JP2012028870A - 電気音響変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力消費の低減に配慮しつつ、音質の良好な音の発生を可能にする。
【解決手段】エキサイタ10は、永久磁石1による磁界内のVCM2に音声信号3を流すことで生じる音の振動を紙12に伝えて放音させる。マイク13は、この音を収音して収音信号を出力する。信号処理部14は、音声信号3と収音信号との各々の周波数成分を算出し、この周波数成分に基づき、音声信号3と収音信号との間の周波数領域での伝達特性を獲得し、その伝達特性の逆特性を音声信号3に与えるデジタルフィルタ演算を行う。この信号処理部14は、エキサイタ10の紙12への接触の有無を、VCM2の共振周波数の変化に基づいて検知する処理を行い、当該接触を検知するとデジタルフィルタ演算を開始する。エキサイタ10は、信号処理部14がデジタルフィルタ演算を行うときには、この演算によって所定の特性が与えられた音声信号3に応じた振動を振動板に与える。
【選択図】図3

Description

本明細書で議論される実施態様は、電気信号を音波に変換する電気音響変換の技術に関する。
図1について説明する。図1は、電気音響変換装置であるスピーカの構造の一例を図解したものである。
図1において、永久磁石1の磁界内に配置されているVCM(ボイス・コイル・モータ)2に音声信号3(音の振幅を電流量で表現している電流)を流すと、VCM2に力が発生し、振動板であるコーン4を揺らして空気を振動させることで、音波5を生じさせる。キャビティ6は、音波5とは逆の位相である、コーン4の裏側に発生する逆相音波7が、表側に回り込んで音波5と干渉することで音量が小さくなることを防ぐために、逆相音波7を閉じ込める室である。
なお、スピーカにおいて、振動板を振動させる部品はエキサイタと称されている。図1の例では、コーン4を振動させる、永久磁石1とVCM2とを組み合わせたものがエキサイタ10と呼ばれる。
ところで、携帯電話等の小型の電子機器に搭載されているスピーカは、大きさに制限があるため振動板を大きくすることができないため、小型の電子機器の多くは、そこから発せられる音の音量が小さい。また、小さなスピーカから発せられる音を良好に聴き取るには、スピーカと耳との位置関係を適切に保つ必要がある。このような事情により、小型の電子機器は、子供や高齢者等の電子機器の扱いに不慣れなユーザには扱い難く感じられることがある。
小型の電子機器から音量の大きな音を得る技術として、サイズの大きな板を別途用意して振動板として用い、この板にエキサイタを接触させて板を振動させることで音波を発生させるという技術が知られている。
この他の背景技術を幾つか説明する。
まず、帰還回路を用いて安定であり、かつ補正効果の大きい音響再生装置についての技術が知られている。この技術は、入力信号が正側入力に入力される減算器の出力信号で駆動されるスピーカが放射した音響信号をマイクロフォンで検出し、この検出信号と当該減算器の出力信号とを加減算処理した結果を、当該減算器の負側入力に入力するというものである。
また、騒音に対して、同振幅で逆位相の音波(制御音)を干渉させて消音を行う能動消音の技術が知られている。この技術のひとつとして、干渉後に残る残留騒音の音質を周波数帯域毎に評価し、この評価結果に基づいて当該制御音を制御することで、消音できなかった周波数帯域の騒音が目立って耳障りに聞こえることを回避するという技術が知られている。
また、2つの異なる固有振動数成分(主振動数成分・副振動数成分)を持つ2自由度振動系を構成し、接触部と検出対象物との接触の有無により、2つの振動数成分のどちらか一方が支配的となるようにして、検出対象物への接触を検知する技術が知られている。
また、イヤホーン等の着脱自在な外部出力機器の携帯端末装置への着脱により、記録内容の再生の開始・停止を制御し、当該外部出力機器の未接続時に当該再生の指示を受けたときには、当該装置が備えている出力手段で再生を行う技術が知られている。
特開2006−253735号公報 特開2005−198217号公報 特開平7−222276号公報 国際公開第2009/037733号 特開平10−176917号公報 特許第4203495号公報
前述した、別途用意した板をエキサイタで振動させて音波を発生させる技術では、振動板とする板の材質・形状・サイズ等が不定である。このため、振動板として用いる板の選択により音質が変化してしまい、場合によっては音が歪んで却って明瞭度が低下することもあり得る。
また、小型の電子機器では、電源の容量に制限のあることが少なくない。従って、別途用意した板をエキサイタで振動させて音波を発生させる技術をこのような電子機器で実施する場合でも、電力消費を少なくすることは重要な課題である。
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、電力消費の低減に配慮しつつ、音質の良好な音の発生を可能にすることである。
本明細書で後述する電気音響変換装置のひとつに、エキサイタと、収音部と、受付部と、周波数成分算出部と、伝達特性獲得部と、接触検知部と、フィルタ演算部と、を有するというものがある。ここで、エキサイタは、ボイス・コイル・モータを有し、該ボイス・コイル・モータに第一の音声信号を流すことで生じる音の第一の振動を、接触している振動板に与えると共に、所定の特性が与えられた第二の音声信号に応じた第二の振動を該振動板に与える。収音部は、該音を収音して収音信号を出力する。受付部は、該第一の音声信号及び該第二の音声信号の入力を受け付ける。周波数成分算出部は、該受け付けた該第一の音声信号と、該出力された該収音信号との各々の周波数成分を算出する。伝達特性獲得部は、該第一の音声信号と該収音信号との各々の周波数成分に基づき、該第一の音声信号と該収音信号との間の周波数領域での伝達特性を獲得する。接触検知部は、該エキサイタの該振動板への接触の有無を、該ボイス・コイル・モータの共振周波数の変化に基づいて検知する。フィルタ演算部は、該接触検知部が該エキサイタの該振動板への接触を検知した場合に、まず、該第二の音声信号に、該伝達特性獲得部が獲得した伝達特性に基づいた、該所定の特性を与えるデジタルフィルタ演算を行う。そして、このデジタルフィルタ演算に基づいて、該第二の音声信号に該所定の特性を与える。
本明細書で後述する電気音響変換装置は、音質の良好な音の発生を、少ない電力消費量で可能にするという効果を奏する。
スピーカの構造の一例である。 電気音響変換装置の機能構成を図解した図である。 電気音響変換装置の具体的構成を図解した図である。 図3の電気音響変換装置の第一の使用例を図解した図である。 図3の信号処理部の詳細構成である。 デジタル信号処理の処理内容を図解したフローチャート(その1)である。 デジタル信号処理の処理内容を図解したフローチャート(その2)である。 区間特定処理の処理内容を図解したフローチャートである。 図3の電気音響変換装置の第二の使用例を図解した図である。 吸盤を備えたエキサイタの構造を図解した図である。 空気ポンプの吸引による振動板のエキサイタへの吸着を図解した図である。
まず図2について説明する。図2は電気音響変換装置の機能構成を図解した図である。
この電気音響変換装置は、エキサイタ110と、収音部120と、受付部130と、周波数成分算出部140と、伝達特性獲得部150と、接触検知部160と、フィルタ演算部170と、を有するというものがある。
エキサイタ110は、VCM(ボイス・コイル・モータ)111を有し、このVCM111に第一の音声信号を流すことで生じる音の第一の振動を、接触している振動板112に与える。それと共に、所定の特性が与えられた第二の音声信号に応じた第二の振動を、この振動板112に与える。
収音部120は、上述のようにして生じた音を収音して収音信号を出力する。
受付部130は、上述の第一の音声信号及び第二の音声信号の入力を受け付ける。
周波数成分算出部140は、受付部130が受け付けた第一の音声信号と、収音部120により出力された収音信号との各々の周波数成分を算出する。
伝達特性獲得部150は、第一の音声信号と収音信号との各々の周波数成分に基づき、第一の音声信号と収音信号との間の周波数領域での伝達特性を獲得する。
接触検知部160は、エキサイタ110の振動板112への接触の有無を、VCM111の共振周波数の変化に基づいて検知する。なお、この共振周波数の変化は、収音信号の周波数成分の変化として表れるので、図2の構成においては、接触検知部160は、エキサイタ110の振動板112への接触の有無を、収音信号の周波数成分の変化に基づいて検知する。なお、収音信号の周波数成分の変化は、伝達特性獲得部150が獲得する伝達特性の変化としても表れる。従って、接触検知部160は、エキサイタ110の振動板112への接触の有無を、この伝達特性の変化に基づいて検知してもよい。
フィルタ演算部170は、接触検知部160がエキサイタ110の振動板112への接触を検知した場合に、まず、第二の音声信号に、伝達特性獲得部150が獲得した伝達特性に基づいた前述の所定の特性を与えるデジタルフィルタ演算を行う。そして、このデジタルフィルタ演算に基づいて、第二の音声信号に当該所定の特性を与える。
次に図3について説明する。図3は、図2の電気音響変換装置の具体的構成を図解したものである。
なお、図3において、図1のものと同一の構成要素には同一の符号を付している。
図3において、永久磁石1とVCM(ボイス・コイル・モータ)2によりエキサイタ10が構成されている。このエキサイタ10のVCM2は、永久磁石1が発生させる磁界内に配置されるように、バネ11によって緩く保持されている。従って、後述の信号処理部14から出力される信号を入力すると、この信号に応じた音の振動が発生する。エキサイタ10は、この振動を、VCM2に接触している振動板である紙12に伝えることで、その音を紙12から放音させる。音波5は、このようにして放音された音を表現している。
ここで図4について説明する。図4は、図3の電気音響変換装置の第一の使用例を図解したものである。なお、本実施例においては紙12を利用することとして説明するが、これに限られるものではない。例えば、例えば机や壁、ホワイトボードなどが振動板として利用されてもよい。
図4において、携帯電話機15は、図3の電気音響変換装置が備えられている電子機器であり、この携帯電話機15の筐体からエキサイタ10が突出している。例えば、この携帯電話機15が備えているテレビ電話機能を使用するときに、携帯電話機15の使用者はエキサイタ10を紙12に押し付けるようにする。すると、通話相手の発する声が紙12から大きな音となって放音される。
図3の説明に戻る。キャビティ6は、図1におけるものと同様のものであり、逆相音波7(図3では不図示)を閉じ込める。
マイク13は、以上のようにしてエキサイタ10が発生させる音を収音して、当該音を表している電気信号である収音信号を出力する。
信号処理部14は、エキサイタ10のVCM2に流す音声信号3(図2における第一の音声信号及び第二の音声信号)、及びマイク13から送られてくる収音信号に対し、後述する各種の信号処理を行う。
次に図5について説明する。図5は、図3の信号処理部14の詳細構成を図解したものである。この信号処理部14は、増幅部21−1、21−2、及び27、ADC22−1及び22−2、MPU23、ROM24、RAM25、DAC26、並びに増幅部27を備えて構成されている。なお、MPU23とROM24及びRAM25との間はバスライン28を介して接続されており、MPU23は、ROM24及びRAM25との間で各種のデータの授受を行うことができる。
入力Aには音声信号3(図2における第一の音声信号及び第二の音声信号)が入力される。図4の例では、携帯電話機15が有している出力部16、すなわち、通話相手についての受話音声信号を出力する出力部16からの信号が入力Aに与えられる。
増幅部21−1は、この音声信号3を所定の増幅度で増幅して出力する。ADC(アナログ・デジタル・コンバータ)22−1は、増幅部21−1から送られてくる、アナログ信号である音声信号3をデジタルデータ(このデータを「音声信号データ」と称することとする。)に変換して出力する。
入力Bには、マイク13から送られてくる収音信号が入力される。増幅部21−2は、この収音信号を所定の増幅度で増幅して出力する。ADC22−2は、増幅部21−2から送られてくる、アナログ信号である収音信号をデジタルデータ(このデータを「収音信号データ」と称することとする。)に変換して出力する。
MPU(マイクロ・プロセシング・ユニット)23は、ADC22−1から送られてくる音声信号データに対し、ADC22−2から送られてくる収音信号データに基づいた後述の各種のデジタル信号処理を施して、その処理結果の音声信号データを出力する。なお、MPU23として、デジタル信号処理の実行に最適化された構成を有しているDSP(デジタル・プロセシング・ユニット)を用いてもよい。
ROM(リード・オンリ・メモリ)24は、後述の各種のデジタル信号処理をMPU23に行わせるための制御プログラムが予め記録されている読み出し専用半導体メモリである。MPU23は、図3の電気音響変換装置の起動時にこの制御プログラムをROMから読み出して実行することにより、後述の各種のデジタル信号処理を行えるようになる。
ROM(ランダム・アクセス・メモリ)25は、MPU23が上述の制御プログラムを実行する際に、必要に応じて作業用記憶領域として使用する、随時書き込み読み出し可能な半導体メモリである。
DAC(デジタル・アナログ・コンバータ)26は、MPU23から出力されるデジタルデータである音声信号データ(この信号を「処理後音声信号データ」と称することとする。)を、アナログ信号に変換して出力する。
増幅部27は、DAC26から送られてくるアナログ信号(この信号を「処理後音声信号」と称することとする。)を所定の増幅度で増幅して信号として出力する。増幅部27より出力されるこの処理後音声信号は、信号処理部14の出力であり、エキサイタ10のVCM2に入力される。
次に、MPU23により行われる信号処理について説明する。
まず、MPU23は、受付処理、周波数成分算出処理、伝達特性獲得処理、及びフィルタ演算処理を行う。
受付処理は、音声信号3の入力を受け付ける処理である。
周波数成分算出処理は、音声信号3と、マイク13から出力される収音信号との各々の周波数成分を算出する処理である。この処理は、具体的には、時間領域上の所定区間内の音声信号データと、この音声信号データに対応する収音信号データとの各々にFFT(高速フーリエ変換)処理を施して、当該区間における周波数成分(所定周波数毎の複素周波数成分)を求める処理である。
伝達特性獲得処理は、周波数成分算出処理により算出された、音声信号3と収音信号との各々の周波数成分に基づき、音声信号3と収音信号との間の周波数領域での伝達特性を獲得する処理である。より具体的には、この処理は、周波数成分算出処理により求められた周波数成分を用い、上述の所定周波数毎に、収音信号データの周波数成分を音声信号データの周波数成分で除算することで、当該伝達特性を獲得する。
フィルタ演算処理は、伝達特性獲得処理により獲得した伝達特性の逆特性を、音声信号3に与えるデジタルフィルタ演算を行う。この処理では、より具体的には、まず、周波数成分算出処理により得られた伝達特性(上述の所定周波数毎の複素数成分)の逆数を所定周波数毎に取り、得られた値に対して逆FFT処理を施す。そして、逆FFT処理により得られた値をFIRフィルタにおける各タップの重み付け係数(フィルタ係数)とした畳み込み演算を、音声信号データに対して行うFIRフィルタ(有限インパルス応答フィルタ)演算処理を実行する。このようにすることで、上記の伝達特性の逆特性が音声信号3に与えられる。
図3の電気音響変換装置のエキサイタ10は、上述したフィルタ演算処理がMPU23で行われるときには、上述のデジタルフィルタ演算によって上述の特性が与えられた音声信号3に応じた振動を、振動板(紙12)に与える。すると、マイク13の収音位置では、上述の伝達特性が打ち消されて、元の音声信号3で表現されているものに忠実な音を得ることができる。
なお、フィルタ演算処理により行われるデジタルフィルタ演算において、伝達特性獲得処理により獲得した伝達特性の逆特性に加えて、所定の伝達特性を音声信号3に与えるようにしてもよい。
例えば、音楽の試聴に適切なリスニングルームに設置した音質の良好なスピーカからの音を適切なリスニングポイントで試聴する場合における、元の音がリスニングポイントに届くまでの伝達特性を、実測若しくはシミュレーションによって取得しておく。そして、前述したフィルタ演算処理において、このようにして取得した良好な試聴環境における伝達特性と、前述した伝達特性の逆数とを、前述の所定周波数毎に乗算し、この乗算により得られた値に対して逆FFT処理を施す。そして、得られた値をフィルタ係数とした畳み込み演算を行うFIRフィルタ演算処理を実行する。こうすることで、このフィルタ演算処理が施された音声信号データをMPU23が出力するように電気音響変換装置を動作させると、マイク13の収音位置では、音声信号3で表現されている音を、上述のような良好な試聴環境と同様な良い音質で聴くことができる。
MPU23が、以上の受付処理、周波数成分算出処理、伝達特性獲得処理、及びフィルタ演算処理を行うことで、図2の収音部120、受付部130、周波数成分算出部140、及び伝達特性獲得部150の各々の機能がMPU23により提供される。
MPU23は、以上の各種処理に加えて、更に、接触検知処理を行う。接触検知処理は、エキサイタ10の振動板(図3では紙12)への接触の有無を、VCM2の共振周波数の変化に基づいて検知する。
ここでVCM2の共振周波数について説明する。
前述したように、VCM2は、バネ11によって緩く保持されている状態で振動する。ここで、VCM2の質量をmとし、バネ11のバネ定数をkとする。なお、バネ11の質量は十分に軽いものとする。
まず、VCM2が振動板と接触していない場合を想定する。この場合のVCM2の振動における共振周波数f1は、下記の[数1]式で表される。
次に、VCM2が振動板に押し付けられている場合を考える。この場合におけるVCM2は振動板に密着するので、VCM2の振動を考えるときのバネ定数は、バネ11についてのものよりも振動板についてのもののほうが支配的になる。ここで、振動板のバネ定数及び質量を、それぞれK及びMとすると、この場合のVCM2の振動における共振周波数f2は、下記の[数2]式で表される。
このように、VCM2の振動における共振周波数は、振動板との接触の有無によって変化が生じる。この共振周波数の変化は、マイク13から出力される収音信号の周波数成分の変化として表れる。そこで、MPU23により行われる接触検知処理では、エキサイタ10の振動板への接触の有無を、この収音信号の周波数成分の変化に基づいて検知する。この処理では、より具体的には、伝達特性獲得処理により獲得した伝達特性において、振幅成分が最大の周波数を検出する。この振幅成分最大の周波数は、上述した共振周波数と推定することができる。そして、この周波数についての、予め設定しておいた所定の閾値以上の変化の検出を行い、この変化が検出されたときに、エキサイタ10の振動板への接触を検知したものとする。
前述したフィルタ演算処理は、接触検知処理によってエキサイタ10の振動板への接触が検知されると、前述のデジタルフィルタ演算を開始する。このようにしてエキサイタ10が振動板に接触しているときにのみデジタルフィルタ演算を行うようにすることで、非接触時におけるMPU23の処理量が減少する結果、電気音響変換装置の電力消費の低減に寄与する。
ここで図6A及び図6Bについて説明する。図6A及び図6Bは、図5の信号処理部14におけるMPU23により行われるデジタル信号処理の処理内容をフローチャートで図解したものである。
なお、この処理は、予め測定しておいた、VCM2と振動板とが非接触の状態にあるときの音声信号3と収音信号との間の周波数領域での伝達特性における、振幅成分が最大である周波数を示す情報が、ROM25に予め格納されているものとして、進められる。
図6Aにおいて、まず、S101では、ADC22−1から送られてくる音声信号データを取得してRAM25の所定の記憶領域に格納する処理がMPU23により行われる。なお、RAM25における音声信号データの格納領域は所定サイズのリングバッファを構成しておくようにし、格納処理では、音声信号データを当該リングバッファに格納順に並べて格納するようにする。
次に、S102では、S101の処理で取得した音声信号データをそのままDAC26に出力する処理がMPU23により行われる。
次に、S103では、ADC22−2から送られてくる収音信号データを取得してRAM25の所定の記憶領域に格納する処理がMPU23により行われる。なお、RAM25における収音信号データの格納領域も所定サイズのリングバッファを構成しておくようにし、格納処理では、収音信号データを当該リングバッファに格納順に並べて格納するようにする。
以上までのS101からS103までの処理が受付処理であり、これらの処理をMPU23が行うことにより、図2の受付部130の機能がMPU23により提供される。
次に、S104では、音声信号データ及び収音音声データのRAM25の格納量が、後述のFFT処理における1フレームのデータ量に達したか否かを判定する処理がMPU23により行われる。ここで、FFT処理における1フレームのデータ量が得られたと判定されたとき(判定結果がYesのとき)にはS105に処理が進む。一方、ここで、データ量が得られたデータ量がFFT処理における1フレーム分に満たないと判定されたとき(判定結果がNoのとき)にはS101に処理を戻して、音声信号データ及び収音音声データの取得を更に続ける。
次に、S105では、RAM25に格納されている、上述した1フレーム分のデータ量の音声信号データ及び収音信号データの各々に対してFFT処理を施して、このフレームのデータについての周波数成分を算出する周波数成分算出処理がMPU23により行われる。この周波数成分算出処理をMPU23が行うことにより、図2の周波数成分算出部140の機能がMPU23により提供される。
次に、S106では、伝達特性獲得処理がMPU23により行われる。この処理は、FFT処理により得られた収音音声データの周波数成分を、同じくFFT処理により得られた音声信号データの周波数成分で周波数毎に除算して、音声信号3と収音信号との間の周波数領域での伝達特性を獲得する処理である。この伝達特性獲得処理をMPU23が行うことにより、図2の伝達特性獲得部150の機能がMPU23により提供される。
次に行われるS107及びS108の処理は、前述した接触検知処理であり、エキサイタ10の振動板への接触の有無を、VCM2の共振周波数の変化に基づいて検知する処理である。この接触検知処理をMPU23が行うことにより、図2の接触検知部160の機能がMPU23により提供される。但し、この図5Aの処理では、エキサイタ10の振動板への接触の有無を、伝達特性の変化に基づいて検知するようにしている。
まず、S107では、獲得した伝達特性において、振幅成分が最大である周波数を検出する処理がMPU23により行われる。
次に、S108では、S107の処理により検出された周波数が、予め測定してROM25に格納されている、VCM2と振動板とが非接触の状態にあるときの周波数から、所定の閾値以上に変化していたか否かを判定する処理がMPU23により行われる。ここで、周波数の変化が所定の閾値以上であると判定されたとき(判定結果がYesのとき)には、VCM2と振動板との接触状態を検知したとみなして、S110(図6B)に処理を進める。一方、周波数の変化が所定の閾値に満たないと判定されたとき(判定結果がNoのとき)には、VCM2と振動板とは非接触の状態のままであるとみなして、S109に処理を進める。
このように、本実施形態における接触検知処理は、収音信号の周波数成分の変化によって生じる伝達特性の変化を、VCM2の共振周波数の変化によって生じる収音信号の周波数成分の変化として捉える。そして、この変化に基づいて、エキサイタ10の振動板への接触の有無を検知する。
S109では、この時点でRAM25に格納されている、FFT処理における1フレーム分の音声信号データ及び収音音声データのうち、時間的に先に格納された1/2フレーム分のデータを廃棄する処理がMPU23により行われる。そして、その後はS101に処理を戻して音声信号データ及び収音音声データの取得を開始し、廃棄した1/2フレーム分のデータ量の音声信号データ及び収音音声データの取得及びRAM25への格納の処理を行う。
図6Bに処理が進み、S110では、S106(図6A)の処理で獲得していた伝達特性の振幅成分の逆数を周波数毎に算出して、当該伝達特性の逆特性を獲得する処理がMPU23により行われる。
次に、S111では、S110の処理で獲得した逆特性に対し、前述した、良好な試聴環境において予め取得してROM24に格納しておいた伝達特性のデータを、周波数毎に乗算する処理がMPU23により行われる。この処理は、上述の逆特性に加えて、所定の伝達特性を音声信号3に与えるデジタルフィルタ演算を行うための処理である。
なお、前述したS110及びS111の処理を行う代わりに、良好な試聴環境において予め取得してROM24に格納しておいた伝達特性を、S106(図6A)の処理で獲得していた伝達特性で周波数毎に除算する処理をMPU23が行うようにしてもよい。また、良好な試聴環境における伝達特性の畳み込みが不要であり、単に平坦な伝達特性のみを望む場合は、このS111の処理を省略してよい。
まず、S112では、S110及びS111の処理による算出結果に対して逆FFT処理を施して、FIRフィルタにおけるフィルタ係数を算出する処理がMPU23により行われる。
次に、S113では、ADC22−1から送られてくる音声信号データを取得して、S101の格納処理で格納した音声信号データに続けて、RAM25の所定の記憶領域における前述したリングバッファに格納する処理がMPU23により行われる。
次に、S114では、RAM25に格納されている音声信号データに対し、S112の処理で算出されたフィルタ係数を用いるFIRフィルタ演算を実行する処理がMPU23により行われる。
以上までのS110からS114の処理が前述したフィルタ演算処理であり、伝達特性獲得処理により獲得した伝達特性の逆特性、及び、S111の処理を行った場合には良好な試聴環境において予め取得していた伝達特性を、音声信号3に与える処理である。このフィルタ演算処理をMPU23が行うことにより、図2のフィルタ演算部170の機能がMPU23により提供される。
S115では、S114の処理で行われたFIRフィルタ演算の演算結果を、処理後音声信号データとしてDAC26へ出力する処理がMPU23により行われる。
S116からS120にかけての処理は、FIRフィルタにおけるフィルタ係数の更新のための処理である。
まず、S116では、ADC22−2から送られてくる収音信号データを取得して、S103の格納処理で格納した収音信号データに続けて、RAM25の所定の記憶領域における前述したリングバッファに格納する処理がMPU23により行われる。
次に、S117では、MPU23が、前述した図6AのS105からS107までの処理を、直近に行われたS113及びS116の処理で取得したデータを含む音声信号データ及び収音信号データに対して行う。この処理により、前述した周波数成分算出処理及び伝達特性獲得処理と、この伝達特性において、振幅成分が最大である周波数を検出する処理とが行われる。
次に、S118では、収音信号の周波数成分の変化の大きさを判別する判別処理がMPU23により行われる。より具体的には、S117の処理により検出された周波数が、その直近に実行されたS117の処理において検出されていた周波数から、所定の閾値以上に変化していたか否かを判定する処理が行われる。
このS118の判別処理において、周波数の変化が所定の閾値以上であると判定されたとき(判定結果がYesのとき)には、収音信号の周波数成分の変化が所定値以上に大きいとの判別結果を下す。この場合には、S119において、RAM25に格納していた音声信号データ及び収音音声データを全て廃棄する処理がMPU23により行われる。そして、続くS120において、前述した図6AのS101からS106にかけての処理が行われて、改めて取得した音声信号データ及び収音音声データについての伝達特性を改めて獲得する伝達特性獲得処理がMPU23により行われる。そしてその後はS110へと処理を戻し、改めて獲得した伝達特性の逆特性を音声信号3に与えるフィルタ演算処理が行われる。
一方、S118の判別処理において、周波数の変化が所定の閾値未満であると判定されたとき(判定結果がNoのとき)には、MPU23は、収音信号の周波数成分の変化が所定値よりも小さいとの判別結果を下す。この場合には、S110へと処理を戻し、S117の処理で獲得していた伝達特性(以前に取得していたデータを含む音声信号データ及び収音音声データについての伝達特性)の逆特性を音声信号3に与えるフィルタ演算処理が行われる。
FIRフィルタにおけるフィルタ係数の更新の処理を以上のようにして行うことで、VCM2の振動における共振周波数の急激な変化の検知を行い、そのような変化が検知された場合には、その変化の発生以降の伝達特性に基づいたフィルタ係数が得られる。従って、そのような急激な変化に対する音質の変化に迅速に応答して良好な音質の音を得ることができる。その一方、上述の共振周波数の変化が急激ではない場合には、得られる音に違和感を感じさせるような、音質の過渡な変化を生じさせずに滑らかに変化させることができる。
以上までの処理が、MPU23により行われるデジタル信号処理の処理内容である。
なお、上述したデジタル信号処理を行う場合において、伝達特性獲得の基礎とする音声信号3としては、その周波数成分が人の可聴域の全域に亘ってフラットであることが理想的である。また、収音信号の周波数成分は、少なくとも、その可聴域の全域に亘って含まれているものであることが好ましい。そこで、時間領域上の区間であって、当該区間内の収音信号の周波数成分についての周波数毎の度数が、各周波数の全てにおいて所定度数以上である当該区間を特定する区間特定処理をMPU23に行わせるようにしてもよい。なお、この場合には、MPU23で行われる伝達特性獲得処理が、区間特定処理により特定された区間内における伝達特性の獲得を行うようにする。
ここで図7について説明する。図7は、MPU23により行われる区間特定処理の処理内容をフローチャートで図解したものである。
なお、図7の処理は、図6BにおけるS110の処理の実行直前に実行される。
まず、図6AのS108の判定処理がYesとなると、図7のS201において、図6AのS105のFFT処理により得られている、この時点の収音音声データの周波数成分についての周波数毎の度数分布を集計する処理がMPU23により行われる。
次に、S202では、S201の処理により得られる度数分布において、周波数毎の周波数成分の度数が、全ての周波数に亘って所定値以上であるか否かを判定する処理がMPU23により行われる。ここで、周波数毎の周波数成分の度数が、全ての周波数に亘って所定値以上であると判定されたとき(判定結果がYesのとき)にはS203に処理を進める。一方、ここで、周波数毎の周波数成分の度数が所定値未満である周波数が存在すると判定されたとき(判定結果がNoのとき)にはS205に処理を進める。
S203では、周波数成分を算出する処理がMPU23により行われる。この処理では、RAM25での格納データのうち、S201の集計処理での集計対象であった周波数分布の算出に用いた収音信号データと、その収音信号データに対応する音声信号データとの各々に対してFFT処理を施す処理が行われる。
次に、S204では、伝達特性獲得処理がMPU23により行われる。この処理では、FFT処理により得られた収音音声データの周波数成分を、同じくFFT処理により得られた音声信号データの周波数成分で周波数毎に除算して、音声信号3と収音信号との間の周波数領域での伝達特性を獲得する処理が行われる。そして、この処理を終えた後には、図6BのS110に処理を進める。なお、このときに行われるS110の処理では、S204の処理により獲得された伝達特性の逆特性を獲得する処理がMPU23により行われる。
一方、S202の判定処理の結果がNoであったときには、S205において、図6AのS101からS103と同一の処理がMPU23により行われる。そして、続くS206において、図6AのS105及びS106と同一の処理がMPU23により行われ、その後はS201に処理を戻す。なお、このときに行われるS201の処理では、S206の処理により得られる、この時点の収音音声データの周波数成分についての周波数毎の度数分布を集計する処理がMPU23により行われる。
以上の区間特定処理をMPU23が行うことにより、周波数成分が、所定の周波数帯域の全域に亘って含まれている収音信号に基づいた伝達特性を獲得することができる。
MPU23は、以上までに説明したような信号処理を行う。
次に図8について説明する。図8は、図3の電気音響変換装置の第二の使用例を図解したものである。
図8において、携帯電話機15は、図4に示した第一の例におけるものと同様に、図3の電気音響変換装置が備えられている電子機器であり、この携帯電話機15の筐体からエキサイタ10が突出している。例えば、この携帯電話機15が備えている動画投影機能(動画像を壁面に拡大投影して表示する機能)を使用するときに、携帯電話機15の使用者はエキサイタ10を紙12に押し付けるようにする。すると、動画像に添付されている音声が、拡大投影される動画像に相応しい大きな音となって紙12から放音される。
なお、図4及び図8を用いて説明した電気音響変換装置の使用例では、いずれも、携帯電話機15の使用者がエキサイタ10を紙12に押し付けることで、エキサイタ10と振動板(すなわち紙12)との接触状態を保持するようにしていた。この代わりに、例えば、図9に図解するように、エキサイタ10に吸盤31を固定しておき、この吸盤31を、振動板であるプラスティック板32に吸着させ、この状態でエキサイタ10がプラスティック板32に音の振動を伝えるようにしてもよい。このようにしても、プラスティック板32が空気を振動させて音波5を生じさせることができる。
また、この代わりに、例えば、図10に図解するように、空気ポンプ33を電気音響変換装置に備えるようにする。そして、このときに、振動板であるプラスティック板32をエキサイタ10側から吸気孔34を介して空気ポンプ33で吸引してエキサイタ10に吸着させ、この状態でエキサイタ10がプラスティック板32に音の振動を伝えるようにしてもよい。このようにしても、プラスティック板32が空気を振動させて音波5を生じさせることができる。
なお、エキサイタ10と振動板との接触状態を保持する手法として、この他に、例えば、着脱が可能である、ゲル状の接着剤をエキサイタ10と振動板との接触面に塗布して両者を接着するようにしてもよい。
なお、以上までに説明した実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
ボイス・コイル・モータを有し、該ボイス・コイル・モータに第一の音声信号を流すことで生じる音の第一の振動を、接触している振動板に与えると共に、所定の特性が与えられた第二の音声信号に応じた第二の振動を該振動板に与えるエキサイタと、
該音を収音して収音信号を出力する収音部と、
該第一の音声信号及び該第二の音声信号の入力を受け付ける受付部と、
該受け付けた該第一の音声信号と、該出力された該収音信号との各々の周波数成分を算出する周波数成分算出部と、
該第一の音声信号と該収音信号との各々の周波数成分に基づき、該第一の音声信号と該収音信号との間の周波数領域での伝達特性を獲得する伝達特性獲得部と、
該エキサイタの該振動板への接触の有無を、該ボイス・コイル・モータの共振周波数の変化に基づいて検知する接触検知部と、
該接触検知部が該エキサイタの該振動板への接触を検知した場合に、該第二の音声信号に、該伝達特性獲得部が獲得した伝達特性に基づいた、該所定の特性を与えるデジタルフィルタ演算を行うと共に、該デジタルフィルタ演算に基づいて、該第二の音声信号に該所定の特性を与えるフィルタ演算部と
を有することを特徴とする電気音響変換装置。
(付記2)
該フィルタ演算部は、該所定の特性として、該伝達特性に対する逆特性を該第二の音声信号に与えることを特徴とする付記1記載の電気音響変換装置。
(付記3)
該接触検知部は、該ボイス・コイル・モータの共振周波数の変化によって生じる該収音信号の周波数成分の変化に基づいて、該エキサイタの該振動板への接触の有無を検知することを特徴とする付記1または2に記載の電気音響変換装置。
(付記4)
該接触検知部は、該収音信号の周波数成分の変化によって生じる該伝達特性の変化に基づいて、該エキサイタの該振動板への接触の有無を検知することを特徴とする付記3に記載の電気音響変換装置。
(付記5)
該接触検知部は、該伝達特性において、振幅成分が最大の周波数が所定の閾値以上に変化したときに、該エキサイタの該振動板への接触を検知したものとすることを特徴とする付記4に記載の電気音響変換装置。
(付記6)
該収音信号の周波数成分の変化の大きさを判別する判別部を更に有し、
該伝達特性獲得部は、該収音信号の周波数成分の変化が所定値以上に大きいと該判別部が判別したときの該伝達特性を改めて獲得し、
該フィルタ演算部は、該伝達特性獲得部が該伝達特性を改めて獲得したときには、改めて獲得した伝達特性に基づいて該所定の特性を該第二の音声信号に与えるデジタルフィルタ演算を行う、
ことを特徴とする付記1から5のうちのいずれか一項に記載の電気音響変換装置。
(付記7)
該判別部は、該伝達特性獲得部が獲得した該伝達特性において振幅が最大の周波数が所定値以上に変化したときに、該収音信号の周波数成分の変化が所定値以上に大きいとの判別結果を下すことを特徴とする付記6に記載の電気音響変換装置。
(付記8)
時間領域上の区間であって、該区間内の該第一の音声信号の周波数成分についての周波数毎の度数が、各周波数の全てにおいて所定度数以上である該区間を特定する区間特定部を更に有しており、
該伝達特性獲得部は、該区間特定部により特定された区間内における該伝達特性を獲得する、
ことを特徴とする付記1から7のうちのいずれか一項に記載の電気音響変換装置。
(付記9)
該フィルタ演算部は、該逆特性に加えて、所定の伝達特性を該音声信号に与えるデジタルフィルタ演算を行うことを特徴とする付記2に記載の電気音響変換装置。
(付記10)
該エキサイタに吸盤が固定されており、該吸盤を該振動板に吸着させた状態で該振動板に該振動を伝えることを特徴とする付記1から9のうちのいずれか一項に記載の電気音響変換装置。
(付記11)
空気ポンプを更に有しており、
振動板を該エキサイタ側から該空気ポンプで吸引して該エキサイタに吸着させた状態で該振動板に該振動を伝える、
ことを特徴とする付記1から9のうちのいずれか一項に記載の電気音響変換装置。
(付記12)
付記1から11のうちのいずれか一項に記載の電気音響変換装置と、
該音声信号を電気音響変換装置に与える出力部と、
を備えていることを特徴とする電子機器。
1 永久磁石
2、111 VCM
3 音声信号
4 コーン
5 音波
6 キャビティ
7 逆相音波
10、110 エキサイタ
11 バネ
12 紙
13 マイク
14 信号処理部
15 携帯電話機
16 出力部
21−1、21−2、27 増幅部
22−1、22−2 ADC
23 MPU
24 ROM
25 RAM
26 DAC
28 バスライン
31 吸盤
32 プラスティック板
33 空気ポンプ
34 吸気孔
112 振動板
120 収音部
130 受付部
140 周波数成分算出部
150 伝達特性獲得部
160 接触検知部
170 フィルタ演算部

Claims (6)

  1. ボイス・コイル・モータを有し、該ボイス・コイル・モータに第一の音声信号を流すことで生じる音の第一の振動を、接触している振動板に与えると共に、所定の特性が与えられた第二の音声信号に応じた第二の振動を該振動板に与えるエキサイタと、
    該音を収音して収音信号を出力する収音部と、
    該第一の音声信号及び該第二の音声信号の入力を受け付ける受付部と、
    該受け付けた該第一の音声信号と、該出力された該収音信号との各々の周波数成分を算出する周波数成分算出部と、
    該第一の音声信号と該収音信号との各々の周波数成分に基づき、該第一の音声信号と該収音信号との間の周波数領域での伝達特性を獲得する伝達特性獲得部と、
    該エキサイタの該振動板への接触の有無を、該ボイス・コイル・モータの共振周波数の変化に基づいて検知する接触検知部と、
    該接触検知部が該エキサイタの該振動板への接触を検知した場合に、該第二の音声信号に、該伝達特性獲得部が獲得した伝達特性に基づいた、該所定の特性を与えるデジタルフィルタ演算を行うと共に、該デジタルフィルタ演算に基づいて、該第二の音声信号に該所定の特性を与えるフィルタ演算部と
    を有することを特徴とする電気音響変換装置。
  2. 該フィルタ演算部は、該所定の特性として、該伝達特性に対する逆特性を該第二の音声信号に与えることを特徴とする請求項1記載の電気音響変換装置。
  3. 該接触検知部は、該ボイス・コイル・モータの共振周波数の変化によって生じる該収音信号の周波数成分の変化に基づいて、該エキサイタの該振動板への接触の有無を検知することを特徴とする請求項1または2に記載の電気音響変換装置。
  4. 該接触検知部は、該収音信号の周波数成分の変化によって生じる該伝達特性の変化に基づいて、該エキサイタの該振動板への接触の有無を検知することを特徴とする請求項3に記載の電気音響変換装置。
  5. 該接触検知部は、該伝達特性において、振幅成分が最大の周波数が所定の閾値以上に変化したときに、該エキサイタの該振動板への接触を検知したものとすることを特徴とする請求項4に記載の電気音響変換装置。
  6. 該収音信号の周波数成分の変化の大きさを判別する判別部を更に有し、
    該伝達特性獲得部は、該収音信号の周波数成分の変化が所定値以上に大きいと該判別部が判別したときの該伝達特性を改めて獲得し、
    該フィルタ演算部は、該伝達特性獲得部が該伝達特性を改めて獲得したときには、改めて獲得した伝達特性に基づいて該所定の特性を該第二の音声信号に与えるデジタルフィルタ演算を行う、
    ことを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の電気音響変換装置。
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