JP2016014443A - 防振マウント - Google Patents

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Abstract

【課題】取付プレートおよび防振ゴムの組み合わせよりなる防振マントにおいて、取付プレートの平面形状を小型化し、よってその材料歩留りを向上させる。【解決手段】軸挿通部を設けた一対の取付プレートの間にゴム状弾性体よりなる防振ゴムを介装した防振マウントにおいて、一対の取付プレートのうち一方の取付プレートは、同一平面上に配置される第1分割プレートおよび第2分割プレートに分割され、分割プレート同士の間にスキマ部が設定される。一対の取付プレートのうち他方の取付プレートと第1分割プレートの間に第1防振ゴムが介装され、他方の取付プレートと第2分割プレートの間に第2防振ゴムが介装される。第1および第2分割プレートはそれぞれ、所定の長さおよび幅を備える平面長方形状を呈するとともにその長手方向端部に取付穴を設けたプレートとして製作され、かつ、第1および第2分割プレートは互いに同一仕様のプレートとして製作される。【選択図】図2

Description

本発明は、防振技術に係る防振マウントに関し、更に詳しくは、軸挿通部を設けた一対の取付プレートの間にゴム状弾性体よりなる防振ゴムを介装した防振マウントに関する。本発明の防振マウントは例えば、ステッピングモータ(S/M)用マウントとして用いられ、または補器用マウント等として用いられる。
従来から図6に示すように、軸挿通部52a,53aを設けた一対の取付プレート52,53を互いに平行に配置するとともにこの一対の取付プレート52,53の間に円筒状(環状)を呈するゴム状弾性体よりなる防振ゴム54を加硫接着により介装した防振マウント51が知られており、この防振マウント51は例えば図7に示すように、プリンタやコピー機等の機器61においてステッピングモータ71を防振支持するものとして用いられる。一対の取付プレート52,53はそれぞれ平面四角形状に形成され、その平面中央に軸挿通部52a,53aとして平面円形の貫通穴が設けられている。
上記防振マウント51は、間欠パルスにより駆動するステッピングモータ71が発する振動(トルク変動)が機器61のブラケット62側へ伝達されるのを絶縁する機能を発揮し、その一方で、ステッピングモータ71を所定の位置に保持する機能を発揮するものである。
また、ステッピングモータ71から機器61側へのトルクの伝達は、ギヤ81,82やベルトにより伝達するものであり、モータ71駆動時に発生するトルク反力により、モータ71は抉り(こじり)挙動Koを示す。
したがって上記従来の防振マウント51では、モータ71のトルク反力による抉り入力に対応すべく円筒状を呈する防振ゴム54の径寸法を可及的に大きく設定しており、これに伴って平面四角形を呈する取付プレート52,53も大型の部品とされるため、その材料歩留りが良くなく、重量も重いものとされている。
また、円筒状を呈する防振ゴム54については、以下のような問題も指摘される。
(a)抉り入力による歪みを抑制すべく防振ゴム54の抉り方向の剛性を高くすると、防振ゴム54が円筒状であるため、捩り(ねじり)方向の剛性も同時に高くなる。したがって防振ゴム54のバネ性にもとづいて発揮される防振性能が低下することがある。
(b)円筒状を呈する防振ゴム54によってマウント内周空間Cにおける空気の流れが遮断されるため、空気の流動によるモータ71の放熱を期待することができない。
特開平5−168193号公報 特開平5−215183号公報 特開2004−173352号公報 特開2008−57716号公報
本発明は以上の点に鑑みて、取付プレートおよび防振ゴムの組み合わせよりなる防振マントにおいて、取付プレートの平面形状を小型化し、よってその材料歩留りを向上させることができる防振マウントを提供することを目的とする。また、抉り入力による歪みを抑制すべく防振ゴムの抉り方向の剛性を高く設定しても捩り方向の剛性はそれほど高くならず、よって防振性能が低下するのを抑制することができる防振マウントを提供することを目的とする。また、防振ゴムによってマウント内周空間における空気の流れが遮断されることがなく、よって空気の流動によるモータの放熱を期待することができる防振マウントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による防振マウントは、軸挿通部を設けた一対の取付プレートの間にゴム状弾性体よりなる防振ゴムを介装した防振マウントにおいて、前記一対の取付プレートのうちの一方の取付プレートは、同一平面上に配置される第1分割プレートおよび第2分割プレートに分割され、前記分割プレート同士の間にスキマ部が設定され、前記一対の取付プレートのうちの他方の取付プレートと前記第1分割プレートとの間に第1防振ゴムが介装され、前記他方の取付プレートと前記第2分割プレートとの間に第2防振ゴムが介装されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項2による防振マウントは、上記した請求項1記載の防振マウントにおいて、前記第1分割プレートおよび第2分割プレートはそれぞれ、所定の長さおよび幅を備える平面長方形状を呈するとともにその長手方向端部に取付穴を設けたプレートとして製作され、かつ、前記第1分割プレートおよび第2分割プレートは互いに同一仕様のプレート部品として製作されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項3による防振マウントは、上記した請求項1または2記載の防振マウントにおいて、前記他方の取付プレートは、前記第1防振ゴムを保持する第1防振ゴム保持部と、前記第2防振ゴムを保持する第2防振ゴム保持部と、前記両保持部の端部同士を互いに連結する連結部とを一体に有することにより平面略コの字形状を呈するとともに前記両保持部の端部にそれぞれ取付穴を設けたプレートとして製作されていることを特徴とする。
更にまた、本発明の請求項4による防振マウントは、上記した請求項1または2記載の防振マウントにおいて、前記他方の取付プレートは、前記一方の取付プレートと同様に、同一平面上に配置される第1分割プレートおよび第2分割プレートに分割され、前記分割プレート同士の間にスキマ部が設定され、前記第1分割プレートと前記一方の取付プレートの第1分割プレートとの間に第1防振ゴムが介装され、前記第2分割プレートと前記一方の取付プレートの第2分割プレートとの間に第2防振ゴムが介装されていることを特徴とする。
上記構成を備える本発明の防振マウントにおいては、一対の取付プレートのうちの一方の取付プレートが同一平面上に配置される第1分割プレートおよび第2分割プレートに分割されるとともに分割プレート同士の間にスキマ部が設定されるため、この一方の取付プレートが従来のように1枚ものである場合と比較してスキマ部が設定される分、その平面形状が小型化される。したがってこのように平面形状が小型化されるため、その材料歩留りを向上させることが可能とされる。
また、このように一方の取付プレートが第1分割プレートおよび第2分割プレートに分割されるのに伴って防振ゴムも第1防振ゴムおよび第2防振ゴムに分割されるため、以下の作用が発揮される。
(a)分割した第1防振ゴムおよび第2防振ゴムを抉り入力方向に合わせて配置することにより防振ゴムの抉り方向の剛性を高く設定することができ、それにもかかわらず防振ゴムは分割され円筒状ではないので、防振ゴムの捩り方向の剛性を低く抑えることが可能とされる。
(b)分割した第1防振ゴムおよび第2防振ゴムの間にスキマが形成され、このスキマを介して空気が流れるため、空気の流動によるモータの放熱を期待することが可能とされる。
分割した第1分割プレートおよび第2分割プレートについては、これらをそれぞれ所定の長さおよび幅を備える平面長方形状を呈するとともにその長手方向端部に取付穴を設けたプレートとして製作し、かつ両分割プレートを互いに同一仕様のプレート部品として製作するのが好適であり、これによれば両分割プレートにおいて部品が共用化される。したがって小型で材料歩留りが良いことから部品コストを低減させることができるのみならず、部品を共用化することによっても更に部品コストを低減させることが可能とされる。
一対の取付プレートのうち他方の取付プレートについては、従来同様、貫通穴付きの平面四角形のプレート部品としても良いが、この他方の取付プレートについてもその平面形状を小型化して材料歩留りを向上させることが考えられる。その態様としては、以下の2通りとする。
(A)他方の取付プレートを、第1防振ゴムを保持する第1防振ゴム保持部と、第2防振ゴムを保持する第2防振ゴム保持部と、両保持部の端部同士を互いに連結する連結部とを一体に有する平面略コの字形状を呈するとともに両保持部の端部にそれぞれ取付穴を設けたプレートとして製作する。すなわち上記従来の取付プレートは貫通穴付きの平面四角形のプレート部品であったので、これは平面略ロの字形状であったことになるが、このロの字をなす4辺のうちの1辺を省略して3辺とし、この3辺をもってコの字を形成し、このコの字を部品形状とする。したがってこのようなコの字の部品形状によれば、省略する1辺分、プレートの平面形状を小型化することが可能とされる。
(B)他方の取付プレートを、一方の取付プレートと同様に、同一平面上に配置される第1分割プレートおよび第2分割プレートに分割し、分割プレート同士の間にスキマ部を設定するプレートとして製作する。すなわち上記従来の取付プレートは貫通穴付きの平面四角形のプレート部品であったので、これは平面略ロの字形状であったことになるが、このロの字をなす4辺のうちの2辺を省略して2辺とし、この2辺をもってニの字(但し2辺の長さは同じ)を形成し、これを部品形状とする。したがってこのような二の字の部品形状によれば、省略する2辺分、プレートの平面形状を小型化することが可能とされる。
尚、この(B)態様については、請求項化していないが、請求項2に係る一方の取付プレートと同様に、「第1分割プレートおよび第2分割プレートはそれぞれ、所定の長さおよび幅を備える平面長方形状を呈するとともにその長手方向端部に取付穴を設けたプレートとして製作され、かつ、第1分割プレートおよび第2プレートは互いに同一仕様のプレート部品として製作されている」とすることも可能であり、この場合には、他方の取付プレートについても部品の共用化によるメリットを享受することが可能とされる。
本発明は、以下の効果を奏する。
すなわち本発明においては以上説明したように、一対の取付プレートのうち一方の取付プレートが同一平面上に配置される第1分割プレートおよび第2分割プレートに分割されるとともに分割プレート同士の間にスキマ部が設定されるため、スキマ部が設定される分、プレートの平面形状が小型化される。したがってこのようにプレートの平面形状が小型化されるのに伴ってプレートの材料歩留りを向上させることができる。また、防振ゴムが第1防振ゴムおよび第2防振ゴムに分割されるため、防振ゴムの捩り方向の剛性を低く抑えることができ、空気の流動によるモータの放熱を期待することができる。
分割した第1分割プレートおよび第2分割プレートについては、部品を共用化することにより、更に部品コストを低減させることができる。一対の取付プレートのうち他方の取付プレートについては、これを平面略コの字形状やニの字形状とすることによりプレートの平面形状が小型化されるため、これに伴ってプレートの材料歩留りを向上させることができる。
本発明の第1実施例に係る防振マウントの斜視図 同防振マウントの分解斜視図 同防振マウントに備えられる取付プレートの個取り数改良の説明図 本発明の第2実施例に係る防振マウントの斜視図 同防振マウントの分解斜視図 従来例に係る防振マウントの一部切欠きした斜視図 (A)は同防振マウントの装着状態を示す説明図、(B)は(A)におけるD方向概略矢視図
本発明には、以下の実施形態が含まれる。
(1)図1および図2に示すように、一方の金具(取付プレート)を分割させ、外形が小さい形状とする。もう一方(他方)の金具(取付プレート)は略コの字型形状とする。ゴム弾性体(防振ゴム)も分割させ、分割した金具の取付穴間に集中して配置する。分割させたゴム弾性体をコジリ入力に対応した位置に配置する。
(2)図1および図2に示すように、一方の金具を小さく分割、他方の金具をコの字形状とすることで金具部品の材料歩留りが改善(同一素材量で1.5〜2倍程度)され部品コストの上昇を抑制でき、ゴムを一方の金具の取付穴間に集中して配置することで成形型の個取りを多く取る(同一盤面サイズで1.5倍程度)ことができるため生産性が改善され、それらによりマウント単価(本発明×2個分)の上昇を抑制することが可能で、かつ、他方の金具の内周部にてモータとの位置決め機能も保有しており、ユーザーにおける組立性の低下は回避できる。また、マウントゴムをコジリ入力に対応した位置に配置することで効率的にコジリ剛性を確保することが可能となる。さらに、ゴムが分割していることにより、従来のゴムが連続した円筒状の場合にゴムで遮断され流動できなかった空気が流動可能な状態となるため、モータの温度の上昇を抑制できる効果も期待できる。さらには、金具を小型にできるため、軽量化という効果も期待できる(1割程度低減)。
(3)図4および図5に示すように、金具を分割させ、外形が小さい形状とする。ゴム弾性体も分割させ、分割した金具の取付穴間に集中して配置する。分割させたマウントをコジリ入力に対応した位置に2個配置する。
(4)図4および図5に示すように、金具を小さく分割させることで金具部品の材料歩留りが改善(同一素材量で4倍程度)され部品コストの上昇を抑制でき、ゴムを金具の取付穴間に集中して配置することで成形型の個取りを多く取る(同一盤面サイズで3倍程度)ことができるため生産性が改善され、それらによりマウント単価(本発明×2個分)の上昇を抑制することが可能となる。また、マウントゴムをコジリ入力に対応した位置に配置することで効率的にコジリ剛性を確保することが可能となる。さらに、ゴムが分割していることにより、従来のゴムが連続した円筒状の場合にゴムで遮断され流動できなかった空気が流動可能な状態となるため、モータの温度の上昇を抑制できる効果も期待できる。さらには、金具を小型にできるため、軽量化という効果も期待できる(2個使いでも1〜2割低減)。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
第1実施例・・・
図1および図2に示すように、当該第1実施例に係る防振マウント1においては、一対の取付プレート11,21のうちの一方の取付プレート11が、同一平面上に配置される第1分割プレート12および第2分割プレート13に分割され、分割プレート12,13同士の間にスキマ部14が設定され、一対の取付プレート11,21のうちの他方の取付プレート21と第1分割プレート12との間に第1防振ゴム31が介装され、他方の取付プレート21と第2分割プレート13との間に第2防振ゴム32が介装されている。
また、第1分割プレート12および第2分割プレート13はそれぞれ、所定の長さLおよび幅Wを備える平面長方形状を呈するとともにその長手方向両端部にそれぞれ取付穴15を設けたプレート部品として製作され、かつ、第1分割プレート12および第2プレート13は互いに同一仕様のプレート部品として製作されている。
また、一対の取付プレート11,21のうちの他方の取付プレート21は、第1防振ゴム31を保持する第1防振ゴム保持部22と、第2防振ゴム32を保持する第2防振ゴム保持部23と、両保持部22,23の端部同士を互いに連結する連結部24とを一体に有して平面略コの字形状を呈するとともに両保持部22,23の長手方向両端部にそれぞれ取付穴25を設けたプレート部品として製作されている。
各構成要素の詳細は、以下のとおりとされている。
すなわち先ず、一対の取付プレート11,21はそれぞれ金属または硬質樹脂等所定の剛材(剛板)により平面(平板)状に成形されており、またこの一対の取付プレート11,21は互いに平行に配置されている。
一対の取付プレート11,21のうち一方の取付プレート11は上記したように、同一平面上に配置される第1分割プレート12および第2分割プレート13に分割され、分割プレート12,13同士の間にスキマ部14が設定されている。第1分割プレート12および第2分割プレート13は、所定の長さLおよび幅Wを備える平面長方形状のプレート部品として製作され、互いに同一仕様のプレート部品として製作され、よって部品として共用化されている。平面長方形状の第1分割プレート12と同じく平面長方形状の第2分割プレート13は互いに平行に配置され、その間が所定のスキマ寸法Sを備えるスキマ部14とされ、このスキマ部14が軸挿通部として機能する。
一対の取付プレート11,21のうち他方の取付プレート21は上記したように、第1防振ゴム31を保持する第1防振ゴム保持部22、第2防振ゴム32を保持する第2防振ゴム保持部23、両保持部22,23の端部同士を互いに連結する連結部24を一体に有し、これにより平面略コの字形状のプレート部品として製作されている。第1防振ゴム保持部22および第2防振ゴム保持部23は、所定の長さLおよび幅Wを備える平面長方形状のプレート部として成形され、両保持部22,23は互いに平行に配置され、その一端部同士が連結部24を介して連結されている。
第1防振ゴム保持部22および第2防振ゴム保持部23の長さLは、第1分割プレート12および第2分割プレート13の長さLと同じ寸法に設定されている。第1防振ゴム保持部22および第2防振ゴム保持部23の幅Wは、第1分割プレート12および第2分割プレート13の幅Wと同じ寸法に設定されている。第1防振ゴム保持部22および第2防振ゴム保持部23間の間隔寸法Sすなわち連結部24の長さはスキマ部14のスキマ寸法Sをと同じ寸法に設定されている。したがって当該防振マウント1が組み立てられると、第1防振ゴム保持部22は第1分割プレート12と重ねられて平面上同一位置に配置され、第2防振ゴム保持部23は第2分割プレート13と重ねられて平面上同一位置に配置される。
また、他方の取付プレート21には、第1防振ゴム保持部22、第2防振ゴム保持部23および連結部24によって三方を囲まれた空間部26が設けられ、この空間部26が軸挿通部として機能する。空間部26の平面形状としては、その開口部近傍は対向2辺が直線状であって互いに平行なストレート形状とされ、その空間奥部は平面円形であってその周縁が円弧状の形状とされている。
第1防振ゴム31および第2防振ゴム32はそれぞれ、所定の長さL、幅Wをおよび厚みTを備える長方体状のブロック体として成形されている。第1防振ゴム31は、第1防振ゴム保持部22および第1分割プレート12に対し平行に配置され、その一面をもって第1防振ゴム保持部22の長さ方向中央に接合(接着)されるとともに反対側の面をもって第1分割プレート12の長さ方向中央に接合(接着)されている。第2防振ゴム32は、第2防振ゴム保持部23および第2分割プレート13に対し平行に配置され、その一面をもって第2防振ゴム保持部23の長さ方向中央に接合(接着)されるとともに反対側の面をもって第2分割プレート13の長さ方向中央に接合(接着)されている。したがって第1防振ゴム31および第2防振ゴム32は互いに平行に配置され、かつ180度対称位置に配置されている。
上記構成の防振マウント1においては、一対の取付プレート11,21のうちの一方の取付プレート11が同一平面上に配置される第1分割プレート12および第2分割プレート13に分割されるとともに分割プレート12,13同士の間にスキマ部14が設定されているため、この一方の取付プレート11が従来のように1枚ものである場合と比較してスキマ部14が設定される分、その平面形状が小型化され平面積が縮小されている。したがってこのように平面形状が小型化され平面積が縮小されているため、この一方の取付プレート11についてその材料歩留りを向上させることができ(従来の1枚ものの取付プレートの幅に対し分割プレート12,13の幅Wは約25%とされる。したがって分割プレート2枚で約50%なので、必要とされる材料の平面積は略半分となる)、その重量を軽量化することができる。
また、このように一方の取付プレート11が第1分割プレート12および第2分割プレート13に分割されるのに伴って防振ゴムも第1防振ゴム31および第2防振ゴム32に分割されるため、以下の作用効果が発揮される。
(a)分割した第1防振ゴム31および第2防振ゴム32を抉り入力方向に合わせて配置することにより防振ゴムの抉り方向の剛性を高く設定することができ、それにもかかわらず防振ゴムは分割され円筒状ではないので、防振ゴムの捩り方向の剛性を低く抑えることが可能とされる。したがって防振ゴムの捩り方向の剛性が高くなって防振性能が低下するのを抑制することができる。
(b)分割した第1防振ゴム31および第2防振ゴム32の間にスキマが形成され、このスキマを介して防振ゴムの内周側と外周側で空気が流れるため、空気の流動によるモータの放熱を期待することが可能とされる。したがって空気が流動せずモータが加熱するのを防止することができる。
また、分割した第1分割プレート12および第2分割プレート13がそれぞれ所定の長さLおよび幅Wを備える平面長方形状を呈するとともにその長手方向両端部にそれぞれ取付穴15を設けたプレート部品として製作され、かつ両分割プレート12,13が互いに同一仕様のプレート部品として製作されているため、両分割プレート12,13において部品を共用化することが可能とされている。したがって一方の取付プレート11は小型で材料歩留りが良いことから部品コストを低減させることができるのみならず、部品の共用化によっても更に部品コストを低減させることができる。
また、上記構成の防振マウント1においては、一対の取付プレート11,21のうちの他方の取付プレート21が、第1防振ゴム31を保持する第1防振ゴム保持部22と、第2防振ゴム32を保持する第2防振ゴム保持部23と、両保持部22,23の端部同士を互いに連結する連結部24とを一体に有する平面略コの字形状を呈するとともに両保持部22,23の両端部にそれぞれ取付穴25を設けたプレート部品として製作されているため、この他方の取付プレート21についてもその平面形状が小型化され平面積が縮小されている。したがってこのように平面形状が小型化され平面積が縮小されているため、この他方の取付プレートについてもその材料歩留りを向上させることができ(図3(A)に示すように従来の平面略ロの字形状の取付プレート53を3個取ることができる材料41にて、図3(B)に示すように当該実施例に係る平面略コの字形状の取付プレート21を4個取ることができ、しかも材料41の長さをLからLへ減じることができる)、その重量を軽量化することができる。
第2実施例・・・
図4および図5に示すように、当該第2実施例に係る防振マウント1においては、一対の取付プレート11,21のうちの一方の取付プレート11が、同一平面上に配置される第1分割プレート12および第2分割プレート13に分割され、分割プレート12,13同士の間にスキマ部14が設定され、一対の取付プレート11,21のうちの他方の取付プレート21と第1分割プレート12との間に第1防振ゴム31が介装され、他方の取付プレート21と第2分割プレート13との間に第2防振ゴム32が介装されている。
また、第1分割プレート12および第2分割プレート13はそれぞれ、所定の長さLおよび幅Wを備える平面長方形状を呈するとともにその長手方向両端部にそれぞれ取付穴15を設けたプレート部品として製作され、かつ、第1分割プレート12および第2プレート13は互いに同一仕様のプレート部品として製作されている。
また、一対の取付プレート11,21のうちの他方の取付プレート21は、一方の取付プレート11と同様に、同一平面上に配置される第1分割プレート27および第2分割プレート28に分割され、分割プレート27,28同士の間にスキマ部29が設定され、第1分割プレート27と一方の取付プレート11の第1分割プレート12との間に第1防振ゴム31が介装され、第2分割プレート28と一方の取付プレート11の第2分割プレート13との間に第2防振ゴム32が介装されている。
また、第1分割プレート27および第2分割プレート28はそれぞれ、所定の長さLおよび幅Wを備える平面長方形状を呈するとともにその長手方向両端部にそれぞれ取付穴25を設けたプレート部品として製作され、かつ、第1分割プレート27および第2プレート28は互いに同一仕様のプレート部品として製作されている。
各構成要素の詳細は、以下のとおりとされている。
すなわち先ず、一対の取付プレート11,21はそれぞれ金属または硬質樹脂等所定の剛材(剛板)により平面(平板)状に成形されており、またこの一対の取付プレート11,21は互いに平行に配置されている。
一対の取付プレート11,21のうち一方の取付プレート11は上記したように、同一平面上に配置される第1分割プレート12および第2分割プレート13に分割され、分割プレート12,13同士の間にスキマ部14が設定されている。第1分割プレート12および第2分割プレート13は、所定の長さLおよび幅Wを備える平面長方形状のプレート部品として製作され、互いに同一仕様のプレート部品として製作され、よって部品として共用化されている。平面長方形状の第1分割プレート12と同じく平面長方形状の第2分割プレート13は互いに平行に配置され、その間が所定のスキマ寸法Sを備えるスキマ部14とされ、このスキマ部14が軸挿通部として機能する。
一対の取付プレート11,21のうち他方の取付プレート21は上記したように、同一平面上に配置される第1分割プレート27および第2分割プレート28に分割され、分割プレート27,28同士の間にスキマ部29が設定されている。第1分割プレート27および第2分割プレート28は、所定の長さLおよび幅Wを備える平面長方形状のプレート部品として製作され、互いに同一仕様のプレート部品として製作され、よって部品として共用化されている。平面長方形状の第1分割プレート27と同じく平面長方形状の第2分割プレート28は互いに平行に配置され、その間が所定のスキマ寸法Sを備えるスキマ部29とされ、このスキマ部29が軸挿通部として機能する。
他方の取付プレート21における第1分割プレート27および第2分割プレート28の長さLは、一方の取付プレート11における第1分割プレート12および第2分割プレート13の長さLと同じ寸法に設定されている。他方の取付プレート21における第1分割プレート27および第2分割プレート28の幅Wは、一方の取付プレート11における第1分割プレート12および第2分割プレート13の幅Wと同じ寸法に設定されている。他方の取付プレート21における第1分割プレート27および第2分割プレート28間のスキマ部29のスキマ寸法Sは、一方の取付プレート11における第1分割プレート12および第2分割プレート13間のスキマ部14のスキマ寸法Sをと同じ寸法に設定されている。したがって当該防振マウント1が組み立てられると、他方の取付プレート21における第1分割プレート27は一方の取付プレート11における第1分割プレート12と重ねられて平面上同一位置に配置され、他方の取付プレート21における第2分割プレート28は一方の取付プレート11における第2分割プレート13と重ねられて平面上同一位置に配置される。
第1防振ゴム31および第2防振ゴム32はそれぞれ、所定の長さL、幅Wをおよび厚みTを備える長方体状のブロック体として成形されている。第1防振ゴム31は、他方の取付プレート21における第1分割プレート27および一方の取付プレート11における第1分割プレート12に対し平行に配置され、その一面をもって他方の取付プレート21における第1分割プレート27の長さ方向中央に接合(接着)されるとともに反対側の面をもって一方の取付プレート11における第1分割プレート12の長さ方向中央に接合(接着)されている。第2防振ゴム32は、他方の取付プレート21における第2分割プレート28および一方の取付プレート11における第2分割プレート13に対し平行に配置され、その一面をもって他方の取付プレート21における第2分割プレート28の長さ方向中央に接合(接着)されるとともに反対側の面をもって一方の取付プレート11における第2分割プレート13の長さ方向中央に接合(接着)されている。したがって第1防振ゴム31および第2防振ゴム32は互いに平行に配置され、かつ180度対称位置に配置されている。
上記構成の防振マウント1においては、一対の取付プレート11,21のうちの一方の取付プレート11が同一平面上に配置される第1分割プレート12および第2分割プレート13に分割されるとともに分割プレート12,13同士の間にスキマ部14が設定されているため、この一方の取付プレート11が従来のように1枚ものである場合と比較してスキマ部14が設定される分、その平面形状が小型化され平面積が縮小されている。したがってこのように平面形状が小型化され平面積が縮小されているため、この一方の取付プレート11についてその材料歩留りを向上させることができ(従来の1枚ものの取付プレートの幅に対し分割プレート12,13の幅Wは約25%とされる。したがって分割プレート2枚で約50%なので、必要とされる材料の平面積は略半分となる)、その重量を軽量化することができる。
また、このように一方の取付プレート11が第1分割プレート12および第2分割プレート13に分割されるのに伴って防振ゴムも第1防振ゴム31および第2防振ゴム32に分割されるため、以下の作用効果が発揮される。
(a)分割した第1防振ゴム31および第2防振ゴム32を抉り入力方向に合わせて配置することにより防振ゴムの抉り方向の剛性を高く設定することができ、それにもかかわらず防振ゴムは分割され円筒状ではないので、防振ゴムの捩り方向の剛性を低く抑えることが可能とされる。したがって防振ゴムの捩り方向の剛性が高くなって防振性能が低下するのを抑制することができる。
(b)分割した第1防振ゴム31および第2防振ゴム32の間にスキマが形成され、このスキマを介して防振ゴムの内周側と外周側で空気が流れるため、空気の流動によるモータの放熱を期待することが可能とされる。したがって空気が流動せずモータが加熱するのを防止することができる。
また、分割した第1分割プレート12および第2分割プレート13がそれぞれ所定の長さLおよび幅Wを備える平面長方形状を呈するとともにその長手方向両端部にそれぞれ取付穴15を設けたプレート部品として製作され、かつ両分割プレート12,13が互いに同一仕様のプレート部品として製作されているため、両分割プレート12,13において部品を共用化することが可能とされている。したがって一方の取付プレート11は小型で材料歩留りが良いことから部品コストを低減させることができるのみならず、部品の共用化によっても更に部品コストを低減させることができる。
また、上記構成の防振マウント1においては、一対の取付プレート11,21のうちの他方の取付プレート21が同一平面上に配置される第1分割プレート27および第2分割プレート28に分割されるとともに分割プレート27,28同士の間にスキマ部29が設定されているため、この他方の取付プレート21が従来のように1枚ものである場合と比較してスキマ部29が設定される分、その平面形状が小型化され平面積が縮小されている。したがってこのように平面形状が小型化され平面積が縮小されているため、この他方の取付プレート21についてその材料歩留りを向上させることができ(従来の1枚ものの取付プレートの幅に対し分割プレート27,28の幅Wは約25%とされる。したがって分割プレート2枚で約50%なので、必要とされる材料の平面積は略半分となる)、その重量を軽量化することができる。
また、分割した第1分割プレート27および第2分割プレート28がそれぞれ所定の長さLおよび幅Wを備える平面長方形状を呈するとともにその長手方向両端部にそれぞれ取付穴25を設けたプレート部品として製作され、かつ両分割プレート27,28が互いに同一仕様のプレート部品として製作されているため、両分割プレート27,28において部品を共用化することが可能とされている。したがって他方の取付プレート21は小型で材料歩留りが良いことから部品コストを低減させることができるのみならず、部品の共用化によっても更に部品コストを低減させることができる。
更にまた、当該第2実施例においては、一方の取付プレート11における第1分割プレート12および第2分割プレート13ならびに他方の取付プレート21における第1分割プレート27および第2分割プレート28の4部品が互いに同一仕様のプレート部品として製作されているため、この4枚のプレート12,13,27,28において部品を共用化することが可能とされている。したがってこれら4枚のプレート12,13,27,28は小型で材料歩留りが良いことから部品コストを低減させることができるのみならず、部品の共用化によっても更に部品コストを低減させることができる。
1 防振マウント
11 一方の取付プレート
12,27 第1分割プレート
13,28 第2分割プレート
14,29 スキマ部
15,25 取付穴
21 他方の取付プレート
22 第1防振ゴム保持部
23 第2防振ゴム保持部
24 連結部
26 空間部
31 第1防振ゴム
32 第2防振ゴム

Claims (4)

  1. 軸挿通部を設けた一対の取付プレートの間にゴム状弾性体よりなる防振ゴムを介装した防振マウントにおいて、
    前記一対の取付プレートのうちの一方の取付プレートは、同一平面上に配置される第1分割プレートおよび第2分割プレートに分割され、前記分割プレート同士の間にスキマ部が設定され、
    前記一対の取付プレートのうちの他方の取付プレートと前記第1分割プレートとの間に第1防振ゴムが介装され、
    前記他方の取付プレートと前記第2分割プレートとの間に第2防振ゴムが介装されていることを特徴とする防振マウント。
  2. 請求項1記載の防振マウントにおいて、
    前記第1分割プレートおよび第2分割プレートはそれぞれ、所定の長さおよび幅を備える平面長方形状を呈するとともにその長手方向端部に取付穴を設けたプレートとして製作され、かつ、前記第1分割プレートおよび第2分割プレートは互いに同一仕様のプレート部品として製作されていることを特徴とする防振マウント。
  3. 請求項1または2記載の防振マウントにおいて、
    前記他方の取付プレートは、前記第1防振ゴムを保持する第1防振ゴム保持部と、前記第2防振ゴムを保持する第2防振ゴム保持部と、前記両保持部の端部同士を互いに連結する連結部とを一体に有することにより平面略コの字形状を呈するとともに前記両保持部の端部にそれぞれ取付穴を設けたプレートとして製作されていることを特徴とする防振マウント。
  4. 請求項1または2記載の防振マウントにおいて、
    前記他方の取付プレートは、前記一方の取付プレートと同様に、同一平面上に配置される第1分割プレートおよび第2分割プレートに分割され、前記分割プレート同士の間にスキマ部が設定され、
    前記第1分割プレートと前記一方の取付プレートの第1分割プレートとの間に第1防振ゴムが介装され、
    前記第2分割プレートと前記一方の取付プレートの第2分割プレートとの間に第2防振ゴムが介装されていることを特徴とする防振マウント。
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