JP2016018271A - コードパターンの認証方法および認証装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コードパターンを設けた対象物に電磁波を照射し、その透過または反射電磁波の周波数スペクトルを解析して認証する。コードパターンは、規則的に配置された複数の第1要素21aを含む第1領域21を含んでいる。第1領域の各第1要素の幅W1または各第1要素間の間隔G1は、少なくとも部分的に、コードパターンに照射される電磁波の波長よりも小さくなっている。
【選択図】図3
Description
図1に示すように、収容体100は、対象物を収容する収容体本体10と、コードパターン20と、を備える。収容体本体10は、紙や不透明な樹脂からなる不透明層を含んでいる。このため、可視光や赤外線は、収容体本体10によって反射または吸収される。すなわち、可視光や赤外線は収容体本体10を透過することができない。従って、収容体本体10の外部からは対象物を視認することができない。なお「赤外線を反射もしくは吸収する」とは、収容体本体10に赤外線を照射した際に、赤外線が収容体本体10を全く透過しないこと、及び、赤外線が収容体本体10を透過しても、透過した赤外線をセンサによって検知できない程度の微小な透過量であることを意味する。
以下、コードパターン20についてより詳細に説明する。コードパターン20は、所定の情報が記録された複数の領域を含んでいる。例えば図1に示すように、コードパターン20は、第1情報を含む第1領域21と、第2情報を含む第2領域22と、第3情報を含む第3領域23と、を含んでいる。各情報は、後述する測定工程および解析工程を経ることによって導かれる。各領域21,22,23に含まれる情報の種類が特に限られることはない。例えば、第1情報、第2情報および第3情報はそれぞれ、「1」、「2」および「3」という数字情報であってもよい。この場合、各領域21,22,23の配列に応じて、コードパターン20が所定の数字列を表現することができる。例えば図1においては、左から順に第1領域21、第2領域22、第3領域23および第2領域22が並べられているので、コードパターン20は、「1232」という数字列を表現することができる。
次に図2を参照して、コードパターン20の断面構造について説明する。なおコードパターン20の各領域21,22,23においては、後述する要素の幅および要素間の間隔が異なるのみであり、各領域21,22,23の断面構造は同一である。図2においては、各領域21,22,23に共通する断面構造が示されている。
例えば、はじめにクロムなどの導電性を有する材料を含む導電層25を、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、塗工法や印刷法等を利用して連続的に設ける。次に、導電パターン26と同一のパターンを有するレジストパターンを導電層25上に形成し、その後、導電層25をエッチングする。これによって、導電パターン26および開口パターン27を作製することができる。すなわち、いわゆるフォトリソグラフィー法を用いて導電層25をパターニングすることにより、導電パターン26および開口パターン27を得ることができる。フォトリソグラフィー法によれば、マイクロメートルの精度でパターンを形成することができるので、テラヘルツ波の波長よりも小さい幅を有する導電パターン26や開口パターン27を容易に精度良く得ることができる。
若しくは、導電パターン26と同一のパターンで形成された開口部を有するマスクプレートを介して、導電層25を構成する材料を、スパッタリング法、真空蒸着法やイオンプレーティング法等を利用して成膜する。これによって、導電パターン26および開口パターン27を作製することもできる。
次に図3(a)〜(c)を参照して、コードパターン20のパターン形状について説明する。図3(a)、図3(b)および図3(c)はそれぞれ、第1領域21、第2領域22および第3領域23を拡大して示す平面図である。
はじめに、コードパターン20を認証する認証方法を実施するための認証装置50について、図4を参照して説明する。図4に示すように、認証装置50は、コードパターン20にテラヘルツ波L1を照射する照射部51と、コードパターン20によって反射されたテラヘルツ波L2の周波数スペクトルを測定する測定部52と、測定部52における測定結果に基づいて、コードパターン20を解析する解析部53と、を備えている。なお照射部51、測定部52および解析部53は、一体的に構成されたものであってもよく、個別に構成されたものであってもよい。
なお非線形光学結晶とは、レーザー光などの強い光が入射した場合に、非線形の、すなわち光の電磁場に比例しない応答をする結晶のことである。また非線形光学効果とは、非線形の、すなわち光の電磁場に比例しない応答のことである。上述の光パラメトリックや差周波混合は、非線形光学効果の一種である。
次に、認証装置50を用いてコードパターン20を認証する認証方法について説明する。
はじめに、照射部51を用いて、収容体100の外部からコードパターン20に電磁波を照射する照射工程を実施する。上述のように、電磁波として0.1THz〜3THzの周波数範囲のテラヘルツ波が用いられるので、電磁波は、収容体本体10を透過してコードパターン20に到達することができる。なお、透過性をさらに高めるため、1THz〜2THzの電磁波が用いられてもよい。
次に、測定部52を用いて、コードパターン20によって反射された電磁波の周波数スペクトルを測定する測定工程を実施する。上述のように各領域21,22,23が電磁波によって順次スキャンされる場合、各領域21,22,23によって反射された電磁波の周波数スペクトルを順次得ることができる。以下の説明において、第1領域21、第2領域22および第3領域23によって反射された電磁波の周波数スペクトルを、それぞれ第1周波数スペクトルS1、第2周波数スペクトルS2および第3周波数スペクトルS3と称する。
なお図示はしないが、周波数スペクトルS1,S2,S3のさらに高次の微分に基づいて、各周波数スペクトルS1,S2,S3の特徴を把握してもよい。
次に、測定工程の結果に基づいてコードパターン20を解析する解析工程を実施する。具体的には、各周波数スペクトルS1,S2,S3に基づいて得られた上述の周波数f1,f2,f3に基づいて、コードパターン20を解析する。なお、上述の周波数f1’,f2’,f3’に基づいて、下記のコードパターン20の解析が実施されてもよい。
上述の本実施の形態においては、測定部52を用いた測定工程において、コードパターン20の各領域21,22,23によって反射された電磁波の周波数スペクトルが測定される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、測定工程において、コードパターン20の各領域21,22,23を透過した電磁波の周波数スペクトルを測定してもよい。この場合、図8に示すように、測定部52は、コードパターン20が設けられた収容体100を透過した電磁波L2を検出することができるよう配置される。また解析工程においては、コードパターン20の各領域21,22,23を透過した電磁波の周波数スペクトルに現れる特徴点に基づいて、コードパターン20を認証する。
また上述の本実施の形態においては、コードパターン20の各領域21,22,23の各要素21a,22a,23aが、導電性を有する四角形状の導電パターン26として構成される例を示したが、これに限られることはない。各周波数スペクトルS1,S2,S3に、各要素21a,22a,23aの幅や間隔に依存した特徴点が現れる限りにおいて、以下に図9A乃至図16を参照して説明するように、各領域21,22,23に関して様々なパターン形状を採用することができる。
図9Aは、ワイヤーグリッドタイプの第1領域21を示す平面図であり、図9Bは、図9Aに示す第1領域21を透過した電磁波の周波数スペクトルの一例を示す図である。図9Aに示すように、第1領域21は、線状に延びる複数の第1要素21aを含んでいる。各第1要素21aは、各々が延びる方向とは直交する方向に沿って並べられている。また第1要素21aは、導電性を有する導電パターン26として構成されている。
図10Aは、メッシュタイプの第1領域21を示す平面図であり、図10Bは、図10Aに示す第1領域21を透過した電磁波の周波数スペクトルの一例を示す図である。図10Aに示すように、第1領域21は、メッシュ状のパターンを形成するよう配置された複数の第1要素21aを含んでいる。また第1要素21aは、導電層25に形成された開口パターン27として構成されている。
図11Aは、メッシュタイプの第1領域21を示す平面図であり、図11Bは、図11Aに示す第1領域21を透過した電磁波の周波数スペクトルの一例を示す図である。図11Aに示すように、第1領域21は、メッシュ状のパターンを形成するよう配置された複数の第1要素21aを含んでいる。また第1要素21aは、導電性を有する導電パターン26として構成されている。
図12Aは、三角格子タイプの第1領域21を示す平面図であり、図12Bは、図12Aに示す第1領域21を透過した電磁波の周波数スペクトルの一例を示す図である。図12Aに示すように、第1領域21は、三角格子状に配置された円形状の複数の第1要素21aを含んでいる。また第1要素21aは、導電性を有する導電パターン26として構成されている。
図13Aは、三角格子タイプの第1領域21を示す平面図であり、図13Bは、図13Aに示す第1領域21を透過した電磁波の周波数スペクトルの一例を示す図である。図13Aに示すように、第1領域21は、三角格子状に配置された円形状の複数の第1要素21aを含んでいる。また第1要素21aは、導電層25に形成された開口パターン27として構成されている。
図14Aは、分割リングタイプの第1領域21を示す平面図であり、図14Bは、図14Aに示す第1領域21を透過した電磁波の周波数スペクトルの一例を示す図である。図14Aに示すように、第1領域21は、リングを一部分で分割することによって得られる形状を有する、規則的に配置された複数の第1要素21aを含んでいる。また第1要素21aは、導電性を有する導電パターン26として構成されている。
図15Aは、分割リングタイプの第1領域21を示す平面図であり、図15Bは、図15Aに示す第1領域21を透過した電磁波の周波数スペクトルの一例を示す図である。図15Aに示すように、第1領域21は、リングを一部分で分割することによって得られる形状を有する、規則的に配置された複数の第1要素21aを含んでいる。また第1要素21aは、導電層25に形成された開口パターン27として構成されている。
図16に示すように、第1領域21の第1要素21aは、第1リング28aと、第1リング28aの内側に配置された第2リング28bと、第1リング28aと第2リング28bとの間を接続する接続部28cと、を含んでいてもよい。図16に示す例においては、90度の角度を成すよう配置された2つの接続部28cが設けられている。しかしながら、接続部28cの数や配置が特に限られることはない。例えば、1つの接続部28cのみが設けられていてもよい。その他にも、180度の角度を成すよう配置された2つの接続部28cが設けられていてもよい。
また上述の本実施の形態においては、収容体100を構成する積層体の内部にコードパターン20が設けられる例を示したが、しかしながら、コードパターン20が設けられる場所が特に限られることはない。
また上述の本実施の形態においては、照射工程において、電磁波が、各領域21,22,23が並ぶ方向に沿ってスキャンされる例を示したが、これに限られることはない。例えば、測定工程において、コードパターン20のうち電磁波が照射されるスポット54は、各領域21,22,23のうち少なくとも2つの領域に跨っていてもよい。例えば、スポット54は、第1領域21および第2領域22の両方を少なくとも部分的に含んでいてもよい。この場合、第1領域21を透過した電磁波または第1領域21によって反射された電磁波と、第2領域22を透過した電磁波または第2領域22によって反射された電磁波と、が同時に発生する。これら電磁波を同時に測定することにより、第1領域21に基づく第1周波数スペクトルS1と第2領域22に基づく第2周波数スペクトルS2とを同時に得てもよい。この場合、測定部52として、コードパターン20の複数の領域からの電磁波を、複数の受信素子をアレイ状に配列した受信システムで面状に検出する装置が用いられてもよい。例えば、測定部52として、測定対象となる領域を細かく区画した各単位領域における周波数スペクトルをそれぞれ得ることができるハイパースペクトルカメラを用いることができる。これによって、コードパターン20に含まれる各領域の配列をより迅速に認識することができ、従って、コードパターン20をより迅速に認証することができる。
また上述の本実施の形態および各変形例においては、コードパターン20が、第1領域21、第2領域22および第3領域23という3種類の領域を含む例を示したが、しかしながら、コードパターン20に含まれる領域の種類の数が特に限られることはない。例えばコードパターン20は、第1情報を含む第1領域21と、第2情報を含む第2領域22と、から構成されていてもよい。若しくは、コードパターン20は、上述の領域21,22,23に加えて、第4情報を含む第4領域またはさらなる領域を含んでいてもよい。
若しくは、コードパターン20は、一種類の情報のみを含んでいてもよい。例えば、第1の箱に取り付けられるコードパターン20は、第1情報を含む第1領域21のみを含み、第2の箱に取り付けられるコードパターン20は、第2情報を含む第2領域22のみを含んでいてもよい。この場合であっても、各箱にテラヘルツ波を照射した場合に得られる周波数スペクトルに基づいて、第1情報を含むコードパターン20が付された第1の箱と、第2情報を含むコードパターンが付された第2の箱とを容易に判別することができる。
10x 外面
10y 内面
11 封筒部
12 フラップ部
13,61 第1層
14,62 第2層
15 第3層
20 コードパターン
21 第1領域
21a 第1要素
22 第2領域
22a 第2要素
23 第3領域
23a 第3要素
25 導電層
26 導電パターン
27 開口パターン
28a 第1円周
28b 第2円周
28c 接続部
30 遮蔽物
31 紙
50 認証装置
51 照射部
52 測定部
53 スポット
55 搬送部
100 収容体
Claims (9)
- 規則的に配置された複数の第1要素を含む第1領域を少なくとも含むコードパターンに電磁波を照射する照射工程と、
前記コードパターンを透過した前記電磁波、または前記コードパターンによって反射された前記電磁波の周波数スペクトルを測定する測定工程と、
前記測定工程の結果に基づいて、前記コードパターンを解析する解析工程と、を備え、
各第1要素は、導電性を有する導電パターンとして構成されており、若しくは、導電性を有する導電層に形成された開口パターンとして構成されており、
前記第1領域の各第1要素の幅または各第1要素間の間隔は、少なくとも部分的に、前記電磁波の波長よりも小さく、
前記周波数スペクトルは、前記第1領域を透過した前記電磁波、または前記第1領域によって反射された前記電磁波の第1周波数スペクトルを含み、
前記解析工程において、前記コードパターンは、前記第1周波数スペクトルまたは前記第1周波数スペクトルの一次微分に特徴点が現れる周波数に基づいて解析される、コードパターンの認証方法。 - 前記コードパターンは、規則的に配置された複数の第2要素を含む第2領域をさらに含み、
各第2要素は、導電性を有する導電パターンとして構成されており、若しくは、導電性を有する導電層に形成された開口パターンとして構成されており、
前記第2領域の各第2要素の幅または各第2要素間の間隔は、少なくとも部分的に、前記電磁波の波長よりも小さく、かつ、前記第1領域の各第1要素の幅または各第1要素間の間隔と異なり、
前記周波数スペクトルは、前記第2領域を透過した前記電磁波、または前記第2領域によって反射された前記電磁波の第2周波数スペクトルをさらに含み、
前記解析工程において、前記コードパターンは、各周波数スペクトルまたは各周波数スペクトルの一次微分に特徴点が現れる周波数に基づいて解析される、請求項1に記載のコードパターンの認証方法。 - 前記特徴点は、各周波数スペクトルまたは各周波数スペクトルの一次微分が減少または増加し始める点、若しくは、各周波数スペクトルまたは各周波数スペクトルの一次微分に現れるピークの極値をとる点である、請求項1または2に記載のコードパターンの認証方法。
- 前記照射工程において、前記電磁波として、100μm〜3mmの波長範囲内の電磁波が用いられ、
前記コードパターンは、紙又は不透明な樹脂からなる不透明層によって外部から遮蔽された場所に設けられており、
前記照射工程において、前記電磁波は、前記不透明層を透過して前記コードパターンに到達する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコードパターンの認証方法。 - 前記コードパターンは、紙又は不透明な樹脂からなる不透明層を含む収容体のうち、前記収容体の外面以外の場所に設けられており、
前記収容体には対象物が収容されており、
前記コードパターンの解析結果に基づいて、前記対象物が判別される、請求項4に記載のコードパターンの認証方法。 - 前記照射工程において、前記電磁波として、非線形光学結晶に対してレーザー光を照射することによって生じる非線形光学効果を利用して生成された電磁波が用いられる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコードパターンの認証方法。
- 前記照射工程において、前記コードパターンのうち前記電磁波が照射されるスポットは、前記第1領域と前記第2領域とが並ぶ方向に沿ってスキャンされ、この結果、前記第1周波数スペクトルと前記第2周波数スペクトルとが順次測定される、請求項2に記載のコードパターンの認証方法。
- 前記照射工程において、前記コードパターンのうち前記電磁波が照射されるスポットは、前記第1領域および前記第2領域の両方を少なくとも部分的に含み、
前記測定工程においては、前記第1周波数スペクトルおよび前記第2周波数スペクトルの両方が同時に測定される、請求項2に記載のコードパターンの認証方法。 - 規則的に配置されるとともに導電性を有する複数の第1要素を含む第1領域を少なくとも含むコードパターンに電磁波を照射する照射部と、
前記コードパターンを透過した前記電磁波、または前記コードパターンによって反射された前記電磁波の周波数スペクトルを測定する測定部と、
前記測定部における測定結果に基づいて、前記コードパターンを解析する解析部と、を備え、
前記第1領域の各第1要素の幅または各第1要素間の間隔は、少なくとも部分的に、前記電磁波の波長よりも小さく、
前記周波数スペクトルは、前記第1領域を透過した前記電磁波、または前記第1領域によって反射された前記電磁波の第1周波数スペクトルを含み、
前記解析部において、前記コードパターンは、前記第1周波数スペクトルまたは前記第1周波数スペクトルの一次微分に特徴点が現れる周波数に基づいて解析される、コードパターンの認証装置。
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