JP2016014238A - ロック装置 - Google Patents

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吉村 健
Takeshi Yoshimura
健 吉村
裕貴 今泉
Hirotaka Imaizumi
裕貴 今泉
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Abstract

【課題】フックとポールとからなるロック装置に関し、機構が簡単で、電気ノイズ、異音の発生が少ないロック装置を提供することを課題とする。【解決手段】ストライカ3が進入可能な溝5aが形成されたフック5と、フック5に係合することにより、フック5の回転を禁止するポール9と、ポール9をフックに対して係合・離脱させるアクチュエータ21とを有し、アクチュエータ21の駆動源を熱によって形状を変える形状記憶合金とする。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車のドア、トランクリッド等に設けられるロック装置に関し、さらに詳しくは、ロック解除をアクチュエータを用いて行うロック装置に関する。
自動車に用いられるロック装置は、以下のような構成部品を有している。
(1) ストライカが進入可能な溝が形成され、前記ストライカが前記溝に進入可能なアンロック位置から前記ストライカの前記溝からの離脱を禁止するロック位置まで回転可能なフック。
(2) 回転可能に設けられ、前記ロック位置に位置する前記フックに係合することにより前記フックの回転を禁止するポール。
(3) 前記フックを前記アンロック位置方向に付勢し、前記ポールをフックに係合する方向に付勢する付勢手段。
(アンロック→ロック)
アンロック状態では、付勢手段により付勢されたフックは、アンロック位置にある。ここで、ストライカがフックの溝に進入し、溝の壁面を押すと、付勢手段の付勢力に抗してフックがアンロック位置方向へ向かって回転する。ストライカの溝からの離脱が禁止されたアンロック位置までフックが回転すると、付勢手段により付勢されたポールがフックに係合し、フックがアンロック位置へ戻ることを禁止するロック状態となる。
(ロック→アンロック)
付勢手段の付勢力に抗して、ポールをフックより離脱させると、付勢手段の付勢力によりフックはアンロック位置へ戻り、ストライカはフックの溝から離脱可能となる。
又、ロック状態にあるロック装置をアンロックさせる際に、電動機を駆動源としたアクチュエータを用い、ポールをフックより離脱させるロック装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−13880号公報
しかし、特許文献1に記載されたロック装置は、以下のような問題点がある。
(1) 電動機の回転速度を減速する減速機構が必要である。
(2) 電動機があることにより電気ノイズが発生する。
(3) 電動機、減速機の回転することにより異音が発生する。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、機構が簡単で、電気ノイズ、異音の発生が少ないロック装置を提供することにある。
上述した課題のうち少なくとも一つを実現するために、本発明の一側面を反映したロック装置は、
ストライカが進入可能な溝が形成され、前記ストライカが前記溝に進入可能なアンロック位置から前記ストライカの前記溝からの離脱を禁止するロック位置まで回転可能なフックと、
回転可能に設けられ、前記ロック位置に位置する前記フックに係合することにより前記フックの回転を禁止するポールと、
前記フックを前記アンロック位置方向に付勢し、前記ポールをフックに係合する方向に付勢する付勢手段と、
前記ポールを前記フックに対して係合・離脱させるアクチュエータと、
を有し、
前記アクチュエータの駆動源は、
形状記憶合金である
ことを特徴とする。
本発明の他の特徴は、以下に述べる発明を実施するための形態並びに添付の図面から一層明らかになるであろう。
本発明によれば、前記アクチュエータの駆動源は、形状記憶合金であることにより、減速機構が不要となるので、機構が簡単になる。また、駆動源が電動機ではないので、電気ノイズの発生がない。さらに、回転する箇所がないので、異音の発生が少ない。
本発明の他の効果は、以下に述べる発明を実施するための形態並びに添付の図面から一層明らかになるであろう。
第1実施形態のロック装置のロック状態を示す図である。 図1のロック装置のアンロック状態を示す図である。 第2実施形態のアクチュエータの断面図である。 第3実施形態のアクチュエータの斜視図である。 図4の切断線V-Vでの断面図である。 第4実施形態を説明する構成図である。 第5実施形態を説明する構成図である。 第6実施形態を説明する構成図である。 第7実施形態を説明する構成図である。 第8実施形態を説明する構成図である。 第9実施形態を説明する構成図である。
[第1実施形態]
図1、図2を用いて説明する。図1は第1実施形態のロック装置のアンロック状態を示す図、図2は図1のロック装置のロック状態を示す図である。
これらの図において、ベース1には、ストライカ3が進入可能な溝1aが形成されている。
ベース1の溝1aを介して一方の側には、フック5がピン7を用いて回転可能に設けられている。フック5は、ストライカ3が進入可能な溝5aが形成され、ストライカ3が溝3aに進入可能なアンロック位置(図1に示す位置)からストライカ3の溝5aからの離脱を禁止するロック位置(図2に示す位置)まで回転可能となっている。
ベース1の溝1aを介して他方の側には、ポール9がピン11を用いて回転可能に設けられている。ポール9には、図2に示すロック位置に位置するフック5のフック係合部5bに係合することにより、フック5の回転を禁止するポール係合部9b形成されている。
一端部がフック5に他端部がポール9に係止されたスプリング13により、フック5はアンロック位置方向(図において矢印A方向)に付勢され、ポール9はフック5に係合する方向(図において矢印B方向)に付勢されている。
ポール9の回転端部には、紙面に対して直交する方向に延びる円柱状のローラ15が設けられている。
そして、このローラ15を介してポール9をフック5に対して係合・離脱させるアクチュエータ21が設けられている。
このアクチュエータ21は、以下の構成部品からかなっている。
(1) 底部24と天部26とを有し、内部が密閉空間となった円筒状のシリンダ(筒体)23。
(2) 中間部がシリンダ23内にシリンダ23の軸方向に沿って配置されると共に、一方の端部がシリンダ23の底部24の中央に形成された穴24aを挿通して外部に突出し、他方の端部がシリンダ23の天部26の中央に形成された穴26aを挿通して外部に突出するシャフト25。
(3) シリンダ23内のシャフト25に設けられたフランジ27。
(4) シリンダ23の底部24と、フランジ27とに当接可能にシリンダ23内に設けられている駆動源としてのコイルスプリング状の形状記憶合金29。この形状記憶合金29は、変態温度以上に加熱すると記憶形状となる一方向性の形状記憶合金である。
尚、本実施形態のコイルスプリング状の形状記憶合金29の材質は、Ti-Ni合金(チタンニッケル合金)やTi-Ni-Cu合金(チタンニッケル銅合金)等があり、通電させる場合は、Ti-Ni-Cu合金(チタンニッケル銅合金)が好ましい。また、形状記憶合金29の線径は、φ1.2〜1.5mm、コイル径は9.5〜10mmであり、最大使用荷重は、500Nのものを用いた。
(5) シリンダ23内には、冷却液28が封入されている。尚、冷却液としては、水、油、エチレングリコール等があるが限定するものではない。
このアクチュエータ21は、シャフト25の他方の端部側の外部に突出した先端が、ポール9のローラ15に押接可能なように配置されている。
さらに、直流電源31、スイッチ33を有し、形状記憶合金29に電流を流す電気回路35が設けられている。スイッチ33をONすると、形状記憶合金29に電流が流れ、ジュール熱が発生し、形状記憶合金29は加熱されるようになっている。
ここで、上記構成の作動を説明する。
(アンロック→ロック)
図1に示すアンロック状態では、スプリング13により付勢されたフック5は、アンロック位置にある。
ここで、ストライカ3がフック5の溝5aに進入し、溝5aの壁面5cを押すと、スプリング13の付勢力に抗してフック5がアンロック位置方向へ向かって回転する。
図2に示すストライカ3の溝5aからの離脱が禁止されたアンロック位置までフック5が回転すると、スプリング13により付勢されたポール9のポール係合部9bがフック5のフック係合部5bに係合し、フック5がアンロック位置へ戻ることを禁止するロック状態となる。
(ロック→アンロック)
図2に示すロック状態において、電気回路35のスイッチ33をONすると、形状記憶合金29に電流が流れ、ジュール熱が発生し、形状記憶合金29は加熱され、昇温する。
そして、図2に示す変態温度未満の形状記憶合金29が、変態温度以上になると、軸方向に伸び、最終的には図1に示す形状(記憶形状)となる。形状記憶合金29が軸方向に伸びて、フランジ27を押すことにより、シャフト25は、ポール9のローラ15をスプリング13の付勢力に抗して押して、ポール9を矢印B方向と反対方向に回転させる。
このポール9の回転により、ポール9のポール係合部9bと、フック5のフック係合部5bとの係合が解除され、スプリング13の付勢力によりフック5はアンロック位置へ戻り、ストライカ3はフック5の溝から離脱可能となる。
そして、電気回路35のスイッチ33をOFFすると、形状記憶合金29の加熱がなくなり、降温する。形状記憶合金29が変態温度未満になると、ポール9を介して形状記憶合金29に作用するスプリング13の付勢力により、形状記憶合金29は図1に示す形状に変形する。即ち、スプリング13は、変態温度未満の形状記憶合金29を変形させるバイアススプリングとしても機能している。
このような構成によれば、以下のような効果が得られる。
(1) アクチュエータ21の駆動源は、形状記憶合金29であることにより、減速機構が不要となるので、機構が簡単になる。
(2) アクチュエータ21の駆動源は、電動機でないので、電気ノイズの発生がない。
(3) 回転する箇所がないので、異音の発生が少ない。
(4) スプリング13は、変態温度未満の形状記憶合金29を変形させるバイアススプリングとしても機能することにより、構成が簡単となる。
(5) シリンダ23内に冷却液28を封入したことにより、形状記憶合金29の冷却効率が向上する。
尚、本発明は、上記実施形態に限定するものではない。上記実施形態では、シリンダ23内に冷却液を封入したが、入れなくてもよい。
[第2実施形態]
本実施形態と第1実施形態との相違点は、アクチュエータの形状記憶合金であり、他の部分は第1実施形態と同一であるので、相違点のみを図3を用いて説明する。図3は第2実施形態のアクチュエータの断面図である。尚、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態のアクチュエータ51のシリンダ23には、シャフト25を巻回するように設けられたコイルスプリング状の第1形状記憶合金53と、シャフト25を巻回するように設けられ、第1形状記憶合金より径が大きい第2形状記憶合金55とが設けられている。
本実施形態の第1形状記憶合金53と第2形状記憶合金55tの材質としては、第1実施形態と同様に、Ti-Ni合金(チタンニッケル合金)やTi-Ni-Cu合金(チタンニッケル銅合金)等があり、通電させる場合は、Ti-Ni-Cu合金(チタンニッケル銅合金)が好ましい。また、第1形状記憶合金53と第2形状記憶合金55tとのそれぞれの線径を第1実施形態の形状記憶合金29の線径より細くし、第1形状記憶合金53と第2形状記憶合金55との合計最大使用荷重は、第1実施形態の形状記憶合金29の最大使用荷重(500N)と同じになるようにした。
このような構成によれば、第1実施形態で得られる効果に加え、第1実施形態の形状記憶合金29の線径より細い線径の第1形状記憶合金53と第2形状記憶合金55とを用いたことで、第1実施形態より形状記憶合金の表面積が増えるので、冷却効率が向上する。
[第3実施形態]
本実施形態と第1実施形態との相違点は、シリンダの外部に設けたバイパス流路であり、他の部分は第1実施形態と同一であるので、相違点のみを図4,図5を用いて説明する。図4は第3実施形態のアクチュエータの斜視図、図5は図4の切断線V-Vでの断面図である。尚、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態のアクチュエータ61のシリンダ23の外部に、フランジ27を介してシリンダ23内の一方の室63と、他方の室65とを連絡するバイパス流路67を設けた。
このような構成によれば、第1実施形態で得られる効果に加え、バイパス流路67を設けたことより、シャフト25の移動に応じて内部の冷却液28がスムーズに移動する。また、冷却液28が外部に接する面積が増えるので、冷却液28の冷却効率も上がる。
尚、このようなバイパス流路を形成する代わりに、フランジ27にシリンダ23内の一方の室63と、他方の室65とを連絡する貫通穴を設けるようにしてもよい。
[第4実施形態]
図6を用いて説明する。図6は第4実施形態を説明する構成図である。
図において、ピン70を用いて回転可能に設けられたフック71は、ストライカ74が進入可能な溝71aが形成され、ストライカが溝71aに進入可能なアンロック位置からストライカの溝71aからの離脱を禁止するロック位置(図に示す状態)まで回転可能となっている。さらに、図示しない付勢手段により、アンロック位置方向(図において、A方向)に付勢されている。
下部がピン72を用いて回転可能に設けられたポール73は、中間部に形成されたポール係合部73aがロック位置に位置するフック71のフック係合部71bに係合することによりフック71の回転を禁止する。このポール73は図示しない付勢手段により、フック71に係合する方向(図においてB方向)に付勢されている。
フック71の上部には、ねじまたは溶接でポール73をフック71に対して係合・離脱させるアクチュエータ75が設けられている。このアクチュエータ75は、変態温度以上に加熱することにより、破線で示す記憶形状となる1方向形状記憶合金でなっている。さらに、アクチュエータ75は、電流が流れることにより発生するジュール熱で加熱されるようになっている。
尚、この1方向形状記憶合金の材質としては、Ti-Ni合金(チタンニッケル合金)やTi-Ni-Cu合金(チタンニッケル銅合金)等があり、通電させる場合は、Ti-Ni-Cu合金(チタンニッケル銅合金)が好ましい。
よって、アクチュエータ75に電流を流し、アクチュエータ75が変態温度以上に加熱されると、アクチュエータ75は破線の形状(記憶形状)となり、ポール73が付勢手段の付勢力に抗して、破線位置に移動してフック71より離脱し、ロック装置は、ロック解除される。
このような構成によれば、以下のような効果が得られる。
(1) アクチュエータ75の駆動源は、形状記憶合金であることにより、減速機構が不要となるので、機構が簡単になる。
(2) アクチュエータ75の駆動源は、電動機でないので、電気ノイズの発生がない。
(3) 回転する箇所がないので、異音の発生が少ない。
尚、アクチュエータ75は、1方向形状記憶合金としたが、変態温度以上に加熱することにより、破線で示す記憶形状になり、変態温度未満となると実線で示す形状に復帰する2方向形状記憶合金としてもよい。2方向形状記憶合金の材質しては、Ti-Ni-NbNi-Nbn合金(チタンニッケルニオブ合金)がある。
[第5実施形態]
図7を用いて説明する。図7は第5実施形態を説明する構成図である。尚、本実施形態と第4実施形態との相違点は、アクチュエータと、ポールの付勢手段がない点であり、他の部分は第4実施形態と同一であるので、相違点のみ説明する。
本実施形態のポール73は付勢されていない。
アクチュエータ81には、ポール73の先端部を挟持する凹部81aが形成されている。このアクチュエータ81は、変態温度以上に加熱することにより、破線で示す記憶形状になり、変態温度未満となると実線で示す形状に復帰する2方向形状記憶合金でなっている。
尚、この2方向形状記憶合金の材質としては、Ti-Ni-Nb合金(チタンニッケルニオブ合金)がある。
また、本実施形態のアクチュエータ81の形状記憶合金は、弾性を有し、凹部81aが挟持するポール73がフック71に係合する方向(図においてB方向)に付勢している。れている。さらに、アクチュエータ81は、電流が流れることにより発生するジュール熱で加熱されるようになっている。
よって、アクチュエータ81に電流を流し、アクチュエータ81が変態温度以上に加熱されると、アクチュエータ81は破線の形状(記憶形状)となり、ポール73が破線位置に移動してフック71より離脱し、ロック装置は、ロック解除される。
このような構成によれば、以下のような効果が得られる。
(1) アクチュエータ75の駆動源は、形状記憶合金であることにより、減速機構が不要となるので、機構が簡単になる。
(2) アクチュエータ75の駆動源は、電動機でないので、電気ノイズの発生がない。
(3) 回転する箇所がないので、異音の発生が少ない。
[第6実施形態]
図8を用いて説明する。図8は第6実施形態を説明する構成図である。尚、本実施形態と第4実施形態との相違点は、アクチュエータと、ポールの形状であり、他の部分は第4実施形態と同一であるので、相違点のみ説明する。
下部がピン92を用いて回転可能に設けられたポール91は、回転中心軸以外の箇所に形成されたポール係合部91aがロック位置に位置するフック71のフック係合部71bに係合することによりフック71の回転を禁止する。このポール91は、一端部がポール91に、他端部がベースに係止されたスプリング93により、フック71に係合する方向(図においてB方向)に付勢されている。
そして、スプリング93は、変態温度以上に加熱することにより、破線で示す記憶形状になり、変態温度未満となると実線で示す形状に復帰する2方向形状記憶合金でなっており、アクチュエータとしても機能する。さらに、スプリング(アクチュエータ)93は、電流が流れることにより発生するジュール熱で加熱されるようになっている。
尚、この2方向形状記憶合金の材質としては、Ti-Ni-Nb合金(チタンニッケルニオブ合金)がある。
よって、スプリング(アクチュエータ)39に電流を流し、スプリング(アクチュエータ)93が変態温度以上に加熱されると、スプリング(アクチュエータ)93は破線の形状(記憶形状)となり、ポール91が破線位置に移動してフック71より離脱し、ロック装置は、ロック解除される。
このような構成によれば、以下のような効果が得られる。
(1) スプリング(アクチュエータ)93の駆動源は、形状記憶合金であることにより、減速機構が不要となるので、機構が簡単になる。
(2) スプリング(アクチュエータ)93の駆動源は、電動機でないので、電気ノイズの発生がない。
(3) 回転する箇所がないので、異音の発生が少ない。
[第7実施形態]
図9を用いて説明する。図9は第7実施形態を説明する構成図である。尚、本実施形態と第4実施形態との相違点は、アクチュエータと、ポールの形状であり、他の部分は第4実施形態と同一であるので、相違点のみ説明する。
下部がピン102を用いて回転可能に設けられたポール101は、回転中心軸以外の箇所に形成されたポール係合部101aがロック位置に位置するフック71のフック係合部71bに係合することによりフック71の回転を禁止する。このポール101は、中間部がピン102を巻回し、一方の端部がポール10に係止され、他方の端部がベースに係止されたスプリング103により、フック71に係合する方向(図においてB方向)に付勢されている。
そして、スプリング103は、変態温度以上に加熱することにより、変形しポール101を破線位置に移動させフック71より離脱させる記憶形状になり、変態温度未満となるとポール101を実線位置に移動させフック71に係合させる形状に復帰する2方向形状記憶合金でなっており、アクチュエータとしても機能する。さらに、スプリング(アクチュエータ)103は、電流が流れることにより発生するジュール熱で加熱されるようになっている。
尚、この2方向形状記憶合金の材質としては、Ti-Ni-Nb合金(チタンニッケルニオブ合金)がある。
よって、スプリング(アクチュエータ)103に電流を流し、スプリング(アクチュエータ)103が変態温度以上に加熱されると、スプリング(アクチュエータ)103は記憶形状となり、ポール101が破線位置に移動してフック71より離脱し、ロック装置は、ロック解除される。
このような構成によれば、以下のような効果が得られる。
(1) スプリング(アクチュエータ)103の駆動源は、形状記憶合金であることにより、減速機構が不要となるので、機構が簡単になる。
(2) スプリング(アクチュエータ)103の駆動源は、電動機でないので、電気ノイズの発生がない。
(3) 回転する箇所がないので、異音の発生が少ない。
[第8実施形態]
図10を用いて説明する。図10は第8実施形態を説明する構成図である。尚、本実施形態と第4実施形態との相違点は、フック,ポールを付勢する付勢部材と、アクチュエータと、ポールの形状であり、他の部分は第4実施形態と同一であるので、相違点のみ説明する。
下部がピン112を用いて回転可能に設けられたポール111は、回転中心軸以外の箇所に形成されたポール係合部111aがロック位置に位置するフック71のフック係合部71bに係合することによりフック71の回転を禁止する。
一端部がフック71に、他端部がポール111に係止されたスプリング113により、フック71はアンロック位置方向(図において、A方向)に、ポール111はフック71に係合する方向(図において、B方向)に付勢されている。
そして、スプリング113は、変態温度以上に加熱することにより、変形しポール111を破線位置に移動させフック71より離脱させる記憶形状になり、変態温度未満となるとポール111を実線位置に移動させフック71に係合させる形状に復帰する2方向形状記憶合金でなっており、アクチュエータとしても機能する。さらに、スプリング(アクチュエータ)113は、電流が流れることにより発生するジュール熱で加熱されるようになっている。
尚、この2方向形状記憶合金の材質としては、Ti-Ni-Nb合金(チタンニッケルニオブ合金)がある。
よって、スプリング(アクチュエータ)113に電流を流し、スプリング(アクチュエータ)113が変態温度以上に加熱されると、スプリング(アクチュエータ)113は記憶形状となり、ポール111が破線位置に移動してフック71より離脱し、ロック装置は、ロック解除される。
このような構成によれば、以下のような効果が得られる。
(1) スプリング(アクチュエータ)113の駆動源は、形状記憶合金であることにより、減速機構が不要となるので、機構が簡単になる。
(2) スプリング(アクチュエータ)113の駆動源は、電動機でないので、電気ノイズの発生がない。
(3) 回転する箇所がないので、異音の発生が少ない。
[第9実施形態]
図11を用いて説明する。図11は第9実施形態を説明する構成図である。尚、本実施形態と第4実施形態との相違点は、ポールを付勢する付勢部材と、アクチュエータと、ポールの形状であり、他の部分は第4実施形態と同一であるので、相違点のみ説明する。
下部に設けられた固定点120がベースに対して固定されたポール121は、ポール係合部121aがロック位置に位置するフック71のフック係合部71bに係合することによりフック71の回転を禁止する。
ポール121は、変態温度以上に加熱することにより、フック71より離脱する破線で示す記憶形状になり、変態温度未満となるとフック71と係合する実線で示す形状に復帰する2方向形状記憶合金でなり、アクチュエータとしても機能する。さらに、ポール121は少なくとも実線位置にある際には、弾性を有し、フックと係合する際に、破線方向に弾性変形可能となっている。さらに、ポール(アクチュエータ)121は、電流が流れることにより発生するジュール熱で加熱されるようになっている。
尚、この2方向形状記憶合金の材質としては、Ti-Ni-Nb合金(チタンニッケルニオブ合金)がある。
よって、ポール(アクチュエータ)121に電流を流し、ポール(アクチュエータ)121が変態温度以上に加熱されると、ポール(アクチュエータ)121は破線の形状(記憶形状)となり、フック71より離脱し、ロック装置は、ロック解除される。
このような構成によれば、以下のような効果が得られる。
(1) ポール(アクチュエータ)121の駆動源は、形状記憶合金であることにより、減速機構が不要となるので、機構が簡単になる。
(2) ポール(アクチュエータ)121の駆動源は、電動機でないので、電気ノイズの発生がない。
(3) 回転する箇所がないので、異音の発生が少ない。
尚、本発明では、アクチュエータの駆動源として、形状記憶合金を用いたが、他に、温度によって形状が変化するバイメタルであってもよい。
5 フック
5a 溝
9 ポール
21 アクチュエータ

Claims (7)

  1. ストライカが進入可能な溝が形成され、前記ストライカが前記溝に進入可能なアンロック位置から前記ストライカの前記溝からの離脱を禁止するロック位置まで回転可能なフックと、
    回転可能に設けられ、前記ロック位置に位置する前記フックに係合することにより前記フックの回転を禁止するポールと、
    前記フックを前記アンロック位置方向に付勢し、前記ポールをフックに係合する方向に付勢する付勢手段と、
    前記ポールを前記フックに対して係合・離脱させるアクチュエータと、
    を有し、
    前記アクチュエータの駆動源は、
    形状記憶合金である
    ことを特徴とするロック装置。
  2. 前記形状記憶合金は、
    変態温度以上に加熱すると記憶形状となり、前記フックに係合している前記ポールを前記フックから離脱させる一方向性の形状記憶合金であり、
    前記付勢手段は、
    前記ポールを介して変態温度未満の前記形状記憶合金を変形させるバイアススプリングとして機能する
    ことを特徴とする請求項1記載のロック装置。
  3. 前記形状記憶合金を加熱する熱源は、
    前記形状記憶合金に通電することにより発生するジュール熱である
    ことを特徴とする請求項2記載のロック装置。
  4. 前記アクチュエータは、
    底部と天部とを有する筒体と、
    中間部が前記筒体内に前記筒体の軸方向に沿って配置されると共に、一方の端部が前記筒体の前記底部の中央に形成された穴を挿通して外部に突出し、他方の端部が前記筒体の前記天部の中央に形成された穴を挿通して外部に突出するシャフトと、
    前記筒体内のシャフトに設けられたフランジとを有し、
    前記形状記憶合金は、前記筒体の前記底部と、前記フランジとに当接可能に前記筒体内に設けられている
    ことを有することを特徴とする請求項2または3記載のロック装置。
  5. 前記筒体内に、
    冷却液が封入されていることを特徴とする請求項4記載のロック装置。
  6. 前記形状記憶合金は、
    複数あることを特徴とする請求項4または5記載のロック装置。
  7. 前記筒体の外部に、前記フランジを介して前記筒体内の一方の室と、他方の室とを連絡するバイパス流路を設けた
    ことを特徴とする請求項5記載のロック装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018505976A (ja) * 2015-04-01 2018-03-01 サエス・ゲッターズ・エッセ・ピ・ア 緊急時アクチュエータを有するロック
KR20180076596A (ko) * 2016-12-28 2018-07-06 주식회사 성우하이텍 비상용 후드 릴리즈 장치
CN113653737A (zh) * 2021-07-28 2021-11-16 人本股份有限公司 防密封圈脱落式轴承

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