JP2017063383A - 超音波プローブ - Google Patents

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尾名 康裕
Yasuhiro Ona
康裕 尾名
浩之 四方
Hiroyuki Shikata
浩之 四方
智 手塚
Satoshi Tezuka
智 手塚
武内 俊
Takashi Takeuchi
俊 武内
宮城 武史
Takeshi Miyagi
武史 宮城
健吾 岡田
Kengo Okada
健吾 岡田
文康 坂口
Fumiyasu Sakaguchi
文康 坂口
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Abstract

【課題】S/N比の低下を抑制することができる超音波プローブを提供する。
【解決手段】超音波プローブは、超音波振動子20と、フレキシブル基板とを備える。超音波振動子は、超音波が放射される第1の面と、第1の面とは反対側の第2の面とを有する。フレキシブル基板は、第2の面側に設けられ、空洞30が形成される。
【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、超音波プローブに関する。
超音波診断装置は、被検体内を超音波で走査することにより被検体内からの反射波を受信し、受信した反射波に基づいて、被検体の内部状態を画像化した超音波画像を生成する。例えば、超音波診断装置は、超音波プローブから被検体内に超音波を送信し、被検体内部で音響インピーダンスの不整合によって生じる反射波を超音波プローブで受信し、超音波プローブが受信した反射波に基づいて、超音波画像を生成する。
超音波診断装置等において用いられる超音波プローブとしては、例えば、複数の超音波振動子を配列して構成されるアレイ型超音波プローブが用いられる。近年では、特に、複数の超音波振動子を二次元状に配列して構成される二次元アレイプローブが登場し、この二次元アレイプローブによって、被検体の診断対象部位に対する三次元走査が可能となっている。
二次元アレイプローブは、チャンネル数が多い。このため、二次元アレイプローブでは、複数のチャンネルを1つのサブアレイとし、サブアレイごとに信号をまとめてケーブルの数を少なくするためのIC(Integrated Circuit)が組み込まれている。ICは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)であり、整相加算によりサブアレイごとの信号をまとめる(サブ整相加算処理)。
このICと超音波振動子とを接続する方法として、ICの直上に超音波振動子を直接形成する方法、ICのピッチ(間隔)と、超音波振動子のピッチとの違いを吸収するための基板(インターポーザー基板;以下、IP基板と略記する)を、ICと超音波振動子との間に挿入する方法、フレキシブル基板(FPC(Flexible Printed Circuits))によりICと超音波振動子とを接続する方法などがある。
特開平5−123317号公報 特開2014−183858号公報 特開2014−226431号公報 特開2014−000122号公報
本発明が解決しようとする課題は、S/N比の低下を抑制することができる超音波プローブを提供することである。
実施形態の超音波プローブは、超音波振動子と、フレキシブル基板とを備える。超音波振動子は、超音波が放射される第1の面と、第1の面とは反対側の第2の面とを有する。フレキシブル基板は、第2の面側に設けられ、空洞が形成されている。
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成を説明するための図である。 図2は、第1の実施形態に係る超音波プローブが有する超音波探触子の断面図の一部である。 図3は、超音波振動子の面積、及び、空洞の面積の一例について説明するための図である。 図4は、超音波探触子のモデルの一例を示す図である。 図5Aは、シミュレーション結果の一例を示す図である。 図5Bは、シミュレーション結果の一例を示す図である。 図5Cは、シミュレーション結果の一例を示す図である。 図5Dは、シミュレーション結果の一例を示す図である。 図6Aは、第1の実施形態に係るフレキシブル基板の製造方法の一例について説明するための図である。 図6Bは、第1の実施形態に係るフレキシブル基板の製造方法の一例について説明するための図である。 図7は、第2の実施形態に係る超音波プローブが有する超音波探触子の断面図の一部である。 図8は、銅、及び、銅に接続された銅を音響放射面側から見た場合の形状を示す図である。 図9は、第2の実施形態に係るフレキシブル基板の平面図である。 図10Aは、第2の実施形態に係る超音波探触子の外観の模式図である。 図10Bは、第2の実施形態に係る超音波探触子の断面図である。 図11Aは、1つ目のバリエーションを説明するための図である。 図11Bは、2つ目のバリエーションを説明するための図である。 図11Cは、3つ目のバリエーションを説明するための図である。 図11Dは、4つ目のバリエーションを説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、超音波プローブの各実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る超音波プローブが適用された超音波診断装置の構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置100の構成を説明するための図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る超音波診断装置100は、超音波プローブ1と、モニタ2と、入力装置3と、装置本体10とを有する。
超音波プローブ1は、超音波を送信するとともに反射波を受信する超音波探触子(超音波トランスデューサー)を有する。超音波探触子は、複数の超音波振動子を有する。複数の超音波振動子は、後述する装置本体10が有する送受信回路11から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。そして、複数の超音波振動子は、被検体Pからの反射波を受信して、受信した反射波を電気信号に変換する。超音波プローブ1は、装置本体10と着脱自在に接続される。
超音波プローブ1から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波として超音波プローブ1が有する複数の超音波振動子にて受信される。反射波は、当該反射波を受信した超音波振動子で電気信号である反射波信号に変換される。反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
第1の実施形態では、超音波プローブ1が、2次元状に超音波振動子が配列されたリニア型の超音波プローブである場合について説明する。
モニタ2は、超音波診断装置100の操作者が入力装置3を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体10において生成された超音波画像等を表示したりする。
入力装置3は、トラックボール、スイッチ、ダイヤル、タッチコマンドスクリーン等を有する。入力装置3は、超音波診断装置100の操作者からの各種設定要求を受け付け、装置本体10に対して、受け付けた各種設定要求を転送する。例えば、入力装置3は、超音波プローブ1を制御するための各種設定要求を受け付けて、制御回路17に転送する。
装置本体10は、超音波プローブ1による超音波の送受信を制御して、超音波プローブ1が受信した反射波に基づいて超音波画像を生成する装置である。装置本体10は、図1に示すように、送受信回路11と、Bモード処理回路12と、ドプラ処理回路13と、画像生成回路14と、画像記憶回路15と、内部記憶回路16と、制御回路17とを有する。
送受信回路11は、トリガ発生回路、遅延回路およびパルサ回路等を有し、超音波プローブ1に駆動信号を供給する。パルサ回路は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。また、遅延回路は、超音波プローブ1から発生される超音波をビーム状に集束して送信指向性を決定するために必要な超音波振動子ごとの遅延時間を、パルサ回路が発生する各レートパルスに対し与える。また、トリガ発生回路は、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ1に駆動信号(駆動パルス)を印加する。すなわち、遅延回路は、各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、超音波振動子面からの送信方向を任意に調整する。
また、送受信回路11は、後述する制御回路17の指示に基づいて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、または、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
また、送受信回路11は、アンプ回路、A/D変換器、加算器等を有し、超音波プローブ1において発生した反射波信号に対して各種処理を行なって反射波データを生成する。アンプ回路は、反射波信号をチャンネルごとに増幅してゲイン補正処理を行なう。A/D変換器は、ゲイン補正された反射波信号をA/D変換し、デジタルデータに受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与える。加算器は、A/D変換器によって処理された反射波信号の加算処理を行なって反射波データを生成する。加算器の加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。このように、送受信回路11は、超音波の送受信における送信指向性と受信指向性とを制御する。
Bモード処理回路12は、送受信回路11から反射波データを受信し、対数増幅、包絡線検波処理等を行なって、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成するプロセッサである。
ドプラ処理回路13は、送受信回路11から受信した反射波データから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワー等の移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成するプロセッサである。
画像生成回路14は、Bモード処理回路12及びドプラ処理回路13が生成したデータから超音波画像を生成するプロセッサである。すなわち、画像生成回路14は、Bモード処理回路12が生成したBモードデータから反射波の強度を輝度にて表したBモード画像を生成する。また、画像生成回路14は、ドプラ処理回路13が生成したドプラデータから移動体情報を表す平均速度画像、分散画像、パワー画像、又は、これらの組み合わせ画像としてのカラードプラ画像を生成する。
画像記憶回路15は、画像生成回路14が生成した超音波画像を記憶するメモリである。また、画像記憶回路15は、Bモード処理回路12やドプラ処理回路13が生成したデータを記憶することも可能である。画像記憶回路15は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。
内部記憶回路16は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行なうためのプログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)や、診断プロトコルや各種ボディーマーク等の各種データを記憶する。また、内部記憶回路16は、必要に応じて、画像記憶回路15が記憶する画像の保管等にも使用される。内部記憶回路16は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。
制御回路17は、情報処理装置(計算機)としての機能を実現する制御プロセッサであり、超音波診断装置100の処理全体を制御する。具体的には、制御回路17は、入力装置3を介して操作者から入力された各種設定要求や、内部記憶回路16から読込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送受信回路11、Bモード処理回路12、ドプラ処理回路13及び画像生成回路14の処理を制御する。また、制御回路17は、画像記憶回路15が記憶する超音波画像や、内部記憶回路16が記憶する各種画像、又は、画像生成回路14による処理を行なうためのGUI、画像生成回路14の処理結果等をモニタ2にて表示するように制御する。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(central preprocess unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。なお、内部記憶回路16にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
以上、第1の実施形態に係る超音波診断装置100の全体構成について説明した。かかる構成のもと、第1の実施形態に係る超音波診断装置100に適用された超音波プローブ1は、詳細を以下に説明するように、S/N比の低下を抑制することができる。
次に、図2を参照して、第1の実施形態に係る超音波プローブ1が有する超音波探触子の構成の一例について説明する。図2は、第1の実施形態に係る超音波プローブ1が有する超音波探触子の断面図の一部である。
図2に示すように、超音波探触子は、複数の超音波振動子20と、フレキシブル基板(FPC(Flexible Printed Circuits))42と、IP基板43とを有する。
複数の超音波振動子20は、2次元状に配列されている。超音波振動子20は、音響整合層21と、圧電体22と、中間層23とを有する。
音響整合層21は、少なくとも1層以上の音響整合層を含む。音響整合層21は、圧電体22から放射される超音波が効率よく被検体P内に入射されるように、圧電体22と被検体Pとの間の音響インピーダンスの不整合を緩和する。音響整合層21は、圧電体22の音響放射面(圧電体22の超音波を放射する面)側に設けられている。
圧電体22は、圧電性を有する。例えば、圧電体22は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛/Pb(Zr,Ti)O)、PMN−PT(マグネシウムニオブ酸鉛−チタン酸鉛/Pb(Mg1/3Nb2/3)O−PbTiO)等の圧電素子である。
圧電体22は、後述のIP基板43に接続された駆動回路からの駆動信号によって駆動されて、音響放射面から超音波を放射する。また、圧電体22は、反射波を受信すると、受信した反射波を反射波信号(電圧信号)に変換し、変換した反射波信号を中間層23を介して電極パッド25に出力する。圧電体22の音響放射面とは反対側には、中間層23が設けられている。
中間層23は、圧電体22よりも十分に高い音響インピーダンスをもつように選定する。そのため、フレキシブル基板42の超音波振動子20の振動特性への影響をおさえることができる。
中間層23は、超音波振動子20の底部であり、超音波振動子20が配列される土台となるフレキシブル基板42上に形成された電極パッド25に、電気的及び音響的に接続されている。
電極パッド25は、超音波振動子20の超音波が放射される面とは反対側の面と、フレキシブル基板42とを接続する電極である。電極パッド25から延びる信号線は、スルーホールなどのフレキシブル基板42内配線によって、電極パッド25の直下から引き出される。
中間層23とフレキシブル基板42とは接着樹脂24により接着される。本実施形態に係るフレキシブル基板42は、いわゆるフレキシブル基板が積層化された基板である。フレキシブル基板42には、フレキシブル基板36と、フレキシブル基板33と、フレキシブル基板29と、フレキシブル基板26とが、この順で積層されている。
フレキシブル基板26は、絶縁基材として、例えば、ポリイミドが用いられた基板である。図2に示すように、フレキシブル基板26の厚みL1は、超音波振動子20の音響放射面から放射される超音波の中心周波数から算定する波長をλとすると、例えば、λ/60以上λ/10以下程度である。例えば、超音波振動子20の音響放射面から放射される超音波がフレキシブル基板26内を伝わるときの音速が2200m/sであり、中心周波数が4MHzである場合には、厚みL1は、10μm〜50μm程度である。厚みL1が大きすぎると、そもそも後述する空洞30による効果が薄れてしまうからである。図2の例に示すように、フレキシブル基板26には、超音波振動子20のピッチで、スルーホールにより電極パッド25が形成されている。
フレキシブル基板26と、フレキシブル基板29とは、接着樹脂28により接着される。フレキシブル基板29は、所定の厚みを有する片面フレキシブル基板である。フレキシブル基板29は、例えば、片面に銅が形成されたフレキシブル基板である。このフレキシブル基板29は、絶縁基材として、例えば、ポリイミドが用いられている。超音波振動子20の直下の部分には、銅メッキにより内面がメッキされた空洞30が存在し、そのメッキ銅27は、メッキ工程において電極パッド25に接続される。なお、ここでいうメッキ銅とは、銅メッキにより形成された銅の薄膜を指す。以下の説明では、メッキ銅27を単に銅27と表記する。
そして、超音波振動子20ごとに、銅27と、銅27に接着されたフレキシブル基板33とによって空洞30が、超音波振動子20の直下に形成される。すなわち、複数の超音波振動子20のそれぞれに対応する空洞30が形成される。符号31は、フレキシブル基板29とフレキシブル基板33を接着するために使用される接着剤を指す。空洞30は、超音波振動子20から背面側に放射される超音波を遮断する機能を有する。また、空洞30は、この超音波を散乱させる機能も有する。なお、ここでいう背面とは、超音波振動子20の音響放射面とは反対側の面を指す。
ここで、超音波振動子から背面側に放射される超音波が、フレキシブル基板を介して、IP基板やIP基板に接続された、駆動回路としての機能を有するASICなどが形成されたシリコン単結晶基板である駆動回路基板に放射された場合について説明する。この場合には、IP基板や駆動回路基板は、音響的な特性(音響減衰特性)については考慮されずに製造されているため、IP基板や駆動回路基板に放射された超音波によるIP基板や駆動回路基板の振動は、長時間にわたり継続される。そして、IP基板や駆動回路基板の振動は、長時間にわたりフレキシブル基板を介して超音波振動子に伝搬する。振動により超音波振動子の音響ノイズが増加し、S/N比が低くなる。すなわち、S/N比が悪くなる。
一方、本実施形態に係る超音波プローブ1によれば、上述したように、IP基板43やIP基板43に接続された駆動回路基板へ向かう超音波を空洞30により遮断したり、散乱したりする。したがって、超音波によるIP基板43や駆動回路基板の振動の発生が抑制される。IP基板43や駆動回路基板の振動の発生が抑制されると、超音波振動子20に伝搬される振動の発生も抑制される。超音波振動子20に伝搬される振動の発生が抑制されると、振動による超音波振動子20の音響ノイズの増加が抑制される。すなわち、本実施形態に係る超音波プローブ1によれば、S/N比の低下を抑制することができる。
ここで、空洞30の厚みTHは、ある程度大きいほうがよい。空洞30の厚みTHが極端に薄いと、かえって不要な振動の発生の要因となり得る。例えば、空洞の厚みTHは、λ/60以上である。例えば、超音波振動子20の音響放射面から放射される超音波がフレキシブル基板42内を伝わるときの音速が2200m/sであり、中心周波数が4MHzである場合には、厚みTHは、10μm以上である。このように、空洞30の大きさは、λに応じた大きさとなる。
フレキシブル基板29と、フレキシブル基板33とは、接着樹脂31により接着される。フレキシブル基板33は、フレキシブル基板29と同様の片面フレキシブル基板である。このフレキシブル基板33は、絶縁基材として、例えば、ポリイミドが用いられている。空洞30の脇の、銅27の直下には、銅メッキにより、銅34が形成されている。銅34は、銅27に接続されている。
フレキシブル基板33と、フレキシブル基板36とは、接着樹脂35により接着される。フレキシブル基板36は、フレキシブル基板29やフレキシブル基板33と同様の片面フレキシブル基板である。このフレキシブル基板36は、絶縁基材として、例えば、ポリイミドが用いられている。フレキシブル基板36の超音波振動子20の直下の部分には、銅メッキにより、銅37が形成されている。銅37は、銅34に接続されている。銅37は、後述する金バンプ39を介して、IP基板43の後述する表面電極40と接続される。このように、銅37は、背面側の電極としての機能を有するため、背面電極とも称される。そこで、以下、銅37を背面電極37と表記する。
IP基板43は、基板41を有する。フレキシブル基板42の背面電極37に対向する基板41の位置には、表面電極40が形成されている。背面電極37と表面電極40とは、金バンプ39によって電気的に接続される。なお、背面電極37と表面電極40との接続方法は、金バンプ39に限られない。背面電極37と表面電極40とは、導電性接着剤などにより接続されてもよい。
IP基板43の表面電極40に接続された信号線は、上述したASICにより実現される駆動回路と接続される。駆動回路は、超音波振動子20と各種の信号の送受信を行う。例えば、駆動回路は、装置本体10から送信された駆動信号を受信すると、受信した駆動信号を、IP基板43の信号線及び表面電極40、金バンプ39、並びに、フレキシブル基板42の背面電極37、銅34、銅27及び電極パッド25を介して、駆動対象の超音波振動子20に対して送信する。すなわち、駆動回路は、超音波送信用の駆動信号を超音波振動子20に供給する。これにより、超音波振動子20が駆動されて超音波が放射される。ここで、背面電極37、銅34及び銅27は、電極パッド25に接続された信号線を構成する。
また、駆動回路は、複数の超音波振動子20から出力された反射波信号を、電極パッド25、電極パッド25に接続された信号線(背面電極37、銅34及び銅27により構成される信号線)、金バンプ39、表面電極40、及び、表面電極40に接続された信号線を介して受信すると、受信した反射波信号に対して公知の整相加算処理を施して、整相加算処理が施された反射波信号を装置本体10の送受信回路11に送信する。
ここで、空洞30の背面側の面からフレキシブル基板42の背面までの厚さL3と、空洞30の超音波振動子20側の面からフレキシブル基板42の超音波振動子20側の面までの厚さL2との関係について説明する。例えば、厚さL3は、λ/10以上である。例えば、超音波振動子20の音響放射面から放射される超音波がフレキシブル基板42内を伝わるときの音速が2200m/sであり、中心周波数が4MHzである場合には、厚さL3は、50μm以上である。また、厚さL3は、厚さL2よりも大きい。すなわち、空洞30は、フレキシブル基板42の厚み方向の中心よりも超音波振動子20側に形成される。これにより、フレキシブル基板42が、ある程度以上の機械的強度を有することとなる。
次に、本実施形態に係る超音波プローブ1の超音波振動子20の面積に対する空洞30の面積の割合の一例について説明する。図3は、超音波振動子20の面積、及び、空洞30の面積の一例について説明するための図である。図4は、超音波探触子のモデルの一例を示す図である。ここで、超音波振動子20の面積とは、図3の例に示すように、音響放射面側から見たときの超音波振動子20の外形によって定まる面積を指し、また、空洞30の面積とは、同様に、音響放射面側から見たときの空洞30の外形によって定まる面積を指す。
まず、図4の例に示す超音波探触子のモデルについて説明すると、このモデルは、超音波振動子のモデル51と、フレキシブル基板のモデル52と、IP基板のモデル53とを有する。超音波振動子のモデル51の音響放射面側には、GND引き出し電極層および音響レンズ等のモデル50が設けられている。また、フレキシブル基板のモデル52と、IP基板のモデル53とは、背面電極のモデル37a、金バンプのモデル39a及び40aを介して接続されている。なお、図4の例に示すモデルでは、IP基板の表面電極のモデルは省略している。
超音波振動子のモデル51は、音響整合層のモデル21aと、圧電体のモデル22aと、中間層のモデル23aとを有する。また、フレキシブル基板のモデル52は、空洞30aが形成されたモデルである。
図4の例に示す超音波探触子のモデルを用いて、超音波振動子のモデル51の面積に対する空洞のモデル30aの面積の割合を様々に変えながら、IP基板のモデル53に伝搬する振動のエネルギーを計算するシミュレーションを行ったところ、超音波振動子のモデル51の面積に対する空洞のモデル30aの面積の割合が0.1(10%)未満では、IP基板のモデル53に伝搬する振動のエネルギーは、超音波振動子のモデル51の面積に対する空洞のモデル30aの面積の割合が0(0%)の場合とほぼ変わらなかった。
一方で、超音波振動子のモデル51の面積に対する空洞のモデル30aの面積の割合が0.1(10%)以上になると、超音波振動子のモデル51の面積に対する空洞のモデル30aの面積の割合が0(0%)の場合よりも、IP基板のモデル53に伝搬する振動のエネルギーの減少が有意に見え始め、超音波振動子のモデル51の面積に対する空洞のモデル30aの面積の割合が0.4(40%)以上になると、さらに減少する結果であった。したがって、このシミュレーションからは、超音波振動子20の面積に対する空洞30の面積の割合は、0.1(10%)以上が好ましく、さらに、0.4(40%)以上が特に好ましいことが分かる。
図5A〜図5Dは、このシミュレーション結果の一例である。
図5Aは、超音波振動子のモデル51の1素子における方位方向の幅が160μmであり、1つの空洞のモデル30aの方位方向の幅が0、すなわち、空洞がない場合のシミュレーション結果の一例を示す図である。図5Aの例において、横軸は時間(10[マイクロ秒])を表し、縦軸は、音圧(10[Pa])を表す。図5Aの例に示すように、音圧は、最大4.00×10[Pa]となる。
図5Bは、超音波振動子のモデル51の1素子における方位方向の幅が160μmであり、1つの空洞モデル30aの方位方向の幅が50μmである場合のシミュレーション結果の一例を示す図である。図5Bの例において、横軸は時間(10[マイクロ秒])を表し、縦軸は、音圧(10[Pa])を表す。図5Bの例に示すように、音圧は、最大1.5×10[Pa]となる。よって、図5Bに示すシミュレーション結果から、空洞30の方位方向の幅が、超音波振動子20の方位方向の幅の3分の1程度になると、音圧が半分程度になる。なお、音響エネルギーとしては、この2乗のオーダーで低減する。
図5Cは、超音波振動子のモデル51の1素子における方位方向の幅が160μmであり、1つの空洞モデル30aの方位方向の幅が100μmである場合のシミュレーション結果の一例を示す図である。図5Cの例において、横軸は時間(10[マイクロ秒])を表し、縦軸は、音圧(10[Pa])を表す。図5Cの例に示すように、音圧は、最大1.0×10[Pa]となる。よって、図5Cに示すシミュレーション結果から、空洞30の方位方向の幅が、超音波振動子20の方位方向の幅の8分の5程度になると、音圧が4分の1程度になる。
図5Dは、超音波振動子のモデル51の1素子における方位方向の幅が160μmであり、1つの空洞モデル30aの方位方向の幅が160μmである場合のシミュレーション結果の一例を示す図である。図5Dの例において、横軸は時間(10[マイクロ秒])を表し、縦軸は、図5A〜図5Cとは異なり、音圧(10[Pa])を表す。図5Dの例に示すように、音圧は、最大4.0×10[Pa]となる。よって、図5Dに示すシミュレーション結果から、空洞30の方位方向の幅が、超音波振動子20の方位方向と同程度になると、音圧が10分の1程度になる。
次に、図6A及び図6Bを参照して、第1の実施形態に係る超音波プローブ1のフレキシブル基板42の製造方法の一例について説明する。図6A及び図6Bは、第1の実施形態に係るフレキシブル基板42の製造方法の一例について説明するための図である。
図6Aの例に示すように、工程1では、フレキシブル基板26に、超音波振動子20のピッチで、スルーホールにより電極パッド25を形成する。ここで、電極パッド25の背面側の部分は、銅27と接続されるランドとなる。そして、工程2では、電極パッド25が形成されたフレキシブル基板26と、フレキシブル基板29とを、接着樹脂28により接着する。なお、フレキシブル基板26は、片面に銅29aが形成された片面フレキシブル基板である。
そして、工程3では、電極バッド25の直下の銅29aの部分を除去する。そして、工程4では、レーザーなどで、上述した電極パッド25のランドまで穴をあけて、仮に、銅メッキにより銅が形成された場合に、形成された銅が、確実に電極パッド25と導通するように、レーザーなどで領域を確保する。
そして、工程5では、ポリイミドエッチングを行い、空洞が形成される領域のポリイミドを排除する。そして、工程6では、銅メッキを行って、電極パッド25と接続し、かつ、銅29aを覆うように、銅27を形成する。
そして、工程7では、片面に銅33aが形成されたフレキシブル基板33の銅33aが形成された面とは逆側の面に、接着樹脂31を設ける。そして、工程8では、フレキシブル基板29と、フレキシブル基板33とを、接着樹脂31により接着する。この結果、銅27とフレキシブル基板33とによって空洞30が、超音波振動子20の直下に形成される。
そして、図6Bの例に示すように、工程9では、空洞30の脇の銅27の直下の銅33aの部分などをエッチングし、スルーホール領域を作成する。そして、工程10では、空洞30の脇に形成した銅27のランドまで、レーザーなどで穴をあける。
そして、工程11では、銅メッキを行って、銅27と接続し、かつ、銅33aを覆うように銅34を形成する。そして、工程12では、フレキシブル基板33と、片面に銅36aが形成されたフレキシブル基板36の銅36aが形成された面とは逆側の面とを接着樹脂35により接着する。
そして、工程13では、電極パッド25の直下の銅36aの部分などをエッチングし、スルーホール領域を作成する。そして、工程14では、レーザーなどでポリイミドを除去し、銅34のランドまでの穴をあける。そして、工程15では、銅メッキを行って、銅34と接続し、かつ、銅36aを覆うように背面電極37を形成する。
ここで、例えば、超音波探触子において、フレキシブル基板に空洞を形成するのではなく、各超音波振動子を基板から浮かせるように、超音波振動子間に設けられた高分子材料が超音波振動子を保持するようなことが考えられる。これにより、超音波振動子と基板との間に空隙ができる。しかしながら、この場合には、高分子材料が、超音波振動子間のクロスロークの発生の原因となり得る。そのため、超音波ビームの指向性が劣化する。
また、このような超音波探触子の製造方法について考えられる一例を説明する。例えば、振動子板に形成した電極層に対して樹脂板を張り付け、振動子板と電極層を貫いて樹脂板に到達する深さまでマトリクス状に切り込んで、溝を形成する。この結果、超音波振動子と電極層が完全に切断され、2次元に配列された超音波振動子と電極層とが形成される。そして、溝に、高分子材料を充填する。そして、超音波振動子、電極層及び高分子材料から構成されるアセンブリから樹脂板を剥離し、樹脂板が剥離されたアセンブリにおける高分子材料を基板に接続する。これにより、超音波振動子が基板から浮くように、高分子材料が超音波振動子を保持する。しかしながら、このような製造方法では、上述のアセンブリから樹脂板を剥離するなどの実現が困難な工程が存在するため、簡易に超音波探触子を製造することができない。
一方、本実施形態に係る超音波プローブ1によれば、超音波振動子20を支えるフレキシブル基板42内に空洞30を形成するので、超音波振動子20間には、高分子材料が充填されることなく、隙間が形成される。そのため、超音波振動子20間のクロストークの発生が抑制される。よって、本実施形態に係る超音波プローブ1によれば、超音波ビームの指向性の劣化を抑制しつつ、S/N比の低下を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、空洞30が形成されたフレキシブル基板42上に、電極層が形成された振動子板を張り付け、振動子板及び電極層をマトリクス状に切り込むだけで、樹脂板を剥離するなどの実現が困難な工程を行うことなく、超音波探触子を製造することができる。
以上、第1の実施形態に係る超音波プローブ1について説明した。第1の実施形態に係る超音波プローブ1によれば、上述したように、空洞30により、S/N比の低下を抑制することができる。
(第2の実施形態)
ここで、第1の実施形態では、超音波プローブ1が、2次元状に超音波振動子が配列されたリニア型の超音波プローブである場合について説明した。しかしながら、超音波プローブは、これに限られない。例えば、超音波プローブは、2次元状に超音波振動子が配列されたコンベックス型の超音波プローブであってもよい。そこで、超音波プローブが、2次元状に超音波振動子が配列されたコンベックス型の超音波プローブである実施形態を、第2の実施形態として説明する。以下、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
図7を参照して、第2の実施形態に係る超音波プローブが有する超音波探触子の構成の一例について説明する。図7は、第2の実施形態に係る超音波プローブが有する超音波探触子の断面図の一部である。フレキシブル基板70は、フレキシブル基板26と、フレキシブル基板29と、フレキシブル基板33と、フレキシブル基板36とを有する。
図7の例において、超音波振動子20、音響整合層21、圧電体22、中間層23、接着樹脂24、電極パッド25、フレキシブル基板26、銅27、接着樹脂28、フレキシブル基板29、空洞30、接着樹脂31、フレキシブル基板33、銅33a、フレキシブル基板36、及び、銅36aについては、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
図7の例に示す3つの銅27のうち、中央の銅27に接続し、かつ、銅33aを覆うように銅34aが形成されている。銅34aは、信号線として、フレキシブル基板70の端部に引き出されるように延びている。この銅34aは、後述する電極パッド26(図9)に接続されている。
図7の例に示す3つの銅27のうち、右側の銅27に接続し、かつ、銅36aを覆うように銅34bが形成されている。銅34bは、信号線として、フレキシブル基板70の端部に引き出されるように延びている。この銅34bは、後述する電極パッド26(図9)に接続されている。
図8は、銅28、及び、銅27に接続された銅34aを音響放射面側から見た場合の形状を示す図である。図8の例に示すように、銅27は、円形の形状を成しており、その結果、内部に形成される空洞30の形状も円形となっている。また、銅34aの端部側の部分は、後述する電極パッド26(図9)との電気的な接続が確実なものとなるように、他の部分と比べて面積が大きくなっているとともに厚みが大きくなっている。
図9は、第2の実施形態に係るフレキシブル基板70の平面図である。フレキシブル基板70は、複数の超音波振動子20が配列される配列面80と、駆動回路に接続される接続面81とを有する。
配列面80には、超音波振動子20と接続する電極パッド25が形成されている。電極パッド25には、信号線71の一端が接続されている。
接続面81には、上述した駆動回路と接続する電極パッド26が形成されている。電極パッド26には、信号線71の他端が接続されている。
図10Aは、第2の実施形態に係る超音波探触子の外観の模式図である。第2の実施形態では、コンベックス形状のベース部材90の上面に、フレキシブル基板70の配列面80が張り付けられる。この面80の複数の電極パッド25のそれぞれには、複数の超音波振動子20のそれぞれが接続される。すなわち、ベース部材90の湾曲面上には、複数の超音波振動子20が2次元状に配列される。そして、図9の例に示す破線で配列面80に対して接続面81を折り曲げて、接続面81に形成された電極パッド26を駆動回路91に接続する。これにより、駆動回路91と超音波振動子20とが電気的に接続される。
ここで、例えば、超音波プローブがコンベックス型である場合に、超音波振動子の直下に駆動回路を配置するときには、超音波振動子が湾曲面上に配列されていることを考慮すると、駆動回路の形状を変形させることが考えられる。しかしながら、ASICなどで実現される駆動回路の形状を変形させることは、困難である。
しかしながら、本実施形態に係る超音波プローブによれば、信号線がフレキシブル基板70の端部に引き出されているので、駆動回路の形状を変形させることなく、駆動回路と超音波振動子20とを接続することができる。
また、ベース部材90をアルミとすることで、超音波振動子20が発する熱を拡散することもできる。
図10Bは、第2の実施形態に係る超音波探触子の断面図である。図10Bの例に示すように、ベース部材90の上面は、湾曲面であり、この上面に2次元状に超音波振動子20が配列されている。また、各超音波振動子20の直下には、空洞30が形成されているため、熱拡散のために金属ベース部材を採用しても、S/N比の低下を抑制することができる。
また、本実施形態に係る超音波プローブによれば、空洞30が形成されたフレキシブル基板70の配列面80をベース部材90の上面に張り付けて、配列面80の電極パッド25に超音波振動子20を接続し、図9の例に示す破線で配列面80に対して接続面81を折り曲げて、接続面81に形成された電極パッド26を駆動回路91に接続するという簡易な方法で、S/N比の低下を抑制しつつ、駆動回路と超音波振動子20とが接続された超音波探触子を製造することができる。これは、空洞30が、形状を変形することができるフレキシブル基板70内に設けられているからである。
以上、第2の実施形態に係る超音波プローブについて説明した。第2の実施形態に係る超音波プローブによれば、上述したように、S/N比の低下を抑制することができる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態及び第2の実施形態では、超音波振動子20のそれぞれに対応する空洞30が形成されている場合について説明したが、空洞30の大きさや超音波振動子20に対する空洞30の位置や数には、様々なバリエーションがある。そこで、図11A〜図11Dを参照して、バリエーションについて説明する。
図11Aは、1つ目のバリエーションを説明するための図である。図11Aの例には、超音波振動子20の音響放射面側から見た超音波振動子20と、空洞30との位置関係の一例が示されている。図11Aの例では、超音波振動子20の直下に1つの空洞30が形成されている場合が示されている。図11Aの例の場合には、各超音波振動子20に対して大きさが同じ1つの空洞30を形成するだけなので、S/N比の低下を抑制できる超音波探触子を簡易に製造することができる。
図11Bは、2つ目のバリエーションを説明するための図である。図11Bの例には、超音波振動子20の音響放射面側から見た超音波振動子20と、空洞30との位置関係の一例が示されている。図11Bの例では、超音波振動子20の直下に4つの空洞30が形成されている場合が示されている。4つの空洞30のうち、2つの空洞30は、その外形の一部が、超音波振動子20の外形からはみ出している。図11Bの例の場合は、図11Aに示すほどの大きな空洞30を形成することができない場合に、S/N比の低下を抑制できる超音波探触子を製造することができる。
図11Cは、3つ目のバリエーションを説明するための図である。図11Cの例には、超音波振動子20の音響放射面側から見た超音波振動子20と、空洞30との位置関係の一例が示されている。図11Cの例では、4つの超音波振動子20の直下にまたがって1つの空洞30が形成されている場合が示されている。すなわち、図11Cの例では、1つの空洞30が、4つの超音波振動子20に対応して形成されている。図11Cの場合には、超音波振動子20ごとに空洞30を形成しなくてすむので、FPCの製造精度を緩めたり、工程を簡略化(歩留まり向上)することができる。なお、1つの空洞30が、直下にまたがる超音波振動子20の数は、4つに限られず、4つ以外の複数であってもよい。
図11Dは、4つ目のバリエーションを説明するための図である。図11Dの例には、超音波振動子20の音響放射面側から見た超音波振動子20と、空洞30との位置関係の一例が示されている。図11Dの例では、均等な間隔で配置された超音波振動子20に対して、ランダムに空洞30が形成される。そのため、超音波振動子20を配置する際に、配置に関する制約が少ないため、簡易に超音波振動子20を配置することができる。その結果、S/N比の低下を抑制できる超音波探触子を簡易に製造することができる。なお、図11Dの例においても、図11Cの例と同様に、1つの空洞30bが、複数(図11Dの例では2つ)の超音波振動子20に対応して形成されている。
以上、第3の実施形態に係る超音波プローブについて説明した。第3の実施形態に係る超音波プローブによれば、上述したように、S/N比の低下を抑制することができる。
なお、第1の実施形態〜第3の実施形態では、超音波振動子20が2次元状に配列されている場合を例に挙げて説明したが、超音波振動子20は、1次元状に配列されてもよい。
また、第1の実施形態〜第3の実施形態では、超音波振動子20の直下に空洞30が形成されている場合を例に挙げて説明したが、空洞30は、空洞30が形成されていない場合に比べて、少しでもIP基板43や駆動回路基板に伝わる振動が少なくなるのであれば、超音波振動子20の直下に形成されていなくてもよい。
また、第1の実施形態〜第3の実施形態では、全ての超音波振動子20の直下に空洞30が形成されている場合を例に挙げて説明したが、少なくとも1つの超音波振動子20の直下に空洞30が形成されていればよい。
以上述べた少なくとも1つの実施形態の超音波プローブによれば、S/N比の低下を抑制することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 超音波プローブ
20 超音波振動子
30 空洞

Claims (9)

  1. 超音波が放射される第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面とを有する超音波振動子と、
    前記第2の面側に設けられ、空洞が形成されたフレキシブル基板と、
    を備える、超音波プローブ。
  2. 前記空洞は、前記フレキシブル基板の厚み方向の中心よりも前記超音波振動子側に形成されている、請求項1に記載の超音波プローブ。
  3. 前記空洞の大きさは、前記第1の面から放射される超音波の波長に応じた大きさである、請求項1又は2に記載の超音波プローブ。
  4. 前記超音波振動子が複数配列され、
    前記フレキシブル基板は、複数の前記超音波振動子のそれぞれに対応する前記空洞が少なくとも1つは形成されている、請求項1〜3のいずれか1つに記載の超音波プローブ。
  5. 1つの前記空洞が、複数の前記超音波振動子に対応して形成されている、請求項4に記載の超音波プローブ。
  6. 前記超音波振動子の前記第2の面と前記フレキシブル基板とを接続する電極に接続された信号線が、前記フレキシブル基板の前記超音波振動子側の面とは反対側の面に引き出されて、当該信号線に、前記超音波振動子を駆動させて当該超音波振動子から超音波を放射させる回路が接続される、請求項4又は5に記載の超音波プローブ。
  7. 前記超音波振動子の前記第2の面と前記フレキシブル基板とを接続する電極に接続された信号線が、前記フレキシブル基板の端部に引き出されて、当該信号線に、前記超音波振動子を駆動させて当該超音波振動子から超音波を放射させる回路が接続される、請求項4又は5に記載の超音波プローブ。
  8. 前記複数の超音波振動子が、湾曲面上に配列されている、請求項7に記載の超音波プローブ。
  9. 前記複数の超音波振動子が、二次元状に配列されている、請求項4〜8のいずれか1つに記載の超音波プローブ。
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