JP2016017111A - プリフォームの製造方法、繊維強化熱硬化性樹脂成形品の製造方法、及びプリフォーム - Google Patents

プリフォームの製造方法、繊維強化熱硬化性樹脂成形品の製造方法、及びプリフォーム Download PDF

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Abstract

【課題】 一方向にのみ強化繊維が配列されたプリプレグ1枚からであっても、一方向にのみ強化繊維が配列されたプリプレグを複数枚重ねた積層体からであっても、立体形状、特に三次元曲面形状を有するプリフォームを容易に製造する方法の提供を目的とする。【解決手段】 一方向にのみ強化繊維が配列されたプリプレグとして、互いに平行に配列した多数本の強化繊維糸条と補助繊維糸からなる一方向性補強繊維織物と熱硬化性のマトリックス樹脂組成物からなるプリプレグを用いて、プリフォームを得る。【選択図】 図4

Description

本発明は、立体形状、特に、可展面ではない曲面(複数の平面の組み合わせを含む)、すなわち三次元曲面形状を有する繊維強化樹脂成形品を得るべく、その成形に先立って、強化繊維とマトリックス樹脂組成物からなるプリプレグを所定形状に賦形して得られるプリフォームとその製造方法、また、そのプリフォームを用いた繊維強化樹脂成形品の製造方法に関する。
強化繊維に熱硬化性樹脂組成物を含浸させてなるプリプレグ(例えば、UDプリプレグやクロスプリプレグ)を成形型内で加熱加圧して成形することで、所定形状の繊維強化樹脂成形品を得る技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
立体形状を有する繊維強化樹脂成形品を製造する場合に、プリプレグから最終成形品の形状を考慮した所定形状のプリフォームを、成形に先立って予め製造する技術も知られている。
プリフォームの製造方法としては、例えば、複数枚積層したプリプレグを赤外線ヒーターで加熱した後、プリフォーム成形機に設置されたプリフォーム型で挟むことでプリプレグを折り曲げ、その後、プリフォーム型に空気を吹き付けてプリプレグを冷却した後に、プリフォーム型を開いて賦形されたプリプレグを取り出して、所望のプリフォームを得る方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
再公表WO2004/018186号公報 特開2009−83128号
しかしながら、一方向に引き揃えた繊維に樹脂を含浸して製造したUDプリプレグを用いて立体形状特に、三次元曲面形状を有するプリフォームを製造する場合、UDプリプレグ1枚、または、同一方向のUDプリプレグを複数枚積層したプリプレグを用いて賦形を行うと、プリプレグの面内で強化繊維方向の垂直方向に加わる荷重によりプリプレグが簡単に裂けてしまう問題があった。そのため、繊維方向が多方向となるようUDプリプレグを複数枚重ねて積層体を得た後に、賦形する必要があった。
しかしながら、積層体に多方向の強化繊維が含まれる場合、繊維方向が異なるUDプリプレグどうしが密着してしまうことで、それぞれのUDプリプレグが他方のUDプリプレグのせん断変形を抑制して、賦形の自由度が低下する問題があった。
一方、2方向の繊維が互いに直交するように製織した強化繊維織物からなるクロスプリプレグを用いて立体形状を有するプリフォームを製造する場合、クロスプリプレグは1枚を賦形する場合であっても裂けにくいが、賦形できる立体形状が制限される問題があった。
さらに、一方向にひき揃えた強化繊維のシート状物を、繊維方向が多方向となるように2層以上重ねて、ステッチ糸により厚み方向に結束したノンクリンプファブリックからなるプリプレグで所望のプリフォームを得る方法も知られている。
しかしながら、ノンクリンプファブリックのプリプレグを用いて立体形状を有するプリフォームを製造する場合、ステッチ糸の配向によっては、賦形できる形状に制限が生じたり、1枚プリプレグの中に3軸以上の繊維方向の強化繊維がある場合は、その繊維配向によっても賦形できる形状に制限が生じたりする問題があった。
本発明は、強化繊維が一方向に揃った1枚のプリプレグからであっても、あるいは強化繊維が一方向に揃ったプリプレグを複数枚重ねた積層体からであっても、立体形状、特に三次元曲面形状を有するプリフォームを容易に製造する方法の提供を目的とする。
本発明は以下の様態を有する。
[1] 互いに平行に配列した多数本の強化繊維糸条と補助繊維糸からなる一方向性補強繊維織物と熱硬化性のマトリックス樹脂組成物からなるプリプレグ又は該プリプレグを含むプリプレグ積層体を所定形状に賦形してプリフォームを得る、プリフォームの製造方法。
[2] 互いに平行に配列した多数本の強化繊維糸条と補助繊維糸からなる一方向性補強繊維織物と熱硬化性のマトリックス樹脂組成物からなるプリプレグ又は該プリプレグを含むプリプレグ積層体を所定形状に賦形してプリフォームとし、
該プリフォームを加熱加圧して前記マトリックス樹脂組成物を硬化することによって所望の立体形状を有する繊維強化熱硬化性樹脂成形品を得る、繊維強化熱硬化性樹脂成形品の製造方法。
[3] 並列した多数本の強化繊維糸条と補助繊維糸からなる一方向性補強繊維織物と熱硬化性のマトリックス樹脂組成物からなるプリプレグ又は該プリプレグを含むプリプレグ積層体からなる、立体形状を有するプリフォーム。
本発明のプリフォームの製造方法は、1枚の強化繊維が一方向に揃ったプリプレグからであっても、あるいは強化繊維が一方向に揃ったプリプレグを複数枚重ねた積層体からであっても、立体形状、特に三次元曲面形状を有するプリフォームを容易に製造することを可能とするものである。
本発明の実施形態の一例を示すためのプリフォームの立体形状1を示す図である。 立体形状1の正面図である。 立体形状1の側面図である。 本発明に用いる一方向性補強繊維織物の一例を示す図である。 立体形状1のプリフォームを得るプリフォーム型の一例を示す図である。 本発明の実施形態の一例である、プリプレグまたはプリプレグ積層体が、予備加熱され、挟圧賦形され、プリフォームとなる過程を示す概念図である。 本発明の実施例における、プリフォームの賦形手順を示す概念図である。 立体形状1を賦形する際にシワの発生し易い部位を示す図である。
(プリプレグ)
本発明のプリフォームの製造方法に用いることができるプリプレグは、強化繊維と熱硬化性のマトリックス樹脂組成物からなるプリプレグであり、互いに平行に配列した多数本の強化繊維糸条と補助繊維糸からなる一方向性補強繊維織物、特に、たて糸方向の強化繊維糸条と、当該強化繊維糸条と補助繊維糸が交錯する一方向性補強繊維織物が強化繊維基材であるプリプレグであることが好ましい。
また、予めマトリックス樹脂組成物を含浸させた強化繊維糸条(以下「トウプレグ」)がたて糸方向に多数本平行に配列され、補助繊維糸が交錯して織物の形態をなしているプリプレグであっても構わない。
(一方向性補強繊維織物)
前記一方向性補強繊維織物とは、たて糸に多数本の強化繊維糸条を配列し、当該強化繊維糸条より細い補助繊維糸が当該強化繊維糸条と交差している補強繊維織物であって、前記強化繊維糸条が実質的に屈曲せず強化繊維糸条群を構成し、当該強化繊維糸条群の両面それぞれに当該強化繊維糸条群と交差する複数の補助繊維糸群を有することが好ましい。また、複数のたて糸方向の補助繊維糸を有していても構わない。
更に、前記一方向性補強繊維織物の補助繊維糸の織り密度が3〜9本/インチ(但し、1インチ=25.4mm)であり、織物目付が1000g/m以下であることが好ましい。補助繊維糸の織り密度が2本/インチ以下では強化繊維糸条が乱れやすく作業性が悪くなり、10本/インチ以上では強化繊維糸条群の拘束箇所が多くなることで、前記一方向性補強繊維織物が賦形時にせん断変形しにくくなり、その結果、得られるプリフォームにシワなどが発生することが懸念される。また、織物目付が1000g/mより大きいと、プリプレグが厚すぎて賦形が困難となり、得られるプリフォームにシワなどが発生することが懸念される。
(強化繊維)
前記一方向性補強繊維織物を構成する強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、高強度ポリエステル繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維、ナイロン繊維などが挙げられる。これらの中でも比強度および比弾性に優れることから、炭素繊維が好ましい。
本発明に用いる炭素繊維には、繊維束の収束性や、繊維強化樹脂成形品としたときの炭素繊維とマトリックス樹脂組成物との接着性を改善するため、エポキシ基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、アクリレート基およびメタクリレート基から選ばれる1種類以上の官能基を持つ物質を0.01〜5質量%付着させてもよい。
(強化繊維糸条)
本発明に用いる強化繊維糸条は何ら制限するものではないが、強化繊維数1000〜100000本の強化繊維糸条であることが好ましい。また、本発明に使用する強化繊維糸条は無撚りであることが好ましい。撚りがある場合は撚り数にして5回/m以下が好ましく、2回/m以下がさらに好ましい。
(補助繊維糸)
前記一方向性補強繊維織物を構成する補助繊維糸としては、例えば、ポリエステル繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維などが挙げられる。これらの中でも、製織に適した柔軟性を有しており、かつ、製織工程中における伸縮が少ないことで、一方向性補強繊維織物中の強化繊維糸条の真直性が保たれることからガラス繊維を用いることが好ましい。さらには強化繊維糸条群および/またはたて糸補助繊維糸を熱融着により固定するため、熱可塑性ポリマーを繊維糸条に線状に連続的に付着せしめて、よこ糸補助繊維糸として用いることが好ましい。熱可塑性ポリマーを繊維糸条に付着する方法は合撚、カバーリング、引き揃えなど何ら限定するものではない。熱可塑性ポリマーをガラス繊維糸条に線状に連続的に付着せしめて、よこ糸補助繊維糸として用いることがさらに好ましい。
補助繊維糸の繊度は、強化繊維糸条の屈曲を少なくできることから細くあるほど好ましく、強化繊維糸条の繊度の1/10未満であることが好ましい。
(マトリックス樹脂組成物)
前記プリプレグを構成するマトリックス樹脂組成物としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂などの各種の熱硬化性樹脂組成物が挙げられる。これらの中でも、硬化後の強度を高くできることからエポキシ樹脂が好ましい。
前記マトリックス樹脂組成物中には、硬化剤、離型剤、脱泡剤、紫外線吸収剤、充填材などの各種添加剤などが含まれてもよい。
(プリプレグの製造方法)
プリプレグの製造方法としては、前記マトリックス樹脂組成物を溶剤で希釈した液状樹脂に前記一方向性補強繊維織物を浸漬してから、必要に応じて過剰の樹脂溶液を除去し、加熱等により溶剤を蒸発させてプリプレグを得る溶液(ラッカー)法であっても構わないし、予め前記マトリックス樹脂組成物を離型紙(支持シート)に塗布して一定厚みのフィルム状の樹脂組成物(以下、「樹脂フィルム」)としたのち、前記樹脂フィルムと前記一方向性補強繊維織物を重ねてニップロールなどで加熱、加圧して、樹脂組成物を前記一方向性補強繊維織物に含浸させてプリプレグを得るホットメルト法であっても構わないが、安定して取り扱えるプリプレグを得やすいこと、高品質な繊維強化樹脂成形品を得やすいことからホットメルト法が好ましい。
また、トウプレグをたて糸方向に多数本平行に配列させ、補助繊維糸を交錯させて織物の形態としても良い。トウプレグの製造方法は、ラッカー法やホットメルト法に準ずる方法、あるいはマトリックス樹脂組成物を加熱により低粘度化し、引き出した強化繊維糸条をその低粘度化した樹脂組成物中に浸漬通過させて、含浸させる方法であっても構わない。
(プリプレグの切断)
プリプレグを所定の形状に切断する方法としては、はさみなどを用いて切断してもよいし、カッティングプロッターを用いて切断しても構わない。切断形状の精度を高めることができることから、カッティングプロッターを用いて切断することが好ましい。
(プリプレグの積層)
本発明においてはプリプレグ1枚でも良好なプリフォームを賦形可能であるが、所望する成形品厚みとプリプレグ厚みに合わせて、プリフォームに賦形する前に、所定の形状に切断したプリプレグを積層して所望の構成を有する積層体にしても良く、その場合の積層体厚みは0.1〜5.0mmであることが好ましく、更には0.2〜2.0mmであることがより好ましい。0.1mm未満では薄すぎて、そのような積層体となるプリプレグの製造が難しく高価になるだけではなく、得られるプリフォームの形状保持が困難にもなる。また、5.0mmを超えると厚すぎて賦形が困難となり、得られるプリフォームにシワなどが発生することが懸念される。
(賦形)
一枚のプリプレグ、または、プリプレグの積層体(以下、総称して単に「積層体」と表現することがある。)を賦形してプリフォームを得るための手段としては、例えば、人手による型への貼り込みにより積層体を賦形しても構わないし、型上に積層体を配置して、その上部からゴム膜などを配置した後に、内部を真空引きしてゴム膜を圧着させることで積層体を賦形しても構わないし、簡易な成形機に雄雌型を設置し、開いた雄雌型の間に積層体を配置して、雄雌型を狭圧することで賦形しても構わないし、いくつかの方法を組み合わせることで賦形しても構わないが、短時間で賦形できることから、雄雌型を狭圧することにより積層体を賦形することが好ましい。ここで雄雌型とは、一方の型の凸部または凹部に、他方の凹部または凸部が対応する一対の型のことを意味する。
さらに、当該積層体を予備加熱した後に賦形することが好ましく、さらには積層体の温度が40℃〜70℃になるよう加熱することが好ましい。40℃未満ではプリプレグのマトリックス樹脂組成物の粘度が高すぎて、所望の形状に賦形することが困難である。また、70℃を超えると、マトリックス樹脂組成物の粘度が著しく低下することによって、賦形時に強化繊維の乱れが発生したりすることで、最終的に得られる繊維強化樹脂組成物の機械特性が低下する。
予備加熱は、例えば、積層体に温風を当てても構わないし、積層体に赤外線を当てても構わないし、積層体を加熱したプレート上に載置して伝熱により加熱しても構わないが、積層体を短時間で加熱できることや、予備加熱後の積層体の取り扱いが容易であることから、赤外線による加熱が好ましい。
(成形工程)
前記の方法にて賦形して得たプリフォームを成形体厚みと同じクリアランスが設定されている金型に設置し、プレス機を用いて所望の温度、圧力に加熱加圧することでプリフォームを硬化させて、成形品を得る。
その際、金型は所定の硬化温度に調温しておき、圧縮成形した後、その温度のまま成形品を取り出すことが好ましい。このように行うことで、成形型の昇降温をする必要が無くなり、成形サイクルを高めることができるので、生産性を高くすることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、図1に示す立体形状1を有する繊維強化複合材料成形品を得るためのプリフォーム製造方法について記載する。
一方向性補強繊維織物として、たて糸の強化繊維糸条が炭素繊維であり、当該炭素繊維糸条に交錯する補助繊維糸が熱融着糸でカバーリングされたガラス繊維からなる一方向性補強繊維織物2(三菱レイヨン株式会社製、製品名:TRK9AMPQ、織物目付:329g/m、補助繊維糸の織り密度:8本/インチ)を用意し、エポキシ樹脂組成物A(三菱レイヨン株式会社製、製品名:#391)をホットメルト法にて含浸させてプリプレグ3を作製した。
具体的には、上記プリプレグ3は、一方向性補強繊維織物2を、離型紙上に塗工されたエポキシ樹脂組成物Aで挟み合わせて、60℃に調温したフュージングプレス機で加熱、加圧することで、エポキシ樹脂組成物Aを一方向性補強繊維織物2に含浸して作成した。上記プリプレグ3中のエポキシ樹脂組成物Aの含有率は33質量%となるようにして、プリプレグ1層あたりの厚みを0.30mmとなるようにした。その後、上記プリプレグ3を立体形状1に賦形しやすいよう、300mm×300mmに切断してプリプレグシート3aとした。このとき、図3の矢印方向が炭素繊維の0°方向、図3の矢印方向と直交方向を炭素繊維の90°方向として、切り出したプリプレグシート3aの一辺が0°方向、もう一辺が90°方向である正方形となるよう切断した。
上記プリプレグシート3aを立体形状1に賦形するために必要な雄雌型と、それを作動させるための成形機7を準備して、成形機7に可動型として上型5を配置し、固定型として下型6を配置した。上型5は5aと5bの二つの部分型により構成されており、成形機7は部分型5aと部分型5bを個別に動かすことができる(図3、図4)。
次に上記プリプレグシート3aを下型6の上に配置した後、赤外線ヒーター8にてプリプレグシート3aの表面温度が約60℃となるように加熱した。加熱した後、上型の部分型5aを下降させ、続けて部分型5bを下降させて雄雌型を閉じて、プリプレグシート3aを賦形した(図5上段)。
引き続き、プリプレグシート3aを冷却した後、部分型5bを上昇させ、続けて部分型5aを上昇させて、雌雄型を開いてプリプレグシート3aを露出させ、下型6から賦形されたプリプレグシート3aを取り外した(図5下段)。賦形されたプリプレグシート3aの外周部をトリミングすることで所望する立体形状1を有するプリフォーム10を得た。得られたプリフォーム10には、プリプレグの裂けやほつれはなく、所望の立体形状を有するプリフォームを容易に製作できた。
引き続き上型と下型の間の押し切り状態のクリアランスが0.3mmとなるよう設定した圧縮成形用成形型を140℃まで加熱し、成形型の下型にプリフォーム10を設置し、これを上型と下型で挟み10分間保持して、加熱加圧を行うことで、繊維強化樹脂成形品を得た。得られた成形品は強度、外観に優れていた。
(実施例2)
実施例1で作製されたプリプレグ3から実施例1と同様に300mm×300mmのプリプレグシート3aを3枚切断し、炭素繊維の方向が0°/90°/0°となるようにその3枚を重ねて、積層体9を用意した。
引き続き実施例1と同様の方法で、プリプレグシート3aのかわりに積層体9を用いて立体形状1を有するプリフォームを作成した。得られたプリフォームには、プリプレグの裂けやほつれはなかった。また、積層体にして賦形してもプリプレグの突っ張りや折りたたまれはなく、所望の立体形状を有するプリフォームを容易に製作できた。
引き続き、実施例1と同様の方法で繊維強化樹脂成形品を得た。但し、本実施例では上型と下型の間の押し切り状態のクリアランスが0.9mmとなるよう設定した。得られた成形品は強度、外観に優れていた。
(比較例1)
一方向に引き揃えられた炭素繊維糸条にエポキシ樹脂組成物を含浸させたUDプリプレグ(三菱レイヨン株式会社製、製品名:TR391E250S、プリプレグ1層あたりの厚み:0.22mm、プリプレグ目付:250g/m)を用意し、実施例1と同様の方法でプリフォームを製作した。得られたプリフォームは、大きなせん断変形を要する部位11(図6中にクロスハッチで示した部位)においてUDプリプレグの折りたたみやシワや目開きが発生し、良好なプリフォームは得られなかった。
また、このプリフォームを上型と下型の間の押し切り状態のクリアランスが0.22mmとなるよう設定したこと以外は実施例1と同様の方法で加熱加圧成形したところ、得られた成形品は、UDプリプレグのシワや折りたたみが押し潰されたことで繊維のうねりが発生したり、UDプリプレグの目開き部位では樹脂たまりが発生したり、強度、外観に優れるものではなかった。
(比較例2)
また、比較例1に用いたUDプリプレグの、炭素繊維糸条が引き揃えられた方向を0°方向、炭素繊維糸条が引き揃えられた方向と直交方向を90°方向として、前記UDプリプレグの方向が0°/90°/0°となるよう3枚重ねて、300mm×300mmとなる前記UDプリプレグの積層体を用意した。前記積層体を用いて実施例2と同様の方法でプリフォームを作製した。得られたプリフォームには大きなせん断変形を要する部位11において積層体の折りたたみやシワが発生し、良好なプリフォームは得られなかった。
また、このプリフォームを上型と下型の間の押し切り状態のクリアランスが0.66mmとなるよう設定したこと以外は実施例2と同様の方法で加熱加圧成形したところ、得られた成形品はシワや折りたたまれた積層体が押し潰されたことで繊維のうねりが発生し、強度、外観に優れるものではなかった。
(比較例3)
あらかじめ製織された炭素繊維にエポキシ樹脂組成物を含浸させたクロスプリプレグ(三菱レイヨン株式会社製、製品名:TR3523 391GMP プリプレグ1層あたりの厚み:0.22mm、プリプレグ目付:200g/m)を用意し、実施例1と同様の方法でプリフォームを製作した。得られたプリフォームは、大きなせん断変形を要する部位11においてクロスプリプレグの突っ張りが発生し、所望の形状を有したプリフォームは得られなかった。
また、このプリフォームを比較例1と同様の方法で加熱加圧成形したところ、得られた成形品は部位11において繊維のうねりが発生し、強度、外観に優れるものではなかった。
(比較例4)
一方向に引き揃えた炭素繊維を、繊維方向が直交方向となるよう2層重ねて、ステッチ糸により厚み方向に結束させたノンクリンプファブリック(TK Industry社製、製品名:TK1300B127T、目付:300g/m)を用いて、実施例1と同様の方法でエポキシ樹脂組成物Aを含浸させたプリプレグを作成した(プリプレグ1層あたりの厚み:0.3mm)。
このプリプレグを用いて、実施例1と同様の方法でプリフォームを作製した。得られたプリフォームは、大きなせん断変形を要する部位11において、変形方向にステッチ糸が配向されていることによってプリプレグの突っ張りが発生し、良好なプリフォームは得られなかった。
また、このプリフォームを実施例1と同様の方法で加熱加圧成形したところ、得られた成形品には部位11において炭素繊維のうねりが発生し、強度、外観に優れるものではなかった。
(比較例5)
一方向に引き揃えられた炭素繊維糸条(三菱レイヨン株式会社製、製品名:TR50S12L)を用いて、炭素繊維糸条と直交する方向に熱融着糸でカバーリングされたガラス繊維(クラレ株式会社製)を補助繊維糸として交錯させた一方向性補強繊維織物(織物目付:320g/m、補助繊維糸織り密度12本/インチ)を用意し、実施例1と同様にプリプレグを作製した。(プリプレグ1層あたりの厚み:0.3mm)
このプリプレグを用いて実施例1と同様の方法でプリフォームを製作した。得られたプリフォームには、大きなせん断変形を要する部位11において、プリプレグの突っ張りが発生し、良好なプリフォームは得られなかった。プリプレグの突っ張りは、炭素繊維糸条群が補助繊維糸によって強く拘束されていることによって発生したものと推定される。
また、このプリフォームを用いて実施例1と同様の方法で加熱加圧成形したところ、得られた成形品には炭素繊維のうねりが発生し、強度、外観に優れるものではなかった。
(比較例6)
一方向に引き揃えられた炭素繊維糸条(三菱レイヨン株式会社製、製品名:TR50S12L)を用いて、炭素繊維糸条と直交する方向に熱融着糸でカバーリングされたガラス繊維(クラレ株式会社製)を補助繊維糸として交錯させた一方向性補強繊維織物(織物目付1200g/m、補助繊維糸織り密度8本/インチ)を用意し、実施例1と同様にプリプレグを作成した。(プリプレグ1層あたりの厚み:1.2mm)
このプリプレグを用いて実施例1と同様の方法でプリフォームを製作したが、作業性が悪かった。
一方、このプリフォームを上型と下型の間の押し切り状態のクリアランスが1.2mmとなるよう設定したこと以外は実施例1と同様の方法で加熱加圧成形したところ、得られた成形品は強度、外観には問題はなかった。
1 立体形状
2 一方向性補強繊維織物
2a 強化繊維糸条
2b 補助繊維糸
3a 一方向性補強繊維織物プリプレグから切断したプリプレグシート
5a 上型の部分型
5b 上型の部分型
6 下型
7 成形機
8 赤外線ヒーター
10 プリフォーム
11 立体形状1における大きなせん断変形を要する部位

Claims (3)

  1. 互いに平行に配列した多数本の強化繊維糸条と補助繊維糸からなる一方向性補強繊維織物と熱硬化性のマトリックス樹脂組成物からなるプリプレグ又は該プリプレグを含むプリプレグ積層体を所定形状に賦形してプリフォームを得る、プリフォームの製造方法。
  2. 互いに平行に配列した多数本の強化繊維糸条と補助繊維糸からなる一方向性補強繊維織物と熱硬化性のマトリックス樹脂組成物からなるプリプレグ又は該プリプレグを含むプリプレグ積層体を所定形状に賦形してプリフォームとし、
    該プリフォームを加熱加圧して前記マトリックス樹脂組成物を硬化することによって所望の立体形状を有する繊維強化熱硬化性樹脂成形品を得る、繊維強化熱硬化性樹脂成形品の製造方法。
  3. 並列した多数本の強化繊維糸条と補助繊維糸からなる一方向性補強繊維織物と熱硬化性のマトリックス樹脂組成物からなるプリプレグ又は該プリプレグを含むプリプレグ積層体からなる、立体形状を有するプリフォーム。
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