JP2016024338A - 撮像装置 - Google Patents

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Fumihiro Kajimura
文裕 梶村
木村 正史
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Abstract

【課題】被写体像が合焦状態にあるときに光学収差による画質の劣化を低減する安価な撮像装置を実現する。
【解決手段】交換可能に取り付けられる撮影レンズ光学系の光束が結像する位置に配置され光電変換により画像データを取得する撮像素子と、レンズ光学系と撮像素子の間に光軸に対し傾斜して配置され入射する光束の一部を反射させて一部を透過させる光学素子と、撮像素子面で得られた画像データを用いて撮像素子面上の複数の分割範囲での焦点検出評価値を算出する焦点検出手段と、撮影レンズ光学系及び光学素子の光学情報に基づき撮像素子面での光学収差を算出する光学収差算出手段と、光学収差結果に基づき撮像素子面上の各分割範囲の重み付け係数を算出する重み付け係数算出手段と、焦点検出評価値を重み付け係数で補正した結果に基づいて焦点を合わせる分割範囲を決定する測距枠選択手段とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、静止画及び動画の撮影が可能である撮像装置に関するものである。
光学ファインダにより動画を撮影する場合には、撮影レンズより入射した光束を光学ファインダへ向かう光束と撮像面へ向かう光束とに分割する必要がある。デジタル一眼レフカメラでは、ハーフミラーにより光路分割を行い、ハーフミラーを透過した光束が撮像面へ向かう構造が一般的である。
しかし、この場合には、ハーフミラーを透過することで撮影面において光学収差が発生し、画質の低下が懸念される。被写体像が非合焦状態にあるときは、比較的に画質の劣化の影響は感じにくいが、特に被写体像が合焦状態にあるときには被写体像の画質の劣化により違和感が生じる。
特許文献1ではハーフミラーの厚みを像高により変化させることで、光学的に収差を補正する提案がなされている。また、ハーフミラーとしてペリクルなどの薄膜材料を用いることで、収差の影響を極力低減した構造や、プリズムに反射面を設置したビームスプリッタにおいても上記の収差発生は抑えた構造も従来より提案されている。
特開2009-141560号公報
しかしながら、上述の従来技術では次のような課題がある。特許文献1では、ハーフミラーに対して、特殊な加工が必要であるため高価なカメラになってしまう。ペリクルを使用した場合には、薄膜であるため取り扱いが難しい。またプリズムは高価で重いため、小型で安価なカメラとはならない。
そこで、本発明は、被写体像が合焦状態にあるときに光学収差による画質の劣化を低減する安価な撮像装置を実現することを目的とする。
本発明に係る撮像装置の構成は、交換可能に取り付けられる撮影レンズ光学系と、前記撮影レンズ光学系の光束が結像する位置に配置され光電変換により画像データを取得する撮像素子と、前記レンズ光学系と前記撮像素子の間に前記レンズ光学系の光軸に対し傾斜して配置され入射する光束の一部を反射させて一部を透過させる光学素子と、前記撮像素子面で得られた画像データを用いて前記撮像素子面上の複数の分割範囲での焦点検出評価値を算出する焦点検出手段と、前記撮影レンズ光学系及び前記光学素子の光学情報に基づき前記撮像素子面での光学収差を算出する光学収差算出手段と、前記光学収差結果に基づき前記撮像素子面上の各分割範囲の重み付け係数を算出する重み付け係数算出手段と、前記焦点検出評価値を前記重み付け係数で補正した結果に基づいて焦点を合わせる分割範囲を決定する測距枠選択手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、デジタル一眼レフカメラのオートフォーカス機能を用いて測距及び撮影を行うときに、予め撮像面上の各測距枠位置での光学収差を算出し重み付け係数を求めておく。そして、測距動作により撮像面上の各測距枠における被写体像のAF評価値を算出し、AF評価値に重み付け係数を掛けた値に基づいて、合焦させる被写体像の測距枠を選択する。これにより、安価なカメラでありながら、被写体像が合焦状態にあるときに光学収差による画質の劣化を低減することができる。
実施例1における一眼レフカメラの中央断面図 実施例1におけるハーフミラーで発生する収差を表す模式図 実施例1におけるハーフミラーによる光束の屈折を表す模式図 実施例1における周辺像高での収差を表す図 実施例1における撮像面の分割エリアと非点収差を表す模式図 実施例1におけるデフォーカスMTFを表す模式図 実施例1における一眼レフカメラのブロック図 実施例1における測距動作を表すフローチャート 実施例1におけるフォーカスレンズ位置によるコントラスト値を表す模式図 実施例1における画像データに変換した時の撮像面を表す模式図 実施例2におけるフローチャート 実施例2におけるデフォーカスMTFを表す模式図
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
(実施例1)
以下、図1から図10を参照して、本発明の第1の実施例による撮像装置について説明する。図1は第1の実施例におけるデジタル一眼レフカメラを表した中央断面模式図である。図1において、100はカメラ200に交換可能に装着された撮影レンズで、101はフォーカスレンズ群やズームレンズ群からなるレンズ部を示し、102aは撮影レンズ100の光軸である。
200はカメラ本体で、撮影レンズ100の予定結像面付近には、光学ローパスフィルタや赤外カットフィルタ、さらにはCMOSセンサなどからなる光電変換素子を含む撮像手段であるところの撮像素子201が配置される。撮影レンズ100と撮像素子201の間には、平行平板のガラス板などで形成された光学素子であるところのハーフミラー202が光軸102aに対して斜めに傾けて配置される。ハーフミラー202は全面半透過性を有するミラーとなっており、撮影レンズ100を通過した光束は上方のファインダ手段であるところの光学ファインダに導かれる反射光と撮像素子201に入射する透過光に分離される。
図における203〜205は本発明の光学ファインダを示し、ハーフミラー202の反射光は、マット面とフレネル面を備えるピント板203のマット面上に結像し、ペンタプリズム204、接眼光学系205を介して撮影者の目に導かれる。一方、透過光は撮像素子201で受光され、受光された光の強度信号はAD変換、画像処理部などを介して電子画像となる。なお、ハーフミラー202を通過した光軸102aは、ハーフミラー202での屈折により紙面下方向にオフセットした光軸102bとなる。そこで、撮像素子201の中心はこの光軸102aに対して一致するよう配置されている。
ところで、一般的に撮影レンズと撮像素子の間にガラス板など平板光学素子を斜めに配置した場合、撮像素子で得られる画像には大きな収差が発生してしまう。これは、レンズを通過した1本1本の光線が光学素子を通過する光路長方向の位置が異なるためであり、収差もその位置に応じて異なる。したがって、従来の一眼レフカメラにおいては、ハーフミラー202をクイックリターン機構により撮影時には撮影光束外へ退避させるのが一般的であった。
しかしながら、本発明では、図1のようにハーフミラー202を傾けて配置しており、撮影時にはハーフミラー202を透過した光束を用いている。そして、撮像素子201で得られる画像には収差が発生し、これは撮影レンズ100の光学収差と異なり、軸対称性のない収差となる。
以上のように本発明では、撮像素子201で電子画像を撮影しながら光学ファインダでの被写体観察を行うことが可能な構成となっている。また、ハーフミラー202は固定されて配置しているため、従来の一眼レフカメラのように、撮影時にはハーフミラー202を撮影光束外へ退避させるクイックリターン機構を用いる必要がない。したがって、クイックリターン機構に用いる複雑なメカ構成が必要なくなり、コストダウンとコンパクト化が可能である。
図2(a)は、ハーフミラー202で生じる収差を説明するための図で、図1から説明に必要な部分のみを抽出している。図2(a)において、光線110a、110bは、物体側光軸102a上の1点を発し、レンズ部101を通過して撮像素子201の中心像高付近に結像する光束のうち最外部のみの光線を示したものである。光線110cは図1の光軸102と同様のものである。なお、レンズ部101を挟んで物体側の光線は省略している。
光線110a、110b、110cは、ハーフミラー202の入射面で周知のスネルの法則に従い所定角度屈折し、ハーフミラー202中を直進する。その後、ハーフミラー202の射出面で再度スネルの法則に従い所定角度屈折し射出する。このとき、ハーフミラー202に対して入射する光線の角度と射出する光線の角度は等しくなる。これは、周知のように平行平板における光の屈折の原理原則である。なお、光軸102aについても同様である。すなわち、ハーフミラー202を通過した光線は、角度は変化せず、平行シフトのみが生じることとなる。
図3は、上記光線の屈折を詳細に説明するための図で、空気中における平行平板の光の屈折を示す図である。図3において、210は平行平板で、120は平行平板210に入射する光線を示し、進行方向を矢印で示している。いま光線120は入射角度φで平行平板210の入射面210aに入射し、スネルの法則に基づき光線120は屈折する。そして、屈折後は角度φ’で平行平板210中を直進する。その後、光線120は平行平板210の射出面210bで再度屈折し、入射角度φと同じ角度φで射出する。
そして、射出した光線は入射する光線に対してdだけ平行シフトする。ここで、平行平板の板厚をt、空気の屈折率をn、平行平板210の屈折率をn’とすると、平行シフト量dは以下の数(1)で表すことができる。
上記式(1)より入射角度φが大きいほど、平行シフト量dも大きくなることが分かる。そこで、図2(a)において光線110a、光線110b、光線110cの平行シフト量をそれぞれda、db、dcとすると、daよりdcが大きく、dcよりdbが大きくなるという関係となる。これは、光線110a、光軸102a、光線110bがそれぞれハーフミラーに入射する角度が異なるためであり、入射角度は光線110aより光線110cの方が大きく、光線110cより光線110bの方が大きいという関係になっている。
そうすると、光線110aが光軸102bと交わる位置と、光線110bが光軸102bと交わる位置は、上記平行シフトの影響で一致せず、光線110bの方が光線110aより図中右側で光軸102aと交わることになる。これが、ハーフミラー202による収差の原因となっている。図2(a)では、2本の光線のみを用いて説明したが、実際には多数の光線により像は形成され、各光線が光軸102b上で交わる位置は、図2の断面においてはすべて一致しない。図2(b)は、図1の撮像素子201の中央像高付近Cを拡大した図で、結像する光線を示している。
図2(b)において、201aは撮像素子201の受光面近傍、すなわち、撮影レンズ100の予定結像面を示し、予定決像面201aには多数の光線が集まっている。しかしながら、図2(a)で説明したハーフミラー202による平行シフトの影響により、すべての光線が光軸102b上で交わる位置が異なっており、理想的な結像となっていない。なお、実際の光線は紙面奥行き方向にも存在するためより複雑な収差が発生しているが、ハーフミラー202は光軸102aに対して、図1の断面でのみ傾斜して配置されているため、紙面奥行き方向には対称性を有する収差となっている。
また、上記収差は式(1)から、平行平板210、すなわち、ハーフミラー202の屈折率によっても収差の状況は異なることとなる。したがって、波長によっても収差の状況は異なる。さらに、式(1)より、像高によって入射する光線の角度が異なるため、像高によっても収差の状況は異なる。図4は、周辺像高に到達する光線の収差を説明するための図である。図4において、光線111a、111bは撮像素子201の上側像高に結像する光線を示し、光線112a、112bは撮像素子201の下側像高に結像する光線をそれぞれ示す。
そして、それぞれの光線はハーフミラー202に入射する角度が異なるため、図3にて説明した原理原則から平行シフト量も異なり、光線111aと111b、光線112aと112bでは異なる収差が発生している。また、上側像高と下側像高に結像する光線の平行シフト量は、図2で説明した撮像素子201の中央像高付近に結像する光線とも異なるため、図4における撮像素子201の上下方向においては非対称な収差が生じることとなる。なお、紙面奥行き方向においては前述した理由により、周辺像高においても対称性を有する収差となっている。また、周辺像高においても、波長によって収差の状況が異なることは言うまでもない。
図5(a)は撮像素子201のXY平面201aを表した模式図であり、撮像素子の像面上をX軸方向に5分割Y軸方向に3分割しており、各分割エリアをA(x,y)であらわしている。各分割エリアA(x,y)は、後述する測距動作における測距枠に対応する。また、図5(b)の像311〜353は各分割エリアA(x,y)の、ある光学系での非点収差像を示している。レンズ100の光学系によって非点収差像は異なるが、上述したように光線のハーフミラー202への入射角度のより鋭角な像高上側の方、つまりA(x,1)の範囲の方が非点収差が大きくなることがわかる。
つまり非点収差が大きく発生する光学系によっては、像高が上側を焦点を合わせる被写体位置として合焦動作を行ったときに、被写体像に非点収差がのった違和感のある画質の劣化した画像が得られる。また、レンズ部101の射出瞳位置が撮像面201に近いほど、またレンズ部101の絞り値が大きいほど非点収差は大きくなる。
そこで、本発明では各分割エリアの非点収差を部101の光学情報及びハーフミラー202の光学情報により算出する。そして、求められた非点収差の大きさに応じて各分割エリアでの重み付け係数を求め、非点収差の大きな分割エリアが測距範囲として選択されるにくくすることで、画質の劣化を低減した違和感の少ない画像を得ることができる。
次に、重み付け係数の算出について述べる。図6は撮像素子201上でのデフォーカスMTFであり、横軸にデフォーカス量、縦軸にMTFを表しており、番号にaを付した実線はメリディオナル面のMTF、bを付した一点鎖線はサジタル面のMTFを表している。図6(a)は、例として、レンズ部101の射出瞳位置が非常に遠く光線がテレセントリック光学系に近しい場合の撮像素子201中央でのデフォーカスMTFを模式したものである。デフォーカス位置410aはメリディオナル面MTFのピーク位置つまり、メリディオナル像面位置を示しており、410bは同様にサジタル像面位置を示している。
また、メリディオナル像面位置400aとサジタル像面位置400bの差e0を以下、メリサジ像面差と呼ぶ。図6(a)において、メリディオナル面MTF400aとサジタル面MTF400bのずれは少なく、メリサジ像面差e0は小さい。もしレンズ100から撮像素子201の間にハーフミラー202がなく、光学収差のない理想的なレンズであれば、MTF400aとMTF400bは一致する。
一方、図6(b)(c)(d)はそれぞれ、図5で示した分割エリアA(3,1)、A(3,2)、A(3,3)のデフォーカスMTFを模式したものである。図6(b)より分割エリアA(3,1)のメリサジ像面差e1は、図6(d)分割エリアA(3,3)のメリサジ像面差e3より大きい。このメリサジ像面差を用いて、各分割エリアA(x,y)の重み付け係数を数(2)のように算出する。
Wnは各分割エリアの重み付け係数を、enは各分割エリアでのメリサジ像面差を表し、添え字のnはエリアを示す。Eはあらかじめ定めたメリサジ像面差閾値Eである。重みづけ係数Wnは0から1の数値を持つ。
次に、本実施例の一眼レフカメラの動作について述べる。図7は第1の実施例におけるデジタル一眼レフカメラのブロック図である。図1と同様の機能を有するものには同様の番号を付す。レンズ100のレンズ部101及びハーフミラー202を介して撮像素子201に結像した光は、撮像素子201で光電変換され、A/D変換器221でデジタル化し、画像処理回路222に入力する。画像処理回路222は、A/D変換器221からの画像データを処理する回路であり、ホワイトバランス回路、ガンマ補正回路、及び、補間演算による高解像度化を行う補間演算回路等を有する。
記録処理装置223は、メモリ装置224に画像データを出力するとともに、画像表示装置227に出力すべき画像の画像データを生成し保存する。また、メモリ装置224内には、一眼レフカメラ200の設定、光学情報等が記録されており、その中にハーフミラー202の光学情報も含まれる。ハーフミラー202の光学情報とは、ハーフミラー202の屈折率、厚み、撮像素子201からの傾斜角度を含む相対位置などである。また、記録処理装置223は、所定の方法で画像データをデータ圧縮し、記録媒体に記録する手段である。
一方、ハーフミラー202で反射された光線は光学ファインダ206に導かれる。撮影者は、光学ファインダ206に導かれた光学像を接眼光学系205を介して見るか、撮像素子201に結像したのちデジタル化され画像表示装置207に出力された画像を見ることとなる。
制御系は、外部操作に連動して撮像系、画像処理系及び記録再生系をそれぞれ制御する。例えば、操作部228により撮影者の操作が検出されると、カメラ制御部206は、この検出出力に応じて、撮像素子201の駆動、画像処理回路222の動作、及び記録処理装置224の圧縮処理などを制御する。
レンズ制御部103は、電気接点208を介してカメラ制御部207からの制御信号に応じて、レンズ制御部103はフォーカスレンズ駆動部104a及び絞り駆動部104cにそれぞれフォーカスレンズ群及び絞りを駆動させる。レンズ制御部103には、不図示の手ブレ検出センサが接続する。手ぶれ補正モードでは、レンズ制御部103は、手ブレ検出センサの検出出力に従いブレ補正駆動部104bを制御して手ブレを軽減させる。
光学収差算出手段225はレンズメモリ105に記録されたレンズ部101の光学情報を読み込む。具体的には、レンズ部101の射出瞳位置、絞り値である。射出瞳位置の情報は、レンズ部101の光学構成ごと、つまりレンズ部101のおける不図示の各ズームレンズ位置、各フォーカスレンズ群位置ごとにテーブルデータとして記録されている。
さらに、レンズ部101の光学情報と、ハーフミラー202の光学情報とを用いて想像素子201上での光学収差を算出する。焦点検出部226はフォーカスレンズ駆動部104aの駆動量と撮像素子201から出力される連続的な画像信号を用いて、いわゆる山登り方式またはコントラストAF方式と呼ばれる焦点検出方法で測距を行う。測距動作の詳細については後述する。また、カメラ制御部107は、撮像素子201から出力される画像信号を用いて、被写体の輝度を算出し、絞り104cを調節する。
図8の第1の実施例の測距動作を表すフローチャートである。フローが開始されると、まずステップS1001では、非点収差算出部225においてレンズメモリ105及びメモリ装置224から、レンズ部101とハーフミラー202の光学情報を読込む。前述したように、光学情報とはレンズ部101の射出瞳位置、絞り値と、ハーフミラー202の屈折率、厚み、撮像素子201からの傾斜角度を含む相対位置である。
次に、ステップS1002ではステップS1001で読込んだ光学情報より、撮像素子201の各分割エリアA(x、y)での非点収差を求める。算出する非点収差は、図6のようにメリディオナル面とサジタル面それぞれのデフォーカスMTFとして示される。次にステップS1003では、算出したデフォーカスMTFより、各分割エリアA(x,y)でのメリサジ像面差enを求める。次にステップS1004では、算出したメリサジ像面差enより数(2)に基づき各分割エリアA(x、y)での重み付け係数Wnを算出する。
次に、ステップS1005でカメラ制御部207から測距動作命令を受ける。ステップS1006では、測距動作命令を受けるとフォーカスレンズ群を至近端位置から無限端位置まで駆動をさせ、各位置での画像信号を読込むサーチ駆動をさせる。そして、各分割エリアA(x,y)における、フォーカスレンズ群位置に対する画像のコントラストの変化を図9で示すように求める。
図9は横軸にフォーカスレンズ群位置、縦軸に画像のコントラスト値をとっており、501はコントラストの変化である。コントラスト値のピークがコントラスト閾値を超えていれば、そのフォーカスレンズ位置502が合焦候補位置とされる。これを各分割エリアA(x,y)について行い、各コントラスト値ピークの位置Dnが記録される。添え字のnは分割エリアの位置を示す。
一方、コントラスト値のピークが閾値を超えない場合は、その分割エリアに焦点を合わせる被写体がないものとし、Dn値はなしとする。算出したコントラストピーク位置Dnを測距枠位置選択の為のAF評価値を求めるのに用いる。ステップS1007では、各エリアのコントラストAF評価値Lnを求める。本実施例では、各分割エリアA(x,y)においてピーク位置Dnが最も至近側にある場合がコントラストAF評価値が最大値Lmaxとなり、無限端側に近づくにつれコントラストAF評価値が低くなるように設定されている。
無限端側でのコントラストAF評価値Lminは少なくとも0より大きく設定する。ピーク位置Dnに基づき、LminからLmaxの間でコントラストAF評価値Lnが算出される。ステップS1006においてピーク位置Dnなしとなっていた場合は、コントラストAF評価値Lnは0とする。
次に、ステップS1008ではステップS1004で光学情報により求めた重み付け係数WnとコントラストAF評価値Lnより重み付けAF評価値LWnを求める。各分割エリアA(x,y)のコントラストAF評価値Lnに、対応するエリアの重み付け係数Wnを掛けて、重み付けAF評価値LWnを求める。
ステップS1009では、算出した重み付けAF評価値LWnが最も高い分割エリアA(x,y)を測距枠位置として選択する。ステップS1010では、カメラ制御部207からフォーカスレンズ駆動104bに駆動命令をだし、ステップS1009で選択された分割エリアA(x,y)位置でのコントラストピーク位置Dnまでフォーカスレンズ群を駆動させ、フローを終了する。
実際に図10(b)のような画像が撮像された場合を例に測距動作について説明する。図10は撮像素子201で電気変換され取り込まれた画像のXY平面201bであり、レンズ100を介した光学像は反転して撮像面に結像するため、図5のXY平面201aから座標系が反転している。図10(a)は各分割エリアA(x,y)とそれぞれのエリアの重み付け係数Wnが示されている。図10(b)は風景が撮影された時の画像であり、各エリアは図10(a)の分割エリアA(x、y)に対応している。
図10(b)の風景画では、画面の下側つまりA(1,1)〜A(5,1)の範囲に撮影した一眼レフカメラ2010から近接した被写体として木601、602など存在する。一方、画面の中央から上側つまりA(1,2)〜A(5,2)及びA(1,3)〜A(4,3)の範囲には、遠方の被写体としてビル611〜614が存在する。コントラストAF評価値Lnは、近接している木601がある分割エリアA(1,1)で高くなる。
しかし、レンズ部101の光学構成によっては、そのエリアでの光学収差が大きいため、重み付け係数Wnが小さくなる。そして、分割エリアA(1,1)では重み付けAF評価値LWnはさがり、一方やや遠方にビル611が存在し光学収差の少ない分割エリアA(1,3)が選択測距枠位置として選択される。このように測距枠位置を選択することで、被写体像が合焦状態にあるときに光学収差による画質の劣化を低減することができる。
以上述べたように、本発明では安価なカメラでありながらも、被写体像が合焦状態にあるときに光学収差による画質の劣化を低減することができる。
本実施例では、コントラストAF評価値としてフォーカスレンズ位置、つまり被写体像の距離を用いたが、その他の要素をコントラストAF評価値として用いても良い。例えば、各フォーカスレンズ位置で算出されたコントラスト値のピークの値そのものを用いるなどが挙げられる。
また、本実施例では撮像素子201の分割エリアをX軸方向に5分割、Y軸方向に3分割をして行ったが、より細かく分割しても良いし、分割数を減らしても良い。例えば、本実施例におけるハーフミラー202の配置では、Y軸方向の位置による光学収差の変化の方がX軸方向の位置による光学収差の変化に比べて大きい。そこで、Y軸方向の分割数を5分割など細かくし、X軸方向の分割数をなくして各分割エリアの非点収差を算出しても良い。分割数を減らすことで、非点収差算出時の演算負荷を減らすことができる。
また、本実施例の光学構成では、非点収差は撮像素子201中央のY軸を対称軸とし線対称に発生する。そこで、対称になる分割エリアの重み付け係数は一方のみを算出し、もう一方は同じ値を用いてよい。これにより、非点収差算出時の演算負荷を減らすことができる。
また、本実施例では光学系のフォーカスレンズ位置を変えていった時の連続的な画像信号を用いて、画像のコントラスト値から焦点検出位置を求めるに焦点検出方法を用いたが、その他の焦点検出方式を用いても良い。本発明は、撮像素子201の面上の複数の位置で測距を行う方式で自動で測距枠範囲が選択する場合には適応可能である。例えば、特開昭58−24105では、撮像素子201の1画素内を複数に分割して、各分割した画素の情報よりいわゆる位相差焦点検出を行う方式について述べているが、このような焦点検出方法にも本実施例の方式は有効である。
(実施例2)
以下、図11、図12を参照して、本発明の第2の実施例による撮像装置について説明する。第2の実施例において第1の実施例同じ動作をするものについては同じ番号を付した。第2の実施例による一眼レフカメラの構成は第1の実施例の図1及び図7と同じ為省略する。
第1の実施例では、撮像素子201面の各分割エリアにおける光学収差を考慮して、測距枠位置を選択していたが、第2の実施例では撮影者が測距枠位置を選択できる。この時、カメラ200は絞り値を自動設定するモードとなっている。
図11は第2の実施例における一眼レフカメラ200の測距動作を表すフローチャートである。フローの開始からステップS2003までは、第1の実施例の図8の開始からステップS1003と同様の為、説明を省略する。ステップS2004では、撮影者から操作部228により測距枠位置が指定されると共に測距動作の命令を受ける。
ステップS2005では、指定された測距枠位置における許容絞り値を算出する。図12は指定された測距枠位置でのデフォーカスMTFを模式した図である。軸や実線、一点鎖線などの意味は第1の実施例の図6と同様である。図12(a)は、レンズ部101の絞りが開放状態にあるときのデフォーカスMTFである。このエリアにおいて、メリサジ像面差enが予め定めた許容像面差Etより大きいかを判断する。
メリサジ像面差enが許容像面差Etより大きい時は、許容像面差Et以下になるような絞り値の設定を探す。検索された絞り値を許容絞り値Ftとする。図12(b)は図12(a)と同じ分割エリアにおけるメリサジ像面差enが許容像面差Et以下になるまで絞り値を許容絞り値Ftまで絞った時のデフォーカスMTFである。レンズ部101の絞りの口径を小さくすることで、射出瞳から撮像素子201に結像する光束が少なくなるので、結果として非点収差は小さくなる。
次に、ステップS2006では算出された許容絞り値まで絞りを絞るように、絞り駆動部104cを駆動させる。次に、ステップS2007ではフォーカスレンズ駆動部104aによりフォーカスレンズ群を至近端位置から無限端位置まで駆動をさせ、各位置での画像信号を読込むサーチ駆動をさせる。ステップS2008では読込んだ画像より、撮影者が選択した分割エリアについてのみのコントラスト値を算出し、コントラストのピークのフォーカスレンズ位置Dnを求める。この位置がステップS2009では、求めたフォーカスレンズ位置Dnを合焦位置とみなし、フォーカスレンズ群をDnまで移動させる。そして、測距動作のフローを終了する。
以上、説明したように第2の実施例では、非点収差が許容範囲になる絞り値を算出し、算出した絞り値まで絞りを駆動させる。これにより、撮影者が焦点を合わせたい分割エリアを指定した場合でも画質の劣化を低減した画像を提供することができる。
100 レンズ、101 レンズ部、102 光軸、103 レンズ制御部、
105 レンズメモリ、200 カメラボディ、201 撮像素子、
202 ハーフミラー、203 ピント板、221 A/D変換器、
222 画像処理回路、224 メモリ装置、225 光学収差算出部、
226 焦点検出部、227 画像表示装置

Claims (9)

  1. 交換可能に取り付けられる撮影レンズ光学系と、
    前記撮影レンズ光学系の光束が結像する位置に配置され光電変換により画像データを取得する撮像素子と、
    前記レンズ光学系と前記撮像素子の間に前記レンズ光学系の光軸に対し傾斜して配置され入射する光束の一部を反射させて一部を透過させる光学素子と、
    前記撮像素子面で得られた画像データを用いて前記撮像素子面上の複数の分割範囲での焦点検出評価値を算出する焦点検出手段と、
    前記撮影レンズ光学系及び前記光学素子の光学情報に基づき前記撮像素子面での光学収差を算出する光学収差算出手段と、
    前記光学収差結果に基づき前記撮像素子面上の各分割範囲の重み付け係数を算出する重み付け係数算出手段と、
    前記焦点検出評価値を前記重み付け係数で補正した結果に基づいて焦点を合わせる分割範囲を決定する測距枠選択手段と、
    を有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記光学情報は少なくとも前記撮影レンズ光学系の射出瞳位置及び絞り値と前記光学素子の厚み、位置、屈折率を含むことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記光学素子がハーフミラーであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記焦点検出手段が前記レンズ撮影光学系の光学構成位置を連続的に変化させた時の画像データを読込み、その時のコントラストの変化より焦点検出評価値を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の撮像装置。
  5. 前記撮像素子の各画素内が少なくとも2つに分割されて1画素に集光する光束を複数に分割して受光することのできる分割画素群で構成され、前記分割画素の出力結果より位相差による焦点検出を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の撮像装置。
  6. 前記撮像素子が第1の瞳領域を通過する光束を受光する第1の受光分布を有する第1の画素群と第2の瞳領域を通過する光束を受光する第2の受光分布を有する第2の画素群から構成され、前記第1の画素群と前記第2の画素群の出力結果より位相差による焦点検出を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の撮像装置。
  7. 前記光学収差は一方向にのみ対称性を有する収差であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の撮像装置。
  8. 前記光学素子を反射した光束を用いて被写体を観察可能なファインダ手段とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の撮像装置。
  9. 交換可能に取り付けられる撮影レンズ光学系と、
    前記撮影レンズ光学系の光束が結像する位置に配置され光電変換により画像データを取得する撮像素子と、
    前記レンズ光学系と前記撮像素子の間に前記レンズ光学系の光軸に対し傾斜して配置され入射する光束の一部を反射させて一部を透過させる光学素子と、
    前記光学素子を通過して撮像素子面で得られた画像データを用いて前記撮像素子面上の複数の分割範囲での焦点検出の為の焦点検出評価値を算出する焦点検出手段と、
    前記撮影レンズ光学系及び前記光学素子の光学情報に基づき前記撮像素子面での光学収差を算出する光学収差算出手段と、
    撮影者が焦点を合わせる前記分割範囲を指定することができる分割範囲指定手段と、
    前記分割範囲指定手段で指定された分割範囲で光学収差が許容値以下になる前記レンズ光学系の絞り値を算出する許容絞り値算出手段と、
    撮像時に前記許容絞り値よりも前記レンズ光学系の絞りを絞る自動絞り駆動手段と、を有することを特徴とする撮像装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017151380A (ja) * 2016-02-26 2017-08-31 キヤノン株式会社 情報処理装置、撮像装置及び情報処理方法
JP2019040080A (ja) * 2017-08-25 2019-03-14 キヤノン株式会社 撮像装置およびその制御方法

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