JP2016018851A - 機能性素子の製造方法および機能性素子形成用仮固定基材 - Google Patents

機能性素子の製造方法および機能性素子形成用仮固定基材 Download PDF

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充孝 永江
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健 冨野
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直子 沖本
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慎也 藤本
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Abstract

【課題】本発明は、固定用基材の再利用が可能な機能性素子の製造方法等を提供することを主目的とする。【解決手段】本発明は、固定用基材の両面に粘着層を介してフィルム基材を配置し、上記固定用基材の表面および上記フィルム基材の表面を固定し、かつ上記固定用基材の端部の外側で上記フィルム基材同士を固定して固定部分とする仮固定工程と、上記固定用基材に固定された上記フィルム基材上に機能層を形成する機能層形成工程と、上記フィルム基材の上記固定部分を分離して上記機能層が形成された上記フィルム基材を上記固定用基材から剥離する剥離工程と、を有することを特徴とする機能性素子の製造方法を提供することにより、上記目的を達成する。【選択図】図1

Description

本発明は、フィルム基材を用いた機能性素子の製造方法、およびこれに用いる機能性素子形成用仮固定基材に関する。
フィルム基材は、フレキシブル性があり、軽量、薄膜、耐衝撃性が良好である等の理由から、有機半導体素子、カラーフィルタ、タッチパネル等の種々の機能性素子の基材として好適に用いられている(例えば、特許文献1〜2)。
ところで、フィルム基材は寸法が変化しやすいことから、機能性素子の製造工程においては、撓み、反り、うねり等が生じやすいという問題があり、フィルム基材上に微細パターンを有する機能層を形成する際にアライメントを正確にとることが困難であるという問題がある。
これに対して、従来から、枚葉方式の機能性素子の製造方法においては、フィルム基材の寸法制御および反り等防止のため、例えば、図10(a)に示すように、ガラス基材等の固定用基材2の両面に粘着層3を介してフィルム基材11a、11bを配置し、固定用基材2の表面とフィルム基材11a、11bの表面とを固定した状態で、図10(b)に示すように、フィルム基材11a上に機能層20を形成する方法が採用されている。また、機能性素子の製造工程中における移動、機能層形成のための処理等のハンドリングにおいてフィルム基材が固定用基材から剥離することを抑制するため、図10(a)、(b)に示すように、固定用基材2の表面上に配置される粘着層3およびフィルム基材11a、11bは、通常、固定用基材2の平面視上の大きさよりも小さくなるように配置される。
しかしながら、従来の機能性素子の製造方法においては、機能性素子の製造工程中に、図10(b)に示すように、固定用基材2の端部近傍に機能層の材料、レジスト材料等の不純物Dが付着して汚染されるという問題がある。また、汚染された固定用基材については、再利用が困難である場合が多く、機能性素子の製造コストが高くなるという問題がある。
なお、図10(a)、(b)は、従来の機能性素子の製造方法の一例を示す工程図である。また、機能性層20の詳細については後述する図2および図3において説明する内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
上述した問題に対しては、例えば、固定用基材、粘着層およびフィルム基材の平面視上の大きさを揃えて配置することも検討されているが、固定用基材およびフィルム基材の位置を合わせて貼り合わせることは通常困難であり、また、上記構成とした場合も、固定用基材の端部の汚染を十分に抑制することが困難という問題がある。
特開2009−244338号公報 特開2013−257855号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、固定用基材を再利用可能な機能性素子の製造方法、およびこれに用いる機能性素子形成用仮固定基材を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、固定用基材の両面に粘着層を介してフィルム基材を配置し、上記固定用基材の表面および上記フィルム基材の表面を固定し、かつ上記固定用基材の端部の外側で上記フィルム基材同士を固定して固定部分とする仮固定工程と、上記固定用基材に固定された上記フィルム基材上に機能層を形成する機能層形成工程と、上記フィルム基材の上記固定部分を分離して上記機能層が形成された上記フィルム基材を上記固定用基材から剥離する剥離工程と、を有することを特徴とする機能性素子の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記仮固定工程を有することにより、固定用基材の全体をフィルム基材を用いて覆うことができるため、固定用基材の汚染を抑制することができ、剥離工程において機能層が形成されたフィルム基材を固定用基材から剥離した後に、固定用基材を再利用することができる。
上記発明においては、上記仮固定工程が、上記フィルム基材の表面上に形成された上記粘着層を上記固定用基材の表面に貼り合わせて固定する工程であることが好ましい。固定用基材の表面とフィルム基材の表面とを粘着層を用いて貼り合わせやすいからである。
上記発明においては、上記機能層形成工程が、有機半導体素子の構成の少なくとも一部を形成する工程であることが好ましい。有機半導体素子の各構成をアライメント精度高く形成することができるからである。
本発明は、フィルム基材と、上記フィルム基材上に形成された機能層とを有する機能性素子を製造する際に、上記フィルム基材を仮固定するために用いられる機能性素子形成用仮固定基材であって、固定用基材と、上記固定用基材の両面および側面に形成された粘着層と、を有することを特徴とする機能性素子形成用仮固定基材を提供する。
本発明によれば、上記固定用基材の両面および側面に形成された粘着層を有することにより、固定用基材の全体をフィルム基材を用いて覆うことができるため、機能性素子の製造工程において、固定用基材の汚染を抑制することができ、機能層が形成されたフィルム基材を固定用基材から剥離した後に、固定用基材を再利用することができる。
本発明の機能性素子の製造方法は、上記仮固定工程を有することにより、固定用基材の全体をフィルム基材を用いて覆うことができるため、固定用基材の汚染を抑制することができ、機能層が形成されたフィルム基材を固定用基材から剥離した後に、固定用基材を再利用することができるといった作用効果を奏する。
本発明の機能性素子の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の機能性素子の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の機能性素子の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明における仮固定工程の他の例を示す工程図である。 本発明における仮固定工程の他の例を示す工程図である。 本発明における仮固定工程の他の例を示す工程図である。 本発明により製造される機能性素子の例を示す概略断面図である。 本発明における剥離工程の他の例を示す工程図である。 本発明における剥離工程の他の例を示す工程図である。 従来の機能性素子の製造方法の一例を示す工程図である。
以下、本発明の機能性素子の製造方法および機能性素子形成用仮固定基材の詳細を説明する。なお、以下の説明においては、機能性素子形成用仮固定基材を、単に仮固定基材と称して説明する場合がある。
A.機能性素子の製造方法
本発明の機能性素子の製造方法は、固定用基材の両面に粘着層を介してフィルム基材を配置し、上記固定用基材の表面および上記フィルム基材の表面を固定し、かつ上記固定用基材の端部の外側で上記フィルム基材同士を固定して固定部分とする仮固定工程と、上記固定用基材に固定された上記フィルム基材上に機能層を形成する機能層形成工程と、上記フィルム基材の上記固定部分を分離して上記機能層が形成された上記フィルム基材を上記固定用基材から剥離する剥離工程と、を有することを特徴とする製造方法である。
本発明の機能性素子の製造方法について図を用いて説明する。
図1〜図3は本発明の機能性素子の製造方法の一例を示す工程図である。
また、図2および図3においては、機能性素子として、有機半導体トランジスタを有する有機半導体素子を製造する例について示している。
本発明においては、まず、図1(a)に示すように、固定用基材2と固定用基材2の両面および側面に形成された粘着層3を有する仮固定基材1を準備する。次に、図1(b)に示すように、固定用基材2の両面にそれぞれフィルム基材11a、11bをロールR等を用いて圧着させて配置し、固定用基材2の表面とフィルム基材11a11bの表面とを固定する。また、図1(c)に示すように、固定用基材2の端部の外側でフィルム基材11a、11bを接着剤を含む接着層4a等を用いて固定して固定部分4とする(仮固定工程)。
次に、図2(a)に示すように、固定用基材2に固定されたフィルム基材11a上にソース電極21およびドレイン電極22を形成する。次に、図2(b)に示すように、フィルム基材11a上のソース電極21およびドレイン電極22の間のチャネル領域に有機半導体層23を形成する。次に、図2(c)に示すように、ソース電極21、ドレイン電極22および有機半導体層23を覆うようにゲート絶縁層24を形成する。次に、図2(d)に示すように、ゲート絶縁層24上にゲート電極25を形成する。以上により、機能層20として、トップゲートボトムコンタクト型の有機半導体トランジスタを形成する(機能層形成工程)。
次に、図3(a)に示すように、フィルム基材11a、11bの固定部分4を分離する。次に、図3(b)に示すように、機能層20が形成されたフィルム基材11aを固定用基材2から剥離する(剥離工程)。
以上により、図3(b)に示すように、機能性素子30を製造することができる。
本発明によれば、上記仮固定工程を有することにより、固定用基材の全体をフィルム基材を用いて覆うことができるため、固定用基材の汚染を抑制することができ、剥離工程において機能層が形成されたフィルム基材を固定用基材から剥離した後に、固定用基材を再利用することができる。また、機能性素子の製造コストを削減し、効率よく機能性素子を製造することができる。
また、本発明によれば、固定用基材の両面にフィルム基材を配置することができることから、機能性素子の製造工程における固定用基材の反り等についても抑制することができる。
以下、本発明の機能性素子の製造方法の各工程について説明する。
1.仮固定工程
本発明における仮固定工程は、固定用基材の両面に粘着層を介してフィルム基材を配置し、上記固定用基材の表面および上記フィルム基材の表面を固定し、かつ上記固定用基材の端部の外側で上記フィルム基材同士を固定して固定部分とする工程である。
(1)固定用基材
本発明における固定用基材は、その両面に粘着層を介してフィルム基材が配置されるものである。また、固定用基材は、その表面にフィルム基材を固定することにより、機能性素子の形成工程におけるフィルム基材の撓み、反り、うねり等の寸法変化を抑制する機能を有するものである。
固定用基材は、寸法安定性を有するものである。
固定用基材が寸法安定性を有するとは、フィルム基材の熱膨張係数に比べて低い熱膨張係数を有することをいう。
具体的には、固定用基材の熱膨張係数が、10×10−6−1以下、なかでも0.1×10−6−1〜8×10−6−1の範囲内、特に0.3×10−6−1〜5×10−6−1の範囲内であることが好ましい。
固定用基材の熱膨張係数が大きすぎる場合は、フィルム基材の寸法変化を十分に抑制することが困難となる可能性があるからである。また、固定基材の熱膨張係数が小さすぎる場合は、固定基材自体を得ることが困難となる可能性があるからである。
熱膨張係数は、例えば熱機械分析法(TMA法)(Thermal Mechanical Analysis)により測定することができる。
固定用基材の熱膨張係数と、後述するフィルム基材の熱膨張係数との差については、機能性素子の製造におけるフィルム基材の寸法変化を抑制することができれば特に限定されないが、例えば、5×10−6−1以上、特に10×10−6−1以上であることが好ましい。固定用基材の熱膨張係数と、後述するフィルム基材の熱膨張係数との差を上記値以上とすることにより、フィルム基材の寸法変化を良好に抑制することができるからである。また、フィルム基材の寸法変化を良好に抑制することができることから、フィルム基材上に形成される機能層の破損等についても抑制することができるからである。
固定用基材に用いられる材料としては、例えば、石英ガラス、無アルカリガラス、パイレックス(登録商標)ガラス等のガラス基材、合成石英板、セラミック板、ステンレス鋼等の金属基材を挙げることができる。本発明においては、なかでもガラス基材を用いることが好ましい。ガラス基材は、寸法安定性が良好であるため、ガラス基材の表面に固定されたフィルム基材の寸法変化を好適に抑制することができるからである。
固定用基材は、通常、平滑性を有するものが用いられる。
固定用基材の平滑性としては、固定用基材の表面に固定されたフィルム基材上に機能層を形成することができる程度であれば特に限定されない。具体的な固定用基材の表面粗さRaとしては、10000nm以下、なかでも1000nm以下、特に500nm以下であることが好ましい。固定用基材の表面粗さRaが大きいと、弱粘着層を介してフィルム基材を良好に配置することが困難となる可能性や、固定用基材の表面とフィルム基材の表面とを良好に固定することが困難となる可能性があるからである。
なお、上記表面粗さRaは、原子間力顕微鏡(AFM)もしくは走査型白色干渉計を用いて測定した値である。例えば、AFMを用いて測定する場合は、Nanoscope V multimode(Veeco社製)を用いて、タッピングモードで、カンチレバー:MPP11100、走査範囲:50μm×50μm、走査速度:0.5Hzにて、表面形状を撮像し、得られた像から算出した粗さ曲線の中心線からの平均のずれを算出することより表面粗さRaを求めることができる。また、走査型白色干渉計を用いて測定する場合は、New View 5000(Zygo社製)を用いて、対物レンズ:100倍、ズームレンズ:2倍、Scan Length:15μmにて、50μm×50μmの範囲の表面形状を撮像し、得られた像から算出した粗さ曲線の中心線からの平均のずれを算出することより表面粗さRaを求めることができる。
固定用基材の厚みとしては、フィルム基材およびフィルム基材上に形成される機能層を支持することができれば特に限定されないが、10μm〜10mmの範囲内、なかでも100μm〜5mmの範囲内、特に300μm〜3mmの範囲内であることが好ましい。
固定用基材の厚みが薄すぎると固定用基材の強度を十分なものとすることが困難となり、機能層の製造工程において破損、変形等をする可能性があるからである。また、固定用基材の厚みが厚すぎると、フィルム基材を固定しづらくなる可能性や、機能性素子の製造工程において取り扱いづらくなる可能性があるからである。
固定用基材は、ロール状であってもよく、枚葉状であってもよい。
(2)粘着層
本工程に用いられる粘着層は、固定用基材およびフィルム基材の間に形成されるものであり、両者を貼り合わせて固定するものである。
また、本発明において「粘着」とは、固定用基材およびフィルム基材、またはフィルム基材同士を貼り合わせて固定することができ、かつ両者を剥離した際に、固定用基材およびフィルム基材またはフィルム基材同士のいずれも損傷させることなく剥離可能とすることができることをいう。また、「粘着性」とは、粘着する性質をいう。
また、本発明において「接着」とは、固定用基材およびフィルム基材、またはフィルム基材同士を貼り合わせて固定することができ、かつ両者を剥離することができないことをいう。また、「接着性」とは、接着する性質をいう。
本発明における粘着層は、粘着性を有するものだけでなく、加熱や光照射等により接着性から粘着性へと性質が変化するものも含む。なお、光照射とは、紫外光または可視光、赤外光などの照射をいう。
粘着層の粘着強度としては、固定用基材およびフィルム基材の種類等に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、JIS Z 0237:2009に準拠した90°剥離試験(剥離速度は、300mm/min)で、0.001N/25mm〜0.1N/25mmの範囲内であることが好ましく、0.005N/25mm〜0.05N/25mmの範囲内であることがより好ましく、0.01N/25mm〜0.03N/25mmの範囲内であることがさらに好ましい。
また、粘着層が加熱、光照射等により接着性から粘着性へと性質が変化するものである場合は、加熱または光照射後の粘着層の粘着強度が上述した数値範囲を示すことが好ましい。
粘着層に用いられる材料としては、具体的には、無機系粘着剤としては、シリコーン系粘着剤、セラミック系粘着剤等が挙げられる。有機系粘着剤としては、ポリマー系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられる。無機系―有機系ハイブリッド粘着剤としては、シリコーンポリマー系粘着剤等が挙げられる。なお、無機系粘着剤及び有機系粘着剤を混合させた粘着剤等も用いることができる。
本発明における粘着層の形成位置としては、固定用基材の表面とフィルム基材の表面との間に形成されていれば特に限定されず、予め固定用基材の表面上に形成されていてもよく、予めフィルム基材の表面上に形成されていてもよい。
粘着層が固定用基材の表面上に形成されている場合は、少なくとも固定用基材の両面に形成されていればよく、図4(a)、(b)に示すように固定用基材2の両面にのみ粘着層3が形成されてもよく、図1(a)〜(c)に示すように、固定用基材2の両面および側面に粘着層3が形成されてもよい。本発明においては、図1(a)〜(c)等に示すように、固定用基材2の両面および側面に粘着層3が形成されていることが好ましい。固定用基材全体をフィルム基材を用いて覆いやすいからである。
一方、粘着層がフィルム基材の表面上に形成されている場合は、図5(a)、(b)に示すように、フィルム基材11の一方の表面上の全面に粘着層3が形成されていることが好ましい。固定用基材の端部の外側でフィルム基材同士を固定して固定部分とする場合に粘着層を用いて貼り合わせることができるため、本工程をより容易に行うことができるからである。
なお、図4(a)、(b)および図5(a)、(b)は本発明における仮固定工程の他の例を示す工程図である。
粘着層の形成方法としては、固定用基材の表面上またはフィルム基材の表面上に形成することができれば特に限定されないが、スピンコート法、バーコート法、ディップ法、ダイコート法、印刷法などの各種薄膜形成法を適用することができる。
(3)フィルム基材
本工程に用いられるフィルム基材は、粘着層を介して固定用基材の表面上に固定されるものであり、固定用基材の端部の外側でフィルム基材同士が固定されて固定部分とされるものである。
また、フィルム基材は、機能層を支持するものである。
本発明において、「フィルム基材」、「シート」の用語は呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、本発明において「フィルム基材」とは、例えば、シートとも呼ばれ得るような構成を含む概念である。
フィルム基材は、通常、固定用基材の熱膨張係数に比べて高い熱膨張係数を有する。具体的には、フィルム基材の熱膨張係数が、10×10−6−1を超えることが好ましく、なかでも10×10−6−1〜100×10−6−1の範囲内であることが好ましい。
フィルム基材の熱膨張係数が小さすぎる場合は、機能性素子の製造におけるフィルム基材の寸法変化が生じにくい可能性があるからである。
なお、フィルム基材の熱膨張係数の測定方法については、上述した固定用基材の熱膨張係数の測定方法と同様である。
フィルム基材に用いられる材料は、一般的なフィルム基材に用いられる樹脂材料と同様とすることができ、例えば、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)およびポリエーテルイミド(PEI)等を挙げることができる。
フィルム基材の厚みとしては、機能層を形成することができれば特に限定されず、機能性素子の種類および用途に応じて適宜選択することができる。フィルム基材の厚みとしては、例えば、5μm〜1000μmの範囲内、なかでも10μm〜500μmの範囲内、特に25μm〜150μmの範囲内であることが好ましい。
フィルム基材の厚みが薄すぎると、本発明により製造される機能性素子の強度を十分に保持することが困難となる可能性があるからであり、フィルム基材の厚みが厚すぎると機能性素子の薄膜化が困難となる可能性や、フィルム基材の破損等が生じる可能性があるからである。
固定用基材の両面に配置されるフィルム基材の形態としては、例えば、図1(a)〜(c)および図4(a)、(b)に示すように、1対をなす2枚のフィルム基材であってもよく、図示はしないが、円筒状のフィルム基材であってもよく、図5(a)、(b)に示すように、1枚のフィルム基材11を2つ折りにしたものであってもよい。
また、一対をなす2枚のフィルム基材を用いる場合は、各フィルム基材の材料は同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。
また、固定用基材の表面とフィルム基材の表面との固定方法としては、固定用基材の表面上に形成された粘着層をフィルム基材を貼り合わせて固定してもよく、上記フィルム基材の表面上に形成された上記粘着層を上記固定用基材の表面に貼り合わせて固定してもよい。本発明においては、なかでも上記フィルム基材の表面上に形成された上記粘着層を上記固定用基材の表面に貼り合わせて固定することが好ましい。固定用基材の表面とフィルム基材の表面とを粘着層を用いて貼り合わせやすいからである。
固定用基材の表面とフィルム基材の表面との貼り合わせ方法としては、より具体的には、ロール等を用いて固定用基材およびフィルム基材を圧着して貼り合わせてもよく、フィルム基材を袋状に配置して真空吸着法を用いて大気との気圧差によりフィルム基材および固定用基材を貼り合わせてもよい。
固定用基材の端部の外側におけるフィルム基材同士の固定方法としては、フィルム基材の端部を固定することができれば特に限定されない。例えば、図5(b)に示すように、フィルム基材11の一方の表面上の全面に粘着層3が形成されている場合は粘着層3を用いてフィルム基材11同士を固定することができる。また、図1(c)および図4(b)に示すように、粘着層3が固定用基材2の表面上に形成されている場合は、固定用基材2の端部の外側に位置するフィルム基材11a、11bの少なくとも一方の表面に接着層4aを形成して両者を固定してもよく、フィルム基材11a、11bがヒートシール性を有するものである場合は、ラミネート法を用いて溶着層4bを形成して両者を固定してもよい。
また、図6に示すように、固定用基材2の端部の外側とフィルム基材11a、11bの固定部分との間に固定されていない部分を有していてもよい。
なお、上記接着層に用いられる接着剤については、一般的なものとすることができるため、ここでの説明は省略する。
上記フィルム基材の固定部分の形成位置については、固定用基材の端部の外側の少なくとも一部に形成されていればよく、具体的にはフィルム基材の形態等に応じて適宜選択することができる。また、上記固定部分の幅についても機能性素子の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
上記フィルム基材の形態は、固定用基材の形態に応じて適宜選択することができ、固定用基材がロール状である場合はフィルム基材としてはロール状のものを用いることができ、固定用基材が枚葉状である場合は、フィルム基材としては枚葉状のものを用いることができる。
2.機能層形成工程
本発明における機能層形成工程は、上記固定用基材に固定された上記フィルム基材上に機能層を形成する工程である。
本工程においては、固定用基材の両面に配置された各フィルム基材上に機能層を形成してもよく、固定用基材の一方の表面に配置されたフィルム基材上に機能層を形成してもよいが、通常は、固定用基材の一方の表面に配置されたフィルム基材上に機能層を形成する。
ここで、「機能」とは、光選択吸収性、反射性、偏光性、光選択透過性、非線形光学性、蛍光またはリン光等のルミネッセンス、フォトクロミック性等の光学的;硬磁性、軟磁性、非磁性、透磁性等の磁気的;導電性、絶縁性、圧電性、焦電性、誘電性等の電気または電子的;吸着性、脱着性、触媒性、吸水性、イオン伝導性、酸化還元性、電気化学特性、エレクトロクロミック性等の化学的;耐摩耗性等の機械的;伝熱性、断熱性、赤外線放射性等の熱的;生体適合性、抗血栓性等の生体機能的のような各種の機能を意味するものである。
本工程においては、種々のデバイスの機能層を形成することが可能であるが、なかでも、有機半導体素子の構成の少なくとも一部を形成することが好ましい。
ここで、有機半導体素子の構成とは、少なくとも有機半導体トランジスタを含むものである。また、有機半導体トランジスタとは、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極および有機半導体層を有するものである。
以下、本工程において形成される機能層およびその形成方法について有機半導体素子の構成を例に挙げて説明する。
(1)有機半導体素子の構成
本工程において形成される有機半導体素子の有機半導体トランジスタとしては、図3(b)に示すように、トップゲートボトムコンタクト型であってもよく、図7(a)に示すようにトップゲートトップコンタクト型であってもよく、図7(b)に示すようにボトムゲートボトムコンタクト型であってもよく、図7(c)に示すようにボトムゲートトップコンタクト型であってもよい。
なお、図7(a)〜(c)は本発明により製造される機能性素子の例を示す概略断面図であり、符号等については、図2および図3において説明した符号等と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(a)ソース電極およびドレイン電極
ソース電極およびドレイン電極は、ソース電極およびドレイン電極の間に所望のチャネル領域を有するように形成されるものである。
ソース電極およびドレイン電極の形成位置は、有機半導体トランジスタの構造に応じて適宜選択され、通常、図3(b)、図7(a)に示すようにフィルム基材11上または図7(b)、(c)に示すようにゲート絶縁層24上に形成される。
上記ソース電極および上記ドレイン電極に用いられる材料としては、所望の導電性を有する導電性材料であれば特に限定されるものではない。このような導電性材料としては、例えば、Ta、Ti、Al、Zr、Cr、Nb、Hf、Mo、Au、Ag、Pt、Cu、Mo−Ta合金等の金属材料、Ag合金、Cu合金、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)等の透明導電性無機材料、および、PEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸)等の導電性を有する有機材料を挙げることができる。なお、ソース電極およびドレイン電極は、1種類の導電性材料からなるものであってもよく、2種類以上の導電性材料からなるものであってもよい。
ソース電極およびドレイン電極の厚みとしては、電極として機能する程度の厚みであれば特に限定されないが、具体的には0.01μm〜1μmの範囲内であることが好ましく、特に0.03μm〜0.5μmの範囲内であることが好ましい。また、ソース電極の厚みおよびドレイン電極の厚みは同一であってもよく異なっていてもよい。
なお、本発明における「厚み」は、一般的な測定方法によって得られる厚みをいう。厚みの測定方法としては、例えば、触針で表面をなぞり凹凸を検出することによって厚みを算出する触針式の方法や、分光反射スペクトルに基づいて厚みを算出する光学式の方法、走査型電子顕微鏡(SEM)等の顕微鏡観察像を用いた方法等を挙げることができる。なお、厚みとして、対象となる構成の複数箇所における厚み測定結果の平均値が用いられてもよい。
ソース電極およびドレイン電極間のチャネル領域の大きさは、有機半導体素子の用途等に応じて適宜選択されるものであり、特に限定されるものではない。
チャネル長さとしては、チャネル領域内に有機半導体層を形成可能な程度であれば特に限定されないが、1μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、特に3μm〜50μmの範囲内、さらに5μm〜15μmの範囲内であることが好ましい。チャネル長さとは、ソース電極およびドレイン電極間の距離をいう。
ソース電極およびドレイン電極の形成方法としては、例えば、蒸着法等を用いて基板全面に上記金属材料を含む金属層を形成した後、エッチングする方法や、金属マスクを用いて上記金属材料をパターン状に蒸着する方法、印刷法等を挙げることができる。また、リフトオフ法を用いることもできる。金属層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法と同様とすることができ、具体的には、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等を挙げることができる。
(b)有機半導体層
有機半導体層は、上記ソース電極およびドレイン電極間のチャネル領域を含む領域に形成されるものである。また、有機半導体層は、有機半導体トランジスタに半導体特性を付与するものである。
有機半導体層の形成位置は、有機半導体トランジスタの構造に応じて適宜選択され、通常、図3(b)、図7(a)に示すようにフィルム基材11上または図7(b)、(c)に示すようにゲート絶縁層24上に形成される。また、図3(b)および図7(b)に示すように、ソース電極21およびドレイン電極22上に有機半導体層23が形成されてもよく、図7(a)および図7(c)に示すように、有機半導体層23上にソース電極21およびドレイン電極22が形成されてもよい。
有機半導体層は、ソース電極およびドレイン電極の間のチャネル領域に形成されていれば特に限定されず、具体的なパターン形状等については、公知の有機半導体素子に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
有機半導体層に用いられる有機半導体材料としては、所望の半導体特性を備える有機半導体層を得ることができれば特に限定されるものではなく、一般的に有機半導体トランジスタに用いられる有機半導体材料を用いることができる。このような有機半導体材料としては、例えば、π電子共役系の芳香族化合物、鎖式化合物、有機顔料、有機ケイ素化合物等を挙げることができる。より具体的には、ペンタセン等の低分子系有機半導体材料、および、ポリピロール、ポリ(N−置換ピロール)、ポリ(3−置換ピロール)、ポリ(3,4−二置換ピロール)等のポリピロール類、ポリチオフェン、ポリ(3−置換チオフェン)、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、ポリベンゾチオフェン等のポリチオフェン類、ポリイソチアナフテン等のポリイソチアナフテン類、ポリチェニレンビニレン等のポリチェニレンビニレン類、ポリ(p−フェニレンビニレン)等のポリ(p−フェニレンビニレン)類、ポリアニリン、ポリ(N−置換アニリン)等のポリアニリン類、ポリアセチレン等のポリアセチレン類、ポリジアセチレン、ポリアズレン等のポリアズレン類等の高分子系有機半導体材料を挙げることができる。有機半導体材料は1種類のみであってもよく、2種類以上であってもよい。
有機半導体層の厚みは、所望の半導体特性が得られる程度であればよく、上記有機半導体材料の種類等に応じて適宜選択される。具体的に、有機半導体層の厚みは、1nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、特に5nm〜300nmの範囲内、さらに20nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。有機半導体層の厚みが厚すぎると、有機半導体素子において、電流オフ時においても回り込み電流によってドレイン電流が生じ、これに起因してオフ電流が大きくなる場合があるからである。一方、有機半導体層の厚みが薄すぎると、有機半導体材料の種類によっては有機半導体層の半導体特性が不足する可能性があるからである。
有機半導体層の形成方法としては、一般的な有機半導体層の形成方法と同様とすることができる。例えば、ソース電極およびドレイン電極が形成された基板の全面に有機半導体層を形成した後、有機半導体層を真空紫外光を用いてエッチングする方法を挙げることができる。また、フォトリソグラフィ法や印刷法を用いることもできる。
(c)ゲート絶縁層
ゲート絶縁層は、ゲート電極とソース電極およびドレイン電極とを絶縁するように形成されるものである。
ゲート絶縁層の形成位置としては、有機半導体トランジスタの構造に応じて適宜選択され、通常、図3(b)および図7(a)に示すようにソース電極21およびドレイン電極22上または図7(b)および図7(c)に示すようにゲート電極25上に形成される。
ゲート絶縁層を構成する材料としては、所望の絶縁性を有する絶縁性材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、カルド系樹脂、ビニル系樹脂、イミド系樹脂、ノボラック系樹脂等の有機材料や、SiO、SiN、Al等の無機材料を挙げることができる。絶縁性材料は1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。
ゲート絶縁層の厚みとしては、所望の絶縁性を示すことができれば特に限定されず、本発明により製造される有機半導体素子の用途、ゲート絶縁層の材料等に応じて適宜選択することができる。
ゲート絶縁層の形成方法としては、例えば、絶縁性材料として有機材料を用いる場合には、有機材料を溶媒に溶解させたゲート絶縁層形成用塗工液を調製し、これをソース電極、ドレイン電極および有機半導体層、またはゲート電極を覆うように塗布する方法を挙げることができる。また、絶縁性材料として無機材料を用いる場合は、例えば、CVD法等を挙げることができる。
(d)ゲート電極
ゲート電極の形成位置としては、有機半導体トランジスタの構造に応じて適宜選択され、図3(b)および図7(a)に示すように、フィルム基材11上または図7(b)および図7(c)に示すように、ゲート絶縁層24上に形成されるものである。
ゲート電極に用いられる導電性材料としては、例えば、Ag、Au、Ta、Ti、Al、Zr、Cr、Nb、Hf、Mo、Mo−Ta合金等の金属材料、Ag合金、Cu合金、ITO、IZO等の金属酸化物材料、PEDOT/PSS等の導電性高分子材料を挙げることができる。ゲート電極は、後述するアライメントマークと一括して形成されることが好ましいことから、ゲート電極の材料としては金属材料であることが好ましい。
ゲート電極の厚みとしては、電極として機能する程度の厚みであれば特に限定されないが、具体的には0.01μm〜1μmの範囲内であることが好ましく、特に0.03μm〜0.5μmの範囲内であることが好ましい。
ゲート電極の形成方法としては、例えば、真空蒸着法や金属ナノ粒子を塗布および焼結する方法等によって基板全面に導電層を形成した後、パターニングする方法や、基板上に直接パターン状のゲート電極を形成する方法を挙げることができる。導電層のパターニング方法としては、通常、リソグラフィ法が用いられ、なかでもフォトリソグラフィ法が好適に用いられる。一方、パターン状のゲート電極を直接形成する方法としては、スクリーン印刷法、インクジェット法等の印刷法や、マスク蒸着法等が好適に用いられる。
(e)その他の構成
有機半導体素子は、必要に応じて、有機半導体層を覆うように形成された遮光層、ソース電極、ドレイン電極および有機半導体層またはゲート電極を覆うように形成されたパッシベーション層、画素電極等の外部入出力電極等を有していてもよい。これらの構成については、一般的な有機半導体素子に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(2)機能層形成工程
本工程において形成される機能層としては、上述した有機半導体素子の構成以外にも、例えば、トランジスタやダイオード等の半導体素子における電極、半導体層、ゲート絶縁層および層間絶縁層、TFT基板における画素電極、太陽電池における背面電極、有機EL素子における背面電極、不揮発性メモリの電極およびポリマー層、圧力センサーの電極およびポリマー層、配線基板における配線、カラーフィルタにおける着色層および遮光部、バイオチップ等を挙げることができる。特に、本工程においては、パターンの微細化が要求される電子デバイスの機能層を好適に形成することができる。
なお、上述した各機能層の形成方法については一般的な方法と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
3.剥離工程
本発明における剥離工程は、上記フィルム基材の上記固定部分を分離して上記機能層が形成された上記フィルム基材を上記固定用基材から剥離する工程である。
フィルム基材の固定部分の分離方法としては、固定用基材を損傷させずに、機能層が形成されたフィルム基材から、フィルム基材の固定部分を分離することができれば特に限定されない。本発明においては、機能層が形成されたフィルム基材を固定用基材から剥離することができるように、フィルム基材の固定部分を分離することができればよく、例えば、図8に示すように、固定部分4と、機能層20が形成されたフィルム基材11aとを分離してもよく、図3(a)に示すように、固定用基材2に固定されたフィルム基材11a、11bから固定部分4の全てを分離してもよい。また、図9に示すように、固定部分4が粘着層3で形成されている場合は、固定部分4を剥離することで分離してもよい。本発明においては、なかでも、固定用基材に固定されたフィルム基材から固定部分の全てを分離することが好ましい。機能層が形成されたフィルム基材と固定部分とを分離しやすいからである。また、固定部分を分離した後、フィルム基材と固定用基材とを剥離しやすいからである。分離方法としては、例えば、フィルム基材の固定部分を切断する方法等を挙げることができ、切断方法については、一般的な方法とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、本発明においては、例えば、機能性素子の形態に応じて、固定用基材に固定されたフィルム基材を所定の形状に切り出してもよい。
固定用基材から剥離された機能性素子のフィルム基材上に粘着層が付着している場合は、通常、粘着層の除去処理が行われる。また、剥離工程後の固定用基材上に粘着層が形成されている場合も、粘着層の除去処理を行ってもよい。
粘着層の除去方法としては、例えば、溶剤による洗浄、アルカリや酸による洗浄、ドライエッチングなどをフィルム基材の種類、固定用基材の種類に合わせて適宜選択することで除去できる。
また、剥離工程後の固定用基材上に粘着層が形成されている場合は、固定用基材とともに粘着層を再利用してもよい。
4.その他
本発明の機能性素子の製造方法は、上述した仮固定工程、機能層形成工程および剥離工程を有していれば特に限定されず、必要に応じて他の工程を適宜選択して追加することができる。
本発明の機能性素子の製造方法は、上述した「2.機能層形成工程」の項で説明した各種の機能性素子の製造方法に適用することができる。
B.機能性素子形成用仮固定基材
本発明の機能性素子形成用仮固定基材は、フィルム基材と、上記フィルム基材上に形成された機能層とを有する機能性素子を製造する際に、上記フィルム基材を仮固定するために用いられるものであって、固定用基材と、上記固定用基材の両面および側面に形成された粘着層と、を有することを特徴とするものである。
「フィルム基材を仮固定する」とは、固定用基材の両面に粘着層を介してフィルム基材を配置し、固定用基材の表面およびフィルム基材の表面を固定することをいう。
本発明の仮固定基材について図を用いて説明する。図1(a)は本発明の仮固定基材の一例を示す概略断面図である。図1(a)については、上述した「A.機能性素子の製造方法」の項で既に説明したため、ここでの説明は省略する。
本発明によれば、上記固定用基材の両面および側面に形成された粘着層を有することにより、固定用基材全体を覆うようにフィルム基材を配置して、フィルム基材を固定することができるため、機能性素子の形成工程後に、機能層が形成されたフィルム基材から剥離された固定用基材の再利用をすることができる。
1.固定用基材および粘着層
本発明における固定用基材および粘着層については、上述した「A.機能性素子の製造方法」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
2.用途
本発明の仮固定基材は、フィルム基材と、上記フィルム基材上に形成された機能層とを有する機能性素子を製造する際に、上記フィルム基材を仮固定するために用いられる。本発明の仮固定基材を用いた機能性素子の製造方法の詳細については、上述した「A.機能性素子の製造方法」の項で既に説明したため、ここでの説明は省略する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例]
(粘着剤の調製)
粘着剤として、下記のポリジメチルシロキサン(PDMS)溶液を作製した。信越化学社製PDMS(KE−106)の本剤を100g、硬化剤10g、キシレン100gを混合しPDMS溶液とした。
(粘着層の形成)
フィルム基材として、厚み100umのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(帝人デュポン社製)を準備した。次に上記PDMS溶液を上記フィルム基材上に2000rpm×10sの条件でスピンコートして、PDMS層を得た。この時のPDMS層の厚みは約1μmであった。その後150℃のオーブンで30分焼成した。以上の工程により、粘着層を得た。
(固定用基材およびフィルム基材の固定および固定部分の形成)
固定用基材として、厚み0.7mm、大きさ150mm角のガラス基板を準備した。上記固定用基材に上記フィルム基材における粘着層がガラス面と接するようにローラーで貼り合わせた。次いで、上記フィルム基材を折り返し、固定用基材の裏面にも同様にして上記フィルム基材を粘着層を介して貼り合わせることで1枚のフィルムが固定用基材を覆うように貼り合わせた。また、固定用基材の端部の外側でフィルム基材の端部同士を粘着層を用いて貼り合わせて固定部分とした。この時、フィルム基材同士が接している部分はPDMS層の自己粘着力により固定されている事を確認した。
(機能層の形成)
上記固定基材の一方の表面上に配置されたフィルム基材上に、基板上にネガ型感光性樹脂をスピンコートにて塗布し150℃で30分間焼成し1μmの平坦化層を形成した。次に、平坦化層の全面にAlを厚み200nmでスパッタした。続いて、Alスパッタ膜上にポジ型フォトレジストをスピンコートにて塗布してレジスト層を形成し、フォトマスクを用いた露光および現像工程を経て、レジスト層をパターニングした。エッチング処理を施して、レジスト層が形成されていない部位のAlスパッタ膜をエッチングした後、レジスト層を除去した。これにより、ゲート電極を形成した。
次に、上記ゲート電極が形成された上記フィルム基材上に、紫外線感光性アクリル系樹脂をスピンコートしてゲート絶縁層を形成し、フォトマスクを介した露光およびアルカリ現像工程を行い、ゲート絶縁層のパターニングを行った。次いで、150℃のオーブンにて30分間加熱硬化させ、膜厚1μmのゲート絶縁層を形成した。
上記ゲート絶縁層上に銀を厚み80nmでスパッタした。次に、銀スパッタ膜上にポジ型フォトレジストをスピンコートにて塗布してレジスト層を形成し、フォトマスクを用いた露光および現像工程を経て、レジスト層をパターニングした。次いで、エッチング処理を施して、レジスト層が形成されていない部位の銀スパッタ膜をエッチングした後、レジスト層を除去した。これにより、ソース電極、ドレイン電極を形成した。
次に、チオフェン系ポリマーをキシレンに固形分濃度1wt%にて溶解させた有機半導体のキシレン溶液を準備し、ソース電極、ドレイン電極およびデータ配線を形成したフィルム基材表面にスピンコートにて塗布し、膜厚50nmの有機半導体層をフィルム基材全面に形成した。次いで、ポジ型レジストを有機半導体層上にスピンコートしてレジスト層を形成し、フォトマスクを介した露光およびアルカリ現像工程を行い、レジスト層をパターニングした。
次に、大気下で、波長172nm、照度3mW/cmの真空紫外線を60秒間照射し、レジスト層で覆われている部位以外の有機半導体層をエッチング除去し、有機半導体層のパターニングを行った。その後、レジスト層を除去した。次に、上記有機半導体層が形成された上記フィルム基材上に、紫外線感光性アクリル系樹脂をスピンコートしてパッシベーション層を形成し、フォトマスクを介した露光およびアルカリ現像工程を行い、ドレイン電極の開口が形成されるようにパッシベーション層のパターニングを行った。次いで、150℃のオーブンにて30分間加熱硬化させ、厚さ3μmのパッシベーション層を形成した。次にドレイン電極、全面にAlを厚み200nmでスパッタした。続いて、Alスパッタ膜上にポジ型フォトレジストをスピンコートにて塗布してレジスト層を形成し、フォトマスクを用いた露光および現像工程を経て、レジスト層をパターニングした。エッチング処理を施して、レジスト層が形成されていない部位のAlスパッタ膜をエッチングした後、レジスト層を除去した。これにより、画素電極を形成した。以上により有機半導体素子を作製した。
[評価]
上記固定用基材に固定されたフィルム基材は、プロセス中に固定用基材から剥離する事は無く良好に有機半導体素子を作製することが可能であった。また、有機半導体素子形成後カッターで固定部分を切断し、手で剥がすことによりフィルム基材上に形成された有機半導体素子のみを取り出す事が可能であった。剥離したガラス面には粘着層が付着しておらず、再利用可能であった。
[比較例]
図10に示すように仮固定方法としてガラスに147mm×147mmの粘着層を貼り合わせ、その上に145mm×145mmのPENフィルムを貼り合わせて、実施例と同様にして有機半導体素子を作製した。結果、ガラス端面にレジストが付着し、次の粘着フィルムを貼り合わせる際、浮きが発生してしまい再利用化は不可能であった。
1 … 機能性素子形成用仮固定基材
2 … 固定用基材
3 … 粘着層
4 … 固定部分
20 … 機能層
30 … 機能性素子

Claims (4)

  1. 固定用基材の両面に粘着層を介してフィルム基材を配置し、前記固定用基材の表面および前記フィルム基材の表面を固定し、かつ前記固定用基材の端部の外側で前記フィルム基材同士を固定して固定部分とする仮固定工程と、
    前記固定用基材に固定された前記フィルム基材上に機能層を形成する機能層形成工程と、
    前記フィルム基材の前記固定部分を分離して前記機能層が形成された前記フィルム基材を前記固定用基材から剥離する剥離工程と、
    を有することを特徴とする機能性素子の製造方法。
  2. 前記仮固定工程が、前記フィルム基材の表面上に形成された前記粘着層を前記固定用基材の表面に貼り合わせて固定する工程であることを特徴とする請求項1に記載の機能性素子の製造方法。
  3. 前記機能層形成工程が、有機半導体素子の構成の少なくとも一部を形成する工程であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機能性素子の製造方法。
  4. フィルム基材と、前記フィルム基材上に形成された機能層とを有する機能性素子を製造する際に、前記フィルム基材を仮固定するために用いられる機能性素子形成用仮固定基材であって、
    固定用基材と、
    前記固定用基材の両面および側面に形成された粘着層と、
    を有することを特徴とする機能性素子形成用仮固定基材。
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