JP2016022419A - 殺菌水生成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、雑菌を含む空気や臭気の殺菌水生成装置への侵入を抑制することを目的とする。
ここで、前記水タンクの前記受水部に対して前記殺菌水タンクにて生成された殺菌水を供給する供給手段をさらに備え、前記遮断部材は、前記供給手段によって前記受水部に供給された殺菌水を用いて前記排出路を遮断することを特徴とすることができる。この場合、受水部および排出路での細菌の増殖を抑制することができる。
また、前記供給手段は、予め定められたタイミングで前記受水部に対して殺菌水を供給することを特徴とすることができる。この場合、水タンクから連続して水が供給された場合であっても、貯水部からの水の溢れを抑制することができる。
さらに、前記排出路は、内径が14mm以上であることを特徴とすることができる。この場合、排出路の内径が14mm未満の場合と比較して、受水部からの水の排出を円滑に行うことができる。
また、前記殺菌水タンクから空気を排出する空気排出路と、前記空気排出路に接続され、当該空気排出路から空気が排出される際の排出音を吸収する吸収部材をさらに備え、前記吸収部材は、前記空気排出路に接続され、当該空気排出路から排出された空気が通過する複数の細孔が形成された多孔質部材と、前記多孔質部材を、当該多孔質部材との間に空隙が形成されるように収容する収容部材とをさらに備えることを特徴とすることができる。この場合、殺菌水タンクから空気を排出する際の排出音を低減することができる。
さらにまた、前記殺菌水タンクに空気を供給し、当該殺菌水タンクから空気を排出する空気供給排出路と、前記空気供給排出路に供給または排出された空気を通過させる連通孔と、前記殺菌水タンクから液体が流入した場合に当該連通孔を塞ぐ弁部材とを有する逆止弁とをさらに備えることを特徴とすることができる。この場合、殺菌水タンクからの液体の逆流を抑制することができる。
ここで、前記水タンクに供給される水から不純物を除去するフィルタと、他の装置が接続され、前記フィルタを通過した後の水を当該他の装置へ供給する給水部とをさらに備えることを特徴とすることができる。この場合、不純物により殺菌水の殺菌力が低下することを抑制できる。また、殺菌水生成装置内や各ユニットの給水管路への不純物の侵入、及びこれに伴う電磁弁の故障を抑制できる。
図1は、本実施形態が適用される歯科用診療装置1の全体構成を示した斜視図である。
同図に示すように、本実施形態の歯科用診療装置1では、床面の上に、診療台2が設けられている。また、本実施形態の歯科用診療装置1では、診療台2の脇に、医師用のトレーテーブル3が設けられるとともに、医師用のインスツルメントホルダ4が設けられている。さらに、本実施形態では、診療台2を挟みトレーテーブル3の反対側に、アシスタント用のインスツルメントホルダ5が設けられている。また、本実施形態では、光源を備えたデンタルライト(不図示)とデンタルライトを支持するアーム(不図示)とを支持する支柱6が設けられている。
殺菌水生成装置8は、殺菌水の生成に用いられる。殺菌水生成装置8にて生成された殺菌水は、例えば上述した供給装置7に送られ、患者に対する治療や患者がうがいを行う際等に使用される。
なお、「殺菌」とは、一般に、細菌等を消滅して無菌状態を作り出すことを意味するが、本実施形態の説明において「殺菌」とは、細菌等を消滅することに限らず、例えば細菌等を不活化したり、細菌等の少なくとも一部を除去したりする作用(消毒、除菌)も含む。
図2は、本実施形態が適用される殺菌水生成装置8の外観斜視図である。
本実施形態の殺菌水生成装置8は、本体ケース81と、原液カートリッジが収容される収納部82と、殺菌水タンクが収容される殺菌水タンク収納部83とを備えている。また、殺菌水生成装置8は、外部機器との接続に用いられる外部接続接栓500を備えている。さらに、殺菌水生成装置8は、殺菌水生成装置8のON/OFFを切り替えるための電源スイッチ84と、ユーザに対し予め情報を表示するとともにユーザからの操作を受け付ける操作パネル600とを備えている。なお、電源スイッチ84は、本体ケース81の側面に設けられ、操作パネル600は、本体ケース81の上面に設けられている。
また、本実施形態の殺菌水生成装置8には、殺菌水生成装置8内に供給される水道水に含まれる不純物(異物)の除去を行うフィルタの一例であるフィルターカートリッジ100が設けられている。なお、フィルターカートリッジ100は、本体ケース81の側面に取り付けられている。
さらに、殺菌水生成装置8には、他の装置の送水管(不図示)等が接続される給水部の一例としての給水ジョイント85が設けられている。そして、本実施形態の殺菌水生成装置8では、給水ジョイント85を介して接続された他の装置に対して、フィルターカートリッジ100により不純物が除去された後の水道水を供給できるようになっている。
図3に示すように、殺菌水生成装置8の本体ケース81の側面には、フィルターカートリッジ100を取り付けるための取り付け部150が設けられている。
また、同図に示すように、殺菌水生成装置8の内部には、外部接続接栓500を介して外部から供給された水道水を収容する水道水タンク13が設けられている。また、本実施形態では、殺菌水生成装置8に対して着脱可能に設けられ、殺菌水の元となる原液を収容した原液カートリッジ20が設けられている。さらに、原液カートリッジ20から供給された原液の計量を行う原液計量部23、生成された殺菌水を収容する第1殺菌水タンク30、第2殺菌水タンク33が設けられている。
本実施形態の殺菌水生成装置8には、水道水を供給する供給管(不図示)が接続される受水接栓10が設けられている。
また、殺菌水生成装置8には、受水接栓10を通った水道水が通る第1送水路11a、第1送水路11aから分岐し終端に上述した給水ジョイント85が接続された第2送水路11b、第1送水路11a上であって第2送水路11bとの分岐前に設けられ受水接栓10を通った水道水から不純物を除去するフィルターカートリッジ100、第1送水路11a上であって第2送水路11bとの分岐後に設けられた電磁弁12、受水孔13aを有し第1送水路11aからの水道水を収容する水道水タンク13が設けられている。
また、水道水タンク13のドレンポケット15には、貯水部14からドレンポケット15に溢れた水道水等を後述するトラップ200へ導く第1排出路28が接続されている。
そして、第1排出路28の終端には、後述するトラップ200が接続され、トラップ200には、トラップ200に導かれた水道水等を後述するドレン用接栓49を介してドレンに排出する第2排出路29が接続されている。詳細については後述するが、トラップ200は、遮断部材の一例であって、ドレンから殺菌水生成装置8内への臭気や細菌等の侵入を抑制するために設けられている。ここで、本実施形態では、第1排出路28および第2排出路29により、排出路が構成されている。
なお、本実施形態では、第1原液供給路26a、第2原液供給路26b、第1水道水供給路17a、第2水道水供給路17bの4つの供給路は、それぞれ独立して設けられており、殺菌水タンク(第1殺菌水タンク30、第2殺菌水タンク33)に対して水道水及び原液が達するまでの間に、水道水と原液とが混合しないようになっている。
ここで、本実施形態では、第1圧縮エア供給/排気路42aおよび第2圧縮エア供給/排気路42bが、空気排出路または空気供給排出路を構成する。
また、殺菌水生成装置8には、水道水タンク13のドレンポケット15から第1排出路28および第2排出路29を経由して流れてきた殺菌水、水道水等の廃棄に用いられるドレン用接栓49が設けられている。
また、本実施形態では、図2にて示した操作パネル600内に、回路基板51が設けられている。また、本実施形態では、プログラム制御されたCPUにより構成され、この回路基板51や殺菌水生成装置8内に設けられた電磁弁などの制御を行う制御部50が設けられている。
一方で、原液は、ポンプ22によって、原液カートリッジ20から原液計量部23に供給される。なお、原液計量部23では、液面センサ24の検知位置bまで原液が供給される。その後、制御部50によって第1電磁弁25a又は第2電磁弁25bが開放される。これにより、原液計量部23内の原液が、自重落下し、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33に対し供給される。
殺菌水が外部へ供給される際には、まず、減圧弁44により所定の圧力に減圧された圧縮エア(圧縮空気)が、第1圧縮エア供給/排気路42a又は第2圧縮エア供給/排気路42bを介し、第1殺菌水タンク30内又は第2殺菌水タンク33内に供給される。そして、第1殺菌水タンク30内又は第2殺菌水タンク33内に圧縮エアが供給されると、第1殺菌水タンク30内又は第2殺菌水タンク33内は加圧状態となり、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33内の殺菌水が、殺菌水生成装置8の外部に供給されるようになる。
図5(a)は、取り付け部150を拡大して示した図である。
図5(a)に示すように、取り付け部150には、フィルターカートリッジ100に設けられた後述する供給管124が接続され供給管124への水の供給を行う供給用コネクタ151、フィルターカートリッジ100に設けられた後述する排出管125が接続され排出管125から排出された水が通る排出用コネクタ152が設けられている。さらに、図中供給用コネクタ151および排出用コネクタ152の背後には、上述した第1送水路11aを構成する2本のチューブ(不図示)が設けられている。このうち一方のチューブが用いられ、受水接栓10からの水道水が供給用コネクタ151へ供給され、他方のチューブが用いられ排出用コネクタ152からの水が、上述した水道水タンク13や給水ジョイント85へ供給される。
フィルターカートリッジ100は、フィルタ収容部材110が設けられている。このフィルタ収容部材110は、円筒状に形成され、内部に中空糸フィルタ等のフィルタ(不図示)を収容する。さらに、本実施形態のフィルターカートリッジ100には、フィルタ収容部材110の上方に形成された開口を塞ぐ蓋部材120が設けられている。
蓋部材120には、蓋本体123と、フィルターカートリッジ100に供給されてきた水が通る供給管124と、フィルターカートリッジ100から排出される水が通る排出管125とが設けられている。
これにより、例えば、殺菌水への有機物や鉄錆等の混入が抑制され、生成された殺菌水の有効塩素濃度が、有機物や鉄錆等の不純物により経時的に低下することが抑制される。
図6は、本実施形態の水道水タンク13を示した斜視図である。上述したように、本実施形態の水道水タンク13は、水道水が供給され第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33に供給するために水道水を貯める貯水部14と、貯水部14と接続部13bを介して接続され貯水部14から溢れた水を受けるドレンポケット15とを有している。本実施形態の水道水タンク13では、貯水部14およびドレンポケット15は、それぞれ上方が開口した直方体状の形状を有している。
そして、貯水部14に貯められた水道水は、第1電磁弁16a又は第2電磁弁16bが開かれることによって、第1孔14a又は第2孔14bから第1水道水供給路17a又は第2水道水供給路17bを介して、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33に供給される。
本実施形態では、図3に示したように、水道水タンク13は、殺菌水生成装置8における鉛直方向上部に設けられる。また、ドレン用接栓49が取り付けられる外部接続接栓500は、殺菌水生成装置8における鉛直方向下部に設けられる。これにより、水道水タンク13のドレンポケット15に貯められた水道水等は、重力によって、ドレン用接栓49を介して速やかに殺菌水生成装置8の外部に排出されるようになっている。
図7(a)〜図7(b)は、本実施形態のトラップ200の構成を示した図である。図7(a)は、トラップ200の斜視図を示しており、図7(b)は、図7(a)におけるVIIB−VIIB断面図を示している。
図7(a)〜図7(b)に示すように、本実施形態のトラップ200は、円形状の底面231と円筒状の側面232とを有し内部に円柱状の空間が形成されたトラップ本体部230と、トラップ本体部230の上方に設けられ第1排出路28(図4参照)が接続される第1接続部210と、トラップ本体部230の側面232に設けられ第2排出路29(図4参照)が接続される第2接続部220とを備えている。なお、トラップ200の形状は図7(a)〜図7(b)に示した形状に限られるものではなく、トラップ本体部230として例えばS字管やP字管等の封水構造を用いてもよい。
これにより、本実施形態のトラップ200では、図7(b)に示すように、第1接続部210における円筒部211の他端211bが、第2接続部220よりも下方(底面231に近い側)に位置している。
また、本実施形態のトラップ200では、トラップ200の内部に殺菌水等の液体が流入する前の状態において、第1接続部210の内部空間と第2接続部220の内部空間とは、トラップ本体部230の内部空間を介して連通した一続きの空間となっている。
これに対し、本実施形態では、トラップ200を用いることで、臭気や雑菌などにより汚染された空気が殺菌水生成装置8内へ侵入することを抑制している。
本実施形態の殺菌水生成装置8では、予め定めたタイミングで、殺菌水タンク(第1殺菌水タンク30、第2殺菌水タンク33)にて生成された殺菌水が、水道水タンク13のドレンポケット15に供給されるようになっている。具体的には、供給手段の一例であるドレン電磁弁39を、予め定めたタイミングで所定時間(例えば2秒間)開放することで、第1殺菌水タンク30または第2殺菌水タンク33にて生成されマニフォールド45を通過した殺菌水が、殺菌水案内路38を通って水道水タンク13のドレンポケット15に供給される。
図8に示すように、トラップ本体部230に貯められた殺菌水の液面の高さがh1を超えた場合、第1接続部210の他端211bよりも殺菌水の液面の高さの方が高くなり、第1接続部210の他端211bに形成された開口が殺菌水により塞がれるようになる。これにより、トラップ200の内部空間が、殺菌水によって、第1接続部210側の空間S1と、第2接続部220側の空間S2とに区切られるようになる。
この結果、本実施形態の殺菌水生成装置8では、ドレンに接続された第2接続部220側の空間S2からの臭気や細菌等により汚染された空気がトラップ本体部230内の殺菌水により遮断され、殺菌水生成装置8の内部への臭気や細菌等の侵入が抑制される。特に、本実施形態では、トラップ本体部230内に貯められた殺菌水により、第2接続部220側の空間S2から細菌が侵入した場合であっても殺菌(除菌)されるため、殺菌水生成装置8内がより清潔に保たれる。
トラップ200内において殺菌水の液面の高さがh2を超えた場合、トラップ200に供給された殺菌水は、その一部が第2接続部220から第2排出路29を介してドレンに排出されるようになる。この場合、第2排出路29内を殺菌水が通過するようになるため、第2排出路29内を殺菌(除菌)することが可能になり、第2排出路29内での細菌等の増殖が抑制される。
このように定期的にドレン電磁弁39を開放してトラップ200に殺菌水を供給することで、トラップ200内の殺菌水が新たな殺菌水に定期的に入れ替わることになる。これにより、トラップ200内における殺菌水の殺菌力の低下が抑制され、殺菌水生成装置8の汚染がより抑制される。
図9(a)〜図9(b)は、本実施形態の逆止弁300の構成を示した図であって、図9(a)は逆止弁300の斜視図であり、図9(b)は逆止弁300の内部構造を示した断面図である。
固定部330は、円板状の形状を有し、筐体部310に形成された内部空間を上部空間X1と下部空間X2とに分割している。また、固定部330には、上部空間X1と下部空間X2とを連通する複数の連通孔331と、移動部350の後述する移動軸351が挿入される軸孔332とが設けられている。さらに固定部330における下部空間X2に対向する側の面には、下方に向かって突出する凸部333が設けられている。ここで、凸部333は、円板状の固定部330に対して周方向の全域に亘って連続して設けられている。
本実施形態のフロート352は、例えばポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂材料により構成され、内部は空洞となっている。また、ゴム弁353は、例えば合成ゴム等の弾性を有するシート状の部材から構成される。
具体的には、第1継手321は、筐体部310の上部に接続されており、筐体部310内に形成された上部空間X1は、第1継手321により逆止弁300の外部と連通している。また、第2継手322は、筐体部310の下部に接続されており、筐体部310内に形成された下部空間X2は、第2継手322により逆止弁300の外部と連通している。なお、この例では、図9(b)に示すように、第2継手322は、筐体部310内の下部空間X2における最下部に連通するようになっている。
具体的には、殺菌水の逆流が起こっていない通常状態の場合には、重力によって移動部350が下部空間X2の下方に移動した状態となっている。そして、移動軸351に取り付けられた規制部材354が固定部330の上面に接触することで、移動軸351の下方への移動が規制され、移動部350が下部空間X2の下方において所定の位置で停止している。
さらに、図9(b)に示すように、移動部350が下部空間X2の下方に位置する状態では、移動部350のフロート352は、第2継手322が筐体部310に接続する位置よりも鉛直上方に位置するようになっている。
図10(a)〜(b)は、逆止弁300における空気の流れを示した図である。なお、図10(a)〜(b)では、殺菌水タンク(第1殺菌水タンク30、第2殺菌水タンク33)からの液体の逆流が起こっていない状態の逆止弁300を示している。また、図10(b)は、逆止弁300における固定部330近傍における空気の流れを示している。
まず、生成された殺菌水を殺菌水生成装置8の外部へ供給する際の、逆止弁300における空気の流れについて説明する。殺菌水を外部へ供給する際には、圧縮エア用接栓40および減圧弁44を通過した空気(圧縮エア)が、第1圧縮エア供給/排気路42a又は第2圧縮エア供給/排気路42bを通過し、逆止弁300を通過した後、第1殺菌水タンク30内又は第2殺菌水タンク33内に供給される。
殺菌水等が逆止弁300に逆流していない状態では、ゴム弁353が固定部330から離れ、固定部330の連通孔331は開放された状態となっている。したがって、上部空間X1に流入した空気は、図10(a)において実線矢印で示すように、連通孔331を介して上部空間X1から下部空間X2へと流入する。
そして、下部空間X2へ流入した空気は、第2継手322を介して逆止弁300の外部に排出され、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33に供給される。
第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33から排出された空気は、図10(a)において破線矢印で示すように、第2継手322を通過し、筐体部310内の下部空間X2に流入する。
そして、上部空間X1へと流入した空気は、第1継手321を介して逆止弁300の外部へ排出される。そして、逆止弁300から排出された空気は、第1圧縮エア供給/排気路42a又は第2圧縮エア供給/排気路42bを通り、サイレンサ400(第1サイレンサ400a、第2サイレンサ400b)を介して、殺菌水生成装置8の内部に排出される。
これにより、例えば第2継手322から下部空間X2に流入した空気がフロート352に衝突することが抑制され、下部空間X2内で空気の渦が生じることが抑制される。また、下部空間X2に流入した空気によりフロート352が振動したり移動したりすることが抑制される。この結果、例えばフロート352と第2継手322との鉛直方向の位置が等しい場合と比較して、下部空間X2から上部空間X1への空気の移動をより円滑に行うことが可能になる。
本実施形態の逆止弁300では、図10(b)において一点鎖線矢印で示すように、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33から空気を排出する際や第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33に空気を供給する際等において下部空間X2に空気が流入した場合に、凸部333および間隙Yによって上方から下方に向かう気流が生じる。そして、この気流によりゴム弁353が下方へ押され、ゴム弁353が固定部330に接触して連通孔331が塞がれることが抑制される。この結果、逆止弁300を介した圧縮エア用接栓40と第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33と間の空気の移動が、より円滑に行われる。
図11は、殺菌水タンクから殺菌水や水道水等の液体が逆流した状態の逆止弁300を示した図である。
例えば液面センサ18や第1電磁弁16a、第2電磁弁16b等の異常によって第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33に過度な水道水が供給された場合には、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33から殺菌水や水道水等の液体が溢れ、第1圧縮エア供給/排気路42a又は第2圧縮エア供給/排気路42bを逆流する場合がある。
ここで、図11に示す状態では、フロート352にはたらく浮力により、移動部350全体が上方に押されるため、ゴム弁353は、固定部330の凸部333に押し付けられるようになる。また、ゴム弁353は弾性を有するため、固定部330の凸部333に押し付けられることで変形する。これにより、ゴム弁353と凸部333との密着性が高まる。
この結果、第2継手322を介して下部空間X2に流入した液体が、連通孔331を通って上部空間X1へと流入することが抑制される。そして、液体が第1圧縮エア供給/排気路42a又は第2圧縮エア供給/排気路42bを通って第1三方電磁弁41a又は第2三方電磁弁41b、サイレンサ400等に到達することが抑制される。また、殺菌水生成装置8内において液体が漏出することが抑制される。
この場合、圧縮エア用接栓40からの空気は、第1継手321から上部空間X1へ供給される。そして、上部空間X1に供給された空気により、連通孔331を介してゴム弁353が下方へ押圧される。これにより、液体による浮力に抗して移動部350が下方へ移動し、固定部330の凸部333からゴム弁353が離間する。この結果、連通孔331を介して上部空間X1から下部空間X2へ空気が流入し、下部空間X2に流入した空気により下部空間X2内の液体が押され、第2継手322から液体が逆止弁300の外部に排出される。
図12に示すように、本実施形態のサイレンサ400は、第1三方電磁弁41a(図4参照)又は第2三方電磁弁41b(図4参照)の常時開口(ノーマルオープンポート)に接続され、空気を通過させる筒状の通気部材430と、通気部材430の外周を覆う円筒形状を有し内部に複数の細孔が形成された多孔質体からなる多孔質部材の一例である第1多孔質部材440と、円板形状を有し第1多孔質部材440の上方に設けられ内部に複数の細孔が形成された多孔質体からなる第2多孔質部材450とを有している。さらに、サイレンサ400は、上部に開口が形成された筒状の形状を有し、内部に通気部材430、第1多孔質部材440および第2多孔質部材450を収容する収容部材410と、収容部材410の上部に形成された開口を覆う蓋部材420と、を有している。
また、蓋部材420には、通気部材430が挿入される挿入孔421と、第1三方電磁弁41a又は第2三方電磁弁41bから供給された空気をサイレンサ400の外部に放出するための放出孔422とが形成されている。
なお、この例では、第1多孔質部材440の気孔率が、第2多孔質部材450の気孔率と比較して高くなっている。また、第1多孔質部材440に形成される細孔の平均孔径が、第2多孔質部材450に形成される細孔の平均孔径と比較して大きくなっている。
また、蓋部材420の内面に第2多孔質部材450が接触することで、蓋部材420の放出孔422が、第2多孔質部材450により塞がれた状態となっている。
さらに、本実施形態のサイレンサ400は、組み立てられた状態では、図13に示すように、第1多孔質部材440と収容部材410との間に、空間が形成されている。
上述したように、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33に水道水を供給した場合に、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33から空気が排出される。第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33から排出された空気は、逆止弁300を通過した後、第1三方電磁弁41a又は第2三方電磁弁41bを通ってサイレンサ400の通気部材430に流入する。
第1多孔質部材440には、複数の細孔が形成されているため、第1多孔質部材440に排出された空気は、第1多孔質部材440の細孔を通りながら第1多孔質部材440を内周側から外周側へ移動し、第1多孔質部材440と収容部材410との間に形成された空間内に排出される。
第1多孔質部材440から排出された空気は、収容部材410内の空間を上方へ移動し、第2多孔質部材450内に形成された細孔を通過した後、蓋部材420に設けられた放出孔422を通って、サイレンサ400の外部に放出される。
殺菌水生成装置8は、歯科等の医療機関で使用されることが多く、殺菌水生成装置8から空気の排出音が頻繁に生じる場合には、患者に不快感や不安感を与えるおそれがある。
具体的に説明すると、本実施形態のサイレンサ400では、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33から排出された空気は、通気部材430、第1多孔質部材440および第2多孔質部材450を通過した後、サイレンサ400の外部に排出される。
第1多孔質部材440および第2多孔質部材450は、複数の細孔が形成された多孔質体からなるため、空気が第1多孔質部材440および第2多孔質部材450を通過する際に、第1多孔質部材440および第2多孔質部材450の細孔に空気が入り込む。この結果、第1多孔質部材440および第2多孔質部材450と空気との摩擦や、空気による第1多孔質部材440および第2多孔質部材450の振動により、空気の排出により生じる音のエネルギーが第1多孔質部材440および第2多孔質部材450に吸収される。
以上より、本実施形態では、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33からの空気の排出により生じた排出音は、サイレンサ400により低減される。
これにより、例えば第1多孔質部材440や第2多孔質部材450が硬質の多孔質体からなる場合や、第1多孔質部材440と収容部材410との間に空隙が形成されていない場合と比較して、サイレンサ400を介した排気の際の管路抵抗を少なくすることが可能になる。この結果、例えば第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33への原液の滴下時や水道水の供給時に、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33から空気が速やかに排出される。
本実施形態の操作パネル600は、図14(a)に示すように、情報表示部620と、上下に並ぶ第1リセットボタン631および第2リセットボタン632と、第2リセットボタン632の上方に設けられるアラーム解除ボタン640を有している。
情報表示部620は、例えば7セグメント表示器で構成され、原液カートリッジ20内の原液の残量や生成する殺菌水の濃度に対応する数値等が表示される。
第1リセットボタン631又は第2リセットボタン632が押圧されると、情報表示部620に、殺菌水生成装置8に設定されている原液の供給量に対応する数値が点滅表示される。
殺菌水生成装置8において、原液の供給量として上述した第1供給量が設定されている場合には、図14(a)に示すように、操作パネル600の情報表示部620に、第1供給量に対応する数値「1」が点滅表示される。同様に、原液の供給量として第2供給量が設定されている場合には、図14(b)に示すように、情報表示部620に、第2供給量に対応する数値「2」が点滅表示され、原液の供給量として第3供給量が設定されている場合には、図14(c)に示すように、第3供給量に対応する数値「3」が点滅表示される。
例えば、情報表示部620に数値「1」が点滅表示されている状態で所定時間が経過すると、情報表示部620に数値「1」が点灯表示され、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33に対する原液の供給量が、原液計量部23での1回計量分に設定される。同様に、情報表示部620に数値「2」が点滅表示されている状態で所定時間が経過すると、原液の供給量が、原液計量部23での2回計量分に設定され、情報表示部620に数値「3」が点滅表示されている状態で所定時間が経過すると、原液の供給量が、原液計量部23での3回計量分に設定されるようになる。
特に本実施形態では、第1リセットボタン631又は第2リセットボタン632により原液の供給量を選択した後、一定時間が経過することで自動的に供給量の変更が確定されるため、ユーザが要する操作がより簡易になり、殺菌水生成装置8において原液の供給量を選択・変更する際の操作性がより向上する。
Claims (8)
- 殺菌水の元となる溶液と水とを混合して殺菌水を生成する殺菌水生成装置であって、
溶液と水とを混合する殺菌水タンクと、
前記殺菌水タンクに供給する水を貯める貯水部と、当該貯水部から溢れた水を受ける受水部とを有する水タンクと、
前記水タンクの前記受水部に接続され、前記貯水部から当該受水部に溢れた水を外部に排出する排出路と、
前記排出路に設けられ、前記殺菌水タンクにて生成された殺菌水を用いて当該排出路を遮断する遮断部材と
を備えた殺菌水生成装置。 - 前記水タンクの前記受水部に対して前記殺菌水タンクにて生成された殺菌水を供給する供給手段をさらに備え、
前記遮断部材は、前記供給手段によって前記受水部に供給された殺菌水を用いて前記排出路を遮断することを特徴とする請求項1に記載の殺菌水生成装置。 - 前記供給手段は、予め定められたタイミングで前記受水部に対して殺菌水を供給することを特徴とする請求項2に記載の殺菌水生成装置。
- 前記排出路は、内径が14mm以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の殺菌水生成装置。
- 前記殺菌水タンクから空気を排出する空気排出路と、
前記空気排出路に接続され、当該空気排出路から空気が排出される際の排出音を吸収する吸収部材をさらに備え、
前記吸収部材は、
前記空気排出路に接続され、当該空気排出路から排出された空気が通過する複数の細孔が形成された多孔質部材と、
前記多孔質部材を、当該多孔質部材との間に空隙が形成されるように収容する収容部材とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の殺菌水生成装置。 - 前記殺菌水タンクに空気を供給し、当該殺菌水タンクから空気を排出する空気供給排出路と、
前記空気供給排出路に供給または排出された空気を通過させる連通孔と、前記殺菌水タンクから液体が流入した場合に当該連通孔を塞ぐ弁部材とを有する逆止弁と
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の殺菌水生成装置。 - 殺菌水の元となる溶液と水とを混合して殺菌水を生成する殺菌水生成装置であって、
溶液と水とを混合する殺菌水タンクと、
前記殺菌水タンクに供給する水を貯める水タンクと、
前記水タンクから溢れた水を外部に排出する排出路と、
前記殺菌水タンクに空気を供給し、当該殺菌水タンクから空気を排出する空気供給排出路と、
前記空気供給排出路に供給または排出された空気を通過させ、前記殺菌水タンクから当該空気供給排出路に流入した液体は通過させない逆止弁と、
前記空気供給排出路に接続され、当該空気供給排出路から空気が排出される際の排出音を吸収する吸収部材と、
前記排出路に設けられ、前記殺菌水タンクにて生成された殺菌水を用いて当該排出路を遮断する遮断部材と
を備える殺菌水生成装置。 - 前記水タンクに供給される水から不純物を除去するフィルタと、
他の装置が接続され、前記フィルタを通過した後の水を当該他の装置へ供給する給水部と
をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の殺菌水生成装置。
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