JP2016030037A - 超音波プローブ及び超音波プローブ製造方法 - Google Patents

超音波プローブ及び超音波プローブ製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】超音波プローブを簡易に製造する方法を提供する。【解決手段】複数の超音波振動子21と、配線部25と、背面負荷材24とを備える。配線部は、超音波振動子の第1の面側に配置される部分を有し、送受信回路、及び電位が所定の基準電位である導体が少なくとも一部に設けられている。背面負荷材は、超音波振動子の第2の面側に配置され、少なくとも、超音波振動子側の第3の面と、配線部に設けられた導体が位置する側の第4の面の一部の部分とに導電性を有する導電部が形成されている。そして、第3の面に形成された導電部と第2の電極とが接続され、第4の面の一部の部分上に形成された導電部と導体とが接続されている。そして、複数の超音波振動子のそれぞれは、配線部の第1の面側の面から、第1の面と背面負荷材の第3の面との間のいずれかの部分までの溝により分けられている。【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、超音波プローブ及び超音波プローブ製造方法に関する。
超音波診断装置は、被検体内を超音波で走査することにより被検体内からの反射波を受信し、受信した反射波に基づいて、被検体の内部状態を画像化した超音波画像を生成する。例えば、超音波診断装置は、超音波プローブから被検体内に超音波を送信し、被検体内部で音響インピーダンスの不整合によって生じる反射波を超音波プローブで受信し、超音波プローブが受信した反射波に基づいて、超音波画像を生成する。
かかる超音波プローブは、被検体に対して超音波を放射する超音波振動子を有する。超音波振動子は、超音波の放射面に設けられたグランド電極と、放射面とは反対側の背面に設けられた信号電極とを有する。グランド電極には、例えば、グランド接地用のフレキシブル配線板(FPC:Flexible printed circuits)が接続される。また、信号電極には、例えば、信号引き出し用のフレキシブル配線板が接続される。これにより、信号引き出し用のフレキシブル配線板を介して、信号電極と、送受信回路とが接続される。
ここで、上述した超音波プローブでは、信号引き出し用のフレキシブル配線板と接続される信号電極が背面側にあり、超音波振動子同士が短絡しないようにする必要がある。すなわち、複数の超音波振動子を完全に分離する必要がある。そのため、上述した超音波プローブを製造する超音波プローブ製造方法における、圧電材料板をダイシングにより加工して複数の超音波振動子を信号引き出し用のフレキシブル配線板上に形成する工程において、超音波振動子の信号電極が完全に分離されるように、圧電材料板を切削する必要がある。しかしながら、ダイシングによって、信号引き出し用のフレキシブル配線板を傷つけずに、信号電極を完全に分離することは困難である。そのため、上述した超音波プローブ製造方法では、簡易に超音波プローブを製造することができない。
特開2013−141243号公報 国際公開第2011−033666号公報
本発明が解決しようとする課題は、簡易に製造することができる超音波プローブ及び超音波プローブ製造方法を提供することである。
実施形態の超音波プローブは、複数の超音波振動子と、配線部と、背面負荷材とを備える。複数の超音波振動子は、超音波が放射される第1の面に第1の電極が設けられ、前記第1の面とは反対側の第2の面に第2の電極が設けられている。配線板は、前記超音波振動子の前記第1の面側に配置される部分を有し、前記複数の超音波振動子に対して駆動信号を供給し、前記複数の超音波振動子が反射波を受信することで発生した反射波信号を受信する送受信回路、及び電位が所定の基準電位である導体が少なくとも一部に設けられている。背面負荷材は、前記超音波振動子の前記第2の面側に配置され、少なくとも前記超音波振動子側の第3の面と、前記配線部に設けられた前記導体が位置する側の第4の面の一部の部分とに導電性を有する導電部が形成されている。そして、実施形態の超音波プローブでは、前記第3の面に形成された前記導電部と前記第2の電極とが接続され、前記第4の面の一部の部分上に形成された前記導電部と前記導体とが接続されている。そして、実施形態の超音波プローブでは、前記複数の超音波振動子のそれぞれは、前記配線部の前記第1の面側の面から、前記第1の面と前記背面負荷材の前記第3の面との間のいずれかの部分までの溝により分けられている。
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成を説明するための図である。 図2は、第1の実施形態に係る超音波プローブが有する超音波トランスデューサの一例の斜投影図である。 図3は、図2の切断線A−Aにおける超音波トランスデューサの断面図である。 図4は、第1の実施形態に係る超音波プローブ製造方法の一例について説明するための図である。 図5Aは、ダイシングにより形成する溝の深さの様々な例を説明するための図である。 図5Bは、ダイシングにより形成する溝の深さの様々な例を説明するための図である。 図5Cは、ダイシングにより形成する溝の深さの様々な例を説明するための図である。 図5Dは、ダイシングにより形成する溝の深さの様々な例を説明するための図である。 図6は、第1の実施形態に係る変形例について説明するための図である。 図7は、第2の実施形態に係る超音波プローブが有する超音波トランスデューサの一例の斜投影図である。 図8は、図7の切断線B−Bにおける超音波トランスデューサの断面図である。 図9は、考えられる超音波プローブの超音波トランスデューサの構成の一例を示す図である。 図10は、考えられる他の例の超音波プローブの超音波トランスデューサの構成を示す図である。
以下、添付図面を参照して、超音波プローブ及び超音波プローブ製造方法の各実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る超音波プローブが適用された超音波診断装置の構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置100の構成を説明するための図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る超音波診断装置100は、超音波プローブ1と、モニタ2と、入力装置3と、装置本体10とを有する。
超音波プローブ1は、超音波を送信するとともに反射波を受信する超音波トランスデューサを有する。超音波トランスデューサは、複数の超音波振動子を有する。複数の超音波振動子は、後述する装置本体10が有する送受信部11から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。そして、複数の超音波振動子は、被検体Pからの反射波を受信して、受信した反射波を電気信号に変換する。超音波トランスデューサは、超音波振動子に設けられる音響整合層と、超音波振動子から後方への超音波の伝播を抑制する背面負荷材(バッキング材)等を有する。超音波プローブ1は、装置本体10と着脱自在に接続される。
例えば、超音波プローブ1から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波として超音波プローブ1が有する複数の超音波振動子にて受信される。反射波は、当該反射波を受信した超音波振動子で電気信号である反射波信号に変換される。反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
第1の実施形態では、超音波プローブ1が、1次元状に超音波振動子が配列された超音波プローブである場合について説明する。第1の実施形態に係る超音波プローブ1は、詳細については後述するが、簡易に製造することができる。
モニタ2は、超音波診断装置100の操作者が入力装置3を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体10において生成された超音波画像等を表示したりする。
入力装置3は、トラックボール、スイッチ、ダイヤル、タッチコマンドスクリーン等を有する。入力装置3は、超音波診断装置100の操作者からの各種設定要求を受け付け、装置本体10に対して、受け付けた各種設定要求を転送する。例えば、入力装置3は、超音波プローブ1を制御するための各種設定要求を受け付けて、制御部17に転送する。
装置本体10は、超音波プローブ1による超音波の送受信を制御して、超音波プローブ1が受信した反射波に基づいて超音波画像を生成する装置である。装置本体10は、図1に示すように、送受信部11と、Bモード処理部12と、ドプラ処理部13と、画像生成部14と、画像メモリ15と、内部記憶部16と、制御部17とを有する。
送受信部11は、トリガ発生回路、遅延回路およびパルサ回路等を有し、超音波プローブ1に駆動信号を供給する。パルサ回路は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。また、遅延回路は、超音波プローブ1から発生される超音波をビーム状に集束して送信指向性を決定するために必要な超音波振動子ごとの遅延時間を、パルサ回路が発生する各レートパルスに対し与える。また、トリガ発生回路は、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ1に駆動信号(駆動パルス)を印加する。すなわち、遅延回路は、各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、超音波振動子面からの送信方向を任意に調整する。
また、送受信部11は、後述する制御部17の指示に基づいて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、または、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
また、送受信部11は、アンプ回路、A/D変換器、加算器等を有し、超音波プローブ1において発生した反射波信号に対して各種処理を行なって反射波データを生成する。アンプ回路は、反射波信号をチャンネルごとに増幅してゲイン補正処理を行なう。A/D変換器は、ゲイン補正された反射波信号をA/D変換し、デジタルデータに受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与える。加算器は、A/D変換器によって処理された反射波信号の加算処理を行なって反射波データを生成する。加算器の加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。このように、送受信部11は、超音波の送受信における送信指向性と受信指向性とを制御する。
Bモード処理部12は、送受信部11から反射波データを受信し、対数増幅、包絡線検波処理等を行なって、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。
ドプラ処理部13は、送受信部11から受信した反射波データから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワー等の移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。
画像生成部14は、Bモード処理部12及びドプラ処理部13が生成したデータから超音波画像を生成する。すなわち、画像生成部14は、Bモード処理部12が生成したBモードデータから反射波の強度を輝度にて表したBモード画像を生成する。
また、画像生成部14は、ドプラ処理部13が生成したドプラデータから移動体情報を表す平均速度画像、分散画像、パワー画像、又は、これらの組み合わせ画像としてのカラードプラ画像を生成する。
画像メモリ15は、画像生成部14が生成した超音波画像を記憶するメモリである。また、画像メモリ15は、Bモード処理部12やドプラ処理部13が生成したデータを記憶することも可能である。
内部記憶部16は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行なうための制御プログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)や、診断プロトコルや各種ボディーマーク等の各種データを記憶する。また、内部記憶部16は、必要に応じて、画像メモリ15が記憶する画像の保管等にも使用される。
制御部17は、情報処理装置(計算機)としての機能を実現する制御プロセッサ(CPU:Central Processing Unit)であり、超音波診断装置100の処理全体を制御する。具体的には、制御部17は、入力装置3を介して操作者から入力された各種設定要求や、内部記憶部16から読込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送受信部11、Bモード処理部12、ドプラ処理部13及び画像生成部14の処理を制御する。また、制御部17は、画像メモリ15が記憶する超音波画像や、内部記憶部16が記憶する各種画像、又は、画像生成部14による処理を行なうためのGUI、画像生成部14の処理結果等をモニタ2にて表示するように制御する。
以上、第1の実施形態に係る超音波診断装置100の全体構成について説明した。かかる構成のもと、第1の実施形態に係る超音波診断装置100に適用された超音波プローブ1は、詳細を以下に説明するように、簡易に製造することができる超音波プローブである。
次に、図2及び図3を参照して、第1の実施形態に係る超音波プローブ1が有する超音波トランスデューサ20の構成の一例について説明する。図2は、第1の実施形態に係る超音波プローブ1が有する超音波トランスデューサ20の一例の斜投影図である。図3は、図2の切断線A−Aにおける超音波トランスデューサ20の断面図である。なお、図2の例では、超音波トランスデューサ20が模式的に示されており、後述のフレキシブル配線板25、基板26、音響レンズ27等の図示が省略されている。
図2及び図3の例に示すように、超音波トランスデューサ20は、複数の超音波振動子21、音響整合層22、導電接着部23、背面負荷材24、フレキシブル配線板25、基板26及び音響レンズ27を有する。
超音波振動子21は、圧電性を有する圧電素子である。例えば、超音波振動子21は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛/Pb(Zr,Ti)O)、PMN−PT(マグネシウムニオブ酸鉛−チタン酸鉛/Pb(Mg1/3Nb2/3)O−PbTiO)等の圧電素子である。第1の実施形態では、複数の超音波振動子21は、背面負荷材24の所定の面に、1次元状に配列されて設けられている。超音波振動子21の超音波が放射される側の面(超音波の放射面)には、信号電極21aが設けられている。また、超音波振動子21の超音波の放射面側とは反対側の面(背面)には、グランド電極21bが設けられている。なお、信号電極21aは、第1の電極の一例であり、グランド電極21bは、第2の電極の一例である。
複数の超音波振動子21は、後述の送受信回路26aからの駆動信号によって駆動されて、信号電極21a側の面から超音波を放射する。また、複数の超音波振動子21は、反射波を受信すると、受信した反射波を反射波信号に変換し、変換した反射波信号を信号電極21aから出力する。グランド電極21bの信号電極21a側と反対側の面は、背面負荷材24の後述の導電性の導電膜24aと接着されている。例えば、グランド電極21bの信号電極21a側と反対側の面と、後述の導電膜24aとは、導電粒子入りの導電接着剤によって導電接着される。この場合、導電接着剤は、粘性が高く、接着の際に強い加圧力を必要としないことから、グランド電極21bの信号電極21a側と反対側の面と、後述の導電膜24aとの間には、一定の厚みを有する導電接着部23が形成される。
なお、グランド電極21bの信号電極21a側と反対側の面と、後述の導電膜24aとを、粘性が低く絶縁性が高いエポキシ樹脂等により接着することもできる。この場合、接着の際に強い加圧力を加えながら加熱硬化させることで、グランド電極21bの信号電極21a側と反対側の面と、後述の導電膜24aとを圧接接合して信号を引き出すことができる。
信号電極21aのグランド電極21b側とは反対側の面には、音響整合層22が設けられている。音響整合層22は、少なくとも1層以上の音響整合層である。音響整合層22は、超音波振動子21から放射される超音波が効率よく被検体P内に入射されるように、超音波振動子21と被検体Pとの間の音響インピーダンスの不整合を緩和する。
また、音響整合層22は、導電性を有する材料が用いられる。音響整合層22の超音波振動子21側とは反対側の面には、フレキシブル配線板25が電気的に接続される。これにより、音響整合層22及びフレキシブル配線板25を介して、信号電極21aと後述の送受信回路26aとが電気的に接続される。フレキシブル配線板25は、可撓性を有する配線板の一例である。また、配線板は、配線部の一例である。
フレキシブル配線板25は、例えば、両面FPCである。フレキシブル配線板25が両面FPCである場合、フレキシブル配線板25の音響整合層22側とは反対側の面には、複数の超音波振動子21のそれぞれに接続される配線パターンのそれぞれが設けられている。それぞれの配線パターンは、フレキシブル配線板25の両面を電気的に接続するスルーホールを介して、フレキシブル配線板25の背面側に設けられた接着用パッド(図示せず)に接続されている。接着用パッドのそれぞれは、接続される対象の超音波振動子21に電気的に接続された音響整合層22の位置に応じた、フレキシブル配線板25の背面側の面の位置に設けられている。そして、各接着用パッドと、対応する音響整合層22とが接着される。これにより、フレキシブル配線板25の音響整合層22側とは反対側の面に超音波振動子21ごとに設けられた配線パターンを介して、信号電極21aと後述の送受信回路26aとが電気的に接続される。
なお、フレキシブル配線板25として、片面FPCを用いることもできる。フレキシブル配線板25が片面FPCである場合、フレキシブル配線板25の音響整合層22側の面には、複数の超音波振動子21のそれぞれに接続される配線パターンのそれぞれが設けられている。フレキシブル配線板25として片面FPCを用いた場合には、両面FPCを用いる場合よりもコスト面や音響性能面において優れている。
また、フレキシブル配線板25の背面側の面には、配線パターン25aが露出した状態で設けられている。配線パターン25aは、電位が所定の基準電位であるグランドパターンである。配線パターン25aは、電位が所定の基準電位である導体の一例である。
そして、図3に示すように、フレキシブル配線板25は、背面負荷材24の側面と略平行になるように、折り曲げられている。配線パターン25aと後述の導電膜24aは、電気的に接続されている。例えば、配線パターン25aと後述の導電膜24aは、導電接着剤により接着される。ここで、配線パターン25aと後述の導電膜24aとを接着する際に用いる導電接着剤の一例としては、導電粒子が混合分散されたエポキシ接着剤が挙げられる。このような導電接着剤を用いた場合、接着の際に強い加圧力を加えながら加熱硬化させることで、配線パターン25aと、後述の導電膜24aとを圧接接合することができる。
なお、配線パターン25aと後述の導電膜24aとを接着する際に、導電粒子入りの粘性が高い導電接着剤を用いることもできる。この場合、導電接着剤は、粘性が高く、接着の際に強い加圧力を必要としないことから、配線パターン25aと後述の導電膜24aとの間には、図3に例示するように、一定の厚みを有する導電接着部28が形成される。ここで、導電接着部28の厚みを数十μm〜100μmに制御することができる。
上述したように、配線パターン25aと後述の導電膜24aが接続されていることにより、配線パターン25aと後述の導電膜24aを介して、グランド電極21bと後述の送受信回路26aとが電気的に接続される。
背面負荷材24は、超音波振動子21から背面方向(後方)への超音波の伝播を抑制する。背面負荷材24は、タングステン等の金属やアルミナ、酸化亜鉛等の金属酸化物を充填した樹脂(例えば、エポキシ樹脂)、または、ゴム等を含む非導電体である。背面負荷材24の表面には、メッキ等の手段により、導電性を有する導電膜24aが形成されている。このように、本実施形態では、背面負荷材24の表面が導電化されている。なお、導電膜24aは、導電部の一例である。
導電膜24aとしては、表面が酸化や腐食等の影響を抑制するために金の薄膜で覆われることが好ましい。しかしながら、金は高価であり、背面負荷材24との密着性が良好でないため、ニッケルやクロム等の下地処理を施した上で、金の薄膜を形成することが更に好ましい。このような導電膜24aの厚みは、一般的なフレキシブル配線板の厚みよりも薄い。
なお、背面負荷材24に形成される導電膜24aは、図3に例示されているように、背面負荷材24の表面全周に亘って形成されていなくともよい。背面負荷材24に形成される導電膜24aは、少なくとも、背面負荷材24の超音波振動子21側の面と、配線パターン25aが位置する側の面の一部の部分とに形成されていればよい。ここで、背面負荷材24の超音波振動子21側の面に形成された導電膜24aと、配線パターン25aが位置する側の面の一部の部分に形成された導電膜24aとは、繋がっており、導通している必要がある。また、背面負荷材24の超音波振動子21側の面、及び、配線パターン25aが位置する側の面の一部の部分以外の背面負荷材24の表面にマスキングを施しておくことで、絶縁性を維持することもできる。
基板26は、送受信回路26aを有する。送受信回路26aは、基板26上に設けられた配線パターン(図示せず)に接続されている。フレキシブル配線板25が両面FPCである場合、送受信回路26aに接続された配線パターンは、フレキシブル配線板25の音響整合層22側とは反対側の面に超音波振動子21ごとに設けられた配線パターンに、フレキシブル配線板25に形成されたスルーホール(図示せず)を介して電気的に接続されている。また、フレキシブル配線板25が片面FPCである場合、送受信回路26aに接続された配線パターンは、フレキシブル配線板25の音響整合層22側の面に超音波振動子21ごとに設けられた配線パターンに電気的に接続されている。さらに、送受信回路26aに接続された配線パターンは、配線パターン25aに電気的に接続されている。したがって、送受信回路26aと、信号電極21a及びグランド電極21bとは電気的に接続されている。
例えば、フレキシブル配線板25は、基板26へのACF(Anisotropic Conductive Film)接続によって、基板26と電気的に接続される。
送受信回路26aは、超音波振動子21と各種の信号の送受信を行う。例えば、送受信回路26aは、装置本体10から送信された駆動信号を受信すると、受信した駆動信号を、駆動対象の超音波振動子21に対して送信することにより、駆動対象の超音波振動子21の両電極(信号電極21a及びグランド電極21b)間を駆動信号に応じた電圧で印加する。すなわち、送受信回路26aは、超音波送信用の駆動信号を超音波振動子21に供給する。これにより、超音波振動子21が駆動されて超音波が放射される。
また、送受信回路26aは、複数の超音波振動子21から出力された反射波信号を受信すると、受信した反射波信号に対して公知の束ね処理を施して、束ね処理が施された反射波信号を装置本体10の送受信部11に送信する。
なお、送受信回路26aは、更に、上述の送受信部11の各種の機能を有することもできる。この場合、装置本体10では、送受信部11が省かれる。
音響レンズ27は、超音波を集束させる。音響レンズ27は、フレキシブル配線板25の超音波が放射される方向側の面に設けられる。
次に、図4を参照して、第1の実施形態に係る超音波プローブ1(超音波トランスデューサ20)の製造方法(超音波プローブ製造方法)の一例について説明する。図4は、第1の実施形態に係る超音波プローブ1の製造方法の一例について説明するための図である。
図4の例に示すように、工程1では、圧電材料板30に音響整合層22が積層された積層体31を、表面に導電膜24aが形成されることにより表面が導電化された背面負荷材24の所定の面に接着する。ここで、圧電材料板30には、超音波が放射される面に信号電極21aが設けられ、超音波が放射される面とは反対側の面にグランド電極21bが設けられている。工程1では、例えば、グランド電極21bの信号電極21a側と反対側の面と、導電膜24aとを、上述したように、導電粒子入りの導電接着剤によって導電接着する。この場合、導電接着剤は、粘性が高く、接着の際に強い加圧力を必要としないことから、グランド電極21bの信号電極21a側と反対側の面と、導電膜24aとの間には、一定の厚みを有する導電接着部23が形成される。
なお、工程1において、グランド電極21bの信号電極21a側と反対側の面と、導電膜24aとを、上述したように、粘性が低く絶縁性が高いエポキシ樹脂等により接着することもできる。この場合、接着の際に強い加圧力を加えながら加熱硬化させることで、グランド電極21bの信号電極21a側と反対側の面と、導電膜24aとを圧接接合して信号を引き出すことができる。なお、この場合には、圧接接合されているため、エポキシ樹脂の厚さが無視できるほど薄くなる。
また、工程1において、圧電材料板30に音響整合層22が積層された積層体31ではなく、音響整合層22が積層されていない圧電材料板30を、表面が導電化された背面負荷材24の所定の面に接着するようにしてもよい。
次に、工程2では、積層体31の上面31aから、圧電材料板30の超音波が放射される面(電極21a側の面)と背面負荷材24の圧電材料板30側の面との間のいずれかの部分までダイシング等により溝を形成することで、複数の超音波振動子21を背面負荷材24上に形成する。
ここで、第1の実施形態では、超音波振動子21の背面側の電極は、共通電位のグランド電極21bである。それゆえ、ダイシングによる溝によって分けられている超音波振動子21は、音響的に分離されていればよく、超音波振動子の背面側の電極が信号電極である場合とは異なり、超音波振動子21の背面側の電極(グランド電極21b)を電気的に分離する必要がない。このため、第1の実施形態では、ダイシングにより形成される溝の深さは、積層体31の上面31aから、圧電材料板30の超音波が放射される面(信号電極21a側の面)と背面負荷材24の圧電材料板30側の面との間のいずれかの部分までであればよい。そのため、第1の実施形態に係る超音波プローブ製造方法によれば、良品を製造する際におけるダイシングにより形成される溝の深さの範囲が広いため、ダイシング加工時の困難性を低減することができ、簡易に超音波プローブ1を製造することができる。
また、第1の実施形態に係る超音波プローブ製造方法によれば、ダイシング加工時の困難性を低減することができることから、加工タクトタイムの増大を抑制することができる。
また、第1の実施形態に係る超音波プローブ製造方法によれば、超音波振動子の背面側の電極が信号電極である場合と比較して、ダイシングによって深く切削する必要がなく、超音波振動子21や背面負荷材24のダイシング時の負荷を抑制することができる。従って、第1の実施形態に係る超音波プローブ製造方法によれば、良品である確率が高い超音波プローブ1を製造することができる。それゆえ、第1の実施形態に係る超音波プローブ製造方法によれば、歩留まりを良好にすることができる。
さらに、第1の実施形態に係る超音波プローブ製造方法によれば、加工タクトタイムの増大を抑制することができ、歩留まりを良好にすることができることから、超音波プローブ1を製造する際に要するコストの増大を抑制することができる。
ここで、ダイシングによって圧電材料板に溝を入れて超音波振動子を形成する際に、超音波振動子の下面のフレキシブル配線板を傷つけずに超音波振動子を確実に分離する技術として、予め下面にダイシングによる溝を入れる技術がある。かかる技術は、工程が煩雑となる。しかしながら、第1の実施形態に係る超音波プローブ製造方法によれば、このような煩雑な工程を有する技術を用いることなく、良品である確率が高い超音波プローブ1を製造することができる。それゆえ、この点からも、第1の実施形態に係る超音波プローブ製造方法によれば、簡易に超音波プローブ1を製造することができるといえる。
また、以上のことから、第1の実施形態に係る超音波プローブ1は、簡易に製造することができる。
第1の実施形態では、ダイシングにより形成する溝の深さに様々なバリエーションが考えられる。例えば、図4の例に示すように、工程2では、上面31aから、グランド電極21bまでの深さの溝を形成してもよい。この場合には、超音波振動子21は、完全に分割され、音響的に完全に分離されるため、音響性能(指向性の広さ)が優れている。
図5A〜図5Dは、ダイシングにより形成する溝の深さの様々な例を説明するための図である。ダイシングにより形成する溝の深さを、上面31aから導電接着部23の途中までの深さとしてもよい。例えば、図5Aの例に示すように、工程2では、上面31aから、導電接着部23の途中までの深さの溝を形成することもできる。この場合においても、超音波振動子21は、完全に分割され、音響的に完全に分離される。このため、音響性能が優れている。また、工程2において、上面31aから背面負荷材24の途中までの深さの溝を形成することもできる。なお、導電接着部23の厚みを数十μm〜100μmに制御することができるので、背面負荷材24がゴムを主成分とする場合には、このような背面負荷材24と比較して、導電接着部23の切削性は優れている。
ここで、導電接着部23の厚みを数十μm〜100μmに制御した場合には、導電接着部23はある程度の厚みを持つので、ダイシングにより形成する溝のクリアランスを確保することができ、上述したような下面にダイシングによる溝を入れることが不要となる。
また、ダイシングにより形成する溝の深さを、上面31aから、超音波振動子21の上下電極間(信号電極21aとグランド電極21bとの間)の任意の位置までの深さとしてもよい。例えば、図5Bの例に示すように、工程2では、上面31aから、超音波振動21の切削方向の長さをLとした場合の(L×(9/10))まで深さの溝を形成してもよい。なお、図5Bの例は、グランド電極21bの信号電極21a側と反対側の面と、導電膜24aとが圧接接合された場合を示す。この場合、溝の深さをグランド電極21bに限りなく近づけることで、音響的には問題のないレベルまで分離することができる。また、超音波振動子21を完全に分割しないのでダイシング時の負荷が低減され、加工性が向上する。
また、超音波振動子21の背面側に中間層を設け、ダイシングにより形成する溝の深さを、上面31aから、中間層の途中までの深さとしてもよい。例えば、図5Cの例に示すように、超音波振動子21の背面側に中間層32を設け、工程2では、上面31aから、中間層32の途中までの深さの溝を形成してもよい。中間層32としては、例えば、超音波振動子21と比較して高い音響インピーダンスを有し、導電性であるタングステン等の金属、または、金属粉からなる混合焼結体が用いられる。このような中間層32は、極めて高い音響インピーダンスを有するために、超音波振動子21の背面側は音響的影響が受けにくい。そのため、中間層32を完全に分割しなくとも超音波振動子21の背面側の音響的影響は小さい。
また、図5Dの例に示すように、工程2では、上面31aから、超音波振動子21の途中までの深さの溝を形成してもよい。
図4の説明に戻り、次の工程3では、フレキシブル配線板25を、超音波振動子21の超音波が放射される面側に配置して、複数の超音波振動子21の信号電極21aとフレキシブル配線板25とを接続する。なお、工程3におけるフレキシブル配線板25は、送受信回路26aに接続され、電位が所定の基準電位である配線パターン25aが設けられている。
例えば、工程3では、フレキシブル配線板25の背面側に設けられた各接着用パッド(図示せず)と、対応する音響整合層22とを加圧・接着する。なお、加圧・接着する際には、顕微鏡観察により、各接着用パッドと音響整合層22との位置合わせを行う。ここで、フレキシブル配線板25は、半透明であるので、音響整合層22の位置が確認可能である。
次に、工程4では、背面負荷材24の表面と配線パターン25aとを接続する。例えば、工程4では、導電粒子入りの粘性が高い導電接着剤を用いて、配線パターン25aと導電膜24aを接着する。この場合、導電接着剤は、粘性が高く、接着の際に強い加圧力を必要としないことから、配線パターン25aと導電膜24aとの間には、図4に例示するように、一定の厚みを有する導電接着部28が形成される。
なお、工程4において、導電粒子が混合分散されたエポキシ接着剤を用いて、配線パターン25aと導電膜24aを接着することもできる。この場合、強い加圧力を加えながら加熱硬化させることで、配線パターン25aと、導電膜24aとを圧接接合することができる。
次に、工程5では、音響レンズ27を、フレキシブル配線板25の音響整合層22側とは反対側の面に接着する。
以上、第1の実施形態に係る超音波プローブ1及び超音波プローブ製造方法について説明した。上述したように、第1の実施形態に係る超音波プローブ1は、簡易に製造することができる。
また、上述したように、第1の実施形態に係る超音波プローブ製造方法によれば、良品を製造する際のダイシングにより形成される溝の深さの範囲が広いため、ダイシング加工時の困難性を低減することができ、簡易に超音波プローブ1を製造することができる。
また、第1の実施形態に係る超音波プローブ製造方法によれば、ダイシング加工時の困難性を低減することができることから、加工タクトタイムの増大を抑制することができる。
また、第1の実施形態に係る超音波プローブ製造方法によれば、歩留まりを良好にすることができる。
さらに、第1の実施形態に係る超音波プローブ製造方法によれば、加工タクトタイムの増大を抑制することができ、歩留まりを良好にすることができることから、超音波プローブ1を製造する際に要するコストの増大を抑制することができる。
(第1の実施形態に係る変形例)
なお、上述した第1の実施形態では、超音波振動子21の放射面側に、信号電極21aが設けられているため、放射電波を低減し、また、電波ノイズに対する耐性を高めるために、放射面をシールド部材で覆うことが好ましい。そこで、このような実施形態を第1の実施形態の変形例として、図6を用いて説明する。
図6は、第1の実施形態に係る変形例について説明するための図である。図6に示すように、シールド部材33が、フレキシブル配線板25と音響レンズ27との間に設けられている。シールド部材33は、放射電波を低減し、また、電波ノイズに対する耐性を高める。例えば、フレキシブル配線板25が両面FPCである場合、厚さが7〜25μmのベースフィルムにスパッタ等によって、シールド部材33として導電薄膜をフレキシブル配線板25に形成することができる。また、フレキシブル配線板25が片面FPCである場合、直接、導電薄膜を形成することができる。以上、第1の実施形態に係る変形例について説明した。第1の実施形態に係る変形例によれば、放射電波を低減し、電波ノイズに対する耐性を高めることができる。また、第1の実施形態に係る変形例によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、シールド部材33と音響レンズ27との間に、さらに、音響整合層を設けることもできる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、1次元状に超音波振動子21が配列された場合について説明したが、2次元状に超音波振動子21が配列されてもよい。そこで、このような実施形態を第2の実施形態として、図7及び図8を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
図7は、第2の実施形態に係る超音波プローブが有する超音波トランスデューサ40の一例の斜投影図である。図8は、図7の切断線B−Bにおける超音波トランスデューサ40の断面図である。なお、図7の例では、超音波トランスデューサ40が模式的に示されており、フレキシブル配線板25、基板26の図示が省略されている。
図7の例に示すように、第2の実施形態では、複数の超音波振動子21が2次元状に配列されている点が第1の実施形態と異なる。
ここで、第2の実施形態に係る超音波プローブ製造方法は、第1の実施形態に係る超音波プローブ製造方法と略同様であるが、工程2において、上述の積層体31に、ダイシング等によって格子状に溝を形成することで、複数の超音波振動子21が背面負荷材24上に2次元状に形成される点が第1の実施形態と異なる。ここで、第2の実施形態において、ダイシングにより形成される溝の深さは、第1の実施形態と略同様であるが、ダイシングにより格子状に溝が形成されるため、背面側のグランド電極21bを分離することができないので、グランド電極21bを分離される場合以外の溝の深さとなる。したがって、第2の実施形態に係る超音波プローブ及び第2の実施形態に係る超音波プローブ製造方法によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、図8の例に示すように、第2の実施形態では、2次元状に配列された複数の超音波振動子21が複数のブロックに分けられ、超音波トランスデューサ40が、ブロックごとに、超音波振動子21、音響整合層22、導電接着部23、背面負荷材24、フレキシブル配線板25、基板26を備えたモジュール41a,41bを有する点が第1の実施形態と異なる。音響レンズ27は、複数のモジュール41a,41bで共用される。なお、図8では、超音波トランスデューサ40が、2つのモジュール41a,41bを有する場合について示されているが、モジュールの数はこれに限られず、3つ以上のモジュールであってもよい。
第2の実施形態に係るフレキシブル配線板25として、中央部の超音波振動子21(中央部素子)の配線を行う必要性から、上述の両面FPCを用いる構成が採用される。例えば、スルーホールが2次元状に配置され、中央部の超音波振動子21の配線は、スルーホール間を微細配線することにより通過する。
なお、モジュール41a,41b間接合は、超音波振動子21の位置を二次元的(放射方向、アレイ方向)に合わせ、モジュール積層方向に加圧接着することで行われる。なお、放射方向は、AZ(AZimuth)方向に対応し、アレイ方向は、EL(ELevation)方向に対応する。このとき、モジュールの側面構造(フレキシブル配線板25、配線パターン25a)の厚みの安定性が重要になる。厚みが安定しないと、超音波振動子21の位置を正確に遅延制御に反映することができなくなるからである。第2の実施形態に係る超音波プローブによれば、構造が単純であるため、厚みの安定性が高い。
図8の例に示すように、複数のモジュール41a,41bは、並列に配列される。同一のモジュール内で隣接する超音波振動子21の間隔をL1とし、隣接するモジュール41a,41b間で隣接する超音波振動子21の間隔をL2とする。すなわち、モジュール内素子ピッチがL1であり、モジュール間素子ピッチがL2である。
ここで、超音波プローブについて、次のように構成することも考えられる。図9は、考えられる超音波プローブの超音波トランスデューサ50の構成の一例を示す図である。
図9の例に示すように、超音波トランスデューサ50は、2つのモジュール50a,50bを有する。モジュール50a,50bのそれぞれは、複数の超音波振動子51、音響整合層52、背面負荷材53、フレキシブル配線板54,55、基板56及び音響レンズ57を有する。
超音波振動子51の超音波が放射される側の面には、第1の電極51aが設けられている。また、超音波振動子51の超音波が放射される側の面とは反対側の面には、第2の電極51bが設けられている。また、超音波振動子51の超音波が放射される側の面とは反対側に、背面負荷材53が設けられている。
複数の超音波振動子51は、2次元状に配列されている。超音波振動子51は、後述の送受信回路56aからの駆動信号によって駆動されて、第1の電極51a側の面から超音波を放射する。また、超音波振動子51は、反射波を受信すると、受信した反射波を反射波信号に変換し、変換した反射波信号を第2の電極51bから出力する。
第1の電極51aは、音響整合層52と接続されている。第2の電極51bは、フレキシブル配線板55に設けられた配線パターン(図示せず)に接続されている。これにより、フレキシブル配線板55を介して、第2の電極51bと後述の送受信回路56aとが電気的に接続される。
第1の電極51aの第2の電極51b側とは反対側の面には、音響整合層52が設けられている。音響整合層52は、少なくとも1層以上の音響整合層である。また、音響整合層52は、導電性を有する材料が用いられる。音響整合層52の超音波振動子51側とは反対側の面は、フレキシブル配線板54に設けられた配線パターン(図示せず)に接続されている。これにより、音響整合層52及びフレキシブル配線板54を介して、第1の電極51aと後述の送受信回路56aとが電気的に接続される。
基板56は、送受信回路56aを有する。送受信回路56aは、基板56上に設けられた配線パターン(図示せず)に接続されている。送受信回路56aに接続された配線パターンは、フレキシブル配線板55の配線パターンに電気的に接続されている。さらに、送受信回路56aに接続された配線パターンは、フレキシブル配線板56の配線パターンにも電気的に接続されている。したがって、送受信回路56aと、第1の電極51a及び第2の電極51bとは電気的に接続されている。
音響レンズ57は、複数のモジュール50a,50bで共用される。
図9の例に示す超音波トランスデューサ50において、同一のモジュール内で隣接する超音波振動子51の間隔をL3とし、隣接するモジュール50a,50b間で隣接する超音波振動子51の間隔をL4とする。
図8の例に示す第2の実施形態に係る超音波トランスデューサ40における上述の間隔L1と、考えられる超音波プローブの超音波トランスデューサ50における間隔L3との大きさは、ほとんど変わらない。しかしながら、図8の例に示す第2の実施形態に係る超音波トランスデューサ40における上述の間隔L2は、超音波トランスデューサ50における間隔L4よりも短い。
ここで、間隔L2が間隔L4よりも短い理由について説明する。超音波トランスデューサ50では、モジュール50a,50b間で隣接する超音波振動子51の間に、4枚ものフレキシブル配線板が存在する。一方、超音波トランスデューサ40では、モジュール41a,41b間で隣接する超音波振動子21の間に、2枚のフレキシブル配線板しか存在せず、かつ、導電接着部28の厚みは数十μm〜100μmであり無視できる。これらの理由から、間隔L2が間隔L4よりも短くなる。
モジュール間で隣接する超音波振動子の間隔が長くなるにつれて、グレーティングローブが発生しやすくなる。グレーティングローブが発生すると、超音波診断装置の装置本体で生成される超音波画像にアーチファクト等が発生し、超音波画像の画質が劣化する場合がある。したがって、第2の実施形態に係る超音波プローブによれば、図9の例に示す超音波トランスデューサ50を有する超音波プローブと比較して、モジュール間で隣接する超音波振動子の間隔が短いので、グレーティングローブの発生を抑制することができる。それゆえ、第2の実施形態に係る超音波プローブによれば、超音波画像の画質の劣化を抑制することができる。
また、モジュール間で隣接する超音波振動子の間隔が長くなるにつれて、EL方向のフォーカス性能が低下する。したがって、第2の実施形態に係る超音波プローブによれば、図9の例に示す超音波トランスデューサ50を有する超音波プローブと比較して、EL方向のフォーカス性能の低下を抑制することができる。
また、超音波プローブについて、次のように構成することも考えられる。図10は、考えられる他の例の超音波プローブの超音波トランスデューサ60の構成を示す図である。
図10の例に示すように、超音波トランスデューサ60は、2つのモジュール60a,60bを有する。モジュール60a,60bのそれぞれは、複数の超音波振動子61、音響整合層62、背面負荷材63、フレキシブル配線板64,65、基板66及び音響レンズ67を有する。
超音波振動子61の超音波が放射される側の面には、グランド電極61aが設けられている。また、超音波振動子61の超音波が放射される側の面とは反対側の面には、信号電極61bが設けられている。また、超音波振動子61の超音波が放射される側の面とは反対側に、背面負荷材63が設けられている。
複数の超音波振動子61は、後述の送受信回路66aからの駆動信号によって駆動されて、グランド電極61a側の面から超音波を放射する。また、複数の超音波振動子61は、反射波を受信すると、受信した反射波を反射波信号に変換し、変換した反射波信号を信号電極61bから出力する。
グランド電極61aは、音響整合層62と接続されている。信号電極61bは、フレキシブル配線板65に設けられた配線パターン(図示せず)に接続されている。これにより、フレキシブル配線板65を介して、信号電極61bと後述の送受信回路66aとが電気的に接続される。
グランド電極61aの信号電極61b側とは反対側の面には、音響整合層62が設けられている。音響整合層62は、少なくとも1層以上の音響整合層である。また、音響整合層62は、導電性を有する材料が用いられる。音響整合層62の超音波振動子61側とは反対側の面は、フレキシブル配線板64に設けられた配線パターン(図示せず)に接続されている。そして、フレキシブル配線板64は、背面負荷材63の側面と略平行となるように折り曲げられている。そして、フレキシブル配線板64に設けられた配線パターン(図示せず)は、導電接着部64aによって、フレキシブル配線板65に設けられた配線パターン(図示せず)に接続されている。これにより、音響整合層62、フレキシブル配線板64及びフレキシブル配線板65を介して、グランド電極61aと後述の送受信回路66aとが電気的に接続される。
基板66は、複数の送受信回路66aを有する。送受信回路66aは、基板66上に設けられた配線パターン(図示せず)に接続されている。送受信回路66aに接続された配線パターンは、フレキシブル配線板65の配線パターンに電気的に接続されている。したがって、複数の超音波振動子61のそれぞれは、複数の送受信回路66aのうちいずれかの送受信回路66aに電気的に接続されている。
音響レンズ67は、複数のモジュール60a,60bで共用される。
図10の例に示す超音波トランスデューサ60において、同一のモジュール内で隣接する超音波振動子61の間隔をL5とし、隣接するモジュール60a,60b間で隣接する超音波振動子61の間隔をL6とする。
図8の例に示す第2の実施形態に係る超音波トランスデューサ40における上述の間隔L1と、考えられる超音波プローブの超音波トランスデューサ60における間隔L5との大きさは、ほとんど変わらない。しかしながら、図8の例に示す第2の実施形態に係る超音波トランスデューサ40における上述の間隔L2は、間隔L4と間隔L2との関係について上述した際の理由と同様の理由で、超音波トランスデューサ60における間隔L6よりも短い。したがって、第2の実施形態に係る超音波プローブによれば、図10の例に示す超音波トランスデューサ60を有する超音波プローブと比較して、モジュール間で隣接する超音波振動子の間隔が短いので、グレーティングローブの発生を抑制することができる。それゆえ、第2の実施形態に係る超音波プローブによれば、超音波画像の画質の劣化を抑制することができる。
また、第2の実施形態に係る超音波プローブによれば、図10の例に示す超音波トランスデューサ60を有する超音波プローブと比較して、EL方向のフォーカス性能の低下を抑制することができる。
以上、第2の実施形態に係る超音波プローブ及び第2の実施形態に係る超音波プローブ製造方法について説明した。上述したように、第2の実施形態に係る超音波プローブ及び第2の実施形態に係る超音波プローブ製造方法によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、第2の実施形態に係る超音波プローブによれば、グレーティングローブの発生を抑制することができる。また、第2の実施形態に係る超音波プローブによれば、超音波画像の画質の劣化を抑制することができる。また、第2の実施形態に係る超音波プローブによれば、EL方向のフォーカス性能の低下を抑制することができる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態の超音波プローブ及び超音波プローブ製造方法によれば、簡易に製造することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 超音波プローブ
20 超音波トランスデューサ
21 超音波振動子
21a 信号電極
21b グランド電極
22 音響整合層
23、28 導電接着部
24 背面負荷材
25 フレキシブル配線板
25a 配線パターン
26a 送受信回路

Claims (5)

  1. 超音波が放射される第1の面に第1の電極が設けられ、前記第1の面とは反対側の第2の面に第2の電極が設けられた複数の超音波振動子と、
    前記超音波振動子の前記第1の面側に配置される部分を有し、前記複数の超音波振動子に対して駆動信号を供給し、前記複数の超音波振動子が反射波を受信することで発生した反射波信号を受信する送受信回路、及び電位が所定の基準電位である導体が少なくとも一部に設けられた配線部と、
    前記超音波振動子の前記第2の面側に配置され、少なくとも、前記超音波振動子側の第3の面と、前記配線部に設けられた前記導体が位置する側の第4の面の一部の部分とに導電性を有する導電部が形成された背面負荷材と、
    を備え、
    前記第3の面に形成された前記導電部と前記第2の電極とが接続され、前記第4の面の一部の部分上に形成された前記導電部と前記導体とが接続され、
    前記複数の超音波振動子のそれぞれは、前記配線部の前記第1の面側の面から、前記第1の面と前記背面負荷材の前記第3の面との間のいずれかの部分までの溝により分けられている
    ことを特徴とする超音波プローブ。
  2. 前記複数の超音波振動子は、交差する2つの方向に格子状に二次元配列されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波プローブ。
  3. 前記複数の超音波振動子、前記配線部、及び前記背面負荷材を備えた複数のモジュールが並列に配置されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の超音波プローブ。
  4. 前記配線部の超音波が放射される方向側に設けられた音響レンズと、
    前記音響レンズと前記配線部との間に設けられたシールド部材と、
    をさらに備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の超音波プローブ。
  5. 超音波が放射される第1の面に第1の電極が設けられ、前記第1の面とは反対側の第2の面に第2の電極が設けられた圧電材料板、または、少なくとも1層の音響整合層が前記圧電材料板に積層された積層体を、表面が導電化された背面負荷材の第3の面に接着する工程と、
    少なくとも1方向に、前記背面負荷材に接着された前記圧電材料板または前記積層体の上面から、前記第1の面と前記背面負荷材の前記第3の面との間のいずれかの部分まで溝を形成することで、複数の超音波振動子を前記背面負荷材上に形成する工程と、
    前記複数の超音波振動子に対して駆動信号を供給し、前記複数の超音波振動子が反射波を受信することで発生した反射波信号を受信する送受信回路、及び電位が所定の基準電位である導体が少なくとも一部に設けられた配線部を、前記超音波振動子の前記第1の面側に配置して、前記複数の超音波振動子の第1の電極と前記配線部とを接続する工程と、
    前記背面負荷材の表面と前記導体とを接続する工程と
    を含むことを特徴とする超音波プローブ製造方法。
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