JP2016020463A - 導電性樹脂組成物及びシールドケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】加工性に優れるとともに、架橋された後に、優れた電磁遮蔽能をシールドケーブルに付与し得るシールド層を形成できる導電性樹脂組成物及びシールドケーブルを提供すること。【解決手段】シリコーンゴムと、金属被覆繊維を含む導電材とを含む導電性樹脂組成物であって、導電性樹脂組成物中のシリコーンゴムの含有率が77〜89.5質量%であり、導電性樹脂組成物中の導電材の含有率が10〜21質量%である、導電性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、導電性樹脂組成物及びシールドケーブルに関する。
同軸ケーブル等のシールドケーブルはシールド層を有している。シールド層は、外部から、又は外部への電磁波によるノイズを防ぎ、装置の誤作動を防ぐためのものである。シールド層には一般的に銅やアルミニウム等の導電性の高い金属線が用いられてきた。近年、ケーブルの軽量化や可撓性を向上させるため、シールド層を導電性樹脂で置き換える試みが行われている。
このように導電性樹脂をシールド層として用いたシールドケーブルとして、例えば下記特許文献1に記載のものが知られている。下記特許文献1には、導体の外周に導電性樹脂を設け、その上に外被絶縁層を設けた高周波干渉防止線が開示され、導電性樹脂としては、シリコーンゴムに金属メッキ炭素繊維を組み合わせたものが開示されている。
特開平4−4517号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の高周波干渉防止線に用いられる導電性樹脂は、加工性、および、優れた電磁遮蔽能をシールドケーブルに付与し得るシールド層の形成の点で改善の余地があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、加工性に優れるとともに、架橋された後に、優れた電磁遮蔽能をシールドケーブルに付与し得るシールド層を形成できる導電性樹脂組成物及びシールドケーブルを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、導電性樹脂組成物にシリコーンゴム及び金属被覆繊維を配合し、導電性樹脂組成物中のシリコーンゴム及び金属被覆繊維の含有率をそれぞれ特定の範囲とすることで上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、シリコーンゴムと、金属被覆繊維を含む導電材とを含む導電性樹脂組成物であって、前記導電性樹脂組成物中の前記シリコーンゴムの含有率が77〜89.5質量%であり、前記導電性樹脂組成物中の前記導電材の含有率が10〜21質量%である、導電性樹脂組成物である。
本発明の導電性樹脂組成物は、加工性に優れるとともに、架橋された後に、優れた電磁遮蔽能をシールドケーブルに付与し得るシールド層を形成できる。
上記導電性樹脂組成物においては、前記シリコーンゴムのショアA硬度の瞬間値が60以下であることが好ましい。
この場合、シリコーンゴムのショアA硬度の瞬間値が60を超える場合に比べて、より高い可撓性をシールドケーブルに付与し得るシールド層を形成することができる。
また、上記導電性樹脂組成物においては、前記金属被覆繊維の平均径が5〜30μmであり、平均長が3〜10mmであることが好ましい。
金属被覆繊維の平均径が上記範囲内にあると、金属被覆繊維の平均径が5μm未満である場合に比べて、導電性樹脂組成物の混練中に金属被覆繊維が切れにくくなり、より優れた電磁遮蔽能をシールドケーブルに付与し得るシールド層を形成できる。また金属被覆繊維の平均径が上記範囲内にあると、金属被覆繊維の平均径が30μmより大きい場合に比べて、金属被覆繊維同士の絡まりが生じやすくなり、より優れた電磁遮蔽能をシールドケーブルに付与し得るシールド層を形成できる。また金属被覆繊維の平均長が上記範囲内にあると、金属被覆繊維の平均長が3mm未満である場合に比べて、金属被覆繊維同士の接触が起こりやすくなり、より優れた電磁遮蔽能をシールドケーブルに付与し得るシールド層を形成できる。また金属被覆繊維の平均長が上記範囲内にあると、金属被覆繊維の平均長が10mmより大きい場合に比べて、より高い可撓性をシールドケーブルに付与し得るシールド層を形成できる。
また、上記導電性樹脂組成物においては、前記金属被覆繊維は、具体的には炭素繊維をニッケルで被覆したものであればよい。
また、本発明は、導体と、前記導体を包囲するように設けられる絶縁層と、前記絶縁層を包囲するように設けられるシールド層とを備え、前記シールド層が、上述した導電性樹脂組成物を架橋して得られるシールドケーブルである。
本発明のシールドケーブルによれば、上記導電性樹脂組成物が、架橋された後に、優れた電磁波遮蔽能をシールドケーブルに付与し得るシールド層を形成できるため、優れた電磁波遮蔽能を有することが可能となる。
なお、本発明において、金属被覆繊維の「平均径」とは、金属被覆繊維を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したときに、下記式:
金属被覆繊維の平均径= n本分の金属被覆繊維の径の合計/n
で定義される金属被覆繊維の径の平均値を言う。ここで、nは、SEMで観察した際に、観察モニターに映った金属被覆繊維の全本数である。金属被覆繊維の径は、SEMで観察した際に、観察モニターに映った金属被覆繊維の端面の面積Sを求め、このSの値と、下記式とから算出される値Rを言う。
R=(S/π)1/2
また本発明の導電性樹脂組成物において、金属被覆繊維の「平均長」とは、金属被覆繊維をSEMで観察したときに、下記式:
金属被覆繊維の平均長= n本分の金属被覆繊維の長さの合計/n
で定義される金属被覆繊維の長さの平均値を言う。ここで、nは、SEMで観察した際に、観察モニターに映った金属被覆繊維の全本数である。
なお、金属被覆繊維の平均径及び平均長さの測定は、導電性樹脂組成物を溶剤で溶解し、濾過した後、乾燥させることで得られる金属被覆繊維に対して行うことができる。ここで、シリコーンゴムを溶解する場合、溶媒としてはトルエン又はキシレンが好適である。なお、本発明の導電性樹脂組成物が架橋された後は、シリコーンゴムの架橋体は上記溶媒には溶解しない。このため、本発明のシールドケーブルのシールド層における金属被覆繊維の平均径及び平均長さの測定は、シールドケーブルからシールド層を剥いだ後、その剥いだシールド層の厚さ方向に沿った面についてSEMにて観察を行うことにより行うことができる。
本発明によれば、加工性に優れるとともに、架橋された後に、優れた電磁遮蔽能を有するシールド層を形成できる導電性樹脂組成物及びシールドケーブルが提供される。
本発明のシールドケーブルの第1実施形態を示す部分側面図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。
以下、本発明の実施形態について図1及び図2を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るシールドケーブルの一実施形態を示す部分側面図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図1に示すように、シールドケーブル10は同軸ケーブルを示しており、絶縁電線5と、絶縁電線5を包囲するシールド層3と、シールド層3を被覆するシース4とを備えている。そして、絶縁電線5は、内部導体1と、内部導体1を被覆し内部導体1を包囲するように設けられる絶縁層2とを有している。絶縁層2は、シールド層3によって被覆され且つ包囲するように設けられている。尚、シールドケーブル10の端子付けの際に、接地をしやすくするために、シールドケーブル10はシールド層3に接触するように設けられるドレイン線(図示せず)をさらに有していても良い。ドレイン線はシールド層3に触れていれば、シールド層3の内側に設けられていてもよく、シールド層3の外側に設けられていてもよい。またドレイン線はシールド層3に対して、らせん状に巻かれていてもよく、縦添えされてもよい。
ここで、シールド層3は、導電性樹脂組成物を架橋して得られるものであり、導電性樹脂組成物は、シリコーンゴムと、金属被覆繊維を含む導電材とを含み、導電性樹脂組成物中のシリコーンゴムの含有率が77〜89.5質量%であり、導電性樹脂組成物中の導電材の含有率が10〜21質量%である。上記導電性樹脂組成物は、架橋により、優れた電磁遮蔽能をシールドケーブル10に付与し得るシールド層3を形成し得るものである。
シールドケーブル10によれば、上記導電性樹脂組成物が、架橋された後に、優れた電磁波遮蔽能をシールドケーブル10に付与し得るシールド層3を形成できるため、優れた電磁波遮蔽能を有することが可能となる。
次に、上述したシールドケーブル10の製造方法について説明する。
<内部導体>
はじめに内部導体1を準備する。内部導体1としては、1本の素線のみで構成される単線または複数本の素線を拠り合わせて得られる撚線を用いることができる。また、内部導体1は、導体径や導体の材質などについて特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜定めることができる。内部導体1としては、例えば銅、銅合金、アルミニウム等の金属からなる金属線が挙げられる。これらの金属はそれぞれ単独で又は組み合わせて用いることもできる。また、上記金属線を本体部とし、その表面にスズや銀等からなるめっきを施してメッキ膜を形成したものを内部導体1として用いることもできる。
<絶縁層>
次に、内部導体1を被覆し且つ包囲するように絶縁層2を形成する。
絶縁層2は、絶縁性樹脂及び必要に応じて添加剤を溶融混練し内部導体1を包囲するように押出加工することによって得ることができる。
こうして内部導体1と絶縁層2とを有する絶縁電線5が得られる。
<シールド層>
次に、上記のようにして得られた絶縁電線5の絶縁層2を包囲するようにシールド層3を形成する。シールド層3は、シリコーンゴムと、金属被覆繊維を含む導電材とを含む導電性樹脂組成物を架橋して得られるものである。
(シリコーンゴム)
シリコーンゴムのショアA硬度の瞬間値は特に制限されるものではないが、シリコーンゴムのショアA硬度の瞬間が60以下であることが好ましい。この場合、シリコーンゴムのショアA硬度の瞬間値が60を超える場合に比べて、より高い可撓性をシールドケーブル10に付与することが可能となる。
導電性樹脂組成物中のシリコーンゴムの含有率は77〜89.5質量%である。この場合、導電性樹脂組成物中のシリコーンゴムの含有率が77質量%未満である場合に比べて、導電性樹脂組成物の加工性がより向上する。また導電性樹脂組成物中のシリコーンゴムの含有率が77〜89.5質量%であると、導電性樹脂組成物中のシリコーンゴムの含有率が89.5質量%を超える場合に比べて、導電性樹脂組成物の加工性がより向上するとともに、シールドケーブル10の電磁波遮蔽能がより向上する。
(導電材)
導電材は金属被覆繊維を含む。金属被覆繊維は、繊維に金属層を被覆してなるものである。本発明において、導電粒子ではなく、金属被覆繊維を用いるのは、カーボン粒子などの導電粒子よりも金属被覆繊維の方が高い導電性を有する傾向があるとともに、シールド層3において導電パスを形成しやすいからである。さらに金属被覆繊維を用いると、金属被覆繊維は導電粒子に比べて凝集しにくいため、導電性樹脂組成物の粘度が低下しやすく、押出加工性がより良好になる。
繊維としては、例えばポリエステル樹脂、ナイロン樹脂、アラミド繊維などの有機繊維、炭素繊維、ガラス繊維などの無機繊維などが挙げられる。中でも炭素繊維が好ましい。炭素繊維を構成する炭素材料としては、例えばPAN(ポリアクリロニトリル)系炭素材料、ピッチ(石炭乾留副産物)系炭素材料、炭化水素ガス系炭素材料などが挙げられる。これらは1種類単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中ではPAN系炭素材料が特に好ましい。
金属層を構成する金属としては、銅、ステンレスなどの非磁性金属のほか、磁性金属を用いることができる。中でも、電界遮蔽能が高いという理由から、磁性金属が好ましい。このような磁性金属としては、例えばニッケル、鉄、コバルト、クロム、マンガンなどが挙げられる。これらは1種類単独で又は2種類以上の合金として使用することも可能である。中でも磁性金属はニッケルであることが好ましい。
金属被覆繊維において、繊維に対する金属層の質量比は、特に制限されないが、0.63〜0.71であることが好ましい。この場合、質量比がこの範囲を外れる場合に比べてシリコーンゴム中で金属被覆繊維がより配向しやすくなる。
また金属被覆繊維の平均径及び平均長は特に制限されないが、金属被覆繊維の平均径が5〜30μmであり、平均長が3〜10mmであることが好ましい。
金属被覆繊維の平均径が上記範囲内にあると、金属被覆繊維の平均径が5μm未満である場合に比べて、導電性樹脂組成物の混練中に金属被覆繊維が切れにくくなり、より優れた電磁遮蔽能をシールドケーブル10に付与し得るシールド層3を形成できる。また金属被覆繊維の平均径が上記範囲内にあると、金属被覆繊維の平均径が30μmより大きい場合に比べて、金属被覆繊維同士の絡まりが生じやすくなり、より優れた電磁遮蔽能をシールドケーブル10に付与し得るシールド層3を形成できる。また金属被覆繊維の平均長が上記範囲内にあると、金属被覆繊維の平均長が3mm未満である場合に比べて、金属被覆繊維同士の接触が起こりやすくなり、より優れた電磁遮蔽能をシールドケーブル10に付与し得るシールド層3を形成できる。また金属被覆繊維の平均長が上記範囲内にあると、金属被覆繊維の平均長が10mmより大きい場合に比べて、より高い可撓性をシールドケーブル10に付与し得るシールド層3を形成できる。
導電性樹脂組成物中の導電材の含有率は10〜21質量%である。この場合、導電性樹脂組成物中の導電材の含有率が10質量%未満である場合に比べて、導電性樹脂組成物の加工性がより向上するとともに、より優れた電磁遮蔽能をシールドケーブル100に付与することが可能となる。また導電性樹脂組成物中の導電材の含有率が10〜21質量%であると、導電性樹脂組成物中の導電材の含有率が21質量%を超える場合に比べて、導電性樹脂組成物の加工性がより向上する。
なお、導電材中の金属被覆繊維の含有率は、特に制限されるものではないが、70〜100質量%であることが好ましい。ここで、導電材中の金属被覆繊維の含有率は100質量%であることが特に好ましい。この場合、導電材中に金属被覆繊維以外にカーボンなどの凝集しやすい粒子が含まれないことになり、導電性樹脂組成物の加工性がより向上する。
(架橋剤)
導電性樹脂組成物は通常、架橋剤を含む。架橋剤はシリコーンゴムを架橋させるものであればいかなるものでもよい。このような架橋剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキサン、p−メチルベンゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物を含むものなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合せて用いてもよい。
導電性樹脂組成物中の架橋剤の含有率は、通常は0.5〜2質量%であり、好ましくは0.8〜1.2質量%である。
導電性樹脂組成物は、安定剤、難燃剤、充填材、表面処理剤、ドリップ防止剤、加工助剤、滑剤、老化防止剤、架橋助剤、スコーチ防止剤などの各種添加剤を必要に応じてさらに含んでもよい。
導電性樹脂組成物は、シリコーンゴム、金属被覆繊維、架橋剤及び必要に応じて各種添加剤を混練することにより得ることができる。混練は、例えばバンバリーミキサ、タンブラ、加圧ニーダ、混練押出機、二軸押出機、ミキシングロール等の混練機で行うことができる。
<シース>
最後にシールド層3を被覆し且つ包囲するようにシース4を形成する。シース4は、シールド層3を物理的又は化学的な損傷から保護するものであり、シース4を構成する材料としては、例えばフッ素樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂が挙げられるが、環境性等の観点からポリエチレン樹脂等のハロゲンフリー材料が好ましく用いられる。
以上のようにしてシールドケーブル10が得られる。上記のようにしてシールドケーブル10を得る場合、導電性樹脂組成物の加工性が良好であるため、シールド層3を容易に形成することができ、シールドケーブル10の製造効率が向上する。また、上記導電性樹脂組成物は、架橋された後に、優れた電磁波遮蔽能をシールドケーブル10に付与し得るシールド層3を形成できるため、得られるシールドケーブル10は、優れた電磁波遮蔽能を有することが可能となる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、シールドケーブル10がシース4を有しているが、シース4は、必ずしもシース4を有していなくてもよい。
以下、本発明の内容を、実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<導電性樹脂組成物の原料>
導電性樹脂組成物の原料としては、以下のものを使用した。
(A)シリコーンゴム
(A1)シリコーンゴム1
商品名「Silplus 50HS」、モメンティブ社製、ショアA硬度(瞬間値):50
(A2)シリコーンゴム2
商品名「Silplus 70HS」、モメンティブ社製、ショアA硬度(瞬間値):70
(B)導電材
(B1)Niメッキ炭素繊維
商品名「HT C903」、東邦テナックス社製、Niメッキチョップド
平均長6mm
平均径:7.5μm
炭素繊維:PAN系炭素材料
炭素繊維に対するNi層の質量比:0.67
(B2)ケッチェンブラック
商品名「EC600JD」、ライオン社製
(C)架橋剤
商品名「TC−8」、モメンティブ社製
(実施例1〜3及び比較例1〜2)
上記のシリコーンゴム、導電材及び架橋剤を表1に示す割合で配合し、オープンロールを用いて常温で混練し、得られた導電性樹脂組成物を160℃で10分間プレスすることで架橋させた、200mm×200mm×1mmの寸法を有するシートを得た。なお、表1において、シリコーンゴム、導電材及び架橋剤の配合量の単位は質量部である。
<特性評価>
(1)比重
上記シートから直径70mm×1mmの試験片を切り出し、水中置換法により比重を測定した。結果を表1に示す。
(2)硬度
上記シートから25mm×50mm×1mmの硬度試験用試験片を切り出し、この試験片について、JIS K7215に準拠してデュロメータ硬度計を用いてショアA硬度の瞬間値の測定を行った。結果を表1に示す。ショアA硬度は90以下であることが、可とう性をより向上させる観点からは好ましい。
(3)体積抵抗率
上記シートから20mm×70mm×1mmの試験片を用意し、両端面にそれぞれ銀ペースト(商品名「ドータイトD362」、藤倉化成社製)を5mm×1mmのサイズとなるように塗布し、硬化させて電極を形成し、電極付き試験片を作製した。この電極付き試験片を用いて、JIS K6271に準拠して体積抵抗率を測定した。結果を表1に示す。
(4)加工性
加工性はムーニー粘度を指標とした。ムーニー粘度は、上記実施例1〜3及び比較例1〜2で得られた導電性樹脂組成物について、JIS K6300に準拠して測定した。このとき、測定は、上記実施例1〜3及び比較例1〜2で得られた導電性樹脂組成物を30℃で1分間予熱した後、30℃で10分間加圧して行った。結果を表1に示す。表1において、ムーニー粘度が80M以上である場合には、装置上、「測定不可」と表示した。なお、加工性の合格基準は以下の通りとした。

(合格基準)ムーニー粘度が60M(1+10)以下
(5)電磁波遮蔽能
電磁波遮蔽能は電界遮蔽能を指標とした。
電界遮蔽能を評価するために、まず上記実施例1〜3及び比較例1〜2について、以下のようにしてシールドケーブルである同軸ケーブルを作製した。
まず絶縁層形成用原料を用意した。絶縁層形成用原料としては、リンクロン(シラン架橋ポリエチレン、三菱化学社製)を用意した。そして、押出機(製品名:φ25押出機、マース精機社製)に上記絶縁層形成用原料を投入し、溶融混練を行った。このとき、溶融混練温度は160℃とした。そして、この押出機にて、押出物をチューブ状に押し出し、このチューブ状の押出物で、直径1.8mmの錫めっき銅線を被覆した。こうして、錫メッキ銅線上に厚さ0.7mmの絶縁層を有する絶縁電線を作製した。
次に、実施例1〜3及び比較例1〜2の導電性樹脂組成物を、押出機(製品名「φ30押出機」、三葉製作所社製)にて、30℃で上記の絶縁電線を包囲するように押し出し、絶縁電線上に厚さ0.8mmの未架橋シールド層を形成し、未架橋シールド層付き絶縁電線を得た。この後、上記未架橋シールド層を、200℃、0.35MPaで10分間、水蒸気架橋させた。こうして絶縁電線上にシールド層を形成し、シールド層付き絶縁電線を得た。
次に、このシールド層付きの絶縁電線を、厚さ0.6mmのPVC(ポリ塩化ビニル)からなるシースで被覆した。こうして同軸ケーブルを得た。こうして得られた同軸ケーブルについて、CISPR25に準拠して電界遮蔽能を測定した。具体的には、電波暗室にて、同軸ケーブルとアンテナとを3m離した状態で、同軸ケーブルに電気信号を入力したときのアンテナでの受信電力を受信することにより電界遮蔽能(単位:dBμm/m)を測定した。結果を表1に示す。なお、表1において、電磁波遮蔽特性の合格基準は下記の通りとした。

(合格基準)電界遮蔽能が30dBμm/m以上
Figure 2016020463
表1に示すように、実施例1〜3の導電性樹脂組成物は、電磁波遮蔽能及び加工性の点で合格基準に達していた。一方、比較例1〜2の導電性樹脂組成物は電磁波遮蔽能及び加工性のうちの少なくとも1つの点で合格基準に達していなかった。
以上より、本発明の導電性樹脂組成物によれば、加工性に優れるとともに、架橋された後に、優れた電磁遮蔽能をシールドケーブルに付与し得るシールド層を形成できることが確認された。
1…内部導体
2…絶縁層
3…シールド層
10…シールドケーブル

Claims (5)

  1. シリコーンゴムと、金属被覆繊維を含む導電材とを含む導電性樹脂組成物であって、
    前記導電性樹脂組成物中の前記シリコーンゴムの含有率が77〜89.5質量%であり、
    前記導電性樹脂組成物中の前記導電材の含有率が10〜21質量%である、導電性樹脂組成物。
  2. 前記シリコーンゴムのショアA硬度の瞬間値が60以下である、請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
  3. 前記金属被覆繊維の平均径が5〜30μmであり、平均長が3〜10mmである、請求項1又は2に記載の導電性樹脂組成物。
  4. 前記金属被覆繊維が、炭素繊維をニッケルで被覆したものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性樹脂組成物。
  5. 導体と、
    前記導体を包囲するように設けられる絶縁層と、
    前記絶縁層を包囲するように設けられるシールド層とを備え、
    前記シールド層が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性樹脂組成物を架橋して得られるシールドケーブル。
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