JP2016029335A - 大腸がんの判定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】精度よく大腸がんを検出するためのバイオマーカーを用いた、大腸がんの判定方法や大腸がんの診断用キットを提供すること。
【解決手段】31種類のタンパク質(PXMP4_HUMAN、LRC15_HUMAN、BST1_HUMAN、FA73B_HUMAN、EPHX4_HUMAN、GGT5_HUMAN、SGMR1_HUMAN、TM41A_HUMAN、B3A2_HUMAN、NEP_HUMAN、GCNT3_HUMAN、ENTP2_HUMAN、5NTD_HUMAN、PEX13_HUMAN、UBAC2_HUMAN、TLCD1_HUMAN、F173A_HUMAN、TM45B_HUMAN、MXRA7_HUMAN、MFAP2_HUMAN、F210B_HUMAN、TSN9_HUMAN、SPX3_HUMAN、S39A4_HUMAN、ANTR1_HUMAN、LTBP2_HUMAN、TMM97_HUMAN、AMPE_HUMAN、GPC6_HUMAN、SPIT2_HUMAN、及びFCERG_HUMAN)をバイオマーカーとして用いることにより、精度よく大腸がんを判定することができる。
【選択図】なし
【解決手段】31種類のタンパク質(PXMP4_HUMAN、LRC15_HUMAN、BST1_HUMAN、FA73B_HUMAN、EPHX4_HUMAN、GGT5_HUMAN、SGMR1_HUMAN、TM41A_HUMAN、B3A2_HUMAN、NEP_HUMAN、GCNT3_HUMAN、ENTP2_HUMAN、5NTD_HUMAN、PEX13_HUMAN、UBAC2_HUMAN、TLCD1_HUMAN、F173A_HUMAN、TM45B_HUMAN、MXRA7_HUMAN、MFAP2_HUMAN、F210B_HUMAN、TSN9_HUMAN、SPX3_HUMAN、S39A4_HUMAN、ANTR1_HUMAN、LTBP2_HUMAN、TMM97_HUMAN、AMPE_HUMAN、GPC6_HUMAN、SPIT2_HUMAN、及びFCERG_HUMAN)をバイオマーカーとして用いることにより、精度よく大腸がんを判定することができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、大腸がんを判定する方法や大腸がんを診断するためのキットに関する。
がんは、心筋梗塞や脳梗塞に代表される血管系疾患とともに、成人の死亡原因を二分する疾患である。例えば、大腸がんは、がん疾患の中で世界3番目の罹患率と2番目の死亡率を占めている。また、国立がん研究センターがん対策情報センターの最新のがん統計資料によると、日本における大腸がんの罹患率は、2005年では胃がんについで2番目に高く、また、大腸がん死亡率は、2009年では肺がん、胃がんについで3番目に高いことが報告されている。さらに、大腸がん(結腸がん、直腸がん、肛門がん)の罹患率は、50歳前後から増加傾向にあり、加齢とともに高くなることや、大腸がんの罹患率及び死亡率は、男性が女性の約2倍と高く、特に直腸がんにおいて男女差が大きい傾向にあることも報告されている。
大腸がんは、腺がん、扁平上皮がん、及び腺扁平上皮がんに分類され、大部分が腺がんであることが知られている。大腸ポリープ(polyp)はキノコの様な形状に増殖し、通常は良性腫瘍であるが、そのうちの一部が腺がんに進行する。また、ポリープ由来でない平坦な病変や陥凹性病変から腺がんに進行することも報告されている。
大腸がんの治療は、内視鏡治療、外科手術、化学療法、放射線療法などにより行われ、病期、腫瘍の大きさ・深達度、転移の度合などを勘案して施される。早期大腸がんである場合、内視鏡切除、あるいは外科手術によってがんを完全に切除することが可能であるため、予後が良いが、進行大腸がんである場合、肺、肝臓、リンパ節や腹膜などに切除困難ながん転移がおこり、また切除した部位にがんが再発することもあるため、予後が悪いことが知られている。
大腸がんの早期発見の重要性が認識されているものの、早期大腸がんの段階ではほとんどが無症状であり、がんが進行してからでないとはっきりとした自覚症状が現れないことが多いため、大腸がんを自覚症状によって早期発見することは難しい。また、大腸がんの進行とともに血便、便が細くなる(便柱細少)、残便感、腹痛、下痢と便秘の繰り返しなど排便に関する症状や、貧血、嘔吐などの症状が現れる。最も多いのが血便であるが、痔等と混同されるケースも多い。
近年のゲノム解析技術やプロテオーム解析技術の進歩に伴い、大腸がんを含めたがんを検出できるバイオマーカーの探索が積極的に行われており(特許文献1〜6)、有用性が証明され、実地臨床で使用可能なバイオマーカーとしては、KRAS遺伝子やUGT1A1遺伝子が報告されている。
本発明の課題は、精度よく大腸がんを検出するためのバイオマーカーを用いた、大腸がんの判定方法や大腸がんの診断用キットを提供することにある。
膜タンパク質は、細胞間認識やシグナル伝達、分子輸送において重要な役割を担い、がん細胞の浸潤や転移への関与が示唆されている。本発明者らは、上記課題を解決するため、大腸良性腫瘍(ポリープ)検体(コントロール群)と大腸がん組織検体(転移無し検体[大腸がん無転移群]及び転移有り検体[大腸がん転移群])(以下、これらを総称して「大腸がん群」という)から膜タンパク質画分を調製し、LTQ-Orbitrap XL質量分析計を用いたiTRAQショットガンプロテオミクス解析を行った。その結果、5566種類のタンパク質が同定された。この中からデータベースサーチや有意差検定等により、105種類の大腸がんバイオマーカー候補タンパク質を選別し、TSQ Vantage質量分析計を用いたselected reaction monitoring(SRM)法により相対定量プロテオミクス解析を行った。その結果、90種類のタンパク質で大腸がんの悪性化に伴う発現変化が示された。さらにこれらを有意差検定や大腸がんとの関係についての先行調査等による選別を行い、31種類のタンパク質(PXMP4_HUMAN、LRC15_HUMAN、BST1_HUMAN、FA73B_HUMAN、EPHX4_HUMAN、GGT5_HUMAN、SGMR1_HUMAN、TM41A_HUMAN、B3A2_HUMAN、NEP_HUMAN、GCNT3_HUMAN、ENTP2_HUMAN、5NTD_HUMAN、PEX13_HUMAN、UBAC2_HUMAN、TLCD1_HUMAN、F173A_HUMAN、TM45B_HUMAN、MXRA7_HUMAN、MFAP2_HUMAN、F210B_HUMAN、TSN9_HUMAN、SPX3_HUMAN、S39A4_HUMAN、ANTR1_HUMAN、LTBP2_HUMAN、TMM97_HUMAN、AMPE_HUMAN、GPC6_HUMAN、SPIT2_HUMAN、及びFCERG_HUMAN)を見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)以下の[タンパク質群](以下、「本件バイオマーカー群」ということがある)における、少なくとも1つ以上のタンパク質又は該タンパク質をコードするmRNA若しくはcDNAの発現の増加を検出することを特徴とする、大腸がんの判定方法に関する。
[タンパク質群]
PXMP4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9Y6I8)
LRC15_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8TF66)
BST1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q10588)
FA73B_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q7L4E1)
EPHX4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8IUS5)
GGT5_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P36269)
SGMR1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q99720)
TM41A_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96HV5)
B3A2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P04920)
NEP_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P08473)
GCNT3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O95395)
ENTP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9Y5L3)
5NTD_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P21589)
PEX13_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q92968)
UBAC2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8NBM4)
TLCD1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96CP7)
F173A_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9BQD7)
TM45B_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96B21)
MXRA7_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P84157)
MFAP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P55001)
F210B_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96KR6)
TSN9_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O75954)
SPX3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8NCC5)
S39A4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q6P5W5)
ANTR1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9H6X2)
LTBP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q14767)
TMM97_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q5BJF2)
AMPE_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q07075)
GPC6_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9Y625)
SPIT2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O43291)
FCERG_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P30273)
[タンパク質群]
PXMP4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9Y6I8)
LRC15_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8TF66)
BST1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q10588)
FA73B_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q7L4E1)
EPHX4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8IUS5)
GGT5_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P36269)
SGMR1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q99720)
TM41A_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96HV5)
B3A2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P04920)
NEP_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P08473)
GCNT3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O95395)
ENTP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9Y5L3)
5NTD_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P21589)
PEX13_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q92968)
UBAC2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8NBM4)
TLCD1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96CP7)
F173A_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9BQD7)
TM45B_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96B21)
MXRA7_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P84157)
MFAP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P55001)
F210B_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96KR6)
TSN9_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O75954)
SPX3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8NCC5)
S39A4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q6P5W5)
ANTR1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9H6X2)
LTBP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q14767)
TMM97_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q5BJF2)
AMPE_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q07075)
GPC6_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9Y625)
SPIT2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O43291)
FCERG_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P30273)
上記本発明の判定方法は、医師による大腸がんの診断を補助する方法であって、医師による診断行為を含まない。また上記判定方法のその他の態様としては、大腸がんを診断するためのデータを収集する方法を挙げることができる。
また本発明は、(2)本件バイオマーカー群における、少なくとも1つ以上のタンパク質に特異的に結合する抗体、又はそれらの標識物を備えることを特徴とする大腸がんの診断用キットに関する。このキット発明は、大腸がんを診断するためのキットに関する用途発明であり、このキットには、通常、大腸がんを診断するための説明書が含まれる。
さらに本発明は、(3)本件バイオマーカー群における、少なくとも1つ以上のタンパク質をコードするmRNA又はcDNAの発現を検出するためのプライマー若しくはプローブ、又はそれらの標識物を備えることを特徴とする大腸がんの診断用キットに関する。このキット発明は、大腸がんを診断するためのキットに関する用途発明であり、このキットには通常、大腸がんを診断するための説明書が添付されている。
また本発明の実施の他の形態として、(a)大腸がんに罹患したモデル動物に被検薬剤又は被検物質を投与する工程;(b)前記モデル動物より採取された判定用試料における、本件バイオマーカー群の少なくとも1つ以上のオーソログ(タンパク質やmRNAやその逆転写物[cDNA])の発現量を検出・定量する工程;(c)前記判定用試料における、本件バイオマーカー群の少なくとも1つ以上のオーソログの発現量と、対照となる被検薬剤又は被検物質を未投与の場合における発現量とを比較する工程;及び(d)判定用試料における、本件バイオマーカー群の少なくとも1つ以上のオーソログの発現量が、被検薬剤又は被検物質を未投与のときの発現量と比較して減少している場合、被検薬剤又は被検物質が大腸がんの治療に有効な治療薬と評価する工程;の工程(a)〜工程(d)を備えたことを特徴とする大腸がん治療薬の有効性を判定する方法(以下、「他の形態の本件方法」ということがある)を挙げることができる。
また上記大腸がん治療薬の有効性を判定する方法のその他の態様としては、大腸がん治療薬をスクリーニングする方法を挙げることができる。
本発明によると、大腸がんを精度よく検出することが可能となり、大腸がんの早期発見に必要な定期検診等のがんの検診者の増加が期待される他、早期がんの段階で診断・治療をうける検診者が増えることや、大腸がんによる死亡率を下げることが期待される。
本発明の大腸がんの判定方法としては、例えば、被験者(提供者)から採取された判定用試料中の、本件バイオマーカー群におけるバイオマーカータンパク質(以下、「本件バイオマーカータンパク質」ということがある)のうち、少なくとも1つ以上の発現量又は少なくとも1つ以上の本件バイオマーカータンパク質をコードするmRNA若しくはその逆転写物(cDNA)の発現量を検出・定量し、発現量の増加により大腸がんの有無や大腸がんの悪性度を判定(評価)する方法(以下、「本件方法」という)であれば特に制限されず、ここで大腸がんの悪性度とは、大腸がんの性質としての悪さ、すなわち増殖、転移、再発しやすさの程度を意味する。また、本発明の大腸がんの診断用キットとしては、少なくとも1つ以上の本件バイオマーカータンパク質に特異的に結合する抗体、又はそれらの標識物を、少なくとも1つ以上備えるキット(以下、「本件キット1」という)や、少なくとも1つ以上の本件バイオマーカータンパク質をコードするmRNA又はcDNAの発現を検出するためのプライマー若しくはプローブ、又はそれらの標識物を、少なくとも1つ以上備えるキット(以下、「本件キット2」という)であれば特に制限されず、ここで、本件キット1や本件キット2は、大腸がんの診断用キットとしての用途に限定されるものである。そして、これらキットには、一般にこの種の診断キットに用いられる成分、例えば担体、pH緩衝剤、安定剤の他、取扱説明書等の添付文書が通常含まれる。なお、本件バイオマーカータンパク質は、大腸がん発症リスクを判定するために用いることもできる。
上記提供者には、大腸(盲腸、結腸、直腸)に、がんが存在するかどうか不明な被験者の他、大腸がんの悪性度が不明な大腸がん患者(罹患者)も含まれる。かかるがんが存在するかどうか不明な被験者には、大腸組織中へのがんの転移が不明な、胃がん患者、肝臓がん患者、膵臓がん患者、甲状腺がん患者、肺がん患者、乳がん患者などの非大腸がん患者も含まれる。なお、大腸には、肛門管が含まれる場合がある。
本件方法や、他の形態の本件方法における判定用試料としては、大腸組織由来の組織、細胞、器官等の非液性試料や、血液、唾液、腹水、尿等の液性試料を例示することができる。例えば、上記大腸組織は、被験者より採取された後に、凍結処理が施された凍結組織であっても、病理組織学的処理が施された病理組織であってもよく、かかる病理組織としては、ホルマリン固定組織や、ホルマリン固定パラフィン包埋組織等を例示することができる。5種類の本件バイオマーカータンパク質(MFAP2_HUMAN、ENTP2_HUMAN、LTBP2_HUMAN、GPC6_HUMAN、及びSPIT2_HUMAN)は、細胞外に分泌されることが予想されるため、かかる5種類の本件バイオマーカータンパク質を検出する場合、本件方法における判定用試料としては、上記液性試料が好ましい。
本件方法により大腸がんの有無を判定する場合、用いるバイオマーカータンパク質としては、本件バイオマーカータンパク質であれば特に制限されないが、大腸がんの有無を効果的に判定できるため、24種類のタンパク質(S39A4_HUMAN、LRC15_HUMAN、BST1_HUMAN、ANTR1_HUMAN、PXMP4_HUMAN、LTBP2_HUMAN、MXRA7_HUMAN、MFAP2_HUMAN、TMM97_HUMAN、AMPE_HUMAN、F210B_HUMAN、FA73B_HUMAN、TSN9_HUMAN、GPC6_HUMAN、GGT5_HUMAN、SGMR1_HUMAN、TM41A_HUMAN、B3A2_HUMAN、FCERG_HUMAN、NEP_HUMAN、5NTD_HUMAN、PEX13_HUMAN、SPIT2_HUMAN、及びUBAC2_HUMAN)が好ましく、特に6種類のタンパク質(LRC15_HUMAN、BST1_HUMAN、PXMP4_HUMAN、GGT5_HUMAN、SGMR1_HUMAN、及びTM41A_HUMAN)を好適に例示することができる。
本件方法により大腸がんの悪性度を判定する場合、用いるバイオマーカータンパク質としては、本件バイオマーカータンパク質であれば特に制限されないが、大腸がんの悪性度を効果的に判定できるため、28種類のタンパク質(S39A4_HUMAN、LRC15_HUMAN、BST1_HUMAN、ANTR1_HUMAN、PXMP4_HUMAN、LTBP2_HUMAN、MFAP2_HUMAN、AMPE_HUMAN、FA73B_HUMAN、TSN9_HUMAN、GPC6_HUMAN、EPHX4_HUMAN、GGT5_HUMAN、SGMR1_HUMAN、TM41A_HUMAN、B3A2_HUMAN、FCERG_HUMAN、NEP_HUMAN、GCNT3_HUMAN、ENTP2_HUMAN、SPX3_HUMAN、5NTD_HUMAN、PEX13_HUMAN、SPIT2_HUMAN、UBAC2_HUMAN、TLCD1_HUMAN、F173A_HUMAN、及びTM45B_HUMAN)が好ましく、上記提供者が大腸がん患者であるとき、大腸がんの再発を効果的に予測することができるため、これらの中でも7種類のタンパク質(GCNT3_HUMAN、ENTP2_HUMAN、5NTD_HUMAN、PEX13_HUMAN、TLCD1_HUMAN、F173A_HUMAN、及びTM45B_HUMAN)がより好ましく、特に5種類のタンパク質(GCNT3_HUMAN、ENTP2_HUMAN、TLCD1_HUMAN、F173A_HUMAN、及びTM45B_HUMAN)を好適に例示することができる。
本件方法において、被験者から採取された判定用試料中の、本件バイオマーカータンパク質の発現量や、該タンパク質をコードするmRNA若しくはcDNAの発現量が、対照試料における発現量と比較して増加している場合、被験者が大腸がんに罹患している可能性が高い、或いは被験者の大腸がんの悪性度が高いと判定することができ、また、被験者から採取された判定用試料中の、本件バイオマーカータンパク質の発現量や、該タンパク質をコードするmRNA若しくはcDNAの発現量が、対照試料における発現量と比較して増加していない場合、被験者が大腸がんに罹患している可能性が低い、或いは被験者の大腸がんの悪性度が低いと判定することができる。
上記対照試料としては、健常者由来の組織、細胞、血液、唾液、腹水、尿などの試料の他、医師等当業者が通常用いる基準に照らして明らかにがん化していないと判断される組織、細胞、器官等の非液性試料や血液、唾液、腹水、尿等の液性試料を例示することができる。また、これら対照試料は、採取された後に、判定用試料と同様の処理が施された対照試料であることが好ましい。
本件方法において、本件バイオマーカータンパク質の発現量を検出・定量する方法としては、本件バイオマーカータンパク質の一部又は全部を特異的に検出できる方法であればどのような方法であってもよく、具体的には、本件バイオマーカータンパク質を構成するペプチドを検出する質量分析法や、本件バイオマーカータンパク質を特異的に認識する抗体を用いた免疫学的測定法を挙げることができる。なお、本件バイオマーカータンパク質のアミノ酸配列情報は、本件バイオマーカータンパク質のUniProtKBアクセッション番号を基に、EBI(http://www.ebi.ac.uk/IPI/IPIhelp.html)のデータベースで検索することにより得ることができる。
上記免疫学的測定法としては、免疫組織化学染色法、ELISA法、EIA法、RIA法、ウェスタンブロッティング法等を好適に例示することができる。また、上記質量分析法とは、ペプチド試料を、イオン源を用いて気体状のイオンとし(イオン化)、分析部において、真空中で運動させ電磁気力を用いて、あるいは飛行時間差によりイオン化したペプチド試料を質量電荷比に応じて分離し、検出できる質量分析計を用いた測定方法のことをいい、イオン源を用いてイオン化する方法としては、EI法、CI法、FD法、FAB法、MALDI法、ESI法などの方法を適宜選択することができ、また、分析部において、イオン化したペプチド試料を分離する方法としては、磁場偏向型、四重極型、イオントラップ型、飛行時間(TOF)型、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型などの分離方法を適宜選択することができる。また、2以上の質量分析法を組み合わせたタンデム型質量分析(MS/MS)やトリプル四重極型質量分析を利用することができる。また、サンプルがリン酸化したペプチドを含む試料の場合、質量分析計へのサンプル導入前に、サンプルを鉄イオン固定化アフィニティークロマトグラフィー(Fe-IMAC)を用いて濃縮することができる。また、液体クロマトグラフ(LC)やHPLCにより、本件バイオマーカータンパク質を構成するペプチドを分離・精製してサンプルとすることができる。また、検出部やデータ処理方法も適宜選択することができる。なお、質量分析法を用いて本件バイオマーカータンパク質を構成するペプチドを質量分析法で検出・定量する場合、かかるペプチドと同一のアミノ酸配列からなる、濃度が既知の安定同位体で標識したペプチドを内部標準とすることができる。かかる安定同位体標識ペプチドとしては、検出する本件バイオマーカータンパク質を構成するペプチドにおけるアミノ酸の1個以上が、15N,13C,18O,及び2Hのいずれか1以上を含む安定同位体標識ペプチドであれば、アミノ酸の種類、位置、数などは適宜選択することができ、かかる安定同位体標識ペプチドは、安定同位元素により標識されたアミノ酸を用いてF−moc法(Amblard., et al. Methods Mol Biol.298:3-24(2005))等の適当な手段で化学合成することができるが、iTRAQ(登録商標)試薬、ICAT(登録商標)試薬、ICPL(登録商標)試薬、NBS(登録商標)試薬などの標識試薬を用いて作製することもできる。
本件方法において、本件バイオマーカータンパク質をコードするmRNA又はcDNAの発現量を検出・定量する方法としては、本件バイオマーカータンパク質をコードするmRNA又はcDNAの一部若しくは全部を特異的に検出できる方法であればどのような方法であってもよく、具体的には、判定用試料中の細胞における全RNAを抽出・精製し、本件バイオマーカータンパク質をコードするmRNAに相補的な塩基配列からなるプローブを用いたノーザンブロッティング法で検出する方法や、判定用試料中の細胞における全RNAを抽出・精製し、逆転写酵素を用いてcDNAを合成した後、本件バイオマーカータンパク質をコードするcDNAを特異的に増幅するプライマー対を用いた、競合的PCR法、リアルタイムPCR法等の定量PCR法で検出する方法や、判定用試料中の細胞における全RNAを精製し、逆転写酵素を用いてcDNAを合成した後、ビオチン(biotin)やジゴキシゲニン(digoxigenin)などでcDNAをラベルし、蛍光物質が標識されたビオチンに対する親和性の高いアビジン(avidin)やジゴキシゲニンを認識する抗体などで間接的にcDNAを標識した後、ガラス、シリコン、プラスチックなどのハイブリダイゼーションに使用可能な支持体上に固定化された、本件バイオマーカータンパク質をコードするcDNAに相補的な塩基配列からなるプローブを用いたマイクロアレイで検出する方法等を挙げることができる。
本件キット1における抗体としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体などの抗体であってもよく、また、この中には、F(ab’)2、Fab、diabody、Fv、ScFv、Sc(Fv)2などの抗体の一部からなる抗体断片も含まれる。また、上記本件キット1には、本件バイオマーカータンパク質のアミノ酸残基に結合した本件キット1における抗体を検出するための、蛍光物質、酵素等の標識物質をコンジュゲートした2次抗体を含めることや、本件キット1における抗体とは異なるエピトープと反応する少なくとも1種類の抗体を含めることができる。また、本件キット1には、必要と目的に応じた緩衝液、pH調整剤、反応容器等をさらに備えたものであってもよい。
本件キット2におけるプライマーとしては、本件バイオマーカータンパク質をコードするcDNAの上流又は下流の配列と一部とアニーリングしうる相補的なプライマー(対)であれば、プライマー配列の長さ、かかるcDNAとアニーリングする部位、増幅するcDNAの長さ等は、DNAの増幅効率や特異性を考慮して適宜選択することができる。例えば、プライマー配列の長さとしては、15〜30塩基を選択することができ、また、増幅するcDNAの長さとしては、100〜300塩基を選択することができる。なお、本件バイオマーカータンパク質をコードするmRNAやcDNAの配列情報は、本件バイオマーカータンパク質のUniProtKBアクセッション番号を基に、EBI(http://www.ebi.ac.uk/IPI/IPIhelp.html)のデータベースで検索し、NCBI(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/guide/)のデータベースにリンクすることにより得ることができる。
本件キット2におけるプローブとしては、本件バイオマーカータンパク質をコードするmRNA又はcDNAの一部若しくは全部がハイブリダイゼーションするプローブであれば、プローブの長さ、かかるスプライシングバリアントとハイブリダイズする部位等は、ハイブリダイゼーションの効率や特異性を考慮して適宜選択することができる。
本件キット1や本件キット2の標識物における標識物質としては、ペルオキシダーゼ(例えば、horseradish peroxidase)、アルカリフォスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコ−ス−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、アルコール脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素、ペニシリナーゼ、カタラーゼ、アポグルコースオキシダーゼ、ウレアーゼ、ルシフェラーゼ若しくはアセチルコリンエステラーゼ等の酵素、フルオレスセインイソチオシアネート、フィコビリタンパク、希土類金属キレート、ダンシルクロライド若しくはテトラメチルローダミンイソチオシアネート等の蛍光物質、緑色蛍光タンパク質(Green Fluorescence Protein;GFP)、シアン蛍光タンパク質(Cyan Fluorescence Protein;CFP)、青色蛍光タンパク質(Blue Fluorescence Protein;BFP)、黄色蛍光タンパク質(Yellow Fluorescence Protein;YFP)、赤色蛍光タンパク質(Red Fluorescence Protein;RFP)、ルシフェラーゼ(luciferase)等の蛍光タンパク質、3H 、14C、125I若しくは131I等の放射性同位体、ビオチン、アビジン、又は化学発光物質を挙げることができる。
上記他の形態の本件方法における大腸がんに罹患したモデル動物としては、大腸がんを自然に罹患したモデル動物であってもよいし、がん遺伝子や大腸がん原因遺伝子(APC、RAS、P53等)の変異体や大腸特異的発がん物質(azoxymethane[AOM]、2-amino-1-methyl-6-phenylimidazo[4, 5-b]pyridine[PhIP]、1, 2-dimethylhydrazine[DMH]等)などを用いて大腸がんを誘導したモデル動物であってもよく、或いは市販のモデル動物であってもよい。市販のモデル動物としては、具体的に大腸がんモデルマウス(C57BL/6J-ApcMin/J)(ジャクソン研究所)を挙げることができる。上記モデル動物としてマウスの他、ラット、ハムスター、モルモット、サル、ウシ、ブタ、ウマ、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、イヌ等の非ヒト哺乳動物モデルを例示することができる。
上記他の形態の本件方法において、本件バイオマーカータンパク質のオーソログの発現量を検出・定量する方法としては、本件バイオマーカータンパク質のオーソログの一部又は全部を特異的に検出できる方法であればどのような方法であってもよく、具体的には、本件バイオマーカータンパク質のオーソログを構成するペプチドを検出する上述の質量分析法や、本件バイオマーカータンパク質のオーソログを特異的に認識する抗体を用いた上述の免疫学的測定法を挙げることができる。また、上記他の形態の本件方法において、本件バイオマーカータンパク質をコードするmRNA又はcDNAの発現量を検出・定量する方法としては、本件バイオマーカータンパク質をコードするmRNA又はcDNAの一部若しくは全部を特異的に検出できる方法であればどのような方法であってもよく、具体的には、上述の方法を挙げることができる。なお、本件バイオマーカータンパク質のオーソログの遺伝情報やアミノ酸配列情報は、NCBI(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/guide/)等のデータベースを検索し、適宜入手することができる。例えば、本件バイオマーカータンパク質のオーソログがマウス、ラット等において知られている。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
1.プロテオミクス解析を用いた大腸がんバイオマーカー候補タンパク質の同定
大腸がんのバイオマーカーを探索するために、大腸がん患者組織から膜タンパク質画分を調製し、タンパク質の網羅的な定量解析を行った。
大腸がんのバイオマーカーを探索するために、大腸がん患者組織から膜タンパク質画分を調製し、タンパク質の網羅的な定量解析を行った。
1−1 方法(膜タンパク質画分の調製とプロテオミクス解析)
大腸良性腫瘍(ポリープ)6検体(コントロール群)と大腸がん組織12検体(大腸がん群)(転移無し6検体[大腸がん無転移群]と転移有り6検体[大腸がん転移群])の合計18検体をホモジュナイザーで破砕し、低速遠心で核や未破砕の細胞を除いた後、超高速遠心を行い、得られた沈殿画分を膜タンパク質画分とした。膜タンパク質画分を、界面活性剤(デオキシコール酸やラウロイルサルコシン酸)を含む溶液で可溶化し、トリプシン消化後、酢酸エチルを加え、酸性条件にすること(相間移動溶解法[PTS法])で質量分析の際に悪影響となる界面活性剤を除いた。脱塩精製後得られたペプチドサンプルは、iTRAQ試薬(エービーサイエックス)で同位体標識ラベル後、SCXカラム(アジレント・テクノロジーズ社)により分画を行い、LTQ-Orbitrap XL質量分析計(サーモフィッシャーサイエンティフィック)を用いたiTRAQショットガンプロテオミクス解析により、タンパク質の定量・同定を行った(図1)。
大腸良性腫瘍(ポリープ)6検体(コントロール群)と大腸がん組織12検体(大腸がん群)(転移無し6検体[大腸がん無転移群]と転移有り6検体[大腸がん転移群])の合計18検体をホモジュナイザーで破砕し、低速遠心で核や未破砕の細胞を除いた後、超高速遠心を行い、得られた沈殿画分を膜タンパク質画分とした。膜タンパク質画分を、界面活性剤(デオキシコール酸やラウロイルサルコシン酸)を含む溶液で可溶化し、トリプシン消化後、酢酸エチルを加え、酸性条件にすること(相間移動溶解法[PTS法])で質量分析の際に悪影響となる界面活性剤を除いた。脱塩精製後得られたペプチドサンプルは、iTRAQ試薬(エービーサイエックス)で同位体標識ラベル後、SCXカラム(アジレント・テクノロジーズ社)により分画を行い、LTQ-Orbitrap XL質量分析計(サーモフィッシャーサイエンティフィック)を用いたiTRAQショットガンプロテオミクス解析により、タンパク質の定量・同定を行った(図1)。
1−2 結果
iTRAQ定量解析により、5566種類のタンパク質が同定され、その中の1567種類のタンパク質は膜貫通ドメイン(領域)を有する膜タンパク質であることが推定された(表1)。また、遺伝子オントロジー(Gene Ontology;GO)解析の結果、5566種類のタンパク質のうち5287種類のタンパク質が注釈付け(アノテーション)され、その中の3087種類のタンパク質は生体膜(membrane)に局在し、652種類のタンパク質は細胞外(extra cellular)に局在するタンパク質であることが推定された(表1)。これら膜タンパク質又は細胞外分泌タンパク質の中から、コントロール群と大腸がん群間で、又は大腸がん無転移群と大腸がん転移群間で有意な発現変化(増加又は減少)を示す、354種類のタンパク質が見いだされた(表2)。これらを大腸がんバイオマーカー候補タンパク質として同定した。
iTRAQ定量解析により、5566種類のタンパク質が同定され、その中の1567種類のタンパク質は膜貫通ドメイン(領域)を有する膜タンパク質であることが推定された(表1)。また、遺伝子オントロジー(Gene Ontology;GO)解析の結果、5566種類のタンパク質のうち5287種類のタンパク質が注釈付け(アノテーション)され、その中の3087種類のタンパク質は生体膜(membrane)に局在し、652種類のタンパク質は細胞外(extra cellular)に局在するタンパク質であることが推定された(表1)。これら膜タンパク質又は細胞外分泌タンパク質の中から、コントロール群と大腸がん群間で、又は大腸がん無転移群と大腸がん転移群間で有意な発現変化(増加又は減少)を示す、354種類のタンパク質が見いだされた(表2)。これらを大腸がんバイオマーカー候補タンパク質として同定した。
2.SRM法を用いた大腸がんバイオマーカータンパク質の同定
実施例1に記載の方法により同定した大腸がんバイオマーカー候補タンパク質の中から、大腸がんを判定できるバイオマーカーを同定するために、SRM法を用いた解析を行った。
実施例1に記載の方法により同定した大腸がんバイオマーカー候補タンパク質の中から、大腸がんを判定できるバイオマーカーを同定するために、SRM法を用いた解析を行った。
2−1 方法(SRM法を用いた相対定量解析)
354種類の大腸がんバイオマーカー候補タンパク質のうち、(A)コントロール群と比較して大腸がん無転移群で2倍以上の増加(p値0.1未満)が認められた66種類のタンパク質、(B)大腸がん無転移群と比較して大腸がん転移群で2倍以上の増加(p値0.1未満)が認められた10種類のタンパク質、(C)コントロール群と比較して大腸がん無転移群で2倍以上の減少(p値0.1未満)(ただし、大腸がん無転移群と比較して大腸がん転移群で1.4倍以下の増加)が認められた13種類のタンパク質、(D)大腸がん無転移群と比較して大腸がん転移群で2倍以上の減少(p値0.1未満)が認められた6種類のタンパク質、(E)コントロール群と比較して大腸がん転移群で2倍以上の増加(p値0.1未満)が認められた10種類のタンパク質の、計105種類の大腸がんバイオマーカー候補タンパク質に着目し、以下のとおりSRM法を用いた解析を行った。
354種類の大腸がんバイオマーカー候補タンパク質のうち、(A)コントロール群と比較して大腸がん無転移群で2倍以上の増加(p値0.1未満)が認められた66種類のタンパク質、(B)大腸がん無転移群と比較して大腸がん転移群で2倍以上の増加(p値0.1未満)が認められた10種類のタンパク質、(C)コントロール群と比較して大腸がん無転移群で2倍以上の減少(p値0.1未満)(ただし、大腸がん無転移群と比較して大腸がん転移群で1.4倍以下の増加)が認められた13種類のタンパク質、(D)大腸がん無転移群と比較して大腸がん転移群で2倍以上の減少(p値0.1未満)が認められた6種類のタンパク質、(E)コントロール群と比較して大腸がん転移群で2倍以上の増加(p値0.1未満)が認められた10種類のタンパク質の、計105種類の大腸がんバイオマーカー候補タンパク質に着目し、以下のとおりSRM法を用いた解析を行った。
上記105種類の大腸がんバイオマーカー候補タンパク質のアミノ酸配列情報を基に、SRM法で特異的に検出されるペプチド(トリプシン消化断片)を1又は2種類ずつ選択し、それぞれに対するペプチドと同じアミノ酸配列からなる安定同位体標識ペプチド(SIペプチド)をグライナーバイオ−ワンから購入し、内部標準ペプチドとして用いた。上記実施例1に記載の方法により膜タンパク質画分を単離し、トリプシン消化後、上記105種類の大腸がんバイオマーカー候補タンパク質の内部標準ペプチドを混合し、TSQ Vantage質量分析計を用いたSRM法により相対定量解析を行った。
2−2 結果
上記105種類の大腸がんバイオマーカー候補タンパク質のうち、90種類のタンパク質について、大腸がんの進行に伴う有意な発現変化(増加又は減少)、すなわち2倍以上の発現変化(p値0.1未満)、又は1.5倍以上の発現変化(p値0.05未満)が認められた。かかる90種類のタンパク質の中から、(1)コントロール群と大腸がん無転移群間でほとんど発現変化が認められないが、大腸がん転移群で発現増加が認められる、(2)コントロール群と比べ大腸がん無転移群で発現増加が認められる(ただし、大腸がん無転移群と比べ大腸がん転移群で有意に発現低下が認められない)、(3)大腸がんバイオマーカーとして報告のない、の選択基準(1)〜(3)を満たす31種類のタンパク質を大腸がんバイオマーカータンパク質として同定した。上記実施例1に示したiTRAQ定量解析による解析結果のうち、かかる31種類の大腸がんバイオマーカータンパク質に関するものを表3及び図2〜8(「iTRAQ」)に示す。上記31種類のタンパク質のUniProtIDは以下のとおりである。
PXMP4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9Y6I8)
LRC15_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8TF66)
BST1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q10588)
FA73B_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q7L4E1)
EPHX4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8IUS5)
GGT5_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P36269)
SGMR1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q99720)
TM41A_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96HV5)
B3A2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P04920)
NEP_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P08473)
GCNT3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O95395)
ENTP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9Y5L3)
5NTD_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P21589)
PEX13_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q92968)
UBAC2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8NBM4)
TLCD1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96CP7)
F173A_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9BQD7)
TM45B_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96B21)
MXRA7_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P84157)
MFAP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P55001)
F210B_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96KR6)
TSN9_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O75954)
SPX3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8NCC5)
S39A4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q6P5W5)
ANTR1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9H6X2)
LTBP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q14767)
TMM97_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q5BJF2)
AMPE_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q07075)
GPC6_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9Y625)
SPIT2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O43291)
FCERG_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P30273)
上記105種類の大腸がんバイオマーカー候補タンパク質のうち、90種類のタンパク質について、大腸がんの進行に伴う有意な発現変化(増加又は減少)、すなわち2倍以上の発現変化(p値0.1未満)、又は1.5倍以上の発現変化(p値0.05未満)が認められた。かかる90種類のタンパク質の中から、(1)コントロール群と大腸がん無転移群間でほとんど発現変化が認められないが、大腸がん転移群で発現増加が認められる、(2)コントロール群と比べ大腸がん無転移群で発現増加が認められる(ただし、大腸がん無転移群と比べ大腸がん転移群で有意に発現低下が認められない)、(3)大腸がんバイオマーカーとして報告のない、の選択基準(1)〜(3)を満たす31種類のタンパク質を大腸がんバイオマーカータンパク質として同定した。上記実施例1に示したiTRAQ定量解析による解析結果のうち、かかる31種類の大腸がんバイオマーカータンパク質に関するものを表3及び図2〜8(「iTRAQ」)に示す。上記31種類のタンパク質のUniProtIDは以下のとおりである。
PXMP4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9Y6I8)
LRC15_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8TF66)
BST1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q10588)
FA73B_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q7L4E1)
EPHX4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8IUS5)
GGT5_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P36269)
SGMR1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q99720)
TM41A_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96HV5)
B3A2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P04920)
NEP_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P08473)
GCNT3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O95395)
ENTP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9Y5L3)
5NTD_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P21589)
PEX13_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q92968)
UBAC2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8NBM4)
TLCD1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96CP7)
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TM45B_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96B21)
MXRA7_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P84157)
MFAP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P55001)
F210B_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96KR6)
TSN9_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O75954)
SPX3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8NCC5)
S39A4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q6P5W5)
ANTR1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9H6X2)
LTBP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q14767)
TMM97_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q5BJF2)
AMPE_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q07075)
GPC6_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9Y625)
SPIT2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O43291)
FCERG_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P30273)
また、SRM法による相対定量解析に用いた定量対象ペプチド(「SRM−1」及び「SRM−2」)のアミノ酸配列を表4に示す。
また、上記実施例2に示したSRM法を用いた相対定量解析による解析結果のうち、上記31種類の大腸がんバイオマーカータンパク質に関するものを表5及び図2〜8(「SRM−1」及び「SRM−2」)に示す。
[考察]
本発明により同定された大腸がんバイオマーカータンパク質は、前がん病変であるポリープに比べてがん組織で発現の上昇が認められたことから、大腸がんの早期診断用バイオマーカーとしても有用である。また、特に転移に伴う有意な発現上昇が認められた5種類の大腸がんバイオマーカータンパク質(GCNT3_HUMAN、ENTP2_HUMAN、TLCD1_HUMAN、F173A_HUMAN、及びTM45B_HUMAN)については、大腸がんを含めたがんの再発予測マーカーとしても有用である。さらに、5種類の大腸がんバイオマーカータンパク質(MFAP2_HUMAN、ENTP2_HUMAN、LTBP2_HUMAN、GPC6_HUMAN、及びSPIT2_HUMAN)は、細胞外に分泌されることが予想されることから(表3の「extra」)、かかるタンパク質の発現を血液、唾液、腹水、尿等の液性試料で検出できることが期待される。
本発明により同定された大腸がんバイオマーカータンパク質は、前がん病変であるポリープに比べてがん組織で発現の上昇が認められたことから、大腸がんの早期診断用バイオマーカーとしても有用である。また、特に転移に伴う有意な発現上昇が認められた5種類の大腸がんバイオマーカータンパク質(GCNT3_HUMAN、ENTP2_HUMAN、TLCD1_HUMAN、F173A_HUMAN、及びTM45B_HUMAN)については、大腸がんを含めたがんの再発予測マーカーとしても有用である。さらに、5種類の大腸がんバイオマーカータンパク質(MFAP2_HUMAN、ENTP2_HUMAN、LTBP2_HUMAN、GPC6_HUMAN、及びSPIT2_HUMAN)は、細胞外に分泌されることが予想されることから(表3の「extra」)、かかるタンパク質の発現を血液、唾液、腹水、尿等の液性試料で検出できることが期待される。
本発明によると、大腸がんを精度よく判定することが可能となるため、がん診断分野やがん治療分野で有用である。
Claims (3)
- 以下の[タンパク質群]における、少なくとも1つ以上のタンパク質又は該タンパク質をコードするmRNA若しくはcDNAの発現の増加を検出することを特徴とする、大腸がんの判定方法。
[タンパク質群]
PXMP4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9Y6I8)
LRC15_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8TF66)
BST1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q10588)
FA73B_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q7L4E1)
EPHX4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8IUS5)
GGT5_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P36269)
SGMR1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q99720)
TM41A_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96HV5)
B3A2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P04920)
NEP_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P08473)
GCNT3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O95395)
ENTP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9Y5L3)
5NTD_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P21589)
PEX13_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q92968)
UBAC2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8NBM4)
TLCD1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96CP7)
F173A_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9BQD7)
TM45B_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96B21)
MXRA7_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P84157)
MFAP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P55001)
F210B_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96KR6)
TSN9_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O75954)
SPX3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8NCC5)
S39A4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q6P5W5)
ANTR1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9H6X2)
LTBP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q14767)
TMM97_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q5BJF2)
AMPE_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q07075)
GPC6_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9Y625)
SPIT2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O43291)
FCERG_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P30273) - 以下の[タンパク質群]における、少なくとも1つ以上のタンパク質に特異的に結合する抗体、又はそれらの標識物を備えることを特徴とする大腸がんの診断用キット。
[タンパク質群]
PXMP4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9Y6I8)
LRC15_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8TF66)
BST1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q10588)
FA73B_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q7L4E1)
EPHX4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8IUS5)
GGT5_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P36269)
SGMR1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q99720)
TM41A_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96HV5)
B3A2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P04920)
NEP_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P08473)
GCNT3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O95395)
ENTP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9Y5L3)
5NTD_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P21589)
PEX13_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q92968)
UBAC2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8NBM4)
TLCD1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96CP7)
F173A_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9BQD7)
TM45B_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96B21)
MXRA7_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P84157)
MFAP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P55001)
F210B_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96KR6)
TSN9_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O75954)
SPX3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8NCC5)
S39A4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q6P5W5)
ANTR1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9H6X2)
LTBP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q14767)
TMM97_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q5BJF2)
AMPE_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q07075)
GPC6_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9Y625)
SPIT2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O43291)
FCERG_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P30273) - 以下の[タンパク質群]における、少なくとも1つ以上のタンパク質をコードするmRNA又はcDNAの発現を検出するためのプライマー若しくはプローブ、又はそれらの標識物を備えることを特徴とする大腸がんの診断用キット。
[タンパク質群]
PXMP4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9Y6I8)
LRC15_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8TF66)
BST1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q10588)
FA73B_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q7L4E1)
EPHX4_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8IUS5)
GGT5_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P36269)
SGMR1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q99720)
TM41A_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96HV5)
B3A2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P04920)
NEP_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P08473)
GCNT3_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号O95395)
ENTP2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q9Y5L3)
5NTD_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号P21589)
PEX13_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q92968)
UBAC2_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q8NBM4)
TLCD1_HUMAN(UniProtKBアクセッション番号Q96CP7)
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