JP2016023803A - 空気圧回路用方向制御弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力室に供給する圧縮空気の量に関わらず、スプールを短時間に移動させて出力ポートの出力を切り替えることができる空気圧回路用方向制御弁を提供する。【解決手段】空気圧回路用方向制御弁は、供給ポート4と排出ポート5、6と、出力ポート7、8が形成され、両端側に圧力室12、13が形成され、スプール収容孔2が形成されたケーシング本体1と、ケーシング本体1のスプール収容孔2に装着されるスプール3と、スプール3に装着され、供給ポート4と出力ポート7、8とを連通状態および、遮断状態とに切り替える環状の弾性弁体9、10、11と、スプール3の両端に各々装着されて圧力室12、13を軸方向に往復動して容積を変化させるピストン14、15と、ケーシング本体1に設けられた、タンク室20、21と、永久磁石24、25と磁性体26、27からなる磁気吸引部材とを有する。【選択図】図1
Description
本発明は、空気の流れの方向を切替制御して空気圧作動機器に供給するための空気圧回路に使用して好適な空気圧回路用方向制御弁に関する。
空気の流れの方向を切替制御する方向制御弁としては、例えば、特開2013−228058号公報(特許文献1)或いは、特許4301943号公報(特許文献2)に示される方向制御弁が知られている。方向制御弁は、空気を流す状態と流れを遮断する状態に切り替えたり、空気の流れ方向をあるポートから他のポートに切り換えるための弁である。たとえば、空気圧源からの圧縮空気を空気圧作動機器に供給するための空気圧回路には、空気圧源からの圧縮空気を空気圧作動機器に供給する状態と、空気圧作動機器に対する圧縮空気の供給を停止して空気圧作動機器から戻される圧縮空気を排出させる状態とに切り換えるために方向制御弁が使用される。
このような方向制御弁は、バルブケーシングに往復動自在に収容されたスプールを軸方向に移動させることにより、空気圧源に接続された給気ポートと出力ポートとの連通状態を切り換え、出力ポートに接続された作動機器を制御している。スプールの駆動方式には、電磁石により弁軸を直接駆動するようにした直接作動方式と、スプールを圧縮空気により作動するようにした間接作動式とがある。
圧縮空気によりスプールを作動するようにした方向制御弁の一例を図5に示す。方向制御弁CVは、略直方体形状に形成されたケーシング本体1には、長手方向にスプール収容孔2が形成され、スプール3が軸方向に往復動自在に装着されている。ケーシング本体1の長手方向中央部には給気ポート4が形成され、この給気ポート4の両側には、軸方向にずらして2つの排出ポート5、6が形成され、それぞれの排出ポート5、6と給気ポート4との間には出力ポート7、8が形成されている。それぞれのポート4〜8は、ケーシング本体1内のスプール収容孔2から外部に連通するように開口している。また、給気ポート4と出力ポート7、8には、図示しない空気圧源や空気圧作動機器等に接続するための配管を連結するように構成されている。
一方、スプール収容孔2に往復動自在に装着されたスプール3には、3個の環状の弾性弁体9、10、11が相互に軸方向にずれて装着されている。これら3個の弾性弁体9、10、11は、給気ポート4と2つの排出ポート5、6と同じ間隔に装着されている。これらの弾性弁体9、10、11としては断面がやや長円形のゴム製のOリングが使用されており、スプール収容孔2の内周面に接触してポートの連通を遮断するスプール弁構造となっている。
ケーシング本体1の両側には、圧力室12、13が形成され、この圧力室12、13にはスプール3の端部に配設されたピストン14、15が組み込まれている。図4に示す方向制御弁CVにおいては、一方の圧力室12に圧縮空気を供給するための切替信号口12aが形成されている。また、他方の圧力室13には、圧縮バネ16が組み込まれていて、ピストン15を一方側に弾性付勢することによりスプール3を一方側に付勢している。両側の圧力室12、13には、外部に連通するピストン通気口12b、13bが形成されている。なお、他方の圧力室13は、一方の圧力室12と同じ構成としたエアシリンダ構造に形成しても良い。空気圧源17は、給気ポート4に配管を介して圧縮空気が印加されるとともに、配管を介して信号入力弁18及びスピードコントローラ19を経由して切替信号口12aに印加される。
図6(A)は、圧力室12に圧縮空気が印加されず、圧縮バネ16によってスプール3が一方側に付勢された状態を示している。このとき、給気ポート4と出力ポート8が連通している。図6(B)は、空気圧源17の圧縮空気が圧力室12に供給され、スプール3が圧縮バネ16の弾性付勢力に抗して他方向に移動する中間状態を示している。このとき、給気ポート4と2つの出力ポート7、8が連通するとともに、2つの排出ポート5、6に連通している。図6(C)は、空気圧源17の圧縮空気によって、スプール3が他方向に移動した状態を示している。このとき、給気ポート4と出力ポート7が連通している。このように、空気圧源17の圧縮空気を信号入力弁18及びスピードコントローラ19を経由して圧力室12に供給してスプール3を往復動させることにより、2つの出力ポート7、8から出力される圧縮空気を交互に切り替えて出力ポート7、8に接続された図示しない作動機器がONまたはOFFに制御される。
上述した方向制御弁CVにおいては、出力ポート7、8の出力を切り替える時間は約0.05秒である。図5に示すようなタイマー回路として用いた場合には、スピードコントローラ19によって圧力室12に供給する圧縮空気を制限してスプール3の移動速度を遅くし、例えば3秒のタイマーであれば、3秒かけてスプール3を移動させることにより、出力ポート7、8の出力が切り替わるようにしている。このため、スプール3の移動速度が低下することから、図6(B)に示すように、スプール3が中間状態のときには、2つの出力ポート7、8及び2つの排出ポート5、6が全開状態になる。この結果、全てのポートから圧縮空気が排出されるために、タイマー回路全体の空気圧が低下することから、スプール3が移動不能の状態となり、回路が停止する問題が生ずることがあった。このような現象は、方向制御弁CVと作動機器との距離が離れているために、配管を長尺にした場合、或いは、出力ポートから出力された空気圧を他の制御信号に用いようとする場合にも生ずる問題があった。
そこで、本発明の目的は、この問題を解決し、圧力室に供給する圧縮空気の量に関わらず、スプールを短時間に移動させて出力ポートの出力を切り替えることができる空気圧回路用方向制御弁を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明による空気圧回路用方向制御弁は、出力ポートを供給ポートに連通する状態と排出ポートに連通する状態とに切り替える方向制御弁であって、前記供給ポートと排出ポートとが軸方向にずれて形成され、前記供給ポートと前記排出ポートとの間に前記出力ポートが形成されるとともに両端側に圧力室が形成され、これら各ポート及び圧力室に連通させたスプール収容孔が形成されたケーシング本体と、前記ケーシング本体の前記スプール収容孔に軸方向に往復動自在に装着されるスプールと、前記スプールに装着され、前記供給ポートと前記出力ポートとを連通させる連通状態および連通を遮断する遮断状態とに切り替える環状の弾性弁体と、前記スプールの両端に各々装着されて前記圧力室を軸方向に往復動して容積を変化させる容積可変体と、前記ケーシング本体の軸方向外側に設けられ、切替信号口と前記圧力室に連通する連通孔が形成されたタンク室と、前記容積可変体と前記圧力室が対向する位置に配設された永久磁石と磁性体からなる磁気吸引部材とを有することを要旨としている。
また、前記供給ポートに空気圧源を接続するとともに、前記空気圧源と前記切替信号口との間に空気の流通量を制御するコントローラを介在させ、前記空気圧源から供給する空気を徐々に前記タンク室に流入させ、所定時間後に前記タンク室内の圧力が前記磁気吸引部材の磁気吸引力よりも大きくなったときに前記スプールを移動して前記供給ポートから前記出力ポートを連通させてタイマー回路を構成することが可能となる。
さらに、前記供給ポートと前記排出ポートとの間に2個の前記出力ポートが形成され、前記供給ポートに空気圧源を接続するとともに、一方の前記出力ポートと他方の前記切替信号口とを連通させ、他方の前記出力ポートと一方の前記切替信号口とを連通させ、前記出力ポートから出力する一部の空気を他の前記タンク室に流入させて、相互に前記タンク室内の圧力を前記磁気吸引部材の磁気吸引力よりも大きくさせて前記スプールを往復動させることにより連続発振回路を構成することが可能となる。
本発明の空気圧回路用方向制御弁によれば、圧力室に連通する連通孔が形成されたタンク室と、容積可変体と圧力室が対向する位置に配設された永久磁石と磁性体からからなる磁気吸引部材とを設けたことにより、圧力室に供給する圧縮空気を制限した場合でも、タンク室内の空気圧が磁気吸引部材の吸引力に達したとき、容積可変体とともにスプールを軸方向に移動させるので、スプールを短時間に移動させることができる。この短時間の移動により、出力ポートの出力の切り替え時間が短縮されるので、出力ポート及び排出ポートが全開状態になって、全てのポートから圧縮空気が排出されて空気圧が低下するために生ずる回路の停止等の制御回路の不安定要素を未然に解消することができる。また、タンク室と永久磁石と磁性体からからなる磁気吸引部材とを設けるだけの簡易な構成のため、安価にできる。さらに、空気圧によって安定的な制御が可能になるので、電磁石によりスプールを直接駆動するような電気的な制御を不要にすることが可能となり、電気制御によって発生する放電や火花による火災が解消され、しかも、電気制御回路や電磁駆動装置が不要になるので、制御系統を一元化することができ、トータルコストを大幅に低減することが可能となる。
コントローラにより空気圧源から供給する空気を徐々にタンク室に流入させてタイマー回路を構成する場合、所定時間後にタンク室内の圧力が磁気吸引部材の磁気吸引力よりも大きくなったときに、スプールを短時間に移動させることができる。これにより、全てのポートから圧縮空気が排出されることによる空気圧の低下が防止されるので、正確かつ安定したタイマー回路を構成することが可能となる。
一方の出力ポートと他方の切替信号口とを連通させるとともに、他方の出力ポートと一方の切替信号口とを連通させ、相互に前記タンク室内の圧力を磁気吸引部材の磁気吸引力よりも大きくさせてスプールを往復動させることにより連続発振回路を構成することができる。このとき、磁気吸引部材の磁気吸引力がタンク室の空気圧力よりも大きくなったときにスプールを急峻に移動させるので、安定したスプールの往復動ができる連続発振回路を構成することが可能となる。
空気圧回路用方向制御弁は、出力ポートを供給ポートに連通する状態と排出ポートに連通する状態とに切り替えるように構成されている。前記供給ポートと排出ポートとが軸方向にずれて形成され、前記供給ポートと前記排出ポートとの間に前記出力ポートが形成されるとともに両端側に圧力室が形成され、これら各ポート及び圧力室に連通させたスプール収容孔が形成されたケーシング本体と、前記ケーシング本体の前記スプール収容孔に軸方向に往復動自在に装着されるスプールと、前記スプールに装着され、前記供給ポートと前記出力ポートとを連通させる連通状態および連通を遮断する遮断状態とに切り替える環状の弾性弁体と、前記スプールの両端に各々装着されて前記圧力室を軸方向に往復動して容積を変化させる容積可変体と、前記ケーシング本体の軸方向外側に設けられ、切替信号口と前記圧力室に連通する連通孔が形成されたタンク室と、前記容積可変体と前記圧力室が対向する位置に配設された永久磁石と磁性体からなる磁気吸引部材とを有している。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施例について説明する。図1は、本発明による空気圧回路用方向制御弁を示している。図1に示す方向制御弁CVは、実質的に前述した図4に示す方向制御弁CVと同様に構成されている。図4に示す方向制御弁CVは、バネによって元の位置に復帰するシングルタイプであるが、図1に示す方向制御弁CVは、両方向から空気の圧力をスプールに加えるダブルタイプである。なお、図4に示す方向制御弁CVと同符号は同部品を示し、その詳細な説明を省略する。
図1に示す方向制御弁CVにおいて、略直方体形状に形成されたケーシング本体1は、例えばアルミニウム等の金属材によって形成され、長手方向に円筒状のスプール収容孔2が形成され、内部にスプール3が軸方向に往復動自在に装着されている。ケーシング本体1には、給気ポート4、2つの排出ポート5、6、出力ポート7、8が形成されていて、それぞれのポート4〜8は、ケーシング本体1内のスプール収容孔2から外部に連通するように開口していることは前述した図4と同様である。
一方、スプール3は略円柱状に形成され、中央部には、ゴム製のOリングからなる3個の環状の弾性弁体9、10、11が相互に軸方向にずれて装着されている。これら3個の弾性弁体9、10、11は、給気ポート4と2つの排出ポート5、6と同じ間隔に装着されている。これらの弾性弁体9、10、11は、スプール収容孔2の内周面に接触してポートの連通を遮断するスプール弁構造となっていることも前述した図4と同様である。
ケーシング本体1の両側には、圧力室12、13が形成され、この圧力室12、13にはスプール3の端部に配設された容積可変体としてのピストン14、15が各々組み込まれている。さらに、圧力室12、13の外側には、各々タンク室20、21が設けられていて、これらタンク室20、21の端部には、切替信号となる圧縮空気を供給するための切替信号口22、23が形成されている。また、タンク室20、21と圧力室12、13との間の隔壁には、連通孔20a、21aが形成されていて、空気が連通するようになっている。
また、タンク室20、21と圧力室12、13との間の隔壁には、永久磁石24、25が各々固着され、ピストン14、15には、永久磁石24、25と対向する位置に磁性体26、27が固着されている。これら永久磁石24、25と磁性体26、27からなる磁気吸引部材は、所定の磁気的吸引力を有し、この磁気的吸引力は、切替信号口22、23から圧力室12、13に供給される圧縮空気により、ピストン14、15の磁性体26、27が離間する所定の圧力に設定される。磁気的吸引力は、永久磁石24、25の材質、体積、及び、磁性体26、27の透磁率、或いは、永久磁石と磁性体とのよって形成される磁気回路によって適宜に設定される。
そして、図2に示すように、給気ポート4には、空気圧源17から配管を介して圧縮空気が供給される。また、空気圧源17の圧縮空気は、配管を介して信号入力弁18及びスピードコントローラ19を経由して切替信号口22に印加される。
次に、上述した空気圧回路用方向制御弁の動作について説明する。まず、タイマー回路について、図2を参照して説明する。初期の状態として、図2(A)に示すように、スプール3は図示左方に位置し、ピストン14に固着されている磁性体26が、圧力室12の隔壁に固着された永久磁石24に吸引されることにより接合している。この状態では、給気ポート4には、空気圧源17から配管を介して圧縮空気が供給され、図示のように、圧縮空気は給気ポート4からスプール収容孔2を経由して出力ポート8に出力され、空気圧作動機器30を作動させる。
タイマー回路として作動させるために、スピードコントローラ19を所定の流量となるように設定したうえで信号入力弁18をONにする。例えば3秒のタイマーであれば、スピードコントローラ19によって流量を調整して切替信号口22に印加する。すると、タンク室20に圧縮空気が供給され、3秒間で隔壁の永久磁石24とピストン14の磁性体26との磁気的吸引力よりも大きい所定の空気圧に達すると、タンク室20の圧縮空気が連通孔20aから圧力室12に流入して一気にピストン14を軸方向に押圧し、スプール3を図示右方に移動させる。これにより、図2(B)に示すように、圧力室12への圧縮空気の流入により、容積可変体としてのピストン14が移動して圧力室12内の左右の容積が変化する。これにより、圧縮空気は給気ポート4からスプール収容孔2を経由して出力ポート7に出力されることから、空気圧作動機器30は3秒後に圧縮空気が遮断されるために停止する。なお、再び空気圧作動機器30を作動させるには、切替信号口22に印加する圧縮空気を遮断したうえで、切替信号口23から永久磁石25とピストン15の磁性体27との磁気的吸引力よりも大きい空気圧の圧縮空気を供給することにより、圧縮空気が一気にピストン154を押圧してスプール3を図示左方に移動させて図2(A)に示す位置に復帰させる。
このように、タンク室20を設け、切替信号口23から所定時間掛けて徐々に圧縮空気を印加し、永久磁石25と磁性体27との磁気的吸引力を超えるまで空気圧を高めることができる。その後、高圧となった圧縮空気によってスプール3を一気に高速で移動させるので、全てのポートから圧縮空気が排出されることによる空気圧の低下を防止することができる。従って、正確かつ安定したタイマー回路を構成することが可能となる。
図3は、空気圧回路用方向制御弁の動作例として、連続発振回路を示している。この回路においては、出力ポート7、8に空気圧作動機器を接続する一方、出力ポート7と切替信号口23とをスピードコントローラ28を介して接続するとともに、出力ポート8と切替信号口22とをスピードコントローラ29を介して接続し、出力ポート7、8から各々出力される圧縮空気を互いに他方の切替信号口22、23にクロスさせて供給するように構成している。
今、図3(A)に示すように、スプール3は図示右方に位置し、給気ポート4には、空気圧源17から圧縮空気が供給され、矢示のように、圧縮空気は、給気ポート4からスプール収容孔2を経由して出力ポート7に出力されるとともに、スピードコントローラ28を介して切替信号口23に供給される。圧縮空気はタンク室21に一旦貯留された後、連通孔21aを通って圧力室13に流入する。この圧縮空気の空気圧によって永久磁石25と磁性体27との磁気的吸引力を超え、一気にピストン14を軸方向に押圧してスプール3を図示左方に移動させ、反対側の永久磁石24と磁性体26が吸着することにより、図3(B)の状態になる。
この状態では、圧縮空気は、矢示のように、給気ポート4からスプール収容孔2を経由して出力ポート8に出力されるとともに、スピードコントローラ29を介して切替信号口22に供給される。圧縮空気はタンク室20に一旦貯留された後、連通孔20aを通って圧力室12に流入する。この圧縮空気の空気圧によって永久磁石24と磁性体26との磁気的吸引力を超え、一気にピストン14を軸方向に押圧してスプール3を図示右方に移動させ、反対側の永久磁石25と磁性体27が吸着することにより、再び図3(A)の状態になる。このとき、出力ポート7から出力された圧縮空気が切替信号口23に供給されることによりスプール3を図示左方に移動させて出力ポートからの出力を切り替える動作を順次繰り返すことにより、連続発振回路として動作させる。なお、出力ポート7、8には、個々に空気圧作動機器を接続しても良い。
このような連続発振回路として動作させる場合にも、タンク室20、21の空気圧が永久磁石24、25と磁性体26、27との磁気的吸引力を超えたときに、スプール3を急峻に移動させるので、全てのポートから圧縮空気が排出されることによる空気圧の低下がほぼ防止されるので、スプール3を安定して往復動させることが可能となり、好適な連続発振回路を構成することができる。
図4は、本発明による空気圧回路用方向制御弁の他の実施例を示している。前述した実施例と相違する点は、スプール3の端部に配設されたピストン14、15を容積可変体としてのダイヤフラム30、31に変更したことである。ダイヤフラム30、31は、基本的には周知の構成であり、その詳細な説明は省略する。このダイヤフラム30、31の中央には、永久磁石24、25と対向する位置に磁性体32、33が固着されている。これら永久磁石24、25と磁性体26、27からなる磁気吸引部材については、前述した実施例と同様に圧力室12、13に供給される圧縮空気により、磁性体32、33と永久磁石24、25とが離間する所定の圧力に設定されている。
一方、ダイヤフラム30、31の外周は、ケーシング本体1の両側に形成された圧力室12、13の内部に固着され、これによって圧力室12、13の内部が各々ダイヤフラム30、31によって隔離され、タンク室20に圧縮空気が供給することにより、ダイヤフラム30、31によって隔離された圧力室12、13の左右の容積が変化するようにしている。
このように構成された本発明の他の実施例において、切替信号口22に印加すると、タンク室20に圧縮空気が供給され、隔壁の永久磁石24とダイヤフラム30の磁性体32との磁気的吸引力よりも大きい所定の空気圧に達すると、タンク室20の圧縮空気が連通孔20aから圧力室12に流入して一気にダイヤフラム30を押圧し、これによりスプール3を移動させる動作は前述した実施例と同様である。
前述した実施例において、容積可変体としてピストン14、15を採用した場合、ケーシング本体1の両側に形成された圧力室12、13の内壁にピストン14、15の外周が常時に摺動し、しかも、高速で摺動するため、摩耗が生じて劣化する恐れがある。図4に示した他の実施例においては、ダイヤフラム30、31を採用しているので、摺動による摩耗がないことから、格段に長寿命化を達成することが可能となる。
以上、本発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることは言うまでもない。例えば、磁気吸引部材は、永久磁石と磁性体との組合せ以外に、永久磁石どうしの組合せであっても良い。また、上記実施例は、いわゆる5ポートの方向制御弁を例示したが、2ポート、3ポート等の方向制御弁であっても適用可能である。
本発明は、方向制御弁に適用可能である。
1 ケーシング本体
2 スプール収容孔
3 スプール
4 給気ポート
5、6 排出ポート
7、8 出力ポート
12、13 圧力室
14、15 ピストン
20、21 タンク室
22、23 切替信号口
24、25 永久磁石
26、27 磁性体
30、31 ダイヤフラム
2 スプール収容孔
3 スプール
4 給気ポート
5、6 排出ポート
7、8 出力ポート
12、13 圧力室
14、15 ピストン
20、21 タンク室
22、23 切替信号口
24、25 永久磁石
26、27 磁性体
30、31 ダイヤフラム
Claims (3)
- 出力ポートを供給ポートに連通する状態と排出ポートに連通する状態とに切り替える制御弁であって、
前記供給ポートと排出ポートとが軸方向にずれて形成され、前記供給ポートと前記排出ポートとの間に前記出力ポートが形成されるとともに両端側に圧力室が形成され、これら各ポート及び圧力室に連通させたスプール収容孔が形成されたケーシング本体と、
前記ケーシング本体の前記スプール収容孔に軸方向に往復動自在に装着されるスプールと、
前記スプールに装着され、前記供給ポートと前記出力ポートとを連通させる連通状態および連通を遮断する遮断状態とに切り替える環状の弾性弁体と、
前記スプールの両端に各々装着されて前記圧力室を軸方向に往復動して容積を変化させる容積可変体と、
前記ケーシング本体の軸方向外側に設けられ、切替信号口と前記圧力室に連通する連通孔が形成されたタンク室と、
前記容積可変体と前記圧力室が対向する位置に配設された永久磁石と磁性体からなる磁気吸引部材とを有することを特徴とする空気圧回路用方向制御弁。 - 前記供給ポートに空気圧源を接続するとともに、前記空気圧源と前記切替信号口との間に流体の流通量を制御するコントローラを介在させ、前記空気圧源から供給する空気を徐々に前記タンク室に流入させ、所定時間後に前記タンク室内の圧力が前記磁気吸引部材の磁気吸引力よりも大きくなったときに前記スプールを移動して前記供給ポートから前記出力ポートを連通させてタイマー回路を構成した請求項1に記載の空気圧回路用方向制御弁。
- 前記供給ポートと前記排出ポートとの間に2個の前記出力ポートが形成され、前記供給ポートに空気圧源を接続するとともに、一方の前記出力ポートと他方の前記切替信号口とを連通させ、他方の前記出力ポートと一方の前記切替信号口とを連通させ、前記出力ポートから出力する一部の空気を他の前記タンク室に流入させて、相互に前記タンク室内の圧力を前記磁気吸引部材の磁気吸引力よりも大きくさせて前記スプールを往復動させることにより連続発振回路を構成した請求項1に記載の空気圧回路用方向制御弁。
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