JP2016015702A - スピーカシステム、振動板および振動体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】音声電気信号を機械振動に変換して振動を発生させるドライバからの振動を振動板に伝達し、この振動板の振動により音を発生させるスピーカシステムであって、振動板は、面状のものであり、湾曲した第1の曲面部分と、この第1の曲面部分に連続した湾曲方向が第1の曲面部分とは逆方向の第2の曲面部分を有するようにした。
【選択図】図1
Description
特許文献1には、湾曲板の周縁部に平面板を設け、この平面板に駆動手段を連結するようにした技術が記載されている。
特許文献2には、曲面版の裏面にリブを設けて、裏面にボイスコイルを設けるようにして薄型にした技術が記載されている。
特許文献3には、振動板である紙を、内部応力がある状態で弾性変形させて棒状の支持 部材と、狭着板とにより2点支持する技術が記載されている。
本発明は、構成が複雑でなく、設置について制約が少ない良好な音質のスピーカシステムを提供することを目的とする。
また、本発明のスピーカシステムは、前記ドライバからの振動を前記第2の曲面部分に伝達することを特徴とする。
また、本発明のスピーカシステムは、前記第1の曲面部分の長さが、前記第2の曲面部分の長さより長いことを特徴とする。
また、本発明のスピーカシステムは、前記ドライバからの振動は複数チャンネルあり、前記複数のチャンネルの各チャンネルの振動を振動板に伝達するとともに、各チャンネルの振動が混じり合った振動を振動板に伝達することを特徴とする。
また、本発明のスピーカシステムは、前記ドライバを内蔵した箱状の振動体を有し、前記振動板が前記振動体と結合して、前記振動板を前記振動体に支持するとともに、前記ドライバからの振動を前記振動体の外部に伝達する伝達部材を介して前記振動板に伝達することを特徴とする。
また本発明のスピーカシステムは、前記振動体と前記振動板に、磁力により相互に吸着する1対の吸着部材を複数設け、前記吸着部材を介して前記振動体と前記振動板を結合するとともに、前記吸着部材を介して、前記振動板に振動が伝達されることを特徴とする。
また、本発明のスピーカシステムは、音声電気信号を機械振動に変換して振動を発生させるドライバからの振動を振動板に伝達し、前記振動板の振動により音を発生させるスピーカシステムであって、湾曲部分を有する面状の振動板と、ドライバを内蔵した箱状の振動体と、前記振動体と前記振動板に設けられ、前記振動板と前記振動体を結合して前記振動板を支持するとともに、前記ドライバからの振動を前記振動板に伝達する1対の吸着部材の複数とを有することを特徴とする。
また、本発明の振動板は上記の各スピーカシステムに用いられる振動板であることを特徴とする。
また、本発明の振動体は上記の各スピーカシステムに用いられる振動体であることを特徴とする。
振動プレート2は、材質として木を用いた板状のものであり、上部に、湾曲した曲面部分21が形成され、下部に曲面部分21に連続して、湾曲方向が曲面部分21とは逆方向の曲面部分22が形成されている。
振動ボックス3の前側面31,後側面32は、振動プレート2の曲面部分22の凹んだ面すなわち裏面の曲面に沿う曲面に形成されており、前側面31と、振動プレート2の曲面部分22の裏面がホールドメダル51および52とキャッチャー81および82により結合される。これにより、図1および図2に示すように、振動プレート2が振動ボックス3により垂直方向に支持される。
曲面の湾曲度合いは曲面部分21の方が曲面部分22より緩やかで、曲面の長さは曲面部分21の方が曲面部分22よりも長いものとなっている。
なお、曲面部分21の湾曲は懸垂曲線状に限らす、正弦曲線状、または円弧状であってもよい。
ホールドメダル51および52は、図5に示すように磁性体からなる円盤状のもので、振動プレート2に強固に接着されている。
ホールドメダル51および52は、磁力により、後述する振動ボックス3のキャッチャー81および82(図6参照)に固着される。
なお、振動プレート2の材質としては、他の種類の木、金属、磁器、ガラスまたは陶器等を用いることもでき、これらを交換して用いることができる。
前側面31には、振動プレート2のホールドメダル51および52を吸着し固定するためのキャッチー81および82が取り付けられている。キャッチャー81は前側面31の左右に位置し、キャッチャー82は、中央の少し下寄りに位置している。
図7に示すように、振動ボックス3は、二つに分割されており、前側面31を有する前側ユニット35と後側面32を有する後側ユニット36の前後2つのユニットにより構成されている。
前側ユニット35と後側ユニット36とは、各部材が配置された後に、それぞれの内側の面である接合面351と361が接着されて一体化されている。
図7に示すように前側ユニット35の接合面351が前側面31の方向に掘り下げられて、凹部352が形成されている。この凹部352は図6に示すように、横方向の左右2か所に形成されている。この凹部352には、左右各チャンネルの音声電気信号に対応したドライバ4が取付けられている。
また、取付部6の上面は前側面31と略平行になっており、取付部6の周囲に厚さが薄い部分が形成されていることにより、取付部6が前側面31方向へ振動しやすくなり、前側面31に効率よく振動が伝達される。
取付孔71は取付部6から振動ボックス3の前側面31にわたる貫通孔であり、上側中央寄り角の1か所に形成されている。取付孔72は残りの3か所に形成されており、貫通孔ではなく取付部6から凹部352の底面の内部にわたるものである。取付孔71および72は、タッピングネジ9およびタッピングネジ11よりも小径であり、ドライバ4は、図7に示すように、取付孔71および72を通してタッピングネジ9を締め付けるにより、取付部6および前側ユニット35に固定される。
図8は、取り付けられたドライバ4を接合面351から見た図を示している。
このように構成することにより、前側面31側にドーナッツ状の磁石10による磁界の他に、タッピングネジ11の頭と磁石10の間にも磁界が生じる。具体的には、キャッチャー81および82の中心のタッピングネジ11の頭に磁石10の磁極と逆極性の磁極が新たに生じる。これによりホールドメダル51および52との吸着の際に、ホールドメダル51および52中央の凸部が、タッピングネジ11の頭部分の凹みに吸着され、中心合わせがしやすくなる。また振動プレート2の取付けが強化され安定することになる。
なお、キャッチャー82の取付けのために、振動ボックス3の前側面31側に取付孔73が形成されている。
この場合、取付孔71に取り付けるキャッチャー81のタッピングネジ11を締めると、このタッピングネジ11の先端のネジ部が、ドライバ4を取付けるために取付孔71に通したタッピングネジ9の先端のネジ部と重なる位置に進入して接触することになり、双方のネジ部同士が回転しながら噛み合うことになる。
そして、双方のタッピングネジ9および11とが強固な締め付け状態となり、ドライバ4を取付部6方向へ強く引っぱることになると同時に、取付部4を挟んでキャッチャー81とドライバ4が強く連結される。
ドライバ4の信号コード(図示せず)は、この貫通孔363を通してこの凹部362に導入される。
またこの凹部362には、必要に応じてアンプが内蔵され、これらの電源コード、信号コード(図示せず)がこの凹部362を通って、底面33側の開口から、外部に導出される。
後側ユニット36の接合面361と、前側ユニット35の接合面351が接着され、一体化した振動ボックス3がつくられる。
なお、振動ボックス3の材質としては、他の種類の木を用いることができ、木に限らず例えば金属等を用いることもできる。
音響ボックス3から振動プレート2から取り外すときも、振動プレート2を横方向にスライドさせて磁力による引付力が弱い位置で取り外すようにする。
また、左右それぞれのドライバ4の振動は、ドライバ4を取付けるタッピングネジ9と、これに機械的に接触しているキャッチャー81のタッピングネジ11を介して、左右それぞれのキャッチャー81の表面まで導かれる。
中央のキャッチャー82には振動ボックス3全体の振動が導かれる。すなわち、左右チャンネルの振動が混じり合って供給される。
中央のキャッチャー82からの振動は左右チャンネルの振動が混じり合ったものであり、この振動の共鳴効果により音が豊かなものとなる。
具体的には、特定の周波数(150Hz〜250Hz程度)で共振が発生したが、上記のように構成することにより、10HZ〜10kHZの範囲について、通常の音量で動作させた場合には音響を損なう振動は生じなかった。
また、振動プレート2の曲面部分21の湾曲により音量は大きくなるが、発明者の実験によると、曲面部分21の湾曲が、長手方向の長さに対する湾曲の深さが15%から20%のあたりが比較的音量が安定した。
なお、振動ボックス3には、上記のようにドライバ4からの振動が伝達され、振動プレート2を結合しない場合であっても振動ボックス3から音が発生するので、そのままでもスピーカとして用いることができる。
2 振動プレート
21 曲面部分
22 曲面部分
3 振動ボックス
31 前側面
32 後側面
33 底面
34 端面
35 前側ユニット
351 前側ユニットの接合面
352 凹部
36 後側ユニット
361 後側ユニットの接合面
362 凹部
363 貫通孔
4 ドライバ
51,52 ホールドメダル
6 取付部
71、72、73 取付孔
81 82 キャッチャー
9 タッピングネジ
10 磁石
Claims (10)
- 音声電気信号を機械振動に変換して振動を発生させるドライバからの振動を振動板に伝達し、前記振動板の振動により音を発生させるスピーカシステムであって、
前記振動板は、面状のものであり、湾曲した第1の曲面部分と、前記第1の曲面部分に連続した湾曲方向が前記第1の曲面部分とは逆方向の第2の曲面部分を有することを特徴とするスピーカシステム。 - 前記ドライバからの振動を前記第2の曲面部分に伝達することを特徴とする請求項1に記載のスピーカシステム。
- 前記第1の曲面部分の長さが、前記第2の曲面部分の長さより長いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスピーカシステム。
- 前記ドライバからの振動は複数チャンネルあり、前記複数のチャンネルの各チャンネルの振動を振動板に伝達するとともに、各チャンネルの振動が混じり合った振動を振動板に伝達することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のスピーカシステム。
- 前記ドライバを内蔵した箱状の振動体を有し、前記振動板が前記振動体と結合して、前記振動板を前記振動体に支持するとともに、前記ドライバからの振動を前記振動体を介して前記振動板に伝達することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のスピーカシステム。
- 前記ドライバを内蔵した箱状の振動体を有し、前記振動板が前記振動体と結合して、前記振動板を前記振動体に支持するとともに、前記ドライバからの振動を前記振動体の外部に伝達する伝達部材を介して前記振動板に伝達することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のスピーカシステム。
- 前記振動体と前記振動板に、磁力により相互に吸着する1対の吸着部材を複数設け、前記吸着部材を介して前記振動体と前記振動板を結合するとともに、前記吸着部材を介して、前記振動板に振動が伝達されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のスピーカシステム。
- 音声電気信号を機械振動に変換して振動を発生させるドライバからの振動を振動板に伝達し、前記振動板の振動により音を発生させるスピーカシステムであって、
湾曲部分を有する面状の振動板と、
ドライバを内蔵した箱状の振動体と、
前記振動体と前記振動板に設けられ、前記振動板と前記振動体を結合して前記振動板を支持するとともに、前記ドライバからの振動を前記振動板に伝達する1対の吸着部材の複数と、を有することを特徴とするスピーカシステム。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載のスピーカシステムに用いられる振動板。
- 請求項6から請求項8のいずれかに記載のスピーカシステムに用いられる振動体。
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