JP2016023394A - 高視認性織物 - Google Patents

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Abstract

【課題】視認性に優れた蛍光色が長期間着用しても維持されており、かつ吸汗性や吸湿性にも優れた高視認性の薄地織物を安定的に供給することを技術的な課題とするものである。
【解決手段】芯層と鞘層とからなり、芯層がセルロース繊維、鞘層がポリエステル短繊維により構成され、芯層と鞘層の質量比が芯:鞘=20:80〜40:60である芯鞘複合紡績糸によって構成される織物であり、ポリエステル短繊維が、蛍光黄色、蛍光橙色あるいは蛍光赤色のいずれかの色彩に着色されてなる高視認性織物。前記織物が、芯鞘複合紡績糸とポリエステル繊維のみで構成される糸からなり、ポリエステル繊維のみで構成される糸もまた蛍光黄色、蛍光橙色あるいは蛍光赤色のいずれかの色彩に着色されていることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高視認性の織物に関するものであり、特に薄地の高視認性織物に関するものである。
自動車や電車・列車等の車両や、航空機、船舶等、高速で移動する乗り物の近くでの作業に従事する者は、常に接触事故の危険を伴っている。そのため、視覚で認識しやすいように、蛍光色や鮮明色の生地や再起反射素材を使用した視認性の高い安全作業服を着用する必要がある。例えばEU諸国においては、特定の業務に従事する者は、EN―ISO20471規格に規定された高視認性安全作業服の着用が義務付けられている。この様な高視認性安全作業服については、日本においても必要性が高まっている。
欧州におけるEN−ISO20471規格を例にとると、高視認性安全作業服は、視覚的な認識効果に優れた特定の蛍光色に着色された生地と、光に対する再起反射性を有する素材をそれぞれ一定面積以上使用した衣類を着用する必要がある。これは、微細な違いはあるにせよ、米国規格協会の規定するANSI 107−1999規格等も同様の基準である。高視認性を付与した布帛に関する技術としては特許文献1が挙げられる。この技術によれば、ANSI 107−1999に適合する高視認性の色調に染色された布帛が開示されているが、屋外における太陽光が照射される環境下で長期に亘って使用した際の色調の退色については何ら言及したものではない。
日本をはじめとするアジア諸国では、欧米と比較して太陽光の照射が強く、蛍光着色された生地の耐光堅牢度を維持するのが難しい。特に綿やレーヨン等、吸汗性・吸湿性に優れたセルロース繊維は一般的にポリエステル等の合成繊維に比べて堅牢度の維持が難しいため、セルロース繊維を含む生地については太陽光による変色の懸念が高く、結果として吸汗性・吸湿性に乏しいポリエステル等の合成繊維のみを素材として使用せざるを得ない状況であった。そこで、本出願人は、このような状況下、吸汗性にも優れ、太陽光が照射される環境下で長期に亘って使用しても褪色しにくい高視認性の織物および衣服を提案している(特許文献2)。この技術によれば、表組織と裏組織とかなる重ね織物において、それぞれの組織に特定の繊維を配することにより長期に亘って太陽光に照射されても褪色しにくいという効果を奏する。
特表2008−509297号公報 特願2013−62173号公報
上記した特許文献2の技術は、重ね織物を採用しており、比較的厚みを有し、しっかりした形状であるため、安全作業服として非常に適している。本発明者は、特許文献2のごとき厚みを有するものではなく、比較的薄手の生地であっても同様に視認性に優れた蛍光色が長期間着用しても維持されており、かつ吸汗性や吸放湿性にも優れた高視認性の生地を得ることはできないかと考えた。
本発明は、シャツ地などの薄手の生地であって、視認性に優れた蛍光色が長期間着用しても維持されており、かつ吸汗性や吸放湿性にも優れて快適に着用できる高視認性の生地を提供すること技術的な課題とする。
本発明は、芯層と鞘層とからなり、芯層がセルロース繊維、鞘層がポリエステル短繊維により構成され、芯層と鞘層の質量比が芯:鞘=20:80〜40:60である芯鞘複合紡績糸によって構成される織物であり、鞘層を構成するポリエステル短繊維が、蛍光黄色、蛍光橙色あるいは蛍光赤色のいずれかの色彩に着色されてなることを特徴とする高視認性織物を要旨とするものである。
以下、本発明について説明する。
本発明の高視認性織物は、芯層にセルロース繊維、鞘層にポリエステル短繊維が配され、芯層と鞘層の質量比が芯部:鞘部=20:80〜40:60である芯鞘複合紡績糸によって構成されている。特許文献2に開示した表組織と裏組織とからなる重ね織物では、セルロース繊維を表生地(表組織)の裏側に配することになるため、厚みが薄くできないことから、本発明が目的とする薄地の生地を得ることができない。そこで、本発明では、織物を構成する糸自体を芯鞘の二層構造とし、芯層にセルロース繊維を配して、これを鞘層に配するポリエステル短繊維で包み込んだ芯鞘複合紡績糸とすることで、セルロース繊維を生地表面に露出させることなく、厚みが厚くならずに薄い生地を得ることが可能になる。
ここで、本発明の高視認性織物に用いられる芯鞘複合紡績糸は、蛍光色を長期間着用しても維持しうるために、鞘層のポリエステル短繊維は、芯部のセルロース繊維を十分に被覆させる。芯鞘複合紡績糸は、公知の方法により得ることができるが、本発明で効果を発揮できる高い被覆率を達成するためには、芯鞘比率を芯:鞘=20:80〜40:60にする必要があり、望ましくは20:80〜30:70である。芯層の比率が20%に満たない場合は、吸汗性や吸湿性を十分に発揮できず、衣服内の快適性を維持できなくなる懸念がある。逆に芯層比率が40%を超える場合、芯鞘複合紡績糸における鞘層の被覆が十分でなくなり、芯層のセルロース繊維が糸表面に露出する可能性があり、色相のずれや耐光堅牢度の低下等を起こす懸念がある。
本発明の高視認性織物は、シャツ地用途を想定していることから、織組織は、生地が厚くならない組織とし、二重や三重の重ね織組織を有さない通常の重ね織でない一重の織物である。組織は、重ね織でない一重の織組織であれば特に制限されず、平織、綾織、朱子織等が挙げられる。なお、織物の組織が、開口した箇所を意図的に設けた織組織の場合、開口部には生地が存在せず生地の下の色目が表側に表出することとなるため、後述する色相を測定する際には、本来の色相が求められない場合があり、開口部分を測定に入れないように注意を要する。
高視認性織物の目付は、織物を適用する用途に応じて適宜選択すればよいが、薄地の織物を想定していることから、目付200g/m以下であることが好ましく、185g/m以下であることがより好ましい。
本発明の高視認性織物は、上記した芯鞘複合紡績糸のみにより構成されるものであってもよいが、ポリエステル繊維のみからなる糸条と交織してもよい。例えば、経糸にポリエステル繊維のみからなる糸条を配し、緯糸に芯鞘複合紡績糸を配して交織したり、その逆に配することにより交織したり、経糸または緯糸に、ポリエステル繊維のみからなる糸条と芯鞘複合紡績糸とを数本おきに交互に配することにより交織したりするとよい。ポリエステル繊維のみからなる糸条は、連続繊維からなるマルチフィラメント糸であっても、短繊維からなる紡績糸であっても、また、連続繊維と短繊維とが複合してなる長短複合糸であってもよく、適宜選択すればよい。特に、連続繊維からなるマルチフィラメント糸であって、仮撚加工されてなる仮撚加工糸を好ましく用いる。
本発明の高視認性織物は、上述したように、芯鞘比率を選択することにより、芯層をほぼ完全に覆っている鞘層(ポリエステル繊維)が糸表面に表出してなる芯鞘紡績糸により構成されることから、生地表面は鞘層を構成するポリエステル繊維が表出してなる構成となっており、該ポリエステル繊維が、蛍光黄色、蛍光橙色あるいは蛍光赤色のいずれかの色彩に着色されている。本発明の織物においては、生地表面、すなわち芯鞘複合紡績糸表面は、高視認性の機能を奏するために鮮明な蛍光色を発色し、一方、芯鞘複合紡績糸の芯層(セルロース系繊維)は、この織物を衣料とした際に吸汗性・吸湿性の機能を果たし、衣服内の快適性を保持する。なお、芯鞘複合紡績糸の芯層に配する繊維はセルロース系繊維であるが、この芯層のセルロース系繊維は、生地を構成する繊維全体の10質量%以上の比率を占めることが吸湿性の観点から好ましい。
本発明に用いるポリエステル繊維は、一般に汎用性が高く機械的強度にも優れるポリエチレンテレフタレート繊維を好ましく用いる。
ポリエステル繊維における二酸化チタンの含有量は、多くとも1質量%以下であることが好ましい。二酸化チタンの含有量が1質量%を超えると、光沢感が減少して発色性および視認性が低下し、加えて二酸化チタンが太陽光によって励起して蛍光染料に作用し、耐光堅牢度等の低下を起こす懸念があるためである。なお、二酸化チタンの含有量は、耐光堅牢度を低下させないことを考慮すれば、ゼロに近くなるほど好ましいが、繊維を製造する際の製糸性や表面光沢感の抑制を考慮して0.5質量%以下の範囲で少量含まれていることが好ましい。
芯鞘複合紡績糸の芯層を構成するセルロース系繊維としては、特に限定されるものではなく、綿やレーヨン、キュプラ、リヨセル等が挙げられる。織物の用途として、作業服として用いる場合、洗濯回数が多い用途であることを考慮すると綿が最も好適である。芯層にセルロース系繊維を配する理由は、本発明の織物は、例えば、車両との接触事故の危険を伴う場所等での作業者が着用する安全作業服等として使用するものであり、作業中には非常に多くの発汗を伴うことから、セルロース系繊維を配することにより、衣服内の蒸れた空気を吸収して外気へ放出することができることにある。
吸湿能力は、後述するRMA(Real Moisture Absorption)により評価することができる。RMAは、25℃、60%RHの常温常湿雰囲気下より34℃、90%RHの高温高湿雰囲気に生地を移動させたときの生地の吸湿能力を示し、RMAの値が大きいほど衣服内の蒸れにより発生した湿気を吸収する能力が高いことを示す。具体的には、以下により測定する。すなわち、タテ・ヨコ25cmの正方形にカットした試料を105℃で2時間乾燥して絶乾状態での質量W(g)を測定した後、温度25℃、相対湿度60%RHの恒温恒湿槽内で2時間放置した後、質量W(g)を測定する。その後、温度34℃、相対湿度90%RHの恒温恒湿槽内で24時間放置した後、質量W(g)を測定する。測定した質量W、W、Wから吸湿能力RMAを下記式によって算出する。
RMA=({(W−W)/W} − {(W−W)/W})×100
本発明においては、衣服内の蒸れによる不快感を軽減するには、このRMAの値が0.3以上であることが好ましく、より好ましくは0.5以上である。RMAが0.3未満である場合、衣服内の蒸れを十分に軽減しにくい。
本発明の高視認性織物は、芯鞘比を特定比率とした芯鞘複合紡績糸により構成されるため、外観上は、生地表面にセルロース系繊維が極力現れない。セルロース系繊維は分散染料では染まりにくく、また、一般にセルロース系繊維に適用できるとされる蛍光色用の反応染料は分散染料と比べて耐光堅牢度が低い。セルロース系繊維に蛍光色を発現させようとして、セルロース系繊維が染まりやすい反応染料を適用すると、得られる織物は耐光堅牢度が低下する傾向となる。したがって、本発明においては、耐光堅牢度性を維持するためには、ポリエステル繊維が染まりやすい分散染料のみを用いた染色加工により特定の蛍光色に着色することが好ましい。なお、この際、複合紡績糸において、鞘層が芯層を十分に被覆しておらず、芯層の一部が糸表面に表れている部分があったときは、外観上の欠点や色度座標のズレ等が起こり易くなる。分散染料のみを用いた染色加工においては、蛍光黄色の色目に染色すると、染色されたポリエステル繊維と未染色のセルロース繊維の色目の差が他の色(蛍光橙色、蛍光赤色)と比べて小さく、好ましい。なお、本発明においては、セルロース系繊維は、蛍光色に染まりにくいため蛍光色を発色しないが、特定比率の芯鞘比を採用した芯鞘複合紡績糸を用いることにより、芯層のセルロース系繊維が表側に極力現れないことにより、セルロース系繊維が蛍光色を発色しなくとも、本発明の目的とする高視認性を発現することが可能になる。
本発明の高視認性織物は、表組織を構成するポリエステル繊維が蛍光黄色、蛍光橙色、蛍光赤色のいずれかに着色されている。蛍光黄色、蛍光橙色、蛍光赤色のいずれかに着色させることにより、本発明の織物を用いて衣服とし、例えば、工事現場や道路・港湾・空港等で作業者が着用する作業服として適用したときに、作業者の存在を明確に示すことができる。また、各種ユニフォームの生地として衣服の少なくとも一部に使用した場合に、その存在を識別しやすい。蛍光色である黄色、橙色、赤色は、いずれも注意・危険を喚起するのに優れた色であるため、本発明において用いるのである。さらには、より注意・危険を喚起する効果を奏するためには、本発明の高視認性織物の表側から測定される色度が、それぞれの色相において、表2に示すXY色度座標の各4点にて区画される範囲内にあり、輝度係数が表2に示す最小輝度係数の数値以上であることがより好ましい。
注意・危険を喚起する効果を奏するためには、昼夜・天候を問わず、視認性を維持する必要があり、特に太陽光下での使用によって変退色すると、目的とする効果を良好に奏することができにくくなる懸念がある。よって、本発明の高視認性織物は、カーボンアーク灯およびキセノンランプを光源とした耐光堅牢度がいずれも4級もしくは4級以上である。耐光堅牢度の光源として世界で一般的なのはキセノンランプであり、この波長領域は太陽光に近いものである。しかしながら、日本を始めとするアジア諸国を中心として、欧米と比較して太陽光の照射が強い地域においては、キセノンランプでの耐光堅牢度試験で合格したとしても、実際に太陽光の下で着用したときに受ける光が強いため、変退色を起こす懸念がある。よって、蛍光染料の変退色に強い影響を及ぼす紫外光領域の波長が強く、キセノンランプに比べて同一時間照射での曝露が強いカーボンアーク灯を光源として耐光堅牢度を評価した場合でも4級もしくは4級以上であるとよく、さらには5級もしくは5級以上であることが好ましい。耐光堅牢度を4級もしくは4級以上とすることにより、太陽光曝露下で着用した場合に、経時で変退色が起こりにくく、長期に亘って良好に効果を奏しながら使用可能となる。
本発明の高視認性織物を作業服として使用したとき、作業内容によっては引火性ガスや粉塵等の存在する場所で着用する可能性がある。この様な場所での作業においては、静電気の帯電による火花が引火・爆発を引き起こす懸念があることから、織物の帯電電荷量を7μC/m以下にするとよく、4μC/m以下がより好ましい。織物の帯電電荷量を前記数値以下とすることにより、着用時の静電気の帯電を十分に抑えることができる。なお、この数値を達成するためには、例えば、導電糸を織物に2本/2.54cm程度の間隔で挿入するとよい。
本発明の高視認性織物は、視認性に優れた蛍光色が長期間着用しても維持されており、かつ薄地であるため、生地としての柔軟性も有し、吸汗性や吸湿性にも優れたものである。したがって、作業者の安全作業服として好適に用いられるほか、各種の作業服やユニフォームとしてのシャツ地等として好適に用いられる。
次に実施例により本発明を具体的に説明する。なお、実施例中の評価は下記の方法で行った。
(1)XYZ色度座標・最小輝度係数
EN−ISO20471規格に基づき、分光光度計(Macbeth製 MS−2020PL)を用い、D65光源にて生地表面の色度座標および最小輝度係数を測定した。
(2)耐光堅牢度
JIS L−0842(カーボンアーク灯)およびJIS L−0843(キセノンランプ)に基づき、第3露光法により、5級照射での耐光堅牢度を測定した。
(3)RMA
タテ・ヨコ25cmの正方形の試料を準備し、105℃で2時間乾燥して絶乾状態での質量W(g)を測定した後、温度25℃、相対湿度60%RHの恒温恒湿槽内で2時間放置した後、質量W(g)を測定した。その後、温度34℃、相対湿度90%RHの恒温恒湿槽内で24時間放置した後、質量W(g)を測定した。測定した質量W、W、Wから吸湿能力RMAを下記式で算出した。
RMA=({(W−W)/W} − {(W−W)/W})×100
(4)視認性
得られた織物を用いて半袖上衣とパンツからなる作業着を作成し、この作業着を着用した人物より60m離れたところから目視で視認性を晴天時・曇天時・雨天時に確認を行い、3段階評価(◎:視認性極めて良好である、○:視認性は良好であるが状況によりやや低下する場合があった、×:視認性が不良である)を行った。
実施例1
経糸として、酸化チタン0.5重量%を含有したポリエチレンテレフタレートからなる仮撚加工糸167dtex/48fを用いて整経を行い、ビームを準備した。
一方、緯糸として、芯層に綿、鞘層に酸化チタン0.5重量%を含有したポリエチレンテレフタレート短繊維1.7dtex×38mmを配した二層構造を成し、芯と鞘の比率が30:70である芯鞘複合紡績糸30番手単糸を準備した。
準備したビームをエアージェット織機に仕掛け、平織組織で緯糸打ち込みを行い、生機を得た。この生機を精練・リラックス処理・晒加工後、テンターを用いて190℃で熱セットを行い、続いて液流染色機を用いて蛍光黄色の分散染料で染色加工を行った後、テンターを用いて160℃で熱セットを行い、経糸96本/インチ、緯糸78本/インチの高視認性織物を得た。
実施例2
実施例1で得られた生機を、蛍光燈色の分散染料で染色加工を行った以外は実施例1と同様にして、経糸96本/インチ、緯糸78本/インチの高視認性織物を得た。
実施例3
経糸として、酸化チタン0.5重量%を含有したポリエチレンテレフタレートからなる仮撚加工糸167dtex/48fを用いて整経を行い、ビームを準備した。
一方、緯糸として、芯層に綿、鞘層に酸化チタン0.5重量%を含有したポリエチレンテレフタレート短繊維1.7dtex×38mmを配した二層構造を成し、芯と鞘の比率が30:70である芯鞘複合紡績糸30番手単糸を準備した。
準備したビームをエアージェット織機に仕掛け、2/2綾織組織で緯糸打ち込みを行い、生機を得た。この生機を精練・リラックス処理・晒加工後、テンターを用いて190℃で熱セットを行い、続いて液流染色機を用いて蛍光黄色の分散染料で染色加工を行った後、テンターを用いて160℃で熱セットを行い、経糸96本/インチ、緯糸92本/インチの高視認性織物を得た。
実施例4
経糸として、酸化チタン0.5重量%を含有したポリエチレンテレフタレートからなる仮撚加工糸167dtex/48fを用いて整経を行い、ビームを準備した。
一方、緯糸として、芯層に綿、鞘層に酸化チタン0.5重量%を含有したポリエチレンテレフタレート短繊維1.7dtex×38mmを配した二層構造を成し、芯と鞘の比率が30:70である芯鞘複合紡績糸30番手双糸を準備した。
準備したビームをエアージェット織機に仕掛け、2/2綾織組織で緯糸打ち込みを行い、生機を得た。この生機を精練・リラックス処理・晒加工後、テンターを用いて190℃で熱セットを行い、続いて液流染色機を用いて蛍光黄色の分散染料で染色加工を行った後、テンターを用いて160℃で熱セットを行い、経糸120本/インチ、緯糸65本/インチの高視認性織物を得た。
比較例1
実施例1において、緯糸として、芯鞘複合紡績糸30番手単糸に代えて、酸化チタン0.5重量%を含有したポリエチレンテレフタレート短繊維1.7dtex×38mm:65質量%と綿:35質量%とからなる混紡糸34番手単糸を用いた以外は、実施例1と同様にして生機を得た。得られた生機を用い、蛍光燈色の分散染料で染色加工をした以外は実施例1と同様にして、経糸密度96本/インチ、緯糸密度80本/インチの織物を得た。
比較例2
比較例1で得られた生機を用い、蛍光燈色の分散染料で染色加工をした後、蛍光橙色の反応染料で染色加工を行った以外は、実施例1と同様にして、経糸密度96本/インチ、緯糸密度80本/インチの織物を得た。
比較例3
経糸として、酸化チタン0.5重量%を含有したポリエチレンテレフタレートからなる仮撚加工糸167dtex/48fを用いて整経を行い、ビームを準備した。
一方、緯糸として酸化チタン0.5重量%を含有したポリエチレンテレフタレート短繊維1.7dtex×38mmを100%使用した紡績糸30番手単糸を準備した。
準備したビームをエアージェット織機に仕掛け、平織組織で緯糸打ち込みを行い、生機を得た。この生機を精練・リラックス処理後、テンターを用いて190℃で熱セットを行い、続いて液流染色機を用いて蛍光黄色の分散染料で染色加工を行った後、テンターを用いて160℃で熱セットを行い、経糸96本/インチ、緯糸78本/インチの高視認性織物を得た。
比較例4
実施例1で得られた生機を用い、蛍光ではない黄色の分散染料で染色加工を行ったこと以外は実施例1と同様にして、経糸密度96本/インチ、緯糸密度78本/インチの織物を得た。
比較例5
実施例1において、緯糸として、芯層に綿、鞘層に酸化チタン0.5重量%を含有したポリエチレンテレフタレート短繊維1.7dtex×38mmを配した二層構造を成し、芯と鞘の比率が10:90である芯鞘複合紡績糸30番手単糸を用いた以外は、実施例1と同様にして生機を得た。得られた生機を用い、蛍光黄色の分散染料で染色加工をした以外は実施例1と同様にして、経糸密度96本/インチ、緯糸密度80本/インチの織物を得た。
比較例6
実施例1において、緯糸として、芯層に綿、鞘層に酸化チタン0.5重量%を含有したポリエチレンテレフタレート短繊維1.7dtex×38mmを配した二層構造を成し、芯と鞘の比率が50:50である芯鞘複合紡績糸30番手単糸を用いた以外は、実施例1と同様にして生機を得た。得られた生機を用い、蛍光燈色の分散染料で染色加工をした以外は実施例1と同様にして、経糸密度96本/インチ、緯糸密度80本/インチの織物を得た。
得られた実施例1〜4および比較例1〜6の織物生地について、前述した諸性能を評価した。その結果を表3に示す。
実施例1〜4の織物は、良好に蛍光色を発現し、耐光堅牢度、RMA、視認性の何れにおいても優秀な成績を示した。着用試験においても蒸れが少なく快適性に優れ、疲労も少ないと高評価であり、高視認性安全作業衣用等の生地として好適であることが実証できた。
特に、実施例1〜3は、目付が200g/m以下であり、薄地であるため、シャツ地としても好適な厚みであった。なお、実施例4は、目付が200g/mを超えており、シャツ地としては厚手タイプの生地であった。
一方、比較例1は、緯糸にポリエチレンテレフタレート短繊維と綿繊維の混紡糸を用いており、糸表面に綿のセルロース系繊維が表出してしまっているため、色度座標が基準値から外れてしまい、結果として視認性が劣るものであった。
比較例2は、比較例1の生機を用い、ポリエチレンテレフタレート短繊維と綿繊維の両方を蛍光染料で染色しており、色度座標は基準値内に入っているが、糸表面に綿のセルロース系繊維が表出してしまっているため、耐光堅牢度の劣るものであった。
比較例3は、綿繊維を含まなかったため、RMAが不十分であり、結果として着用感としての快適性が劣っていた。
比較例4は、蛍光染料を使用していなかったため、最小輝度係数が大きく劣り、本発明が目的とする視認性を有するものではなかった。
比較例5は、芯層の綿繊維の混用率が低過ぎたため、RMAが不十分であり、結果として着用感としての快適性が劣っていた。
比較例6は、芯層の綿繊維の混用率が高過ぎたため、鞘層のポリエステル短繊維による芯層のカバリングが不十分であり、糸表面に綿のセルロース系繊維が表出してしまい、色度座標が基準値から外れてしまい、結果として視認性が劣るものであった。

Claims (7)

  1. 芯層と鞘層とからなり、芯層がセルロース繊維、鞘層がポリエステル短繊維により構成され、芯層と鞘層の質量比が芯:鞘=20:80〜40:60である芯鞘複合紡績糸によって構成される織物であり、ポリエステル短繊維が、蛍光黄色、蛍光橙色あるいは蛍光赤色のいずれかの色彩に着色されてなることを特徴とする高視認性織物。
  2. 請求項1記載の織物が、芯鞘複合紡績糸とポリエステル繊維のみで構成される糸とからなり、ポリエステル繊維のみで構成される糸もまた蛍光黄色、蛍光橙色あるいは蛍光赤色のいずれかの色彩に着色されていることを特徴とする請求項1記載の高視認性織物。
  3. 織物の表側から測定する色度が、それぞれの色相において、表1に示すXY色度座標の各4点にて区画される範囲内にあり、輝度係数が表1に示す最小輝度係数の数値以上であることを特徴とする請求項1または2記載の高視認性織物。
  4. カーボンアーク灯およびキセノンランプを光源とする耐光堅牢度がいずれも4級もしくは4級以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の高視認性織物
  5. 織物が、分散染料のみによって蛍光黄色、蛍光橙色あるいは蛍光赤色のいずれかに染色加工されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の高視認性織物。
  6. 織物の吸湿能力(RMA)が0.3以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の高視認性織物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の高視認性織物により構成される高視認性衣服。
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