JP2016017786A - レーダシステム、およびレーダ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電波の干渉を抑制しつつ、目標物を早期に発見することができるレーダシステム、およびレーダ装置を提供することである。【解決手段】実施形態のレーダシステムは、複数のレーダ装置を持つ。複数のレーダ装置は、互いに離隔すると共に探索覆域が重複するように配置される。複数のレーダ装置に含まれる第1のレーダ装置は、注視方位が、所定周期で1回転するように注視方位を周期的に回転させる。複数のレーダ装置に含まれる第2のレーダ装置は、注視方位が、第1のレーダ装置の注視方位に対して複数のレーダ装置の数に応じた方位差を維持しつつ、所定周期で1回転するように注視方位を周期的に回転させる。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、レーダシステム、およびレーダ装置に関する。
従来、複数のアンテナ面を有するレーダ装置を用いて、多方位へ電波を送受信することが提案されている。しかしながら、従来の技術では、電波の干渉の抑制と、目標物の早期発見を両立させることができない場合があった。
本発明が解決しようとする課題は、電波の干渉を抑制しつつ、目標物を早期に発見することができるレーダシステム、およびレーダ装置を提供することである。
実施形態のレーダシステムは、複数のレーダ装置を持つ。複数のレーダ装置は、互いに離隔すると共に探索覆域が重複するように配置される。複数のレーダ装置に含まれる第1のレーダ装置は、注視方位が、所定周期で1回転するように注視方位を周期的に回転させる。複数のレーダ装置に含まれる第2のレーダ装置は、注視方位が、第1のレーダ装置の注視方位に対して複数のレーダ装置の数に応じた方位差を維持しつつ、所定周期で1回転するように注視方位を周期的に回転させる。
以下、実施形態のレーダシステム、およびレーダ装置を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態のレーダシステム1の全体構成図である。図1に示すレーダシステム1では、制御装置20が、2つのレーダ装置10A,10Bを制御する。レーダシステム1は、例えば、レーダ装置10A、10Bと、制御装置20とを備える。レーダ装置10A、10Bと、制御装置20とは、例えば、無線通信を行って情報を送受信する。なお、レーダ装置10A、10Bと、制御装置20とは、専用線などで接続されて有線通信を行ってもよい。
図1は、第1の実施形態のレーダシステム1の全体構成図である。図1に示すレーダシステム1では、制御装置20が、2つのレーダ装置10A,10Bを制御する。レーダシステム1は、例えば、レーダ装置10A、10Bと、制御装置20とを備える。レーダ装置10A、10Bと、制御装置20とは、例えば、無線通信を行って情報を送受信する。なお、レーダ装置10A、10Bと、制御装置20とは、専用線などで接続されて有線通信を行ってもよい。
図2は、レーダ装置10の構成図である。ここでは、いずれのレーダ装置であるかを示す符号(A,B)を省略して説明する。レーダ装置10は、例えば、制御装置20と無線通信するための通信部12と、制御装置20から受信した信号に基づきアンテナ16を水平方向に回転駆動する駆動部14と、放射状のアンテナ16とを備えるパラボラ型レーダ装置である。アンテナ16は、電波を空気中に放射し、物体によって反射された電波を受信する。アンテナ16が電波を放射する際の仰角については、特段の制限はなく、アンテナ16は、如何なる仰角で電波を放射してもよい。また、レーダ装置10は、仰角を周期的に変更する構成を有してもよい。また、レーダ装置10は、アレイアンテナを水平方向に回転駆動する態様であってもよい。
図1における17Aは、アンテナ16Aが電波を放射する方位(放射方向を水平面に投影した方向)を示し、17Bは、アンテナ16Bが電波を放射する方位を示している。また、図1における18Aは、レーダ装置10Aの探索覆域、すなわち駆動部14の動作によって方位17Aを水平面上で回転させることで、レーダ装置10Aが物体を検知可能な領域を示す。また、図1における18Bは、レーダ装置10Bの探索覆域、すなわち駆動部14の動作によって方位17Bを水平面上で回転させることで、レーダ装置10Bが物体を検知可能な領域を示す。以下、レーダ装置10A、10Bが、所定の電波を放射する範囲の中心方位を、「注視方位」と称する。
レーダ装置10Aと、10Bとは、互いに離隔して配置される。レーダ装置10Aとレーダ装置10Bとは、例えば数十[m]〜数[km]の距離をもって、探索覆域18A、18Bの一部が重複するように配置される。レーダ装置10Aと、10Bの注視方位は、制御装置20によって制御される。
図3は、制御装置20の機能構成例を示す図である。制御装置20は、レーダ装置10A、10Bの注視方位を制御する。制御装置20は、例えば、通信部22と、制御部24とを備える。制御部24は、例えば、制御装置20のCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが記憶部(不図示)に記憶されているプログラムを実行することによって機能するソフトウェア機能部である。また、制御部24は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってよい。
通信部22は、レーダ装置10Aと、レーダ装置10Bの注視方位(アンテナ16の回転位置)を含む情報を取得する。
制御部24は、通信部22が取得した情報に基づき、レーダ装置10Aと、レーダ装置10Bが注視方位を制御する。ここでは、制御部24は、レーダ装置10Aとレーダ装置10Bとの注視方位が、180度異なる方位になるような制御信号(例えば動作開始信号)を生成し、通信部22に送信させる。
通信部22は、制御部24により出力された制御信号を、レーダ装置10Aおよびレーダ装置10Bに送信する。レーダ装置10Aおよびレーダ装置10Bは、通信部22により送信された制御信号を受信する。そして、レーダ装置10A、または/およびレーダ装置10Bは、受信した制御信号に基づいて、自装置の注視方位が、組となる他のレーダ装置の注視方位と180度異なるように自装置を制御する。
本実施形態のレーダシステム1では、レーダ装置10Aとレーダ装置10Bは、一定の回転速度で一定の同じ回転方向にアンテナ16A、16Bを回転させるように設定されている。そして、制御装置20からレーダ装置10A、10Bに送信される制御信号は、方位を問い合わせる問合せ信号と、回転開始指示信号とを含む。
図4は、レーダシステム1において実行される処理の流れを示すシーケンス図である。図4の処理が開始されている時点において、レーダ装置10A、10Bは、回転を停止しているものとして説明する。まず、制御装置20は、通信部22を用いて、レーダ装置10Aに対して、レーダ装置10Aの注視方位θAを問い合わせる問合せ信号QAを送信する(ステップS100)。また、制御装置20は、通信部22を用いて、レーダ装置10Bに対して、レーダ装置10Bの注視方位θBを問い合わせる問合せ信号QBを送信する(ステップS102)。これに応じて、レーダ装置10Aの通信部12は、図示しないレゾルバ等によって計測されるレーダ装置10Aの注視方位θAを制御装置20に返信する(ステップS104)。また、レーダ装置10Bの通信部12は、図示しないレゾルバ等によって計測されるレーダ装置10Bの注視方位θBを制御装置20に返信する(ステップS106)。このようにして、制御装置20は、レーダ装置10A、10Bの注視方位を取得する。
次に、制御装置20の制御部24は、通信部22より取得したレーダ装置10A、10Bの注視方位θA、θBに基づき、注視方位θA、θBの方位差θを算出する。方位差θは、例えば、注視方位θAから注視方位θBを減算した角度である。次に、制御部24は、算出した方位差θから180度を減算してアンテナ16A、16Bの回転速度(角速度)Vで除算することにより、レーダ装置10Bの回転開始遅れ時間Tを算出する(ステップS108;式(1))。
T=(θ−180)/V ‥(1)
T=(θ−180)/V ‥(1)
次に、制御装置20は、通信部22を用いて、回転開始指示信号SAを、レーダ装置10Aに送信する(ステップS110)。レーダ装置10Aは、回転開始指示信号SAを受信すると、駆動部14が動作して、回転を開始する(ステップS112)。次に、制御装置20は、回転開始指示信号SAを送信してから回転開始遅れ時間Tが経過したときに、通信部22を用いて、回転開始指示信号SBを、レーダ装置10Bに送信する(ステップS114)。レーダ装置10Bは、回転開始指示信号SBを受信すると、駆動部14が動作して、回転を開始する(ステップS116)。
図4に示す制御が行われる結果、レーダ装置10Aとレーダ装置10Bは、所定の方位差(180度)を維持しつつ、同じ周期、同じ回転方向で注視方位を回転させることになる。
図5は、制御装置20の制御によるレーダ装置10の動作の例を示す図である。図5(a)は、レーダ装置10A、10Bの初期位置を示している。初期位置では、レーダ装置10Aの注視方位17Aが90度(図を参照)、レーダ装置10Bの注視方位が180度であり、270度(−90度)異なっている。まず、制御装置20は、レーダ装置10Aの注視方位180度(θA)と、レーダ装置10Bの注視方位90度(θB)とを取得する。制御部24は、レーダ装置10Aの注視方位(θA)と、レーダ装置10Bの注視方位(θB)との方位差270度(θ)と、レーダ装置10A、10Bの回転速度Vとに基づいて、レーダ装置10Bの回転開始遅れ時間Tを算出する。そして、制御部24は、制御装置20の通信部22より、レーダ装置10Aに回転開始指示信号SAを送信し、回転開始指示信号SAの送信後、回転開始遅れ時間T経過後に回転開始指示信号SBを送信する。
ここではレーダ装置10A、10Bが4秒で1回転するものとして、レーダ装置10の動作を説明する。レーダ装置10Aは、回転開始指示信号SAを受信するとX方向に回転する。レーダ装置10Bは、回転開始遅れ時間Tの経過後、回転開始指示信号SBを受信し、X方向に回転する。ここでの「回転開始遅れ時間T」は、上述した式(1)より、(270−180)/(360/4)=1であるから、「1秒」となる。
図5(b)は、レーダ装置10Bが動作を開始する時点の状態を示す図である。制御部24から受信した回転開始指示信号SBに基づいて、レーダ装置10Bは、レーダ装置10Aの回転開始から1秒遅れて回転を開始する。つまり、レーダ装置10Aが90度回転し、0度の方位を注視方位としたとき、レーダ装置10Bが回転を開始する。これによって、レーダ装置10Aと、レーダ装置10Bとの注視方位は、180度の方位差を維持しつつ、所定の周期で回転するように制御される。これにより、レーダ装置10Aと、レーダ装置10Bとが、重複して探索する覆域の各方位は、均等な間隔で注視される。
ここで、レーダ装置10A、10Bを制御する信号は、上記説明した回転開始指示信号に限らず、レーダ装置10Aとレーダ装置10Bを、所定の方位差(180度)を維持しつつ、同じ周期、同じ回転方向で注視方位を回転させることができるものであれば、如何なる信号であってもよい。例えば、制御装置20は、所定時間毎に、それぞれに対する注視方位を指定する信号をレーダ装置10A、10Bに送信してもよいし、注視方位だけでなく回転速度や回転方向を指定する信号をレーダ装置10A、10Bに送信してもよい。なお、レーダ装置10A,10Bは、パラボラ型レーダ装置に限らず、所定の電波を空中に放射し、空中を伝わってくる電波を受信するアンテナを備えていればよく、例えば、ダイポールアンテナなどを備えていてもよい。
このように、レーダ装置10Aとレーダ装置10Bの注視方位が、180度異なった状態を維持しつつ、同一方向に回転するように制御されるので、重複する探索覆域の各方位を略均等な間隔で、注視することができる。この結果、双方のレーダ装置10(10A、10B)が探索する覆域の目標物を早期に発見することができる。また、レーダ装置10Aと、レーダ装置10Bとは、互いに離隔して配置され、さらに注視方位が比較的大きい方位差を維持するため、電波の干渉を抑制することができる。これによって、本実施形態のレーダシステム1は、電波の干渉を抑制しつつ、目標物を早期に発見することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、第1の実施形態と共通する機能等についての説明は省略する。第2の実施形態では、重複する探索領域を3つのレーダ装置10(10A、10B,10C)が、3つのレーダ装置10(10A、10B,10C)に応じた方位差(例えば120度ずつ)を維持しつつ、所定の周期で1回転するように注視方位を周期的に回転させる。
以下、第2の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、第1の実施形態と共通する機能等についての説明は省略する。第2の実施形態では、重複する探索領域を3つのレーダ装置10(10A、10B,10C)が、3つのレーダ装置10(10A、10B,10C)に応じた方位差(例えば120度ずつ)を維持しつつ、所定の周期で1回転するように注視方位を周期的に回転させる。
図6は、第2の実施形態のレーダシステム2の全体構成図である。レーダシステム2は、例えば、3つのパラボラ型のレーダ装置10(10A、10B、10C)を備える。制御部24は、各レーダ装置10(10A、10B、10C)の注視方位を、120度ずらした状態を維持しつつ、所定周期で1回転するように注視方位を周期的に回転させている。3つのレーダ装置10(10A、10B、10C)により、各方位が均等な間隔で注視されるので、重複する探索覆域(18A、18B、18C)における目標物を早期に発見することができる。また、レーダ装置10(10A、10B、10C)は、互いに離隔して配置され、さらに注視方位が比較的大きい方位差を維持するため、電波の干渉を抑制することができる。これによって、本実施形態のレーダシステム2は、電波の干渉を抑制しつつ、目標物を早期に発見することができる。
なお、レーダシステムは、4つ以上のレーダ装置を備え、同様の制御を行ってもよい。
なお、レーダシステムは、4つ以上のレーダ装置を備え、同様の制御を行ってもよい。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、第1の実施形態と共通する機能等についての説明は省略する。第3の実施形態では、レーダシステム3は、2つのアレイ型のレーダ装置10(10D、10E)を備える。
以下、第3の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、第1の実施形態と共通する機能等についての説明は省略する。第3の実施形態では、レーダシステム3は、2つのアレイ型のレーダ装置10(10D、10E)を備える。
図7は、第3の実施形態のレーダシステム3の全体構成図である。レーダ装置10Dは、例えば、上空から見て互いに90度異なる方向を向いた4つのアレイアンテナ(19Dn,19De,19Ds,19Dw)を持つ。また、レーダ装置10Eは、上空から見て互いに90度異なる方向を向いた4つのアレイアンテナ(19En,19Ee,19Es,19Ew)を持つ。各アレイアンテナは、例えばマトリクス状にアンテナ素子を配置している。以下、いずれのアレイアンテナであるかを区別しないときは、単にアレイアンテナ19と表記する。レーダ装置10D、10Eは、4つのアレイアンテナ19のうちいずれか1つを周期的に選択し、電波を放射させて目標物を検知する。レーダ装置10D、10Eは、例えば、モノパルス方式による処理により目標物の方位を認識する。
図7における17Dは、アレイアンテナ19Dsの所定のアンテナ素子が電波を放射する方位(放射方向を水平面に投影した方向)を示し、17Eは、アレイアンテナ19Enの所定のアンテナ素子が電波を放射する方位を示している。また、図7における18Dは、レーダ装置10Dの探索覆域、すなわち4つのアレイアンテナ19が周期的に各方位を注視することで、レーダ装置10Dが物体を検知可能な領域を示す。また、図7における18Eは、レーダ装置10Eの探索覆域、すなわち4つのアレイアンテナ19が周期的に各方位を注視することで、レーダ装置10Eが物体を検知可能な領域を示す。
図8は、レーダ装置10D,10Eの構成図である。レーダ装置10D,10Eでは、第1の実施形態における駆動部14に代えて、物標位置検出部15を備えている。物標位置検出部15は、アレイアンテナ19が放射した電波の指向性パターンと、アンテナ19が受信した電波の指向性パターンとに基づき、目標物の方位を認識する。物標位置検出部15は、例えば、マトリクス状に配置したアンテナ素子が受信した電波の位相差や振幅差に基づいて、物標の方位を検出するモノパルス方式による処理を行う。本実施例においては、電波を放射して、反射波に基づき物標を認識する方位、すなわち送信アンテナとしての指向性と受信アンテナとしての指向性を合成した方位が、レーダ装置10D、10Eの「注視方位」に相当する。
図9は、レーダシステム3において実行される処理の流れを示すシーケンス図である。図9の処理が開始されている時点において、レーダ装置10D、10Eは、回転を停止しているものとして説明する。まず、制御装置20は、レーダ装置10D、10Eが注視すべき方位を算出する。制御装置20は、レーダ装置10D、10Eの注視方位を決定する(ステップS200)。次に、制御装置20は、通信部22を用いて、方位指示信号SDを、レーダ装置10Dに送信する(ステップS202)。次に、制御装置20は、通信部22を用いて、方位指示信号SEを、レーダ装置10Eに送信する(ステップS204)。方位指示信号SDが示す方位と、方位指示信号SEが示す方位は、例えば180度の角度差を有している。レーダ装置10Dは、方位指示信号SDを受信すると、アレイアンテナ19が作動して、方位指示信号SDが示す方位を最初の注視方位として、注視方位を回転させる(ステップS206)。レーダ装置10Eは、方位指示信号SEを受信すると、アレイアンテナ19が作動して、方位指示信号SEが示す方位を最初の注視方位として、注視方位を回転させる(ステップS208)。なお、方位指示信号には、レーダ装置10が注視方位を回転させる速度や方向を含めてもよい。
図10を用いて、レーダ装置10D,10Eが注視方位を回転させる動作について説明する。図10は、レーダ装置10Dが、注視方位を回転させる様子を示す図である。図10では、制御装置20と、レーダ装置10Eとを省略し、レーダ装置10Dに着目して示している。
レーダ装置10Dが、制御装置20より方位指示信号SDを受信すると、物標位置検出部15が、4つのアレイアンテナ(19Dn,19De,19Ds,19Dw)のうちから、何れかのアレイアンテナ19を選択する。図10の例では、物標位置検出部15は、まずアレイアンテナ19Deを選択する。アレイアンテナ19Deは、物標位置検出部15の指示信号に基づき、45度から315度の方位の走査を、図中X方向に行う(図10(a))。次に、物標位置検出部15は、アレイアンテナ19Dsを選択し、物標位置検出部15の指示信号に基づき、アレイアンテナ19Dsは、315度から225度の方位の走査を、図中X方向に行う(図10(b))。次に、物標位置検出部15は、アレイアンテナ19Dwを選択し、物標位置検出部15の指示信号に基づき、アレイアンテナ19Dwは、225度から135度の方位の走査を、図中X方向に行う(図10(c))。次に、物標位置検出部15は、アレイアンテナ19Dnを選択し、物標位置検出部15の指示信号に基づき、アレイアンテナ19Dnは、135度から45度の方位の走査を、図中X方向に行う(図10(d))。このように、物標位置検出部15が、順次、4つのアレイアンテナ19のうち、いずれかのアレイアンテナ19を選択し、選択したアレイアンテナ19を用いて所望の方位を注視方位とすることで、各方位(360度)を探索することができる。なお、アレイアンテナ19の選択は、制御装置20が送信する方位指示信号により指示されてもよい。
このように、レーダ装置10Dとレーダ装置10Eの注視方位が、180度異なった状態を維持しつつ、同一方向に回転するように制御されるので、重複する探索覆域の各方位を略均等な間隔で、注視することができる。この結果、双方のレーダ装置10(10D、10E)が探索する覆域の目標物を早期に発見することができる。更に、本実施形態では、2つのアレイ型のレーダ装置10D、10Eは、4つのアレイアンテナ19から電波を放射するので、パラボラ型アンテナのように、アンテナの初期方位を考慮する必要がなく、直ちに180度といった方位差で物体認識を開始することができる。この結果、重複する探索覆域(18D、18E)における目標物を、より早期に発見することができる。また、レーダ装置10(10D、10E)は、互いに離隔して配置され、さらに注視方位が比較的大きい方位差を維持するため、電波の干渉を抑制することができる。これによって、本実施形態のレーダシステム3は、電波の干渉を抑制しつつ、目標物を早期に発見することができる。
なお、上記各実施形態において、図11に示すように、制御装置20は、レーダ装置10に内蔵または付設されてもよい。図11は、制御装置20がレーダ装置10の1つに内蔵または付設される様子を模式的に示す図である。図11に示すレーダ装置10Fに内蔵または付設される制御装置の通信部22は、注視方位が、所定周期で1回転するように注視方位を周期的に回転させる他のレーダ装置10Gから、レーダ装置10Gの注視方位を取得する。さらに、レーダ装置10Fに内蔵または付設される制御装置の制御部24は、自装置の注視方位が、取得部が取得した他のレーダ装置の注視方位に対して所定の方位差を維持しつつ、所定周期で1回転するように注視方位を周期的に回転させる。制御装置20が、レーダ装置10に内蔵または付設されることにより、別途に制御装置20を備える必要がなくなる。
さらに、上記各実施形態において、電波の干渉を更に抑制するために、放射する電波を次のようにしてもよい。例えば、隣り合う2つの方位に放射される電波を異なる変調方式(周波数変調、振幅変調、位相変調など)で変調してもよいし、同じ変調方式であっても周波数や振幅、位相を異ならせてもよい。これによって、隣り合う2つの方位に放射される電波は、異なる特性を持つ電波となるため、電波間の干渉を抑制することができる。また、上記各実施形態において、他方の放射する電波と振動面が異なる電波を、放射してもよい。レーダ装置10は、例えば、直線偏波、水平偏波、垂直偏波、円偏波などのうちから、隣り合う方位に放射する電波と振動面が異なる電波を放射してよい。これにより、電波間の干渉を抑制することができる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、互いに離隔すると共に探索覆域が重複するように配置される複数のレーダ装置を備え、複数のレーダ装置は、注視方位が、所定周期で1回転するように前記注視方位を周期的に回転させる第1のレーダ装置と、注視方位が、第1のレーダ装置の注視方位に対して複数のレーダ装置の数に応じた方位差を維持しつつ、所定周期で1回転するように注視方位を周期的に回転させる第2のレーダ装置とを含むことにより、電波の干渉を抑制しつつ、目標物を早期に発見することができる。
なお、上記実施形態において、レーダ装置10Aが第1のレーダ装置である場合、レーダ装置10Bまたはレーダ装置10Cが第2のレーダ装置に相当する。また、レーダ装置10Dが第1のレーダ装置である場合、レーダ装置10Eが第2のレーダ装置に相当する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1、2,3…レーダシステム、10、10A,10B、10C、10D、10E、10F、10G レーダ装置、12…通信部、14…駆動部、15…物標位置検出部、16、16A、16B、16C…アンテナ、17A、17B,17C、17D、17E…注視方位、18A、18B、18C、18D、18E…探索覆域、19Dn、19De、19Ds、19Dw、19En、19Ee、19Es、19Ew…アレイアンテナ、20…制御装置、22…通信部、24…制御部
Claims (6)
- 互いに離隔すると共に探索覆域が重複するように配置される、複数のレーダ装置を備えるレーダシステムであって、
前記複数のレーダ装置に含まれ、注視方位が、所定周期で1回転するように前記注視方位を周期的に回転させる第1のレーダ装置と、
前記複数のレーダ装置に含まれ、注視方位が、前記第1のレーダ装置の注視方位に対して前記複数のレーダ装置の数に応じた方位差を維持しつつ、前記所定周期で1回転するように前記注視方位を周期的に回転させる第2のレーダ装置と、
を備えるレーダシステム。 - 前記第2のレーダ装置は、前記第1のレーダ装置の注視方位に対して360度を前記複数のレーダ装置の数で除算した方位差を維持しつつ、前記所定周期で1回転するように前記注視方位を周期的に回転させる、
請求項1記載のレーダシステム。 - 前記複数のレーダ装置は、前記注視方位を互いに同一の方向に回転させる、
請求項1または2記載のレーダシステム。 - 前記レーダシステムは、
前記複数のレーダ装置の注視方位を制御する制御部を備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載のレーダシステム。 - 前記制御部はいずれかのレーダ装置に内蔵または付設される、
請求項4に記載のレーダシステム。 - 互いに離隔すると共に探索覆域が重複するように配置された他のレーダ装置であって、注視方位が、所定周期で1回転するように前記注視方位を周期的に回転させる他のレーダ装置から、前記他のレーダ装置の注視方位を取得する取得部と、
自装置の注視方位が、前記他のレーダ装置の注視方位に対して所定の方位差を維持しつつ、前記所定周期で1回転するように前記注視方位を周期的に回転させる制御部と、
を備えるレーダ装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019113361A (ja) * | 2017-12-21 | 2019-07-11 | アイシン精機株式会社 | 距離計測装置 |
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-
2014
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019113361A (ja) * | 2017-12-21 | 2019-07-11 | アイシン精機株式会社 | 距離計測装置 |
US11125874B2 (en) | 2017-12-21 | 2021-09-21 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Obstacle detection sensor |
JP7119369B2 (ja) | 2017-12-21 | 2022-08-17 | 株式会社アイシン | 距離計測装置 |
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