以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。以下においては、データベースを「DB」,リーダ/ライタを「R/W」,ステップSを「S」と略記する。
本発明に係る遊技用装置(各台計数ユニット50)は、図1,図2に示すように、遊技機(パチンコ機10)に対応して設けられ、図5,図6に示すように、遊技媒体(パチンコ玉)を受け入れて計数する計数手段(玉カウンタ35)を有する計数部30と、対応する遊技機と通信することにより、遊技者が所有する遊技用価値の大きさ(プリペイド残額)に相当する遊技媒体を該遊技機から払い出して貸与するための貸与処理(玉貸処理)を行う貸与処理手段(玉貸発券制御部22),及び前記計数手段による計数遊技媒体数(計数値)を景品交換又は他の遊技機での遊技に使用させるために確定させるための確定処理(発券処理)を行う確定処理手段(玉貸発券制御部22)を有する制御部(玉貸発券処理部20)とを備える。
また玉貸発券処理部20は、計数手段による計数遊技媒体数(計数値)を記憶する計数値記憶手段(記憶テーブル),及び該計数値記憶手段により記憶している計数遊技媒体数の範囲内で遊技媒体を払い出すための払出処理の実行を要求する払出要求を送信する払出要求送信手段をさらに有し、また計数部30は、前記払出要求の受信に基づいて、前記払出処理を行う払出処理手段を有する払出制御部としても機能するものである。
ここで玉貸発券処理部20は、玉貸発券制御部22が記憶している発券部IDにより個々に識別され、計数部30は、計数制御部31が記憶している計数部IDにより個々に識別される。そして各台計数ユニット50においては、計数部30と玉貸発券処理部20とが通信可能である。また各台計数ユニット50においては、該計数部30及び玉貸発券処理部20の少なくとも一方が着脱可能である。即ち各台計数ユニット50は、任意の発券部IDの玉貸発券処理部20と、任意の計数部IDの計数部30との組み合わせからなり、玉貸発券処理部20又は計数部30の一方が故障等の場合には、該故障した玉貸発券処理部20又は計数部30を、故障していない玉貸発券処理部20又は計数部30に取り替えることにより、再び稼働可能となる。
そして本発明に係る各台計数ユニット50では、遊技媒体の計数中や遊技媒体の払出処理中に、故障した玉貸発券処理部20又は計数部30が取り替えられたり、あるいは電断が発生したりして、玉貸発券制御部22による計数値の記憶や計数制御部31による払出処理が正常に行われなかった場合に、一定条件の下に、計数値リカバリ処理や払出リカバリ処理を行うことにより、遊技者が不利益を被ることがないようにする点に特徴がある。ここで本発明には、該計数値リカバリ処理や払出リカバリ処理を行うか否かの判定を、玉貸発券制御部22が行う第1実施形態(図19)と、計数制御部31が行う第2実施形態(図26)とが含まれる。
また各台計数ユニット50において、計数部30は、図10〜図12に示すように、玉カウンタ35による計数に関する異常を判定し、図8に示すように、玉カウンタ35により計数された計数値を特定可能な計数情報(動作指示応答)を制御部である玉貸発券処理部20に対して送信し、玉貸発券処理部20は、図13〜図14に示すように、受信した動作指示応答から特定される計数値に基づいて異常を判定し、図11に示すように、計数部30により異常判定されたこと(S301)に基づいて計数異常報知処理(S304,S307,S354)を行い、図14に示すように、玉貸発券処理部20により異常判定されたこと(S401)に基づいて遊技媒体数異常報知処理(S402)を行うことを特徴とするものである。
以下においては、まず第1実施形態について説明し、次に第2実施形態について第1実施形態と異なる点のみを説明し、最後に変形例について説明する。
[1.第1実施形態に係る各台計数ユニット50]
まず、図1〜図6を参照して、第1実施形態に係る本発明の構成について説明する。本発明に係る遊技用装置である各台計数ユニット50を含む遊技用システム1は、図1に示すように、遊技場内において、複数の遊技島の各々に設けられる島コンピュータ63と、各遊技島に設けられる島コンピュータ63と通信可能であり、当該遊技島に配置される複数のパチンコ機10と、各遊技島に設けられる島コンピュータ63と通信可能であり、当該遊技島に配置される複数のパチンコ機10の各々に対応して設けられる各台計数ユニット50(玉貸発券処理部20+計数部30)と、全ての島コンピュータ63と通信可能な残額管理装置60,会員管理装置61,持玉管理装置62,及びホールコンピュータ70からなる。
この遊技用装置及び遊技用システム1では、図2(b)に示すように、会員カード2及びビジターカード3が使用される。以下、会員カード2及びビジターカード3を区別しない場合には、両者を単に「カード」と総称する。これらカードは、長方形状を呈するプラスチック製の薄板における所定の部位に、不揮発性のEEPROMを備える非接触式のICチップを記録領域として備えている。なお、ここでいうカードには、円形状を呈するコインも含まれる。
会員カード2は、遊技場において会員登録を行った遊技者(会員遊技者)に対して発行される記録媒体であり、該記録媒体を個々に識別可能な情報であるカードIDがICチップに予め記録されている。このカードIDは、会員遊技者を示す頭文字Mと、それに続く5桁のユニークな数字からなり、会員遊技者を個々に識別可能な情報でもある。またICチップには、プリペイド残額も記憶されているが、持玉数及び貯玉数は記憶されていない。この会員カード2が玉貸発券処理部20のカードR/W23で受け付けられると、ICチップに記録されているカードIDに対応付けて会員管理装置61で管理されている暗証番号(図示外)の認証がとれたことを条件として、図1に示すように、該カードIDに対応付けて残額管理装置60で管理されているプリペイド残額を使用した玉貸処理が可能となり、またカードIDに対応付けて会員管理装置61で管理されている貯玉数を使用した貯玉再プレイ処理が可能となり、さらにカードIDに対応付けて持玉管理装置62で管理されている持玉数を使用した持玉払出処理が可能となる。
ビジターカード3は、遊技場において遊技者(ビジタ遊技者)に対して発行される記録媒体であり、該記録媒体を個々に識別可能な情報であるカードIDがICチップに予め記録されている。このカードIDは、ビジタ遊技者を示す頭文字Vと、それに続く5桁のユニークな数字からなる。またICチップには、プリペイド残額も記憶されているが、持玉数は記憶されていない。このビジターカード3が玉貸発券処理部20のカードR/W23で受け付けられると、図1に示すように、ICチップに記録されているカードIDに対応付けて残額管理装置60で管理されている残額を使用した玉貸処理が可能となり、またカードIDに対応付けて持玉管理装置62で管理されている持玉数を使用した持玉払出処理が可能となる。なおビジタ遊技者は、会員遊技者と異なり、貯玉をしたり貯玉再プレイをしたりすることはできない。
ここで残額管理装置60,会員管理装置61,持玉管理装置62,及び島コンピュータ63について、図1を参照して説明する。残額管理装置60は、会員カード2又はビジターカード3のカードIDに対応付けて、遊技者が所有する遊技用価値であって、該遊技者が前払いしたプリペイド価値であるプリペイド残額を管理するものである。この残額管理装置60は、入金処理(図7のS04,S22)を行う玉貸発券処理部20からカードIDと該入金処理に供された入金額とを含む加算要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額に該入金額を加算して、加算完了通知を返信し、また玉貸処理(図7のS21a)を行う玉貸発券処理部20からカードIDと該玉貸処理に使用された使用額とを含む減算要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額から該使用額を減算して、減算完了通知を返信する。
会員管理装置61は、会員カード2のカードIDに対応付けて、遊技者が所有する遊技用価値であって、該遊技者が遊技により獲得した獲得価値(賞球)を貯蓄してなる貯玉数を管理するものである。この貯玉数は、遊技者が獲得した当日のみならず、翌日以降も、景品交換やパチンコ機10での遊技に使用可能である。また会員管理装置61は、図示しないが、カードIDに対応付けて、会員登録の際に登録された当該会員遊技者の個人情報(氏名,郵便番号,住所,及び電話番号等)と暗証番号も管理している。この会員管理装置61は、会員カード2を受け付けて管理貯玉数取得処理(図7のS06)を行う玉貸発券処理部20から、カードIDと暗証番号とを含む貯玉数取得要求を受信すると、該受信した暗証番号が該受信したカードIDに対応付けて記憶している暗証番号と一致する(即ち認証がとれた)ことを条件として、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数を含む貯玉数情報を玉貸発券処理部20に対して返信し、また管理玉数更新処理(図7のS26b)を行う玉貸発券処理部20から、カードIDと貯玉数とを含む貯玉数更新要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数を当該受信した貯玉数に更新する。また会員管理装置61は、景品交換処理を行うPOS端末(図示外)からカードIDと景品交換に使用された玉数とを含む景品交換要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数から景品交換に使用された玉数を減算し、また該POS端末からカードIDと貯玉する玉数とを含む貯玉要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数に貯玉する玉数を加算する。
持玉管理装置62は、会員カード2又はビジターカード3のカードIDに対応付けて、遊技者が所有する遊技用価値であって、該遊技者が遊技により獲得した獲得価値(賞球)を計数してなる持玉数を管理するものである。この持玉数は、遊技者が獲得した当日のみ、景品交換やパチンコ機10での遊技に使用可能である。この持玉管理装置62は、会員カード2又はビジターカード3を受け付けて管理持玉数取得処理(図7のS07)を行う玉貸発券処理部20から、カードIDを含む持玉数取得要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している持玉数を含む持玉数情報を玉貸発券処理部20に対して返信し、また管理玉数更新処理(図7のS26b)を行う玉貸発券処理部20から、カードIDと持玉数とを含む持玉数更新要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している持玉数を当該受信した持玉数に更新する。また持玉管理装置62は、景品交換処理を行うPOS端末(図示外)からカードIDと景品交換に使用された玉数とを含む景品交換要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している持玉数から景品交換に使用された玉数を減算する。
なお持玉管理装置62は、当日の営業終了後において、会員カード2のカードID(即ち頭文字がMのカードID)に対応付けられている持玉数を消去すると共に、カードIDと該消去された持玉数とを含む振替要求を会員管理装置61に対して送信し、会員管理装置61は、該振替要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している貯玉数に該振替要求に含まれる持玉数を加算更新する。即ち会員カード2のカードID対応付けられている持玉数は、当日の営業終了後に自動的に貯玉数に振り返られて、翌日以降も使用可能になる。また持玉管理装置62は、当日の営業終了後において、ビジターカード3のカードID(即ち頭文字がVのカードID)に対応付けられている持玉数を消去する。即ちビジターカード3のカードIDに対応付けられている持玉数は、当日の営業終了後に自動的に消去されて、無効になる。
島コンピュータ63は、接続される(即ち当該島コンピュータ63が設けられる遊技島に配置される)各パチンコ機10及び各台計数ユニット50と、残額管理装置60,会員管理装置61,持玉管理装置62,及びホールコンピュータ70との間におけるデータ通信を中継する中継装置である。
なお、この遊技用システム1は、複数のパチンコ玉の貸与レート(例えば4円と1円)に対応している。具体的には、会員管理装置61は、前記貯玉数を貸与レート毎に記憶している。また持玉管理装置62も、前記持玉数を、貸与レート毎に記憶している。さらに各台計数ユニット50の各々は、自己に適用される貸与レートを、玉貸発券制御部22及び計数制御部31において記憶しており、当該貸与レートの貯玉数や持玉数を取得してカードテーブルで記憶する。なお各台計数ユニット50における貸与レートの記憶は、まず残額管理装置60又は持玉管理装置62から送信されてきた貸与レートを、玉貸発券制御部22が貸与レート記憶部(図示外)で記憶し、該記憶した貸与レートを玉貸発券制御部22から計数制御部31に対して送信して、該送信されてきた貸与レートを、計数制御部31が貸与レート記憶部(図示外)で記憶する。以下においては、各台計数ユニット50で記憶されている貸与レートが4円である例について説明する。
次にパチンコ機10について説明する。パチンコ機10は遊技機の一例であって、図1及び図2(a)に示すように、各台計数ユニット50に対応して(ここでは玉貸発券処理部20の右側に隣接して)設けられ、対応する各台計数ユニット50の玉貸発券処理部20と通信することにより、該玉貸発券処理部20が行う玉貸処理に応じて当該パチンコ機10からパチンコ玉を払い出して貸与する、いわゆるCR式のパチンコ機である。このパチンコ機10は、遊技場内に設けられた遊技島において該パチンコ機10の機種等に従って配置されており、ユニークな台番号により個々に識別される。
このパチンコ機10は、図2(a)に示すように、その前面に遊技領域,上皿,下皿,及び発射ハンドル等を備えると共に、上皿に残度数表示器14,玉貸ボタン15,及びカード返却ボタン16を備え、図1に示すように、その内部に遊技制御基板11,払出制御基板12,及び玉払出装置13等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。
遊技制御基板11は、パチンコ機10における遊技状態を制御するものである。払出制御基板12は、玉貸発券処理部20の玉貸通信部21aと通信可能に接続されており、パチンコ機10と玉貸発券処理部20との間における通信を司るものである。これにより、玉貸処理(図7のS21a),持玉払出処理(同S24),及び貯玉再プレイ処理(S25)において、玉貸発券処理部20との間で信号のやり取りが行われる。また払出制御基板12は、玉払出装置13と接続され、該玉払出装置13を制御するものである。玉払出装置13は、玉貸処理,持玉払出処理,及び貯玉再プレイ処理においてパチンコ玉を払い出すと共に、遊技の結果として遊技者に付与されるパチンコ玉(いわゆる賞球)を払い出すものである。
残度数表示器14は、対応する玉貸発券処理部20のカードR/W23にて受け付けたカード(会員カード2又はビジターカード3)に記録されているプリペイド残額(即ち図3に示すカードテーブルで記憶しているプリペイド残額)から特定される残度数を表示するための表示器であり、ここでは2桁の7セグメント表示器によって構成されている。この残度数表示器14では、該玉貸通信部21aから残度数を示す度数表示信号が入力されることによって、該残度数が表示される。この度数表示信号に含まれる残度数は、「プリペイド残額÷最小の単位有価価値(ここでは100円)」の式で演算された商である。この残度数表示器14で表示される残度数は、カードテーブルで記憶しているプリペイド残額が更新される毎に、更新して表示される。
玉貸ボタン15は、対応する玉貸発券処理部20のカードR/W23にて受け付けたカード(会員カード2又はビジターカード3)に記録されているプリペイド残額を使用した玉貸処理を行うための玉貸操作を受け付けるボタンである。この玉貸ボタン15が操作されたことにより、玉貸通信部21aとの間に図示しない検出回路を介して設けられている貸出入力信号線を介して、該玉貸通信部21aに貸出入力信号が入力され、該検出回路が該貸出入力信号の入力を検出することによって、玉貸発券制御部22が玉貸ボタン15が操作された旨を認識して、玉貸処理(図7のS21a)を行う。
カード返却ボタン16は、対応する玉貸発券処理部20のカードR/W23にて受け付けたカード(会員カード2又はビジターカード3)を返却するための返却操作を受け付けるボタンである。このカード返却ボタン16が操作されたことにより、玉貸通信部21aとの間に図示しない検出回路を介して設けられている返却入力信号線を介して、該玉貸通信部21aに返却入力信号が入力され、該検出回路が該返却入力信号の入力を検出することによって、玉貸発券制御部22がカード返却ボタン16が操作された旨を認識して、カードの返却(図7のS26a)を行う。
上記の残度数表示器14,玉貸ボタン15,及びカード返却ボタン16は、図2(a)に示すように、パチンコ機10の前面(ここでは上皿)に設けられているが、図1に示すように、玉貸発券処理部20と接続されているので、遊技用装置を構成する該玉貸発券処理部20に属するものでもある。
このパチンコ機10では、発射ハンドルが操作されると、上皿にあるパチンコ玉が遊技領域に打ち込まれて、遊技が行われる。そして遊技領域に打ち込まれた打込玉が始動入賞口に入賞すると、可変表示装置が変動を開始し、該可変表示装置に表示される図柄の表示結果が特定の態様になると、大当りが発生する。また打込玉が入賞口(始動入賞口,一般入賞口,又は大当りになると開放される大入賞口等)に入賞すると、払出制御基板12の制御により玉払出装置13から賞球が払い出され、該払い出された賞球は、まず上皿に導かれ、該上皿が満タンになると下皿に導かれる。そして下皿に導かれた賞球は、落下レバー(図示外)が操作されると、下皿から落下して、計数部30の玉載置部32に導かれる。なお打込玉は、図示しないが、当該パチンコ機10の背後に設けられたアウトタンクで収集されて打込玉カウンタでカウントされ、カウント後に遊技島に取り込まれる。
次に各台計数ユニット50の玉貸発券処理部20について説明する。玉貸発券処理部20は遊技用装置を構成するものであって、図1及び図2(b)に示すように、遊技機であるパチンコ機10に対応して(ここではパチンコ機10の左側に隣接して)設けられ、縦長の箱型の形状を呈するものであり、図2(a)に示すように、その前面に多機能ランプ26,紙幣挿入口25a,突出部20a,及びカード挿入口23a等を備え、図2(b)に示すように、その内部に紙幣識別機25,玉貸通信部21a,場内通信部21b,玉貸発券制御部22,カードR/W23,及びカードストッカ23b等を備え、突出部20aの右側面(即ち遊技者に向く側)にタッチパネル式のディスプレイ24を備え、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。なお玉貸発券処理部20の下部には、前面に計数部30の外部ユニット30aが配置され、内部に計数部30の内部ユニット30bが配置されているが、これらについては後述する。この玉貸発券処理部20と計数部30とで、遊技用装置である各台計数ユニット50が構成され、該各台計数ユニット50は、対応するパチンコ機10の台番号により個々に識別される。
玉貸通信部21aは、前述の如く、パチンコ機10の払出制御基板12と通信可能に接続されている。場内通信部21bは、図1に示すように、島コンピュータ63を介して残額管理装置60,会員管理装置61,持玉管理装置62,及びホールコンピュータ70と通信可能に接続されており、それらと玉貸発券処理部20(各台計数ユニット50)との間における通信を司るものである。
玉貸発券制御部22は、CPU,RAM,ROM,EEPROM等を備えており、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、玉貸発券処理部20に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。
この玉貸発券制御部22のEEPROMは、図3に示すカードテーブルを記憶している。このカードテーブルでは、カードR/W23で受け付けたカード(会員カード2又はビジターカード3)から読み取ったカードIDと、当該カードIDに対応するプリペイド残額,持玉数,及び貯玉数(ただし貯玉数は、受け付けたのが会員カード2の場合のみ)とが記憶されて更新されるが、この記憶及び更新については、図7を参照して後述する。なお前述の如く、ここで記憶される持玉数及び貯玉数は、当該玉貸発券制御部22が記憶している貸与レートの持玉数及び貯玉数である。
また玉貸発券制御部22のEEPROMは、図8に示す記憶テーブルを記憶している。この記憶テーブルでは、当該玉貸発券処理部20の発券部IDと、第2計数処理情報である計数通番と、計数値と、第1払出処理情報である払出通番とが、対応付けて記憶される。ここで発券部IDは、予め記憶されている。また計数通番は、図8に示すように、計数中でない旨を示すS123の動作指示応答D(即ち計数終了通知)の受信に基づいて、S124で更新して記憶される。また計数値は、図8に示すように、計数途中の計数値(計数開始からの累計値)を示すS114の動作指示応答B(即ち計数情報)の受信に基づいて、S115で更新して記憶されると共に、計数終了後の計数値(計数開始からの累計値)を示すS119の動作指示応答C(即ち計数情報)の受信に基づいて、S120で更新して記憶される。さらに払出通番は、図18に示すように、払出処理の開始に基づいて(換言すれば、払出開始を示すS802の動作指示G(即ち払出要求)の送信に伴って)、S801で更新して記憶される。
また玉貸発券制御部22のEEPROMは、暗号キーの初期値を記憶している。この暗号キーの初期値は電源投入後に計数制御部31に送信され、計数制御部側で照合される。照合結果が一致すれば、計数制御部31から玉貸発券制御部22に暗号キー応答が送信され、これ以降の計数制御部31と玉貸発券制御部22との通信では、暗号キーを使用した暗号化・復号化処理が行われることになる。また玉貸発券制御部22のEEPROMは、図22(a)に示す認証テーブルを記憶している。本実施の形態において、認証テーブルはコード1〜コード8からなるテーブルであり、各コードは4ビットのデータによって構成されている。認証テーブルは玉貸発券制御部22及び計数制御部31の電源投入時に参照されるものであり、玉貸発券制御部22に接続されている対象が正規物であるか否かを判定するために使用される。電源投入後には、図22(b)に示すように起動時認証シーケンス1が実行され、各コードの認証要求が順不同に玉貸発券制御部22から計数制御部31に対して送信され、これに応じて計数制御部31から玉貸発券制御部22に対して認証要求に対応するコードが返信される。玉貸発券制御部22では、返信されたコードが認証要求したコードに合致するか否かを判定し、合致する場合には当該コードの認証を完了して次コードの認証を行い、合致しないときには異常停止する。全てのコードの認証が完了すると玉貸発券制御部22と計数制御部31との間で、以降のコマンドの送受が可能となる。
また玉貸発券制御部22のEEPROMは、図23(a)に示す暗号化テーブルを記憶している。暗証化テーブルでは、参照値0〜255の各値に対応づけてテーブル値を記憶しており、本例におけるテーブル値は8ビットのランダム値である。このテーブル値は参照値自体に所定の操作を行うことによっては得られない値である。即ち、テーブル値は、参照値から直接導出できない値であって、参照値に所定の演算(例えば所定キーとのXOR演算)を施した値ではなく、参照値のビットを操作した値(例えばビット反転値)でもない。例えば整数0〜255の範囲で乱数を生成するプログラムによって生成された値がテーブル値として格納されている。具体例としては、図23(a)に示すように、乱数生成プログラムによって最初に生成された乱数が152であった場合に、参照値0に対応するテーブル値として「10011000」を格納し、次に生成された乱数が59であった場合に、参照値1に対応するテーブル値として「00111011」を格納するようにする。
また玉貸発券制御部22のEEPROMは、図23(b)に示す第1制御部暗号化論理を記憶している。この第1制御部暗号化論理とは、玉貸発券制御部22が特定した参照値(本例では暗号キーのビット反転値)に対応するテーブル値に基づいて対象データを暗号化する際の規則である。本例では、テーブル値における最下位ビット〜最上位ビットを各々ビット1〜ビット8として、ビット8(最上位ビット)の値に基づいて対象データのビット反転の有無を決定し(0の場合には反転なし、1の場合には反転有り)、ビット7〜ビット4の各ビット値の合計に基づいて対象データのローテート方向を決定し(偶数の場合は左ローテート、奇数の場合は右ローテート)、ビット3〜ビット1の各ビット値の合計に基づいて対象データのローテートビット数を決定する。図23(b)の例に示すように参照値170に対応するテーブル値が「00110111」である場合、ビット8の値は0であるから対象データの反転を行わず、ビット7〜ビット4の各ビット値(0,1,1,0)の合計が2であるから左ローテートを行い、ビット3〜ビット1の各ビット値(1,1,1)の合計が3であるからローテートビット数を3とする。ここで、ローテートビット数1の左ローテートとは、各ビット値を1ビットずつ上位桁にシフトさせ、最上位桁のビット値は最下位桁にシフトさせる処理である。ローテートビット数3の左ローテートとは、ローテートビット数1の左ローテートを3回繰り返す処理である。
これら暗号化テーブル及び第1制御部暗号化論理は、計数制御部31でも記憶されている。従って計数制御部31において受信したデータを暗号化テーブル及び第1制御部暗号化論理に基づいて復合化することが可能である。さらに玉貸発券制御部22のEEPROMは、後述する図23(c)に示す第2制御部暗号化論理を記憶している。
カードR/W23は、図2(b)に示すように、カード挿入口23aからカード(会員カード2又はビジターカード)の挿入を受け付けて、該カードのICチップからカードID及びプリペイド残額を読み取るものである。カードストッカ23bは、カードR/W23の後方に設けられ、所定枚数(例えば10枚)のビジターカード3を貯留するものである。このカードストッカ23bには、玉貸処理が行われてプリペイド残額が零になり、かつ持玉数が零であるビジターカード3が取り込まれて貯留される(図7のS21c)。またカードR/W23にてカードを受け付けていない状態で紙幣識別機25にて紙幣を受け付けた場合(図7のS01でYES)に、カードストッカ23bで貯留しているビジターカード3(以下、「ストックカード」とも称する。)のうちの1枚が、該カードストッカ23bからカードR/W23に対して搬送されて、カードR/W23にセットされ、カードR/W23は、該セットされたビジターカード3のICチップからカードID及びプリペイド残額(この場合には零)を読み取る(図7のS03)。
タッチパネル式のディスプレイ24は、各種の情報を表示する表示デバイスであると共に、各種の情報の入力を受け付ける入力デバイスである。このディスプレイ24では、図4に示すメイン画面が表示される。このメイン画面では、図3のカードテーブルで記憶している持玉数が表示されると共に、該持玉数を使用した持玉払出処理を行うための払出操作を受け付ける「払出」ボタンが表示される。またカードテーブルで貯玉数を記憶している場合(即ちカードR/W23にて会員カードを受け付けている場合)には、該貯玉数が表示されると共に、該貯玉数を使用した貯玉再プレイ処理を行うための再プレイ操作を受け付ける「再プレイ」ボタンが表示される。またメイン画面で表示される持玉数や貯玉数は、カードテーブルで記憶している持玉数や貯玉数が更新される毎に、更新して表示される。
紙幣識別機25は、図2(b)に示すように、紙幣挿入口25aから紙幣(1000円紙幣,2000円紙幣,5000円紙幣,又は10000円紙幣)の挿入を受け付けて、該紙幣を識別するものである。なお識別された紙幣は、紙幣識別機25の後方に設けられる紙幣通路25b内を搬送されて遊技島に取り込まれ、遊技島内に設けられる搬送路を経て遊技島の端部に設けられる金庫に回収される。
多機能ランプ26は、様々な色で点灯及び/又は点滅して発光することにより、該発光態様に応じた報知を行うものであり、例えば図9のS204に示す通信異常報知,図11のS305やS355に示す計数異常報知,図14のS402に示す計数値異常報知等を行う。
次に各台計数ユニット50の計数部30について説明する。計数部30は遊技用装置の一部を構成するものであって、遊技媒体であるパチンコ玉を受け入れて計数する計数手段である玉カウンタ35を有すると共に、パチンコ玉を払い出す払出手段としても機能するものである。なお玉カウンタ35により計数されたパチンコ玉は、一部は玉貯留部36に貯留され、その他は遊技島に取り込まれる。この計数部30は、図2(a)に示すように、玉貸発券処理部20の下部において前面に配置される外部ユニット30aと、図2(b)に示すように、玉貸発券処理部20の下部において内部に配置される内部ユニット30bとからなり、この計数部30と前記玉貸発券処理部20とで、遊技用装置である各台計数ユニット50が構成される。以下、計数部30の構造について、図5及び図6を参照して説明する。
外部ユニット30aの内部には、図5(b)に示すように、パチンコ機10の下皿から落下されたパチンコ玉を受け入れて載置する玉載置部32と、該玉載置部32の下流側に設けられ、該玉載置部32上のパチンコ玉の玉カウンタ35への受入を可能又は不可能とするシャッタ33と、玉載置部32の下方に設けられる流出路40とが設けられている。ここでシャッタ33は、カードストッカ23bにストックカードが有ることを条件に開放され、該ストックカードが無くなると閉鎖される。またシャッタ33は、カードストッカ23bにストックカードが有っても、計数部30において計数が禁止されると閉鎖される。
また外部ユニット30aの前面には、図5(a)に示すように、LED(発光ダイオード)41が設けられ、さらに外部ユニット30aの下面には、流出路40の下流側の端部において、該流出路40内を流下したパチンコ玉を受け止める受皿40が設けられている。
また内部ユニット30bの内部には、図5(c)に示すように、玉載置部32の下流側の端部に連通する流入路34と、該流入路34の下流側の端部に設けられ、該流入路34内を流下するパチンコ玉を計数する玉カウンタ35と、流入路34の下方に設けられ、玉カウンタ35にて計数されたパチンコ玉の一部を貯留し、その下流側の端部が前記流出路40の上流側の端部に連通する玉貯留部36と、流入路34の下流側の端部に連通し、玉カウンタ35にて計数されたパチンコ玉のうち玉貯留部36に貯留される以外のパチンコ玉を遊技島内に流すための排出路37と、玉貯留部36の下流側の端部に設けられ、該玉貯留部36から払い出されるパチンコ玉を計数する払出カウンタ38とが設けられている。ここで玉貯留部36には、予め定められた払出単位(例えば25玉)に満たない数のパチンコ玉を計数部30から払出可能なように、当該払出単位未満の最大数(即ち24玉)のパチンコ玉が貯留される。
そして図1に示すように、シャッタ33を駆動するソレノイド(図示外),玉カウンタ35に設けられる各計数センサ,払出カウンタ38に設けられる払出センサ,及びLED41は、計数部30の計数制御部31に接続されている。
計数制御部31は、CPU,RAM,ROM,EEPROM等を備えており、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、計数制御部31に接続される各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。
また計数部30の計数制御部31は、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22と通信可能に接続されており、両者の間では所定間隔(例えば500msec間隔)でポーリングによる通信が行われる。具体的には、後述する図8等に示すように、まず玉貸発券制御部22から計数制御部31に対して、500msec間隔で、動作指示が送信され、該動作指示に応じて、計数制御部31から玉貸発券制御部22に対して、動作指示応答が返信される。この両者の間における通信については図8等を参照して後述する。
また計数制御部31のEEPROMは、図8に示す記憶テーブルを記憶している。この記憶テーブルでは、現在装着されている玉貸発券処理部20の発券部IDと、第1計数処理情報である計数通番と、計数値と、第2払出処理情報である払出通番と、払出予定数と、払出済数とが、対応付けて記憶される。ここで発券部IDは、図19に示すように、対応する玉貸発券制御部22から送信されてくる、該対応する玉貸発券処理部20の発券部IDを示すS1001の接続機器確認指示の受信に基づいて、S1022,S1043,又はS1053で記憶される。また計数通番は、図8に示すように、計数の発生に基づいて、S112で更新して記憶される。また計数値は、計数の進行に応じて、加算更新して記憶される。また払出通番は、図18に示すように、払出開始を示すS802の動作指示G(即ち払出要求)の受信に基づいて、S803で更新して記憶される。また払出予定数は、図18に示すように、払出予定数を示すS802の動作指示G(即ち払出要求)の受信に基づいて、S803で該払出予定数が記憶される。さらに払出済数は、図18に示すように、払出の進行に応じて、加算更新して記憶される。
また計数制御部31のEEPROMは、暗号キーの初期値を記憶している。電源投入後に玉貸発券制御部22から計数制御部31に暗号キーが送信され、計数制御部31が記憶している暗号キーとの照合を行う。照合結果が一致すれば、計数制御部31は玉貸発券制御部22に暗号キー応答を送信する。また計数制御部31のEEPROMは、図22(a)に示す認証テーブルを記憶している。この認証テーブルは対となっている玉貸発券制御部22が記憶しているものと同一である。電源投入後には、図22(b)に示すように起動時認証シーケンス1が実行され、各コードの認証要求が順不同に玉貸発券制御部22から計数制御部31に対して送信されるが、計数制御部31は、受信した認証要求に対応するコードを玉貸発券制御部22に対して返信する。
また計数制御部31のEEPROMは、図23(a)に示す暗号化テーブルを記憶している。この暗証化テーブルは対となる玉貸発券制御部22で記憶されているものと同一である。また計数制御部31のEEPROMは、図23(c)に示す第2制御部暗号化論理を記憶している。この第2制御部暗号化論理とは、計数制御部31が特定した参照値(本例では暗号キーのビット反転値)に対応するテーブル値に基づいて暗号化する際の規則である。本例では、テーブル値における最下位ビット〜最上位ビットを各々ビット1〜ビット8として、ビット1(最下位ビット)の値に基づいて対象データのビット反転の有無を決定し(0の場合には反転なし、1の場合には反転有り)、ビット2〜ビット5の各ビット値の合計に基づいて対象データのローテート方向を決定し(偶数の場合は左ローテート、奇数の場合は右ローテート)、ビット6〜ビット8の各ビット値の合計に基づいて対象データのローテートビット数を決定する。図23(c)の例に示すように参照値170に対応するテーブル値が「00110111」である場合、ビット1の値は1であるから対象データの反転を行い、ビット2〜ビット5の各ビット値(1,1,0,1)の合計が3であるから右ローテートを行い、ビット6〜ビット8の各ビット値(1,0,0)の合計が1であるからローテートビット数を1とする。ここで、ローテートビット数1の右ローテートとは、各ビット値を1ビットずつ下位桁にシフトさせ、最下位桁のビット値は最上位桁にシフトさせる処理である。なお、ローテートビット数3の右ローテートとは、ローテートビット数1の右ローテートを3回繰り返す処理である。
これら暗号化テーブル及び第2制御部暗号化論理は、玉貸発券制御部22でも記憶されている。従って玉貸発券制御部22において受信したデータを暗号化テーブル及び第2制御部暗号化論理に基づいて復合化することが可能である。さらに計数制御部31のEEPROMは、図23(b)に示す第1制御部暗号化論理を記憶している。
ここで図6を参照して、流入路34及び玉カウンタ35の構造について説明する。流入路34は、平面視で並行する第1レーン341と第2レーン342からなる。玉カウンタ35は、第1レーン341の上流側に設けられる計数センサ351aと、第1レーン341の下流側に設けられる計数センサ351bと、第2レーン342の上流側に設けられる計数センサ352aと、第2レーン342の下流側に設けられる計数センサ352bからなる。以下においては、これら計数センサ351a,351b,352a,352bを、単に「計数センサ」と総称する場合がある。
これら計数センサはフォトセンサであり、第1レーン341において、パチンコ玉が上流側の計数センサ351aを通過した後に下流側の計数センサ351bを通過すると、両計数センサ間の通過時間に応じたパルス幅の計数パルスが出力されて玉貸発券制御部22に入力され、該玉貸発券制御部22においてプラスカウントが行われて計数値が+1される。同様に第2レーン342において、パチンコ玉が上流側の計数センサ352aを通過した後に下流側の計数センサ352bを通過すると、両計数センサ間の通過時間に応じたパルス幅の計数パルスが出力されて玉貸発券制御部22に入力され、該玉貸発券制御部22においてプラスカウントが行われて計数値が+1される。
なお故障等によりパチンコ玉が逆流し、第1レーン341において、パチンコ玉が下流側の計数センサ351bを通過した後に上流側の計数センサ351aを通過すると、両計数センサ間の通過時間に応じたパルス幅の計数パルスが出力されて玉貸発券制御部22に入力され、該玉貸発券制御部22においてマイナスカウントが行われて計数値が−1される。同様に第2レーン342において、パチンコ玉が下流側の計数センサ352bを通過した後に上流側の計数センサ352aを通過すると、両計数センサ間の通過時間に応じたパルス幅の計数パルスが出力されて玉貸発券制御部22に入力され、該玉貸発券制御部22においてマイナスカウントが行われて計数値が−1される。
図5に戻り、計数部30におけるパチンコ玉の流れについて説明する。後述する図8に示す待機中(即ちシャッタ33が開放中)に、パチンコ機10の下皿からパチンコ玉が落下されると、該パチンコ玉が玉載置部32上を流下して、シャッタ33を通過し、流入路34内を流下して、玉カウンタ35により計数される。該玉カウンタ35により計数されたパチンコ玉は、玉貯留部36がパチンコ玉で満たされるまでは、図5(c)の矢印A方向に進んで玉貯留部36に貯留され、玉貯留部36がパチンコ玉で満たされた後は、矢印B方向に進み排出路37内を流下して、遊技島内に取り込まれる。なお玉カウンタ35による計数値は、計数制御部31で検知されて、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22に対して送信されるように構成されているが、これについては図8等を参照して後述する。
次にホールコンピュータ70について説明する。ホールコンピュータ70は、図1に示すように接続される通信部71,制御部72,ハードディスク73,ディスプレイ74,及び入力装置75等を有するコンピュータである。
通信部71は、複数の島コンピュータ63の各々を介して、各島コンピュータ63の配下にある複数のパチンコ機10及び各台計数ユニット50(玉貸発券処理部20の場内通信部21b)の各々と通信可能に接続されている。制御部72は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ROM及びハードディスク73に記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、ホールコンピュータ70に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。ハードディスク73は、各種の情報を記憶する記憶デバイスである。ディスプレイ74は、各種の情報を表示する表示デバイスであって、例えば液晶ディスプレイであり、入力装置75は、各種の情報の入力を受け付ける入力デバイスであって、例えばキーボードやマウスである。
次に、図7〜図21を参照して、第1実施形態に係る各台計数ユニット50の作用について説明する。この各台計数ユニット50では、まず電源が投入されて電源投入時処理(図19)が行われてから、営業中処理(図7)や、計数処理(図8)等が行われるが、説明の便宜上、まず図7,図15〜図18を参照して、営業中処理及びそれに関連する処理について説明し、次に図8〜図14を参照して、計数処理及びそれに関連する処理について説明し、次に図19〜図22を参照して、電源投入時処理及びそれに関連する処理について説明し、最後に図23〜図25を参照して、玉貸発券制御部22と計数制御部31との間の通信における情報の暗復号化及びそれに関連する処理について説明する。
まず図7は、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22が行う営業中処理の一例を表すフローチャートである。玉貸発券制御部22は、S01で紙幣識別機25による紙幣の受付,又はS02でカードR/W23によるカード(会員カード2又はビジターカード3)の受付を待機している。ここでS01とS02は、当該遊技用装置に対応するパチンコ機10で遊技をする遊技者により行われる。
前記S01で紙幣の受付が有ると(YES)、紙幣識別機25は、該受け付けた紙幣を識別し、カードストッカ23bは、S03で、貯留しているビジターカード3のうちの1枚をカードR/W23に対して搬送し、カードR/W23は、搬送されたビジターカード3をセットしてICチップからカードID及びプリペイド残額(この場合には零)を読み取り、玉貸発券制御部22は、S04で入金処理を行う。
この入金処理において、玉貸発券制御部22は、S03で読み取ったカードIDとS01で識別した紙幣額(即ち入金処理に供された入金額)とを含む加算要求を残額管理装置60に対して送信する。該加算要求を受信した残額管理装置60は、該加算要求に含まれるカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額(この場合には零)に該加算要求に含まれる入金額を加算して、加算完了通知を玉貸発券処理部20に対して返信する。そして該加算完了通知を受信した玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、カードテーブルで、S03で読み取ったカードIDに対応付けて、S01で識別した紙幣額をプリペイド残額に加算更新すると共に、残度数表示器14に残度数を表示し、かつカードR/W23により受付中のビジターカード3に該加算更新後のプリペイド残額を記録する処理を行い、入金処理を終了して、S11に進む。
前記S02でカードの受付が有ると(YES)、カードR/W23は、該受け付けたカードのICチップからカードID及びプリペイド残額を読み取り、玉貸発券制御部22は、S05で、該読み取ったカードIDの頭文字(M又はV)に基づいて、受け付けたカードが会員カード2であるか否かを判定する。このS05で会員カード2である(YES)と判定された場合には、玉貸発券制御部22は、S06で貯玉数取得処理を行う。
この貯玉数取得処理において、玉貸発券制御部22は、ディスプレイ24に暗証番号入力画面(図示外)を表示する処理を行い、暗証番号の入力が有ると、S02で読み取ったカードIDと該入力された暗証番号と自己が記憶している貸与レートとを含む貯玉数取得要求を会員管理装置61に対して送信する。該貯玉数取得要求を受信した会員管理装置61は、該貯玉数取得要求に含まれる暗証番号が該貯玉数取得要求に含まれるカードIDに対応付けて記憶している暗証番号と一致するか否かを判定し、一致することを条件として、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数のうちの前記貯玉数取得要求に含まれる貸与レートの貯玉数を含む貯玉数情報を玉貸発券処理部20に対して返信する。そして該貯玉数情報を受信した玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、カードテーブルで、S02で読み取ったカードIDに対応付けて、該貯玉数情報に含まれる貯玉数を記憶すると共に、メイン画面で貯玉数を表示し、貯玉数取得処理を終了して、S07で持玉数取得処理を行う。
この持玉数取得処理において、玉貸発券制御部22は、S02で読み取ったカードIDと自己が記憶している貸与レートとを含む持玉数取得要求を持玉管理装置62に対して送信する。該持玉数取得要求を受信した持玉管理装置62は、該持玉数取得要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している持玉数のうちの該持玉数取得要求に含まれる貸与レートの持玉数を含む持玉数情報を玉貸発券処理部20に対して返信する。そして該持玉数情報を受信した玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、カードテーブルで、S02で読み取ったカードIDに対応付けて、該持玉数情報に含まれる持玉数を記憶すると共に、メイン画面で持玉数を表示し、持玉数取得処理を終了して、S08で残額確認処理を行う。
この残額確認処理において、玉貸発券制御部22は、S02で読み取ったカードIDとプリペイド残額とを含む残額確認要求を残額管理装置60に対して送信する。該残額確認要求を受信した残額管理装置60は、該残額確認要求に含まれるプリペイド残額と該残額確認要求に含まれるカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額とが一致するか否かを判定し、一致することを条件として、該プリペイド残額を含む残額確認通知を玉貸発券処理部20に対して返信する。そして該残額確認通知を受信した玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、カードテーブルで、S02で読み取ったカードIDに対応付けて、該残額確認通知に含まれるプリペイド残額を記憶すると共に、残度数表示器14に残度数を表示し、残額確認処理を終了して、S11に進む。
前記S05で会員カード2でない(NO)、即ちビジターカード3であると判定された場合には、玉貸発券制御部22は、前記S07の持玉数取得処理と、前記S08の残額確認処理とを行って、S11に進む。
S04又はS08の処理が終了すると、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、S11で玉貸ボタン15の操作の受付,S12で紙幣識別機25による紙幣の受付,S14でメイン画面に表示される払出ボタンの操作の受付,S15で会員カード2の受付中においてメイン画面に表示される再プレイボタンの操作の受付,又はS16でカード返却ボタン16の操作の受付を待機する。
このS11で玉貸ボタン15の操作が有ると(YES)、玉貸発券制御部22は、S21aで玉貸処理を行う。この玉貸処理において、玉貸発券制御部22は、カードテーブルで記憶しているプリペイド残額が予め設定された玉貸設定額(例えば5度数=500円)以上であるか否かを判定し、プリペイド残額が玉貸設定額以上であれば、該玉貸設定額を使用額として特定し、プリペイド残額が玉貸設定額未満であれば、該プリペイド残額を使用額として特定して、該特定した使用額分のパチンコ玉の払出をパチンコ機10の払出制御基板12に対して指令し、カードIDと使用額とを含む減算要求を残額管理装置60に対して送信する。該減算要求を受信した残額管理装置60は、該減算要求に含まれるカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額から該減算要求に含まれる使用額を減算して、減算完了通知を玉貸発券処理部20に対して返信する。そして該減算完了通知を受信した玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、カードテーブルで、使用額をプリペイド残額から減算更新すると共に、残度数表示器14に残度数を表示し、かつカードR/W23により受付中のカードに該減算更新後のプリペイド残額を記録する処理を行い、玉貸処理を終了して、S21bに進む。
このS21aの処理を行う玉貸発券制御部22は、対応するパチンコ機10と通信することにより、遊技者が所有する遊技用価値の大きさ(プリペイド残額)に相当するパチンコ玉を該パチンコ機10から払い出して貸与するための貸与処理(玉貸処理)を行う貸与処理手段として機能するものである。
S21bで、玉貸発券制御部22は、ビジターカード3を受付中かつカードテーブルで記憶しているプリペイド残額及び持玉数が零であるか否かを判定し、NOならば前記S11に戻り、YESならばS21cで当該ビジターカード3をカードストッカ23bに取り込んで、S26bで管理玉数更新処理を行う。この管理玉数更新処理において、玉貸発券制御部22は、カードIDと持玉数(ここでは零)とを含む持玉数更新要求を持玉管理装置62に対して送信する処理を行って、管理玉数更新処理を終了する。なお持玉数更新要求を受信した持玉管理装置62は、該持玉数更新要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している持玉数を該持玉数更新要求に含まれる持玉数に更新する。そしてS26bの処理が終了すると、S26cで、玉貸発券制御部22は、カードテーブルの記憶内容を消去して、営業中処理を終了する。
前記S12で紙幣の受付が有ると(YES)、玉貸発券制御部22は、S22で前記S04と同様の入金処理を行って、S11に戻る。
前記S14で払出ボタンの操作が有ると(YES)、玉貸発券制御部22及び計数制御部31は、S24で持玉払出処理を行う。この持玉払出処理においては、図15に示すように、まずS501で、カードテーブルの持玉数が零であるか否かを判定する。このS501で持玉数が零である(YES)と判定された場合には、S506で、持玉数が零である旨をディスプレイ24に表示するエラー表示を行い、持玉払出処理を終了する。一方、S501で持玉数が零でない(NO)と判定された場合には、S502で、該持玉数が、予め設定されている所定の払出設定数(例えば5度数分の125玉)以上であるか否かを判定する。
このS502で持玉数が払出設定数以上である(YES)と判定された場合には、S508で、該払出設定数分の単位払出処理を行って、持玉払出処理を終了する。この単位払出処理については、図16で詳述する。一方、S502で持玉数が払出設定数未満である(NO)と判定された場合には、S503で、該持玉数が、前記払出単位数(本例では1度数分の25玉)以上であるか否かを判定する。
このS503で持玉数が払出単位数以上である(YES)と判定された場合には、S509で、該持玉数が前記払出単位数の整数倍(即ち1度数分の25玉,2度数分の50玉,3度数分の75玉,又は4度数分の100玉)であるか否かを判定する。このS509で持玉数が払出単位数の整数倍である(YES)と判定された場合には、S512で、該持玉数に基づいて払出度数を特定する。具体的には、持玉数が25玉であれば払出度数が1度数,持玉数が50玉であれば払出度数が2度数,持玉数が75玉であれば払出度数が3度数,持玉数が100玉であれば払出度数が4度数と特定する。そしてS513で、該特定した払出度数分の単位払出処理を行って、持玉払出処理を終了する。この単位払出処理については、図16で詳述する。
一方、S509で持玉数が払出単位数の整数倍でない(NO)、即ち持玉数が単位未満端数を含むと判定された場合には、S510で、該持玉数に基づいて払出度数と払出端数を特定する。例えば持玉数が40玉であれば払出度数が1度数で払出端数が15玉,持玉数が60玉であれば払出度数が2度数で払出端数が10玉,持玉数が80玉であれば払出度数が3度数で払出端数が5玉,持玉数が120玉であれば払出度数が4度数で払出端数が20玉と特定する。そしてS511で、該特定した払出度数分の単位払出処理を行い、該単位払出処理の終了後に、S505で、該特定した払出端数分の単位未満払出処理を行って、持玉払出処理を終了する。この単位払出処理については、図16で詳述し、単位未満払出処理については、図17で詳述する。
前記S503で持玉数が払出単位数未満である(NO)、即ち持玉数が単位未満端数であると判定された場合には、S504で、該持玉数を払出端数として特定し、S505で、該特定した払出端数分の単位未満払出処理を行って、持玉払出処理を終了する。即ち、この払出処理では、持玉数が払出設定数未満であり払出単位を超えている場合には、単位払出処理(S511)を行った後に単位未満払出処理(S505)を行い、また持玉数が払出設定数未満であり払出単位を超えていない場合には、単位未満払出処理(S505)を行う。そして、これら単位未満払出処理の実行に伴って、後述する図17のS711及びD711に示す払出報知を行うので、遊技者が該払出に対して困惑するのを効果的に防止できる。
次に図16を参照して、各台計数ユニット50の玉貸発券制御部22が行う前記単位払出処理について説明する。
この単位払出処理では、まずS601で、パチンコ機10から送信される払出可能信号(前記PRDYのLOW)を検出中であるか否かを判定する。このS601で払出可能信号を検出中でない(NO)と判定された場合には、S602で、該単位払出処理を中止するエラー処理を行う。一方、S601で払出可能信号を検出中である(YES)と判定された場合には、払出残度数をセットする。具体的には、図15のS508に示す単位払出処理では、払出設定数である125玉に相当する5度数を払出残度数としてセットし、S513に示す単位払出処理では、S512で特定された払出度数を払出残度数としてセットし、S511の単位払出処理では、S510で特定された払出度数を払出残度数としてセットする。
次にS611では、D411に示すように、ディスプレイ24において、前記セットされた払出残度数を表示すると共に、パチンコ機10のアイコン上で上皿23を点滅表示(図では網掛けで表示)し、該点滅する上皿23を矢印で指し示し、さらに「パチンコ機から払い出します」の文言を表示することにより、該パチンコ機10から上皿にパチンコ玉を払い出す旨を報知する払出報知を行う。ここでS611の処理を行う玉貸発券制御部22及びD411の表示を行うディスプレイ24は、単位払出処理に基づくパチンコ機10からのパチンコ玉の払出を遊技者に認識させるための報知を行う払出報知手段として機能するものである。これによれば、後述する図17のS711及びD711に示す、単位未満払出処理に基づく払出報知に加えて、単位払出処理に基づく払出単位(25玉)のパチンコ玉の払出がパチンコ機10から行われることをさらに報知するので、単位払出処理に基づくパチンコ機10からの払出又は単位未満払出処理に基づく各台計数ユニット50の計数部30からの払出のいずれが行われるかを、遊技者が容易に認識できる。
次にS612では、BRQをLOWにすることにより、1度数分のパチンコ玉の払出を要求する玉貸要求信号をパチンコ機10に対して送信して、S613で、要求了解信号の受信(EXSのLOWへの切替)を待機し、該要求了解信号を受信すると(YES)、S614で、BRQをHIGHに切り替えることにより、玉貸指令信号をパチンコ機10に対して送信して、S615で、玉貸完了信号(EXSのHIGHへの切替)を待機し、該玉貸完了信号を受信すると(YES)、1度数分の払出が終了したとして、S616で、カードテーブルの持玉数から該1度数分の25玉を減算更新すると共に、D416に示すように、ディスプレイ24で表示されている払出残度数から該1度数を減算表示して、S617で、該減算後の払出残度数が零であるか否かを判定し、零でなければS612に戻り、零であれば単位払出処理を終了する。
次に図17を参照して、各台計数ユニット50の玉貸発券制御部22が行う前記単位未満払出処理について説明する。
この単位未満払出処理では、まずS701で、払出端数をセットする。具体的には、図15のS504で特定された払出端数をセットする。次にS702で、計数部30から出力された貯留玉数出力から特定される、玉貯留部36に貯留されているパチンコ玉の数である貯留残数が、該セットされた払出端数以上であるか否かを判定する。このS702で貯留残数が払出端数未満である(NO)と判定された場合には、S703で、「玉不足のため払出ができません。係員を呼んで下さい。」とディスプレイ24に表示すると共に、多機能ランプ26の点灯状態を、貯留残数エラーが発生したことを報知する所定の点灯態様にて点灯させることにより、貯留残数エラー報知を行って、S704で、エラーが解消するのを待機する。この貯留残数エラー報知により玉貯留部36に貯留されている貯留残数が少ないことを把握した係員は、玉貯留部36にパチンコ玉を補充することで、玉貯留部36からのパチンコ玉の払出しが可能とされて、該エラーが解消する。このS704でエラーが解消すると(YES)、S711に進む。一方、S702で貯留残数が払出端数以上である(YES)と判定された場合にも、S711に進む。
S711では、D711に示すように、ディスプレイ24において、前記セットされた払出端数である払出残数を表示すると共に、パチンコ機10のアイコン上で計数部30を点滅表示(図では網掛けで表示)し、該点滅する計数部30を矢印で指し示し、さらに「計数部から払い出します」の文言を表示することにより、該計数部30からパチンコ玉を払い出す旨を報知する払出報知を行う。ここでS711の処理を行う玉貸発券制御部22及びD711の表示を行うディスプレイ24は、少なくとも単位未満払出処理に基づく計数部30からのパチンコ玉の払出を遊技者に認識させるための払出報知を行う払出報知手段として機能するものである。これによれば、該払出報知を行うことにより、単位未満払出処理に基づく単位未満端数のパチンコ玉の払出が、パチンコ機10からではなく、当該各台計数ユニット50の計数部30から行われることを遊技者に認識させることができるので、遊技者が該払出に対して困惑するのを防止できる。
即ち、持玉数に基づくパチンコ玉の持玉払出処理が行われる場合において、前記図15で説明したように、持玉数が払出設定数(例えば125玉)以上であれば(S502でYES)、該払出設定数分のパチンコ玉がパチンコ機10からのみ払い出され(S508)、持玉数が払出設定数未満であっても(S502でNO)、持玉数が払出単位数以上であって(S503でYES)払出単位数の整数倍であれば(S509でYES)、該払出単位数の整数倍分のパチンコ玉がパチンコ機10からのみ払い出されるので(S513)、パチンコ玉が計数部30から払い出されるのは、持玉数が払出設定数未満であって払出単位数の整数倍でない場合(S503でYES→S509でNO)と、持玉数が払出単位数未満の場合(S503でNO)に限られるため、該計数部30からの払出が分かりづらく、遊技者が該払出に対して困惑するという問題があったところ、この払出報知を行うことにより、当該払出を遊技者に認識させることができるのである。
次にS712では、前記払出残数(即ちS701でセットされた払出端数)分のパチンコ玉の払出指示を計数部30に対して出力することにより、パチンコ玉の払出を開始する。該払出指示が入力された計数部30では、払出カウンタ38が開放され、玉貯留部36に貯留されているパチンコ玉が払出カウンタ38を通過して払出センサ(図示外)により計数され、該払出センサによる計数値が払出数に達すると、払出カウンタ38が閉鎖される。払出カウンタ38を通過したパチンコ玉は、流出路39内を流下して、受皿40により受け止められ、遊技者は、該パチンコ玉をパチンコ機10の上皿に供給することにより遊技に使用できる。
次にS713で、パチンコ玉の払出を1玉検知する毎に(YES)、S714で、カードテーブルの持玉数から該1玉を減算更新すると共に、D714に示すように、ディスプレイ24で表示されている払出残数から該1玉を減算表示して、S715で、該減算後の払出残数が零であるか否かを判定し、零でなければS713に戻り、零であればS716に進む。ここでS714の処理を行う玉貸発券制御部22及びD714の表示を行うディスプレイ24は、単位未満払出処理を行うことによりパチンコ玉を1つずつ払い出す毎に、これから払い出すパチンコ玉数を更新表示(払出残数を減算更新)する遊技媒体数更新表示手段として機能するものである。これによれば、遊技者が該払出に対して不審に思うのを防止できる。
次にS716では、D716に示すように、ディスプレイ24において、パチンコ機10のアイコン上で計数部30を点滅表示(図では網掛けで表示)し、該点滅する計数部30を矢印で指し示し、さらに「払出が終わりました」及び「取り忘れにご注意下さい」の文言を表示することにより、取り忘れの防止を促す旨を報知する取り忘れ防止報知を行って、単位未満端数を終了する。ここでS716の処理を行う玉貸発券制御部22及びD716の表示を行うディスプレイ24は、単位未満払出処理により払い出したパチンコ玉を遊技者が取り忘れることを防止するための報知を行う払出報知手段として機能するものである。これによれば、単位未満払出処理で払い出したパチンコ玉の取り忘れを防止できる。なおD716の表示は、所定時間(例えば15秒間)経過後に消去される。
次に図18を参照して、各台計数ユニット50の玉貸発券制御部22及び計数制御部31が行う払出処理について説明する。ここで玉貸発券制御部22と計数制御部31は、前述の如く、共に払出通番を記憶している。この払出通番は、玉貸発券制御部22が払出要求(S802の動作指示G)を送信してから計数制御部31が該払出要求を受信するまでの間において1つずれ(具体的には、玉貸発券制御部22の払出通番が+1されてずれる)、計数制御部31が該払出要求を受信して行われる払出中において同一となる番号である。さらに玉貸発券制御部22及び計数制御部31は、払出状態記憶部(図示外)において、払出状態として、「払出中」,又は「払出中でない」と記憶する。
玉貸発券制御部22は、図17のS312で払出処理を開始すると、S801で、記憶テーブルで記憶している払出通番を+1し、記憶している払出状態を「払出中」に更新して、S802で、払出開始,前記更新した払出通番,及び払出予定数(即ち図17のS301でセットされた払出端数)を示す動作指示Gを、払出要求として、ポーリングにより計数制御部31に対して送信する。このS801で払出通番が+1されることにより、S802の動作指示Gが計数制御部31に到達するまでは、当該玉貸発券制御部22が記憶している払出通番と計数制御部31が記憶している払出通番とがずれた状態となる。
S802の動作指示Gを受信した計数制御部31は、S803で、記憶テーブルで記憶している払出通番を+1し、記憶している払出状態を「払出中」に更新し、動作指示Gが示す払出予定数を記憶テーブルで記憶して、S804で、パチンコ玉の払出を開始し、S805で、払出の進行に伴って、払出済数を記憶テーブルで加算更新して記憶して、S806で、払出中を示す動作指示応答Gを、払出開始通知として、玉貸発券制御部22に対して返信する。このS803で払出通番が+1されることにより、計数制御部31が記憶している払出通番と玉貸発券制御部22が記憶している払出通番とがずれた状態であったのが、一致することになる。S806の動作指示応答Gを受信した玉貸発券制御部22は、該動作指示応答Gを受信した旨を記憶して、S807で、動作指示Hを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示Hを受信した計数制御部31は、払出中であれば、S808で、前記動作指示応答Gを、玉貸発券制御部22に対して返信する。そして玉貸発券制御部22と計数制御部31は、払出が終了するまで、S807〜S808を繰り返す。
計数制御部31は、S811で、記憶テーブルで記憶している払出済数が該記憶している払出予定数に到達すると、S812で、払出を終了し、記憶している払出状態を「払出中でない」に更新し、記憶テーブルで記憶している払出済数と払出予定数を消去して、S813で、前記動作指示Hを受信すると、S814で、エラーなし,及び払出中でない旨を示す動作指示応答Hを、払出終了通知として、玉貸発券制御部22に対して返信し、該動作指示応答Hを受信した玉貸発券制御部22は、S815で、記憶している払出状態を「払出中でない」に更新して、払出処理を終了する。
この払出処理において、S802の動作指示Gが計数制御部31に到達する前に電断が発生すると、玉貸発券制御部22が記憶している払出通番と計数制御部31が記憶している払出通番とが不一致で、計数制御部31の記憶テーブルで払出予定数の記憶が無く、払出が開始されない状態となる。この状態で電源が投入されると、図19で後述するように、S1015の第1の払出リカバリ処理が行われる。
また払出処理において、計数制御部31がS806の動作指示応答Gを送信してからS814の動作指示応答Hを送信するまでの払出中に電断が発生すると、玉貸発券制御部22が記憶している払出通番と計数制御部31が記憶している払出通番とが一致で、計数制御部31の記憶テーブルで払出予定数及び払出済数の記憶が有り、払出中に該払出が停止された状態となる。この状態で電源が投入されると、図19で後述するように、S1016の第2の払出リカバリ処理が行われる。
なお玉貸発券処理部20又は計数部30が交換された場合にも、該交換後に電源が投入されると、図19で後述するように、S1018の第1の払出リカバリ処理が行われる。
図7に戻り、前記S15で会員カード2の受付中において再プレイボタンの操作が有ると(YES)、玉貸発券制御部22は、S25で貯玉再プレイ処理を行う。この貯玉再プレイ処理において、玉貸発券制御部22は、カードテーブルで記憶している貯玉数が予め設定された再プレイ設定数(例えば5度数分の125玉)+手数料玉数(例えば25玉)以上であるか否かを判定する。そして貯玉数が再プレイ設定数+手数料玉数以上であれば、該再プレイ設定数分のパチンコ玉の払出をパチンコ機10の払出制御基板12に対して指令し、該再プレイ設定数+手数料玉数をカードテーブルで記憶している貯玉数から減算更新すると共に、メイン画面で貯玉数を更新表示し、貯玉再プレイ処理を終了して、S11に戻る。なお貯玉数が再プレイ設定数+手数料玉数未満であれば、パチンコ玉の払出を行わずに貯玉再プレイ処理を終了して、S11に戻る。
前記S16でカード返却ボタン16の操作が有ると(YES)、玉貸発券制御部22は、S26aで、カードR/W23にて受付中のカードを返却する処理を行って、S26bで管理玉数更新処理を行う。この管理玉数更新処理において、玉貸発券制御部22は、カードIDと持玉数とを含む持玉数更新要求を持玉管理装置62に対して送信すると共に、受付中のカードが会員カード2である場合にはカードIDと貯玉数とを含む貯玉数更新要求を会員管理装置61に対して送信する処理を行って、管理玉数更新処理を終了する。なお持玉数更新要求を受信した持玉管理装置62は、該持玉数更新要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している持玉数を該持玉数更新要求に含まれる持玉数に更新する。また貯玉数更新要求を受信した会員管理装置61は、該貯玉数更新要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している貯玉数を該貯玉数更新要求に含まれる貯玉数に更新する。このS26aにてカードを返却する処理と、S26bにおける管理玉数更新処理とが、持玉払出処理に使用されなかった持玉数や貯玉再プレイ処理に使用されなかった貯玉数を景品交換又は他のパチンコ機10での遊技に使用させるために確定させるための確定処理(つまり持玉数や貯玉数を、受付中のカードのカードIDに対応付けて、該カードを返却する処理)に相当する。そしてS26bの処理が終了すると、玉貸発券制御部22は、S26cで、カードテーブルの記憶内容を消去して、営業中処理を終了する。
このS26a及びS26bの処理を行う玉貸発券制御部22は、玉カウンタ35により計数された遊技媒体数(持玉数)を景品交換又は他のパチンコ機10での遊技に使用させるために確定させるための確定処理を行う確定処理手段として機能するものである。
次に図8〜図14を参照して、各台計数ユニット50が行う計数処理及びそれに関連する処理について説明する。各台計数ユニット50では、図8に示すように、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22と計数部30の計数制御部31とが通信を行うことにより、計数制御部31が、玉カウンタ35による計数値を記憶テーブルで記憶すると共に、該計数値を玉貸発券制御部22に対して送信し、玉貸発券制御部22が、該計数値を記憶テーブルで記憶し、計数終了通知(S123の動作指示応答D)を受信すると、記憶テーブルで記憶している計数値をカードテーブルで記憶している持玉数に加算して、確定処理の対象とする。また図10〜図12に示すように、計数制御部31が、計数異常判定処理を行い、図13〜図14に示すように、玉貸発券制御部22が、計数値異常判定処理を行う。
まず図8は、各台計数ユニット50が行う計数処理の一例を表すフローチャートである。ここで玉貸発券制御部22と計数制御部31は、前述の如く、共に計数通番を記憶している。この計数通番は、計数の待機中において同一であり、計数が開始されてから次の待機中になるまでの間において1つずれる(具体的には、計数制御部31の計数通番が+1されてずれる)番号である。さらに計数制御部31は、計数状態記憶部(図示外)において、計数状態として、玉カウンタ35による計数が行われていなければ「計数中でない」と記憶し、玉カウンタ35による計数が行われていれば「計数中」と記憶し、一連の計数が終了すると「計数終了検知」と記憶する。
玉貸発券制御部22は、S101で、カードR/W23によりカードを受け付けると(図7のS02,S03)、S102で、計数許可,及び計数吸上げ可(即ち記憶テーブルで計数値の記憶可)を示す動作指示Aを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示Aを受信した計数制御部31は、計数状態として「計数中でない」と記憶しているので、S103で、エラーなし,及び計数中でない旨を示す動作指示応答Aを、玉貸発券制御部22に対して返信する。該動作指示応答Aを受信した玉貸発券制御部22は、S104で、指示なし,及び計数吸上げ可を示す動作指示Bを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示Bを受信した計数制御部31は、S105で、前記動作指示応答Aを、玉貸発券制御部22に対して返信する。そして玉貸発券制御部22と計数制御部31は、玉カウンタ35による計数が開始されるまで、S104〜S105を繰り返す。ここでS102〜S105の間が計数の待機中である。
該計数の待機中において、S111で、玉カウンタ35による計数が開始されると、計数制御部31は、後述する計数異常判定処理にて異常と判定されない限り、該玉カウンタ35による計数値の計数開始からの累積値を記憶テーブルで記憶すると共に、S112で、記憶テーブルで記憶している計数通番を+1し、記憶している計数状態を「計数中」に更新し、計数開始日時をセットする。ここで計数通番が+1されることにより、計数中は、当該計数制御部31が記憶している計数通番と玉貸発券制御部22が記憶している計数通番とがずれた状態となる。次に玉貸発券制御部22は、S113で、前記動作指示Bを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示Bを受信した計数制御部31は、計数状態として「計数中」と記憶しているので、S114で、エラーなし,前記更新した計数通番,計数中である旨,計数値の計数開始からの累積値,及び前記セットした計数開始日時を示す動作指示応答Bを、玉貸発券制御部22に対して返信する。
ここでS111の処理を行う計数制御部31は、玉カウンタ35により計数された遊技媒体数(計数値の累積値)を記憶する遊技媒体数記憶手段として機能するものである。またS114の処理を行う計数制御部31は、単位時間毎(500msec毎)に玉カウンタ35により計数された遊技媒体数(計数値の累積値)を特定可能な計数情報(動作指示応答)を玉貸発券処理部20に対して送信する計数情報送信手段として機能するものである。また該S114の動作指示応答を受信する玉貸発券制御部22は、計数情報送信手段から送信されてくる計数情報(動作指示応答)を受信する計数情報受信手段として機能するものである。
前記動作指示応答Bを受信した玉貸発券制御部22は、後述する計数値異常判定処理にて異常と判定されない限り、S115で、該動作指示応答Bが示す計数値の累積値に基づいて、記憶テーブルで計数値を更新する。具体的には、今回受信した動作指示応答Bが示す計数値の累積値から、前回受信した動作指示応答Bが示す計数値の累積値を減算することにより、予め定められた単位時間(ここでは500msec)毎の計数値の増加量を特定し(図13を参照)、後述する計数値異常判定処理にて異常と判定されない限り、該特定した増加量を記憶テーブルの計数値に加算する。そして玉貸発券制御部22と計数制御部31は、玉カウンタ35による最終の計数から所定時間(例えば2秒間)が経過するまで、S113〜S115を繰り返す。なお所定時間は、任意に設定変更可能であり、例えば5秒間,10秒間等であっても良い。
次に計数制御部31は、S116で、玉カウンタ35による最終の計数から所定時間(例えば2秒間)が経過したと判定した後に、S117で、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる動作指示Bを受信すると、S118で、記憶している計数状態を「計数終了検知」に更新し、S119で、エラーなし,計数通番,計数終了検知した旨,及び計数値の累積値(即ち最終的な計数値)を示す動作指示応答Cを、玉貸発券制御部22に対して返信する。ここでS112〜S116の間が計数中であり、また後述する計数異常判定処理を行う期間である。
ここでS116の処理を行う計数制御部31は、玉カウンタ35による計数が途絶えてから予め定められた所定時間が経過したことに基づいて、該玉カウンタ35による一連の計数が終了したと判定する計数終了判定手段として機能するものである。
前記動作指示応答Cを受信した玉貸発券制御部22は、S120で、後述する計数値異常判定処理にて異常と判定されない限り、S120で、該動作指示応答Cが示す計数値の累積値に基づいて、記憶テーブルの計数値を更新する。具体的には、今回受信した動作指示応答Cが示す計数値の累積値(即ち最終的な計数値)から、前回受信した動作指示応答Bが示す計数値の累積値を減算することにより、予め定められた単位時間(ここでは500msec)毎の計数値の増加量を特定し(図13を参照)、後述する計数値異常判定処理にて異常と判定されない限り、該特定した増加量を記憶テーブルの計数値に加算する。ここでS115〜S120の間が、後述する計数値異常判定処理を行う期間である。
そして玉貸発券制御部22は、S121で、前記動作指示応答Cが計数終了検知を示すことに基づいて、計数確定指示,及び計数吸上げ可を示す動作指示Cを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示Cを受信した計数制御部31は、S122で、該動作指示Cが計数確定指示を示すことに基づいて、記憶している計数状態を「計数中でない」に更新し、S123で、エラーなし,計数通番,計数中でない旨を示す動作指示応答Dを、玉貸発券制御部22に対して返信する。
該動作指示応答Dを受信した玉貸発券制御部22は、S124で、該動作指示応答Dが計数中でない旨を示すことに基づいて、記憶テーブルで記憶している計数通番を+1すると共に、記憶テーブルで記憶している計数値をカードテーブルで記憶している持玉数に加算して消去することにより、該計数値を確定処理の対象とする。ここで計数通番が+1されることにより、計数中は計数制御部31が記憶している計数通番と玉貸発券制御部22が記憶している計数通番とがずれた状態であったのが、一致することになる。そして玉貸発券制御部22は、計数通番を更新したことに基づいて、S125で、計数許可,該更新した計数通番,及び計数吸上げ可を示す動作指示Dを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信する。なおS125の処理を行った後は、前記S104の処理を行う。
該動作指示Dを受信した計数制御部31は、S126で、記憶テーブルで記憶している計数通番と該動作指示Dが示す計数通番とが一致することに基づいて、計数値を示す動作指示応答B,Cの送信及び該動作指示応答の送信に伴って玉貸発券処理部20と計数部30とが行うS112〜S124の処理が正常に行われたと判定して、S127で、記憶テーブルで記憶している計数値の累積値を消去する。なおS127では、後述する計数異常3のマイナスカウント値も消去するが、これについては図12を参照して後述する。
ここでS126の処理を行う計数制御部31は、計数情報送信手段による計数情報(動作指示応答)の送信、及び/又は、該計数情報の送信に伴って玉貸発券処理部20と計数部30とが行う処理が、正常に行われたか否かを判定する送信判定手段として機能するものである。またS127の処理を行う計数制御部31は、前記計数終了判定手段により一連の計数が終了したと判定され、該送信判定手段により正常に行われたと判定されたことに基づいて、遊技媒体数記憶手段により記憶している遊技媒体数(計数値の累積値)を消去するための遊技媒体数消去処理を行う遊技媒体数消去処理手段として機能するものである。
これによれば、動作指示応答の送信及び/又は該動作指示応答の送信に伴って玉貸発券処理部20と計数部30とが行う処理が正常に行われたことを条件として、計数部30が記憶している計数値の累積値が消去されることにより、計数部30は計数値を常に記憶する必要が無くなるので、該計数部30の記憶負担を軽減できる。また一連の計数が終了したことをさらなる条件として、計数部30が記憶している計数値の累積値が消去されることにより、計数部30は一連の計数が終了する毎に計数値を記憶する必要が無くなるので、該計数部30の記憶負担をさらに軽減できる。また一連の計数を計数通番で管理しているので、該計数通番に基づいて、計数日時や計数値を容易に確認することができる。
なお、計数終了検知した旨を示す動作指示応答C(S119)の返信から計数確定指示を示す動作指示C(S121)の受信までの間に計数部30で計数が発生した場合には、計数制御部31は、S122及びS123の処理は行わずに、動作指示応答Bを玉貸発券制御部22に対して返信し、該動作指示応答Bを受信した玉貸発券制御部22は、S124の処理は行わずに、S115の処理を行う。
また、玉貸発券制御部22が計数通番を更新中に計数部30で計数が発生した場合には、計数制御部31は、前記記憶している計数値を加算更新するが、前記記憶している計数通番は更新せず、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる動作指示を受信すると、前記記憶している計数通番と該動作指示が示す計数通番とが一致する(即ち玉貸発券制御部22で計数通番の更新が行われた)ことを条件に、該記憶している計数通番を更新して、以後の計数は該更新した計数通番で行う一方、前記記憶している計数通番と該動作指示が示す計数通番とが一致しない(即ち玉貸発券制御部22で計数通番の更新が行われていない)ことを条件に、前記S112〜S124の処理は前記記憶している(即ち更新前の)計数通番で行う。
この計数処理において、S123の動作指示応答Dが玉貸発券制御部22に到達する前に電断が発生すると、玉貸発券制御部22が記憶している払出通番と計数制御部31が記憶している払出通番とが不一致で、玉貸発券制御部22において、記憶テーブルで計数終了後の計数値が記憶されていないか、あるいは計数終了後の計数値が記憶されていても該計数値が持玉数に加算されていないために確定処理の対象となっていない状態となる。この状態で電源が投入されると、図19で後述するように、S1013の計数値リカバリ処理が行われる。
なお玉貸発券処理部20又は計数部30が交換された場合にも、該交換後に電源が投入されると、図19で後述するように、S1017の計数値リカバリ処理が行われる。
次に図9は、計数処理においてポーリングの中断を検知した場合の一例を表すフローチャートである。前記図8で説明したS113〜S115の繰り返し中において、計数制御部31は、図9のS201に示すように、一定時間(例えば2秒間)経過してもS113の動作指示Bを受信しないと判定した場合には、S202で、シャッタ33を閉鎖して計数を停止すると共に、LED41を所定の態様で点滅して通信異常である旨を報知する。
ここでS201の処理を行う計数制御部31は、玉貸発券処理部20との通信の異常を判定する通信異常判定手段として機能するものであり、S202の処理を行う計数制御部31は、該通信異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、玉カウンタ35による計数を停止するための計数停止処理(ここではシャッタ33の閉鎖)を行う計数停止処理手段として機能するものである。
これによれば、計数部30と玉貸発券処理部20との間における通信が正常であれば該計数部30で計数が行われ、通信が異常であれば計数が停止されるので、通信異常の場合には、遊技者が獲得したパチンコ玉を計数せずに残すことができて、遊技者に不利益(例えば計数しても動作指示応答が送信されないので計数値が記憶テーブルの計数値に加算されないという不利益や、計数しても計数値が誤った値になるという不利益等)が発生するのを防止できる。
また計数部30と玉貸発券処理部20との間における通信に異常がある場合に計数を停止することができるので、オフラインを発生させて不正を行うという行為を防止できる。この場合において、オフラインが発生しても計数を停止せず、オンライン復帰後に、計数制御部31が記憶している計数値を玉貸発券制御部22に対して送信するように構成すると、該計数制御部31が記憶している計数値に対して不正が行われる余地があるので、遊技者にとっては不便であるが、計数を停止して、遊技者の手元にパチンコ玉が残るようにしたのである。
なお玉貸発券制御部22も、S203で、動作指示Bに対応する動作指示応答Cを受信しないことに基づいて、S204で、多機能ランプ26を所定の態様で発光して通信異常である旨を報知する。
次に図10は、計数制御部31が行う異常判定処理における各エラーの種類を表す図である。計数制御部31は、玉カウンタ35による計数に関する異常を判定する計数異常判定手段として機能するものであり、具体的には、前記計数中において、図10に示す計数異常1(速すぎ),計数異常1(遅すぎ),計数異常1(同一周期で継続),計数異常2,及び計数異常3の各エラーを検知する計数異常判定処理を行う。また計数制御部31は、図10に示す電波異常,片流れ異常,センサ異常(電源ON時),センサ異常(両レーン詰まり),及び玉払出異常の各エラーも検知する。以下、各エラーについて説明する。
まず図10に示す「計数異常1(速すぎ)」は、玉カウンタ35が出力する計数パルスのパルス幅又はパルス間隔が異常に短い場合である。具体的には、まずパチンコ玉の質量及び大きさや、流入路34の傾斜及び摩擦により定まる、異常がない場合における計数値の最大値(パチンコ玉が間隔を空けずに連続して流れてくる場合であり、例えば1レーンあたり20玉/秒)に基づいて、異常がない場合における最短のパルス幅とパルス間隔を特定し、それよりも短いパルス幅とパルス間隔を判定値として予め設定する。そして計数中の玉カウンタ35から出力される計数パルス(プラスカウントのパルス)に基づいて、各計数パルスのパルス幅が前記判定値以下であるか否か,及び各計数パルスのパルス間隔が前記判定値以下であるか否かを判定し、パルス幅又はパルス間隔の少なくとも一方が判定値以下であれば、計数異常1(速すぎ)を検知する。このように、玉カウンタ35が出力する計数パルスのパルス幅又はパルス間隔が異常に短い場合には、不正が行われている可能性が高いため、当該異常を検知するものである。なおパルス幅及びパルス間隔の両方について判定をするのではなく、パルス幅又はパルス間隔のいずれか一方についてのみ判定をするものであっても良い。
また図10に示す「計数異常1(遅すぎ)」は、玉カウンタ35が出力する計数パルスのパルス幅が異常に長い場合である。具体的には、まずパチンコ玉の質量及び大きさや、流入路34の傾斜及び摩擦により定まる、異常がない場合における計数値の最大値(パチンコ玉が間隔を空けずに連続して流れてくる場合であり、例えば1レーンあたり20玉/秒)に基づいて、異常がない場合における最短のパルス幅を特定し、それよりも長いパルス幅(例えば500msec/玉以上)を判定値として予め設定する。そして計数中の玉カウンタ35から出力される計数パルス(プラスカウントのパルス)に基づいて、各計数パルスのパルス幅が前記判定値以上であるか否かを判定し、パルス幅が判定値以上であれば、計数異常1(遅すぎ)を検知する。このように、玉カウンタ35が出力する計数パルスのパルス幅が異常に長い場合にも、不正が行われている可能性が高いため、当該異常を検知するものである。なおパルス間隔について判定をしないのは、異常がない場合であっても、パチンコ玉が間隔を空けて流れてくる場合があり、その場合にはパルス間隔が長くなるためである。
また図10に示す「計数異常1(同一周期で継続)」は、玉カウンタ35が出力する計数パルスのパルス幅又はパルス間隔が同一周期で所定期間継続している場合である。具体的には、計数中の玉カウンタ35から出力される計数パルス(プラスカウントのパルス)に基づいて、各計数パルスのパルス幅が同一周期で所定期間(例えばX秒間,又はY回)継続しているか否か,及び各計数パルスのパルス間隔が同一周期で所定期間(例えばX秒間,又はY回)継続しているか否かを判定し、パルス幅又はパルス間隔の少なくとも一方が継続していれば、計数異常1(同一周期で継続)を検知する。流入路34を自然流下するパチンコ玉を計数する場合には、計数パルスのパルス幅やパルス間隔にバラツキが生ずるのが自然であるため、該計数パルスのパルス幅やパルス間隔が同一周期で所定期間継続するのは不自然であり、このような場合には不正(例えば外部から一定のパルス幅やパルス間隔計数パルスを送り込むような不正)が行われている可能性が高いため、当該異常を検知するものである。
そして計数制御部31は、図11(a)に示すように、S301で、これら計数異常1(速すぎ),計数異常1(遅すぎ),又は計数異常1(同一周期で継続)を検知すると、S302で、シャッタ33を閉鎖して計数を停止すると共に、記憶している計数状態を「計数終了検知」に更新し、S303で、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる動作指示Bを受信すると、S304で、計数異常1を検知した旨,計数通番,計数終了検知した旨,及び計数値の累積値(即ち最終的な計数値)を示す動作指示応答E1を、玉貸発券制御部22に対して返信する。
該動作指示応答E1を受信した玉貸発券制御部22は、S305で、該動作指示応答E1が計数異常1を検知した旨を示すことに基づいて、多機能ランプ26を所定の態様で発光して計数異常1である旨を報知し、S306で、計数確定指示,計数吸上げ可,計数通番,及びLED点滅要求を示す動作指示C’を、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示C’を受信した計数制御部31は、S307で、該動作指示C’がLED点滅要求を示すことに基づいて、LED41を所定の態様で点滅して計数異常1である旨を報知すると共に、記憶している計数状態を「計数中でない」に更新し、S308’で計数異常1を検知した旨,計数通番,計数中でない旨を示す動作指示応答D’を、玉貸発券制御部22に対して返信する。
該動作指示応答D’を受信した玉貸発券制御部22は、S309で、該動作指示応答D’が計数中でない旨を示すことに基づいて、記憶している計数通番を+1する。ここで計数通番が+1されることにより、計数中は計数制御部31が記憶している計数通番と玉貸発券制御部22が記憶している計数通番とがずれた状態であったのが、一致することになる。そして玉貸発券制御部22は、計数通番を更新したことに基づいて、S310で、計数禁止,該更新した計数通番,及び計数吸上げ可を示す動作指示D’を、ポーリングにより計数制御部31に対して送信する。
該動作指示D’を受信した計数制御部31は、S311で、前記記憶している計数通番と該動作指示D’が示す計数通番とが一致することに基づいて、計数値を示す動作指示応答E1の送信及び該動作指示応答の送信に伴って玉貸発券処理部20と計数部30とが行うS305〜S310の処理が正常に行われたと判定して、S311で、前記記憶している計数値の累積値を消去する。なおS311では、後述する計数異常3のマイナスカウント値も消去するが、これについては図12を参照して後述する。
以上に説明したように、計数異常1が発生すると、計数は停止するが、図8のS118〜S127と略同様に、S302〜S311の計数確定シーケンスを行う。ここで計数確定シーケンスを行うのは、計数異常1を検知した後の計数値は無効とするが、計数異常1を検知する前の計数値は確定させて有効とすることにより、遊技者を保護するためである。
ここでS304の処理を行う計数制御部31は、計数異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、異常がある旨の報知を行うための計数異常報知処理を行う計数異常報知処理手段として機能するものであり、ここでは多機能ランプ26での報知及びLED41での報知を行うために、動作指示応答E1を返信するS304の処理を行う。
次に図10に示す「計数異常2」は、シャッタ33の閉鎖中に玉カウンタ35の計数センサが計数玉を検知した場合である。シャッタ33が閉鎖中の場合には、本来であれば流入路34にパチンコ玉が流入することはなく、玉カウンタ35の計数センサが計数玉を検知した場合には、不正が行われている可能性が高いため、当該異常を検知するものである。
計数制御部31は、図11(b)に示すように、計数禁止中=シャッタ33の閉鎖状態において、S351で、玉カウンタ35の計数センサによる計数が有ると、S352で、計数異常2を検知し、S353で、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる、指示なしを示す一方で計数禁止中であるために計数吸上げ可を示さない動作指示B’を受信すると、S354で、計数異常2を検知した旨,計数通番,計数終了検知した旨,及び計数値の累積値を示す動作指示応答E2を、玉貸発券制御部22に対して返信する。
該動作指示応答E2を受信した玉貸発券制御部22は、S355で、該動作指示応答E2が計数異常2を検知した旨を示すことに基づいて、多機能ランプ26を所定の態様で発光して計数異常2である旨を報知する。そして玉貸発券制御部22と計数制御部31は、玉カウンタ35による最終の計数から前記所定時間(例えば2秒間)が経過するまで、S353〜S355を繰り返す。
そして計数制御部31は、S356で、玉カウンタ35による最終の計数から所定時間(例えば2秒間)が経過したと判定した後に、S357で、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる動作指示B’を受信すると、S358で、計数異常2を検知した旨,計数通番,計数終了検知した旨,及び計数値の累積値(即ち最終的な計数値)を示す動作指示応答C’を、玉貸発券制御部22に対して返信する。
以上に説明したように、計数異常2が発生しても、計数は停止しないが、計数禁止中のため、計数確定シーケンスは行わない。ここで計数確定シーケンスを行わないのは、計数値を管理する主体が玉貸発券制御部22であるため、玉貸発券制御部22において計数禁止中の場合には、計数値の吸上げ及び確定を行わないからである。
ここでS354の処理を行う計数制御部31は、計数異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、異常がある旨の報知を行うための計数異常報知処理を行う計数異常報知処理手段として機能するものであり、ここでは多機能ランプ26での報知を行うために、動作指示応答E2を返信するS354の処理を行う。
次に図10に示す「計数異常3」は、玉カウンタ35が前記マイナスカウントを検知した場合である。流入路34を自然流下するパチンコ玉を計数する場合には、本来であればマイナスカウントが発生することはなく、該マイナスカウントを検知した場合には、故障等の可能性が高いため、当該異常を検知するものである。
具体的には、図12(a)に示すように、原則として、マイナスカウントの発生回数が予め定めた閾値(例えば5回)に達すると、計数異常3を検知する。例えば図示のように計数パルスA〜Mが出力された場合には、計数パルスLが出力された時点でマイナスカウントの発生回数が閾値である5回に達するため、この時点で計数異常3を検知する。ただし図12(b)に示すように、計数パルスがプラスカウントから開始した場合には、マイナスカウントの発生回数が閾値に達しなくても、計数値がマイナスになった時点(図示の計数パルスGが出力された時点)で計数異常3を検知する。一方、図12(c)に示すように、計数パルスがマイナスカウントから開始した場合には、マイナスカウントの発生回数が閾値に達する前に、計数値がプラスになった時点(図示の計数パルスEが出力された時点)で、計数開始と判定するが、その後にマイナスカウントの発生回数が閾値達した場合には、原則通り計数異常3を検知する。
そして計数制御部31が該計数異常3を検知すると、計数制御部31及び玉貸発券制御部22は、図11(a)で説明したのと同様の処理を行う。なお前記図8のS127及び図11(a)のS311で示すように、記憶している計数値の消去と共に、マイナスカウント値も消去され、次回の計数においては、マイナスカウント値は零からスタートする。
次に図10に示す「電波異常」は、計数部30に設けられる電波センサ(図示外)が特定の周波数帯の電波を検知した場合である。また「片流れ異常」は、流入路34の第1レーン341又は第2レーン342のいずれか一方のレーンに設けられる計数センサで計数玉を検知するが、他方のレーンに設けられる計数センサでは計数玉を検知しない場合である。また「センサ異常(電源ON時)」は、玉貸発券処理部20及び計数部30の電源ON時に計数センサ又は払出センサの少なくとも一方で玉有りを検知した場合である。また「センサ異常(両レーン詰まり)」は、流入路34の第1レーン341又は第2レーン342の両方のレーンに設けられる計数センサが玉有りを検知した後、両方のレーンとも所定時間(例えば15秒間)玉有りを検知し続けた場合である。さらに「玉払出異常」は、前記端数払出処理において、玉貸発券制御部22が払出指示を出してから所定時間(例えば5秒間)以内に払出センサが払出玉を検知しない場合である。
そして計数制御部31がこれら電波異常,片流れ異常,センサ異常(電源ON時),センサ異常(両レーン詰まり),又は玉払出異常の各エラーを検知すると、計数制御部31は、シャッタ33を閉鎖して計数を停止し、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる動作指示を受信すると、各エラーを示す動作指示応答を玉貸発券制御部22に対して返信し、該動作指示応答を受信した玉貸発券制御部22は、多機能ランプ26を該動作指示応答が示す各エラーに応じた態様で発光して報知する。
次に図13は、玉貸発券制御部22が行う計数値異常判定処理における各エラーを説明する図である。玉貸発券制御部22は、前記計数情報受信手段が受信した計数情報(動作指示応答)から特定される遊技媒体数(計数値)に基づいて異常を判定する遊技媒体数異常判定手段として機能するものであり、具体的には、計数値の累積値を示す動作指示応答B,Cの受信に基づいて、図13(a)に示す計数値異常A,及び図13(b)に示す計数値異常Bの各エラーを検知する計数値異常判定処理を行う。
まず図13(a)に示す「計数値異常A」は、受信した動作指示応答B,Cから特定される、予め定められた単位時間(ここでは500msec)毎の計数値の変動量が、予め定められた閾値(例えば25玉以上)を超えた場合である。具体的には、まずパチンコ玉の質量及び大きさや、流入路34の傾斜及び摩擦により定まるパチンコ玉の最大流量(例えば2レーンで20玉/500msec)に基づいて、該最大流量よりも異常に多い流量(例えば2レーンで25玉以上/500msec)を閾値として予め設定する。そして本例では、単位時間毎に、当該単位時間毎の計数値の累積値を示す動作指示応答B,Cを受信するので、該動作指示応答を受信する毎に、今回受信した動作指示応答が示す計数値の累積値から、前回受信した動作指示応答が示す計数値の累積値を減算することにより、予め定められた単位時間(ここでは500msec)毎の計数値の変動量(増加量)を算出して、該算出した変動量が前記設定した閾値を超えるか否かを判定し、変動量が閾値を超えていれば、計数値異常Aを検知する。このように変動量が閾値を超えている場合には、不正が行われている可能性が高いため、当該異常を検知するものである。
このように、単位時間毎の計数値の増加量が閾値を超える場合に異常と判定して報知を行うので、不正が行われた可能性が高い場合に報知を行うことができる。また玉貸発券処理部20が、時間の計時を行わなくても、計数部30から送信されてくる単位時間毎の計数値を特定可能な計数情報(動作指示応答)に基づいて、単位時間毎の計数値の増加量を特定できるので、該玉貸発券処理部20における処理を簡略化できる。
また図13(b)に示す「計数値異常B」は、受信した動作指示応答B,Cから特定される、予め定められた単位時間(ここでは500msec)毎の計数値の変動量が、同一のまま予め定められた所定回数(例えば10回)継続の場合である。具体的には、前記計数値異常Aの場合と同様にして、予め定められた単位時間(ここでは500msec)毎の計数値の変動量(増加量)を算出して、該算出した変動量が同一のまま所定回数継続であるか否かを判定し、所定回数継続であれば、計数値異常Bを検知する。流入路34を自然流下するパチンコ玉を計数する場合には、単位時間毎の計数値の変動量にバラツキが生ずるのが自然であるため、該変動量が同一のまま所定回数継続するのは不自然であり、このような場合には不正(例えば計数制御部31と玉貸発券制御部22との間に設けたぶら下げ基板から、一定の計数値を示す動作指示応答を送信するような不正)が行われている可能性が高いため、当該異常を検知するものである。
そして玉貸発券制御部22は、図14に示すように、S401で、これら計数値異常A,又は計数値異常Bを検知すると、S402で、多機能ランプ26を所定の態様で発光して計数値異常である旨を報知し、S403で、計数禁止,及び計数吸上げ不可を示す動作指示Fを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示Fを受信した計数制御部31は、S404で、前記動作指示応答Bを、玉貸発券制御部22に対して返信する。そして玉貸発券制御部22と計数制御部31は、玉カウンタ35による最終の計数から所定時間(例えば2秒間)が経過するまで、S403〜S404を繰り返す。
ここでS402の処理を行う玉貸発券制御部22は、遊技媒体数異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、異常がある旨の報知を行うための遊技媒体数異常報知処理(計数値異常報知処理)を行う遊技媒体数異常報知処理手段として機能するものである。
次に計数制御部31は、S405で、玉カウンタ35による最終の計数から所定時間(例えば2秒間)が経過したと判定した後に、S406で、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる動作指示Fを受信すると、S407で、記憶している計数状態を「計数終了検知」に更新し、S408で、前記動作指示応答Cを、玉貸発券制御部22に対して返信する。
以上に説明したように、計数値異常が発生しても、計数は停止しないが、計数禁止中のため、玉貸発券制御部22は、計数値の吸上げは行わず、計数確定シーケンスも行わない。ここで計数確定シーケンスを行わないのは、玉貸発券処理部20が故障している可能性があるからであり、このように故障している玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22で計数値の吸上げ及び確定を行うのは適切でないからである。なお玉貸発券処理部20が故障している場合には、計数部30を別の故障していない玉貸発券処理部20と接続することにより、当該玉貸発券処理部20において計数部30が記憶している計数値を吸い上げて確定させることができる。
以上に説明した本発明によれば、計数部30における計数に関する異常を監視できると共に、計数部30から玉貸発券処理部20に送信される計数情報(動作指示応答)から特定される遊技媒体数(計数値)の該玉貸発券処理部20における異常を監視できるので、前者の監視のみを行う場合に比べて、当該各台計数ユニット50で行われる計数に伴う異常をより正確に監視できる。特に計数制御部31による計数異常報知処理が行われないにも関わらず、玉貸発券制御部22による計数値異常報知処理が行われた場合には、計数部30と玉貸発券処理部20との間の通信における異常(例えば計数制御部31と玉貸発券制御部22との間に設けたぶら下げ基板から、一定の計数値を示す動作指示応答を送信するような不正)が発生したと特定することができる。
次に図19〜図22を参照して、各台計数ユニット50が行う電源投入時処理及びそれに関連する処理について説明する。
まず図19は、各台計数ユニット50が行う電源投入時処理の一例を表すフローチャートである。各台計数ユニット50において、S1000で、電源が投入され、図22(b)に示す起動時認証シーケンス1が完了すると、玉貸発券制御部22は、S1001で、記憶テーブルで記憶している発券部ID,及び計数通番を示す接続機器確認指示を、接続確認要求として、計数制御部31に対して送信し、該接続機器確認指示を受信した計数制御部31は、S1002で、記憶テーブルで記憶している発券部ID,計数通番,計数値,及び払出通番を示す接続機器確認応答を、接続情報として、玉貸発券制御部22に対して返信する。なお記憶テーブルで記憶している発券部ID,計数通番,計数値,及び/又は払出通番が存在しない場合(例えば当該計数部30を初めて装着した場合)には、該存在しないデータを含まない接続機器確認応答を返信する。
該接続機器確認応答を受信した玉貸発券制御部22は、S1010で、該接続機器確認応答が示す発券部ID(即ち計数制御部31の記憶テーブルで記憶している発券部ID)と自己の発券部ID(即ち玉貸発券制御部22の記憶テーブルで記憶している発券部ID)とが一致するか否かを判定する。なお該接続機器確認応答に発券部ID,計数通番,及び/又は払出通番が含まれない場合には、以下に述べる発券部ID,計数通番,払出通番の一致判定において不一致と判定される。
このS1010で発券部IDが一致しない(NO)、即ち玉貸発券処理部20又は計数部30が交換されたと判定された場合には、玉貸発券制御部22は、S1017で、計数値リカバリ処理を行い、S1018で、第1の払出リカバリ処理を行って、電源投入時処理を終了する。
この計数値リカバリ処理では、玉貸発券制御部22は、S1031で、記憶テーブルで記憶している計数通番を前記S1002で受信した接続機器確認応答が示す計数通番に更新すると共に、該計数通番に対応付けて該接続機器確認応答に含まれる計数値を記憶し、さらに該計数値をカードテーブルの持玉数に加算する。これによれば、計数制御部31と玉貸発券制御部22とが交換等により通信不能になっても、該通信が成立した後に、計数制御部31が記憶している発券部IDと玉貸発券制御部22の発券部IDとが一致しないことを条件として、計数制御部31から送信された計数値が玉貸発券制御部22において計数通番に対応付けて記憶され、さらに該計数値が持玉数に加算されて記憶され、該持玉数が確定処理の対象となるので、遊技者が不利益を被ることがない。
また第1の払出リカバリ処理では、玉貸発券制御部22は、S1041で、払出リカバリ有りと、記憶テーブルで記憶している計数通番,及び払出通番と、払出処理で払い出す予定の払出予定数とを示す起動指示Bを、払出処理の実行を要求する払出リカバリ要求として、計数制御部31に対して送信する。該払出リカバリ有りを示す起動指示Bを受信した計数制御部31は、S1042で、該起動指示Bが示す払出予定数のパチンコ玉の払出を行い、S1043で、前記S1001で受信した発券部ID,及び該S1041で受信した払出通番を記憶テーブルで記憶し、該記憶テーブルで記憶している計数値,払出予定数,及び払出済数を消去して、S1044で、起動指示応答を、玉貸発券制御部22に対して返信する。これによれば、計数制御部31と玉貸発券制御部22とが交換等により通信不能になっても、該通信が成立した後に、計数制御部31が記憶している発券部IDと玉貸発券制御部22の発券部IDとが一致しないことを条件として、払出リカバリ要求(起動指示B)が玉貸発券制御部22から計数制御部31に対して送信され、該計数制御部31において払出処理が行われるので、遊技者が不利益を被ることがない。
前記S1010で発券部IDが一致する(YES)と判定された場合には、玉貸発券制御部22は、S1011で、前記接続機器確認応答が示す計数通番(即ち計数制御部31の記憶テーブルで記憶している計数通番)と自己の記憶テーブルで記憶している計数通番とが一致するか否かを判定し、該S1011で計数通番が一致する(YES)と判定された場合には、S1012で、前記接続機器確認応答が示す払出通番(即ち計数制御部31の記憶テーブルで記憶している払出通番)と自己の記憶テーブルで記憶している払出通番とが一致するか否かを判定し、該S1012で払出通番が一致しない(NO)と判定された場合には、S1021で、払出リカバリ無しと、記憶テーブルで記憶している計数通番,及び払出通番とを示す起動指示Aを、計数制御部31に対して送信する。該払出リカバリ無しを示す起動指示Aを受信した計数制御部31は、払出状態記憶部(図示外)で記憶している払出状態が「払出中」か「払出中でない」かを判定し、この場合には「払出中でない」なので、S1022で、前記S1001で受信した発券部ID,及び該S1021で受信した払出通番を記憶テーブルで記憶し、該記憶テーブルで記憶している計数値,払出予定数,及び払出済数を消去して、S1023で、起動指示応答を、玉貸発券制御部22に対して返信する。なお、S1022において、当該計数制御部31で記憶している払出通番を前記S1021で受信した払出通番に更新しているが、この場合には、当該計数制御部31で記憶している払出通番が玉貸発券制御部22で記憶している払出通番−1であるので、前記S1022において、当該計数制御部31で記憶している払出通番を+1して更新しても良い。
前記S1011で計数通番が一致しない(NO)と判定された場合には、S1013で、計数値リカバリ処理(即ち前記S1017と同様に、前記S1031の処理)を行って、前記S1012に進む。これによれば、計数制御部31と玉貸発券制御部22とが電断等により通信不能になっても、該通信が成立した後に、計数制御部31が記憶している発券部IDと玉貸発券制御部22の発券部IDとが一致しても計数部30が記憶している計数通番と玉貸発券制御部22が記憶している計数通番とが一致しないことを条件として、計数制御部31から送信された計数値が玉貸発券制御部22において計数通番に対応付けて記憶され、さらに該計数値が持玉数に加算されて記憶され、該持玉数が確定処理の対象となるので、遊技者が不利益を被ることがない。
前記S1012で払出通番が一致する(YES)と判定された場合には、S1014で、前記図18のS806の動作指示応答Gを受信済であるか否かを判定する。このS1014で受信済でない(NO)と判定された場合には、S1015で、前記第1の払出リカバリ処理(即ち前記S1018と同様に、前記S1041の処理)を行う。これによれば、計数制御部31と玉貸発券制御部22とが電断等により通信不能になっても、該通信が成立した後に、計数制御部31が記憶している発券部IDと玉貸発券制御部22の発券部IDとが一致しても計数制御部31が記憶している払出通番と玉貸発券制御部22が記憶している払出通番とが一致しないことを条件として、払出リカバリ要求(起動指示B)が玉貸発券制御部22から計数制御部31に対して送信され、該計数制御部31において払出処理が行われるので、遊技者が不利益を被ることがない。なお、発券部IDが不一致(S1010でNO)の場合に行われる第1の払出リカバリ処理では、前記S1043において、当該計数制御部31で記憶している払出通番を前記S1041で受信した払出通番に更新しているが、発券部IDが一致(S1010でYES)の場合に行われる第1の払出リカバリ処理では、当該計数制御部31で記憶している払出通番が玉貸発券制御部22で記憶している払出通番−1であるので、前記S1043において、当該計数制御部31で記憶している払出通番を+1して更新しても良い。
一方、S1014で受信済である(YES)と判定された場合には、S1016で、第2の払出リカバリ処理を行う。この第2の払出リカバリ処理では、玉貸発券制御部22は、S1051で、払出リカバリ無しと、記憶テーブルで記憶している計数通番,及び払出通番とを示す起動指示Cを、計数制御部31に対して送信する。該払出リカバリ無しを示す起動指示Cを受信した計数制御部31は、払出状態記憶部(図示外)で記憶している払出状態が「払出中」か「払出中でない」かを判定し、この場合には「払出中」なので、S1052で、記憶テーブルで記憶している払出済数が払出予定数に達するまでパチンコ玉の払出を行い、S1053で、前記S1001で受信した発券部ID,及び該S1051で受信した払出通番を記憶テーブルで記憶し、該記憶テーブルで記憶している計数値,払出予定数,及び払出済数を消去して、S1054で、起動指示応答を、玉貸発券制御部22に対して返信する。これによれば、計数制御部31が払出要求(動作指示G)を受信していれば、計数制御部31と玉貸発券制御部22とが通信不能になっても、該受信した払出要求に基づいて払出処理が行われるので、遊技者が不利益を被るのを防止できる。つまり計数制御部31が払出要求を受信している場合には、該払出要求の受信に基づいて払出予定数が記憶されてパチンコ玉の払出が開始され、払出済数が記憶されるので、該払出要求の受信後に電断が発生して電源が投入された後には、該計数制御部31が記憶している払出予定数及び払出済数に基づくパチンコ玉の払出が行われる。
次に図20は、計数確定中に電断と計数が発生した際に各台計数ユニット50が行う処理の一例を表すフローチャートであり、具体的には、前記図8の計数処理において計数が終了してS116〜S123の処理が行われるが、電断の発生により、S123の動作指示応答Dが玉貸発券制御部22に到達せず、該電断中に計数が発生した場合の処理である。本例において、電断の発生時には、計数制御部31が、前記S112の処理で更新された計数通番「5」を記憶しており、玉貸発券制御部22が、前記S124の処理が行われず未更新の計数通番「4」を記憶しているものとする。
まず計数制御部31は、S1100で、電断中計数値記憶部(図示外)において、電断中に計数された値を電断中計数値として記憶する。次に各台計数ユニット50において、S1000で、電源が投入され、図22(b)に示す起動時認証シーケンス1が完了すると、玉貸発券制御部22は、S1001で、記憶テーブルで記憶している発券部ID,及び計数通番(ここでは「4」)を示す接続機器確認指示を、接続確認要求として、計数制御部31に対して送信する。該接続機器確認指示を受信した計数制御部31は、S1101で、該接続機器確認指示が示す計数通番と自己の記憶テーブルで記憶している計数通番(ここでは「5」)とが一致するか否かを判定するが、この図20に示す例では、計数通番が一致しない(NO)と判定されるので、S1102で、記憶テーブルで記憶している発券部ID,計数通番(ここでは「5」),及び払出通番と、該記憶テーブルで記憶している当該計数通番の計数値+前記電断中計数値とを示す接続機器確認応答を、接続情報として、玉貸発券制御部22に対して返信する。該接続機器確認応答を受信した玉貸発券制御部22は、前記図19のS1010以下の処理を行う。
次に図21は、計数確定中に電断と計数が発生した際に各台計数ユニット50が行う処理の別例を表すフローチャートであり、具体的には、前記図8の計数処理において計数が終了してS116〜S125の処理が行われる(即ちS123の動作指示応答Dは玉貸発券制御部22に到達している)が、電断の発生により、S125の動作指示Dが計数制御部31に到達せず、該電断中に計数が発生した場合の処理である。本例において、電断の発生時には、計数制御部31が、前記S112の処理で更新された計数通番「5」を記憶しており、玉貸発券制御部22が、前記S124の処理が行われて更新された計数通番「5」を記憶しているものとする。
まず計数制御部31は、S1100で、電断中計数値記憶部(図示外)において、電断中に計数された値を電断中計数値として記憶する。次に各台計数ユニット50において、S1000で、電源が投入され、図22(b)に示す起動時認証シーケンス1が完了すると、玉貸発券制御部22は、S1001で、記憶テーブルで記憶している発券部ID,及び計数通番(ここでは「5」)を示す接続機器確認指示を、接続確認要求として、計数制御部31に対して送信する。該接続機器確認指示を受信した計数制御部31は、S1101で、該接続機器確認指示が示す計数通番と自己の記憶テーブルで記憶している計数通番(ここでは「5」)とが一致するか否かを判定するが、この図21に示す例では、計数通番が一致する(YES)と判定されるので、S1111で、記憶テーブルで記憶している計数通番を+1し、該更新した計数通番(ここでは「6」)に対応付けて前記電断中計数値を計数値として記憶し、S1112で、記憶テーブルで記憶している発券部ID,計数通番(ここでは「6」),計数値(即ち元の電断中計数値),及び払出通番を示す接続機器確認応答を、接続情報として、玉貸発券制御部22に対して返信する。該接続機器確認応答を受信した玉貸発券制御部22は、前記図19のS1010以下の処理を行う。
以上に説明した図20及び図21に示す処理を行う各台計数ユニット50によれば、計数制御部31において、計数終了通知(S123の動作指示応答D)の送信後、計数確定通知(S125の動作指示D)の受信前に、玉貸発券制御部22と通信不能となった状態で計数が発生した場合であっても、玉貸発券制御部22において計数通番が更新されたか否かに応じて、電断中計数値が玉貸発券制御部22において正確に記憶されるので、遊技者が不利益を被ることがない。つまり計数終了通知が玉貸発券制御部22に到達していない場合には、該玉貸発券制御部22において計数通番が更新されていないため、図20に示すように、当該更新前の計数通番に対応する計数値が確定していないものとして、計数制御部31が記憶している計数値に電断中計数値を加算した値が玉貸発券制御部22に対して送信されて記憶される一方、計数終了通知が玉貸発券制御部22に到達している場合には、該玉貸発券制御部22において計数通番が更新されているため、図21に示すように、当該更新前の計数通番に対応する計数値は確定しているものとして、電断中計数値が新たな計数値として玉貸発券制御部22に対して送信されて記憶される。
次に図22を用いて、電源投入後に玉貸発券制御部22と計数制御部31との間で行われる起動時認証シーケンス1について説明する。図22(a)には、起動時認証シーケンス1に用いられる認証テーブルの一例を示す。玉貸発券制御部22及び計数制御部31は、同一の認証テーブルをそれぞれで記憶している。
図22(b)に示すように、電源投入後には、玉貸発券制御部22は、S2000Aで、記憶している暗号キーの初期値を通知する暗号キー通知を計数制御部31に送信する。これを受信した計数制御部31は、S2000Bで、受信した暗号キーが記憶している暗号キーの初期値と一致するか否かを判定する。このS2000Bで一致しない(NO)と判定したときには、S2000Cで、異常停止する。仮に計数制御部31の接続対象が正規の玉貸発券制御部22でない場合には、非正規物側で計数制御部31と同一の暗号キーが記憶されていないため、計数制御部31が異常停止し不正を防止することができる。一方、S2000Bで一致する(YES)と判定したときには、S2000Dで、暗号キー応答を玉貸発券制御部22に送信する。これを受信した玉貸発券制御部22は、S2001以降の認証を行う。このS2001以降の玉貸発券制御部22と計数制御部31との間で送受される情報は、双方で記憶されている共通の暗号キーによって暗号化されたものであり、当該暗号キーによって復号化されるものである。この暗号キーは通信完了(即ち認証要求の送受信及びコードの送受信)毎に、後述する図24及び図25に示す方法で更新される。
暗号キー応答を受信した玉貸発券制御部22は、認証要求1〜8を順不同で計数制御部31に送信する。本例では、玉貸発券制御部22は、最初にS2001で認証テーブルにおけるコード6の値を要求する認証要求6を計数制御部31に対して送信する。これを受信した計数制御部31は、S2002で記憶している認証テーブルからコード6の値を読み出し、S2003で読み出したコード6の値を玉貸発券制御部22に送信する。これを受信した玉貸発券制御部22は、S2004で受信したコード6の値が、記憶している認証テーブルにおけるコード6の値と一致するか否かを判定し、一致する(YES)と判定したときには、S2005で認証6、即ちコード6の値の認証を完了し、次の認証を行う。一方、S2004で一致しない(NO)と判定したときには、S2006で異常停止する。仮に玉貸発券制御部22の接続対象が正規の計数制御部31でない場合には、非正規物側で玉貸発券制御部22と同一の認証テーブルが記憶されていないため、玉貸発券制御部22が異常停止し不正を防止することができる。
S2005で認証6を完了した玉貸発券制御部22は、認証3(コード3の値の認証)、認証8(コード8の値の認証)、認証1(コード1の値の認証)、認証2(コード2の値の認証)、認証4(コード4の値の認証)、認証5(コード5の値の認証)、及び認証7(コード7の値の認証)を、順次認証1と同様に行う。玉貸発券制御部22は、S2075で認証7が完了すると、S2080で全コード合計32ビットの認証が完了したと認識して、前述したS1001以降の処理を行う。ここで、前述したように通信完了毎に暗号キーが更新されるため、各認証毎に使用される暗号キーが異なることになる。本例では、最初に認証6が行われているが、玉貸発券制御部22が認証要求6を暗号キー(初期値)によって暗号化して送信し、これを受信した計数制御部31では、受信情報を暗号キー(初期値)によって復号化する。さらに計数制御部31は、コード6を暗号キー(初期値)によって暗号化して送信し、これを受信した玉貸発券制御部22では、受信情報を暗号キー(初期値)によって復号化する。これを以て認証6に係る通信が完了し、暗号キーが更新されることになる。即ち、認証3では初期値とは異なる暗号キーが使用され、認証8,認証1,認証2,認証4,認証5,認証7と認証毎に暗号キーが更新され、かつS1001以降の処理では初期値と異なる暗号キーが用いられるため、セキュリティを向上させることができる。
なお、次回電源ダウンし、再度の電源投入がなされたときに実行される起動時認証シーケンス1では、前回の順序(認証6,認証3,認証8,認証1,認証2,認証4,認証5,認証7)とは異なる順序で認証要求が送信される。認証要求の送信順序は、例えば整数1〜8までの範囲で乱数を生成させるプログラムによって決定させることができる。このように起動時認証シーケンス1の実行毎に送信する認証要求の順序を異ならせることで更にセキュリティが高まる。
最後に図23〜図25を参照して、玉貸発券制御部22と計数制御部31との間の通信における情報の暗復号化及びそれに関連する処理について説明する。
電源投入後、起動時認証シーケンス1が完了した後は、玉貸発券制御部22と計数制御部31との間において行われる通信に関して、図24及び図25に示されるような暗号化・復合化処理が行われる。玉貸発券制御部22及び計数制御部31は、それぞれ共通の暗号キーを記憶している。以下の例では、玉貸発券制御部22がデータ要求[i]を計数制御部31に送信しようとし、計数制御部31が応答[i]を返信しようとする場合に行われる暗号化・復合化処理について説明する。図24に示すように、まず玉貸発券制御部22がデータ要求[i]を計数制御部31に送信しようとするときには、S2200でデータ要求[i]と記憶している暗号キーとの排他的論理和(XOR)を対象データとして算出する。本例ではデータ要求[i]=00001111であり、暗号キー=01010101であるから、対象データ=01011010となる。
次いでS2201で暗証化テーブルの参照値を作成する。本例では暗号キーをビット反転させることで参照値を算出しており、暗号キー=01010101の各ビットを反転させた値である10101010(=170(十進数))が参照値として算出される。次いでS2202で暗号化テーブルを参照して算出した参照値に対応するテーブル値を特定する。参照値が170であるから、図23よりこれに対応するテーブル値は00110111である。次いでS2203で特定したテーブル値を対象として、第1制御部暗号化論理に従って対象データを暗号化する。本例ではテーブル値00110111であり、図23(b)に示したようにビット8が0であるから対象データを反転せず、ビット7〜ビット4の合計が2であり、ビット3〜ビット1の合計が3であるから左に3ビットローテートする。その結果、暗号化した対象データは11010010となる。次いでS2210で暗号化した対象データを暗号化データ要求[i]として計数制御部31に送信する。
暗号化データ要求[i]を受信した計数制御部31は、S2220で記憶している暗号キーをビット反転させることで参照値を算出する。次いでS2221で参照値に対応するテーブル値を特定する。次いでS2222で特定したテーブル値を対象として、第1制御部暗号化論理に基づいて受信データ(暗号化データ要求[i])を復合化し、対象データを取得する。ここで記憶している暗号キーは玉貸発券制御部22のものと同一であり、参照値の算出方法もS2201と同一であるから、S2221で特定されるテーブル値はS2202のものと同一である。即ち計数制御部31はテーブル値(00110111)を参照し、受信データ=[対象データを反転せず、その値を左に3ビットローテートした値]であると認識しうる。従って、計数制御部31はその逆算を行い、対象データ=[受信データを右に3ビットローテートし、その値を反転しない値]として算出することができる。このようにしてS2222で対象データ=01011010を取得することができる。次いで計数制御部31はS2223で取得した対象データと記憶している暗号キーとの排他的論理和(XOR)を算出することでデータ要求[i]=00001111を得ることができる。
次いで計数制御部31は、S2224でこのようにして得られたデータ要求[i]を解析し、これに応じた応答[i]を玉貸発券制御部22に送信しようとすべくS2225〜S2230の処理を行う。なお、S2224で得られたデータが解析不能なデータである場合(例えば不正基板によって出力されたデータは復号化しても正規データとならずに解析不能となる)、計数制御部31は異常停止する。S2225では送信しようとする応答[i]と記憶している暗号キーとの排他的論理和(XOR)を対象データとして算出する。本例では応答[i]=00111100であり、暗号キー=01010101であるから、対象データ=01101001となる。次いでS2226で暗証化テーブルの参照値を作成する。本例では暗号キーをビット反転させることで参照値を算出しており、暗号キー=01010101の各ビットを反転させた値である10101010(=170(十進数))が参照値として算出される。次いでS2227で暗号化テーブルを参照して算出した参照値に対応するテーブル値を特定する。参照値が170であるから、図23よりこれに対応するテーブル値は00110111である。次いでS2228で特定したテーブル値を対象として、第2制御部暗号化論理に従って対象データを暗号化する。本例ではテーブル値00110111であり、図23(c)に示したようにビット1が1であるから対象データを反転し、ビット2〜ビット5の合計が3であり、ビット6〜ビット8の合計が1であるから右に1ビットローテートする。その結果、暗号化した対象データは01001011となる。次いでS2230で暗号化した対象データを暗号化応答[i]として玉貸発券制御部22に送信する。
次いで図25に示すように、暗号化応答[i]を受信した玉貸発券制御部31は、S2240で記憶している暗号キーをビット反転させることで参照値を算出する。次いでS2241で参照値に対応するテーブル値を特定する。次いでS2242で特定したテーブル値を対象として、第2制御部暗号化論理に基づいて受信データ(暗号化応答[i])を復合化し、対象データを取得する。ここで記憶している暗号キーは計数制御部31のものと同一であり、参照値の算出方法もS2226と同一であるから、S2241で特定されるテーブル値はS2227のものと同一である。即ち玉貸発券制御部22はテーブル値(00110111)を参照し、受信データ=[対象データを反転し、その値を右に1ビットローテートした値]であると認識しうる。従って、玉貸発券制御部22はその逆算を行い、対象データ=[受信データを左に1ビットローテートし、その値を反転した値]として算出することができる。このようにしてS2242で対象データ=01101001を取得することができる。次いで玉貸発券制御部22はS2243で取得した対象データと記憶している暗号キーとの排他的論理和(XOR)を算出することで応答[i]=00111100を得ることができる。
次いで玉貸発券制御部22は、S2244でこのようにして得られた応答[i]を解析し、データ要求[i]に対する応答[i]を受信したことを認識する。なお、S2244で得られたデータが解析不能なデータである場合(例えば不正基板によって出力されたデータは復号化しても正規データとならずに解析不能となる)、玉貸発券制御部22は異常停止する。次いで玉貸発券制御部22はS2250で正常に通信が終了したことを示す正常通信終了通知を計数制御部31に送信し、これを受信した計数制御部31はS2251で正常に通信が終了したことを認識したことを示す正常通信終了応答を玉貸発券制御部22に送信する。玉貸発券制御部22は正常通信終了応答の受信に伴い、S2260で暗号キーを暗号化データ要求[i]に更新し、計数制御部31は正常通信終了応答の送信しに伴い、S2270で暗号キーを暗号化データ要求[i]に更新する。即ち、玉貸発券制御部22及び計数制御部31は、通信[i+1]に備えて、暗号キーを前回の通信[i]で玉貸発券制御部22から計数制御部31に送信された情報に更新する。
通信[i+1]において、玉貸発券制御部22はS2270で更新された暗号キーを使用してデータ要求[i+1]から対象データを作成し、S2271で更新された暗号キーから参照値(本例では45とする)を算出し、S2272で参照値に対応するテーブル値を特定し、S2273で特定したテーブル値を対象として第1制御部暗号化論理に従って対象データを暗号化し、これにより得られた値をS2280で暗号化データ要求[i+1]として計数制御部31に送信する。このように、通信の完了毎に暗号キーが更新されることにより、参照値及びテーブル値も通信の完了毎に更新される。その結果、暗号化方法が通信[i]では[反転なし、左に3ビットローテート]であったものが、例えば通信[i+1]では[反転なし、左に1ビットローテート]、通信[i+2]では[反転有り、右に2ビットローテート]というように、通信毎に暗号化方法が異なり、セキュリティが確保される。
ここで本実施形態において、玉貸発券制御部22が記憶している暗号化テーブルは、当該玉貸発券制御部22において実行される処理プログラムによってのみアクセスされており、計数制御部31が記憶している暗号化テーブルは、当該計数制御部31において実行される処理プログラムによってのみアクセスされている。また、本実施形態において、玉貸発券制御部22が記憶している暗号化テーブルの内容は外部に送信されておらず、計数制御部31が記憶している暗号化テーブルの内容は外部に送信されていない。即ち、仮に電源ダウンを意図的に発生させ、その間に玉貸発券制御部22と計数制御部31との間に不正基板を接続する不正が行われたとしても、暗号化テーブルの内容は一切送受されないため当該不正基板によって暗号化テーブルの内容を取得することはできない。そして暗号化テーブルには参照値自体に所定の操作を行うことによっては得られないテーブル値が記憶されていて、暗号化方法はテーブル値毎に異なるものである。従って、仮に不正基板によって通信データをモニタリングして、前回通信における送信データを暗号キーとして取得し、これに所定の処理(例えばビット反転)を行うことによって参照値を取得することができたとしても、暗号化方法まで特定することができない。このような形態とすることで強固な通信セキュリティを実現することができる。
[2.第2実施形態に係る各台計数ユニット50]
次に、図26〜図30を参照して、第2実施形態に係る各台計数ユニット50の作用について説明する。第1実施形態では、前述の如く、計数値リカバリ処理や払出リカバリ処理を行うか否かの判定を、玉貸発券制御部22が行ったが(図19)、第2実施形態では、該判定を、計数制御部31が行う(図26)点が大きく異なる。また、第1実施形態では、認証テーブルに記憶されているコードを全て認証したが(図22)、第2実施形態では、認証テーブルに記憶されているコードの一部のみを認証する(図29)点が異なる。さらに、第1実施形態では、前回の通信において玉貸発券制御部22から計数制御部31に送信されたデータが暗号キーとなり、その暗号キーが玉貸発券制御部22及び計数制御部31で記憶されていたが、第2実施形態では図30に示すように、玉貸発券制御部22が、送信する情報を暗号化するための第1暗号化キーと、受信した情報を復号化するための第1復号化キーを有し、計数制御部31が、受信した情報を復号化するための第2復号化キーと、送信する情報を暗号化するための第2暗号化キーを有する点が異なる。ここで第1暗号化キー=第2復号化キーであり、第1復号化キー=第2暗号化キーであり、第1暗号化キー(=第2復号化キー)は前回の通信で玉貸発券制御部22から計数制御部31に送信されたデータであり、第2暗号化キー(=第1復号化キー)は前回の通信で計数制御部31から玉貸発券制御部22に送信されたデータである点が異なる。その他の構成や作用は同様である。
また第1実施形態では、玉貸発券制御部22及び計数制御部31が、図8に示す記憶テーブルを記憶しているが、第2実施形態では、玉貸発券制御部22及び計数制御部31は、図26に示す記憶テーブルを記憶している。この図26に示す記憶テーブルは、図8に示す記憶テーブルの発券部IDに代えて計数部IDを記憶する点が異なり、その他の記憶内容は同様である。ここで計数制御部31の記憶テーブルにおける計数部IDは、予め記憶されている。一方、玉貸発券制御部22の記憶テーブルにおける計数部IDは、図26に示す電源投入時処理の終了後に、計数制御部31から取得して記憶される。
まず図26は、第2実施形態において各台計数ユニット50が行う電源投入時処理の一例を表すフローチャートであり、第2実施形態において前記図19に示す処理に代えて行われる処理である。各台計数ユニット50において、S1000’で、電源が投入され、図29(b)に示す起動時認証シーケンス2が完了すると、計数制御部31は、S1001’で、記憶テーブルで記憶している計数部ID,計数通番,及び払出通番を示す接続機器確認指示を、接続確認要求として、玉貸発券制御部22に対して送信し、該接続機器確認指示を受信した玉貸発券制御部22は、S1002’で、記憶テーブルで記憶している計数部ID,計数通番,及び払出通番と、払出処理で払い出す予定の払出予定数とを示す接続機器確認応答を、接続情報として、計数制御部31に対して返信し、またS1003’で、起動指示を送信し、該起動指示を受信した計数制御部31は、S1004’で、起動指示応答を、玉貸発券制御部22に対して返信する。なお記憶テーブルで記憶している計数部ID,計数通番,及び/又は払出通番が存在しない場合(例えば当該玉貸発券処理部20を初めて装着した場合)には、該存在しないデータを含まない接続機器確認応答を返信する。
前記接続機器確認応答を受信した計数制御部31は、S1010’で、該接続機器確認応答が示す計数部ID(即ち玉貸発券制御部22の記憶テーブルで記憶している計数部ID)と自己の計数部ID(即ち計数制御部31の記憶テーブルで記憶している計数部ID)とが一致するか否かを判定する。なお該接続機器確認応答に計数部ID,計数通番,及び/又は払出通番が含まれない場合には、以下に述べる計数部ID,計数通番,払出通番の一致判定において不一致と判定される。
このS1010’で計数部IDが一致しない(NO)、即ち玉貸発券処理部20又は計数部30が交換されたと判定された場合には、計数制御部31は、S1017’で、計数値リカバリ処理を行い、S1018’で、第1の払出リカバリ処理を行って、電源投入時処理を終了する。
この計数値リカバリ処理では、計数制御部31は、図8のS119以下の処理を行い、該S119で、エラーなしと、記憶テーブルで記憶している計数通番,及び計数値と、計数終了検知とを示す動作指示応答Cを、計数情報として、玉貸発券制御部22に対して送信し、その後に該玉貸発券制御部22は、前記S120及びS124の処理を行う。これによれば、計数制御部31と玉貸発券制御部22とが交換等により通信不能になっても、該通信が成立した後に、玉貸発券制御部22が記憶している計数部IDと計数制御部31の計数部IDとが一致しないことを条件として、計数制御部31が記憶している計数値を特定可能な計数情報が玉貸発券制御部22に対して送信されて、該計数値が玉貸発券制御部22において持玉数に加算されて記憶され、該計数値が確定処理の対象となるので、遊技者が不利益を被ることがない。
また第1の払出リカバリ処理では、計数制御部31は、図18のS803以下の処理を行い、払出処理を行う。これによれば、計数制御部31と玉貸発券制御部22とが交換等により通信不能になっても、該通信が成立した後に、玉貸発券制御部22が記憶している計数部IDと計数制御部31の計数部IDとが一致しないことを条件として、計数制御部31において払出処理が行われるので、遊技者が不利益を被ることがない。
前記S1010’で計数部IDが一致する(YES)と判定された場合には、計数制御部31は、S1011’で、前記接続機器確認応答が示す計数通番(即ち玉貸発券制御部22の記憶テーブルで記憶している計数通番)と自己の記憶テーブルで記憶している計数通番とが一致するか否かを判定し、該S1011’で計数通番が一致する(YES)と判定された場合には、S1012’で、前記接続機器確認応答が示す払出通番(即ち玉貸発券制御部22の記憶テーブルで記憶している払出通番)と自己の記憶テーブルで記憶している払出通番とが一致するか否かを判定し、該S1012’で払出通番が一致する(YES)と判定された場合には、S1014’で、記憶テーブルで記憶している払出予定数から払出済数を減算した払出残数が有るか否かを判定し、該S1014’で払出残数が無い(NO)と判定された場合には、そのまま待機中となる。
前記S1011’で計数通番が一致しない(NO)と判定された場合には、S1013’で、前記計数値リカバリ処理(即ち前記S1017’と同様に、図8のS119以下の処理)を行って、前記S1012’に進む。これによれば、計数制御部31と玉貸発券制御部22とが電断等により通信不能になっても、該通信が成立した後に、該通信が成立した後に、玉貸発券制御部22が記憶している計数部IDと計数制御部31の計数部IDとが一致しても玉貸発券制御部22が記憶している計数通番と計数制御部31が記憶している計数通番とが一致しないことを条件として、計数制御部31が記憶している計数値を特定可能な計数情報が玉貸発券制御部22に対して送信されて、該計数値が玉貸発券制御部22において持玉数に加算されて記憶され、該計数値が確定処理の対象となるので、遊技者が不利益を被ることがない。
前記S1012’で払出通番が一致しない(NO)と判定された場合には、S1015’で、前記第1の払出リカバリ処理(即ち前記S1018’と同様に、図18のS803以下の処理)を行う。これによれば、計数制御部31と玉貸発券制御部22とが交換等により通信不能になっても、該通信が成立した後に、玉貸発券制御部22が記憶している計数部IDと計数制御部31の計数部IDとが一致しても玉貸発券制御部22が記憶している計数通番と計数制御部31が記憶している計数通番とが一致しないことを条件として、計数制御部31において払出処理が行われるので、遊技者が不利益を被ることがない。
前記S1014’で払出残数が有る(YES)と判定された場合には、S1016’で、第2の払出リカバリ処理を行う。この第2の払出リカバリ処理では、計数制御部31は、記憶テーブルで記憶している払出済数が払出予定数に達するまでパチンコ玉の払出を行って、図18のS811以下の処理を行う。これによれば、計数制御部31が払出要求(動作指示G)を受信していれば、計数制御部31と玉貸発券制御部22とが通信不能になっても、該受信した払出要求に基づいて払出処理が行われるので、遊技者が不利益を被るのを防止できる。つまり計数制御部31が払出要求を受信している場合には、該払出要求の受信に基づいて払出予定数が記憶されてパチンコ玉の払出が開始され、払出済数が記憶されるので、該払出要求の受信後に電断が発生して電源が投入された後には、該計数制御部31が記憶している払出予定数及び払出済数に基づくパチンコ玉の払出が行われる。
次に図27は、第2実施形態において計数確定中に電断と計数が発生した際に各台計数ユニット50が行う処理の一例を表すフローチャートであり、具体的には、前記図8の計数処理において計数が終了してS116〜S123の処理が行われるが、電断の発生により、S123の動作指示応答Dが玉貸発券制御部22に到達せず、該電断中に計数が発生した場合の処理である。本例において、電断の発生時には、計数制御部31が、前記S112の処理で更新された計数通番「5」を記憶しており、玉貸発券制御部22が、前記S124の処理が行われず未更新の計数通番「4」を記憶しているものとする。
まず計数制御部31は、S1100で、電断中計数値記憶部(図示外)において、電断中に計数された値を電断中計数値として記憶する。次に各台計数ユニット50において、S1000’で、電源が投入され、図29(b)に示す起動時認証シーケンス2が完了すると、計数制御部31は、S1001’で、記憶テーブルで記憶している計数部ID,計数通番(ここでは「5」),及び払出通番を示す接続機器確認指示を、接続確認要求として、玉貸発券制御部22に対して送信する。該接続機器確認指示を受信した玉貸発券制御部22は、S1002’で、記憶テーブルで記憶している計数部ID,計数通番(ここでは「4」),及び払出通番と、払出処理で払い出す予定の払出予定数とを示す接続機器確認応答を、接続情報として、計数制御部31に対して返信し、またS1003’で、起動指示を送信し、該起動指示を受信した計数制御部31は、S1004’で、起動指示応答を、玉貸発券制御部22に対して返信する。
S1002’の接続機器確認応答を受信した計数制御部31は、S1101’で、該接続機器確認応答が示す計数通番と自己の記憶テーブルで記憶している計数通番(ここでは「5」)とが一致するか否かを判定するが、この図27に示す例では、計数通番が一致しない(NO)と判定されるので、図8のS119以下の処理を行い、該S119で、エラーなしと、記憶テーブルで記憶している計数通番と、該記憶テーブルで記憶している当該計数通番の計数値+前記電断中計数値と、計数終了検知とを示す動作指示応答Cを、計数情報として、玉貸発券制御部22に対して送信し、その後に該玉貸発券制御部22は、前記S120及びS124の処理を行う。
次に図28は、第2実施形態において計数確定中に電断と計数が発生した際に各台計数ユニット50が行う処理の別例を表すフローチャートであり、具体的には、前記図8の計数処理において計数が終了してS116〜S125の処理が行われる(即ちS123の動作指示応答Dは玉貸発券制御部22に到達している)が、電断の発生により、S125の動作指示Dが計数制御部31に到達せず、該電断中に計数が発生した場合の処理である。本例において、電断の発生時には、計数制御部31が、前記S112の処理で更新された計数通番「5」を記憶しており、玉貸発券制御部22が、前記S124の処理が行われて更新された計数通番「5」を記憶しているものとする。
まず計数制御部31は、S1100で、電断中計数値記憶部(図示外)において、電断中に計数された値を電断中計数値として記憶する。次に各台計数ユニット50において、S1000’で、電源が投入され、図29(b)に示す起動時認証シーケンス2が完了すると、計数制御部31は、S1001’で、記憶テーブルで記憶している計数部ID,計数通番(ここでは「5」),及び払出通番を示す接続機器確認指示を、接続確認要求として、玉貸発券制御部22に対して送信する。該接続機器確認指示を受信した玉貸発券制御部22は、S1002’で、記憶テーブルで記憶している計数部ID,計数通番(ここでは「5」),及び払出通番と、払出処理で払い出す予定の払出予定数とを示す接続機器確認応答を、接続情報として、計数制御部31に対して返信し、またS1003’で、起動指示を送信し、該起動指示を受信した計数制御部31は、S1004’で、起動指示応答を、玉貸発券制御部22に対して返信する。
S1002’の接続機器確認応答を受信した計数制御部31は、S1101’で、該接続機器確認応答が示す計数通番と自己の記憶テーブルで記憶している計数通番(ここでは「5」)とが一致するか否かを判定するが、この図28に示す例では、計数通番が一致する(YES)と判定されるので、S1111’で、記憶テーブルで記憶している計数通番を+1し、該更新した計数通番(ここでは「6」)に対応付けて前記電断中計数値を計数値として記憶して、図8のS119以下の処理を行い、該S119で、エラーなしと、記憶テーブルで記憶している計数通番,及び計数値(即ち元の電断中計数値)と、計数終了検知とを示す動作指示応答Cを、計数情報として、玉貸発券制御部22に対して送信し、その後に該玉貸発券制御部22は、前記S120及びS124の処理を行う。
以上に説明した図27及び図28に示す処理を行う各台計数ユニット50によれば、計数制御部31において、計数終了通知(S123の動作指示応答D)の送信後、計数確定通知(S125の動作指示D)の受信前に、玉貸発券制御部22と通信不能となった状態で計数が発生した場合であっても、玉貸発券制御部22において計数通番が更新されたか否かに応じて、電断中計数値が玉貸発券制御部22において正確に記憶されるので、遊技者が不利益を被ることがない。つまり計数終了通知が玉貸発券制御部22に到達していない場合には、該玉貸発券制御部22において計数通番が更新されていないため、図27に示すように、当該更新前の計数通番に対応する計数値が確定していないものとして、計数制御部31が記憶している計数値に電断中計数値を加算した値が玉貸発券制御部22に対して送信されて記憶される一方、計数終了通知が玉貸発券制御部22に到達している場合には、該玉貸発券制御部22において計数通番が更新されているため、図28に示すように、当該更新前の計数通番に対応する計数値は確定しているものとして、電断中計数値が新たな計数値として玉貸発券制御部22に対して送信されて記憶される。
次に図29を用いて、第2実施形態において電源投入後に玉貸発券制御部22と計数制御部31との間で行われる起動時認証シーケンス2について説明する。図29(a)には、起動時認証シーケンス2に用いられる認証テーブルの一例を示す。これは起動時認証シーケンス1に用いられるもの(図22(a))と同様であり、玉貸発券制御部22及び計数制御部31は、同一の認証テーブルをそれぞれで記憶しているが、一部のコード(本例ではコード4及びコード7)は認証に使用されない。
図29(b)に示すように、電源投入後に暗号キーの照合が行われる。本例では、玉貸発券制御部22から計数制御部31に第1暗号化キー及び第1復号化キーが送信され(S2000A)、これを受信した計数制御部31で[第1暗号化キー=第2復号化キー,且つ,第1復号化キー=第2暗号化キー]との条件が成立するか否か判定する(S2000B)。この条件が成立するときには、暗号キー応答を玉貸発券制御部22に送信し(S2000D)、成立しなければ異常停止する(S2000C)。玉貸発券制御部22が暗号キー応答S2000Dを受信すると、認証要求6,3,8,1,2,5を順不同で計数制御部31に送信する。本例では認証4及び認証7は行われない。従って、S2080’に示すように、認証対象となるビット数は合計24ビットであり、これらの認証が完了するとS2100以降の処理を行う。認証6,認証3,認証8,認証1,認証2,又は認証5において、コードが一致しない場合には、玉貸発券制御部22が異常停止し不正を防止することができる。なお認証要求の送受信及びコードの送受信においては、前記図22で説明したのと同様に暗復号化が行われ、通信完了毎に暗号キーが更新される。
また、次回電源ダウンし、再度の電源投入がなされたときに実行される起動時シーケンス2では、前回未使用のコード(コード4及びコード7)とは異なるコードが未使用となり、前回の順序(認証6,認証3,認証8,認証1,認証2,認証5)とは異なる順序で認証要求が送信される。未使用のコード及び認証要求の送信順序は、例えば整数1〜8までの範囲で乱数を生成させるプログラムによって決定させることができる。このように起動時認証シーケンス2の実行毎に、未使用とするコード及び送信する認証要求の順序を異ならせることで更にセキュリティが高まる。
最後に図30を参照して、第2実施形態での玉貸発券制御部22と計数制御部31との間の通信における情報の暗復号化及びそれに関連する処理について説明する。
電源投入後、起動時認証シーケンス2が完了した後は、玉貸発券制御部22と計数制御部31との間において行われる通信に関して、図30に示されるような暗号化・復合化処理が行われる。玉貸発券制御部22は第1暗号化キー(=第2復号化キー)及び第1復号化キー(=第2暗号化キー)を記憶しており、計数制御部31は第2復号化キー(=第1暗号化キー)及び第2暗号化キー(=第1復号化キー)を記憶している。以下の例では、玉貸発券制御部22がデータ要求[i]を計数制御部31に送信しようとし、計数制御部31が応答[i]を返信しようとする場合に行われる暗号化・復合化処理について説明する。図30に示すように、まず玉貸発券制御部22がデータ要求[i]を計数制御部31に送信しようとするときには、S2200’で第1暗号化キー及び暗号化テーブルに基づいてデータ要求[i]を暗号化する。この処理は第1実施形態におけるS2200〜S2203と同様であるが、暗号キーに代えて第1暗号化キーを使用する。ついでS2210で玉貸発券制御部22は暗号化データ要求[i]を計数制御部31に送信する。
玉貸発券制御部22は暗号化データ要求[i]の送信に伴い、S2211’で第1復号化キーを前回通信[i−1]において計数制御部31から受信した暗号化応答[i−1]に更新する。一方、計数制御部31は暗号化データ要求[i]の受信に伴い、S2212’で第2暗号化キーを前回通信[i−1]において玉貸発券制御部22に送信した暗号化応答[i−1]に更新する。計数制御部31はS2212’の後、S2220’で第2復号化キー及び暗号化テーブルに基づいて暗号化データ要求[i]を復号化する。この処理は第1実施形態におけるS2220〜S2223と同様であるが、暗号キーに代えて第2復号化キーを使用する。次いで計数制御部31は、S2224でこのようにして得られたデータ要求[i]を解析し、これに応じた応答[i]を玉貸発券制御部22に送信しようとすべくS2225’の処理を行う。なお、S2224で得られたデータが解析不能なデータである場合(例えば不正基板によって出力されたデータは復号化しても正規データとならずに解析不能となる)、計数制御部31は異常停止する。
計数制御部31は、S2225’で第2暗号化キー及び暗号化テーブルに基づいて応答[i]を暗号化する。この処理は第1実施形態におけるS2225〜S2228と同様であるが、暗号キーに代えて第2暗号化キーを使用する。ついでS2230で計数制御部31は暗号化応答[i]を玉貸発券制御部22に送信する。玉貸発券制御部22は暗号化応答[i]の受信に伴い、S2231’で第1暗号化キーを前回通信[i]において玉貸発券制御部22から計数制御部31に送信したデータである暗号化データ要求[i]に更新する。一方、計数制御部31は暗号化応答[i]の送信に伴い、S2232’で第2復号化キーを前回通信[i]において玉貸発券制御部22から受信したデータである暗号化データ要求[i]に更新する。
玉貸発券制御部22はS2231’の後、S2240’で第1復号化キー及び暗号化テーブルに基づいて暗号化応答[i]を復号化する。この処理は第1実施形態におけるS2240〜S2243と同様であるが、暗号キーに代えて第1復号化キーを使用する。次いで玉貸発券制御部22は、S2244でこのようにして得られた応答[i]を解析し、データ要求[i]に対する応答[i]を受信したことを認識する。なお、S2244で得られたデータが解析不能なデータである場合(例えば不正基板によって出力されたデータは復号化しても正規データとならずに解析不能となる)、玉貸発券制御部22は異常停止する。玉貸発券制御部22はS2244の後、S2270’で第1暗号化キー及び暗号化テーブルに基づいてデータ要求[i+1]を暗号化する。この処理は第1実施形態におけるS2270〜S2273と同様であるが、暗号キーに代えて第1暗号化キーを使用する。ついでS2280で玉貸発券制御部22は暗号化データ要求[i+1]を計数制御部31に送信する。
玉貸発券制御部22は暗号化データ要求[i+1]の送信に伴い、S2281’で第1復号化キーを前回通信[i]において計数制御部31から受信したデータである暗号化応答[i]に更新する。一方、計数制御部31は暗号化データ要求[i+1]の受信に伴い、S2282’で第2暗号化キーを前回通信[i]において玉貸発券制御部22に送信したデータである暗号化応答[i]に更新する。次いで計数制御部31はS2300’で第2復号化キー及び暗号化テーブルに基づいて暗号化データ要求[i+1]を復号化し、S2301’で復号化したデータ要求[i+1]を解析し、S2302’で第2暗号化キー及び暗号化テーブルに基づいて応答[i+1]を暗号化し、S2310で暗号化応答[i+1]を玉貸発券制御部22に送信する。
このように玉貸発券制御部22及び計数制御部31は、いずれも相手側から情報を受信したときには暗号化キーを前回送信データに更新し、相手側に情報を送信したときには復号化キーを前回受信データに更新している。即ち、1回の通信に伴って双方の暗号化キー及び復号化キーが更新されることになり、セキュリティが向上する。
[3.変形例1,2]
次に、図31を参照して、本発明の変形例1について説明する。この変形例1では、パチンコ機10に対応して設けられる遊技用装置が、玉貸発券処理部20’と、前記計数部30と、持玉カードユニット50’とから構成されており、前記遊技用装置(即ち各台計数ユニット50=玉貸発券処理部20+計数部30)と比較して、確定処理の態様が異なる。ここで玉貸発券処理部20’は、前記玉貸発券処理部20と比較して、前記内部ユニット30bが配置されていない点のみが異なる。
持玉カードユニット50’は、図31(a)に示すように、玉貸発券処理部20’のさらに左側に隣接して設けられ、縦長の箱型の形状を呈するものであり、その前面に発券ボタン51’,貯玉ボタン52’,持玉カード挿入口53a’等を備え、図31(b)に示すように、その内部に持玉カードR/W53’,持玉カードストッカ53b’を備え、発券ボタン51’,貯玉ボタン52’,及び持玉カードR/W53’は、玉貸発券処理部20’の玉貸発券制御部22と通信可能に接続されている。なお持玉カードユニット50’の下部には、前面に計数部30の外部ユニット30aが配置され、内部に計数部30の内部ユニット30bが配置されている。
この変形例1の遊技用装置において、遊技者が台移動又は景品交換を希望する場合には、カードテーブルで持玉数が記憶されている状態で、発券ボタン51’が操作されると、持玉カード5を貯留している持玉カードストッカ53b’は、該貯留している持玉カード5のうちの1枚を持玉カードR/W53’に対して搬送し、持玉カードR/W53’は、搬送された持玉カード5のIDと持玉数とを対応付ける処理(ここでは持玉カード5に持玉数を記録する処理)を行い、該持玉カード5を持玉カード挿入口53a’から排出して発行する。この変形例1では、該持玉カード5の発行が、前記確定処理に相当する。
このようにして発行された持玉カード5を、他のパチンコ機10に対応する持玉カードユニット50’の持玉カードR/W53’に挿入することにより、該持玉カード5のIDに対応付けられている持玉数を使用して前記持玉払出処理が可能となる。また該持玉数を使用してPOS端末にて景品交換が可能となる。なお玉貸発券処理部20’のカードR/W23にて受付中の会員カード2ビジターカード3は、カード返却ボタン16が操作されると返却される。
つまり変形例1では、持玉数が会員カード2ビジターカード3のカードIDに対応付けて持玉管理装置62で管理されるのではなく、該持玉数が持玉カード5のIDに対応付けられる。なお持玉カード5のIDと持玉数との対応付けは、持玉カード5に持玉数を記録する例には限らず、持玉カード5に持玉数を記録せずに、持玉管理装置62において持玉カード5のIDと持玉数とを対応付けて管理するものであっても良い。即ち持玉カード5に持玉数を記録するか否かは、特に限定されない。
また変形例1の遊技用装置において、会員遊技者が貯玉を希望する場合には、カードテーブルで持玉数が記憶されており、かつ玉貸発券処理部20’のカードR/W23にて会員カード2を受付中の状態で、貯玉ボタン52’が操作されると、該会員カード2のカードIDと貯玉する玉数とを含む貯玉要求を会員管理装置61に対して送信する。該貯玉要求を受信した会員管理装置61は、前述の如く、該貯玉要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している貯玉数に該貯玉要求に含まれる貯玉する玉数を加算する。そして玉貸発券処理部20’のカードR/W23にて受付中の会員カード2は、カード返却ボタン16が操作されると返却される。この変形例1では、該会員カード2の返却も、前記確定処理に相当する。
このようにして返却された会員カード2を、他のパチンコ機10に対応する玉貸発券処理部20’のカードR/W23に挿入することにより、該会員カード2のカードIDに対応付けて会員管理装置61で管理されている貯玉数を使用して前記貯玉再プレイ処理が可能となる。また該貯玉数を使用してPOS端末にて景品交換が可能となる。なお発券ボタン51’が操作された場合と異なり、持玉カード5は発行されない。
次に、図32を参照して、本発明の変形例2について説明する。この変形例2では、パチンコ機10に対応して設けられる遊技用装置が、玉貸発券処理部20”と、前記計数部30とから構成されており、前記遊技用装置(即ち各台計数ユニット50=玉貸発券処理部20+計数部30)と比較して、確定処理の態様が異なる。ここで玉貸発券処理部20”は、前記玉貸発券処理部20と比較して、図32(a)に示すように、その前面に携帯電話近接部26aをさらに備え、図32(b)に示すように、その内部にICチップR/W26をさらに備え、該ICチップR/W26が玉貸発券制御部22と通信可能に接続されている点と、会員カード2及びビジターカード3が使用されず、カードR/W23はプリペイド残額を特定可能なプリペイドカード6を受け付ける点と、カードストッカ23bを備えていない点とが異なる。
この変形例2の遊技用装置において、遊技者が台移動又は景品交換を希望する場合には、カードテーブルで持玉数が記憶されている状態で、ICチップを備える携帯電話7が携帯電話近接部26aに近接されて、ICチップR/W26により該携帯電話7のICチップから当該携帯電話7の識別情報(チップIDや電話番号等であり、以下「携帯ID」と称する。)が読み取られ、ディスプレイ24に表示される図示しない発行ボタンが操作されると、持玉数と携帯IDとを対応付けて記憶(当該携帯電話7のICチップで記憶,又は管理装置で記憶等)するための記憶処理を行う。この変形例2では、該記憶処理が、前記確定処理に相当する。
[4.その他の変形例]
最後に、本発明のその他の変形例について説明する。
上記の実施形態では、図1に示すように、遊技機がパチンコ機10である例について説明したが、これに限らず、該遊技機は、スロットマシンでも良く、またゲーム機であっても良い。
上記の実施形態では、図1に示すように、持玉管理装置62が持玉数を管理すると共に、会員管理装置61が貯玉数を管理する例について説明したが、これに限らず、1つの管理装置が持玉数及び貯玉数を管理するものであっても良い。
上記の実施形態では、カード(会員カード2又はビジターカード3)に持玉数が記録されない例について説明したが、これに限らず、カードに持玉数が記録されるものであっても良く、また会員カード2には持玉数が記録されないがビジターカード3には持玉数が記録されるものや、ビジターカード3には持玉数が記録されないが会員カード2には持玉数が記録されるものであっても良い。
上記の実施形態では、図7のS05で、受け付けたのが会員カード2であると判定された場合に、暗証番号の入力を受け付け、該入力された暗証番号の認証がとれたことを条件に、S06の管理貯玉数取得処理,S07の管理持玉数取得処理,及びS08の残額確認処理が行われて、貯玉数,持玉数,及びプリペイド残額が使用可能になる例について説明したが、これに限らず、例えば受け付けたのが会員カード2であると判定された場合であっても、暗証番号の入力を受け付けずに、S07の管理持玉数取得処理及びS08の残額確認処理を行って、持玉数及びプリペイド残額を使用可能とすると共に、S15で再プレイボタンの操作が有ると、暗証番号の入力を受け付け、該入力された暗証番号の認証がとれたことを条件に、管理貯玉数取得処理を行って、貯玉数を使用可能とするようにしても良い。即ち持玉数及びプリペイド残額の使用については暗証番号の入力が不要であり、貯玉数の使用についてのみ暗証番号の入力が必要なものであっても良い。
上記の実施形態では、図7に示すように、S07の持玉数取得処理を行った後にS08の残額確認処理を行う例について説明したが、これに限らず、残額確認処理を行った後に持玉数取得処理を行っても良く、また持玉数取得処理と残額確認処理とを同時並行で行っても良い。
上記の実施形態では、図7のS21aに示すように、遊技用価値を使用させるための使用処理が玉貸処理である例について説明したが、これに限らず、該使用処理は、遊技用価値をスロットマシンで使用させるためのメダル貸処理や、遊技用価値を得点に変換してゲーム機で使用させるための処理等であっても良い。
上記の実施形態では、図7のS26bに示すように、カード返却ボタン16の操作が有ると管理玉数更新処理を行う例について説明したが、これに限らず、管理玉数の更新は計数処理,持玉払出処理,及び貯玉再プレイ処理毎に行っておき、カード返却ボタン16の操作が有ると管理玉数更新処理を行わずにカードを返却するものであっても良い。
上記の実施形態では、図8のS114等に示すように、計数制御部31が、計数情報(動作指示応答)として、計数値の累積値を示す計数情報を単位時間毎に玉貸発券制御部22に対して送信する例について説明したが、これに限らず、計数制御部31が、計数時刻と計数値とを対応付けたログデータを記憶して、計数終了後に該ログデータを玉貸発券制御部22に対して送信し、玉貸発券制御部22が、該ログデータが示す計数時刻と計数値とに基づいて、単位時間毎の計数値を特定するものであっても良い。
また計数制御部31が、玉カウンタ35から計数パルスが出力される毎に、計数値として1を示す動作指示応答を玉貸発券制御部22に対して送信し、玉貸発券制御部22が、該動作指示応答の受信時刻に基づいて、単位時間毎の計数値を特定する(即ち500msec以内における動作指示応答の受信数から計数値を特定する)ものであっても良い。
即ち計数情報は、少なくとも玉カウンタ35により計数された計数値を特定可能な情報であれば良い。
上記の実施形態では、図8のS114等に示すように、計数制御部31が、計数情報(動作指示応答)として、計数値の累積値を示す計数情報を単位時間毎に玉貸発券制御部22に対して送信する例について説明したが、これに限らず、図13(a’)(b’)に示すように、単位時間毎の計数値の変動量を示す計数情報を該単位時間毎に玉貸発券制御部22に対して送信するものであっても良い。この場合において、玉貸発券制御部22は、図13(a’)に示す計数値異常Aの判定においては、受信した変動量が設定した閾値を超えるか否かを判定し、変動量が閾値を超えていれば、計数値異常Aを検知し、また図13(b’)に示す計数値異常Bの判定においては、受信した変動量が同一のまま所定回数継続であるか否かを判定し、所定回数継続であれば、計数値異常Bを検知する。これによれば、玉貸発券制御部22において計数値の変動量を算出する処理が無くなるので、該玉貸発券制御部22の処理負荷を軽減できる。
上記の実施形態では、図13(b)(b’)に示す計数値異常Bの判定において、計数値の変動量が同一のまま所定回数(10回)継続した場合に計数値異常Bを検知する例について説明したが、これに限らず、計数値の変動量が同一のまま所定期間(例えば5秒間)継続した場合に計数値異常Bを検知するものであっても良い。
上記の実施形態では、図8のS127に示すように、S125の動作指示Dを受信したことに基づいて計数値の消去が行われる例について説明したが、これに限らず、S119で動作指示応答Cを送信した後に計数値の消去が行われるものであっても良い。即ち遊技媒体数消去処理は、計数情報(動作指示応答C)の送信が正常に行われたと判定されたことに基づいて行われても良い。
上記の実施形態では、図8のS127に示すように、一連の計数が終了する毎に計数値の消去が行われる例について説明したが、これに限らず、一連の計数が終了しても直ちに計数値の消去を行わずに、任意のタイミングで消去を行うものであっても良い。さらに計数値の消去を行わずに、そのまま計数値の記憶を保持するものであっても良い。
上記の実施形態では、図9のS202又は図11(a)のS302に示すように、計数停止処理が、シャッタ33の閉鎖である例について説明したが、これに限らず、例えばモータの駆動力により玉載置部32上のパチンコ玉が玉カウンタ35に送り込まれるように構成した場合には、該モータを停止する処理であっても良い。
上記の実施形態では、図11(a)に示すように、計数制御部31が、計数異常報知処理として、S304の処理を行い、玉貸発券制御部22の多機能ランプ26で計数異常1が報知される例について説明したが、これに限らず、計数制御部31が、自らLED41を点滅する処理を行って計数異常1を報知するものであっても良く、また計数制御部31が、例えばホールコンピュータ70に対してエラー信号を出力することにより、該ホールコンピュータ70で計数異常1を報知するものであっても良い。
上記の実施形態では、図11(a)に示すように、計数異常1を検知した場合であっても、S302〜S311の計数確定シーケンスを行うことにより、計数異常1を検知する前の計数値は確定させて有効とすることにより、遊技者を保護する例について説明したが、これに限らず、計数異常1を検知した場合には計数確定シーケンスを行わずに、計数異常1を検知する前の計数値も無効にするようにしても良い。
上記の実施形態では、図14に示すように、玉貸発券制御部22が、遊技媒体数異常報知処理(計数値異常報知処理)として、S402の処理を行い、多機能ランプ26で計数値異常が報知される例について説明したが、これに限らず、玉貸発券制御部22が、エラー信号を計数制御部31に対して送信し、計数制御部31がLED41を点滅する処理を行って計数値異常を報知するものであっても良く、また玉貸発券制御部22が、例えばホールコンピュータ70に対してエラー信号を出力することにより、該ホールコンピュータ70で計数値異常を報知するものであっても良い。
上記の実施形態では、各台計数ユニット50の玉貸発券制御部22及び計数制御部31が、残額管理装置60又は持玉管理装置62から送信されてきた貸与レートを記憶する例について説明したが、これに限らず、会員管理装置61やホールコンピュータ70から送信されてきた貸与レートを記憶するものであっても良い。つまり各台計数ユニット50は、該各台計数ユニット50の上位装置から送信されてくる貸与レートを記憶するものであれば良い。また各台計数ユニット50は、リモコンから送信されてくる貸与レートを記憶するものや、当該各台計数ユニット50に設けられるディップスイッチの操作等により設定される貸与レートを記憶するものであっても良い。
上記の実施形態では、図8に示すように、計数制御部31の記憶テーブルで記憶している第1計数処理情報が計数通番で、玉貸発券制御部22の記憶テーブルで記憶している第2計数処理情報が計数通番である例について説明したが、これに限らず、該第1計数処理情報及び第2計数処理情報は、通番でなく飛び番でも良く、また番号ではなく記号であっても良い。即ち第1計数処理情報及び第2計数処理情報は、互いに対応して一致する情報であれば良い。なお第1計数処理情報の更新は、図8のS112に示すように+1する処理であり、また第2計数処理情報の更新も、S124に示すように+1する処理であるが、これに限らず、例えば互いに+10するように一定の法則に従って更新する処理や、第1計数処理情報を受信して該受信した第1計数処理情報を第2計数処理情報として記憶する処理であっても良い。即ち第2計数処理情報の更新後に該第2計数処理情報と前記第1計数処理情報とが一致するように更新する処理であれば良い。
上記の実施形態では、図8に示すように、玉貸発券制御部22の記憶テーブルで記憶している第1払出処理情報が払出通番で、計数制御部31の記憶テーブルで記憶している第2払出処理情報が払出通番である例について説明したが、これに限らず、該第1払出処理情報及び第2払出処理情報は、通番でなく飛び番でも良く、また番号ではなく記号であっても良い。即ち第1払出処理情報及び第2払出処理情報は、互いに対応して一致する情報であれば良い。なお第1払出処理情報の更新は、図18のS801に示すように+1する処理であり、また第2払出処理情報の更新も、S803に示すように+1する処理であるが、これに限らず、例えば互いに+10するように一定の法則に従って更新する処理や、第1払出処理情報を受信して該受信した第1払出処理情報を第2払出処理情報として記憶する処理であっても良い。即ち第2払出処理情報の更新後に該第2払出処理情報と前記第1払出処理情報とが一致するように更新する処理であれば良い。
上記の実施形態では、図15に示す持玉払出処理において、単位未満端数のパチンコ玉のみが計数部30から払い出される例について説明したが、これに限らず、払出処理の対象となるパチンコ玉の全数が計数部30から払い出されるものであっても良い。
上記の実施形態では、図18に示す払出処理において、計数部30の玉貯留部36に貯留されているパチンコ玉から払出予定数が払い出される例について説明したが、これに限らず、例えば計数部30が遊技島からパチンコ玉の供給を受けて、該供給されたパチンコ玉から払出予定数が払い出されるものであっても良い。また払い出されたパチンコ玉が、受皿40に貯留されるものではなく、ノズルを介してパチンコ機10の上皿に供給されるものであっても良い。
上記の実施形態では、図18に示す払出処理において、S801で払出通番を更新した後に、S802で払出要求(動作指示G)の送信が行われる例について説明したが、これに限らず、払出要求の送信を行ってから払出通番を更新するものであっても良い。即ち払出通番の更新は、払出要求の送信に伴って行われれば良い。
上記の第1実施形態では、図19に示すS1013の処理の後にS1012に進む例について説明したが、これに限らず、計数中の払出が禁止されている場合には、計数通番が不一致かつ払出通番が不一致となることはないため、S1013の処理の後にS1012ではなくS1021に進むようにしても良い。同様に、上記の第2実施形態では、図26に示すS1013’の処理の後にS1012’に進む例について説明したが、これに限らず、計数中の払出が禁止されている場合には、計数通番が不一致かつ払出通番が不一致となることはないため、S1013’の処理の後にS1012’に進まずに待機中となるようにしても良い。
上記の第1実施形態では、図19に示すように、払出リカバリ無しを示す起動指示A(S1021)又は起動指示C(S1051)を受信した計数制御部31が、払出状態記憶部(図示外)で記憶している払出状態が「払出中」か「払出中でない」かを判定し、「払出中でない」ならばS1022の処理を行い、「払出中」ならばS1052の処理を行う例について説明したが、これに限らず、起動指示A又はCを受信したときに払出予定数及び払出済数の記憶が有るか否かを判定し、該記憶が無ければS1022の処理を行い、該記憶が有ればS1052の処理を行うようにしても良い。払出が終了すると払出予定数及び払出済数が消去されるため(図18のS812)、それらの記憶が有れば、払出中に電断が発生したと判断できるからである。なおS1051で、払出リカバリ無しを示すのではなく、前記S1041とは異なる払出リカバリ有り(例えば第2払出リカバリ有り)を示す起動指示Cを送信し、該起動指示Cを受信した計数制御部31は、払出状態の判定や、払出予定数及び払出済数の記憶の有無の判定を行うことなく、S1052の処理を行うようにしても良い。
上記の実施形態では、計数部30が、計数手段(玉カウンタ35),払出手段,及び払出制御部である例について説明したが、これに限らず、該計数部30は計数手段のみを有し、払出手段や払出制御部は、該計数部30とは別個に遊技用装置(各台計数ユニット50)に備えられるようにしても良い。
上記の実施形態では、第1実施形態で起動時認証シーケンス1を行い、第2実施形態で起動時認証シーケンス2を行う例について説明したが、これに限らず、起動時認証シーケンス1又は2のいずれを行うのかは任意に定めることができる。
上記の実施形態では、起動時認証シーケンス1及び2において、玉貸発券制御部22から計数制御部31に認証要求が送信され、これに応じたコードが計数制御部31から玉貸発券制御部22に返信されて、玉貸発券制御部側でコードの一致、不一致が判断される例について説明したが、これに限らず、計数制御部31から玉貸発券制御部22に認証要求が送信され、これに応じたコードが玉貸発券制御部22から計数制御部31に返信されて、計数制御部側でコードの一致、不一致が判定されるようにしても良い。
上記の実施形態では、起動時認証シーケンス1及び2において、認証要求の送受信及びコードの送受信が暗復号化される例について説明したが、これに限らず、暗復号化がされないものであっても良い。
上記の実施形態では、起動時認証シーケンス1及び2において、暗号キーの初期値が玉貸発券制御部22から計数制御部31に送信され、計数制御部側で受信した暗号キーと記憶している暗号キーの照合を行う例について説明したが、これに限らず、暗号キー通知は、計数制御部31から玉貸発券制御部22に送信されるようにして、玉貸発券制御部側で暗号キーの照合を行うようにしてもよい。
上記の第2実施形態において、起動時認証シーケンス2で使用されないコード(例えばコード4(1001)又はコード7(1101))、又は、これらを組み合わせた値(例えば8ビット値(10011101))若しくはこれらに所定の計算を施した値(両者の排他的論理和等)等の所定の操作を行った値を暗号キーとしても良い。認証テーブルは玉貸発券制御部22及び計数制御部31の双方で記憶しているため、いずれも認証要求を送信していない(受信していない)コードを特定可能であり、特定したコードに基づいて両者共通の所定のルールに従って暗号キーを生成することができる。このようにして得られる暗号キー及びこれの元となるコードは、玉貸発券制御部22及び計数制御部31間で一切送受されていないため、セキュリティを向上させることができる。
上記の実施形態では、起動時認証シーケンス1及び起動時認証シーケンス2が、玉貸発券制御部22と計数制御部31との間で実行される例について説明したが、これに限らず、起動時認証シーケンス1及び起動時認証シーケンス2は、玉貸発券制御部22と紙幣識別機25の間で実行されるようにしても良い。遊技用装置に組み込まれている紙幣識別機は通常、独自の演算機能及び外部通信機能を有しているため、上記実施形態の計数制御部31と同様に、玉貸発券制御部22との間で起動時認証シーケンス1及び起動時認証シーケンス2を行わせることは可能である。
上記の実施形態では、玉貸発券制御部22と計数制御部31との間での通信において、送信情報の暗号化・復号化が行われる例について説明したが、これに限らず、玉貸発券制御部22と紙幣識別機25の間での通信において、送信情報の暗号化・復号化が行われるようにしても良い。各台計数ユニット50に組み込まれている紙幣識別機25は通常、独自の演算及び外部通信機能を有しているため、上記実施形態の計数制御部31と同様に暗号化・復号化を行う機能を持たせることは可能である。このようにすることで、例えば玉貸発券制御部22と紙幣識別機25の間に接続された不正基板によって入金金額を書き換える不正を防止することができる。
また各台計数ユニット50とパチンコ機10の間での通信において、送信情報の暗号化・復号化が行われるようにしても良い。この場合には、各台計数ユニット50及びパチンコ機10が遊技用装置に相当する。これによれば、例えばパチンコ機10に対して不正な貸与要求を送信してパチンコ玉を払い出させるような不正を防止できる。
さらにパチンコ機10の内部における遊技制御基板11と払出制御基板12の間での通信において、送信情報の暗号化・復号化が行われるようにしても良い。この場合には、パチンコ機10が遊技用装置に相当する。これによれば、払出制御基板12に対して不正な払出要求を送信してパチンコ玉を払い出させるような不正を防止できる。
上記の実施形態では、玉貸発券制御部22のEEPROMに暗号化テーブル、第1制御部暗号化論理、及び第2制御部暗号化論理が記憶されており、計数制御部31のEEPROMに暗号化テーブル、第1制御部暗号化論理、及び第2制御部暗号化論理が記憶されている例について説明したが、これに限らず、玉貸発券制御部22のROMに暗号化テーブル、第1制御部暗号化論理、及び第2制御部暗号化論理を記憶させ、計数制御部31のROMに暗号化テーブル、第1制御部暗号化論理、及び第2制御部暗号化論理を記憶させるようにしても良い。例えば暗号化テーブル、第1制御部暗号化論理、及び第2制御部暗号化論理が、各ROMに記憶されている処理プログラムに固定値として組み込まれるようにしても良い。
上記の実施形態において、玉貸発券制御部22のEEPROMに記憶されている暗号化テーブル、第1制御部暗号化論理、及び第2制御部暗号化論理、計数制御部31のEEPROMに記憶されている暗号化テーブル、第1制御部暗号化論理、及び第2制御部暗号化論理を所定期間(例えば1日毎)に書き換えるようにしても良い。これによりセキュリティを更に高めることができる。
上記の実施形態では、暗号キーを、前回通信において玉貸発券制御部22から計数制御部31に送信したデータ(第1実施形態及び第2実施形態)又は前回通信において計数制御部31から玉貸発券制御部22に送信したデータ(第2実施形態)とする例について説明したが、これに限らず、暗号キーは送信履歴又は受信履歴として記憶されている任意のデータを使用することができ、例えば前々回の通信において送信又は受信されたデータとしても良い。
上記の実施形態では、暗号キーを送信データ自体(例えば暗号化データ要求[i])又は受信データ自体(例えば暗号化応答[i])とする例について説明したが、これに限らず、暗号キーは送信データ又は受信データに所定の操作を行った値としても良い。例えば暗号化データ要求[i]を復号化したデータ要求[i]であっても良く、暗号化応答[i]を復号化した応答[i]であっても良い。