JP2014074165A - 感光性組成物 - Google Patents

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卓也 細木
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Abstract

【課題】 硬化性、各種基材への密着性、金型離型性に優れ、かつ透明な硬化物を形成する感光性組成物を提供する。
【解決手段】 下記(1)〜(4)を含有する感光性組成物であって、ラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)及び塩基発生剤(C)の内の少なくとも1つが活性光線の照射により活性種(H)を発生し、(H)が(A)、(B)又は(C)と反応して新たな活性種(I)を生成して(I)による重合性物質(D)の重合反応が進行し、(H)又は(I)が酸又は塩基であり、(D)が特定組成の2官能ウレタン(メタ)アクリレート(D1)、単官能(メタ)アクリレート(D2)を含有し、着色剤、金属酸化物粉末及び金属粉末のいずれもを実質的に含有しないことを特徴とする感光性組成物。
(1)ラジカル開始剤(A)
(2)酸発生剤(B)及び/又は塩基発生剤(C)
(3)重合性物質(D)
(4)リン酸エステル系金型離型性付与剤(E)
【選択図】なし

Description

本発明は、光照射により透明な硬化物を形成する感光性組成物に関する。
光照射により硬化させ表面をコーティングするいわゆるUVコーティングは、その作業性(速硬化性)や低VOC化の観点から、コーティング剤や粘接着剤等適用範囲が広がりつつある。
一般に光硬化性コーティング剤及び光硬化性粘接着剤は、光重合開始剤、ラジカル重合性モノマー、オリゴマー又はポリマー、用途に応じて各種添加剤からなる。
光硬化性コーティング剤において、ラジカル重合では、酸素による硬化阻害を受け、表面付近の硬化性が十分でない。この問題を解決するために、特定の無機粒子を使用することが提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の発明は特定の構造の無機粒子を併用するものであり、硬化性良好である点においては改良されているが、基材への密着性が不良となり、かつ、透明な塗膜等の硬化物を得たい場合、透明性が保持できないという問題がある。
また、従来より、凹面形状部分と凸面形状部分の両方を含む三次元の球面形状物を製造するためには、熱可塑性樹脂の平版を、その形状に合わせた凹面形状を有する加熱した金型と凸面形状を有する加熱した金型を組み合わせてプレス成型することにより製造する方法が知られている(特許文献2)。
しかしながら、特許文献2のプレス成型による樹脂成型方法では、生産がバッチ式であるために生産性が低いという問題がある。
さらに、三次元加工を施した球面形状の表面に微細な凹凸形状を付与してプラスチックレンズを製造する場合、特許文献2の方法では、成型時に熱可塑樹脂が高温になるため微細構造が溶融し、型崩れしてしまうという問題がある。
この型崩れの問題を解決するために、熱可塑性樹脂の代わりに紫外線硬化性樹脂を用いる方法として、微細な凹凸形状を内側の表面に施した1枚目のお椀型形状をした透明な樹脂型の内側に紫外線硬化性樹脂を流し込んだ後、その上からもう1枚のお椀型形状をした透明な樹脂型を重ねて、その隙間に流し込んだ樹脂を挟み、紫外線を照射して硬化させ成型する方法が考えられるが、この方法では2枚の樹脂型との離型性は非常に悪く、また2枚の樹脂型をその都度重ねるバッチ式であるため生産性にも問題がある。
特開2011−076002号公報 特開平8−36222号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、硬化性、各種基材への密着性、金型離型性に優れ、かつ透明な硬化物(塗膜等)を形成する感光性組成物を提供することにある。
本発明者は、上記の目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、下記4発明である。
(I) 下記(1)〜(4)を含有する感光性組成物であって、ラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)及び塩基発生剤(C)の内の少なくとも1つが活性光線の照射により活性種(H)を発生し、該活性種(H)がラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)又は塩基発生剤(C)と反応して新たな活性種(I)を生成して該新たな活性種(I)による重合性物質(D)の重合反応が進行し、該活性種(H)又は(I)が酸又は塩基であり、重合性物質(D)が脂環式ジイソシアネート(a)、芳香環含有ジオール(b)、および水酸基含有(メタ)アクリレート(c)を必須構成単位とする2官能ウレタン(メタ)アクリレート(D1)、単官能(メタ)アクリレート(D2)を含有し、着色剤、金属酸化物粉末及び金属粉末のいずれもを実質的に含有しないことを特徴とする感光性組成物。
(1)ラジカル開始剤(A)
(2)酸発生剤(B)及び/又は塩基発生剤(C)
(3)重合性物質(D)
(4)リン酸エステル系金型離型性付与剤(E)
(II)重合性物質(D)及びリン酸エステル系金型離形性付与剤(E)と共に、ラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)及び塩基発生剤(C)を下記(1)〜(4)のいずれかの組合せで含有し、重合性物質(D)が脂環式ジイソシアネート(a)、芳香環含有ジオール(b)、および水酸基含有(メタ)アクリレート(c)を必須構成単位とする2官能ウレタン(メタ)アクリレート(D1)及び単官能(メタ)アクリレート(D2)を含有し、着色剤、金属酸化物粉末及び金属粉末を実質的に含有しないことを特徴とする感光性組成物。
(1)活性光線によりラジカルを発生するラジカル開始剤(A1)、並びにラジカル、酸及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により酸を発生する酸発生剤(B2)及び/又はラジカル、酸及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により塩基を発生する塩基発生剤(C2)を含有する。
(2)活性光線により酸を発生する酸発生剤(B1)、酸及び/又は塩基によりラジカルを発生するラジカル開始剤(A2)、並びに必要によりラジカル、酸及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により塩基を発生する塩基発生剤(C2)を含有する。
(3)活性光線により塩基を発生する塩基発生剤(C1)、酸及び/又は塩基によりラジカルを発生するラジカル開始剤(A2)、並びに必要によりラジカル、酸及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により酸を発生する酸発生剤(B2)を含有する。
(4)上記(1)〜(3)の2種類以上の組合せ。
(III) 上記(I)又は(II)の感光性組成物が活性光線の照射により硬化されてなる硬化物。
(IV)ラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)及び/又は塩基発生剤(C)、並びにリン酸エステル系金型離型性付与剤(E)の存在下、着色剤、金属酸化物粉末及び金属粉末のいずれもが実質的に不存在下、活性光線の照射により重合性物質(D)を重合させる活性光線硬化物の製造方法であり、ラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)及び塩基発生剤(C)の内の少なくとも1つが活性光線の照射により活性種(H)を発生し、該活性種(H)がラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)又は塩基発生剤(C)と反応して新たな活性種(I)を生成して該新たな活性種(I)による重合性物質(D)の重合反応が進行し、該活性種(H)又は(I)が酸又は塩基であり、重合性物質(D)が脂環式ジイソシアネート(a)、芳香環含有ジオール(b)、および水酸基含有(メタ)アクリレート(c)を必須構成単位とする2官能ウレタン(メタ)アクリレート(D1)、並びに単官能(メタ)アクリレート(D2)を含有することを特徴とする活性光線硬化物の製造方法。
尚、本発明において、活性光線とは360nm〜830nmの波長を有する光線である。
本発明の感光性組成物を使用することにより、硬化性、各種基材への密着性、金型離型性に優れ、かつ、透明な硬化物(塗膜等)が製造可能となる。
本発明の感光性組成物は、下記(1)〜(4)を含有する;
(1)ラジカル開始剤(A)
(2)酸発生剤(B)及び/又は塩基発生剤(C)
(3)重合性物質(D)
(4)リン酸エステル系金型離型性付与剤(E)
本第1発明の感光性組成物及び本第4発明の活性光線硬化物の製造方法においては、ラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)及び塩基発生剤(C)の内の少なくとも1つが活性光線の照射により活性種(H)を発生し、該活性種(H)がラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)及び/又は塩基発生剤(C)と反応して新たな活性種(I)を生成して該新たな活性種(I)による重合性物質(D)の重合反応が進行する。ここで、活性種(H)及び(I)としては、ラジカル、酸及び塩基等が挙げられるが、上記反応において、活性種(H)又は(I)のいずれかは酸又は塩基であることが必要である。活性種(H)が拡散することにより、一般的な光重合開始剤では光硬化が困難な、プラスチックレンズを製造する際に金型の微細な凹凸形状の狭い空隙部分や光が届かない部分の硬化が可能となる。また、得られる硬化物の透明性や基材への密着性が向上する。これらの特性は、均一硬化するためと考えられる。活性種(H)が容易に拡散するためには、重合性物質(D)として、活性種(H)と反応しないものを使用することが好ましい。
一般的な酸発生剤単独によるカチオン重合、又は塩基発生剤単独によるアニオン重合では、その発生剤が吸収を持たない波長の利用が困難であったが、本発明においては酸発生剤または塩基発生剤が吸収を持っていない波長に関しても、その波長に吸収のあるラジカル開始剤と組み合わせる事で利用することが可能となる。
本発明においてラジカル開始剤(A)とは、活性光線、酸及び塩基のうちの少なくとも1種によりラジカルを発生する化合物を意味し、活性光線によりラジカルを発生するラジカル開始剤(A1)、並びに酸及び/若しくは塩基によりラジカルを発生するラジカル開始剤(A2)等の公知の化合物を用いることができる。
例えば、アシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(A121)、α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(A122)、ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(A123)、α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(A124)、ベンゾイン誘導体系重合開始剤(A125)、オキシムエステル誘導体系重合開始剤(A126)及びチタノセン誘導体系重合開始剤(A127)等は活性光線、酸及び塩基いずれによってもラジカルを発生させることが可能で(A1)、(A2)のいずれとしても適用できる。
また、有機過酸化物系重合開始剤(A21)、アゾ化合物系重合開始剤(A22)、その他のラジカル開始剤(A23)等は、酸及び/又は塩基によってラジカルを発生させることが可能である。
(A)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
尚、(A121)は、(A1)、(A2)のいずれとしても適用できる化合物(A12)の1番目の例であることを示す。
アシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(A121)としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド[BASF社製(LUCIRIN TPO)]及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド[BASF社製(IRGACURE 819)]等が挙げられる。
α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(A122)としては、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン[BASF社製(IRGACURE 907)]、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン[BASF社製(IRGACURE 369)]及び1,2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン[BASF社製(IRGACURE 379)]等が挙げられる。
ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(A123)としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[BASF社製(IRGACURE 651)]等が挙げられる。
α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(A124)としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン[BASF社製(IRGACURE 184)]、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン[BASF社製(DAROCUR 1173)]、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン[BASF社製(IRGACURE 2959)]及び2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン[BASF社製(IRGACURE 127)]等が挙げられる。
ベンゾイン誘導体系重合開始剤(A125)としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。
オキシムエステル誘導体系重合開始剤(A126)としては、1,2−オクタンジオン−1−(4−[フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)][BASF社製(IRGACURE OXE 01)]及びエタノン−1−(9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)[BASF社製(IRGACURE OXE 02)]等が挙げられる。
チタノセン誘導体系重合開始剤(A127)としては、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム[BASF社製(IRGACURE 784)]等が挙げられる。
有機過酸化物系重合開始剤(A21)としては、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5,−ジメチル−2,5,−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3,−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド及びt−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド等が挙げられる。
アゾ化合物系重合開始剤(A22)としては、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)及び2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。
その他の重合開始剤(A23)としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等が挙げられる。
酸及び/又は塩基によりラジカルを発生するラジカル開始剤(A2)としては、有機過酸化物系重合開始剤(A21)及び/又はアゾ化合物系重合開始剤(A22)が好ましい。
これらのラジカル開始剤(A)の中では、感光性組成物の貯蔵安定性の観点から、熱によってもラジカルが発生する有機過酸化物系重合開始剤(A21)やアゾ化合物系重合開始剤(A22)以外のもの、即ち活性光線によりラジカルを発生するラジカル開始剤(A1)〔(A12)を含む〕が好ましい。特に感光性組成物中に活性光線により塩基を発生する塩基発生剤(C1)を含む場合は、(C1)から発生した塩基によるラジカル発生がより促進されることから、(A12)を用いるのが好ましい。
本発明の感光性組成物中のラジカル開始剤(A)の含有量は、光硬化性の観点から、重合性物質(D)の重量に対して、好ましくは0.05〜30重量%、更に好ましくは0.1〜20重量%である。
本発明において酸発生剤(B)とは、活性光線、ラジカル、酸及び塩基のうちの少なくとも1種により酸を発生する化合物を意味し、活性光線により酸を発生する酸発生剤(B1)、並びにラジカル、酸及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により酸を発生する酸発生剤(B2)等の公知の化合物が挙げられる。
酸発生剤(B)を含むことで、高感度化され、マクロ的な反応率分布が抑制できる為、本発明の感光性組成物が硬化されてなる本発明の硬化物は、高透明性が発現可能となると推定される。
例えば、スルホニウム塩誘導体(B121)及びヨードニウム塩誘導体(B122)等は活性光線又はラジカルによって酸を発生させることが可能で、(B1)又は(B2)として適用できる。
また、スルホン酸エステル誘導体(B21)、酢酸エステル誘導体(B22)及びホスホン酸エステル(B23)等は酸及び/又は塩基によって酸を発生させることが可能で、(B2)として適用できる。
(B)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
尚、(B121)は、(B1)、(B2)のいずれとしても適用できる化合物(B12)の1番目の例であることを示す。
本発明におけるスルホニウム塩誘導体(B121)としては、下記一般式(1)又は下記一般式(2)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2014074165
一般式(1)又は(2)において、A1は下記一般式(3)〜(10)のいずれかで表される2価又は3価の基であり、Ar1〜Ar7はそれぞれ独立にベンゼン環骨格を少なくとも1個有し、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基及びフェニルチオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は置換基で置換されていてもよい芳香族炭化水素基又は複素環基であってAr1〜Ar4、Ar6及びAr7は1価の基、Ar5は2価の基であり、(X1-及び(X2-は陰イオンを表し、aは0〜2の整数、bは1〜3の整数で、かつa+bは2又は3でA1の価数と同じ整数である。
Figure 2014074165
一般式(5)〜(8)におけるR1〜R7は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、又は、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基及びフェニルチオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、R1とR2、R4とR5、及びR6とR7は互いに結合して環構造を形成していてもよい。
一般式(2)におけるA1として、酸発生効率の観点から好ましいのは、一般式(5)及び一般式(7)〜(10)で表される基であり、一般式(5)及び(8)〜(10)で表される基が更に好ましい。
一般式(1)及び一般式(2)におけるAr1〜Ar7は、一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物が紫外〜可視光領域に吸収をもつようになる基である。
Ar1〜Ar7におけるベンゼン環骨格の数は、好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜4である。
ベンゼン環骨格を1個有する場合の例としては、例えばベンゼン、又はベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、キノリン、クマリン等の複素環化合物から水素原子を1個又は2個除いた残基が挙げられる。
ベンゼン環骨格を2個有する場合の例としては、例えばナフタレン、ビフェニル、フルオレン、又はジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、キサントン、キサンテン、チオキサントン、アクリジン、フェノチアジン及びチアントレン等の複素環化合物から水素原子を1個又は2個除いた残基が挙げられる。
ベンゼン環骨格を3個有する場合の例としては、例えば、アントラセン、フェナントレン、ターフェニル、p−(チオキサンチルメルカプト)ベンゼン及びナフトベンゾチオフェン等の複素環化合物から水素原子を1個又は2個除いた残基が挙げられる。
ベンゼン環骨格を4個有する場合の例としては、例えばナフタセン、ピレン、ベンゾアントラセン及びトリフェニレン等から水素原子を1個又は2個除いた残基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられ、フッ素及び塩素が好ましい。
炭素数1〜20のアシル基としては、例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基、バレリル基及びシクロヘキシルカルボニル基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−又はiso−プロピル基、n−、sec−又はtert−ブチル基、n−、iso−又はneo−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基及びオクチル基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−又はiso−プロポキシ基、n−、sec−又はtert−ブトキシ基、n−、iso−、又はneo−ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基及びオクチルオキシ基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキルチオ基としては、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−又はiso−プロピルチオ基、n−、sec−又はtert−ブチルチオ基、n−、iso−又はneo−ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基及びオクチルチオ基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキルシリル基としては、例えばトリメチルシリル基及びトリイソプロピルシリル基等のトリアルキルシリル基等が挙げられる。ここでアルキルは直鎖構造でも分岐構造でも構わない。
Ar1〜Ar7の置換する原子又は置換基として、酸発生効率の観点から好ましいのは、ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、フェニルチオ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基及び炭素数1〜20のアシル基であり、更に好ましいのは、シアノ基、フェニル基、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜15のアルコキシ基、炭素数1〜15のアルキルチオ基及び炭素数1〜15のアシル基、特に好ましいのは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアルキルチオ基及び炭素数1〜10のアシル基である。尚、上記のアルキル部分は直鎖でも分岐でも環状でもよい。
Ar1〜Ar4、Ar6及びAr7として、酸発生効率の観点から好ましいのは、フェニル基、p−メチルフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、p−(チオキサンチルメルカプト)フェニル基及びm−クロロフェニル基である。
Ar5として、酸発生効率の観点から好ましいのは、フェニレン基、2−又は3−メチルフェニレン基、2−又は3−メトキシフェニレン基、2−又は3−ブチルフェニレン基及び2−又は3−クロロフェニレン基である。
一般式(1)又は(2)において(X1-又は(X2-で表される陰イオンとしては、ハロゲン化物アニオン、水酸化物アニオン、チオシアナートアニオン、炭素数1〜4のジアルキルジチオカルバメートアニオン、炭酸アニオン、炭酸水素アニオン、ハロゲンで置換されていてもよい脂肪族又は芳香族カルボキシアニオン(安息香酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、パーフルオロアルキル酢酸アニオン、及びフェニルグリオキシル酸アニオン等)、ハロゲンで置換されていてもよい脂肪族又は芳香族スルホキシアニオン(トリフルオロメタンスルホン酸アニオン等)、6フッ化アンチモネートアニオン(SbF6 -)、リンアニオン[6フッ化リンアニオン(PF6 -)及び3フッ化トリス(パーフルオロエチル)リンアニオン(PF3(C253 -)等]及びボレートアニオン(テトラフェニルボレート及びブチルトリフェニルボレートアニオン等)等が挙げられ、酸発生効率の観点から、リンアニオン、ハロゲンで置換された脂肪族スルホキシアニオン及びボレートアニオンが好ましい。
スルホニウム塩誘導体(B121)として、酸発生効率の観点から好ましいのは、トリフェニルスルホニウムカチオン、トリ−p−トリルスルホニウムカチオン又は[p−(フェニルメルカプト)フェニル]ジフェニルスルホニウムカチオンをカチオン骨格として有する化合物及び下記一般式(11)〜(14)で示される化合物であり、更に好ましいのは下記一般式(11)〜(14)で示される化合物である。
Figure 2014074165
一般式(11)〜(14)における(X3-〜(X6-は陰イオンを表し、具体的には一般式(1)又は(2)における(X1-又は(X2-として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
本発明におけるヨードニウム塩誘導体(B122)としては、下記一般式(15)又は下記一般式(16)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2014074165
式中、A2は前記一般式(3)〜(10)のいずれかで表される2価又は3価の基であり、Ar8〜Ar12はそれぞれ独立にベンゼン環骨格を少なくとも1個有し、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基及びフェニルチオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基で置換されていてもよい芳香族炭化水素基又は複素環基であって、Ar8〜Ar10及びAr12は1価の基、Ar11は2価の基であり、(X7-及び(X8-は陰イオンを表し、cは0〜2の整数、dは1〜3の整数で、かつc+dは2又は3でA2の価数と同じ整数である。
ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基及び炭素数1〜20のアルキルシリル基としては、一般式(1)及び一般式(2)の説明で記載したものと同様のものが例示される。
一般式(16)におけるA2として、酸を発生する効率の観点から好ましいのは、前記一般式(5)及び一般式(7)〜(10)で表される基であり、一般式(5)及び(8)〜(10)で表される基が更に好ましい。
一般式(15)又は一般式(16)におけるAr8〜Ar12は、一般式(15)又は一般式(16)で表される化合物が紫外〜可視光領域に吸収をもつようになる基である。
Ar8〜Ar12におけるベンゼン環骨格の数は、好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜4であり、Ar8〜Ar12の具体例としては、一般式(1)又は一般式(2)のAr1〜Ar7として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
(X7-及び(X8-としては、一般式(1)又は(2)における(X1-又は(X2-として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
ヨードニウム塩誘導体(B122)として、酸発生効率の観点から好ましいのは、(4−メチルフェニル){4−(2−メチルプロピル)フェニル}ヨードニウムカチオン、[ビス(4−t−ブチルフェニル)]ヨードニウムカチオン、[ビス(4−t−ブチルフェニル)]トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]ヨードニウムカチオン及び[ビス(4−メトキシフェニル)]ヨードニウムカチオンをカチオン骨格として有する化合物、並びにこれら以外の下記一般式(17)〜(20)で示される化合物であり、更に好ましいのは下記一般式(17)〜(20)で示される化合物(例示した化合物を含む)である。
Figure 2014074165
一般式(17)〜(20)において、R8〜R13は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基からなる群から選ばれる原子又は置換基であり、(X9-〜(X12-は陰イオンを表す。
ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基及び炭素数1〜20のアルキルシリル基としては、一般式(1)及び一般式(2)の説明で記載したものと同様のものが例示される。
8〜R13として好ましいのは、ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、炭素数1〜20のアルキル基及び炭素数1〜20のアルコキシ基であり、更に好ましいのは、シアノ基、フェニル基、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜15のアルコキシ基及び炭素数1〜15のアシル基、特に好ましいのは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基及び炭素数1〜10のアシル基である。尚、上記のアルキル部分は直鎖でも分岐でも環状でもよい。
一般式(17)〜(20)における(X9-〜(X12-としては一般式(1)又は(2)における(X1-又は(X2-として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
一般に可視光領域(360nm〜830nm;JIS−Z8120参照)での硬化に使用可能な光重合開始剤は、可視光を吸収するため開始剤自体が着色しており、硬化膜の色相に悪影響を与るが、一般式(2)又は一般式(16)で示される化合物を使用することにより硬化膜の色相への悪影響を抑止することができる。
スルホン酸エステル誘導体(B21)としては、メタンスルホン酸シクロヘキシルエステル、エタンスルホン酸イソプロピルエステル、ベンゼンスルホン酸−t−ブチルエステル、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシルエステル及びナフタレンスルホン酸シクロヘキシルエステル等が挙げられる。
酢酸エステル誘導体(B22)としては、ジクロロ酢酸シクロヘキシルエステル及びトリクロロ酢酸イソプロピルエステル等が挙げられる。
ホスホン酸エステル(B23)としては、トリフェニルホスホン酸シクロヘキシルエステル等が挙げられる。
本発明において塩基発生剤(C)とは、活性光線、ラジカル、酸及び塩基のうちの少なくとも1種により塩基を発生する化合物を意味し、活性光線により塩基を発生する塩基発生剤(C1)、並びにラジカル、酸及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により塩基を発生する塩基発生剤(C2)等の公知の化合物を用いることができる。
塩基発生剤(C)を含むことで、高感度化され、マクロ的な反応率分布が抑制できる為、本発明の感光性組成物が硬化されてなる本発明の硬化物は、高透明性が発現可能となると推定される。
例えば、オキシム誘導体(C121)、4級アンモニウム塩誘導体(C122)及び4級アミジン塩誘導体(C123)等は活性光線又はラジカルによって塩基を発生させることが可能で、(C1)又は(C2)として適用できる。
また、カルバメート誘導体(C21)は塩基によって塩基を発生させることが可能で、(C2)として適用できる。
(C)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
尚、(C121)は、(C1)、(C2)のいずれとしても適用できる化合物(C12)の1番目の例であることを示す。
オキシム誘導体(C121)としては、例えばO−アシロキシム等が挙げられる。
カルバメート誘導体(C21)としては、例えば1−Fmoc−4−ピペリドン、o−ニトロベンゾイルカルバメート等が挙げられる。
4級アンモニウム塩誘導体(C122)及び4級アミジン塩誘導体(C123)としては、例えば下記一般式(21)〜(23)のいずれかで示される化合物が挙げられる。
Figure 2014074165
一般式(21)〜(23)におけるR14〜R41は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、一般式(24)で表される置換基及び一般式(25)で表される置換基からなる群から選ばれる原子又は置換基であって、R14〜R23のいずれか1つは一般式(24)又は一般式(25)で表される置換基であり、R24〜R31のいずれか1つは一般式(24)又は一般式(25)で表される置換基であり、R32〜R41のいずれか1つは一般式(24)又は一般式(25)で表される置換基である。
Figure 2014074165
一般式(24)及び(25)におけるR42〜R45は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、R46〜R48は水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基であり、(X13-及び(X14-は、陰イオンを表し、eは2〜4の整数である。
一般式(21)〜(23)におけるハロゲン原子、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基及び炭素数1〜20のアルキルシリル基としては、一般式(1)及び一般式(2)の説明で記載したものと同様のものが例示される。
一般式(21)で示される化合物はアントラセン骨格、一般式(22)で示される化合物はチオキサントン骨格、一般式(23)で示される化合物はベンゾフェノン骨格を有する化合物であり、それぞれi線(365nm)付近に最大吸収波長を有する化合物の一例である。R14〜R23は吸収波長の調整、感度の調整、熱安定性、反応性、分解性等を考慮して変性させるものであり、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20のアシル基、アミノ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、ナフチル基からなる群から選ばれる原子又は置換基で目的に応じて変性される。但し、R14〜R23のいずれか1つは一般式(24)又は一般式(25)で表される置換基である。
14〜R23として好ましいのは、ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ナフチル基、炭素数1〜20のアルキル基及び炭素数1〜20のアルコキシ基であり、更に好ましいのは、シアノ基、フェニル基、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜15のアルコキシ基及び炭素数1〜15のアシル基、特に好ましいのは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基及び炭素数1〜10のアシル基である。尚、上記のアルキル部分は直鎖でも分岐でも環状でもよい。
上記のR14〜R23の具体例としては、一般式(17)〜(19)のR8〜R13の説明で記載した化合物が例示される。
一般式(24)で示される置換基はカチオン化したアミジン骨格を有する置換基であり、eは2〜4の整数である。この置換基としては、eが4である1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンがカチオン化した構造を有する置換基及びeが2である1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネンがカチオン化した構造を有する置換基が好ましい。R42とR43は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、好ましいのは水素原子及び炭素数1〜10のアルキル基、更に好ましいのは水素原子及び炭素数1〜5のアルキル基である。
一般式(25)は4級アンモニウム構造を有しており、R44とR45は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、好ましくは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、更に好ましくは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。また、R46〜R48は水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基を表し、直鎖でも分岐でも環状でもよい。R46〜R48は好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、特に好ましくは炭素数1〜5のアルキル基である。
一般式(24)及び(25)における(X13-及び(X14-は陰イオンを表し、具体的には一般式(1)又は(2)における(X1-又は(X2-として例示したものと同様のものが挙げられる。これらの内、光分解性の観点から、脂肪族又は芳香族カルボキシイオン及びボレートアニオンが好ましい。
一般式(24)で示される化合物は活性光線の照射により、R42とR43が結合した炭素と窒素の間の結合が解裂してアミジン骨格を有する塩基性化合物を生成し、一般式(25)で示される化合物は活性光線の照射により、R44とR45が結合した炭素と窒素の間の結合が解裂して3級アミンが生成する。
これらの塩基発生剤(C1)の内、光分解性の観点から、下記一般式(26)で示される化合物が好ましい。
Figure 2014074165
一般式(26)における(X15-は、陰イオンを表し、具体的には一般式(1)又は(2)における(X1-又は(X2-として例示したものと同様のものが挙げられる。これらの内、光分解性の観点から、脂肪族又は芳香族カルボキシイオン及びボレートアニオンが好ましい。
カルバメート誘導体(C21)としては、例えば1−Z−4−ピペリドン等が挙げられる。
本発明の感光性組成物中に、酸発生剤(B)と塩基発生剤(C)のいずれを用いても、各種基材への密着性に優れ、かつ透明な硬化物が得られるが、硬化物の耐黄変性の観点からは、酸発生剤(B)を用いるのが好ましい。
本発明の感光性組成物中の酸発生剤(B)及び塩基発生剤(C)の含有量〔(B)と(C)の合計〕は、光硬化性の観点から、重合性物質(D)の重量に対して、好ましくは0.05〜30重量%、更に好ましくは0.1〜20重量%である。
本発明においては、(A1)、(A2)、(B1)、(B2)、(C1)、又は(C2)を、以下の(1)〜(4)のいずれかの組合せで含有することが好ましい〔本第2発明の感光性組成物〕。
(1)(A1)、並びに(B2)及び/又は(C2)を含有する。
(2)(B1)、(A2)、及び必要により(C2)を含有する。
(3)(C1)、(A2)、及び必要により(B2)を含有する。
(4)上記(1)〜(3)の2種類以上の組合せ。
上記(1)においては、活性光線の照射により活性種(H)としてラジカルが発生し、活性種(I)として酸及び/又は塩基が発生する。
上記(2)においては、活性光線の照射により活性種(H)として酸が発生し、活性種(I)としてラジカル及び必要により塩基が発生する。
上記(3)においては、活性光線の照射により活性種(H)として塩基が発生し、活性種(I)としてラジカル及び必要により酸が発生する。
これらの組合せの中で更に好ましいものは、(1)の内(A1)及び(B2)を含有するもの、(2)の内(B1)及び(A2)の内前記(A1)、(A2)のいずれとしても適用できる前記化合物(A12)を含有するもの、並びに(3)の内(C1)及び(A2)の内前記(A1)、(A2)のいずれとしても適用できる前記化合物(A12)を含有するものであり、特に好ましいものは、(A1)及び(B2)を含有するもの、並びに(B1)及び(A12)を含有するものである。
本発明の感光性組成物における重合性物質(D)は、2官能ウレタン(メタ)アクリレート(D1)及び単官能(メタ)アクリレート(D2)を必須成分として含有する。
なお、上記の(メタ)アクリレートとは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味し、以下同様の記載法を用いる。
重合性物質(D)の必須成分である2官能ウレタン(メタ)アクリレート(D1)は、脂環式ジイソシアネート(a)、芳香環含有ジオール(b)、および水酸基含有(メタ)アクリレート(c)を必須構成単位とするものであり、これらの成分を反応させて得られる。(D1)は2種以上を併用してもよい。
この脂環式ジイソシアネート(a)としては、例えばイソホロンジイソシアネート(IPDI)、2,4−または2,6−メチルシクロヘキサンジイソシアネート(水添TDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレートおよび2,5−または2,6−ノルボルナンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)が挙げられる。
これらのうち、好ましいのはイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートおよびビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、さらに好ましくはジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートである。
なお、2官能ウレタン(メタ)アクリレート(D1)のイソシアネート成分として脂環式ジイソシアネート(a)を使用することにより、2官能ウレタン(メタ)アクリレート(D1)の結晶性が向上し、その結果、感光性組成物の硬化物の離型性が向上する。
2官能ウレタン(メタ)アクリレート(D1)のジオール成分として芳香環含有ジオール(b)を使用することにより、硬化物のガラス転移温度が上がり離型性が向上する。
芳香環含有ジオール(b)としては、フェノール性水酸基含有ジオール(b1)および芳香脂肪族ジオール(b2)などが挙げられる。
フェノール性水酸基含有ジオール(b1)としては、例えば、レゾルシノール、ハイドロキノン、ナフタレンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSが挙げられる。
芳香脂肪族ジオール(b2)としては、フェノール性水酸基含有ジオール(b1)のアルキレンオキサイド1〜50モル付加物、例えばビスフェノールAのプロピレンオキサイド(以下、プロピレンオキサイドを「PO」と略記する。)2〜10モル付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド(以下、エチレンオキサイドを「EO」と略記する。)2〜10モル付加物等が挙げられる。
これらのうち、ウレタン化反応の反応性および紫外線照射により硬化させた硬化物の着色の観点から好ましくは芳香脂肪族ジオール(b2)であり、さらに好ましくは芳香脂肪族ジオール(b2)のうち、紫外線照射により硬化させた硬化物のガラス転移温度の観点から、ビスフェノールAの1〜5モルのアルキレンオキサイド付加物である。
水酸基含有(メタ)アクリレート(c)としては、例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(c1)、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(c2)、アルキロール(メタ)アクリルアミド(c3)が挙げられる。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(c1)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(c2)としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルキロール(メタ)アクリルアミド(c3)としては、例えば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
これらのうち、ウレタン化反応の反応性および紫外線照射により硬化させた硬化物の離型性の観点から好ましくは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートであり、さらに好ましくはヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
脂環式ジイソシアネート(a)と芳香環含有ジオール(b)、および水酸基含有(メタ)アクリレート(c)との反応におけるNCO/OH当量比は特に限定されないが、貯蔵安定性の観点から好ましくは1/0.5〜1/10、さらに好ましくは1/0.7〜1/5、とくに好ましくは1/1〜1/2である。
原料の有機イソシアネート(a)と芳香環含有ジオール(b)、および水酸基含有(メタ)アクリレート(c)とを反応させて誘導される2官能ウレタン(メタ)アクリレート(D1)の製造においては、ウレタン化触媒を用いてもよい。
ウレタン化触媒には、金属化合物(有機ビスマス化合物、有機スズ化合物、有機チタン化合物等)および4級アンモニウム塩が含まれる。
本発明の感光性組成物に用いる2官能ウレタン(メタ)アクリレート(D1)の含有量は、(D)の全体重量に基づいて、好ましくは20〜53重量%である。さらに好ましくは25〜50重量%、とくに好ましくは26〜45重量%である。
20重量%以上であると、紫外線照射により硬化させた硬化物の金型離型性が特に良好であり、53重量%以下であるとポリカーボネート樹脂フィルムに対する樹脂密着性が特に良好となる。
重合性物質(D)中の必須成分である単官能(メタ)アクリレート(D2)としては、脂肪族、脂環式、複素環式および芳香脂肪族の1価アルコールと(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸クロライドを反応させて得られる(メタ)アクリレートが挙げられ、2種以上を併用してもよい。
脂肪族1価アルコールの(メタ)アクリレート(D21)としては、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
脂環式1価アルコールの(メタ)アクリレート(D22)としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
複素環式1価アルコールの(メタ)アクリレート(D23)としては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリンなどが挙げられる。
芳香脂肪族1価アルコールの(メタ)アクリレート(D24)としては、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、o−、m−、またはp−フェニルフェノールのモノ(メタ)アクリレート、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルのモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらのうち、離型性の観点から好ましくは、脂環式1価アルコールの(メタ)アクリレート(D22)および芳香脂肪族1価アルコールの(メタ)アクリレート(D24)〔特に(D22)〕であり、さらに好ましくは、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、およびベンジル(メタ)アクリレートであり、特に好ましくはイソボルニル(メタ)アクリレートである。
本発明の感光性組成物に用いる単官能(メタ)アクリレート(D2)の含有量は、(D)の合計重量に基づいて、好ましくは45〜74重量%である。さらに好ましくは47〜70重量%、とくに好ましくは50〜68重量%である。
45重量%以上であるとポリカーボネート樹脂フィルムに対する樹脂密着性が特に良好であり、74重量%以下であると紫外線照射により硬化させた硬化物の金型離型性が特に良好である。
本発明の感光性組成物におけるリン酸エステル系金型離型性付与剤(E)は、リン酸モノエステル系化合物またはリン酸ジエステル系化合物であれば特に化学構造は限定されないが、例えば、アルキルリン酸エステル(e)と3級アミン(f)から構成される塩が挙げられる。
このようなアルキルリン酸エステル(e)としては、炭素数6〜24の高級アルコールや炭素数6〜24の高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物と、リン酸、無水リン酸、酸化リンおよびポリリン酸などの無機リン酸を反応させて得られる。
アルキルリン酸エステル(e)としては、炭素数6〜24の高級アルコールの無機リン酸反応物(e1)、炭素数6〜24の高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物の無機リン酸反応物(e2)が挙げられる。
(e1)の具体例としては、ドデカノールの無機リン酸反応物、トリデカノールの無機リン酸反応物、テトラデカノールの無機リン酸反応物、ステアリルアルコールの無機リン酸反応物等が挙げられる。
(e2)の具体例としては、ドデカノールのEO2〜20モル付加物の無機リン酸反応物、トリデカノールEO2〜20モル付加物の無機リン酸反応物、テトラデカノールのPO2〜20モル付加物の無機リン酸反応物、ステアリルアルコールEO2〜20モル付加物の無機リン酸反応物などが挙げられる。
アルキルリン酸エステル(e)のうち、リン酸エステル系金型離型性付与剤(E)の金型離型性の観点から、好ましくは、炭素数6〜24の高級アルコールの無機リン酸反応物(e1)であり、さらに好ましくは、トリデカノールの無機リン酸反応物である。
3級アミン(f)としては、3級脂肪族アミン(f1)、1級脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(f2)、2級脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(f3)、およびこれらの混合物である。
なお、ここでのアルキレンオキサイドは炭素数2〜4であり、単独でも2種以上の併用でもよい。
3級脂肪族アミン(f1)としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルラウリルアミンおよびN,N−ジメチルステアリルアミンなどが挙げられる。
1級脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(f2)としては、ブチルアミンのEO2〜20モル付加物およびPO2〜20モル付加物、ラウリルアミンのEO2〜20モル付加物およびステアリルアミンのEO2〜20モル付加物などが挙げられる。
2級脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(f3)としては、ジエチルアミンのEO2〜20モル付加物およびPO2〜20モル付加物、ジブチルアミンのEO2〜20モル付加物およびPO2〜20モル付加物、ラウリルメチルアミンのEO2〜20モル付加物、メチルステアリルアミンのEO2〜20モル付加物およびPO2〜20モル付加物などが挙げられる。
3級アミン(f)のうち、リン酸エステル系金型離型性付与剤(E)の金型離型性の観点から、好ましくは、3級脂肪族アミン(f1)であり、さらに好ましくは、N,N−ジメチルステアリルアミンである。
リン酸エステル系金型離型性付与剤(E)のうち、金型離型性付与および基材密着性の観点から好ましいのは、炭素数6〜24の高級アルコールの無機リン酸反応物(e1)と3級脂肪族アミン(f1)からなる塩、さらに好ましくは、トリデカノールの無機リン酸反応物とN,N−ジメチルステアリルアミンの塩であり、特に好ましいのは(e)と(f)の当量比(e)/(f)が約1/1の塩である。
本発明の感光性組成物に用いるリン酸エステル系金型離型性付与剤(E)の含有量は、(D)の合計重量に基づいて、好ましくは0.07〜1.0重量%である。さらに好ましくは0.07〜0.8重量%、とくに好ましくは0.12〜0.5重量%である。
0.07重量%以上であると金型離型性が特に良好であり、1.0重量%以下であるとポリカーボネート樹脂フィルムに対する樹脂密着性が特に良好となる。
本発明の感光性組成物は、必要により、(D)中に更に(D1)及び(D2)以外の重合性物質を含有することができ、例えば、他のラジカル重合性化合物(D3)やイオン重合性化合物(D4)が挙げられる。(D3)及び(D4)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性化合物(D3)として例えば、炭素数3〜35の(メタ)アクリルアミド化合物(D31)、炭素数4〜35の(メタ)アクリレート化合物(D32)、炭素数6〜35の芳香族ビニル化合物(D33)、炭素数3〜35のビニルエーテル化合物(D34)及びその他のラジカル重合性化合物(D35)が挙げられる。
炭素数3〜35の(メタ)アクリルアミド化合物(D31)としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリロイルモルフォリン以外のものなどが挙げられる。
炭素数4〜35の(メタ)アクリレート化合物(D32)としては、例えば以下の二官能〜六官能の(メタ)アクリレートが挙げられる。
尚、上記「二官能〜六官能の(メタ)アクリレート」とは、(メタ)アクリロイル基の数が2〜6個の(メタ)アクリレートを意味し、以下同様の記載法を用いる。
二官能(メタ)アクリレートとしては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート及びトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
三官能の(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド1〜30モル付加物のトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
四官能の(メタ)アクリレートとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド1〜30モル付加物のテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
五官能の(メタ)アクリレートとしては、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
六官能の(メタ)アクリレートとしては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
炭素数6〜35の芳香族ビニル化合物(D33)としては、ビニルチオフェン、ビニルフラン、ビニルピリジン、スチレン、メチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン及び4−t−ブトキシスチレン等が挙げられる。
炭素数3〜35のビニルエーテル化合物(D34)としては、例えば以下の単官能又は多官能ビニルエーテルが挙げられる。
尚、上記「単官能ビニルエーテル」とはビニル基の数が1個の、「多官能ビニルエーテル」とはビニル基の数が2個以上の、それぞれビニルエーテル化合物を意味する。
単官能ビニルエーテルとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル及びフェノキシポリエチレングリコールビニルエーテルが挙げられる。
多官能ビニルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテル等のジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、EO付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、PO付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、EO付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、PO付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、EO付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、PO付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、EO付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル及びPO付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルが挙げられる。
その他のラジカル重合性化合物(D35)としては、アクリロニトリル、脂肪族ビニルエステル化合物(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びバーサチック酸ビニル等)、脂肪族アリルエステル化合物(酢酸アリル等)、ハロゲン含有単量体(塩化ビニリデン及び塩化ビニル等)及びオレフィン化合物(エチレン及びプロピレン等)等の芳香族エステル化合物以外のものなどが挙げられる。
これらの内、硬化速度の観点から好ましいのは、炭素数3〜35の(メタ)アクリルアミド化合物(D31)、炭素数4〜35の(メタ)アクリレート化合物(D32)、炭素数6〜35の芳香族ビニル化合物(D33)及び炭素数3〜35のビニルエーテル化合物(D34)であり、更に好ましいのは炭素数3〜35の(メタ)アクリルアミド化合物(D31)及び炭素数4〜35の(メタ)アクリレート化合物(D32)である。
イオン重合性化合物(D4)としては、炭素数3〜20のエポキシ化合物(D41)及び炭素数4〜20のオキセタン化合物等(D42)が挙げられる。
炭素数3〜20のエポキシ化合物(D41)としては、例えば以下の単官能又は多官能エポキシ化合物が挙げられる。
尚、上記「単官能エポキシ化合物」とはエポキシ基の数が1個の、「多官能エポキシ化合物」とはエポキシ基の数が2個以上の、それぞれエポキシ化合物を意味する。
単官能エポキシ化合物としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert―ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド及び3−ビニルシクロヘキセンオキサイドが挙げられる。
多官能エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン及び1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタンが挙げられる。
これらのエポキシ化合物の中でも、硬化速度の観点から、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、脂環式エポキシドが特に好ましい。
炭素数4〜20のオキセタン化合物(D42)としては、オキセタン環を1個〜6個有する化合物等が挙げられる。
オキセタン環を1個有する化合物としては、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、4−メトキシ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル]フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル及びボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルが挙げられる。
オキセタン環を2〜6個有する化合物としては、例えば、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル及びEO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルが挙げられる。
これらの内、硬化速度の観点から、オキセタン環を1〜2個有する化合物が好ましい。
重合性物質(D)の全体重量に基づく、他のラジカル重合性化合物(D3)及びイオン重合性化合物(D4)の合計含有量は、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは1〜15重量%である。
本発明の感光性組成物は、得られる硬化物の透明性の点から、着色材料である、着色剤(無機顔料及び有機顔料等の顔料、染料)、金属酸化物及び金属粉末のいずれもを実質的に含有しない必要がある。
ここで、実質的に含有しないとは、感光性組成物中の含有量が1重量%未満であることを意味する。感光性組成物中の着色材料の含有量は、好ましくは0.8重量%以下、さらに好ましくは0重量%である。
本発明の感光性組成物は、紫外線照射により硬化し、その硬化物の後述する方法により測定したガラス転移温度は50〜100℃であり、好ましくは50〜90℃であり、さらに好ましくは50〜80℃である。50℃以上であると金型離型性が特に良好であり、100℃以下であるとポリカーボネート樹脂フィルムに対する樹脂密着性が特に良好である。なお、本発明におけるガラス転移温度は、後述する方法により測定される。
本発明の感光性組成物は、必要により溶剤、増感剤及び密着性付与剤(シランカップリング剤等)等を含有することができる。
溶剤としては、グリコールエーテル類(エチレングリコールモノアルキルエーテル及びプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等)、エステル類(エチルアセテート、ブチルアセテート、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート及びプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン及びメシチレン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ゲラニオール、リナロール及びシトロネロール等)及びエーテル類(テトラヒドロフラン及び1,8−シネオール等)が挙げられる。これらは、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
感光性組成物における溶剤の含有量は、0〜99重量%であることが好ましく、更に好ましくは3〜95重量%、特に好ましくは5〜90重量%である。
増感剤としては、ケトクマリン、フルオレン、チオキサントン、アントラキノン、ナフチアゾリン、ビアセチル、ベンジル及びこれらの誘導体、ペリレン並びに置換アントラセン等の内(C)以外のものが挙げられる。増感剤の含有量は、感光性組成物に対して0〜20重量%が好ましく、更に好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
密着性付与剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム及びアセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。密着性付与剤の含有量は、感光性組成物に対して0〜20重量%が好ましく、更に好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
本発明の感光性組成物は、更に、使用目的に合わせて、分散剤、消泡剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤、スリップ剤、難燃剤、帯電防止剤、酸化防止剤及び紫外線吸収剤等の(メタ)アクリル樹脂以外のものなどを含有することができる。
本発明の感光性組成物は、ラジカル開始剤(A)と、重合性物質(D)と、酸発生剤(B)及び/又は塩基発生剤(C)と、リン酸エステル系金型離型性付与剤(E)と、必要により溶剤その他の成分等とをボールミル又は3本ロールミル等で混練することで得られる。混練温度は通常10℃〜50℃、好ましくは20℃〜30℃である。
本発明の感光性組成物を用いた成形体の製造方法は、特に限定されない。
特に、微細な凹凸構造を有する三次元形状のプラスチックレンズの製造には、例えば次の方法で成形することができる。
片面には外側に微細な凹凸形状を施したドーム形の金型を用い、他面には活性エネルギー線を透過する透明な樹脂フィルム基材に活性エネルギー線硬化性組成物を塗布した後、フィルムをドーム形の金型にのせ、活性エネルギー線硬化して樹脂フィルム基材に密着した硬化物を得て、金型からそれを離型をして成型体を得ることができる。
本発明の感光性組成物を予め20〜50℃に温調し、成形体形状(例えば光学レンズ形状)が得られる金型(型温は通常20〜50℃、好ましくは25〜40℃)にディスペンサー等を用いて、硬化後の厚みが50〜150μmとなるように塗工(または充填)し、塗膜上から透明基材(透明フィルムを含む)を空気が入らないように加圧積層し、さらに該透明基材上から紫外線を照射して該塗膜を硬化させた後に、型から離型し成形体(レンズシート)を得る。
透明基材(透明フィルムを含む)としては、メチルメタクリレート(共)重合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリシクロオレフィン等の樹脂からなるものが挙げられる。
本発明の感光性組成物は、360nm〜830nmの活性光線の照射で光硬化できるため、一般的に使用されている高圧水銀灯の他、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ及びハイパワーメタルハライドランプ等(UV・EB硬化技術の最新動向、ラドテック研究会編、シーエムシー出版、138頁、2006)が使用できる。また、LED光源を使用した照射装置も好適に使用できる。紫外線の照射量(mJ/cm2)は、感光性組成物の硬化性および硬化物の可撓性の観点から好ましくは10〜10,000、さらに好ましくは100〜5,000である。活性光線の照射時及び/又は照射後に酸発生剤(B)及び/又は塩基発生剤(C)から発生した酸及び/又は塩基を拡散させる目的で、加熱を行ってもよい。加熱温度は、通常、30℃〜200℃であり、好ましくは35℃〜150℃、更に好ましくは40℃〜120℃である。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に規定しない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
[酸発生剤(B)の製造]
製造例1
[酸発生剤(B122−1){化学式(27)で表される化合物}の合成]
Figure 2014074165
t−ブチルベンゼン[東京化成工業(株)製]8.1部、ヨウ化カリウム[東京化成工業(株)製]5.35部及び無水酢酸20部を酢酸70部に溶解させ、10℃まで冷却し、温度を10±2℃に保ちながら、濃硫酸12部と酢酸15部の混合溶液を1時間かけて滴下した。25℃まで昇温し、24時間攪拌した。その後、反応溶液にジエチルエーテル50部を加え、水で3回洗浄し、ジエチルエーテルを減圧留去した。残渣にカリウム{トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]ホスフェート}118部を水100部に溶解させた水溶液を加え、25℃で20時間攪拌した。その後、反応溶液に酢酸エチル500部を加え、水で3回洗浄し、有機溶剤を減圧留去することで目的とする酸発生剤(B122−1)(淡黄色液体)14.0部を得た。
製造例2
[酸発生剤(B122−2){化学式(28)で表される化合物}の合成]
Figure 2014074165
トルエン[東京化成工業(株)製]6.5部、イソプロピルベンゼン[東京化成工業(株)製]8.1部、ヨウ化カリウム[東京化成工業(株)製]5.35部及び無水酢酸20部を酢酸70部に溶解させ、10℃まで冷却し、温度を10±2℃に保ちながら、濃硫酸12部と酢酸15部の混合溶液を1時間かけて滴下した。25℃まで昇温し、24時間攪拌した。その後、反応溶液にジエチルエーテル50部を加え、水で3回洗浄し、ジエチルエーテルを減圧留去した。残渣にカリウム{トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]ホスフェート}118部を水100部に溶解させた水溶液を加え、25℃で20時間攪拌した。その後、反応溶液に酢酸エチル500部を加え、水で3回洗浄し、有機溶剤を減圧留去することで目的とする酸発生剤(B122−1)(淡黄色液体)14.0部を得た。
[塩基発生剤(C)の製造]
製造例3
[塩基発生剤(C122−1){化学式(29)で表される化合物}の合成]
Figure 2014074165
9−クロロメチルアントラセン(アルドリッチ社製)2.0部をクロロホルムに溶解させ、そこへ、トリオクチルアミン[和光純薬工業(株)製]3.1部を少量ずつ加え(添加後若干の発熱が見られた。)、このまま室温(約25℃)で1時間攪拌して反応液を得た。ナトリウムテトラフェニルボレート塩4.0部及び水40部からなる水溶液に、反応液を少しずつ滴下し、更に1時間室温(約25℃)で攪拌した後、水層を分液操作により除き、有機層を水で3回洗浄した。有機溶剤を減圧留去することで、白色固体7.1部を得た。この白色固体をアセトニトリルで再結晶させて、塩基発生剤(C122−1)(白色固体)6.2部を得た。
製造例4
[塩基発生剤(C122−2){化学式(30)で表される化合物}の合成]
Figure 2014074165
(1)メチルチオキサントン[中間体(C122−2−1)]の合成:
ジチオサリチル酸[和光純薬工業(株)製]10部を硫酸139部に溶解させ、1時間室温(約25℃)で攪拌した後、氷浴にて冷却して冷却溶液を得た。ついで、この冷却溶液の液温を20℃以下に保ちながら、トルエン25部を少しずつ滴下した後、室温(約25℃)にもどし、更に2時間攪拌して反応液を得た。水815部に反応液を少しずつ加えた後、析出した黄色固体を濾別した。この黄色固体をジクロロメタン260部に溶解させ、水150部を加え、更に24%KOH水溶液6.7部を加えて水層をアルカリ性とし、1時間攪拌した後、分液操作にて水層を除去し、有機層を130部の水で3回洗浄した。ついで有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した後、有機溶剤を減圧留去して、中間体(C122−2−1)(黄色固体)8.7部を得た。尚、中間体(C122−2−1)は、2−メチルチオキサントンと3−メチルチオキサントンの混合物である。
(2)2−ブロモメチルチオキサントン[中間体(C122−2−2)]の合成:
中間体(C122−2−1)2.1部をシクロヘキサン120部に溶解させ、これにN−ブロモスクシンイミド[和光純薬工業(株)製]8.3部及び過酸化ベンゾイル[和光純薬工業(株)製]0.1部を加え、還流下で4時間反応させた後(3−メチルチオキサントンは反応しない)、溶剤(シクロヘキサン)を留去し、そこへクロロホルム50部を加えて残渣を再溶解させてクロロホルム溶液を得た。クロロホルム溶液を30部の水で3回洗浄し、分液操作により水層を除去した後、有機溶剤を減圧留去して、褐色固体1.7部を得た。これを酢酸エチルで再結晶させて(3−メチルチオキサントンはここで除かれる)、中間体(C122−2−2)(黄色固体)1.5部を得た。
(3)N−(9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)メチル−N,N,N−トリス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムブロマイド[中間体(C122−2−3)]の合成:
中間体(C122−2−2)(2−ブロモメチルチオキサントン)1.0部をジクロロメタン85gに溶解し、これにトリエタノールアミン[和光純薬工業(株)製]0.5部を滴下した後(滴下後発熱した)、室温(約25℃)下、1時間攪拌し、有機溶剤を減圧留去して、白色固体2.2部を得た。この白色固体をテトラヒドロフラン/ジクロロメタン混合溶液で再結晶させて、中間体(C122−2−3)(褐色固体)1.0部を得た。
(4)塩基発生剤(C122−2)の合成:
ナトリウムテトラフェニルボレート塩[ナカライテスク(株)製]0.8部を水17部で溶解させた水溶液に、あらかじめクロロホルム50部に中間体(C122−2−3)1.0部を溶解させた溶液を少しずつ滴下した後、1時間室温(約25℃)で攪拌し、水層を分液操作により除き、有機層を30部の水で3回洗浄した。有機溶剤を減圧留去して、黄色固体を得た。この黄色固体をアセトニトリル/エーテル混合溶液で再結晶させて、塩基発生剤(C122−2)(微黄色粉末)1.3部を得た。
製造例5
撹拌装置および温度計を取り付けたガラス製の反応容器に、ビスフェノールAのPO2モル付加物[商品名:ニューポールBP−2P、三洋化成工業(株)製]45.7部、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート[商品名:デスモジュールW、住化バイエルウレタン(株)製]を45.9部、触媒としてビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)の2−エチルヘキサン酸50%溶液を0.5部仕込み、攪拌して均一溶液とした後、80℃に昇温した。容器内の温度を80℃に温度調整しながら、1段目のウレタン化反応を6時間行った。
イソシアネート含量が5.85%以下になったのを確認した後、重合禁止の目的で酸素濃度を8%に調整した窒素と酸素の混合気体を液中に通気しながら、ヒドロキシエチルアクリレートを8.4部加え、75℃で2段目のウレタン化反応を2時間行った。イソシアネート含量が0.01%以下になったのを確認した後、60℃に冷却し、ウレタンアクリレート(D1−1)を得た。
製造例6
ビスフェノールAのPO2モル付加物をビスフェノールAのEO10モル付加物[商品名:ニューポールBPE−100、三洋化成工業(株)製]58.8部に、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートをイソホロンジイソシアネート[商品名:VESTANAT IPDI、BASF社製]29.4部に、2−ヒドロキシエチルアクリレートの部数を11.8部に変更した以外は、製造例5と同様の操作でウレタンアクリレート(D1−2)を得た。
製造例7
撹拌装置および温度計を取り付けたガラス製の反応容器に、2−エチルヘキシルアルコールのリン酸エステル[商品名「AP−8」、大八化学(株)製]55.6部を仕込んだ。
ここにジメチルステアリルアミン[商品名「ファーミンDM8098」、花王(株)製]44.4部を投入し50℃で2時間攪拌し、リン酸エステルのアルキルアミン塩(E−1)を得た。
製造例8
2−エチルヘキシルアルコールのリン酸エステルをトリデシルアルコールEO10モル付加物のリン酸エステル[商品名「イオネット1310R」、三洋化成工業(株)製]55.6部に変更した以外は、製造例7と同様の操作でリン酸エステルのアルキルアミン塩(E−2)を得た。
比較製造例1
ビスフェノールAのPO2モル付加物の部数を54.7部に、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートをヘキサメチレンジイソシアネート[商品名:デュラネート50M、旭化成ケミカルズ(株)製]35.2部に、2−ヒドロキシエチルアクリレートの部数を10.0部に変更した以外は、製造例5と同様の操作で比較のためのウレタンアクリレート(D1’−1)を得た。
比較製造例2
ビスフェノールAのPO2モル付加物の部数を54.1部に、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートをトリレンジイソシアネート[商品名:コロネートT−80、日本ポリウレタン工業(株)製]36.0部に、2−ヒドロキシエチルアクリレートの部数を9.9部に変更した以外は、製造例5と同様の操作で比較のためのウレタンアクリレート(D1’−2)を得た。
比較製造例3
ビスフェノールAのPO2モル付加物をポリテトラメチレングリコール[商品名:PTMG−1000、三菱化学(株)製]65.7部に、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの部数を25.8部に、2−ヒドロキシエチルアクリレートの部数を8.5部に変更した以外は、製造例5と同様の操作で比較のためのウレタンアクリレート(D1’−3)を得た。
実施例1〜12および比較例1〜12
表1に記載の各成分と配合量(部)に従って、一括で配合し、ディスパーサーで均一になるまで混合攪拌し、実施例1〜12および比較例1〜12の感光性組成物を得た。
Figure 2014074165
なお、表1中に記載した化合物の記号は、以下の化合物を表す。
(D2−1):フェノキシエチルアクリレート[商品名「ライトアクリレートPO−A」、共栄社化学(株)製]
(D2−2):イソボルニルアクリレート[商品名「ライトアクリレートIBX−A」、共栄社化学(株)製]
(A−1):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名「イルガキュア184」BASF社製]
(A−2):1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド[商品名「ルシリンTPO」、BASF社(株)製]
(D3−1):ビスフェノールAのエチレンオキサイド10モル付加物のジアクリレート[商品名「ニューフロンティアBPE−10」、第一工業製薬(株)製]
(D3−2):1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、[商品名「ビスコート#230」、大阪有機化学工業(株)製]
本発明および比較のための感光性組成物に紫外線を照射して得られた硬化物の、金型離型性、樹脂密着性、ガラス転移温度、全光線透過率、および硬化性を下記の方法で測定した。
その結果を表1に示す。
(1)金型離型性
溝の深さ200μm、ピッチ幅80μmで平行に線を刻んで、微細に凹凸処理を施したSUS製の金型を用意する。
上記感光性組成物をこの金型の表面に厚さが100μmになるように塗工した後、厚さ150μmのポリカーボネート樹脂フィルムを塗工面に乗せ、ローラーを上から転がして空気を押し出して貼り合わせた。
ポリカーボネート樹脂フィルム側から紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、紫外線を1000mJ/cm2照射して、硬化させ、硬化膜を作成した。
上記のフィルムと密着した硬化膜を金型から剥離した後、凹凸の転写が再現されているかをレーザー顕微鏡で判定した。
○:凹凸の転写が再現できている
×:金型に樹脂残りがあり、凹凸の転写が再現できていない
(2)ポリカーボネート樹脂フィルムに対する樹脂密着性
上記の金型離型性評価で金型から剥離した硬化物をJIS K 5600−5−6に準拠し、100個(10個×10個)のマスができるよう1mm幅にカッターナイフで切込みを入れ樹脂密着性を測定した。
測定結果は「試験後に基材フィルム上に残ったマス目/100」で表す。
○:試験後にフィルム上に残ったマス目が100/100
×:試験後にフィルム上に残ったマス目が99/100以下
(3)紫外線照射による硬化物のガラス転移温度
ガラス板の片面に厚さ500μmのシリコンスペーサーを、縦4cm、横0.5cmの四角形になるように配置し、その枠内に上記感光性組成物を乗せた。その上から厚さ75μmの両面未処理のPETフィルム[商品名「ルミラーT-60」東レ(株)製]を樹脂側に貼り合わせ、ローラーを上から転がして空気を押し出した。
PETフィルム側から紫外線照射装置により、紫外線を1000mJ/cm2照射して、硬化させた。硬化物をガラス板およびPETフィルムから剥離し、縦4cm、横0.5cm、厚さ500μmのテストピース作成した。
このテストピースを、JIS−K7244−4に準拠し、動的粘弾性測定装置[商品名「Rheogel−E4000」、(株)ユービーエム製]を用い、10Hzの振動をかけて、引張貯蔵弾性率および引張損失弾性率を測定した。
上記、引張貯蔵弾性率と引張損失弾性率から算出される引張損失係数が最大となる温度をガラス転移温度とし、その温度を読み取った。
(4)透明性(全光線透過率)
上記感光性組成物をガラス板の片面に、厚さが20μmになるようにアプリケーターで塗工した後、両面プライマー処理がされた厚さ100μmのPETフィルム[商品名「コスモシャインA4300」東洋紡績(株)製]を樹脂側に貼り合わせ、ローラーを上から転がして空気を押し出した。
PETフィルム側から紫外線照射装置により、紫外線を1000mJ/cm2照射して、硬化させた。PETフィルムに密着した硬化物をガラス板から剥離し、フィルムを作成した。
このフィルムをJIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−garddual」BYK gardner(株)製]を用いて全光線透過率(%)を測定した。
[硬化性]
実施例1〜12及び比較例1〜12で得た各感光性組成物を、表面処理を施した厚さ100μmの上記PETフィルムに、アプリケーターを用いて膜厚20μm又は80μmとなるように塗布した。露光については下記2種の照射装置を用いて実施した。
(1)上記ベルトコンベア式UV照射装置を使用して露光を行った。露光量は365nmとして150mJ/cm2であった。
(2)スポット式LED照射装置(フォセオン・テクノロジー社製「RX FireFlex」)を使用して露光を行なった。露光量は395nmとして150mJ/cm2であった。
硬化後塗膜の光照射直後の硬化性を、指触及び爪で強く引っ掻くことにより、以下の評価基準で評価した。
◎:表面にタックがなく爪で傷つかない。
○:表面にタックはないが、爪で傷つく。
△:表面にタックがあり、爪で傷つく。
×:未硬化。
本発明の感光性組成物は、硬化性、各種基材への密着性、金型離型性に優れ、かつ、少エネルギー量でも硬化して透明な硬化物を形成可能であるため、光学部材、電気・電子部材として有用である。
また、本発明の感光性組成物が活性光線により硬化されてなる本発明の硬化物を用いた光学部品は、フィルム状、シート状で使われるほか、プラスチックレンズ(プリズムレンズ、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、フレネルレンズ、視野角制御レンズ、コントラスト向上レンズ等)、位相差フィルム、電磁波シールド用フィルム、プリズム、光ファイバー、フレキシブルプリント配線用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間絶縁膜、感光性光導波路として有用である。

Claims (14)

  1. 下記(1)〜(4)を含有する感光性組成物であって、ラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)及び塩基発生剤(C)の内の少なくとも1つが活性光線の照射により活性種(H)を発生し、該活性種(H)がラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)又は塩基発生剤(C)と反応して新たな活性種(I)を生成して該新たな活性種(I)による重合性物質(D)の重合反応が進行し、該活性種(H)又は(I)が酸又は塩基であり、重合性物質(D)が脂環式ジイソシアネート(a)、芳香環含有ジオール(b)、及び水酸基含有(メタ)アクリレート(c)を必須構成単位とする2官能ウレタン(メタ)アクリレート(D1)及び単官能(メタ)アクリレート(D2)を含有し、着色剤、金属酸化物粉末及び金属粉末のいずれもを実質的に含有しないことを特徴とする感光性組成物。
    (1)ラジカル開始剤(A)
    (2)酸発生剤(B)及び/又は塩基発生剤(C)
    (3)重合性物質(D)
    (4)リン酸エステル系金型離型性付与剤(E)
  2. 前記ラジカル開始剤(A)が、活性光線によりラジカルを発生するラジカル開始剤(A1)、又は酸及び/若しくは塩基によりラジカルを発生するラジカル開始剤(A2)であり、前記酸発生剤(B)が、活性光線により酸を発生する酸発生剤(B1)、又はラジカル、酸及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により酸を発生する酸発生剤(B2)であり、前記塩基発生剤(C)が、活性光線により塩基を発生する塩基発生剤(C1)、又はラジカル、酸及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により塩基を発生する塩基発生剤(C2)であって、(A1)、(A2)、(B1)、(B2)、(C1)、又は(C2)を以下の(1)〜(4)のいずれかの組合せで含有する請求項1記載の感光性組成物。
    (1)(A1)、並びに(B2)及び/又は(C2)を含有する。
    (2)(B1)、(A2)、及び必要により(C2)を含有する。
    (3)(C1)、(A2)、及び必要により(B2)を含有する。
    (4)上記(1)〜(3)の2種類以上の組合せ。
  3. 重合性物質(D)及びリン酸エステル系金型離形性付与剤(E)と共に、ラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)及び塩基発生剤(C)を下記(1)〜(4)のいずれかの組合せで含有し、重合性物質(D)が脂環式ジイソシアネート(a)、芳香環含有ジオール(b)、および水酸基含有(メタ)アクリレート(c)を必須構成単位とする2官能ウレタン(メタ)アクリレート(D1)及び単官能(メタ)アクリレート(D2)を含有し、着色剤、金属酸化物粉末及び金属粉末を実質的に含有しないことを特徴とする感光性組成物。
    (1)活性光線によりラジカルを発生するラジカル開始剤(A1)、並びにラジカル、酸及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により酸を発生する酸発生剤(B2)及び/又はラジカル、酸及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により塩基を発生する塩基発生剤(C2)を含有する。
    (2)活性光線により酸を発生する酸発生剤(B1)、酸及び/又は塩基によりラジカルを発生するラジカル開始剤(A2)、並びに必要によりラジカル、酸及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により塩基を発生する塩基発生剤(C2)を含有する。
    (3)活性光線により塩基を発生する塩基発生剤(C1)、酸及び/又は塩基によりラジカルを発生するラジカル開始剤(A2)、並びに必要によりラジカル、酸及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により酸を発生する酸発生剤(B2)を含有する。
    (4)上記(1)〜(3)の2種類以上の組合せ。
  4. 重合性物質(D)中の前記2官能ウレタン(メタ)アクリレート(D1)の含有量が20〜53重量%、単官能(メタ)アクリレート(D2)の含有量が45〜74重量%である請求項1〜3いずれか記載の感光性組成物。
  5. 重合性物質(D)に対するラジカル開始剤(A)の含有量が0.05〜30重量%、重合性物質(D)に対する酸発生剤(B)及び塩基発生剤(C)の含有量〔(B)と(C)の合計〕が0.05〜30重量%、重合性物質(D)に対するリン酸エステル系金型離形性付与剤(E)の含有量が0.07〜1.0重量%である請求項1〜4のいずれか記載の感光性組成物。
  6. 脂環式ジイソシアネート(a)がイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートおよびビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンからなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜5のいずれか記載の感光性組成物。
  7. リン酸エステル系金型離型性付与剤(E)がアルキルリン酸エステル(d)と3級アミン(e)から構成される塩である請求項1〜6いずれか記載の感光性組成物。
  8. 前記活性光線によりラジカルを発生するラジカル開始剤(A1)、又は前記酸及び/若しくは塩基によりラジカルを発生するラジカル開始剤(A2)が、アシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(A121)、α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(A122)、ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(A123)、α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(A124)、ベンゾイン誘導体系重合開始剤(A125)、オキシムエステル誘導体系重合開始剤(A126)、チタノセン誘導体系重合開始剤(A127)、有機過酸化物系重合開始剤(A21)及びアゾ化合物系重合開始剤(A22)からなる群から選ばれる1種以上のラジカル開始剤である請求項2〜7のいずれか記載の感光性組成物。
  9. 前記活性光線により酸を発生する酸発生剤(B1)、又は前記ラジカル、酸及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により酸を発生する酸発生剤(B2)が、スルホニウム塩誘導体(B121)、ヨードニウム塩誘導体(B122)、スルホン酸エステル誘導体(B21)、酢酸エステル誘導体(B22)及びホスホン酸エステル(B23)からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸発生剤である請求項2〜8のいずれか記載の感光性組成物。
  10. 前記活性光線により塩基を発生する塩基発生剤(C1)、又は前記ラジカル、酸及び塩基からなる群から選ばれる少なくとも1種により塩基を発生する塩基発生剤(C2)が、オキシム誘導体(C121)、4級アンモニウム塩誘導体(C122)、4級アミジン塩誘導体(C123)及びカルバメート誘導体(C21)からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩基発生剤である請求項2〜9のいずれか記載の感光性組成物。
  11. プラスチックレンズ(プリズムレンズ、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、フレネルレンズ、視野角制御レンズ、コントラスト向上レンズ等)、位相差フィムル、電磁波シールド用フィルム、プリズム、光ファイバー、フレキシブルプリント配線用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間絶縁膜、感光性光導波路用である請求項1〜10のいずれか記載の感光性組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか記載の感光性組成物が活性光線の照射により硬化されてなる硬化物。
  13. ガラス転移温度が50〜100℃である請求項12記載の硬化物。
  14. ラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)及び/又は塩基発生剤(C)、並びにリン酸エステル系金型離型性付与剤(E)の存在下、着色剤、金属酸化物粉末及び金属粉末のいずれもが実質的に不存在下、活性光線の照射により重合性物質(D)を重合させる活性光線硬化物の製造方法であり、ラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)及び塩基発生剤(C)の内の少なくとも1つが活性光線の照射により活性種(H)を発生し、該活性種(H)がラジカル開始剤(A)、酸発生剤(B)又は塩基発生剤(C)と反応して新たな活性種(I)を生成して該新たな活性種(I)による重合性物質(D)の重合反応が進行し、該活性種(H)又は(I)が酸又は塩基であり、重合性物質(D)が脂環式ジイソシアネート(a)、芳香環含有ジオール(b)、および水酸基含有(メタ)アクリレート(c)を必須構成単位とする2官能ウレタン(メタ)アクリレート(D1)、並びに単官能(メタ)アクリレート(D2)を含有することを特徴とする活性光線硬化物の製造方法。
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