成分[重合禁止剤(ハイドロキノン及びメチルエーテルハイドロキノン類等)、密着性付与剤(シランカップリング剤等)、粘着性付与剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤、スリップ剤、難燃剤、帯電防止剤、酸化防止剤及び紫外線吸収剤等]を含有することができる。
本発明における活性光線硬化型樹脂組成物は、重合性物質(A)、光ラジカル開始剤(B)、光酸発生剤(C)及び/又は光塩基発生剤(D)と必要により非重合性ポリマー(F)及びその他の成分等とを自転公転式攪拌装置、ボールミル又は3本ロールミル等で混練することで得られる。混練温度は好ましくは10℃〜40℃、更に好ましくは20℃〜30℃である。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に規定しない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
<酸発生剤(C)の製造>
製造例1[酸発生剤(C121−1){化学式(26)で表される化合物}の合成]
Figure 2016031500
(1)2−(フェニルチオ)チオキサントン[中間体(C121−1−1)]の合成:
2−クロロチオキサントン11.0部、チオフェノール4.9部、水酸化カリウム2.5部及びN,N−ジメチルホルムアミド162部を均一混合し、130℃で9時間反応させた後、反応溶液を室温(約25℃)まで冷却し、蒸留水200部中に投入し、生成物を析出させた。これをろ過し、残渣を水で濾液のpHが中性になるまで洗浄した後、残渣を減圧乾燥させ、黄色粉末状の生成物を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:トルエン/ヘキサン=1/1:容量比)で精製し、中間体(C121−1−1)(黄色固体)3.1部を得た。
(2)2−[(フェニル)スルフィニル]チオキサントン[中間体(C121−1−2)]の合成:
中間体(B121−1−1)11.2部、アセトニトリル215部及び硫酸0.02部を40℃で撹拌しながら、これに30%過酸化水素水溶液4.0部を徐々に滴下し、40〜45℃で14時間反応させた後、反応溶液を室温(約25℃)まで冷却し、蒸留水200部中に投入し、生成物を析出させた。これをろ過し、残渣を水で濾液のpHが中性になるまで洗浄した後、残渣を減圧乾燥させ、黄色粉末状の生成物を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/トルエン=1/3:容量比)にて生成物を精製して、中間体(C121−1−2)(黄色固体)13.2部を得た。
(3)スルホニウム塩誘導体(C121−1)の合成:
中間体(C121−1−2)4.3部、無水酢酸4.1部及びアセトニトリル110部を40℃で撹拌しながら、これにトリフルオロメタンスルホン酸2.4部を徐々に滴下し、40〜45℃で1時間反応させた後、反応溶液を室温(約25℃)まで冷却し、蒸留水150部中に投入し、クロロホルムで抽出し、水相のpHが中性になるまで水で洗浄した。クロロホルム相をロータリーエバポレーターに移して溶媒を留去した後、トルエン50部を加えて超音波洗浄器でトルエン中に分散し約15分間静置してから上澄みを除く操作を3回繰り返して、生成した固体を洗浄した後、残渣を減圧乾燥した。この残渣をジクロロメタン212部に溶かし、10%カリウム{トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]ホスフェート}水溶液65部中に投入してから、室温(約25℃)で2時間撹拌し、ジクロロメタン層を分液操作にて水で3回洗浄した後、有機溶媒を減圧留去することにより、スルホニウム塩誘導体である酸発生剤(C121−1)(黄色固体)5.5部を得た。
製造例2[酸発生剤(C122−1){化学式(27)で表される化合物}の合成]
Figure 2016031500
トルエン6.5部、イソプロピルベンゼン8.1部、ヨウ化カリウム5.35部及び無水酢酸20部を酢酸70部に溶解させ、10℃まで冷却し、温度を10±2℃に保ちながら、濃硫酸12部と酢酸15部の混合溶液を1時間かけて滴下した。25℃まで昇温し、24時間攪拌した。その後、反応溶液にジエチルエーテル50部を加え、水で3回洗浄し、ジエチルエーテルを減圧留去した。残渣にカリウム{トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]ホスフェート}118部を水100部に溶解させた水溶液を加え、25℃で20時間攪拌した。その後、反応溶液に酢酸エチル500部を加え、水で3回洗浄し、有機溶剤を減圧留去することで目的とするヨードニウム塩誘導体である酸発生剤(C122−1)(淡黄色液体)14.0部を得た。
<塩基発生剤(D)の製造>
製造例3[塩基発生剤(D122−1){化学式(28)で表される化合物}の合成]
Figure 2016031500
9−クロロメチルアントラセン2.0部をクロロホルムに溶解させ、そこへ、トリオクチルアミン3.1部を少量ずつ加え(添加後若干の発熱が見られた。)、このまま室温(約25℃)で1時間攪拌して反応液を得た。ナトリウムテトラフェニルボレート塩4.0部及び水40部からなる水溶液に、反応液を少しずつ滴下し、更に1時間室温(約25℃)で攪拌した後、水層を分液操作により除き、有機層を水で3回洗浄した。有機溶剤を減圧留去することで、白色固体7.1部を得た。この白色固体をアセトニトリルで再結晶させて、塩基発生剤(C122−1)(白色固体)6.2部を得た。
<非重合性ポリマー(F)の製造>
製造例4[ビニルポリマー(F1−1)の製造]
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、溶剤としての酢酸エチル130部を仕込み80℃まで昇温した。溶剤還流下、アクリル酸50部、2−エチルヘキシルアクリレート400部、酢酸ビニル50部及び酢酸エチル200部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.245部を酢酸エチル50部に溶解した開始剤溶液とを反応容器内に窒素を吹き込みながら、滴下ロートで4時間かけて連続的に滴下した。続いて、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.490部を酢酸エチル30部に溶解した開始剤溶液を滴下ロートを用いて2時間かけて連続的に追加し、溶剤還流下で4時間反応させた。反応終了後、温度120℃、圧力5kPaの条件下で2時間かけて酢酸エチルを留去して、Mn=300,000のアクリル酸/2−エチルヘキシルアクリレート/酢酸ビニル=10/80/10の共重合物である非重合性ポリマー(F1−1)を得た。
製造例5[ポリエステル樹脂(F2−1)の製造]
攪拌機、温度計、還流冷却管、空気・窒素混合気体の導入管、分水器を備えた反応容器に、アジピン酸290部、ネオペンチルグリコール260部、トルエン70部及びp−トルエンスルホン酸5部を仕込み、空気・窒素混合気体の気流下で攪拌しながら120℃まで昇温して、生成する水を分水器により連続的に系外へ除去しながら、反応液の酸価が5以下となるまで反応した。反応終了後、120℃、圧力5kPaの条件下で4時間かけてトルエンを留去することにより、Mw=12,000のポリエステル樹脂である非重合性ポリマー(F2−1)を得た。
<活性光線硬化型樹脂組成物(Q)の製造>
製造例6〜15及び比較製造例1〜2
表1に示す部数の重合性物質(A)、ラジカル開始剤(B)、光酸発生剤(C)及び/又は光塩基発生剤(D)並びに、必要により非重合性ポリマー(F)を配合し、自転公転式攪拌装置を用いて25℃で15分混合して、活性光線硬化型樹脂組成物(Q−1)〜(Q−12)及び(Q’−1)〜(Q’−2)を製造した。
Figure 2016031500
尚、、表1中の記号が示す内容は以下の通りである。
(A1−1)IOAA:イソオクチルアクリレート[大阪有機化学工業(株)製、平均官能基数=1]
(A1−2)ライトアクリレートL−A:ラウリルアクリレート[共栄社化学(株)製、平均官能基数=1]
(A1−3)ライトエステルL:ラウリルメタクリレート[共栄社化学(株)製、平均官能基数=1]
(A1−4)4−HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート[大阪有機化学工業(株)製、平均官能基数=1]
(A1−5)ライトアクリレートTHF−A:テトラヒドロフルフリルアクリレート[共栄社化学(株)製、平均官能基数=1]
(A1−6)ライトアクリレート1,6HX−A:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート[共栄社化学(株)製、平均官能基数=2]
(A1−7)ライトアクリレート1,9ND−A:1,9−ノナンジオールジアクリレート[共栄社化学(株)製、平均官能基数=2]
(A1−8)UV−4108F:ポリウレタンアクリレートオリゴマー[大阪有機化学工業(株)製、Mn=10,000]
(A1−9)UC−1:ポリイソプレンメタクリレートオリゴマー[(株)クラレ製、Mn=25,000]
(B121−1)イルガキュア819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド[BASFジャパン(株)製]
(B121−2)LUCIRIN TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド[BASFジャパン(株)製]
(B124−1)イルガキュア184:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン[BASFジャパン(株)製]
<画像表示装置(P)の製造>
実施例1〜10及び比較例1〜4
[工程(1)]
熱硬化性の黒色インク[MRXインキ、帝国インキ製造(株)製]を、ガラス板[ゴリラガラス、コーニング社製(50mm×100mm×厚さ0.7mm)]の周縁部全域にスクリーン印刷により塗布、乾燥させることにより、5mm幅の遮光部を有するガラス板を用意した。この遮光部を有するガラス板の表面全体に、樹脂用ディスペンサーを用いて厚みが平均150μmとなるように活性光線硬化型樹脂組成物(Q)を塗布した。
[工程(2)]
工程(1)で塗布した活性光線硬化型樹脂組成物にベルトコンベア式UV照射装置[アイグラフィックス(株)製「ECS−151U」、以下同様]を用いて、積算光量が365nmとして400mJ/cm2となるように、照度100mW/cm2の紫外線を大気中で4秒照射し、樹脂組成物を仮硬化させ、仮硬化樹脂層を得た。
[工程(3)]
工程(2)で得た仮硬化樹脂層と液晶モジュール[50mm×80mm×厚み0.9mm]の偏光板が積層された面が対向するように重ね、ガラス板と液晶ジュールを貼り合わせた光学部材を得た。
[工程(4)]
工程(3)で得た光学部材に、ベルトコンベア式UV照射装置を用いてガラス板側から照度100mW/cm2の紫外線を30秒照射し、仮硬化樹脂層を本硬化させガラス板と液晶モジュールが密着した画像表示装置を得た。
比較例3〜4
工程(2)を行わない以外は実施例1と同様にして、画像表示装置(P’−3)〜(P’−4)を得た。
<貯蔵弾性率及びtanδ>
(1)仮硬化樹脂評価用の試験片の作製
工程(1)において、フッ素系離型剤[ダイキン工業(株)製、ダイフリーGA−7500、以下同様]を塗布した厚さ1mmのスライドガラス[松浪硝子工業(株)製 S1111、以下同様)]の上に、活性光線硬化型樹脂組成物(Q)を隙間ゲージ[(株)永井ゲージ製作所製 1.00mm]を用いて幅5.0mm、長さ30mm、膜厚1.0mmとなるように塗布する以外は、実施例及び比較例の工程(1)及び工程(2)と同様の工程を行い、仮硬化樹脂層を得た。その後、スライドガラスを剥離することにより、仮硬化樹脂評価用の試験片を得た。
(2)本硬化樹脂評価用の試験片の作製
上記(1)で得られた仮硬化樹脂層に対して、実施例の工程(3)及び工程(4)と同様の工程を行い本硬化樹脂層を得た。その後、スライドガラスを剥離することにより本硬化樹脂評価用の試験片を得た。
(3)貯蔵弾性率及びtanδの測定
上記(1)又は(2)で得た試験片を使用して、JIS−K7244−4に準拠し、動的粘弾性測定装置[「Rheogel−E4000」、ユービーエム(株)製]を用いて、10Hz、引張モードにて25℃での貯蔵弾性率(E’)及び損失弾性率(E”)を測定した。得られた貯蔵弾性率(E’)と損失弾性率(E”)より、25℃でのtanδを算出した。
<柔軟性>
活性光線硬化型樹脂組成物(Q)を膜厚が1cmとなるように円柱状の型に流しこみ、積算光量が6000mJ/cm2であった以外は実施例及び比較例の工程(2)と同様の工程を行い、柔軟性評価用の試験片を得た。この試験片を使用して、JIS−K7215に準拠し、デュロメータ硬度計(タイプE)[アスカーゴム硬度計、高分子計器(株)社製]を用いてデュロメータE硬さを測定した。
◎:10未満(非常に柔軟性に優れる。)
○:10以上16未満(柔軟性に優れる。)
×:16以上(柔軟性が劣る。)
<伸び性>
樹脂組成物を幅5.0mm、長さ40mm、膜厚1.0mmとなるように塗布する以外は、本硬化樹脂用評価用の試験片の作製方法と同様にして、試験片を得た。この試験片の長辺の両端10mmの部分それぞれにビニールテープを巻いて補強し、引張試験機を用いて引張速度10mm/sで引張り試験を行い、以下の式(2)により伸び率を算出した。
伸び率(%)=L/L0×100 (2)
尚、式(2)中、Lは破断するまでの変位長さであり、L0は試験前のシートの長さ(L0=20mm)である。
<硬化収縮率>
(1)活性光線硬化型樹脂組成物の比重の測定
JIS Z−8804に準拠し、25mL比重瓶を用いて活性光線硬化型樹脂組成物(Q)の活性光線硬化型樹脂組成物の比重を測定した。
(2)硬化物比重の測定
スライドガラスに代えて厚さ25μmのポリプロピレンフィルム[ウィンテックWFX4TA、日本ポリプロ(株)製]を使用する以外は、上述の本硬化樹脂評価用の試験片の作製方法と同様にして、硬化物比重測定用の試験片を得た。この試験片を用い、JIS−K7112に準拠し水中置換法により硬化物比重を測定した。
(3)硬化収縮率の算出
硬化収縮率を以下の式(3)から算出した。
硬化収縮率(%)={1−(a/b)}×100 (3)
尚、式(3)中、aは液比重であり、bは硬化物の比重である。
<初期密着性>
厚さ1mmのスライドガラス上に、活性光線硬化型樹脂組成物(Q)を約0.1mL滴下し、隙間ゲージを用いて、もう一枚用意したスライドガラスとの間に膜厚150μmとなるように円形に成形する以外は上述の本硬化樹脂評価用の試験片の作製方法と同様にして、初期密着性評価用の試験片を得た。。この試験片を使用して、JIS K−6849に準拠し、引張試験機[オートグラフAG−IS、(株)嶋津製作所製、以下同様]により密着強度を測定した。
<密着耐久性>
(1)耐熱試験後の密着強度
耐熱試験(85℃で1000hr)後の初期密着性評価用の試験片を使用して、JIS K−6849に準拠し、引張試験機により密着強度を測定した。
(2)耐湿試験後の密着強度
耐湿試験(60℃、95%RHで1000hr)後の初期密着性評価用の試験片を使用して、JIS K−6849に準拠し、引張試験機により密着強度を測定した。
<気泡の有無>
得られた画像表示装置(P)をガラス板側から目視観察し、遮光部と樹脂層の境界部分の気泡の有無を、以下の基準で評価した。
○:気泡が確認されなかった。
×:気泡が確認された。
<遮光部の硬化性>
実施例で得られた画像表示装置(P)から透明板を剥がして、遮光部の本硬化樹脂層をメタノールで洗浄し、本硬化樹脂層中の未硬化の樹脂組成物を除去した。メタノール洗浄後の本硬化樹脂層を目視観察し、以下の基準で評価した。
○:未硬化の樹脂組成物が除去された形跡がない。(硬化)
△:硬化物が残存しているが、一部未硬化の樹脂組成物が除去された形跡がある。(半硬化)
×:硬化物が全く残存していない。(未硬化)
実施例1〜10及び比較例1〜4について、貯蔵弾性率、tanδ、柔軟性、伸び性、硬化収縮率、初期密着性、密着耐久性、生産性(気泡の有無)及び遮光部の硬化性を評価した結果を表2に示す。
Figure 2016031500
尚、比較例2の伸び率は、樹脂強度が弱く引張試験機にセットする際に試験片が破損し、測定できなかった。
本発明の画像表示装置の製造方法においては、生産性が良好で、柔軟性や伸び性に優れ、また遮光部の硬化性が高く、初期密着性及び密着耐久性の優れた画像表示装置を得ることができる。したがって、本発明の製造方法は、タッチパネルを備えたタブレット端末やスマートフォン等の画像表示装置の工業的製造にきわめて有用である。

Claims (10)

  1. 貼り合わせる少なくとも一つの光学基材が遮光部を有し、以下の工程(1)〜(4)を有する、少なくとも二つの光学基材が貼り合わされた光学部材を有する画像表示装置の製造方法。
    工程(1):少なくとも一つの光学基材に、重合性物質(A)、ラジカル開始剤(B)並びに酸発生剤(C)及び/又は塩基発生剤(D)を含有する活性光線硬化型樹脂組成物を塗布する工程、
    工程(2):前記塗布された活性光線硬化型樹脂組成物に対して、活性光線を照射して仮硬化させることにより仮硬化樹脂層を得る工程、
    工程(3):前記仮硬化樹脂層に対して他の光学基材を貼り合わせ、少なくとも二つの光学基材が貼り合わされた、仮硬化樹脂を有する光学部材を得る工程、
    工程(4):前記貼り合わされた一対の光学部材に対して、活性光線を照射して基材間に挟まれた仮硬化樹脂層を本硬化させることにより、本硬化樹脂層を介して少なくとも二つの光学基材が貼り合わされた光学部材を有する画像表示装置を得る工程。
  2. 前記ラジカル開始剤(B)、酸発生剤(C)及び塩基発生剤(D)の内の少なくとも1つが活性光線の照射により活性種(H)を発生し、前記活性種(H)がラジカル開始剤(B)、酸発生剤(C)又は塩基発生剤(D)と反応して新たな活性種(I)を生成して前記新たな活性種(I)による重合性物質(A)の重合反応が進行し、前記活性種(H)又は(I)が酸又は塩基である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記工程(2)で得られる仮硬化樹脂層を形成する仮硬化樹脂の25℃での貯蔵弾性率が1.0×102〜1.0×106Paであり、25℃での損失正接が0.3〜1.0である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記工程(4)で得られる本硬化樹脂層を形成する本硬化樹脂の25℃での貯蔵弾性率が1.0×103〜1.0×107Paであり、25℃での損失正接が、前記仮硬化樹脂層を形成する仮硬化樹脂の損失正接よりも大きい請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記重合性物質(A)が、単官能(メタ)アクリレート(A111)を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記単官能(メタ)アクリレート(A111)の含有量が、前記重合性物質(A)の重量に基づいて50〜99.9重量%である請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記活性光線硬化型樹脂組成物が、更に非重合性ポリマー(F)を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記酸発生剤(C)が塩であり、そのアニオン部がフッ素原子を含有するホスフェートアニオン又はボレートアニオンである請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記光学基材が、透明基板、透明板、化粧板、タッチパネル、アイコンシート又は画像表示部材である請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法で製造された画像表示装置。
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