JP2016023607A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トルクダウン制御中のドライバビリティーの低下を抑制するとともに、トルクダウン制御からの復帰時にドライバーのトルク要求に対する実トルクの応答遅れを抑制する。
【解決手段】電子制御装置100によれば、運転者の要求トルクTedriが維持された状態で、過給圧Pcmoutを低下させるPCSトルクダウン制御と、PCSトルクダウン制御のトルクダウン要求量ΔTepcs以上のトルクダウン要求量ΔTevscを有し、過給圧Pcmoutの上昇を許容するVSCトルクダウン制御とが作動する場合には、予め設定された変化量で過給圧Pcmoutが上昇される。VSCトルクダウン制御による要求トルクTevscが維持されているときに運転者の要求トルクTedriが上昇した場合には、運転者の要求トルクTedriの変化量に応じて過給圧Pcmoutの変化量が大きくされる。
【選択図】図4

Description

本発明は、トルクダウン制御中の過給圧の上昇によるドライバビリティーの低下を抑制するとともに、トルクダウン制御からの復帰時にドライバーのトルク要求に対する実トルクの応答遅れを抑制する技術に関する。
過給機による過給圧を調節する過給圧調節装置を有する内燃機関を備えた車両において、ドライバーの要求の他、たとえばトラクション制御、車両走行安定化制御などにおいて内燃機関が出力するトルクを一時的に低下させるトルクダウン制御における高応答性を確保するために、そのトルクダウン制御中に前記過給圧調節装置の作動により過給圧制御を行う内燃機関の制御装置が知られている。たとえば、特許文献1の内燃機関の制御装置がそれである。上記特許文献1において、その内燃機関は、スーパーチャージャーと、スーパーチャージャーの上流側と下流側とを連結するバイパス通路と、バイパス通路に設けられ、スーパーチャージャーにより圧縮される吸入空気圧を調節する過給圧調整弁とを備えており、車両のトラクション制御時の内燃機関が出力するトルクのトルクダウン制御時において、過給圧調整弁を作動させて過給圧を低下させることにより内燃機関の出力トルクを一時的に低下させる内燃機関の制御装置が提案されている。
特開平6−299881号公報
ところで、上記特許文献1のような過給圧を低下させる第1トルクダウン制御の実行中において、たとえば過給圧の上昇を許容する第2トルクダウン制御の要求がある場合には、過給機付きの内燃機関における過給圧低下による応答性悪化を抑制するために第1トルクダウン制御により低下された過給圧が上昇されることが望まれる。図6は、過給機による過給圧Pcmout(Pa)を調節する過給圧調節装置として、たとえば排気タービンホイールと吸気コンプレッサーホイールとを連結する回転軸が出力軸とされ、過給圧制御用トルクTmを出力して過給圧Pcmoutを上昇させる電動機を有する排気タービン過給機を備えた車両において、過給圧制御用トルクTmの要求が不要であり過給圧Pcmoutが低下される第1トルクダウン要求と、過給圧制御用トルクTmの要求が必要であり過給圧Pcmoutの上昇が許容される第2トルクダウン要求とが重複して為された際の、第1トルクダウン要求が為されてから第2トルクダウン要求からの復帰が為されるまでのそれぞれの変化を表したタイムチャートの一例である。bは第1トルクダウン要求の要求トルク(N・m)、dは第2トルクダウン要求の要求トルク、eはドライバーにより要求される要求トルクTedri、cは過給圧制御用トルクTm、aは内燃機関への最終トルク要求Tetr、実際の内燃機関の出力トルクTe(実トルクTe)をそれぞれ示している。図6において、過給圧制御トルクTmの要求が不要なトルク要求(第1トルクダウン要求)に応答して、内燃機関への最終トルク要求Tetrが急低下されて(t1時点)、過給圧Pcmoutが低下されて実トルクTeが低下される。次に、過給圧制御用トルクTmの要求が必要なトルク要求(第2トルクダウン要求(d))が急低下されると、その第2トルクダウン要求(d)よりもトルクダウン要求量の小さい第1トルクダウン要求(b)に代えてその第2トルクダウン要求(d)が内燃機関への最終トルク要求Tetrとされる(t2時点)。このとき、ドライバーにより要求される要求トルクTedriに従って電動機の過給圧制御用トルクTmが急激に上昇されることによる過給圧Pcmoutの上昇により、円で囲まれた範囲に示されるように実トルクTeが一瞬急上昇して(t2時点)、違和感の発生およびドライバビリティーの低下が生じる可能性があった。第1トルクダウン要求(b)の終了(t3時点)および第2トルクダウン要求(d)の終了(t4時点)を経て、内燃機関への最終トルク要求Tetrのドライバーによるトルク要求Tedriへの復帰(t5時点)に追従して、実トルクTeが上昇させられる。
図7は、図6と同様の構成を備えた車両において、過給圧制御用トルクTmの要求が不要であり過給圧Pcmoutが低下される第1トルクダウン要求と、過給圧制御用トルクTmの要求が必要であり過給圧Pcmoutの上昇が許容される第2トルクダウン要求とが重複して為された際の、第1トルクダウン要求が為されてから第2トルクダウン要求からの復帰が為されるまでのそれぞれの変化を表したタイムチャートの他の例である。図7において、符号(a)乃至(e)は図6と同様である。図7において、過給圧制御用トルクTmの要求が不要である第1トルクダウン要求(b)(t1時点)により低下された過給圧Pcmoutを上昇させるために、過給圧制御用トルクTmの要求が必要であり過給圧Pcmoutの上昇を許容する第2トルクダウン要求(d)の開始(t2時点)以降において過給圧制御用トルクTmが所定の増加勾配で上昇されている。しかしながら、第1トルクダウン要求(b)の終了(t3時点)、第2トルクダウン要求(d)の終了(t4時点)を経て内燃機関への最終トルク要求Tetrがドライバーによる要求トルクTedriへ復帰するt5時点で、過給圧制御用トルクTmは内燃機関への最終トルク要求Tetrまで至っておらず、過給圧Pcmoutは第1トルクダウン要求(b)の開始前の水準まで復帰していないため、円で囲まれた範囲に示されるようにドライバーのトルク要求Tedriに対して実トルクTeの応答遅れが見られる。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、過給機と過給機による過給圧を調節する過給圧調節装置とを有する内燃機関を備えた車両において、トルクダウン制御中の過給圧の上昇によるドライバビリティーの低下を抑制するとともに、トルクダウン制御からの復帰時にドライバーのトルク要求に対する実トルクの応答遅れを抑制することにある。
すなわち、本発明の要旨とするところは、過給機と該過給機による過給圧を調節する過給圧調節装置とを有する内燃機関を備えた車両において、該内燃機関のトルクを低下させるトルクダウン制御中に前記過給圧調節装置の作動により過給圧制御を行う内燃機関の制御装置であって、前記内燃機関のトルク要求が維持された状態で、前記過給圧を低下させる第1トルクダウン要求と、前記第1トルクダウン要求のトルクダウン要求量よりも大きく、且つ前記過給圧の上昇を許容する第2トルクダウン要求とがある場合に、予め設定された変化量で前記過給圧を上昇させ、前記第2トルクダウン要求が維持されている状態のときに前記内燃機関のトルク要求が増加した場合には、前記内燃機関のトルク要求の増加に応じて前記変化量を大きくすることを特徴とする内燃機関の制御装置にある。
本発明の内燃機関の制御装置によれば、前記内燃機関のトルク要求が維持された状態で、前記過給圧を低下させる第1トルクダウン要求と、前記第1トルクダウン要求のトルクダウン要求量よりも大きく、且つ前記過給圧の上昇を許容する第2トルクダウン要求とがある場合に、予め設定された変化量で前記過給圧を上昇させるため、過給圧の上昇による実トルクの一瞬の急上昇が抑制されてドライバビリティーの低下が抑制される。また、前記第2トルクダウン要求が維持されている状態のときに前記内燃機関のトルク要求が増加した場合には、前記内燃機関のトルク要求の増加に応じて前記予め設定された変化量を大きくするため、トルクダウン制御からの復帰時において第1トルクダウン要求により低下した過給圧が十分に上昇していることから、ドライバーのトルク要求に対する実トルクの応答遅れを抑制することができる。
ここで、好適には、前記予め設定された変化量は、過給圧の上昇による内燃機関の出力トルクに影響がない量である。このため、第1トルクダウン要求により低下された過給圧の急上昇による実トルクの一瞬の急上昇が抑制されてドライバビリティーの低下が抑制される。
本発明が適用された車両に含まれる駆動装置の骨子図である。 図1の電子制御装置に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。 PCSトルクダウン制御およびVSCトルクダウン制御が重複して為されたときに過給圧制御が実行された場合において、PCSトルクダウン制御が為されてからVSCトルクダウン制御からの復帰が為されるまでの図1の電子制御装置の作動を説明するタイムチャートの一例である。 PCSトルクダウン要求と、VSCトルクダウン要求とが重複して為された際の、PCSトルクダウン要求が為されてからVSCトルクダウン要求からの復帰が為されるまでのトルク変化を表した、図1の電子制御装置の作動を説明するタイムチャートの他の例である。 図1の電子制御装置の制御作動の要部を説明するためのフローチャートである。 第1トルクダウン要求と第2トルクダウン要求とが重複して為された際に、ドライバー要求トルク増加に基づいて過給圧制御用トルク要求により過給圧が急激に上昇される未公知のトルクダウン制御の一例を示す図4に相当する図である。 第1トルクダウン要求と第2トルクダウン要求とが重複して為された際に、ドライバー要求トルク増加に基づいて過給圧制御用トルク要求により過給圧がリニヤに上昇される未公知のトルクダウン制御の他の例を示す図4に相当する図である。
以下、本発明の内燃機関の制御装置の一実施例について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両8に含まれる車両用駆動装置10の骨子図である。この車両用駆動装置10は横置き型であって、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に採用されるものである。図1に示すように車両用駆動装置10は、走行用の動力源としてのエンジン12と、トルクコンバータ14と、前後進切換装置16と、ベルト式無段変速機18とを備えている。エンジン12の出力は、エンジン12のクランク軸13から、トルクコンバータ14、前後進切換装置16、入力軸36、ベルト式無段変速機18(以下、無段変速機18という)、および減速歯車装置20を順次介して差動歯車装置22に伝達され、左右一対の駆動輪24L、24R(特に左右を区別しない場合には、駆動輪24という)へ分配される。
トルクコンバータ14は、エンジン12と無段変速機18との間に配設された流体伝動装置であって、エンジン12のクランク軸13に連結された入力回転部材としてのポンプ翼車14pと、タービン軸34を介して前後進切換装置16に連結された出力回転部材としてのタービン翼車14tとを備えており、流体を介して動力伝達を行うようになっている。
また、トルクコンバータ14はそれらのポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tの間にロックアップクラッチ26を備えている。そのロックアップクラッチ26は、ポンプ翼車14pとタービン翼車14tとを直結可能な摩擦係合装置であり、油圧制御回路98の油圧制御弁などによって油圧供給が切り換えられることにより、係合または解放されるようになっている。例えばロックアップクラッチ26が油圧制御により直結状態(完全係合状態)にされれば、それによりポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tは一体回転させられる。上記ポンプ翼車14pには機械式のオイルポンプ28が連結されており、そのオイルポンプ28は車両用駆動装置10内で油圧供給源として機能し、更に、各部に潤滑油を供給する。
前後進切換装置16は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置を主体として構成されており、トルクコンバータ14のタービン軸34はサンギヤ16sに一体的に連結され、無段変速機18の入力軸36はキャリア16cに一体的に連結されている一方、キャリア16cとサンギヤ16sは前進用クラッチC1を介して選択的に連結され、リングギヤ16rは後進用ブレーキB1を介してハウジングに選択的に固定されるようになっている。前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1は何れも、油圧シリンダによって摩擦係合させられる油圧式摩擦係合装置である。前後進切換装置16では、前進用クラッチC1が完全係合させられるとともに後進用ブレーキB1が解放されることにより、前後進切換装置16は一体回転状態とされて、前進方向の駆動力が無段変速機18側へ伝達される。一方、後進用ブレーキB1が完全係合させられるとともに前進用クラッチC1が解放されると、入力軸36はタービン軸34に対して逆方向へ回転させられるようになり、後進方向の駆動力が無段変速機18側へ伝達される。また、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1が共に解放されると、前後進切換装置16は動力伝達を遮断するニュートラル(遮断状態)になる。
無段変速機18は、油圧制御により変速比γat(=入力回転数Nin/出力回転数Nout)が連続的に変化させられる自動変速機である。具体的に、無段変速機18は、前記入力軸36に設けられた入力側部材である有効径が可変の入力側可変プーリ42と、出力軸44に設けられた出力側部材である有効径が可変の出力側可変プーリ46と、それ等の可変プーリ42、46に巻き掛けられた伝動ベルト48とを備えており、可変プーリ42、46と伝動ベルト48との間の摩擦力を介して動力伝達が行われる。無段変速機18は、エンジン12から駆動輪24への動力伝達経路の一部を構成しており、エンジン12の動力を駆動輪24へ出力する。そして、その無段変速機18の変速比γatは、両可変プーリ42、46のV溝幅が変化して伝動ベルト48の掛かり径(有効径)が変更されることで、変化させられる。電子制御装置100は、車速V及びアクセル開度θaccに基づき、燃費性能と走行性能とを両立するように予め実験的に設定された変速マップから入力回転数Ninの目標回転数Nintを逐次決定し、その目標回転数Nintに実際の入力回転数Ninを近づけるようにして、例えば一致させるようにして、無段変速機18の変速を実行する。具体的に、その変速マップは一般的に知られたマップであり、アクセル開度θaccが大きいほど目標回転数Nintが高くなるように設定されているので、その変速マップによれば、アクセル開度θaccが大きくなるほど無段変速機18の変速比γatは大きくなる。なお、入力回転数Ninは入力軸36の回転数(rpm)であり、出力回転数Noutは出力軸44の回転数(rpm)である。
エンジン12は、ディーゼルエンジンまたはガソリンエンジンなどの内燃機関であり、過給機54を備えている。その過給機54は、エンジン12の吸気系に設けられており、エンジン12の排気によって回転駆動されてエンジン12の吸気を昇圧する公知の排気タービン過給機、すなわちターボチャージャーである。具体的には図1に示すように、過給機54は、エンジン12の排気管56内に設けられエンジン12の排気によって回転駆動される排気タービンホイール58と、エンジン12の吸気管60内に設けられ排気タービンホイール58により回転させられることでエンジン12の吸気を圧縮する吸気コンプレッサーホイール62と、排気タービンホイール58と吸気コンプレッサーホイール62とを連結する回転軸64とを備えている。
また、排気管56内の排気タービンホイール58が設けられている排気経路と並列に配設された排気バイパス経路66と、その排気バイパス経路66を開閉するウェイストゲートバルブ68とが設けられている。ウェイストゲートバルブ68は、そのウェイストゲートバルブ68の開度θwg(以下、ウェイストゲートバルブ開度θwgという)が連続的に調節可能になっており、電子制御装置100は、電動アクチュエータ67を制御することにより、吸気管60内の圧力を利用してウェイストゲートバルブ68を連続的に開閉する。また、ウェイストゲートバルブ開度θwgが大きいほどエンジン12の排気は排気バイパス経路66を通って排出され易くなるので、エンジン12を前記過給状態にすることが可能な程度にエンジン12の排気ポートからの排気が得られていれば、吸気管60内での吸気コンプレッサーホイール62の下流側気圧PLin、要するに過給機54の過給圧Pcmout(=PLin)は、ウェイストゲートバルブ開度θwgが大きいほど低くなる。すなわち、ウェイストゲートバルブ68は、エンジン12の排気のうち過給機54を回転駆動する排気の量、具体的にはその過給機54の排気タービンホイール58に供給される排気の量を調節することにより過給圧Pcmoutを調節する過給圧調節装置として機能する。たとえばウェイストゲートバルブ68は、ウェイストゲートバルブ開度θwgを小さくして過給機54を回転駆動する排気の量を増やすことにより過給圧Pcmoutを上昇させ、逆にウェイストゲートバルブ開度θwgを大きくして過給機54を回転駆動する排気の量を減らすことにより過給圧Pcmoutを低下させる。
また、過給機54は回転軸64を介して排気タービンホイール58および吸気コンプレッサーホイール62を回転させるトルクを出力可能な電動機69を備えている。電動機69は、駆動力源としてのモータと発電機能を有するジェネレータとしての機能を併せ持つ、モータジェネレータから構成される。電動機69は、ジェネレータとして機能する場合には、回転軸64の回転により駆動させられエネルギーを回収することにより発電する。インバータ70は発電された電力をバッテリ71に供給する。また、インバータ70はバッテリ71に蓄電された電力を電動機69へ供給し、回転軸64を介して吸気コンプレッサーホイール62を回転駆動させることにより過給圧Pcmout(Pa)を上昇させる過給圧制御用トルクTmを出力するモータすなわち過給圧調節装置として電動機69を作動させる。電動機69は、ウェイストゲートバルブ68の開閉が制御され、排気タービンホイール58に供給される排気量により調節される吸気コンプレッサーホイール62を回転させるトルクに対して、電気的に出力が制御される過給圧制御用トルクTmを加算することにより過給圧Pcmoutを上昇させる。
また、エンジン12は電子スロットル弁72を吸気管60内の吸気コンプレッサーホイール62よりも下流側に備えている。電子スロットル弁72は、電動のスロットルアクチュエータ73により開閉作動させられて、エンジン12の出力を制御する。すなわち、電子スロットル弁72は、そのスロットル開度θthが大きくされてエンジン12の吸入空気量Qin(g/sec)を上昇させることによりエンジントルクTeを上昇させる、またはスロットル開度θthが小さくされてエンジン12の吸入空気量Qinを低下させることによりエンジントルクTeを低下させる弁機構として機能する。
電子制御装置100は、エンジン12等の駆動制御を行う内燃機関の制御装置として機能するものであり、予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより例えばエンジン12や無段変速機18に関する車両制御を実行する、所謂マイクロコンピュータを含んで構成されるものである。
電子制御装置100には、図1および図2に示すような各センサやスイッチなどから、スロットル開度センサ74により検出される電子スロットル弁72の開度θthすなわちスロットル開度θthを表す信号、過給圧センサ78により検出される吸気管60内での吸気コンプレッサーホイール62の下流側気圧Plinすなわち過給圧Pcmoutを表す信号、エンジン回転数センサ84により検出されるエンジン回転数Neを表す信号、出力軸回転数センサ86により検出される出力軸44の回転数Noutすなわち出力回転数Noutを表す信号、ウェイストゲートバルブ開度センサ87により検出されるウェイストゲートバルブ開度θwgを表す信号、吸入空気量センサ88により検出されるエンジン12の吸入空気量Qinを表す信号、運転者の要求出力に対応するアクセルペダル89の踏込量であるアクセル開度θacc(単位は例えば%)を表すアクセル開度センサ90からの信号、および車速センサ96により検出される車速Vを表す信号等が、それぞれ供給される。なお、出力回転数Noutは車速Vに対応するので、出力軸回転数センサ86と車速センサ96とは一つの共通のセンサとされてもよい。
また、電子制御装置100から、車両8に設けられた各装置に各種出力信号が供給されるようになっている。例えば、電子制御装置100は、逐次検出されるアクセル開度θaccに基づき、予め定められたスロットル開度θthとアクセル開度θaccとの関係であるスロットル開度特性に従ってスロットル開度θthを制御する。具体的には、アクセル開度θaccが大きいほど前記スロットル開度特性に従ってスロットル開度θthが大きくされる。
ところで、電子制御装置100は、たとえば前方の障害物および先行車(対象物)との距離に基づいて対象物との衝突による被害を抑制、防止する衝突被害軽減システム(プリクラッシュセーフティシステム(PCS))および車両8の旋回時の挙動が予め定められた許容限界を超えた場合に駆動輪24の駆動トルク或いは制動トルクを制御して安定化させる車両走行安定化制御(VSC)を作動させるときには、その制御開始前に対してスロットル開度θthを小さくすることによりエンジントルクTeを低下させるトルクダウン制御を実行する。ここで、エンジン12は過給エンジンであることから、電子制御装置100は、上記トルクダウン制御を実行するとともに過給圧Pcmoutを積極的に調節制御する。ここで、プリクラッシュセーフティシステムのトルクダウン制御(PCSトルクダウン制御)におけるトルクダウン要求はトルクダウン制御からの復帰後のエンジントルクTeの高応答性が不要であり、過給圧制御用トルク要求が不要すなわち過給圧Pcmoutを低下させる本発明の第1トルクダウン要求に対応し、車両走行安定化制御のトルクダウン制御(VSCトルクダウン制御)におけるトルクダウン要求はトルクダウン制御からの復帰後のエンジントルクTeの高応答性が要求され、過給圧制御用トルク要求が必要すなわち過給圧Pcmoutの上昇を許容する本発明の第2トルクダウン要求に対応している。
図2は、電子制御装置100に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。電子制御装置100は、トルクダウン制御条件判定手段102、トルクダウン要求量判定手段104、トルクダウン制御手段106、過給圧制御条件判定手段108、過給圧制御手段110および過給圧変化量上乗せ制御判定手段112を機能的に備えている。
トルクダウン制御条件判定手段102は、各種センサから逐次検出される車両8の各種情報を表す信号に基づき、車両8のエンジン12のトルクダウン制御を実行する予め定められたプリクラッシュセーフティシステムおよび車両走行安定化制御の各トルクダウン制御条件が成立しているか否かを判定する。たとえば、上記プリクラッシュセーフティシステムのトルクダウン制御条件(PCSトルクダウン制御条件)は、たとえば、車速Vが所定車速以上であり、且つレーダまたはカメラなどにより測定される対象物との距離および相対速度から算出される、現在の相対速度が維持された場合にあと何秒で衝突するかを表す指標としての衝突余裕時間(TTC)が所定値以下であること、などから構成されており、上記条件が満たされる場合には、トルクダウン制御条件判定手段102は上記PCSトルクダウン制御条件が成立したと判定する。また、たとえば、車両走行安定化制御のトルクダウン制御条件(VSCトルクダウン制御条件)は、たとえば、車両8の鉛直軸回りの回転角速度であるヨーレート、車両8の加速度、ステアリングホイールの操舵角、駆動輪24の回転速度、路面摩擦係数および駆動輪24に備えられたブレーキを介して車両8に制動力を付与するブレーキマスター圧などに基づき、車両8の旋回時の挙動が予め設定された許容限界を超えることであり、上記条件が満たされる場合には、トルクダウン制御条件判定手段102は、上記VSCトルクダウン制御条件が成立したと判定する。
トルクダウン要求量判定手段104は、トルクダウン制御条件判定手段102から、PCSトルクダウン制御条件またはVSCトルクダウン制御条件のいずれかの成立信号を取得すると、予め実験的に設定されて記憶されたPCSトルクダウンマップまたはVSCトルクダウンマップから、たとえばトルクダウン制御開始前のエンジン回転数NeおよびエンジントルクTeに基づいて、トルクダウン制御開始前の要求エンジントルクTetrに相当する運転者により要求される要求トルクTedriとPCSトルクダウン制御またはVSCトルクダウン制御において要求される要求トルクTepcsまたはTevscとの差すなわち各トルクダウン制御のトルクダウン要求量(作動量)ΔTepcs(=Tedri−Tepcs)またはΔTevsc(=Tedri−Tevsc)を算出する。そして、トルクダウン要求量判定手段104は、予め実験的に設定された関係から各トルクダウン制御のトルクダウン要求量ΔTepcsまたはΔTevscに基づいてスロットル開度の減少量Δθthを算出することにより、目標スロットル開度θtgtthを決定する。また、PCSトルクダウン制御条件およびVSCトルクダウン制御条件の両方の成立信号を重複して取得すると、トルクダウン要求量判定手段104は、各トルクダウン制御のトルクダウン要求量ΔTepcsとΔTevscの大小関係に基づき、要求トルクの低下量の大きいトルクダウン制御のトルクダウン要求量によりスロットル開度減少量Δθthを決定する。要するに、トルクダウン要求量判定手段104は、PCSトルクダウン制御およびVSCトルクダウン制御のうち、要求エンジントルクTetrが最も低くなるトルクダウン制御を選択し(ミニマムセレクト制御)、それにより算出したスロットル開度減少量Δθthから目標スロットル開度θtgtthを決定する。
トルクダウン制御手段106は、トルクダウン要求量判定手段104により決定された目標スロットル開度θtgtthに基づくスロットル閉じ制御実行指令信号を取得すると、スロットル閉じ制御を実行する。具体的には、トルクダウン制御手段106は、電子スロットル弁72を駆動するスロットルアクチュエータ73を介して電子スロットル弁72のスロットル開度θthを小さくすることにより目標スロットル開度θtgtthとして、実際のエンジントルクTeを低下させる。
過給圧制御条件判定手段108は、トルクダウン制御条件判定手段102からのトルクダウン制御条件の成立信号、およびトルクダウン要求量判定手段104からの各トルクダウン制御におけるトルクダウン要求量ΔTepcs、ΔTevscの大小関係(ΔTevsc≧ΔTepcs)についての信号に基づき、過給圧制御条件が成立しているか否かを判定する。具体的には、過給圧制御条件判定手段108は、トルクダウン制御条件判定手段102からのPCSトルクダウン制御条件の成立信号のみを取得するとき、過給圧低下制御条件が成立したと判定し、過給圧低下制御実行指令を後述する過給圧制御手段110へ出力する。また、アクセル開度θaccが一定に維持されて運転者による要求トルクTedriが維持されており、且つPCSトルクダウン制御条件が成立した後にVSCトルクダウン制御条件が成立し、PCSトルクダウン制御とVSCトルクダウン制御とが重複して作動し、且つVSCトルクダウン制御により要求される要求トルクTevscが、PCSトルクダウン制御により要求される要求トルクTepcs以下の場合、すなわちVSCトルクダウン制御によるトルクダウン要求量ΔTevscがPCSトルクダウン制御によるトルクダウン要求量ΔTepcs以上、すなわちΔTevsc≧ΔTepcsの関係にあるとき、過給圧制御条件判定手段108は、過給圧上昇制御条件が成立したと判定し、過給圧上昇制御実行指令を過給圧制御手段110へ出力する。
過給圧制御手段110は、過給圧制御条件判定手段108から上記過給圧低下制御実行指令信号を取得すると、たとえばアクセル開度θaccおよび車速Vなどに基づきPCSトルクダウン制御時の目標過給圧Ptcmoutを逐次決定することにより目標ウェイストゲートバルブ開度θtgtwgを算出し、その目標ウェイストゲートバルブ開度θtgtwgに基づいて電動アクチュエータ67を介してウェイストゲートバルブ68のウェイストゲートバルブ開度θwgを大きくすることにより、過給圧Pcmoutを低下させる。また、過給圧制御手段110は、過給圧制御条件判定手段108から上記過給圧上昇制御実行指令信号を取得すると、ウェイストゲートバルブ開度θwgを小さくするウェイストゲートバルブ68の閉じ制御を行うとともに、過給圧制御用トルクTmがその単位時間当りの変化量dTm/dtが所定値αで大きくされるようにインバータ70を介して電動機69に過給圧制御用トルクTmを出力させることにより、VSCトルクダウン制御よりも先に作動されたPCSトルクダウン制御時に低下された過給圧Pcmoutを実際のエンジントルクTeに影響がない所定の変化量βで上昇させる。ここで過給圧制御用トルクTmの単位時間当りの所定の変化量αは、VSCトルクダウン制御が維持されている状態のときに過給圧制御用トルクTmの出力により上昇される過給圧Pcmoutが実際のエンジントルクTmに影響(たとえば、エンジントルクTeの一瞬の急上昇など)を及ぼすことのない範囲の変化量として予め実車実験により決定されており、エンジンの種類ごとに異なる値が設定されている。
過給圧変化量上乗せ制御判定手段112は、過給圧制御条件判定手段108から上記過給圧上昇制御実行指令信号を取得すると、逐次取得されるアクセル開度θaccに基づき、過給圧上昇制御の実行時における過給圧Pcmoutを上昇させる際の所定の変化量βに対して一定の変化量を上乗せさせる過給圧変化量上乗せ制御条件が成立しているか否かを判定する。具体的には、過給圧変化量上乗せ制御判定手段112は、VSCトルクダウン制御によるトルクダウン要求が維持されている状態であり、且つ運転者の要求トルクTedriが上昇する場合、たとえばアクセルペダル89の踏込操作によりアクセル開度θaccが大きくされるなどの場合には、過給圧変化量上乗せ制御条件が成立したと判定し、過給圧変化量上乗せ制御実行指令を過給圧制御手段110に出力する。
過給圧制御手段110は、過給圧変化量上乗せ制御判定手段112からの上記過給圧変化量上乗せ制御実行指令信号を取得すると、運転者による要求トルクTedriの単位時間当りの変化量dTedri/dtに応じて、過給圧Pcmoutの変化量を前記過給圧上昇制御実行時における過給圧Pcmoutの前記所定の変化量βに対して上乗せさせた変化量とする。具体的には、過給圧制御手段110は、前記過給圧上昇制御実行時における過給圧制御用トルクTmの単位時間当りの所定の変化量αに、運転者の要求トルクTedriの単位時間当りの変化量dTedri/dtに対応する上乗せ分を加算して、過給圧制御用トルクTmの単位時間当りの所定の変化量dTm/dtを所定の変化量α’(α’>α)に大きくさせることにより、前記過給圧上昇制御実行時における過給圧Pcmoutの所定の変化量βよりも大きな変化量で過給圧Pcmoutを上昇させる。
過給圧制御条件判定手段108は、過給圧上昇制御終了条件が成立しているか否かを判定する。過給圧上昇制御により上昇される過給圧制御用トルクTmが、運転者の要求トルクTedriに到達すると、過給圧制御条件判定手段108は上記過給圧上昇制御終了条件が成立したと判定し、過給圧制御手段110を介して、過給圧制御用トルクTmの単位時間当りの所定の変化量dTm/dtをゼロとして、前記過給圧上昇制御を終了させる。
図3および図4は、PCSトルクダウン制御およびVSCトルクダウン制御が重複する場合に過給圧制御が実行されたときのそれぞれ別の例を示すタイムチャートであり、図3は、目標スロットル開度θtgtth、ウェイストゲートバルブ開度θwgを調節する電動アクチュエータ67へのウェイストゲートバルブ指示信号(WGV指示信号)、過給圧Pcmout、要求エンジントルクTetr、過給圧制御用トルクTm、アクセル開度θaccを示しており、図4では、bは過給圧制御用トルクTmが不要であり過給圧Pcmoutが低下されるPCSトルクダウン制御時の要求トルクTepcs、dは過給圧制御用トルクTmが必要であり過給圧Pcmoutの上昇が許容されるVSCトルクダウン制御時の要求トルクTevsc、eは運転者により要求される要求トルクTedri、cは過給圧制御用トルクTm、aはエンジン12への最終トルク要求すなわち要求エンジントルクTetrおよび実際のエンジン出力トルクTe(実トルク)を、それぞれ示している。図3のt1時点ないしt6時点は、図4のt1’時点ないしt6’時点にそれぞれ相当する。図3の要求エンジントルクTetrは図4のaに示す要求エンジントルクTetrに対応し、より詳細には、図3のt1時点以前およびt6時点以降は図4の運転者の要求トルクTedriにおけるt1’時点以前およびt6’時点以降に、図3のt1時点からt2時点は図4のPCSトルクダウン制御時の要求トルクTepcsにおけるt1’時点からt2’時点に、図3のt2時点からt5時点は図4のVSCトルクダウン制御時の要求トルクTevscにおけるt2’からt5’時点に、図3のt5時点からt6時点は図4のVSCトルクダウン制御の要求トルクTevscからのトルクダウン復帰の過渡期t5’時点からt6’時点にそれぞれ対応する。なお、図3のWGV指示信号は、ウェイストゲートバルブ開度θwgに対応しており、図の上側であるほどウェイストゲートバルブ開度θwgが小さいこと、すなわちウェイストゲートバルブ68が閉じていることを示している。
PCSトルクダウン制御条件が成立したと判定されると(t1、t1’時点)、前記PCSトルクダウンマップに基づいて、PCSトルクダウン制御開始時点(t1時点)の要求エンジントルクTetr(運転者の要求トルクTedri)に対するPCSトルクダウン制御におけるトルクダウン要求量ΔTepcsが算出される。また、PCSトルクダウン制御におけるトルクダウン要求量ΔTepcsにより決定された目標スロットル開度θtgtthに基づくスロットル閉じ制御が開始されて(t1、t1’時点)、エンジントルクTeが低下させられる(t1’時点)とともに、目標ウェイストゲートバルブ開度θtgtwgに基づいてウェイストゲートバルブ開度θwgが大きくされることにより、過給圧Pcmoutが低下される(t1時点からt2時点)。VSCトルクダウン制御条件が成立したと判定されると(t2、t2’時点)、前記VSCトルクダウンマップに基づいて、PCSトルクダウン制御開始時点(t1時点)の要求エンジントルクTetr(運転者の要求トルクTedri)に対するVSCトルクダウン制御におけるトルクダウン要求量ΔTevscが算出される。図3においては、各トルクダウン制御におけるトルクダウン要求量ΔTepcsとΔTevscが等しく(ΔTepcs=ΔTevsc)、トルクダウン要求量ΔTepcsまたはΔTevscにより決定される目標スロットル開度θtgtthに基づきスロットル閉じ制御が開始される(t2時点)。一方、図4においては、VSCトルクダウン制御におけるトルクダウン要求量ΔTevscは、PCSトルクダウン制御におけるトルクダウン要求量ΔTepcsよりも大きいため、VSCトルクダウン制御におけるVSCトルクダウン要求量ΔTevscにより決定される目標スロットル開度θtgtthに基づきスロットル閉じ制御が開始されて(t2’時点)、実際のエンジントルクTeがさらに低下させられている。
図3においては、アクセル開度θaccが急激に大きくされているt3時点を除いて、t2時点以降t5時点までの間、アクセル開度θaccが一定であり運転者の要求トルクTedriは上記の間維持されており、且つPCSトルクダウン制御条件が成立(t1時点)した後にVSCトルクダウン制御条件が成立(t2時点)して、t2時点からPCSトルクダウン制御が終了するt4時点においてPCSトルクダウン制御とVSCトルクダウン制御とが重複して作動しており、且つ各トルクダウン制御におけるトルクダウン要求量ΔTepcsとΔTevscとが等しく、ΔTevsc≧ΔTepcsを満たすことから、前記過給圧上昇制御条件が成立している。そのため、前記過給圧上昇制御条件が成立するt2時点以降、VSCトルクダウン制御が終了するt5時点の直前までの間、過給圧制御用トルクTmがその単位時間当りの変化量dTm/dtが一定値αで大きくされるとともに、目標ウェイストゲートバルブ開度θtgtwgの単位時間当りの閉じ量dθtgtwg/dtが所定値となるようにウェイストゲートバルブ68が閉じられて、エンジントルクTeに影響を与えない所定の変化量βで過給圧Pcmoutが上昇させられる。また、t3時点において、VSCトルクダウン制御におけるトルクダウン要求が維持されており、且つアクセル開度θaccが急激に大きくされて運転者の要求トルクTedriが急上昇されていることから、前記過給圧変化量上乗せ制御条件が成立している。そのため、ウェイストゲートバルブ開度θwgが急激に閉じられるとともに、過給圧制御用トルクTmが急激に大きくされて、t3時点以後に過給圧Pcmoutが上記所定の変化量βよりも大きな変化量で急上昇させられている。
図4においては、t2’時点からt3’時点までの間およびT’時点からt5’時点までの間、運転者の要求トルクTedriは維持されており、且つPCSトルクダウン制御条件が成立(t1’時点)した後にVSCトルクダウン制御条件が成立(t2’時点)し、t2’時点からPCSトルクダウン制御が終了するt4’時点の間にPCSトルクダウン制御とVSCトルクダウン制御とが重複して作動しており、且つVSCトルクダウン制御のトルクダウン要求量ΔTevscはPCSトルクダウン制御のトルクダウン要求量ΔTepcsよりも大きく、ΔTevsc≧ΔTepcsを満たすことから、前記過給圧上昇制御条件が成立している。そのため、t2’時点からt3’時点までの間およびT’時点からt5’時点までの間において、過給圧制御用トルクTmがその単位時間当りの変化量dTm/dtが一定値αで大きくされて、所定の変化量βで過給圧Pcmoutが上昇されるとともに、エンジントルクTeはVSCトルクダウン制御の要求トルクTevscに基づき維持される。t3’時点からT’時点においては、VSCトルクダウン要求が維持されており、且つ運転者の要求トルクTedriは所定の変化量で上昇されており、前記過給圧変化量上乗せ制御条件が成立していることから、前記過給圧上昇制御の実行時における過給圧制御用トルクTmの所定の変化量αに対して運転者の要求トルクTedriの単位時間当りの変化量dTedri/dtに対応する上乗せ分が加算された変化量α’で過給圧制御用トルクTmが高められて、t2’時点からt3’時点までの間およびT’時点からt5’時点までの間よりも大きな変化量で過給圧Pcmoutが上昇される。この過給圧Pcmoutが実際のエンジントルクTeに影響がない所定の変化量βよりも大きな変化量で上昇されることに起因した、t3’時点直後におけるエンジントルクTeの一瞬の上昇は、t3’時点からT’時点までの間の運転者の要求トルクTedriの上昇に紛れるため、ドライバビリティーの低下が抑制される。
図3および図4において、過給圧上昇制御および過給圧変化量上乗せ制御の実行により、実際のエンジントルクTeの変化によるドライバビリティーの低下が抑制されつつ、PCSトルクダウン制御の終了(t4、t4’時点)を経て、VSCトルクダウン制御の終了するt5、t5’時点において、過給圧制御用トルクTmが運転者の要求トルクTedriまで上昇されて過給圧上昇制御が終了している。このため、要求エンジントルクTetrが運転者の要求トルクTedriに到達するVSCトルクダウン制御からの復帰時(t6、t6’時点)において、過給圧Pcmoutは、VSCトルクダウン制御からの復帰直後のエンジントルクTeの応答性を確保するのに十分な水準まで上昇しており(t6時点)、運転者の要求トルクTedriに対しての実際のエンジントルクTeの良好な応答性が確保されている(t6’時点)。
図5は、電子制御装置100の制御作動の要部、すなわちスロットル閉じ制御作動によるトルクダウン制御と並行して実行される過給圧制御の制御作動を説明するためのフローチャートである。この図5に示す制御ルーチンは、数ms乃至数十msのサイクルで繰り返し実行される。
先ず、トルクダウン制御条件判定手段102に対応するステップ(以下、「ステップ」を省略する。)S1においては、トルクダウン制御条件が成立しているか否かが判定される。S1の判定が肯定される場合にはS2が実行され、S1の判定が否定される場合には、S1が繰り返し実行される。
トルクダウン要求量判定手段104に対応するS2においては、S1において成立したトルクダウン制御条件におけるPCSトルクダウン制御および/またはVSCトルクダウン制御におけるトルクダウン要求量ΔTepcs、ΔTevscに基づき目標スロットル開度θtgtthが算出される。PCSトルクダウン制御およびVSCトルクダウン制御が重複する場合には、トルクダウン要求量ΔTepcsおよびΔTevscのうちの大きい方のトルクダウン制御におけるトルクダウン要求量に基づき目標スロットル開度θtgtthが決定される。
次に、過給圧制御条件判定手段108に対応するS3においては、過給圧上昇制御条件が成立しているか否かが判定される。上記S3の判定が否定される場合には、S4が実行される。上記S3の判定が肯定される場合には、S6が実行される。
トルクダウン制御手段106に対応するS4においては、過給圧Pcmoutを低下させるPCSトルクダウン制御が実行される。具体的には、S2におけるPCSトルクダウン制御のトルクダウン要求量ΔTepcsにより決定された目標スロットル開度θtgtthに基づき、電子スロットル弁72の閉じ制御が実行されて、エンジントルクTeが低下される。
次いで、過給圧制御手段110に対応するS5においては、S4のスロットル閉じ制御と時間的に並行してウェイストゲートバルブ68のウェイストゲートバルブ開度θwgが大きくされる方向に制御されて、過給圧Pcmoutが低下される。S5終了後、本制御ルーチンは終了する。
S3の判定が肯定される場合は、トルクダウン制御手段106に対応するS6においては、S4と同様に、過給圧Pcmoutの上昇を許容するVSCトルクダウン制御が実行される。具体的には、S2におけるVSCトルクダウン制御のトルクダウン要求量ΔTevscにより決定された目標スロットル開度θtgtthに基づき、電子スロットル弁72の閉じ制御が実行されて、エンジントルクTeが低下される。
過給圧制御手段110に対応するS7においては、S6のスロットル閉じ制御と時間的に並行してウェイストゲートバルブ68のウェイストゲートバルブ開度θwgが小さくされる。
過給圧制御手段110に対応するS8においては、S6のスロットル閉じ制御およびS7のウェイストゲートバルブ開度θwgが小さくされるウェイストゲートバルブ68の閉じ制御と時間的に並行して、電動機69の過給圧制御用トルクTmがエンジントルクTeに影響のない所定の変化量αで上昇される。
過給圧変化量上乗せ制御判定手段112に対応するS9においては、過給圧変化量上乗せ制御条件が成立したか否かが判定される。具体的には、VSCトルクダウン制御によるトルクダウン要求が維持されている状態のときに運転者の要求トルクTedriが上昇したか否かが判定される。上記S9の判定が肯定される場合にはS10が実行される。上記S9の判定が否定される場合には、本制御ルーチンは終了する。
過給圧制御手段110に対応するS10においては、エンジントルクTeに影響がない所定の変化量βで過給圧Pcmoutが上昇される前記過給圧上昇制御の実行時における過給圧制御用トルクTmの所定の変化量αに対して、運転者の要求トルクTedriの単位時間当りの変化量dTedri/dtに対応した上乗せ分が加算された変化量α’で過給圧制御用トルクTmが上昇される。S10実行後、本制御ルーチンは終了する。
上述のように、本実施例の電子制御装置100によれば、運転者の要求トルクTedriが維持された状態で、過給圧Pcmoutを低下させるPCSトルクダウン制御の作動が開始された後にVSCトルクダウン制御の作動が開始されてPCSトルクダウン制御とVSCトルクダウン制御が重複して作動し、VSCトルクダウン制御のトルクダウン要求量ΔTevscがPCSトルクダウン制御のトルクダウン要求量ΔTepcs以上である場合には、ウェイストゲートバルブ68が閉じられる方向に制御されるとともに、過給圧制御用トルクTmが所定の変化量αで上昇されることにより予め設定された所定の変化量βで過給圧Pcmoutを上昇させるため、過給圧Pcmoutの上昇によるエンジントルクTeの一瞬の急上昇が抑制されてドライバビリティーの低下が抑制される。また、VSCトルクダウン制御における要求トルクTevscが維持されている状態のときに運転者の要求トルクTedriが上昇した場合には、運転者の要求トルクTedriの単位時間当りの変化量dTedri/dtに対応した上乗せ分が加算された変化量α’で過給圧制御用トルクTmが上昇されて過給圧Pcmoutの変化量が所定の変化量βよりも大きくされるため、VSCトルクダウン制御からの復帰時において、エンジントルクTeの応答性を確保するのに十分な水準の過給圧Pcmoutに復帰していることから、運転者の要求トルクTedriに対するエンジントルクTeの応答遅れを抑制することができる。また、過給圧Pcmoutの変化量が所定の変化量βよりも大きくされることに起因したエンジントルクTeの上昇は、運転者の要求トルクTedriの上昇に紛れるため、ドライバビリティーの低下が抑制される。
また、本実施例の電子制御装置100によれば、過給圧Pcmoutの所定の変化量βは、過給圧Pcmoutの上昇によってトルクダウン要求により低下しているエンジントルクTeが上昇しない量であり、予め実験的に定められている。このため、過給圧Pcmoutの上昇によりエンジントルクTeの一瞬の急上昇が抑制されてドライバビリティーの低下が抑制される。
以上、本発明を表及び図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
たとえば、前述の実施例の電子制御装置100においては、過給圧Pcmoutを低下させるPCSトルクダウン制御が開始された後に、過給圧Pcmoutの上昇を許容し、PCSトルクダウン要求量ΔTepcsよりも大きいトルクダウン要求量ΔTevscを有するVSCトルクダウン制御が開始されて、2つのトルクダウン制御が重複して実行されるときに過給圧Pcmoutが上昇するように制御されるものであったが、過給圧Pcmoutを低下させるトルクダウン制御および過給圧Pcmoutの上昇を許容するトルクダウン制御はこれに限定されるものではなく、過給圧Pcmoutを低下させるトルクダウン制御は、たとえばエンジン12から駆動輪24への動力伝達経路を構成する構成部材であるシャフト、それを支持する各ベアリング、前後進切換装置16の前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1、無段変速機18、差動歯車装置22などの過負荷からの保護を目的とするハード保護のためのトルクダウン制御であってもよいし、運転者の要求に応じて車速Vが所定の目標車速に到達したときに車速Vを減速させるとともに、目標車速への到達後においてアクセルペダル89の踏込操作が継続されているときは目標車速を維持する、アジャスタブルスピードリミッタ制御における車速Vを制御するためのトルクダウン制御であってもよいし、たとえばアクセルペダル89が踏み込まれた状態で、シフトポジションがRからDへ変更されるなどのシフト操作がされた時の急発進を回避させるドライブスタートコントロールにおけるトルクダウン制御であってもよいし、超音波により探索することにより取得した車両8周辺の障害物の方角や距離などの位置情報をブザーと表示器などで出力するとともに、車両8の前後進方向に障害物がある場合に障害物との接触を緩和させるインテリジェントクリアランスソナーにおけるトルクダウン制御であってもよい。また、過給圧Pcmoutの上昇を許容するトルクダウン制御は、たとえば変速制御中の一時的なトルクダウン制御であってもよいし、四輪駆動車における駆動系の保護、たとえば駆動輪の回転速度差が大きい場合にその回転速度差を抑制するために作動させられる制動力により生じる駆動系への過負荷を抑制すること、を目的としたトルクダウン制御であってもよい。
また、前述の実施例の過給機54は、ウェイストゲートバルブ68および電動機69を過給圧調節装置として備えたターボチャージャーであったが、これに限定されるものではなく、たとえば、エンジントルクTeに影響がない所定の変化量βで過給圧Pcmoutを上昇させ、且つ運転者の要求トルクTetrの上昇量に応じた上乗せ分を加算した所定の変化量βよりも大きな変化量で過給圧Pcmoutを上昇させる過給圧制御用トルクTmを出力可能なスーパーチャージャーであってもよい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
8:車両
12:エンジン(内燃機関)
54:過給機
68:ウェイストゲートバルブ(過給圧調節装置)
69:電動機(過給圧調節装置)
100:電子制御装置(内燃機関の制御装置)

Claims (1)

  1. 過給機と該過給機による過給圧を調節する過給圧調節装置とを有する内燃機関を備えた車両において、内燃機関のトルクを低下させるトルクダウン制御中に前記過給圧調節装置の作動により過給圧制御を行う内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関のトルク要求が維持された状態で、前記過給圧を低下させる第1トルクダウン要求と、前記第1トルクダウン要求のトルクダウン要求量よりも大きく、且つ前記過給圧の上昇を許容する第2トルクダウン要求とがある場合には、予め設定された変化量で前記過給圧を上昇させ、
    前記第2トルクダウン要求が維持されている状態のときに前記内燃機関のトルク要求が増加した場合には、前記内燃機関のトルク要求の増加に応じて前記変化量を大きくすることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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