JP2016017187A - 表面処理皮膜付きレギュラースパングル溶融亜鉛めっき鋼板 - Google Patents
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Abstract
Description
めっき層にPbを含有するレギュラースパングル溶融亜鉛めっき鋼板と、
該レギュラースパングル溶融亜鉛めっき鋼板の少なくとも片面に表面処理液を塗布し、乾燥して得た、片面当たりの付着量が200〜800mg/m2の表面処理皮膜と、
を有する表面処理皮膜付きレギュラースパングル溶融亜鉛めっき鋼板であって、
前記表面処理液は、グリシジル基を有するシランカップリング剤(a1)、テトラアルコキシシラン(a2)、及びキレート剤(a3)から得られ、加水分解性基を有するシラン化合物(A)と、炭酸ジルコニウム化合物(B)と、バナジン酸化合物(C)と、硝酸化合物(D)と、水とを含有し、以下の(I)〜(IV)の条件を満足するように調整され、
さらに前記表面処理液は、有機ホスホン酸(E)を以下の(V)の条件を満足するように含有する(ただし、該有機ホスホン酸(E)の一部または全部は、前記キレート剤(a3)として添加されてもよい。)ことを特徴とする。
(I)前記成分(a1)及び前記成分(a2)の合計添加量が、前記表面処理液の全固形分質量に対し25〜35質量%
(II)前記炭酸ジルコニウム化合物(B)中のZrO2換算質量と、前記成分(a1)及び前記成分(a2)の合計添加量との比{B/(a1+a2)}が0.8〜1.4
(III)前記バナジン酸化合物(C)中のV換算質量と、前記成分(a1)及び前記成分(a2)の合計添加量との比{C/(a1+a2)}が0.05〜0.10
(IV)前記硝酸化合物(D)の質量と、前記成分(a1)及び前記成分(a2)の合計添加量との比{D/(a1+a2)}が0.01〜0.05
(V)前記有機ホスホン酸(E)の質量と、前記成分(a1)及び前記成分(a2)の合計添加量との比{E/(a1+a2)}が0.25〜0.50
本実施形態において、ベース鋼板は、めっき層にPbを含有するレギュラースパングル溶融亜鉛めっき鋼板(以下、「Pb含有GI」と称する。)である。レギュラースパングルは、JIS G3302に規定されている。また、本実施形態において、めっき層中のPb含有量は0.05質量%以上であり、通常は0.1質量%程度とする。0.05質量%以上の場合に、平板部耐食性およびカット部耐食性という、本発明が着目した課題が顕在化するからである。また、0.3質量%を超えると、めっき粒界腐食を起こしやすくなるため、Pb含有量の上限は通常0.3質量%となる。
本実施形態で用いられる表面処理液は、グリシジル基を有するシランカップリング剤(a1)、テトラアルコキシシラン(a2)、及びキレート剤(a3)から得られ、加水分解性基を有するシラン化合物(A)と、炭酸ジルコニウム化合物(B)と、バナジン酸化合物(C)と、硝酸化合物(D)と、有機ホスホン酸(E)と、水とを含有する。
先述のとおり、本発明においては、Pb含有GIのめっき層の表面に表面処理液を塗布し、次いで乾燥することにより、表面処理皮膜を形成する。表面処理液をPb含有GIに塗布する方法としては、ロールコート法、バーコート法、浸漬法、スプレー塗布法などが挙げられ、処理されるPb含有GIの形状等によって適宜最適な方法が選択される。より具体的には、例えば、処理されるPb含有GIがシート状であればロールコート法、バーコート法、あるいは表面処理液をPb含有GIにスプレーしてロール絞りや気体を高圧で吹きかけて塗布量を調整するスプレー塗布法を用いる。Pb含有GIが成型品とされている場合であれば、表面処理液に浸漬して引き上げ、場合によっては圧縮エアーで余分な表面処理液を吹き飛ばして塗布量を調整する方法などが選択される。
以下の市販の材料を供試板として使用した。
(i)レギュラースパングル溶融亜鉛めっき鋼板(板厚:0.8mm、目付量:両面とも60g/m2、めっき層中のPb含有量:0.1質量%)
(ii)溶融亜鉛めっき鋼板(GI)(板厚:0.8mm、目付量:両面とも60g/m2、めっき層中のPb含有量:0.005質量%)
上記の供試板の表面を、日本パーカライジング(株)製パルクリーンN364Sを用いて処理し、表面の油分や汚れを取り除いた。次に、水道水で水洗して供試材表面が水で100%濡れることを確認した後、さらに純水(脱イオン水)を流しかけ、100℃雰囲気のオーブンで水分を乾燥した。
各成分を表1に示す組成(質量比)にて水中で混合し、固形分が15質量%の表面処理液を得た。
製造例1(シラン化合物A1)
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(a1)とテトラエトキシシラン(a2)との質量比100対40の混合物を、キレート剤(a3)として後述の(E)に示す有機ホスホン酸と脱イオン水との混合液中に、20℃で1時間かけて撹拌しながら滴下した。その後25℃で2時間熟成し、シラン化合物A1を得た。
熟成の条件を25℃で2時間から80℃で1時間に変更した以外は、製造例1と同様の製造条件でシラン化合物A2を得た。
B1:炭酸ジルコニウムアンモニウム
B2:炭酸ジルコニウムナトリウム
C1:メタバナジン酸アンモニウム
C2:バナジルアセチルアセトネート(V:19.2質量%)
D1:硝酸アンモニウム
D2:硝酸アルミニウム
E1:ヒドロキシエチレンジホスホン酸(HEDP)
E2:ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)(NTMP)
E3:ホスホノブタントリカルボン酸(PBTC)
E4:エチレジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(EDTMP)
なお、有機ホスホン酸(E)の全量は、キレート剤としてシラン化合物(A)を調製するタイミングで添加した。
上記の表面処理液を用いて、バーコート塗装またはスプレー塗装にて表1に示す各供試板上に塗布し、その後、水洗することなく、そのまま熱風炉に入れて乾燥させ、表1に示す付着量(片面当たり)の表面処理皮膜を両面に形成した。表1に、各試験例での最高到達板温PMTを示す。乾燥条件は、熱風炉の場合は、炉中の雰囲気温度と炉に入れている時間とで調節した。バーコート塗装およびスプレー塗装の具体的な方法は、以下のとおりである。
スプレー塗装:処理液を試験板にスプレー塗装し、ロールコーターにて皮膜量を調整した。ロールコーターの条件と処理液の濃度とにより、表1に示す所定の付着量となるように調整した。
(5−1)平板部耐食性の評価
上記表面処理皮膜を形成した各供試板からサイズ70×150mmの試験片を切り出し、切り出した各試験片の裏面と端部をビニールテープでシールして、JIS−Z−2371−2000に準拠する塩水噴霧試験(SST)を実施した。耐食性の評価は、塩水噴霧試験における白錆発生面積率が5%となるまでの時間を測定することにより行った。判定基準は以下のとおりである。
判定基準:
◎:白錆5%発生時間が120時間以上
○:白錆5%発生時間が72時間以上120時間未満
△:白錆5%発生時間が24時間以上72時間未満
×:白錆5%発生時間が24時間未満
上記表面処理皮膜を形成した各供試板からサイズ70×150mmの試験片を切り出し、切り出した各試験片の裏面と端部をビニールテープでシールした。その後、表面処理皮膜表面にNTカッターにて鋼材に到達するようなキズを入れ、JIS−Z−2371−2000に準拠する塩水噴霧試験(SST)を実施した。カット部耐食性は、カット部からの白錆幅(片側平均)を24時間毎に測定し、白錆幅が1mmに到達した際の試験時間で評価した。判定基準は以下のとおりである。
判定基準:
◎:72時間以上
○:48時間以上72時間未満
△:24時間以上48時間未満
×:24時間未満
Claims (1)
- めっき層にPbを含有するレギュラースパングル溶融亜鉛めっき鋼板と、
該レギュラースパングル溶融亜鉛めっき鋼板の少なくとも片面に表面処理液を塗布し、乾燥して得た、片面当たりの付着量が200〜800mg/m2の表面処理皮膜と、
を有する表面処理皮膜付きレギュラースパングル溶融亜鉛めっき鋼板であって、
前記表面処理液は、グリシジル基を有するシランカップリング剤(a1)、テトラアルコキシシラン(a2)、及びキレート剤(a3)から得られ、加水分解性基を有するシラン化合物(A)と、炭酸ジルコニウム化合物(B)と、バナジン酸化合物(C)と、硝酸化合物(D)と、水とを含有し、以下の(I)〜(IV)の条件を満足するように調整され、
さらに前記表面処理液は、有機ホスホン酸(E)を以下の(V)の条件を満足するように含有する(ただし、該有機ホスホン酸(E)の一部または全部は、前記キレート剤(a3)として添加されてもよい。)ことを特徴とする、表面処理皮膜付きレギュラースパングル溶融亜鉛めっき鋼板。
(I)前記成分(a1)及び前記成分(a2)の合計添加量が、前記表面処理液の全固形分質量に対し25〜35質量%
(II)前記炭酸ジルコニウム化合物(B)中のZrO2換算質量と、前記成分(a1)及び前記成分(a2)の合計添加量との比{B/(a1+a2)}が0.8〜1.4
(III)前記バナジン酸化合物(C)中のV換算質量と、前記成分(a1)及び前記成分(a2)の合計添加量との比{C/(a1+a2)}が0.05〜0.10
(IV)前記硝酸化合物(D)の質量と、前記成分(a1)及び前記成分(a2)の合計添加量との比{D/(a1+a2)}が0.01〜0.05
(V)前記有機ホスホン酸(E)の質量と、前記成分(a1)及び前記成分(a2)の合計添加量との比{E/(a1+a2)}が0.25〜0.50
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