JP2013122226A - 車両用駆動装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮比を変更する圧縮比変更機構を備えたエンジンと、そのエンジンから駆動輪への動力伝達経路の一部を構成する自動変速機とを備えた車両において、燃費性能とドライバビリティとの両立を図ることができる車両用駆動装置の制御装置を提供する。
【解決手段】前記制御装置は、車両加速操作があった場合にケースアクチュエータ78によりエンジン12の圧縮比をその車両加速操作前に対して低下させると共に無段変速機18の変速比をその車両加速操作前に対して大きくする変速を行う際には、前記車両加速操作での加速要求が大きいほど、ケースアクチュエータ78がエンジン12の圧縮比を低下させる方向へ作動し始める圧縮比低下作動開始時を遅れさせることにより、その圧縮比低下作動開始時で達成されるエンジン出力を大きくする。従って、前記加速要求が大きいほどケースアクチュエータ78の作動時間によるエンジン出力の立上り遅れが抑えられる。
【選択図】図6

Description

本発明は、可変圧縮比のエンジンと自動変速機とを備えた車両において、その自動変速機の変速に際しそのエンジンの圧縮比を変更するタイミングを制御する技術に関するものである。
圧縮比を変更する圧縮比変更機構を備えたエンジンと、そのエンジンから駆動輪への動力伝達経路の一部を構成する自動変速機とを備えた車両用駆動装置の制御装置が、従来からよく知られている。例えば、特許文献1に開示された車両用制御装置がそれである。その特許文献1の車両用制御装置は、車両の加速時に前記エンジンの圧縮比を小さくなる方向に変更する場合には、無段変速機である前記自動変速機を低速側に変速する。これによりエンジン回転速度を速やかに上昇させて前記エンジンのノッキングを抑制することができる。
特開昭60−230523号公報
特許文献1の車両用制御装置は、前述したように、車両の加速時に前記エンジンの圧縮比を小さくなる方向に変更することと共に、前記自動変速機を低速側に変速することすなわちその自動変速機の変速比を大きくする変速を行うことを行うが、前記自動変速機の変速に伴って前記エンジンの出力を増大させる際に、前記圧縮比の変更を行うタイミングは、加速時の応答性および燃費性能に影響すると考えられた。例えば、前記圧縮比の変更と前記自動変速機の変速とを略同期して行えば、エンジンの動作点を燃費が良好になるように推移させ易いので燃費性能を良好に保ち易い一方で、前記自動変速機の変速中に前記圧縮比を変更する機械的な作動が入り変速時間が長くなるので、加速時の応答性を悪化させ易いと考えられた。また、前記自動変速機の変速に伴って前記エンジンの出力をできるだけ大きくして、その後に前記圧縮比の変更を行えば、加速時の応答性の悪化を抑制し易い一方で、燃費性能を悪化させ易いと考えられた。このようなことは未公知のことであるが、前記圧縮比の変更と前記自動変速機の変速とを伴う車両の加速時には、前記圧縮比の変更を行うタイミングが加速時の応答性および燃費性能に与える影響を考慮して、燃費性能とドライバビリティとの両立を図る必要があるという未公知の課題があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、圧縮比を変更する圧縮比変更機構を備えたエンジンと、そのエンジンから駆動輪への動力伝達経路の一部を構成する自動変速機とを備えた車両において、燃費性能とドライバビリティとの両立を図ることができる車両用駆動装置の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するための第1発明の要旨とするところは、(a)圧縮比を変更する圧縮比変更機構を備えたエンジンと、そのエンジンから駆動輪への動力伝達経路の一部を構成する自動変速機とを備えた車両用駆動装置の制御装置であって、(b)運転者による車両加速操作があった場合に前記圧縮比変更機構によりその車両加速操作前に対して前記エンジンの圧縮比を低下させると共に前記自動変速機の変速比をその車両加速操作前に対して大きくする変速を行う際には、前記車両加速操作での加速要求が大きいほど、前記圧縮比変更機構が前記エンジンの圧縮比を低下させる方向へ作動し始める圧縮比低下作動開始時を遅れさせることにより、その圧縮比低下作動開始時で達成される前記エンジンの出力を大きくすることを特徴とする。
このようにすれば、前記車両加速操作での加速要求が小さければ、早期に前記エンジンの圧縮比が低下させられるので、燃費性能を重視してエンジンが運転される一方で、前記車両加速操作での加速要求が大きければ、前記自動変速機の変速に伴い早期にエンジンの出力が増大されるので、加速応答性を重視してエンジンが運転される。そのため、前記加速要求に応じて、燃費性能とドライバビリティとの両立を図ることができる。なお、燃費とは例えば、単位燃料消費量当たりの走行距離等であり、燃費の向上とはその単位燃料消費量当たりの走行距離が長くなることであり、或いは、車両全体としての燃料消費率(=燃料消費量/駆動輪出力)が小さくなることである。逆に、燃費の低下(悪化)とはその単位燃料消費量当たりの走行距離が短くなることであり、或いは、車両全体としての燃料消費率が大きくなることである。また、前記加速要求の大きさは例えば、アクセルペダルの踏込量であるアクセル開度に基づいて与えられる。
ここで、第2発明の要旨とするところは、前記第1発明の車両用駆動装置の制御装置であって、前記車両加速操作があった場合に前記圧縮比変更機構によりその車両加速操作前に対して前記エンジンの圧縮比を低下させると共に前記自動変速機の変速比をその車両加速操作前に対して大きくする変速を行う際に、前記加速要求が予め定められた加速要求判定基準よりも大きい場合には、前記加速要求の大きさに基づく目標エンジン出力が前記自動変速機の変速に伴って得られた後に、前記エンジンの圧縮比を低下させる方向へ前記圧縮比変更機構を作動させることを特徴とする。このようにすれば、前記加速要求判定基準を予め定めておくことで、前記加速要求に応じて、燃費性能とドライバビリティとの両立を容易に図ることが可能である。また、前記加速要求が前記加速要求判定基準よりも大きい場合には、前記エンジンの圧縮比が低下させられる前に前記目標エンジン出力を得ることができるので、その目標エンジン出力を早期に得やすくなり、加速応答性を向上させ易くなる。
また、第3発明の要旨とするところは、前記第2発明の車両用駆動装置の制御装置であって、前記加速要求が前記加速要求判定基準よりも大きい場合において、前記車両加速操作に起因した前記自動変速機の変速開始時から前記目標エンジン出力が前記自動変速機の変速に伴って得られるまでに要する変速時間が予め定められた許容変速時間を超えると推定された場合には、前記加速要求が前記加速要求判定基準以下である場合の前記圧縮比低下作動開始時よりも遅い時であって前記目標エンジン出力が得られる前に、前記自動変速機の変速比を増大方向に変化させることを停止して、その停止後に前記エンジンの圧縮比を低下させる方向へ前記圧縮比変更機構を作動させることを特徴とする。このようにすれば、前記車両加速操作に起因して前記自動変速機の変速比が増大方向に変化する際に、その変速比が増大方向に変化する変速に要する時間が長期化することが抑えられ、それにより、加速応答性が前記自動変速機の変速により悪化していると運転者に感じさせることを抑制することが可能である。
また、第4発明の要旨とするところは、前記第2発明の車両用駆動装置の制御装置であって、(a)前記エンジンの動作領域内に、前記エンジンの圧縮比を切り替える圧縮比変更境界線が予め定められており、(b)前記加速要求が前記加速要求判定基準よりも大きい場合には、前記エンジンの動作点が前記圧縮比変更境界線を横切っても前記エンジンの圧縮比を保持したまま、前記目標エンジン出力が得られるように且つ前記エンジンの熱効率が前記車両加速操作前と比較して同等以上になるように、前記自動変速機の変速を行い、(c)前記目標エンジン出力が得られた後に、前記エンジンの圧縮比を低下させる方向へ前記圧縮比変更機構を作動させることを特徴とする。このようにすれば、前記圧縮比低下作動開始時を、前記加速要求が前記加速要求判定基準よりも大きい場合に例外的に遅らせることで、前記加速要求に応じて、燃費性能とドライバビリティとの両立を図ることができる。なお、前記エンジンの熱効率とは、例えば、前記エンジンに供給された燃料から得られる総熱量のうちそのエンジンの仕事に変わった熱量の上記総熱量に対する割合である。
ここで、好適には、前記自動変速機は無段変速機である。
また、好適には、前記加速要求は、前記車両加速操作後のアクセル開度、その車両加速操作におけるアクセル開度の増加量、及び、その車両加速操作におけるアクセル開度の増加速度の何れか一又は2以上の組合せで表される。なお、そのアクセル開度の増加速度は前記車両加速操作における最大値であっても平均値であってもよい。
本発明が適用された車両に含まれる車両用駆動装置の骨子図である。 図1の車両用駆動装置が有するエンジンの構成を説明するための概略構成図である。 図1の車両用駆動装置を制御するための制御装置として機能する電子制御装置に対する入出力信号を例示した図である。 図3の電子制御装置に備えられた制御機能の要部を説明するための実施例1の機能ブロック線図である。 図3の電子制御装置に含まれる加速時変速制御手段の制御機能を説明するための図であって、エンジン回転速度とエンジントルクとをパラメータとする二次元座標で表されるエンジンの動作領域内おいて、前記加速時変速制御手段に選択される走り方〔1〕〜〔3〕の各々でのエンジン動作点の推移を示した図である。 図3の電子制御装置の制御作動の要部、すなわち、車両加速操作があった場合にエンジンの圧縮比をその車両加速操作前に対して低下させると共に無段変速機のダウン変速を行う制御作動を説明するための実施例1のフローチャートである。 図3の電子制御装置に備えられた制御機能の要部を説明するための実施例2の機能ブロック線図である。 図3の電子制御装置に含まれる加速時変速制御手段の制御機能を説明するための図であって、図5と同じ二次元座標で表されるエンジン12の動作領域内おいて、前記加速時変速制御手段に選択される走り方〔1〕と走り方〔4〕との各々でのエンジン動作点の推移を示した図である。 図3の電子制御装置の制御作動の要部、すなわち、車両加速操作があった場合にエンジンの圧縮比をその車両加速操作前に対して低下させると共に無段変速機のダウン変速を行う制御作動を説明するための実施例2のフローチャートである。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両8に含まれる車両用駆動装置10の骨子図である。この車両用駆動装置10は横置き型であって、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に採用されるものである。図1に示すように車両用駆動装置10は、走行用の動力源としてエンジン12と、トルクコンバータ14と、前後進切換装置16と、ベルト式無段変速機(CVT)18とを備えている。内燃機関にて構成されているエンジン12の出力は、エンジン12のクランク軸13、トルクコンバータ14から前後進切換装置16、入力軸36、ベルト式無段変速機18(以下、無段変速機18という)、減速歯車装置20を介して差動歯車装置22に伝達され、左右一対の駆動輪24L、24R(特に左右を区別しない場合には、駆動輪24という)へ分配される。
トルクコンバータ14は、エンジン12と無段変速機18との間に配設された流体伝動装置であって、エンジン12のクランク軸13に連結された入力回転部材としてのポンプ翼車14pと、タービン軸34を介して前後進切換装置16に連結された出力回転部材としてのタービン翼車14tとを備えており、流体を介して動力伝達を行うようになっている。
また、トルクコンバータ14はそれらのポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tの間にロックアップクラッチ26を備えている。そのロックアップクラッチ26は、ポンプ翼車14pとタービン翼車14tとを直結可能な摩擦係合装置であり、油圧制御回路116(図3参照)の油圧制御弁などによって油圧供給が切り換えられることにより、係合または解放されるようになっている。例えばロックアップクラッチ26が油圧制御により直結状態(完全係合状態)にされれば、それによりポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tは一体回転させられる。上記ポンプ翼車14pには機械式のオイルポンプ28が連結されており、そのオイルポンプ28は車両用駆動装置10内で油圧供給源として機能し、更に、各部に潤滑油を供給する。
前後進切換装置16は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置を主体として構成されており、トルクコンバータ14のタービン軸34はサンギヤ16sに一体的に連結され、無段変速機18の入力軸36はキャリア16cに一体的に連結されている一方、キャリア16cとサンギヤ16sは前進用クラッチC1を介して選択的に連結され、リングギヤ16rは後進用ブレーキB1を介してハウジングに選択的に固定されるようになっている。前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1は何れも、油圧シリンダによって摩擦係合させられる油圧式摩擦係合装置である。前後進切換装置16では、前進用クラッチC1が完全係合させられるとともに後進用ブレーキB1が解放されることにより、前後進切換装置16は一体回転状態とされて、前進方向の駆動力が無段変速機18側へ伝達される。一方、後進用ブレーキB1が完全係合させられるとともに前進用クラッチC1が解放されると、入力軸36はタービン軸34に対して逆方向へ回転させられるようになり、後進方向の駆動力が無段変速機18側へ伝達される。また、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1が共に解放されると、前後進切換装置16は動力伝達を遮断するニュートラル(遮断状態)になる。
無段変速機18は、前記入力軸36に設けられた入力側部材である有効径が可変の入力側可変プーリ42と、出力軸44に設けられた出力側部材である有効径が可変の出力側可変プーリ46と、それ等の可変プーリ42、46に巻き掛けられた伝動ベルト48とを備えており、可変プーリ42、46と伝動ベルト48との間の摩擦力を介して動力伝達が行われる。無段変速機18は、エンジン12から駆動輪24への動力伝達経路の一部を構成しており、油圧制御により変速比γ(=入力軸回転速度Nin/出力軸回転速度Nout)が連続的に変化させられる自動変速機である。その無段変速機18の変速比γは、両可変プーリ42、46のV溝幅が変化して伝動ベルト48の掛かり径(有効径)が変更されることで、変化させられる。電子制御装置100は、車速V及びアクセル開度PAPに基づき、燃費性能と走行性能とを両立するように予め実験的に設定された変速マップに従って無段変速機18の変速を実行する。具体的に、その変速マップは一般的に知られたマップであり、車速Vが低いほど又はアクセル開度PAPが大きいほど変速比γが大きくなるように設定されている。なお、前記入力軸回転速度Ninは入力軸36の回転速度であり、前記出力軸回転速度Noutは出力軸44の回転速度である。
図2は、エンジン12の構成を説明するための概略構成図である。エンジン12は、一般的に知られたポート噴射型4サイクルの自動車用ガソリンエンジンである。エンジン12は、シリンダヘッド52と、シリンダヘッド52に形成された吸気ポート54に接続された吸気管56と、シリンダヘッド52に形成された排気ポート58に接続された排気管60と、吸気ポート54に配設されクランク軸13の回転に応じて吸気ポート54を開閉する吸気弁62と、排気ポート58に配設されクランク軸13の回転に応じて排気ポート58を開閉する排気弁64と、シリンダブロック66と、吸気管56を流れる吸気に燃料を噴射供給する燃料噴射装置80と、シリンダヘッド52とピストン72との間の燃焼室76に吸入された混合気に点火する点火装置82とを備えている。
シリンダブロック66は、シリンダヘッド52に一体的に固定されシリンダを含む上部ブロック68と、クランクケースとして機能する下部ブロック70とから構成されている。上部ブロック68のシリンダ内にはクランク軸13に対し径方向に往復運動するピストン72が設けられており、このピストン72はコネクティングロッド74を介してクランク軸13に連結されている。そして、ピストン72が前記シリンダ内で往復運動することにより、クランク軸13が回転させられる。また、シリンダヘッド52と上部ブロック68のシリンダとピストン72とで囲まれた空間はエンジン12の燃焼室76である。
また、エンジン12は、上部ブロック68と下部ブロック70との間に、油圧又は電動等で駆動されるケースアクチュエータ78を備えている。このケースアクチュエータ78は、電子制御装置100からの指令信号に従って作動し、エンジン12の圧縮比εを変更する圧縮比変更機構として機能する。具体的に、ケースアクチュエータ78は、前記圧縮比εを変更するために、シリンダヘッド52及び上部ブロック68を下部ブロック70に対し、クランク軸13の径方向(矢印ARCYLの方向)に移動させる。例えば、ケースアクチュエータ78がシリンダヘッド52及び上部ブロック68をクランク軸13から遠ざける方向に移動させると、燃焼室76の容積が大きくなるので、エンジン12の圧縮比εは低くなる。逆に、ケースアクチュエータ78がシリンダヘッド52及び上部ブロック68をクランク軸13に近づける方向に移動させると、燃焼室76の容積が小さくなるので、エンジン12の圧縮比εは高くなる。エンジン12の圧縮比εはケースアクチュエータ78により、連続的に変更されても或いは多段階で変更されてもよいが、本実施例のエンジン12は、そのエンジン12の圧縮比εが所定の第1圧縮比である低圧縮比状態(第1圧縮比状態)と、前記圧縮比εがその第1圧縮比よりも高い所定の第2圧縮比である高圧縮比状態(第2圧縮比状態)との何れかに段階的に切り替えられる。例えば、後述する図5に示すように、エンジン回転速度Ne及びエンジントルクTeをパラメータとするエンジン12の動作領域内に、エンジン12の圧縮比εを切り替える境界線すなわち圧縮比変更境界線Lbdが、エンジン12のノッキングを抑制しつつエンジン12の燃料消費率を小さくできるように予め実験的に実験的に設定されている。その図5では、圧縮比変更境界線Lbdを境にして、エンジントルクTeの高い側はエンジン12が前記低圧縮比状態に切り替えられる低圧縮比動作領域(第1動作領域)になっており、エンジントルクTeの低い側はエンジン12が前記高圧縮比状態に切り替えられる高圧縮比動作領域(第2動作領域)になっている。電子制御装置100は、エンジン回転速度NeとエンジントルクTeとで表されるエンジン12の動作点(以下、エンジン動作点という)が前記低圧縮比動作領域と前記高圧縮比動作領域との何れに属するかを逐次判断しており、そのエンジン動作点が前記低圧縮比動作領域に属すれば、エンジン12を前記低圧縮比状態で動作させ、逆に、そのエンジン動作点が前記高圧縮比動作領域に属すれば、エンジン12を前記高圧縮比状態で動作させる。すなわち、電子制御装置100は、前記エンジン動作点が図5の圧縮比変更境界線Lbdを低エンジントルク側から高エンジントルク側に横切れば、ケースアクチュエータ78によりエンジン12を前記高圧縮比状態から前記低圧縮比状態に切り替える。逆に、前記エンジン動作点が圧縮比変更境界線Lbdを高エンジントルク側から低エンジントルク側に横切れば、ケースアクチュエータ78によりエンジン12を前記低圧縮比状態から前記高圧縮比状態に切り替える。
吸気管56内には、燃料噴射装置80により燃料が供給される箇所よりも上流部分に電子スロットル弁84が設けられており、その電子スロットル弁84は、電子制御装置100からの指令信号に従って作動する電動のスロットルアクチュエータ86により開閉作動させられる。電子制御装置100は、その電子スロットル弁84の開度θth(以下、スロットル開度θthという)を、基本的には、アクセルペダル88の操作量であるアクセル開度PAPが増加するほど増加するように制御する。
図3は、本実施例の車両用駆動装置10を制御するための制御装置として機能する電子制御装置100に対する入出力信号を例示した図である。この電子制御装置100は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことによりエンジン12や無段変速機18に関する車両制御を実行するものである。
電子制御装置100には、図3に示すように、エンジン回転速度センサ102、タービン回転速度センサ104、入力軸回転速度センサ106、出力軸回転速度センサ108、スロットルセンサ110、アクセル開度センサ112、フットブレーキスイッチ114などが接続されており、エンジン12の回転速度(エンジン回転速度)Ne、タービン軸34の回転速度(タービン回転速度)Nt、入力軸36の回転速度(入力軸回転速度)Nin、出力軸44の回転速度(出力軸回転速度)Nout、スロットル開度θth、アクセル開度PAP、常用ブレーキであるフットブレーキの操作の有無などを表す信号が供給されるようになっている。タービン回転速度Ntは、前進用クラッチC1が完全係合させられた前進走行時には入力軸回転速度Ninと一致する。また、無段変速機18の出力軸回転速度Noutは車速Vに対応するので、出力軸回転速度センサ108は車速センサとしても機能する。
また、電子制御装置100から、車両8に設けられた各装置に各種出力信号が供給されるようになっている。例えば、電子制御装置100は、燃料噴射装置80、点火装置82、およびスロットルアクチュエータ86に対し、エンジン12の出力制御を行うための指令信号を出力する。また、電子制御装置100は、ケースアクチュエータ78に対し、エンジン12の圧縮比εを変更するための指令信号を出力する。また、油圧制御回路116に含まれるソレノイド弁等に対し、無段変速機18の変速制御およびベルト挟圧力制御を行うための指令信号を出力する。油圧制御回路116は、電子制御装置100により励磁されて油路を開閉するソレノイド弁や油圧制御を行うリニアソレノイド弁、それらのソレノイド弁から出力される信号圧に従って油路を開閉したり油圧制御を行ったりする開閉弁、調圧弁などを備えて構成されている。
図4は、電子制御装置100に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。図4に示すように、電子制御装置100は、加速操作判断部としての加速操作判断手段120と、車両駆動状態判断部としての車両駆動状態判断手段122と、加速要求判断部としての加速要求判断手段124と、変速時間判断部としての変速時間判断手段128と、加速時変速制御部としての加速時変速制御手段130とを機能的に備えている。
加速操作判断手段120は、車両8を加速させる車両加速操作が例えば運転者によってなされたか否かを判断する。その運転者による前記車両加速操作とは、例えばアクセルペダル88の踏込操作、すなわち、アクセル開度PAPを増加させる操作である。従って、加速操作判断手段120は、アクセル開度センサ112によりアクセル開度PAPを逐次検出しており、アクセル開度PAPが増加方向に変化した場合には前記車両加速操作があったと判断する。
車両駆動状態判断手段122は、加速操作判断手段120により前記車両加速操作があったと判断された場合に、エンジン12の圧縮比εがケースアクチュエータ78によりその車両加速操作前に対して低下させられると共に無段変速機18の変速比γがその車両加速操作前に対して大きくされる変速すなわちダウン変速が行われるか否かを判断する。具体的に説明すると、車両駆動状態判断手段122は、先ず、前記車両加速操作前においてエンジン12が前記高圧縮比状態であるか否かを判断する。エンジン12が逆に前記低圧縮比状態であれば圧縮比εが前記車両加速操作前に対して低下させられることはないからである。その判断の結果、エンジン12が前記高圧縮比状態である場合には、無段変速機18のダウン変速が行われるか否かを、現在の車速Vおよびアクセル開度PAPに基づいて無段変速機18の変速制御用の前記変速マップから判断する。車両駆動状態判断手段122は、そのダウン変速が行われると判断した場合には、車速Vとそのダウン変速後の変速比γ及びスロットル開度θthとに基づいて、そのダウン変速後のエンジン動作点を予め求め、そのダウン変速後のエンジン動作点が前記低圧縮比動作領域に入るか否かを判断する。そして、そのダウン変速後のエンジン動作点が前記低圧縮比動作領域に入ると判断した場合には、エンジン12の圧縮比εが前記車両加速操作前に対して低下させられると共に無段変速機18のダウン変速が行われると判断する。なお、車両駆動状態判断手段122は、エンジン12の圧縮比εが前記車両加速操作前に対して低下させられると共に無段変速機18のダウン変速が行われるか否かの判断を、少なくとも、前記ダウン変速の開始前で且つケースアクチュエータ78がエンジン12を前記低圧縮比状態に切り替える動作の開始前に行う。
加速要求判断手段124は、エンジン12の圧縮比εが前記車両加速操作前に対して低下させられると共に無段変速機18のダウン変速が行われると車両駆動状態判断手段122により判断された場合には、加速操作判断手段120の判断対象になった前記車両加速操作での加速要求が予め定められた加速要求判定基準よりも大きいか否かを判断する。その加速要求とは運転者が車両8に対して要求している加速の程度を表す指標であり、運転者が速い加速(強い加速)を要求するほど前記加速要求は大きいということである。例えば、前記加速要求の大きさはアクセル開度PAPに基づいて判断され、具体例を挙げれば、前記車両加速操作後のアクセル開度PAP、その車両加速操作におけるアクセル開度PAPの増加量ΔPAP(以下、アクセル開度増加量ΔPAPという)、及び、その車両加速操作におけるアクセルペダル88の踏込速度すなわちアクセル開度PAPの増加速度dPAP/dt(以下、アクセル増加速度dPAP/dtという)の何れか1又は2以上のパラメータで与えられる。
また、前記加速要求判定基準は、その判定基準よりも大きい前記加速要求があれば運転者が燃費性能よりも高い加速応答性を強く要求していると判断できるように、予め実験的に求められ設定されている。例えば、前記加速要求判定基準は、アクセル開度PAPとアクセル開度増加量ΔPAPとアクセル増加速度dPAP/dtとの何れで定まるものであっても差し支えないが、本実施例では、前記加速要求判定基準として、アクセル開度PAPに対してはアクセル開度判定値XPAPが予め設定されており、アクセル開度増加量ΔPAPに対してはアクセル開度増加量判定値ΔXPAPが予め設定されており、アクセル増加速度dPAP/dtに対してはアクセル増加速度判定値XdPAP/dtが予め設定されている。要するに、前記加速要求判定基準は、そのアクセル開度判定値XPAPとアクセル開度増加量判定値ΔXPAPとアクセル増加速度判定値XdPAP/dtとで構成されている。そして、加速要求判断手段124は、前記車両加速操作後のアクセル開度PAPがアクセル開度判定値XPAPよりも大きい場合であって且つ、その車両加速操作におけるアクセル開度増加量ΔPAPがアクセル開度増加量判定値ΔXPAPよりも大きく又はその車両加速操作におけるアクセル増加速度dPAP/dtがアクセル増加速度判定値XdPAP/dtよりも大きい場合に、その車両加速操作での加速要求が前記加速要求判定基準よりも大きいと判断する。逆に、前記車両加速操作後のアクセル開度PAPがアクセル開度判定値XPAP以下である場合、又は、その車両加速操作におけるアクセル開度増加量ΔPAPがアクセル開度増加量判定値ΔXPAP以下であって且つその車両加速操作におけるアクセル増加速度dPAP/dtがアクセル増加速度判定値XdPAP/dt以下である場合に、その車両加速操作での加速要求が前記加速要求判定基準以下であると判断する。なお、前記アクセル開度判定値XPAPは、急加速時以外では使用されないようなアクセル開度PAP以上、例えば35%以上に設定されるのが好ましい。また、前記アクセル増加速度判定値XdPAP/dtと比較されるアクセル増加速度dPAP/dtは、前記車両加速操作における平均値であっても最大値であっても差し支えなく、予め何れかに決まっていればよい。
変速時間判断手段128は、加速要求判断手段124により前記車両加速操作での加速要求が前記加速要求判定基準よりも大きいと判断された場合には、その車両加速操作に起因した無段変速機18の変速開始時から前記加速要求に基づく目標エンジン出力Pet(例えば、図5の実線LPE2が示す目標エンジン出力Pet)が無段変速機18の変速に伴って得られるまでに要する変速時間T2すなわち加速時変速予定時間T2を、予め実験的に設定された変速時間マップから推定する。後述する図5で前記加速時変速予定時間T2を説明すると、前記加速時変速予定時間T2は、矢印AR21で示すように、前記車両加速操作前のエンジン動作点である点PTE01から、エンジン出力Pe(単位は例えばkW)が前記加速要求に基づく目標エンジン出力Petとなり且つ前記高圧縮比動作領域内で可及的に圧縮比変更境界線Lbdに近いエンジン動作点である点PTE02へ、エンジン動作点を移動させる無段変速機18の変速に要すると推定される変速時間である。前記加速要求に基づく目標エンジン出力Petは、例えば、運転者の意思に応じたエンジン出力Peが得られるように予め実験的に設定された関係から、現在の車速Vと前記車両加速操作後のアクセル開度PAPとに基づいて決定される。また、前記変速時間マップは、例えば、車速Vと、目標エンジン出力Petと、前記車両加速操作前のエンジン回転速度Ne及びスロットル開度θthとをパラメータとして、予め実験的に無段変速機18の変速を行ってそのときの変速時間を測定しておき、その実験的な測定により設定されている。
変速時間判断手段128は、このようにして前記加速時変速予定時間T2を推定すると、その加速時変速予定時間T2が予め定められた許容変速時間T0を超えるか否かを判断する。その許容変速時間T0は、例えば、車両加速操作時に変速に起因して運転者に加速応答性が悪いと感じさせないように且つ可及的に長い時間となるように、予め実験的に設定されている。
加速時変速制御手段130は、前記車両加速操作があった場合にエンジン12の圧縮比εをその車両加速操作前に対して低下させると共に無段変速機18のダウン変速を行う際には、前記車両加速操作での加速要求が大きいほど、ケースアクチュエータ78がエンジン12の圧縮比εを低下させる方向へ作動し始める圧縮比低下作動開始時を遅れさせることにより、その圧縮比低下作動開始時で達成されるエンジン出力Pe(以下、圧縮比切替時エンジン出力Pe01という)を大きくする圧縮比低下時遅延制御を行う。具体的には、無段変速機18の変速方法と圧縮比εを切り替えるタイミングとを、加速要求判断手段124および変速時間判断手段128の判断に応じて所定の選択肢の中から選択することで、前記圧縮比低下時遅延制御を行う。本実施例では、前記所定の選択肢として、走り方〔1〕と走り方〔2〕と走り方〔3〕とが予め設けられており、加速時変速制御手段130は、それら走り方〔1〕〜〔3〕のうち何れか一を選択する。それら走り方〔1〕〜〔3〕の各々について図5を用いて具体的に説明する。
図5は、エンジン回転速度NeとエンジントルクTeとをパラメータとする二次元座標で表されるエンジン12の動作領域内おいて、前記走り方〔1〕〜〔3〕の各々でのエンジン動作点の推移を示した図である。その図5では、前記車両加速操作前のエンジン動作点は点PTE01であって、その車両加速操作により最終的に到達すべきエンジン動作点の目標である最終目標エンジン動作点は点PTEfnであるとして説明する。図5において、二点鎖線Lbdは前記圧縮比変更境界線であり、破線L1efは、エンジン12が前記低圧縮比状態であるときの予め実験的に定められたエンジン動作曲線の一種であって、同一のエンジン出力Peの下でエンジン熱効率が最高になるエンジン動作点を連ねた燃費最適線(第1燃費最適線)である。また、実線LPE1は前記車両加速操作前のエンジン出力Peを表す等出力線であって、点PTE01はその実線LPE1上に位置している。また、実線LPE2は、前記車両加速操作により達成されるべき目標エンジン出力Petすなわちその車両加速操作での前記加速要求に基づく目標エンジン出力Petを表す等出力線であって、点PTEfnはその実線LPE2と破線L1efとの交点である。図5では、前記走り方〔1〕〜〔3〕のうち何れが選択されても、前記エンジン動作点が点PTE01から最終的には点PTEfnに移動するように、無段変速機18の変速が行われ且つスロットル開度θthが制御される。
加速時変速制御手段130は、加速要求判断手段124により前記車両加速操作での加速要求が前記加速要求判定基準よりも大きくはないと判断された場合すなわちその車両加速操作での加速要求がその加速要求判定基準以下であると判断された場合には、前記走り方〔1〕を選択する。その走り方〔1〕を選択した場合には、無段変速機18の変速比γを制御することによりエンジン回転速度Neの上昇よりもエンジントルクTeの増大を優先して、図5において矢印AR11のように前記エンジン動作点を推移させる。これにより、前記エンジン動作点は点PTE01から点PTEfnに至ることになる。そうすると、ケースアクチュエータ78は、そのエンジン動作点が圧縮比変更境界線Lbdを横切った時すなわちエンジン動作点が矢印AR11と圧縮比変更境界線Lbdとの交点に至った時に、エンジン12の圧縮比εを低下させる方向へ作動し始める。
また、加速時変速制御手段130は、加速要求判断手段124により前記車両加速操作での加速要求が前記加速要求判定基準よりも大きいと判断された場合には、前記走り方〔2〕を選択する。その走り方〔2〕を選択した場合には、前記エンジン動作点が前記走り方〔1〕のように直接に前記最終目標エンジン動作点(点PTEfn)に至るようにはしない。具体的に前記走り方〔2〕を選択した場合には、前記加速要求の大きさに基づく目標エンジン出力Petすなわち図5の実線LPE2が示す目標エンジン出力Petが無段変速機18の変速に伴って得られた後に、エンジン12の圧縮比εを低下させる方向へケースアクチュエータ78を作動させる。詳細に説明すると、加速時変速制御手段130は、前記走り方〔2〕を選択した場合には、先ず、変速開始前に暫定的な目標エンジン動作点である点PTE02を決定する。その暫定的な目標エンジン動作点(点PTE02)は、例えば、実線LPE2上であって且つ前記高圧縮比動作領域内に確実に入りつつ可及的に圧縮比変更境界線Lbdに近くなるように決定される。前記暫定的な目標エンジン動作点(点PTE02)を決定すると、無段変速機18の変速比γを制御することにより、図5において矢印AR21のように前記エンジン動作点を前記高圧縮比動作領域内で点PTE01から点PTE02にまで推移させる。そして、エンジン動作点が点PTE02に到達した後に、実線LPE2が示す目標エンジン出力Petにエンジン出力Peを保持しつつ、矢印AR22のように前記エンジン動作点を前記最終目標エンジン動作点(点PTEfn)にまで推移させる。そうすると、ケースアクチュエータ78は、そのエンジン動作点が圧縮比変更境界線Lbdを横切った時すなわちエンジン動作点が実線LPE2と圧縮比変更境界線Lbdとの交点に至った時に、エンジン12の圧縮比εを低下させる方向へ作動し始める。前記走り方〔2〕が選択された場合には、このように前記エンジン動作点が推移させられることにより、前記走り方〔1〕と比較して前記圧縮比低下作動開始時が時間的に遅延されることになる。そして、前記圧縮比低下作動開始時で達成されるエンジン出力Peは、前記走り方〔1〕が選択された場合には矢印AR11と圧縮比変更境界線Lbdとの交点でのエンジン出力Peであり、前記走り方〔2〕が選択された場合には実線LPE2が示すエンジン出力Peであるので、前記走り方〔2〕が選択された場合の方が前記走り方〔1〕が選択された場合よりも大きくなる。
加速時変速制御手段130は、加速要求判断手段124により前記車両加速操作での加速要求が前記加速要求判定基準よりも大きいと判断された場合には、基本的には、上述のように前記走り方〔2〕を選択する。但し、変速時間判断手段128により前記加速時変速予定時間T2が前記許容変速時間T0を超えると判断された場合、言い換えれば、その加速時変速予定時間T2がその許容変速時間T0を超えると推定された場合には、前記走り方〔3〕を選択する。加速時変速制御手段130は、その走り方〔3〕を選択した場合には、前記加速要求が前記加速要求判定基準以下である場合の前記圧縮比低下作動開始時よりも時間的に遅い時であって実線LPE2が示す目標エンジン出力Petが得られる前に、エンジン12の圧縮比εを低下させる方向へケースアクチュエータ78を作動させる。前記加速要求が前記加速要求判定基準以下である場合の前記圧縮比低下作動開始時とは、前記走り方〔1〕が選択された場合の前記圧縮比低下作動開始時である。そして、その走り方〔1〕が選択された場合の圧縮比低下作動開始時は、予め実験的に測定しておき、無段変速機18の変速開始前にその測定結果から推定される。具体的に加速時変速制御手段130は、前記走り方〔3〕を選択した場合には、先ず、前記走り方〔2〕と同様にして矢印AR21のように前記エンジン動作点を前記高圧縮比動作領域内で点PTE02に向けて推移させるが、実線LPE2が示す目標エンジン出力Petよりも所定の出力幅だけ小さい暫定的な目標エンジン出力Petにエンジン出力Peが到達した時点で無段変速機18の変速比γの増大を停止する。すなわち、図5において前記エンジン動作点が点PTE03に到達した時点で無段変速機18の変速比γの増大を停止する。前記暫定的な目標エンジン出力Petを決めるための前記所定の出力幅は、前記走り方〔1〕が選択された場合の前記圧縮比低下作動開始時よりも遅い時にエンジン出力Peが前記暫定的な目標エンジン出力Petに到達するように設定されていれば、例えば一定値であってもよい。また、その暫定的な目標エンジン出力Petを表す等出力線は図5では破線LPE3であって、点PTE03はその破線LPE3と矢印AR21との交点である。加速時変速制御手段130は、図5において前記エンジン動作点を点PTE03に到達させると、無段変速機18の変速比γを固定したまま、実線LPE2が示す目標エンジン出力Petが得られるまで、エンジントルクTeの増大により矢印AR31のように前記エンジン動作点を推移させる。そうすると、ケースアクチュエータ78は、そのエンジン動作点が圧縮比変更境界線Lbdを横切った時すなわちエンジン動作点が矢印AR31と圧縮比変更境界線Lbdとの交点に至った時に、エンジン12の圧縮比εを低下させる方向へ作動し始める。そして、加速時変速制御手段130は、実線LPE2が示す目標エンジン出力Petが得られた後に、その実線LPE2が示す目標エンジン出力Petにエンジン出力Peを保持しつつ、矢印AR32のように前記エンジン動作点を前記最終目標エンジン動作点(点PTEfn)にまで推移させる。前記走り方〔3〕が選択された場合にも、このように前記エンジン動作点が推移させられることにより、前記走り方〔1〕と比較して前記圧縮比低下作動開始時が時間的に遅延されることになる。そして、前記走り方〔3〕が選択された場合における前記圧縮比低下作動開始時で達成されるエンジン出力Peは、図5から判るように、前記走り方〔2〕が選択された場合よりも小さくなるものの、前記走り方〔1〕が選択された場合よりは大きくなる。なお、前記暫定的な目標エンジン出力Petを決めるための前記所定の出力幅は、前記エンジン動作点が点PTE01から点PTE03に到達するまでに要する変速時間T3が前記許容変速時間T0以下になるように、設定されていることが好ましい。
図6は、電子制御装置100の制御作動の要部、すなわち、前記車両加速操作があった場合にエンジン12の圧縮比εをその車両加速操作前に対して低下させると共に無段変速機18のダウン変速を行う制御作動を説明するためのフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。この図6に示す制御作動は、単独で或いは他の制御作動と並列的に実行される。この図6のフローチャートは、エンジン12の圧縮比εが前記車両加速操作前に対して低下させられると共に無段変速機18のダウン変速が行われると車両駆動状態判断手段122により判断された場合に開始される。
先ず、加速要求判断手段124に対応するステップ(以下、「ステップ」を省略する)SA1においては、前記車両加速操作での加速要求が予め定められた前記加速要求判定基準よりも大きいか否かが判断される。要するに、運転者が強い加速を要求しているか否かが判断される。このSA1の判断が肯定された場合、すなわち、前記車両加速操作での加速要求が予め定められた前記加速要求判定基準よりも大きい場合には、SA2に移る。一方、このSA1の判断が否定された場合には、SA3に移る。
変速時間判断手段128に対応するSA2においては、前記加速時変速予定時間T2が推定され、その推定された加速時変速予定時間T2が予め定められた前記許容変速時間T0を超えるか否かが判断される。前記加速時変速予定時間T2とは、図5で言えば、前記エンジン動作点が矢印AR21で示すように移動させられ、実線LPE2が示す目標エンジン出力Petへエンジン出力Peが至るまでの変速時間の推定値である。このSA2の判断が肯定された場合、すなわち、前記加速時変速予定時間T2が前記許容変速時間T0を超えると推定された場合には、SA5に移る。一方、このSA2の判断が否定された場合には、SA4に移る。
SA3においては、前記走り方〔1〕が選択される。すなわち、図5で説明すれば、前記エンジン動作点は、無段変速機18の変速比γが制御されることにより、矢印AR11のように点PTE01から点PTEfnへと推移する。そのため、前記圧縮比低下作動開始時が、前記走り方〔2〕または前記走り方〔3〕が選択された場合と比較して加速初期になる。
SA4においては、前記走り方〔2〕が選択される。すなわち、図5で説明すれば、前記エンジン動作点は、無段変速機18の変速比γが制御されることにより、矢印AR21のように点PTE01から点PTE02へと推移し、その後、矢印AR22のように点PTE02から点PTEfnへと推移する。
SA5においては、前記走り方〔3〕が選択される。すなわち、図5で説明すれば、前記エンジン動作点は、無段変速機18の変速比γが制御されることにより、矢印AR21のように点PTE01から点PTE02へ至る途中の点PTE03にまで推移し、その後、エンジン回転速度Neが保持されつつ点PTE03から矢印AR31のように推移してから、矢印AR32のように点PTEfnへと推移する。なお、SA3からSA5は加速時変速制御手段130に対応する。
上述した本実施例では、次のような効果(A1)乃至(A3)がある。(A1)本実施例によれば、電子制御装置100は、前記運転者による車両加速操作があった場合にケースアクチュエータ78によりエンジン12の圧縮比εをその車両加速操作前に対して低下させると共に無段変速機18の変速比γをその車両加速操作前に対して大きくする変速(ダウン変速)を行う際には、前記車両加速操作での加速要求が大きいほど、ケースアクチュエータ78がエンジン12の圧縮比εを低下させる方向へ作動し始める前記圧縮比低下作動開始時を遅れさせることにより、その圧縮比低下作動開始時で達成されるエンジン出力Pe(圧縮比切替時エンジン出力Pe01)を大きくする。従って、前記車両加速操作での加速要求が小さければ、早期にエンジン12の圧縮比εが低下させられるので、燃費性能を重視してエンジン12が運転される一方で、前記車両加速操作での加速要求が大きければ、無段変速機18の変速に伴い早期にエンジン出力Peが増大されるので、加速応答性を重視してエンジン12が運転される。言い換えれば、前記加速要求が大きいほど、エンジン出力Peの立上がりが重視されて、ケースアクチュエータ78の作動時間によるエンジン出力Peの立上がり遅れが抑えられる。そのため、前記加速要求に応じて、燃費性能とドライバビリティとの両立を図ることができる。
(A2)また、本実施例によれば、電子制御装置100は、前記車両加速操作があった場合にケースアクチュエータ78によりエンジン12の圧縮比εをその車両加速操作前に対して低下させると共に無段変速機18の変速比γをその車両加速操作前に対して大きくする変速を行う際に、前記加速要求が予め定められた前記加速要求判定基準よりも大きい場合には、前記走り方〔2〕を選択する。そして、その場合には、前記加速要求の大きさに基づく目標エンジン出力Petすなわち図5の実線LPE2が示す目標エンジン出力Petが無段変速機18の変速に伴って得られた後に、エンジン12の圧縮比εを低下させる方向へケースアクチュエータ78を作動させる。従って、前記加速要求判定基準を予め定めておくことで、前記加速要求に応じて、燃費性能とドライバビリティとの両立を容易に図ることが可能である。また、前記加速要求が前記加速要求判定基準よりも大きい場合には、エンジン12の圧縮比εが低下させられる前に前記目標エンジン出力Pet(実線LPE2が示す目標エンジン出力Pet)を得ることができるので、その目標エンジン出力Petを早期に得やすくなり、加速応答性を向上させ易くなる。
(A3)また、本実施例によれば、電子制御装置100は、前記車両加速操作での加速要求が前記加速要求判定基準よりも大きい場合において、その車両加速操作に起因した無段変速機18の変速開始時から前記加速要求に基づく目標エンジン出力Petが無段変速機18の変速に伴って得られるまでに要する変速時間T2(加速時変速予定時間T2)が予め定められた前記許容変速時間T0を超えると推定された場合には、前記加速要求が前記加速要求判定基準以下である場合の前記圧縮比低下作動開始時よりも遅い時であって前記加速要求に基づく目標エンジン出力Petが得られる前に、無段変速機18の変速比γを増大方向に変化させることを停止して、その停止後にエンジン12の圧縮比εを低下させる方向へケースアクチュエータ78を作動させる。従って、前記車両加速操作に起因して無段変速機18の変速比γが増大方向に変化する際に、その変速比γが増大方向に変化する変速に要する時間が長期化することが抑えられ、それにより、加速応答性が無段変速機18の変速により悪化していると運転者に感じさせることを抑制することが可能である。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において実施例相互に共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図1に示す本実施例(実施例2)の車両208は、電子制御装置100に換えて電子制御装置210を有している点が前述の実施例1の車両8に対して異なるが、それ以外では実施例1の車両8と同じである。
図7は、本実施例の電子制御装置210に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。図7に示すように、電子制御装置210は、前述の実施例1の電子制御装置100と同様に、加速操作判断手段120と車両駆動状態判断手段122と加速要求判断手段124とを機能的に備えている。そして、電子制御装置210は、前述の実施例1とは異なり、加速時変速制御部である加速時変速制御手段212を機能的に備えている。
加速時変速制御手段212は、前述の実施例1の加速時変速制御手段130と比較して、前記走り方〔2〕又は前記走り方〔3〕ではなく走り方〔4〕を選択するという点が異なるが、それ以外の点では加速時変速制御手段130と同じである。すなわち、加速時変速制御手段212は、加速要求判断手段124により前記車両加速操作での加速要求が前記加速要求判定基準よりも大きくはないと判断された場合には、前述の実施例1と同じ前記走り方〔1〕を選択する。その一方で、加速要求判断手段124により前記車両加速操作での加速要求が前記加速要求判定基準よりも大きいと判断された場合には、前記走り方〔4〕を選択する。その走り方〔4〕について図8を用いて具体的に説明する。
図8は、図5と同じ二次元座標で表されるエンジン12の動作領域内おいて、前記走り方〔1〕と走り方〔4〕との各々でのエンジン動作点の推移を示した図である。その図8の点PTE01、点PTEfn、二点鎖線Lbd、破線L1ef、実線LPE1、実線LPE2、及び矢印AR11は、図5と同じである。図8では、一点鎖線L2efは、エンジン12が前記高圧縮比状態であるときの予め実験的に定められたエンジン動作曲線の一種であって、同一のエンジン出力Peの下でエンジン熱効率が最高になるエンジン動作点を連ねた燃費最適線(第2燃費最適線)である。図8でも図5での説明と同様に、前記車両加速操作前のエンジン動作点は点PTE01であって前記最終目標エンジン動作点は点PTEfnであるとして説明する。すなわち、図8では、前記走り方〔1〕と前記走り方〔4〕との何れが選択されても、前記エンジン動作点が点PTE01から最終的には点PTEfnに移動するように、無段変速機18の変速が行われ且つスロットル開度θthが制御される。なお、前記走り方〔1〕については前述の実施例1と同じであるので、その説明を省略する。
加速時変速制御手段212は、加速要求判断手段124により前記車両加速操作での加速要求が前記加速要求判定基準よりも大きいと判断された場合には、前記走り方〔4〕を選択する。その走り方〔4〕を選択した場合には、前記エンジン動作点が前記走り方〔1〕のように直接に前記最終目標エンジン動作点(点PTEfn)に至るようにはしない。具体的に、加速時変速制御手段212は、その走り方〔4〕を選択した場合には、前記エンジン動作点が圧縮比変更境界線Lbdを横切ってもエンジン12の圧縮比εを保持したまま、前記加速要求の大きさに基づく目標エンジン出力Petすなわち実線LPE2が示す目標エンジン出力Petが得られるように且つエンジン12の熱効率が前記車両加速操作前と比較して同等以上(例えば、前記車両加速操作前以上)になるように、無段変速機18の変速を行う。そして、その実線LPE2が示す目標エンジン出力Petが得られた後に、エンジン12の圧縮比εを低下させる方向へケースアクチュエータ78を作動させる。図8を用いて詳細に説明すると、加速時変速制御手段212は、前記走り方〔4〕を選択した場合には、先ず、変速開始前に暫定的な目標エンジン動作点である点PTE04を決定する。その暫定的な目標エンジン動作点(点PTE04)は、例えば、実線LPE2と一点鎖線L2efとの交点またはその近傍に決定される。前記暫定的な目標エンジン動作点(点PTE04)を決定すると、無段変速機18の変速比γを制御することにより、図8において矢印AR41のように前記エンジン動作点を点PTE01から点PTE04にまで推移させる。このとき、前記エンジン動作点は圧縮比変更境界線Lbdを横切ることになるが、加速時変速制御手段212は、例外的に、エンジン12を前記高圧縮比状態のまま保持する。そして、エンジン動作点が点PTE04に到達した後に、加速時変速制御手段212は、エンジン12の圧縮比εを低下させる方向へのケースアクチュエータ78の作動を開始させると共に、実線LPE2が示す目標エンジン出力Petにエンジン出力Peを保持しつつ、矢印AR42のように前記エンジン動作点を前記最終目標エンジン動作点(点PTEfn)にまで推移させる。前記走り方〔4〕が選択された場合には、このように前記エンジン動作点が推移させられると共にケースアクチュエータ78が作動させられることにより、前記走り方〔1〕と比較して前記圧縮比低下作動開始時が時間的に遅延されることになる。そして、前記圧縮比低下作動開始時で達成されるエンジン出力Peは、前記走り方〔1〕が選択された場合には矢印AR11と圧縮比変更境界線Lbdとの交点でのエンジン出力Peであり、前記走り方〔4〕が選択された場合には実線LPE2が示すエンジン出力Peであるので、前記走り方〔4〕が選択された場合の方が前記走り方〔1〕が選択された場合よりも大きくなる。
図9は、電子制御装置210の制御作動の要部、すなわち、前記車両加速操作があった場合にエンジン12の圧縮比εをその車両加速操作前に対して低下させると共に無段変速機18のダウン変速を行う制御作動を説明するためのフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。この図9に示す制御作動は、単独で或いは他の制御作動と並列的に実行される。この図9のフローチャートは、エンジン12の圧縮比εが前記車両加速操作前に対して低下させられると共に無段変速機18のダウン変速が行われると車両駆動状態判断手段122により判断された場合に開始される。図9のSB1は図6のSA1と同じであり、図9のSB2は図6のSA3と同じであるので、SB1およびSB2の説明は省略する。
図9のフローチャートでは、SB1の判断が肯定された場合にSB3に移る。そのSB3においては、前記走り方〔4〕が選択される。すなわち、図8で説明すれば、前記エンジン動作点は、エンジン12が前記高圧縮比状態のまま無段変速機18の変速比γが制御されることにより、矢印AR41のように点PTE01から点PTE04へと推移し、その後、エンジン12が前記高圧縮比状態から前記低圧縮比状態へ切り替えられると共に、前記エンジン動作点は矢印AR42のように点PTE04から点PTEfnへと推移する。なお、SB2及びSB3は加速時変速制御手段212に対応する。
本実施例では、前述した実施例1の効果(A1)及び(A2)に加え更に次のような効果(B1)がある。(B1)本実施例によれば、電子制御装置210は、前記加速要求が予め定められた前記加速要求判定基準よりも大きい場合には、前記エンジン動作点が圧縮比変更境界線Lbdを横切ってもエンジン12の圧縮比εを保持したまま、前記加速要求の大きさに基づく目標エンジン出力Petすなわち実線LPE2(図8参照)が示す目標エンジン出力Petが得られるように且つエンジン12の熱効率が前記車両加速操作前と比較して同等以上になるように、無段変速機18の変速を行う。そして、その実線LPE2が示す目標エンジン出力Petが得られた後に、エンジン12の圧縮比εを低下させる方向へケースアクチュエータ78を作動させる。従って、前記圧縮比低下作動開始時を、前記加速要求が前記加速要求判定基準よりも大きい場合に例外的に遅らせることで、前記加速要求に応じて、燃費性能とドライバビリティとの両立を図ることができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
例えば、前述の実施例1,2において、エンジン12はガソリンエンジンであるが、ディーゼルエンジンなど他の形式のエンジンであっても差し支えない。
また、前述の実施例1,2において、前記車両加速操作の例としてアクセルペダル88の踏込操作が挙げられているが、その車両加速操作は、アクセルペダル88の踏込操作に限らず、例えば運転者が設定した車速Vで自動的に走行する自動走行時にその設定された車速Vを引き上げる運転者の操作であっても差し支えない。
また、前述の実施例1において、図6のフローチャートがSA2及びSA5を備えておらず、そのフローチャートはSA1の判断が肯定された場合にSA4に移るものであっても差し支えない。
また、前述の実施例1,2において、エンジン12の圧縮比εは、シリンダヘッド52及び上部ブロック68が下部ブロック70に対し、クランク軸13の径方向に移動させられることで変更されるが、コネクティングロッド74の有効長が伸縮されることで変更されても差し支えない。
また、前述の実施例1,2において、ケースアクチュエータ78がエンジン12の圧縮比εを変更する前記圧縮比変更機構として機能するが、エンジン12の圧縮比εは、吸気弁62の開閉時期と排気弁64の開閉時期との何れか又は全部を調節することにより変更されても差し支えない。そのようにした場合には、ケースアクチュエータ78は必要ではなく、吸気弁62と排気弁64とをそれぞれ開閉させるカム等を含む弁開閉機構が前記圧縮比変更機構として機能することになる。
また、前述の実施例1,2において、前記加速要求の大きさは、具体的にはアクセル開度PAPに基づいて判断されるが、他の検出値によって判断されても差し支えない。
また、前述の実施例1,2において、車両用駆動装置10は自動変速機として無段変速機18を備えているが、例えば、その無段変速機18はベルト式ではなくトロイダルコーン式の無段変速機であっても差し支えない。また、車両用駆動装置10は、自動変速機として、無段変速機18ではなく有段変速機を備えていても差し支えない。
また、前述の実施例1,2において、車両用駆動装置10はトルクコンバータ14を備えているが、そのトルクコンバータ14を備えていない構成であっても差し支えない。
また、前述の実施例1,2において、車両用駆動装置10は走行用駆動力源としてエンジン12だけを備えているが、そのエンジン12に加えて電動機を走行用駆動力源として備えていても差し支えない。すなわち、車両8,208はハイブリッド車両であっても差し支えない。
また前述した複数の実施例はそれぞれ、例えば優先順位を設けるなどして、相互に組み合わせて実施することができる。
8,208:車両
10:車両用駆動装置
12:エンジン
18:ベルト式無段変速機(自動変速機)
24L、24R:駆動輪
78:ケースアクチュエータ(圧縮比変更機構)
100,210:電子制御装置(制御装置)

Claims (4)

  1. 圧縮比を変更する圧縮比変更機構を備えたエンジンと、該エンジンから駆動輪への動力伝達経路の一部を構成する自動変速機とを備えた車両用駆動装置の制御装置であって、
    運転者による車両加速操作があった場合に前記圧縮比変更機構により該車両加速操作前に対して前記エンジンの圧縮比を低下させると共に前記自動変速機の変速比を該車両加速操作前に対して大きくする変速を行う際には、前記車両加速操作での加速要求が大きいほど、前記圧縮比変更機構が前記エンジンの圧縮比を低下させる方向へ作動し始める圧縮比低下作動開始時を遅れさせることにより、該圧縮比低下作動開始時で達成される前記エンジンの出力を大きくする
    ことを特徴とする車両用駆動装置の制御装置。
  2. 前記車両加速操作があった場合に前記圧縮比変更機構により該車両加速操作前に対して前記エンジンの圧縮比を低下させると共に前記自動変速機の変速比を該車両加速操作前に対して大きくする変速を行う際に、前記加速要求が予め定められた加速要求判定基準よりも大きい場合には、前記加速要求の大きさに基づく目標エンジン出力が前記自動変速機の変速に伴って得られた後に、前記エンジンの圧縮比を低下させる方向へ前記圧縮比変更機構を作動させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動装置の制御装置。
  3. 前記加速要求が前記加速要求判定基準よりも大きい場合において、前記車両加速操作に起因した前記自動変速機の変速開始時から前記目標エンジン出力が前記自動変速機の変速に伴って得られるまでに要する変速時間が予め定められた許容変速時間を超えると推定された場合には、前記加速要求が前記加速要求判定基準以下である場合の前記圧縮比低下作動開始時よりも遅い時であって前記目標エンジン出力が得られる前に、前記自動変速機の変速比を増大方向に変化させることを停止して、該停止後に前記エンジンの圧縮比を低下させる方向へ前記圧縮比変更機構を作動させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両用駆動装置の制御装置。
  4. 前記エンジンの動作領域内に、前記エンジンの圧縮比を切り替える圧縮比変更境界線が予め定められており、
    前記加速要求が前記加速要求判定基準よりも大きい場合には、前記エンジンの動作点が前記圧縮比変更境界線を横切っても前記エンジンの圧縮比を保持したまま、前記目標エンジン出力が得られるように且つ前記エンジンの熱効率が前記車両加速操作前と比較して同等以上になるように、前記自動変速機の変速を行い、
    前記目標エンジン出力が得られた後に、前記エンジンの圧縮比を低下させる方向へ前記圧縮比変更機構を作動させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両用駆動装置の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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