JP2016025289A - 面発光レーザ、光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

面発光レーザ、光走査装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体層への外部からの物質の侵入を防ぎ信頼性を向上させた面発光レーザ等を提供する。
【解決手段】本面発光レーザは、活性層と反射鏡と、を含む面発光レーザであって、前記面発光レーザから光が出射される出射面を含む平面に対して角度を有する壁面上に、絶縁体膜と、有機元素を含む保護膜とが積層される。
【選択図】図1

Description

本発明は、面発光レーザ、光走査装置及び画像形成装置に関する。
面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)は、形成される基板に対し垂直方向に光を出射する半導体レーザである。面発光レーザは、端面発光型半導体レーザに比べて低コストで、2次元アレイ化を比較的容易に行うことができる。又、面発光レーザは高性能であるため、光インターコネクション等の光通信の光源、光ピックアップ用の光源、レーザプリンター等の画像形成装置の光源等の用途に用いられている。
面発光レーザは、例えばn型GaAs基板上に、n型半導体多層膜からなる下部DBR(Distributed Bragg Reflector)反射鏡、下部スペーサ層、多重量子井戸活性層、上部スペーサ層、p型半導体多層膜からなる上部DBR反射鏡、コンタクト層を順次エピタキシャル成長等により積層形成し、積層形成した所定の領域の半導体層をn型GaAs基板の基板面に対し垂直方向にエッチングすることによりメサ構造を形成し、メサ構造の側面とエッチングされた領域に絶縁体膜を形成し、メサ構造の上面に開口している出射面よりレーザ光を発する構成のものである。
面発光レーザにおいて、上部DBR反射鏡の一部、又は、上部DBR反射鏡と上部スペーサ層との間に、電流狭窄層を形成した構造のものが有望とされている。このような面発光レーザは、AlAsからなる電流狭窄層を選択酸化することにより電流狭窄構造を形成するものであるため、選択酸化型VCSELとも称されている。選択酸化型VCSELでは、しきい値電流値、消費電力等を低減することができ、又、良好なレーザ特性を得ることができる。
ところで、面発光レーザにおいて、n型GaAs基板上に形成される半導体層に、外部から水分等の物質が侵入する場合がある。この場合、半導体層に外部から侵入する物質は、半導体層を構成する物質と反応し、面発光レーザの信頼性を低下させるおそれがある。
そこで、半導体層に外部から物質が侵入することを防止し、面発光レーザの信頼性を向上させるための各種の対策が施されている。対策の一例としては、チップ分割ラインに基板に達するまでの素子分離溝を形成して下部DBR反射鏡の側面を露出させ、この下部DBR反射鏡の側面を含む領域に、誘電体からなるパッシベーション膜を形成した後、チップに分割する技術を挙げることができる(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、誘電体からなるパッシベーション膜を形成して素子分離溝の側壁を保護する技術では、半導体層に外部から物質が侵入することを防止する効果が不十分であった。その結果、半導体層に外部から侵入する物質が半導体層を構成する物質と反応するおそれが依然として存在し、面発光レーザの信頼性を低下させる問題を十分に解決することができなかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、半導体層への外部からの物質の侵入を防ぎ信頼性を向上させた面発光レーザ等を提供することを課題とする。
本面発光レーザは、活性層と反射鏡と、を含む面発光レーザであって、前記面発光レーザから光が出射される出射面を含む平面に対して角度を有する壁面上に、絶縁体膜と、有機元素を含む保護膜とが積層されることを要件とする。
開示の技術によれば、半導体層への外部からの物質の侵入を防ぎ信頼性を向上させた面発光レーザ等を提供できる。
第1の実施の形態に係る面発光レーザの断面図である。 第1の実施の形態に係る面発光レーザの上面図である。 第1の実施の形態に係る面発光レーザの製造工程図(その1)である。 第1の実施の形態に係る面発光レーザの製造工程図(その2)である。 第2の実施の形態に係る面発光レーザの断面図である。 第2の実施の形態に係る面発光レーザの要部断面図である。 第2の実施の形態に係る面発光レーザの製造工程図である。 第3の実施の形態に係る画像形成装置の構成図である。 第3の実施の形態に係る光走査装置の概要図である。 第3の実施の形態に係る面発光レーザの概要図である。 第3の実施の形態に係るカラー印刷が可能な画像形成装置の構成図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
〈第1の実施の形態〉
第1の実施の形態に係る面発光レーザについて説明する。本実施の形態に係る面発光レーザは、III−V族の化合物半導体により形成されるものであり、AlAsからなる電流狭窄層を選択酸化することにより電流狭窄構造が形成されるものであって、780nm帯面発光レーザである。但し、本実施の形態に係る面発光レーザは一例を示すものであり、各層に使用する材料や出射光の波長は、この例に限定されるものではない。
(面発光レーザ)
図1及び図2に基づき本実施の形態に係る面発光レーザについて説明する。図1は、本実施の形態に係る面発光レーザの断面構造を示すものであり、図1(b)は、図1(a)における破線1Aで囲まれた領域の拡大図である。又、図2は、本実施の形態に係る面発光レーザの上面図である。
本実施の形態に係る面発光レーザは、n型GaAs基板10上に、エピタキシャル成長により形成したバッファ層11、下部DBR反射鏡12、下部スペーサ層13、MQW(Multiple-Quantum Well;多重量子井戸)活性層14、上部スペーサ層15、電流狭窄層16、上部DBR反射鏡17及びコンタクト層18を有している。
n型GaAs基板10は傾斜基板であり、n型GaAs基板10上に、例えば、n型GaAsからなるバッファ層11が形成される。
下部DBR反射鏡12(下部反射鏡)は、面発光レーザが有する複数の反射鏡のうちMQW活性層14に対して光の出射方向とは逆方向に存在する反射鏡である。下部DBR反射鏡12は、レーザの発振波長をλとした場合に、光学長がλ/4となる膜厚で、例えば、n型Al0.9Ga0.1Asとn型Al0.3Ga0.7Asとを40.5ペア交互に積層することにより形成したものである。下部DBR反射鏡12には、例えば、ドーパントとして、Se(セレン)が、5×1017cm−3〜2×1018cm−3程度ドープされている。なお、下部DBR反射鏡12は、低屈折率層と高屈折率層とが積層されたものであるが、n型Al0.9Ga0.1Asにより形成される層が低屈折率層となり、n型Al0.3Ga0.7Asにより形成される層が高屈折率層となる。
下部スペーサ層13は、例えば、ノンドープのAl0.6Ga0.4Asにより形成されている。MQW活性層14は、例えば、Al0.12Ga0.88As量子井戸層とAl0.3Ga0.7As障壁層とを交互に積層した多重量子井戸構造により形成されている。上部スペーサ層15は、例えば、ノンドープのAl0.6Ga0.4Asにより形成されている。
電流狭窄層16は、例えば、p型AlAsにより形成されており、後に選択酸化されることにより選択酸化領域16aと電流狭窄領域16bからなる電流狭窄構造を形成する。電流狭窄層16は、後述する上部DBR反射鏡17の内部に設けられており、下部スペーサ層13、MQW活性層14及び上部スペーサ層15により構成される共振器領域から光学長がλ/4離れた位置に形成されている。
上部DBR反射鏡17(上部反射鏡)は、例えば、p型Al0.9Ga0.1Asとp型Al0.3Ga0.7Asとを24ペア交互に積層形成することにより形成したものである。上部DBR反射鏡17には、例えば、ドーパントとして、Znが、5×1017cm−3〜6×1018cm−3程度ドープされている。なお、上部DBR反射鏡17は、低屈折率層と高屈折率層とが積層されたものであるが、p型Al0.9Ga0.1Asにより形成される層が低屈折率層となり、p型Al0.3Ga0.7Asにより形成される層が高屈折率層となる。コンタクト層18は、例えば、p型GaAsからなる膜により形成されている。
このように形成されている半導体層において、所定の領域における下部スペーサ層13、MQW活性層14、上部スペーサ層15、電流狭窄層16、上部DBR反射鏡17及びコンタクト層18をエッチングすることにより発光部を含むメサ構造30を形成する。そして、更に、電流狭窄層16であるAlAs層を選択酸化する。
更に、バッファ層11、下部DBR反射鏡12、下部スペーサ層13、MQW活性層14、上部スペーサ層15、電流狭窄層16、上部DBR反射鏡17及びコンタクト層18をエッチングすることにより、素子分離をするための素子分離溝31を形成する。そして、メサ構造30の側面及び素子分離溝31の壁面(側壁部)を覆うように、酸化ケイ素(SiO)又は窒化ケイ素(SiN)からなる絶縁体膜21を形成する。
このように、素子分離溝31の壁面は、バッファ層11、下部DBR反射鏡12、下部スペーサ層13、MQW活性層14、上部スペーサ層15、電流狭窄層16、上部DBR反射鏡17及びコンタクト層18(の各壁面)を含んでいる。そして、素子分離溝31の壁面は、面発光レーザから光が出射される出射面(後述の開口領域23内に露出する面)を含む平面に対して角度を有している。素子分離溝31の壁面は、面発光レーザから光が出射される出射面を含む平面に対して、例えば、垂直に形成することができる。但し、これには限定されず、素子分離溝31の壁面は、面発光レーザから光が出射される出射面を含む平面に対して、例えば、70°〜80°のテーパー状にする等、任意の角度に形成して構わない。
p側電極22は、絶縁体膜21上にコンタクト層18と接して形成されており、コンタクト層18とオーミック接触するように形成されている。p側電極22は、例えば、Ti/Pt/Au又は、Cr/AuZn/Au等の積層膜により構成されており、真空蒸着又は、EB(Electron Beam)蒸着等により成膜することができる。なお、コンタクト層18上には、p側電極22が形成されていない光を出射するための開口領域23が形成されている。即ち、開口領域23内に露出する面は、面発光レーザから光が出射される出射面である。p側電極22は、p側電極22と同時に形成された引き出し線24により電極パッド25に接続されている。
n側電極27は、n型GaAs基板10の裏面に設けられており、n型GaAs基板10とオーミック接触するように形成されている。n側電極27は、例えば、Ti/Pt/Au又は、Cr/AuGe/Au等の積層膜により構成されており、真空蒸着又は、EB(Electron Beam)蒸着等により成膜することができる。
なお、本実施の形態に係る面発光レーザでは、下部DBR反射鏡12及び上部DBR反射鏡17は、高屈折率層と低屈折率層とを積層した構成としている。この構成において、高屈折率層と低屈折率層との界面における電気抵抗を低減させるため、高屈折率層と低屈折率層との界面において、AlGaAsの組成を変化させた厚さ20nm程度の組成傾斜層を形成すると好適である。
本実施の形態に係る面発光レーザでは、素子分離溝31の側面の絶縁体膜21上に、保護膜26が形成されている。保護膜26は、有機元素を含む酸化シリコンからなる。即ち、保護膜26は、酸化ケイ素及び有機物を含む。保護膜26は、シロキサン系スピンオングラス(SOG:Spin On Glass)を用いて形成すると好適である。
シロキサン系スピンオングラス等からなる保護膜26は、形成時には液体であることから、絶縁体膜21にピンホール等の欠陥が存在した場合に、その欠陥内に進入し充填されることにより欠陥を確実に塞ぐことができる。そのため、半導体層に外部から物質が侵入して半導体層を構成する物質と反応することを防止することが可能となり、面発光レーザの信頼性を向上することができる。
図1及び図2は、発光部をアレイ状に2次元的に配列した面発光レーザを示すものであるが、本実施の形態に係る面発光レーザの他の構成として、発光部をアレイ状に1次元に配列した面発光レーザとしてもよい。但し、本実施の形態に係る面発光レーザの発光部は単一であってもよい。
(面発光レーザの製造方法)
次に、図3及び図4に基づき、本実施の形態に係る面発光レーザの製造方法を説明する。
まず、図3(a)に示すように、傾斜基板であるn型GaAs基板10上に、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長法)又は、MBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシー)により、バッファ層11、下部DBR反射鏡12、下部スペーサ層13、MQW活性層14、上部スペーサ層15、電流狭窄層16、上部DBR反射鏡17及びコンタクト層18を順次エピタキシャル成長により形成する。
バッファ層11は、例えば、n型GaAsにより形成する。又、下部DBR反射鏡12は、例えば、高屈折率層となるn型Al0.3Ga0.7Asと低屈折率層となるn型Al0.9Ga0.1Asとを交互に40.5ペア積層形成することにより形成する。又、下部スペーサ層13は、例えば、アンドープのAl0.6Ga0.4Asにより形成する。又、MQW活性層14は、例えば、Al0.12Ga0.88As量子井戸層とAl0.3Ga0.7As障壁層とを交互に積層形成することにより多重量子井戸構造を形成する。又、上部スペーサ層15は、例えば、アンドープのAl0.6Ga0.4Asにより形成する。
更に、上部DBR反射鏡17は、例えば、高屈折率層となるp型Al0.3Ga0.7Asと低屈折率層となるp型Al0.9Ga0.1Asとを交互に24ペア積層形成することにより形成する。又、コンタクト層18は、例えば、p型GaAsにより形成する。なお、上部DBR反射鏡17において、下部スペーサ層13、MQW活性層14及び上部スペーサ層15からなる共振器領域よりλ/4離れた領域には、p型AlAsからなる電流狭窄層16が形成されている。
なお、MQW活性層14は、圧縮歪組成であって、バンドギャップ波長が780nmとなる3層のGaInPAs量子井戸活性層と、格子整合する4層の引張り歪みを有するGa0.6In0.4P障壁層とにより形成してもよい。そして、電子を閉じ込めるためのスペーサ層(クラッド層ともいう)として、ワイドバンドギャップ材料である(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pを用いた構成としてもよい。このような構成とすることにより、キャリアを閉じ込めるためのスペーサ層をAlGaAs系により形成した場合に比べて、スペーサ層と量子井戸活性層とのバンドギャップ差を極めて大きくすることができ、高い電子の閉じ込め効果を得ることができる。
次に、図3(b)に示すように、レジストパターン41を形成し、メサ構造30を形成する。具体的には、コンタクト層18上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、メサ構造30の形状に対応したレジストパターン41を形成する。この後、レジストパターン41をマスクとして、下部スペーサ層13、MQW活性層14、上部スペーサ層15、電流狭窄層16、上部DBR反射鏡17及びコンタクト層18をRIE等のドライエッチングによりエッチングすることによりメサ構造30を形成する。なお、コンタクト層18上に塗布されるレジストはポジレジストを用い、コンタクト露光により露光を行う。これにより、メサの上面部には、一辺が20μm〜25μm程度の正方形となるメサ構造30が形成される。なお、メサ構造30の側面の傾斜角度は、ドライエッチングの条件を調整することにより調整可能であり、n型GaAs基板10の基板面に対し70°〜80°のテーパー状にすることにより、p側電極22からの引き出し電極24等の断線を防止することができる。
次に、図3(c)に示すように、レジストパターン41を除去し、電流狭窄層16を選択酸化する。具体的には、選択酸化は、水蒸気雰囲気中において熱処理を行うことにより、メサ構造30により露出している電流狭窄層16の側面より酸化を進行させる。これによりメサ構造30の周辺部分は酸化され絶縁体であるAl酸化物(Al)となり選択酸化領域16aが形成される。この選択酸化領域16aと中央部分の酸化されていない電流狭窄領域16bとにより、電流狭窄構造が形成される。この選択酸化により形成される電流狭窄領域16bは、例えば、5μm×5μm程度の略正方形の形状に形成する。
次に、図3(d)に示すように、素子分離溝31を形成する。具体的には、フォトレジストの塗布、露光装置による露光、現像により、素子分離溝31が形成されない領域上に不図示のレジストパターン42を形成する。この後、レジストパターン42の形成されていない領域におけるバッファ層11、下部DBR反射鏡12、下部スペーサ層13、MQW活性層14、上部スペーサ層15、電流狭窄層16、上部DBR反射鏡17及びコンタクト層18をRIE等によりエッチングし除去することにより素子分離溝31を形成する。
次に、図4(a)に示すように、絶縁体膜21を形成しコンタクトホール33を形成する。具体的には、レジストパターン42を除去した後、P−CVDにより、例えばSiNからなる絶縁体膜21を150nm〜300nm程度成膜し、この後、フォトレジストの塗布、露光装置による露光、現像により、レジストパターン43を形成する。このレジストパターン43は、メサ構造30の上面のコンタクト層18上においてコンタクトホール33及び素子分離溝31においてスクライブライン34が形成される領域に開口部を有するものである。この後、BHF(バッファードフッ酸)により、レジストパターン43の開口部におけるSiNからなる絶縁体膜21をウエットエッチングにより除去する。このとき素子分離溝31の壁面にも絶縁体膜21が形成される。
次に、図4(b)に示すように、素子分離溝31の壁面に形成された絶縁体膜21の表面に保護膜26を形成する。保護膜26の材料としては、例えば、シロキサン系スピンオングラス等の有機元素を含む酸化シリコンを用いることができる。保護膜26は、例えば、絶縁体膜21の表面にディスペンス法やスピンコート法、スプレー法等の方法により塗布し、350℃程度の温度でベークし全面エッチバックすることにより形成することができる。若しくは、素子分離溝31にのみディスペンス法を用いて液体シロキサン系スピンオングラスを形成し350℃程度の温度でベークすることにより形成することができる。
このとき、絶縁体膜21にピンホール等の欠陥が存在した場合には、保護膜26がピンホール等の欠陥内に充填されるため、ピンホール等の欠陥を完全に塞ぐことができる。なお、保護膜26の材料としてシロキサン系スピンオングラスを用いた場合、ベークにより溶媒が蒸発して保護膜26はSiOを主成分とする固体膜となるが、固体膜中に微量の有機物(有機元素)が残留する。
次に、図4(c)に示すように、p側電極22、電極パッド25、及びn側電極27を形成する。具体的には、レジストパターン43を除去した後、再び、フォトレジストの塗布、露光装置による露光、現像により、不図示のレジストパターンを形成する。このレジストパターンは、p側電極22及び電極パッド25が形成されない領域に形成される。この後、例えば、Cr(9nm程度)/AuZn(18nm程度)/Au(700nm程度)からなる金属膜をEB蒸着により順次積層形成することにより成膜する。この後、リフトオフ等により、不図示のレジストパターンの形成されている領域上の金属膜を除去することにより、p側電極22及び電極パッド25を形成する。
次に、n型GaAs基板10の厚さが100μm〜300μm程度となるまで、裏面を研磨し、例えば、Cr(9nm程度)/AuGe(18nm程度)/Au(250nm程度)からなる金属膜をEB蒸着により順次積層形成することによりn側電極27を形成する。この後、例えば、400℃で5分間アニールすることにより、電極はオーミックコンタクトされる。
この後、スクライブライン34に沿ってダイシングソー等により素子分離をすることにより、図1に示す本実施の形態に係る面発光レーザが作製される。
このように、本実施の形態に係る面発光レーザでは、素子分離溝31における側面に、絶縁体膜21と保護膜26とが積層して形成されている。保護膜26は形成時には液体であることから、絶縁体膜21においてピンホール等の欠陥が存在していても、保護膜26においてピンホール等の欠陥が塞がれるため、下部DBR反射鏡12におけるAl組成の高い半導体膜に水分等が侵入することはない。よって、高温高湿度の環境においても、面発光レーザの劣化を防ぐことが可能であり、信頼性を高めることができる。
なお、従来のように、誘電体からなるパッシベーション膜を形成して素子分離溝の側壁を保護する方法では、パッシベーション膜にピンホール等の欠陥が存在すると水分等の侵入を防止できない。パッシベーション膜を2層にすることも考えられるが、十分な対策とはなり得ない。なぜなら、成膜される膜は、成膜される過程において下地の影響を受けやすく、1層目の膜にピンホール等の欠陥が存在していると、2層目の膜も欠陥の影響を引きずったまま成膜される傾向にある。その結果、パッシベーション膜を2層にしても、欠陥が塞がれないからである。
この場合、1層目の膜の影響をできるだけ防ぐため、1層目の膜の表面を荒らした後、2層目の膜を成膜する方法も考えられる。しかし、1層目の膜の表面を荒らすためには、1層目の膜を形成した後、一旦チャンバー内から取り出し、エッチング処理や純水洗浄等を行う必要があり、1層目の膜にダメージを与えてしまう場合があり好ましくない。更に、このような工程を行う場合、工程数が増えるとともにスループットが低下し、製造コストを上昇させてしまう。
又、誘電体からなるパッシベーション膜に代え、金属膜を形成して素子分離溝の側壁を保護する方法も考えられるが、複数の金属膜を積層する場合も含め、パッシベーション膜を用いた場合と同様な問題が考えられ好ましくない。更に、出射面に対して垂直に近い素子分離溝の壁面に金属膜を形成する必要があり、十分な膜厚を確保することが困難である。
更に、1層目に誘電体からなるパッシベーション膜を形成し、2層目に金属膜を積層して素子分離溝の側壁を保護する方法も考えられる。しかし、上記の場合と同様に、デバイスを保護するのに必要十分な膜厚の金属膜を出射面に対して垂直に近い素子分離溝の壁面に形成することが困難であり、保護効果が不十分である。
これに対して、本実施の形態に係る方法では、1層目の膜の表面を荒らすようなデバイスにダメージを与える工程を設ける必要がなく、又、出射面に対して垂直に近い素子分離溝の壁面に厚い金属膜を形成するような困難な工程も必要ない。即ち、簡易な工程により、デバイスにダメージを与えることなく、絶縁体膜21に存在するピンホール等の欠陥を確実に保護膜26で塞ぐことができる。その結果、半導体層への外部からの物質の侵入を防ぐことが可能となり、面発光レーザの信頼性を高めることができる。
なお、絶縁体膜21は、素子分離溝の側壁内で略均一な厚さで形成でき、電気的絶縁性に優れるが、化学的保護力で劣る。一方、保護膜26は、液体を塗布して形成するため均一な厚さに形成され難く電気的絶縁性では劣るが、化学的保護力に優れる。これらの膜を積層することで、単に2層にしただけではなく、互いの膜の弱点を補完しあって、面発光レーザの信頼性を高めるという優れた効果を実現できる。
〈第2の実施の形態〉
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態では、第1の実施の形態とは異なる構成の面発光レーザを例示する。本実施の形態に係る面発光レーザは、III−V族の化合物半導体により形成されるものであり、電流狭窄層であるAlAsからなる層を選択酸化することにより電流狭窄構造が形成されるものであって、780nm帯面発光レーザである。但し、本実施の形態に係る面発光レーザは一例を示すものであり、各層に使用する材料や出射光の波長は、この例に限定されるものではない。
(面発光レーザ)
図5に基づき本実施の形態について説明する。図5は、本実施の形態に係る面発光レーザの断面構造を示すものであり、図5(b)は、図5(a)における破線7Aで囲まれた領域の拡大図である。
図5に示すように、第2の実施の形態に係る面発光レーザは、下部DBR反射鏡12が下部DBR反射鏡112に置換された点が、第1の実施の形態に係る面発光レーザ(図1参照)と相違する。
下部DBR反射鏡112は、面発光レーザが有する複数の反射鏡のうちMQW活性層14に対して光の出射方向とは逆方向に存在する反射鏡である。下部DBR反射鏡112は、例えば、n型AlAsとn型Al0.3Ga0.7Asとを40.5ペア交互に積層することにより形成したものである。下部DBR反射鏡112には、例えば、ドーパントとしてSe(セレン)が、5×1017cm−3〜2×1018cm−3程度ドープされている。なお、下部DBR反射鏡112は、低屈折率層と高屈折率層とが積層されたものであるが、n型AlAsにより形成される層が低屈折率層となり、n型Al0.3Ga0.7Asにより形成される層が高屈折率層となる。
本実施の形態では、レーザの発振波長をλとした場合に、バッファ層11上の37.5ペアは、光学長がλ/4となる膜厚で、高屈折率層及び低屈折率層が形成される。但し、MQW活性層14及び下部スペーサ層13に近い3ペアでは、n型AlAsからなる低屈折率層が、光学長が3λ/4となる膜厚で形成されている。このように、膜厚の厚い低屈折率層が形成される領域を放熱層151という。放熱層151における低屈折率層は、放熱効果の観点からは厚い膜厚であることが好ましいが、光学長がλ/4の整数倍となる膜厚であればよい。又、放熱層151における低屈折率層の層数は、3層よりも多くても少なくてもよい。
本実施の形態では、下部DBR反射鏡112における素子分離溝31の壁面の露出している領域において、低屈折率層の不動態化処理がなされており、この後に、絶縁体膜21及び保護膜26が形成されている。ここで、不動態化処理とは、チャンバー内にHO又はOを導入し、下部DBR反射鏡112の形成されているn型GaAs基板10を370℃〜400℃程度の温度で熱処理することにより酸化膜にする処理である。下部DBR反射鏡112において、低屈折率層であるAlAs層の側面及び壁面に露出している部分の数100nm程度の厚さを、安定した酸化膜にすることができる。具体的には、低屈折率層を構成するAlAsを酸化することにより、Al酸化物(Al又はAlAs)となる酸化膜を形成するものであり、このように不動態化処理により形成された酸化膜は、緻密な膜であり耐湿性を向上させることができる。
図6は、下部DBR反射鏡112における放熱層151が形成される領域の拡大図である。下部DBR反射鏡112は、n型GaAs基板10側には、光学長がλ/4となる膜厚のn型AlAsからなる低屈折率層112aと、光学長がλ/4となる膜厚のn型Al0.3Ga0.7Asからなる高屈折率層112bとが積層形成されている。一方、MQW活性層14側、即ち、放熱層151となる領域では、光学長が3λ/4となる膜厚のn型AlAsからなる低屈折率層151aと、光学長がλ/4となる膜厚のn型Al0.3Ga0.7Asからなる高屈折率層151bとが積層形成されている。
このように形成された低屈折率層を不動態化処理することにより、素子分離溝31の壁面に露出しているAlAs層を酸化させ、AlAs層152及びAl層153となる酸化膜を形成する。この際、酸化の程度によっては、形成されたAl層153が膨張し、素子分離溝31の壁面よりも出っ張った形状となる(酸化された部分が凸状態となる)。
この後、素子分離溝31の壁面には、SiO又はSiNからなる絶縁体膜21が形成され、更に、その上に保護膜26が形成される。前述のように、保護膜26は形成時には液体であることから、絶縁体膜21にピンホール等の欠陥21aが存在した場合に、その欠陥21a内に進入し充填されることにより欠陥21aを確実に塞ぐことができる。そのため、半導体層に外部から物質が侵入して半導体層を構成する物質と反応することを防止することが可能となり、面発光レーザの信頼性を向上することができる。
このように、本実施の形態では、下部DBR反射鏡112における低屈折率層はAlAsにより形成されており、又、MQW活性層14側は、低屈折率層の膜厚が厚いため、高い放熱効果を得ることができる。これにより、放熱効果が高く、信頼性の高い面発光レーザを得ることができる。
(面発光レーザの製造方法)
次に、図7に基づき、本実施の形態に係る面発光レーザの製造方法を説明する。
まず、図7(a)に示すように、傾斜基板であるn型GaAs基板10上に、MOCVD又はMBEにより、バッファ層11、下部DBR反射鏡112、下部スペーサ層13、MQW活性層14、上部スペーサ層15、電流狭窄層16、上部DBR反射鏡17及びコンタクト層18を順次エピタキシャル成長により形成する。
下部DBR反射鏡112は、例えば、高屈折率層となるn型AlAsとn型Al0.3Ga0.7Asとを40.5ペア交互に積層形成することにより形成する。本実施の形態では、レーザの発振波長をλとした場合に、バッファ層11上の37.5ペアは、光学長がλ/4となる膜厚で、高屈折率層及び低屈折率層が形成される。但し、MQW活性層14及び下部スペーサ層13に近い3ペアでは、n型AlAsからなる低屈折率層が、光学長が3λ/4となる膜厚で形成される。
バッファ層11、下部スペーサ層13、MQW活性層14、上部スペーサ層15、電流狭窄層16、上部DBR反射鏡17及びコンタクト層18については、第1の実施の形態で説明した通りである。
次に、第1の実施の形態の図3(b)及び図3(c)と同様の工程を実施後、図7(b)に示すように、素子分離溝31を形成する。具体的には、フォトレジストの塗布、露光装置による露光、現像により、素子分離溝31が形成されない領域上に不図示のレジストパターン42を形成する。この後、レジストパターン42の形成されていない領域におけるバッファ層11、下部DBR反射鏡112、下部スペーサ層13、MQW活性層14、上部スペーサ層15、電流狭窄層16、上部DBR反射鏡17及びコンタクト層18をRIE等によりエッチングし除去することにより素子分離溝31を形成する。
この後、不動態化処理を行うことにより、素子分離溝31の壁面に露出している下部DBR反射鏡112におけるAlAs層にAlAs層152及びAl層153(図6参照)からなる酸化膜を形成する。不動態化処理を行うには、例えば、酸化装置(iVOX3001:エピクエスト社製)のチャンバー内に、素子分離溝31の形成されたn型GaAs基板10を設置し(このときの基板ホルダーの温度は200℃程度)、80g/Hrの流量で1秒間水蒸気を導入する。この後、2SLMの流量でNガスを導入しながら、基板温度を例えば380℃まで上昇させ、この状態を3分間保つ。これにより、図6に示す不動態化処理がなされる。
次に、第1の実施の形態の図4(a)〜図4(c)と同様の工程を実施し、図7(c)に示すように、p側電極22、電極パッド25、及びn側電極27を形成する。この後、スクライブライン34に沿ってダイシングソー等により素子分離をすることにより、図5に示す本実施の形態に係る面発光レーザが作製される。
このように、本実施の形態に係る面発光レーザでは、素子分離溝31における側面に、絶縁体膜21と保護膜26とが積層して形成されている。保護膜26は形成時には液体であることから、絶縁体膜21においてピンホール等の欠陥が存在していても、保護膜26においてピンホール等の欠陥が塞がれる。そのため、低屈折率層にn型Al0.9Ga0.1Asよりも酸化されやすいn型AlAsを用いた下部DBR反射鏡112に水分等が侵入することはない。よって、第1の実施の形態の場合と同様に、高温高湿度の環境においても、面発光レーザの劣化を防ぐことが可能であり、信頼性を高めることができる。
又、本実施の形態に係る面発光レーザでは、下部DBR反射鏡112における低屈折率層には、n型AlAsを用いている。そして、更に、下部DBR反射鏡112に形成される放熱層151における低屈折率層には、膜厚の厚いn型AlAs膜が形成されている。そのため、第1の実施の形態よりも放熱効果を向上することができる。
〈第3の実施の形態〉
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、本発明に係る面発光レーザ、即ち、第1の実施の形態に係る面発光レーザを光源として用いた画像形成装置である。本実施の形態について、図8に基づいて説明する。
本実施の形態に係る画像形成装置であるレーザプリンターは、光走査装置200、感光体ドラム201、帯電チャージャ202、現像ローラ203、トナーカートリッジ204、クリーニングブレード205、給紙トレイ206、給紙コロ207、レジストローラ対208、定着ローラ209、排紙トレイ210、転写チャージャ211、排紙ローラ212及び除電ユニット214等を備えている。
具体的には、感光体ドラム201の回転方向において、帯電チャージャ202、現像ローラ203、転写チャージャ211、除電ユニット214及びクリーニングブレード205の順に、感光体ドラム201の近傍に配置されている。
感光体ドラム201の表面には、感光層が形成されている。ここでは、感光体ドラム201は、図に示すように、時計回りで回転するように構成されている。帯電チャージャ202は、感光体ドラム201の表面を均一に帯電させる機能を有するものである。
光走査装置200は、帯電チャージャ202により帯電された感光体ドラム201の表面に、パソコン等の上位装置からの画像情報に基づいて変調された光を照射する。この光の照射により感光体ドラム201の表面には、画像情報に応じた潜像が形成される。感光体ドラム201の表面において潜像の形成された領域は、感光体ドラム201が回転することにより、現像ローラ203の設けられている方向に移動する。なお、光走査装置200の詳細については後述する。
トナーカートリッジ204には、トナーが格納されており、このトナーは現像ローラ203に供給される。現像ローラ203は、感光体ドラム201の表面に形成された潜像にトナーカートリッジ204から供給されたトナーを付着させて、感光体ドラム201の表面において画像情報を顕像化させる。この後、感光体ドラム201が回転することにより、感光体ドラム201の表面の潜像にトナーが付着している領域は、転写チャージャ211の設けられている方向に移動する。
給紙トレイ206には記録紙213が格納されている。この給紙トレイ206の近傍には、給紙コロ207が配置されており、この給紙コロ207は、記録紙213を給紙トレイ206から一枚ずつ取り出し、レジストローラ対208に搬送する。このレジストローラ対208は、転写チャージャ211の近傍に配置されている。レジストローラ対208は、給紙コロ207によって取り出された記録紙213を一旦保持するとともに、この記録紙213を感光体ドラム201の回転に合わせて感光体ドラム201と転写チャージャ211との間隙に向けて送り出す。
転写チャージャ211には、感光体ドラム201の表面上のトナーを電気的に記録紙213に引きつけるため、感光体ドラム201の表面上のトナーとは逆極性の電荷が印加されている。この電荷により感光体ドラム201の表面上のトナーは、記録紙213に転写され、即ち、トナーにより形成される画像が記録紙213に転写される。この後、記録紙213は、定着ローラ209に送られる。
定着ローラ209では、熱と圧力とが記録紙213に加えられ、これによって、トナーが記録紙213に定着される。ここで画像が定着された記録紙213は、排紙ローラ212を介して排紙トレイ210に送られ、排紙トレイ210上に順次スタックされる。
なお、除電ユニット214は、感光体ドラム201の表面を除電する。クリーニングブレード205は、感光体ドラム201の表面に残存するトナー(残留トナー)を除去する。除去された残留トナーは、再利用可能な構成となっている。残留トナーが除去された感光体ドラム201の表面は、再び帯電チャージャ202の設けられている方向に移動する。
(光走査装置)
次に、図9に基づき光走査装置200について説明する。
この光走査装置200は、光束によって被走査面上を走査する装置であり、光源ユニット221、カップリングレンズ222、開口板(アパーチャ)223、シリンドリカルレンズ224、ポリゴンミラー225、fθレンズ226、トロイダルレンズ227、2つのミラー228、229及び上記各部を統括的に制御する不図示の主制御装置を有している。
光源ユニット221は、第1の実施の形態に係る面発光レーザを備えている。
カップリングレンズ222は、光源ユニット221から出射された光束を略平行光にするためのものである。
開口板223は、開口部を有し、カップリングレンズ222からの光束のビーム径を規定するためのものである。
シリンドリカルレンズ224は、開口板223を通過した光束を、ミラー228を介してポリゴンミラー225の反射面に集光する。
偏向手段であるポリゴンミラー225は、正六角柱状に形成されており、6つの側面が反射面となるよう鏡面が形成されている。ポリゴンミラー225は、不図示のモータによって、矢印に示す方向に一定速度で回転しており、この回転に伴って、光束は等角速度的に偏向される。
fθレンズ226は、ポリゴンミラー225からの光束の入射角に比例した像高さを有しており、ポリゴンミラー225により一定の角速度で偏向される光束の像面を主走査方向に対して等速移動させる。
走査光学系を構成するトロイダルレンズ227は、fθレンズ226からの光束を、ミラー229を介して、感光体ドラム201の表面上に結像する。
図10に示すように、光源ユニット221は、発光部がアレイ状に2次元的に配列された面発光レーザLAを含むものにより構成されている。各々の発光部は、主走査方向には所定の十分な間隔をもって配列されており、発光部の主走査方向における配列は副走査方向において間隔d2ずつずれながら配列されている。このように副走査方向において間隔d2ずつずれながら主走査方向に配列されているものが、副走査方向におけるピッチd1ごとに形成されている。このように配置することにより各々の発光部の中心から副走査方向に垂直な垂線の間隔を等間隔(間隔d2が等間隔)とすることができる。これにより、各々の発光部の点灯のタイミングを制御することにより、感光体ドラム201上において、副走査方向に狭い等間隔で光源が配列されている場合と同様の構成とすることができる。
例えば、副走査方向における各々の発光部のピッチd1が26.5μmであって、発光部を主走査方向に10個ずつ配列させた場合、発光部の間隔d2は、2.65μmとなる。そして、光学系における倍率を2倍に設定すれば、感光体ドラム201上において、5.3μm間隔で書き込みドットを形成することができる。これは、4800dpi(ドット/インチ)に相当するものであり、4800dpiの高密度の書き込みを行うことができる。
又、主走査方向に配列される発光部の個数を増やし、ピッチd1を狭め、間隔d2を更に狭めたアレイ状にすることにより、更に高密度な書き込みを行うことが可能となる。なお、主走査方向の書き込みの間隔は、光源である発光部の点灯のタイミングを制御することにより容易に制御が可能である。
本実施の形態に係る光走査装置、及びこれを用いた画像形成装置においては、光源として、信頼性の高い第1の実施の形態に係る面発光レーザを用いている。そのため、低コストであって、低消費電力で、高速で高品質となる光走査装置、及び画像形成装置を得ることが可能となる。
(カラー画像を形成するための画像形成装置)
次に、図11に基づきカラー画像を形成するための画像形成装置について説明する。
この画像形成装置は、カラーレーザプリンタであり、カラー画像に対し複数の感光体ドラムを備えたダンデムカラー機である。
このカラーレーザプリンタは、ブラック(K)用の感光体ドラムK1、帯電器K2、現像器K4、クリーニング手段K5、及び転写用帯電手段K6と、シアン(C)用の感光体ドラムC1、帯電器C2、現像器C4、クリーニング手段C5、及び転写用帯電手段C6と、マゼンタ(M)用の感光体ドラムM1、帯電器M2、現像器M4、クリーニング手段M5、及び転写用帯電手段M6と、イエロー(Y)用の感光体ドラムY1、帯電器Y2、現像器Y4、クリーニング手段Y5、及び転写用帯電手段Y6と、光走査装置200、転写ベルト301、定着手段302等を備えている。
このカラーレーザプリンタでは、光走査装置200において、ブラック用の半導体レーザ、シアン用の半導体レーザ、マゼンタ用の半導体レーザ、イエロー用の半導体レーザを有している。各々の半導体レーザは、第1の実施の形態に係る面発光レーザにより構成されている。ブラック用の半導体レーザからの光束はブラック用の感光体ドラムK1に照射され、シアン用の半導体レーザからの光束はシアン用の感光体ドラムC1に照射される。又、マゼンタ用の半導体レーザからの光束はマゼンタ用の感光体ドラムM1に照射され、イエロー用の半導体レーザからの光束はイエロー用の感光体ドラムY1に照射される。
各々の感光体ドラムK1、C1、M1、Y1は、矢印の方向に回転し、回転方向の順に、各々の帯電器K2、C2、M2、Y2、現像器K4、C4、M4、Y4、転写用帯電手段K6、C6、M6、Y6、クリーニング手段K5、C5、M5、Y5が配置されている。各々の帯電器K2、C2、M2、Y2は、対応する感光体ドラムK1、C1、M1、Y1の表面を均一に帯電する。帯電された感光体ドラムK1、C1、M1、Y1の表面に、光走査装置200から光束が照射され、感光体ドラムK1、C1、M1、Y1の表面に静電潜像が形成される構成となっている。この後、各々の現像器K4、C4、M4、Y4によって、感光体ドラムK1、C1、M1、Y1の表面にトナー像が形成される。そして、各々に対応する転写用帯電手段K6、C6、M6、Y6により、記録紙に各々の色のトナー像が転写され、定着手段302により、記録紙に画像が定着される。なお、クリーニング手段K5、C5、M5、Y5は、各々に対応した感光体ドラムK1、C1、M1、Y1の表面に残存する残留トナーを除去するものである。
なお、本実施の形態では、像担持体として感光体ドラムについて説明したが、像担持体としては、銀塩フィルムを用いた画像形成装置であってもよい。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同様の処理により可視化させることができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼き付け処理と同様の処理により印画紙に転写することが可能である。このような画像形成装置は、光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施することが可能である。
又、像担持体としてビームスポットの熱エネルギーにより発色する発色媒体(ポジの印画紙)を用いた画像形成装置であってもよい。この場合においては、光走査により可視画像を直接像担持体に形成することが可能である。
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上記実施の形態では、面発光レーザとしてVCSELを例にして説明をしたが、本発明は、VCSEL以外の面発光レーザにも適用可能である。VCSEL以外の面発光レーザとしては、例えば、VECSEL(Vertical External Cavity Surface Emitting Laser)を挙げることができる。VECSELは、素子外部に外部共振器を備えて発振する面発光レーザである。このように、本発明は、共振器が外部に存在する面発光レーザにも適用できる。
10 n型GaAs基板
11 バッファ層
12、112 下部DBR反射鏡
13 下部スペーサ層
14 活性層(多重量子井戸層)
15 上部スペーサ層
16 電流狭窄層
16a 選択酸化領域
16b 電流狭窄領域
17 上部DBR反射鏡
18 コンタクト層
21 絶縁体膜
22 p側電極
23 開口領域
24 引き出し線
25 電極パッド
26 保護膜
27 n側電極
30 メサ構造
31 素子分離溝
特開2007−173513号公報

Claims (10)

  1. 活性層と反射鏡と、を含む面発光レーザであって、
    前記面発光レーザから光が出射される出射面を含む平面に対して角度を有する壁面上に、絶縁体膜と、有機元素を含む保護膜とが積層されることを特徴とする、面発光レーザ。
  2. 前記保護膜は、酸化ケイ素及び有機物を含むことを特徴とする、請求項1記載の面発光レーザ。
  3. 前記絶縁体膜は、窒化ケイ素からなり、前記保護膜は、シロキサン系スピンオングラスからなることを特徴とする、請求項1又は2記載の面発光レーザ。
  4. 前記絶縁体膜の厚さは、前記壁面内で均一であることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一項記載の面発光レーザ。
  5. 前記反射鏡は、前記活性層に対して光の出射方向とは逆方向に存在する下部反射鏡を含み、前記壁面は前記下部反射鏡の側面を含むことを特徴とする、請求項1乃至4の何れか一項記載の面発光レーザ。
  6. 前記下部反射鏡は、AlAsを含むことを特徴とする、請求項5記載の面発光レーザ。
  7. 前記反射鏡は、前記活性層に対して光の出射方向側に存在する上部反射鏡を含み、
    前記壁面は、前記活性層と前記上部反射鏡と前記下部反射鏡のそれぞれの側面を含むことを特徴とする、請求項5又は6記載の面発光レーザ。
  8. 前記壁面は、Al酸化物を含むことを特徴とする、請求項1乃至7の何れか一項記載の面発光レーザ。
  9. 光束によって被走査面上を走査する光走査装置であって、
    請求項1乃至8の何れか一項記載の面発光レーザを有する光源ユニットと、
    前記光源ユニットからの光束を偏向する偏向手段と、
    前記偏向手段により偏向された光束を被走査面上に集光する走査光学系と、
    を備えたことを特徴とする、光走査装置。
  10. 像担持体と、
    前記像担持体に対して画像情報が含まれる光束を走査する請求項9記載の光走査装置と、を有することを特徴とする、画像形成装置。
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