JP2016030259A - 線材又は棒鋼の仕上圧延装置 - Google Patents

線材又は棒鋼の仕上圧延装置 Download PDF

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Abstract

【課題】この発明は、高精度、高応答なインパクトドロップ補償を実現できる線材又は棒鋼の仕上圧延装置を提供することを目的とする。
【解決手段】線材・棒鋼圧延ラインの仕上圧延工程において線材又は棒鋼である材を一方向に連続圧延する複数のスタンドと、前記複数のスタンドにそれぞれ設けられ、個別に算出される電動機トルク指示値に従ってスタンドを駆動する電動機とを有するブロックミルを備える。前記材の先端が前記ブロックミルの第iスタンドに噛み込まれる時に前記第iスタンドの圧延速度に基づいて、前記第iスタンドにおける減速トルクを算出する。前記材の先端が第i+1スタンドに噛み込まれる時のスタンドの速度目標値に応じて設定される前記第i+1スタンドの電動機のトルク目標値に、前記第1スタンドから前記第iスタンドまでの各減速トルクを反映して、前記第i+1スタンドの電動機に与える電動機トルク指示値を算出する。
【選択図】図4

Description

この発明は、線材又は棒鋼の仕上圧延装置に関する。
従来、線材・棒鋼圧延ラインの仕上圧延工程に適用されるブロックミルが知られている。ブロックミルは、圧延ロールを有する複数のスタンドを備え、線材又は棒鋼である材を一方向に連続圧延する。
一般的に、線材・棒鋼圧延ラインの仕上圧延工程に適用されるブロックミルは、1台の電動機により、ギアで機械的に接続された複数のスタンドを駆動するコモンドライブ型である(特許文献1)。
近年では、電動機および駆動制御装置の技術進歩に合わせて、ブロックミルの各スタンドに小容量かつ小スペースの電動機および高精度かつ高応答の駆動制御装置を適用することで、各スタンドを個別に駆動する機械構成のブロックミル(以下、個別駆動型のブロックミルと記す。)が提案されている(特許文献2)。
個別駆動型のブロックミルを採用することで、従来のコモンドライブ型のブロックミルでは機械構成上実現できなかった、各スタンドに配置された電動機の個別制御による高精度、高応答、高品質な圧延を実現できることが期待される。
特開平11−33611号公報 特表2013−508172号公報
しかしながら、個別駆動型のブロックミルを適用する上で課題もある。図8、図9を用いて個別駆動型のブロックミルの課題について説明する。
図8は、コモンドライブ型のブロックミルの構成図である。1台の電動機81がギアボックス82に接続され、ギア83により各スタンド84に動力が分配される。全スタンドがギアで接続されているため、スタンドハウジング85は一体である。
図9は、個別駆動型のブロックミルの構成図である。電動機91は1台ずつ各スタンド92に接続され、スタンド92はそれぞれのギア93の接続により個別駆動される。スタンドハウジング94はスタンドごとに分かれている。
図8において、1000kWの電動機1台で、10台のスタンド(1台のスタンドあたり100kW)を駆動する場合を考える。この場合、スタンドの圧延ロールが材を噛み込んだ時のインパクトの影響は、1000kWの電動機に対して10%の100kW分のみである。また、10台のスタンドがギアで一体となっており、回転系における慣性モーメントは大きいため、圧延速度が目標速度より低下してしまうインパクトドロップの発生量は物理的に小さい。
一方、図9において、100kWの電動機10台で、10台のスタンド(1スタンドあたり100kW)を個別に駆動する場合を考える。この場合、スタンドの圧延ロールが材を噛み込んだ時のインパクトの影響は、100kWの電動機に対して100%の100kW分となる。また、回転系における慣性モーメントも、図8の構成に比してかなり小さくなるため、インパクトドロップの発生量が増大する要因となる。
上記の理由により、インパクトドロップの特性は、コモンドライブ型と個別駆動型とで大きく異なる。しかしながら、線材・棒鋼圧延ラインの仕上圧延工程に適用される個別駆動型のブロックミルに関して、インパクトドロップの発生量を抑制するためのインパクトドロップ補償が十分に検討されていないという問題がある。
例えば、個別駆動型のブロックミルに、板材の圧延ラインで用いられているようなフィードバック制御によるトルク補償を適用することも考えられる。しかしながら、線材・棒鋼圧延ラインの仕上圧延工程においては、板材の圧延に比して圧延速度が高速(例えば、100m/sec)、かつ、ブロックミルのスタンド間が狭いという特徴があり、フィードバック制御では次のスタンドの噛み込み時までに圧延速度が目標速度に収束せず、速度低下がリカバーされる前に、次スタンドの噛み込みによるインパクトドロップが発生してしまい十分な速度制御を実現できない。そのため、他の手法によるインパクトドロップ補償が必要である。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、線材・棒鋼圧延ラインの仕上圧延工程に適用される個別駆動型のブロックミルにおいて、高精度、高応答なインパクトドロップ補償を実現できる線材又は棒鋼の仕上圧延装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、線材又は棒鋼の仕上圧延装置であって、
線材・棒鋼圧延ラインの仕上圧延工程において線材又は棒鋼である材を一方向に連続圧延する第1スタンドから第nスタンド(n≧2)までの複数のスタンドと、前記複数のスタンドにそれぞれ設けられ、個別に算出される電動機トルク指示値に従ってスタンドを駆動する電動機とを有するブロックミルと、
前記複数のスタンドにそれぞれ設けられ、スタンドの圧延速度を検出する速度センサと、
前記材の先端が前記ブロックミルの第iスタンド(1≦i≦n−1)に噛み込まれる時に前記第iスタンドの前記速度センサにより検出される圧延速度に基づいて、前記第iスタンドにおける減速トルクを算出する減速トルク算出手段と、
前記材の先端が第i+1スタンドに噛み込まれる時のスタンドの速度目標値に応じて設定される前記第i+1スタンドの電動機のトルク目標値に、前記減速トルク算出手段により算出された前記第1スタンドから前記第iスタンドまでの各減速トルクを反映して、前記第i+1スタンドの電動機に与える電動機トルク指示値を算出するフィードフォワードトルク補償手段と、を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記材の先端が前記第i+1スタンドに噛み込まれる時のスタンドの速度目標値が前記第i+1スタンドの前記速度センサにより検出される圧延速度よりも小さくなった場合に、前記トルク目標値に反映される前記減速トルクに応じたフィードフォワード補償トルクを低減する過補償抑制手段をさらに備えることを特徴とする。
この発明によれば、前スタンドのインパクトドロップに影響する減速トルク分を検出・記憶し、後段のスタンドにフィードフォワード方式でインパクトドロップ補償を実施するようにしたので、従来のフィードバック制御では成し得なかった高応答のインパクトドロップ補償が実現できる。また、後段スタンドに行くにつれて、インパクトドロップ補償の効果が高まる構成であるため、寸法精度の高い仕上圧延が可能となる。個別駆動式のブロックミルに本発明を適用することで、コモンドライブ型のブロックミルでは機械構成上実現できなかった、各スタンドに配置された電動機の個別制御による、高精度、高応答、高品質の圧延を実現することができる。
本発明の実施の形態1において、個別駆動型のブロックミルのインパクトドロップ補償を実現する信号の流れを示すフロー図である。 従来の圧延スタンド向けの速度制御のブロック線図である。 図2に示す速度制御を用いた圧延のタイミングチャートである。 図2の速度制御系にフィードフォワード補償トルクを加えた速度制御系のブロック線図である。 本発明の実施の形態1のシステムによる圧延のタイミングチャートである。 図4の速度制御系に過補償検出装置を設けた速度制御系のブロック線図である。 図1に示すフィードフォワードによるインパクトドロップ補償を実現する信号のフロー図に、調整装置を組み込んだフロー図である。 コモンドライブ型のブロックミルの構成図である。 個別駆動型のブロックミルの構成図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実施の形態1.
[実施の形態1のシステム構成]
図1は、本発明の実施の形態1において、個別駆動型のブロックミルのインパクトドロップ補償を実現する信号の流れを示すフロー図である。
図1に示す線材又は棒鋼の仕上圧延装置は、線材・棒鋼圧延ラインの仕上圧延工程において線材又は棒鋼である材を一方向に連続圧延する個別駆動型のブロックミル10を備える。ブロックミル10は、n台(n≧2)の圧延スタンドを有する。図1に示す、第1スタンド11、第2スタンド12、第3スタンド13、第nスタンド14はそれぞれ圧延ロールを備える。
第1スタンド11〜第nスタンド14には、圧延ロールを駆動するための電動機がそれぞれ接続されている。具体的には、第1スタンド11には第1電動機21が、第2スタンド12には第2電動機22が、第3スタンドには第3電動機23が、第nスタンドには第n電動機24が接続されている。なお、第1スタンド11〜第nスタンド14および第1電動機21〜第n電動機24の配置は、例えば、図9に示すスタンドおよび電動機と同様である。
また、線材又は棒鋼の仕上圧延装置は、第1電動機21〜第n電動機24に個別に接続する駆動装置を備えている。具体的には、第1電動機21には第1駆動装置31が、第2電動機22には第2駆動装置32が、第3電動機23には第3駆動装置33が、第n電動機24には第n駆動装置34が接続されている。各電動機21〜24は各駆動装置31〜34により個別に制御される。
また、第1電動機21〜第n電動機24には、それぞれ速度センサが取り付けられている。具体的には、第1電動機21には第1速度センサ41が、第2電動機22には第2速度センサ42が、第3電動機23には第3速度センサ43が、第n電動機24には第n速度センサ44が取り付けられている。各スタンド11〜14の圧延ロールの圧延速度は、各速度センサ41〜44により常時検出可能である。
また、第1スタンド11〜第nスタンド14には、それぞれ噛み込み検出装置および記憶装置が設けられている。具体的には、第1スタンド11には第1噛み込み検出装置51および第1記憶装置61が、第2スタンド12には第2噛み込み検出装置52および第2記憶装置62が、第3スタンド13には第3噛み込み検出装置53および第3記憶装置63が、第nスタンド14には第n噛み込み検出装置54が設けられている。第1スタンド11〜第nスタンド14それぞれにおける材の噛み込みは、第1噛み込み検出装置51〜第n噛み込み装置54により検出される。
第1スタンド11〜第3スタンド13において材が圧延ロールに噛み込こまれる時のトルク変動量である減速トルクは、第1記憶装置61〜第3記憶装置63によって記憶される。好ましくは、材の先端が第iスタンド(1≦i≦n−1)に噛み込まれる時から第i+1スタンドに噛み込まれる前までの間の複数点で圧延速度を検出し、検出した圧延速度毎に減速トルクを算出し、各点における減速トルクを時系列データとして記憶する。
[実施の形態1における特徴的制御]
(概要)
次に、本発明の実施の形態1のシステムにおける特徴的制御の概要について説明する。本発明の実施の形態1のシステムでは、まず、第1スタンド11の圧延ロールが材を噛み込んだ時の減速トルク分を第1記憶装置61に記憶させる。そして、第2スタンド12の噛み込み時に、第1スタンド11の減速トルク分の符号を反転させた第1フィードフォワード補償トルクを、第2電動機22のトルク目標値に足し込むフィードフォワード制御によるトルク補償を行う。
第1スタンド11と同様に、第2スタンド12の噛み込み時の減速トルク分を第2記憶装置62に記憶させる。第3スタンド13の噛み込みの際は、第2スタンド12の減速トルク分の符号を反転させた第2フィードフォワード補償トルクに加え、上述した第1フィードフォワード補償トルクを、第3電動機23のトルク目標値に足し込むフィードフォワード制御によるトルク補償を行う。
このように、前スタンドの減速トルク分を符号反転させたものと、前スタンドまでのフィードフォワード補償トルクを、後段スタンドの噛み込みの時の電動機のトルク目標値に足し込む形でフィードフォワード制御によるトルク補償を行う。これを最終スタンド(第nスタンド14)まで繰り返す。
(具体的説明)
より具体的に、本発明の実施の形態1のシステムにおける特徴的制御について説明する。まず、図2と図3を用いて、比較対象について説明する。
図2は、従来の圧延スタンド向けの速度制御のブロック線図である。この制御の目的は圧延速度の目標値への追従である。トルク制御は速度制御系の中のいわゆるマイナーループ制御であり、トルク制御系はメジャーループ制御である速度制御系の外に影響を及ぼすことはない。一般的に上位の速度制御系において、速度目標値は互いのスタンドで干渉して制御されているが、電動機のトルク制御はあくまでも速度追従のためのマイナーループ制御であるため、それぞれのスタンドで独立している。
図3は、図2に示す速度制御を用いた圧延のタイミングチャートである。目標(設定)速度で回転しているスタンドにおいて、圧延ロールが材を噛み込む時のインパクトにより速度低下(ドロップ)が発生する。速度低下はフィードバック速度制御によってある程度の時間を持ってリカバーされる。
しかしながら、上述したように、線材・棒鋼圧延ラインの仕上圧延工程では、板材の圧延に比して圧延速度が高速(例えば、100m/sec)、かつ、ブロックミルのスタンド間の距離も短いという特徴がある。そのため、フィードバック制御では、図3に示すように、インパクトドロップによる速度低下がリカバーされる前に、次スタンドの噛み込みよるインパクトドロップが発生してしまい、十分な速度制御を実現できないという問題がある。
本発明の実施の形態1のシステムでは、この問題を解決するため、上述したフィードフォワード制御によるトルク補償により、個別駆動型のブロックミルの各スタンド噛み込み時の速度低下を低減することとした。より具体的に、図4と図5を用いて説明する。
図4は、図2の速度制御系にフィードフォワード補償トルクを加えた速度制御系のブロック線図である。上述の通り、本発明は前スタンド応答実績からフィードフォワードトルク補償量を算出し、従来の速度制御系にトルク補償として足し込む形で実現される。したがって、比較対象のトルクのマイナーループ制御と異なり、積極的なトルク制御が必要となる。また、図1の通り、前スタンドの結果を直接、後段スタンドのトルク制御に使用しているため、比較対象と異なり電動機のトルク制御が後段スタンドに直接干渉することとなる。
図4は、第iスタンド(i≧2)の速度制御系のブロック線図を示している。ここでは、第2スタンド12を例示して説明する。図4に示す速度目標値Nrefは、第2駆動装置32に接続されている上位のPLC(Programmable Logic Controller)から出力される。図4の速度制御装置71、電動機トルク制御装置72は、第2スタンド12の第2駆動装置32に含まれている。速度制御装置71は、速度目標値Nrefを入力し、材噛み込み時の第2電動機22のトルク目標値Trefを算出する。フィードフォワードトルク補償手段としての電動機トルク制御装置72は、トルク目標値Trefと、第1スタンド(第i−1スタンド)で算出されたフィードフォワード補償トルクTcompとを入力して、電動機トルク指示値を算出する。第2電動機22は、電動機トルク指示値に基づく電動機トルクTで第2スタンド12の圧延ロールを駆動させる。スタンドの圧延速度Nは、速度制御装置71にフィードバックされ、速度目標値Nrefとの偏差は次回の速度目標値に加味される。なお、速度目標値Nrefは、材噛み込み時のほか、材噛み込み後も圧延条件に基づいて逐次更新される。
図5は、本発明の実施の形態1のシステムによる圧延のタイミングチャートである。
スタンド数をn台とする。第iスタンドの圧延速度をN(rpm)、電動機トルクをTm(i)(Nm)、加減速トルクをTacc(i)(Nm)、圧延トルクをTl(i)(Nm)とする(i=1〜n)。
電動機トルクTm(i)、加減速トルクTacc(i)、圧延トルクTl(i)の関係を式(1)に示す。なお、この説明では摩擦による速度低下は無視するため、噛み込み前のトルクは全て0である。
Figure 2016030259
電動機トルクTm(i)は、駆動装置により制御されており、数値として得ることができる。圧延トルクTl(i)を直接測定するためには専用のセンサが必要であることに加え、一般的に線材・棒鋼の仕上圧延のトルクを直接測定するのは困難であることから、ここでは圧延トルクTl(i)は測定不可とする。加減速トルクTacc(i)は、速度センサで検出できる圧延速度Nの数値微分と、既知である回転系の慣性モーメントJ(kgm)とから、式(2)を用いて算出可能である。
Figure 2016030259
第1スタンドのインパクトドロップ特性は前スタンドのフィードフォワード要素がないため、無制御時と変わらず、大きなインパクトドロップが発生する。速度制御系の働きにより、速度低下はリカバーされ、圧延中の電動機トルクは最終的には一定の圧延トルクに落ち着く。
インパクトによる速度低下とは、電動機とスタンドからなる回転系において、減速方向のトルクが発生しているということである。ここで、第1スタンドでの噛み込み時から第2スタンドでの噛み込み前までの、減速トルク分である負の加減速トルクをTdec1と定義し、式(2)を用いてTdec1の時系列データを記憶しておく。
そして、第2スタンドでの噛み込み時のトルク目標値に、前スタンドの噛み込み時の減速トルク分であるTdec1の符号を反転させたフィードフォワード補償トルクTcomp2を足し込むフィードフォワードトルク補償を行う。好ましくは、第1〜第2スタンド間の各時点の時系列データに基づくフィードフォワード補償トルクを第2〜第3スタンド間の各時点のトルク目標値に対応させて順に足し込む。このフィードフォワードトルク補償が有効なのは第2スタンドでの噛み込み時から第3スタンドでの噛み込み前までの間である。第2スタンドのフィードフォワード補償トルクTcomp2は次式(3)で表される。
Figure 2016030259
電動機トルク制御装置72によって、Tcomp2は足し込まれる形となるため、第2スタンドの各トルクの関係は次式(4)となる。
Figure 2016030259
このようなフィードフォワード制御を採用することで、フィードバック制御と異なり、フィードフォワード補償トルクTcomp2により、電動機は噛み込みの瞬間からインパクトドロップを加味したトルクを出力するようになるため、材噛み込みによる速度低下を低減することができる。
第3スタンドのフィードフォワード補償トルクTcomp3は、前スタンドの減速トルク分であるTdec2の符号を反転させた時系列データに、さらに前スタンドのフィードフォワード補償トルクTcomp2を足し合わせたものとする(式(5))。
Figure 2016030259
第3スタンドの各トルクの関係は第2スタンドと同様に次式(6)となる。
Figure 2016030259
式(5)と式(6)による、フィードフォワードトルク補償を最終スタンドまで拡張したものが式(7)と式(8)である。フィードフォワードトルク補償が有効なのはi番目のスタンドの噛み込みから、i+1番目のスタンドの噛み込みまでの間である(i=3〜n)。最終スタンドはタイマー後に制御を無効にする。
Figure 2016030259
Figure 2016030259
式(3)、(4)、(7)、(8)により、図1で示されるフィードフォワードトルク補償を実現する。
実施の形態2.
[実施の形態2における特徴的制御]
上述した実施の形態1においては、後段スタンドに行くにつれて、フィードフォワード補償トルクの量が蓄積されていくことになる。そうすると、蓄積されたフィードフォワード補償により、後段スタンドにおいて必要以上の電動機トルクを出力してしまう可能性がある。過補償(オーバコンペン)が発生すると、寸法精度の低下やスタンド間張力の変化を引き起こすため、過補償の発生を抑制する必要がある。
図6を参照して本発明の実施の形態2の特徴的制御について説明する。図6は、図4の速度制御系に過補償検出装置を設けた速度制御系のブロック線図である。過補償抑制手段としての過補償制御装置73は、速度目標値Nrefと圧延速度Nとを比較し、Nref<Nである場合に過補償であると判断する。過補償である場合には、フィードフォワード補償トルクTcompを低減する。例えば、フィードフォワード補償トルクに係数α(0≦α<1)を乗じた値を新たなフィードフォワード補償トルクとする。低減されたフィードフォワード補償トルクは、電動機トルク制御装置72に入力される。
このように、過補償制御装置73を設けることにより、過補償の発生を抑制することができる。
実施の形態3.
[実施の形態3における特徴的制御]
上述した実施の形態1においては、単純にインパクトドロップによる減速トルク分だけトルク補償を行う。しかしながら、実用上はトルク制御の遅れや各スタンドの調整項が必要である。
図7を参照して本発明の実施の形態3の特徴的制御について説明する。図7は、図1に示すフィードフォワードによるインパクトドロップ補償を実現する信号のフロー図に、調整装置を組み込んだフロー図である。図7に示すように各部に調整装置74を設けることによって、制御開始のタイミングや各スタンドの特性の調整が可能となる。
10 ブロックミル
11−14 第1スタンド、第2スタンド、第3スタンド、第nスタンド
21−24 第1電動機、第2電動機、第3電動機、第n電動機
31−34 第1駆動装置、第2駆動装置、第3駆動装置、第n駆動装置
41−44 第1速度センサ、第2速度センサ、第3速度センサ、第n速度センサ
51−54 第1噛み込み検出装置、第2噛み込み検出装置、第3噛み込み検出装置、第n噛み込み検出装置
61−63 第1記憶装置、第2記憶装置、第3記憶装置
71 速度制御装置
72 電動機トルク制御装置
73 過補償制御装置
74 調整装置
81、91 電動機
82 ギアボックス
83、93 ギア
84、92 スタンド
85、94 スタンドハウジング

Claims (2)

  1. 線材・棒鋼圧延ラインの仕上圧延工程において線材又は棒鋼である材を一方向に連続圧延する第1スタンドから第nスタンド(n≧2)までの複数のスタンドと、前記複数のスタンドにそれぞれ設けられ、個別に算出される電動機トルク指示値に従ってスタンドを駆動する電動機とを有するブロックミルと、
    前記複数のスタンドにそれぞれ設けられ、スタンドの圧延速度を検出する速度センサと、
    前記材の先端が前記ブロックミルの第iスタンド(1≦i≦n−1)に噛み込まれる時に前記第iスタンドの前記速度センサにより検出される圧延速度に基づいて、前記第iスタンドにおける減速トルクを算出する減速トルク算出手段と、
    前記材の先端が第i+1スタンドに噛み込まれる時のスタンドの速度目標値に応じて設定される前記第i+1スタンドの電動機のトルク目標値に、前記減速トルク算出手段により算出された前記第1スタンドから前記第iスタンドまでの各減速トルクを反映して、前記第i+1スタンドの電動機に与える電動機トルク指示値を算出するフィードフォワードトルク補償手段と、
    を備えることを特徴とする線材又は棒鋼の仕上圧延装置。
  2. 前記材の先端が前記第i+1スタンドに噛み込まれる時のスタンドの速度目標値が前記第i+1スタンドの前記速度センサにより検出される圧延速度よりも小さくなった場合に、前記トルク目標値に反映される前記減速トルクに応じたフィードフォワード補償トルクを低減する過補償抑制手段、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の線材又は棒鋼の仕上圧延装置。
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