JP2016013886A - エレベータシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】昇降路内の長尺物の振れを検知する検知手段が有する機能の一部についての試験を実施可能であり、不具合箇所の特定に有益な情報を得ることが可能なエレベータシステムを提供する。
【解決手段】昇降路内の長尺物が水平方向に規定量以上振れたことを検知する検知手段と、検知手段が有する機能の一部を代替する代替手段と、代替手段の動作を制御する試験制御手段と、検知手段が有する機能から代替手段が代替する前記一部を除いた他部の動作試験を行う動作評価手段と、を備え、試験制御手段は、代替手段の動作を制御することで、検知手段により長尺物が前記規定量以上振れたことが検知されるべき第1の状態と検知されないべき第2の状態とを強制的に作り出し、動作評価手段は、前記第1の状態及び前記第2の状態における検知手段の検知結果を評価することにより、検知手段が有する機能の前記他部の動作試験を行う。
【選択図】図5

Description

この発明は、エレベータシステムに関するものである。
エレベータの昇降路内の長尺物の振れを検出するロープ振れ検出装置を備えた従来のエレベータシステムにおいては、予め定められた規定量以上の振れの長尺物に検出軸が遮られると検出信号を出力する検出センサと、乗りかご及び釣合い重りの位置を検出する位置検出手段と、検出センサの検出信号と位置検出手段の検出結果とから検出センサの検出動作の良否を判定する判定手段と備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−124160号公報
しかしながら、特許文献1に示される従来のエレベータシステムにおいては、検出軸を遮る位置に乗りかご又は釣合い重りがある際における検出センサの出力により良否を判定しているため、検出センサの投光器及び受光器のどちらに異常があるのかといったことは分からない。すなわち、検知手段(検出センサ)が有する複数の機能の一部のみについての良否を判定し、不具合箇所の特定に有益な情報を得るということができない。
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、昇降路内の長尺物の振れを検知するための検知手段が有する複数の機能の一部についての試験を実施することができ、不具合箇所の特定に有益な情報を得ることが可能であるエレベータシステムを得るものである。
この発明に係るエレベータシステムにおいては、エレベータの昇降路内の長尺物が水平方向に予め定められた規定量以上振れたことを検知する検知手段と、前記検知手段が有する機能の一部を代替する代替手段と、前記代替手段の動作を制御する試験制御手段と、前記検知手段が有する機能から前記代替手段が代替する前記一部を除いた他部の動作試験を行う動作評価手段と、を備え、前記試験制御手段は、前記代替手段の動作を制御することで、前記検知手段により前記長尺物が前記規定量以上振れたことが検知されるべき第1の状態と検知されないべき第2の状態とを強制的に作り出し、前記動作評価手段は、前記第1の状態及び前記第2の状態における前記検知手段の検知結果を評価することにより、前記検知手段が有する機能の前記他部の動作試験を行う構成とする。
この発明に係るエレベータシステムにおいては、昇降路内の長尺物の振れを検知するための検知手段が有する複数の機能の一部についての試験を実施することができ、不具合箇所の特定に有益な情報を得ることが可能であるという効果を奏する。
この発明の実施の形態1に係るエレベータシステムの平常時における全体構成を模式的に示す図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータシステムの光電センサの配置を説明する断面図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータシステムの平常時における機能的な構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータシステムの試験時における全体構成を模式的に示す図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータシステムの試験時における機能的な構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータシステムの受光器の試験時における光電センサ等の配置を説明する断面図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータシステムの受光器の試験時における動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータシステムの投光器の試験時における光電センサ等の配置を説明する断面図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータシステムの投光器の試験時における動作を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータシステムの投光器の試験時における動作の流れを示すフロー図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータシステムの投光器の試験時における動作の流れを示すフロー図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータシステムの管制運転モードの試験時における動作の流れを示すフロー図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータシステムの管制運転モードの試験時における動作の流れを示すフロー図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータシステムの受光器の試験時における動作の流れを示すフロー図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータシステムの受光器の試験時における動作の流れを示すフロー図である。
この発明を添付の図面に従い説明する。各図を通じて同符号は同一部分又は相当部分を示しており、その重複説明は適宜に簡略化又は省略する。
実施の形態1.
図1から図15は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1はエレベータシステムの平常時における全体構成を模式的に示す図、図2はエレベータシステムの光電センサの配置を説明する断面図、図3はエレベータシステムの平常時における機能的な構成を示すブロック図、図4はエレベータシステムの試験時における全体構成を模式的に示す図、図5はエレベータシステムの試験時における機能的な構成を示すブロック図、図6はエレベータシステムの受光器の試験時における光電センサ等の配置を説明する断面図、図7はエレベータシステムの受光器の試験時における動作を説明する図、図8はエレベータシステムの投光器の試験時における光電センサ等の配置を説明する断面図、図9はエレベータシステムの投光器の試験時における動作を説明する図である。また、図10及び図11はエレベータシステムの投光器の試験時における動作の流れを示すフロー図、図12及び海13はエレベータシステムの管制運転モードの試験時における動作の流れを示すフロー図、図14及び図15はエレベータシステムの受光器の試験時における動作の流れを示すフロー図である。
図1に示すように、エレベータの昇降路1内には、乗りかご2が昇降自在に設けられている。乗りかご2の上端には主ロープ3の一端が連結されている。主ロープ3の他端は釣合い重り4の上端に連結されている。釣合い重り4も、乗りかご2と同じく、昇降路1内に昇降自在に設置される。主ロープ3の中間部は、昇降路1の頂部に機械室5内に設置された巻上機6の駆動綱車に巻き掛けられている。このようにして、乗りかご2及び釣合い重り4は、主ロープ3によって昇降路1内で互いに相反する方向に昇降するつるべ状に吊持されている。乗りかご2が停止可能である各階床には、乗場7が設けられている。
乗りかご2の昇降動作等を含むエレベータの運転全般は、機械室5内に設置されている制御盤100により制御されている。制御盤100と乗りかご2に設置された各種機器(例えば、ドアモータ、照明装置や乗りかご内操作盤等)とは、制御ケーブル8を介して通信可能に接続されている。この制御ケーブル8の一端は乗りかご2の下端に接続される。制御ケーブル8の他端側は昇降路1の頂部、あるいは、昇降路1の中程の昇降路壁等に固定されている。こうして、制御ケーブル8は、昇降路1内に垂下されている。
以下においては、昇降路1内に垂下される主ロープ3や制御ケーブル8等のロープ・ケーブル類を長尺物と呼ぶ。この長尺物としては、主ロープ3や制御ケーブル8の他にも、昇降路1内の頂部付近から底部付近にわたって無端状に設けられ、乗りかご2の昇降に連動して周回する調速機ロープ、あるいは、主ロープ3の荷重が乗りかご2側や釣合い重り4側に偏ることを防止するため、乗りかご2の下端と釣合い重り4の下端とに両端がそれぞれ接続されて昇降路1内に垂下されたコンペンロープ等が含まれるようにしてもよい(なお、調速機ロープやコンペンロープの図示は省略している)。
昇降路1内には、長尺物の振れを検出するための光電センサ(図3及び図5では符号20で示す)が複数設置されている。各光電センサは、それぞれが一対の投光器10及び受光器11を備えている。投光器10は、昇降路1内壁(昇降路1内壁に取り付けられた固定体を含む)の一側における予め定められた高さ位置に設置されている。受光器11は、振れ検出対象である長尺物を挟んだ昇降路1内壁(同じく固定体も含む)の他側に、対となる投光器10に対向して設置されている。
投光器10は予め定められた方向に光を射出し、受光器11は対となる投光器10から射出された光を受ける。こうして投光器10から受光器11へと射出される光の光軸により、光電センサの検出軸が形成される。この検出軸は、振れ検出対象である長尺物の振れが、予め定められた規定量以上となった場合に当該長尺物により遮られる位置に配置される。したがって、長尺物の振れが規定量より少ない場合には検出軸は遮られない。
すなわち、各光電センサが設置される位置は、振れ検出の対象とする長尺物の昇降路1内における位置や最大振幅の発生箇所に応じて、振れ検出対象の長尺物の振れが前記規定量以上となった場合に当該長尺物により検出軸が遮られる位置に配置されるように、決定されている。このようにして、光電センサ20は、昇降路1内の長尺物が前記規定量以上振れたことを光学的に検知することができる。
ここでは、各光電センサは、受光器11が投光器10からの光を受光している場合にHIGH(デジタル値では1)の検知信号を出力し、受光器11が投光器10からの光を受光していない間はLOW(デジタル値では0)の検知信号を出力する。各光電センサ20から出力される検知信号は、一旦センサ検出ボックス12に入力され、センサ検出ボックス12から制御盤100に入力される。
次に、図2を参照しながら、昇降路1内のある高さ位置における光電センサの投光器10及び受光器11の配置について説明する。光電センサにより検出される長尺物の振れの前記規定量は、複数設定される。この複数の前記規定量は、長尺物の振れ幅に関する複数のレベルのそれぞれに対応している。これらの前記規定量は、対象とする長尺物の長さ、エレベータが設置され建物の固有振動の周期及び昇降路1内の機器配置等を考慮して適宜に設定される。
ここでは、例えば、長尺物の振れ幅についてレベル1とレベル2の2つのレベルが設定されているとする。この例では、光電センサは、レベル1センサとレベル2センサの2種類に分けられる。レベル1センサ(図3及び図5において符号21で示す)は、レベル1に対応する前記規定量の長尺物の振れを検出するための光電センサである。また、レベル2センサ(図3及び図5において符号22で示す)は、レベル2に対応する前記規定量の長尺物の振れを検出するため光電センサである。なお、ここでは、レベル1よりもレベル2の方が長尺物の振れ幅が大きい。
光電センサは、複数のレベル毎に複数設けられる。すなわち、ここでは、レベル1センサは複数設けられ、レベル2センサも複数設けられる。この図2に示す例では、レベル1センサ及びレベル2センサは、昇降路1の間口方向に沿った検出軸を持つものと、昇降路1の奥行方向に沿った検出軸を持つものとが設けられている。
ここで、昇降路1の間口方向とは、エレベータの出入口側を向いた利用者から見て左右方向のことである。また、昇降路1の奥行方向とは、エレベータの出入口側を向いた利用者から見て前後方向のことである。
なお、昇降路1の奥行方向に沿った検出軸を持つレベル1センサは、主ロープ3の間口方向の両側にそれぞれ設けられている。各光電センサは一対の投光器10及び受光器11をそれぞれ有していることから、この図2の例では、レベル1センサの投光器10及び受光器11がそれぞれ3つずつ設けられ、レベル2センサの投光器10及び受光器11がそれぞれ2つずつ設けられる。
次に、さらに図3を参照しながら、エレベータシステムの機能的な構成について説明する。図3中の光電センサ20は、図1及び図2に示す投光器10及び受光器11とからなる。図1に示すように、光電センサ20は、昇降路1内における複数の高さ位置に設置してもよい。ここでは、光電センサ20は、ある階床であるA階と、このA階とは異なる階床であるB階の2つの階床に対応する高さ位置に設置されているとする。
光電センサ20は、レベル1に対応する前記規定量の長尺物の振れを検出するためのレベル1センサ21と、レベル2に対応する前記規定量の長尺物の振れを検出するためのレベル2センサ22とに分けられる。A階及びB階のそれぞれの高さ位置に設置される光電センサ20の投光器10及び受光器11は、具体的には前述したように図2に示すように配置される。すなわち、A階及びB階のそれぞれとも、3つのレベル1センサ21と2つのレベル2センサ22とが設置される。
センサ検出ボックス12は、A階及びB階のそれぞれ毎に設けられる。そして、A階の光電センサ20から出力された検知信号は、A階用のセンサ検出ボックス12に入力され、B階の光電センサ20から出力された検知信号は、B階用のセンサ検出ボックス12に入力される。
センサ検出ボックス12は、それぞれのレベル毎に、複数の光電センサ20からの検知信号を1つの信号に結合して出力する結合手段である。すなわち、センサ検出ボックス12は、それぞれのレベル1センサ21からの検知信号を1つのレベル1信号として結合して制御盤100へと出力する。また、センサ検出ボックス12は、それぞれのレベル2センサ22からの検知信号を1つのレベル2信号として結合して制御盤100へと出力する。
このセンサ検出ボックス12における検知信号の結合について少し詳しく説明する。まず、前述したように、各光電センサ20は、受光器11が投光器10からの光を受光している場合にHIGH(1)の検知信号を出力し、受光器11が投光器10からの光を受光していない間はLOW(0)の検知信号を出力する。
このような場合には、センサ検出ボックス12は、結合の対象である複数の光電センサ20からの検知信号の論理積をとることで結合する。したがって、この場合には、結合の対象である複数の光電センサ20全てからのHIGH(1)の検知信号が入力されていれば、結合後の信号はHIGH(1)となる。一方、結合の対象である複数の光電センサ20からの検知信号のうち1つでもLOW(0)であれば、結合後の信号はLOW(0)となる。
このようにすることで、結合の対象である複数の光電センサ20のうちの1つでも受光器11が受光しなくなれば、センサ検出ボックス12から出力される結合後の信号は、受光器11が受光していないことを示すLOW(0)の信号となる。
なお、この例とは逆に、各光電センサ20は、受光器11が投光器10からの光を受光している場合にLOW(0)の検知信号を出力し、受光器11が投光器10からの光を受光していない間はHIGH(1)の検知信号を出力するようにすることもできる。
このような場合には、センサ検出ボックス12は、結合の対象である複数の光電センサ20からの検知信号の論理和をとることで結合するようにすればよい。この場合には、結合の対象である複数の光電センサ20全てからのLOW(0)の検知信号が入力されていれば、結合後の信号はLOW(0)となる。一方、結合の対象である複数の光電センサ20からの検知信号のうち1つでもHIGH(1)であれば、結合後の信号はHIGH(1)となる。
このようにすることで、結合の対象である複数の光電センサ20のうちの1つでも受光器11が受光しなくなれば、センサ検出ボックス12から出力される結合後の信号は、受光器11が受光していないことを示すHIGH(1)の信号とすることができる。
以上のようにして、センサ検出ボックス12で結合された信号は、制御盤100へと入力される。制御盤100は、検知装置110及び制御装置120を備えている。検知装置110は、レベル1検知部111及びレベル2検知部112を備えている。そして、センサ検出ボックス12において、レベル1センサ21からの検知信号を結合したレベル1信号は、検知装置110のレベル1検知部111に入力される。
レベル1検知部111は、入力されたレベル1信号に基づいて、長尺物がレベル1に対応する前記規定量以上振れたことが検知されたか否かを判断する。例えば、受光器11が受光していないときに光電センサ20がLOW(0)の信号を出力する場合には、レベル1検知部111は、レベル1信号がLOW(0)であれば、長尺物がレベル1に対応する前記規定量以上振れたことを検知する。また、受光器11が受光していないときに光電センサ20がHIGH(1)の信号を出力する場合には、レベル1検知部111は、レベル1信号がHIGH(1)であれば、長尺物がレベル1に対応する前記規定量以上振れたことを検知する。
また、センサ検出ボックス12において、レベル2センサ22からの検知信号を結合したレベル2信号は、検知装置110のレベル2検知部112に入力される。レベル2検知部112は、長尺物がレベル2に対応する前記規定量以上振れたことが検知されたか否かを判断する。例えば、受光器11が受光していないときに光電センサ20がLOW(0)の信号を出力する場合には、レベル2検知部112は、レベル2信号がLOW(0)であれば、長尺物がレベル2に対応する前記規定量以上振れたことを検知する。また、受光器11が受光していないときに光電センサ20がHIGH(1)の信号を出力する場合には、レベル2検知部112は、レベル2信号がHIGH(1)であれば、長尺物がレベル2に対応する前記規定量以上振れたことを検知する。
以上のようにして、光電センサ20、センサ検出ボックス12及び検知装置110は、エレベータの昇降路1内の長尺物が水平方向に予め定められた前記規定量以上振れたことを検知する検知手段を構成している。
制御盤100の制御装置120は、かご位置検出部121、運転制御部122、試験制御部123、動作評価部124、ドライバー基板125及びレシーバ基板126を備えている。かご位置検出部121は、昇降路1内における乗りかご2の現在位置(以下、単に「かご位置」という)を検出する。かご位置検出部121は、例えば、巻上機6の回転軸に設けられたパルスエンコーダ等の出力に基づいて、かご位置を求めることができる。
運転制御部122は、平常時において、かご位置検出部121により検出されたかご位置の情報等を用いて、乗りかご2の運転を制御する。また、運転制御部122は、検知手段、すなわち、光電センサ20、センサ検出ボックス12及び検知装置110により、昇降路1内の長尺物が前記規定量以上振れたことが検知された場合に、エレベータを管制運転(長尺物振れ管制運転)に移行させる。
この長尺物振れ管制運転においては、運転制御部122は、まず、乗りかご2を最寄階に停止させる。そして、長尺物の振れ幅レベル1が検知され、振れ幅レベル2は検知されていなかった場合には、運転制御部122は、最寄階停止後、一定時間経過した後にエレベータを平常運転に復帰させる。また、長尺物の振れ幅レベル2が検知された場合には、運転制御部122は、最寄階停止後、保守員の点検又は自動診断仮復旧運転がなされた後でなければエレベータを平常運転に復帰させない。
なお、試験制御部123、動作評価部124、ドライバー基板125及びレシーバ基板126については、後に図5等を参照しながら詳しく説明する。
次に、図4及び図5を参照しながら、エレベータシステムの長尺物振れ検出動作に係る動作評価試験時の構成について説明する。図4に示すように、長尺物振れ検出動作に係る動作評価試験時には、乗りかご2の上部に代替手段30が取り付けられる。平常時には、代替手段30は乗りかご2から取り外しておくことができる。すなわち、代替手段30は、乗りかご2に着脱可能に取り付けられる。
この代替手段30は、前述した検知手段(光電センサ20、センサ検出ボックス12及び検知装置110)が有する機能の一部を代替するものである。ここでは、具体的に例えば、代替手段30は、検知手段が有する機能のうち、光電センサ20の投光器10及び受光器11のそれぞれについて代替することができる。
図5に、長尺物振れ検出動作に係る動作評価試験時におけるエレベータシステムの機能的な構成を示す。この図5において図3と同符号は同一の構成を指している。代替手段30は、光電センサ20の投光器10の機能を代替する投光器代替手段31を備えている。また、代替手段30は、受光器11の機能を代替する受光器代替手段32も備えている。
なお、乗りかご2上に騒音防止等の目的のため、整風カバーあるいは整風板が設けられる場合がある。このような場合には、整風カバー等に予め取付孔等の取付手段を設けておき、この取付手段を利用して代替手段30を乗りかご2に取り付ければよい。
また、投光器代替手段31及び受光器代替手段32を、それぞれ別個に乗りかご2に取り付けられるようにしてもよい。このようにすることで、試験内容に応じて、投光器代替手段31及び受光器代替手段32のいずれか必要な方を適宜に選択して乗りかご2に取り付けることができる。
投光器代替手段31を乗りかご2に取り付ける場合には、投光器代替手段31の配線は乗りかご2上部に設けられたかご上ステーションに接続される。そして、制御ケーブル8を通じて、制御盤100のドライバー基板125に接続される。受光器代替手段32を乗りかご2に取り付ける場合には、受光器代替手段32の配線は乗りかご2上部に設けられたかご上ステーションに接続される。そして、制御ケーブル8を通じて、制御盤100のレシーバ基板126に接続される。
制御装置120の試験制御部123は、代替手段30の動作を制御するためのものである。この際に、試験制御部123は、制御盤100の制御装置120に設けられたドライバー基板125及びレシーバ基板126を介して、代替手段30の動作を制御する。より詳しくは、試験制御部123は、ドライバー基板125を介して、代替手段30の投光器代替手段31へと制御信号を入力することで、投光器代替手段31の投光動作を制御する。また、試験制御部123は、レシーバ基板126を介して、代替手段30の受光器代替手段32からの受光信号を受けることで、受光器代替手段32の受光状態を取得する。
このようにして、試験制御部123、ドライバー基板125及びレシーバ基板126は、代替手段30の動作を制御する試験制御手段を構成している。この試験制御手段は、代替手段30の動作を制御することで、検知手段(光電センサ20、センサ検出ボックス12及び検知装置110)により第1の状態と第2の状態とを強制的に作り出す。
ここで、第1の状態とは、昇降路1内の長尺物が前記規定量以上振れたことが検知されるべき状態である。そして、第2の状態とは、昇降路1内の長尺物が前記規定量以上振れたことが検知されないべき状態である。
なお、ここで、前述したように代替手段30は乗りかご2に取り付けられる。そして、光電センサ20は、昇降路1における予め定められた高さ位置、ここではA階及びB階の高さ位置に配置されている。このため、前記第1の状態及び前記第2の状態とするためには、乗りかご2の位置も関係してくる。そこで、試験制御手段は、代替手段30の動作に加えて、乗りかご2の位置も制御することで、前記第1の状態及び前記第2の状態を強制的に作り出す。
この点について、図6から図9をさらに参照しながら詳しく説明する。まず、図6及び図7は、代替手段30の投光器代替手段31により、検出手段のうちの投光器10の機能を代替した場合を示すものである。図6に示すように、乗りかご2の上に設けられた投光器代替手段31は、受光器11と対向することができるように配置されている。そして、投光器代替手段31は、これらの対向した受光器11が受光可能なように光を射出することができる。
なお、前述したように、光電センサ20は、昇降路1の間口方向に沿った検出軸を持つものと、昇降路1の奥行方向に沿った検出軸を持つものとが設けられている。ここでは、これらのうち昇降路1の奥行方向に沿った検出軸を持つ光電センサ20の受光器11のそれぞれに対し、投光器代替手段31が対向するようになっている。
図7の(a)は、乗りかご2が光電センサ20の設置位置よりも下方にある状況である。この状況では、単に投光器10からの光が受光器11により受光されているため、前記第1の状態も前記第2の状態も強制的に作り出すことはできない。
図7の(b)は、乗りかご2上の投光器代替手段31が受光器11に対向するような位置に乗りかご2がある状況である。この状況では、投光器10からの光は投光器代替手段31により遮られる。したがって、投光器代替手段31からの投光をやめれば前記第1の状態を強制的に作り出することができる。また、投光器代替手段31から投光することで、前記第2の状態を強制的に作り出すこともできる。
図7の(c)は、図7の(b)から乗りかご2が上昇し、乗りかご2自体により投光器10からの光が遮られている状況である。この状況では、前記第1の状態を強制的に作り出することができる。しかし、受光器11に光を入射させることができないため、前記第2の状態を強制的に作り出すことはできない。
次に、図8及び図9は、代替手段30の受光器代替手段32により、検出手段のうちの受光器11の機能を代替した場合を示すものである。図8に示すように、乗りかご2の上に設けられた受光器代替手段32は、投光器10と対向することができるように配置されている。そして、受光器代替手段32は、これらの対向した投光器10からの光を受光可能な向きに配置されている。
なお、投光器代替手段31と同じように、受光器代替手段32は、昇降路1の奥行方向に沿った検出軸を持つ光電センサ20の投光器10のそれぞれに対向するようになっている。
図9の(a)は、乗りかご2が光電センサ20の設置位置よりも下方にある状況である。この状況では、単に投光器10からの光が受光器11により受光されているため、前記第1の状態も前記第2の状態も強制的に作り出すことはできない。
図9の(b)は、乗りかご2上の受光器代替手段32が投光器10に対向するような位置に乗りかご2がある状況である。この状況では、投光器10からの光は受光器代替手段32により遮られる。したがって、受光器11は投光器10からの光を受けることができなくなり、受光器11の機能は受光器代替手段32により代替されている。そして、受光器代替手段32により投光器10からの光が受光されるため、前記第2の状態が強制的に作り出されている。
図9の(c)は、図9の(b)から乗りかご2が上昇し、乗りかご2自体により投光器10からの光が遮られている状況である。この状況では、投光器10からの光は、受光器11のみならず受光器代替手段32によっても受光することができない。したがって、前記第1の状態が強制的に作り出されている。
図5に戻って、制御装置120の動作評価部124は、検知手段が有する機能から代替手段30が代替する一部を除いた他部の動作試験を行うものである。以上で説明した例においては、検知手段が有する機能のうち代替手段30が代替する一部は、具体的には光電センサ20の投光器10又は受光器11のいずれかである。したがって、検知手段が有する機能から代替手段30が代替する一部を除いた他部とは、前者の場合では受光器11、センサ検出ボックス12及び検知装置110となり、後者の場合では投光器10、センサ検出ボックス12及び検知装置110となる。
動作評価部124は、前述したようにして代替手段30により検知手段の機能の一部が代替されて前記第1の状態及び前記第2の状態が強制的に作り出された状況における検知手段の検知結果を評価することで、検知手段の機能の他部の動作試験を行う。
具体的に、まず、投光器代替手段31により投光器10を代替した場合について説明する。この場合において、試験制御部123は、図7の(b)又は(c)の状況にして前記第1の状態を作り出す。そして、この状態において、検知装置110が昇降路1内の長尺物の前記規定量以上の振れを検知していれば、動作評価部124は、主に受光器11について異常であると判断することができる。
また、試験制御部123の制御により、図7の(b)の状況で前記第2の状態を作り出した場合、検知装置110が昇降路1内の長尺物の前記規定量以上の振れを検知していないときも、動作評価部124は、主に受光器11について異常であると判断することができる。
一方、前記第1の状態を作り出した場合に検知装置110が昇降路1内の長尺物の前記規定量以上の振れを検知せず、かつ、前記第2の状態を作り出した場合に検知装置110が昇降路1内の長尺物の前記規定量以上の振れを検知したときには、動作評価部124は、主に受光器11について正常であると判断することができる。
なお、図7の(b)の状況において、試験制御部123により投光器代替手段31のうちレベル1センサ21の受光器11に対向するものとレベル2センサ22の受光器11に対向するものの投光状態を個別に制御することで、動作評価部124は、レベル1センサ21の受光器11とレベル2センサ22の受光器11とについて個別に動作を評価することができる。
次に、受光器代替手段32により受光器11を代替した場合について説明する。この場合において、試験制御部123は、図9の(c)の状況にして前記第1の状態を作り出す。そして、この状態において、検知装置110が昇降路1内の長尺物の前記規定量以上の振れを検知していれば、動作評価部124は、主に投光器10について異常であると判断することができる。
また、試験制御部123の制御により、図9の(b)の状況で前記第2の状態を作り出した場合、検知装置110が昇降路1内の長尺物の前記規定量以上の振れを検知していないときも、動作評価部124は、主に投光器10について異常であると判断することができる。
一方、前記第1の状態を作り出した場合に検知装置110が昇降路1内の長尺物の前記規定量以上の振れを検知せず、かつ、前記第2の状態を作り出した場合に検知装置110が昇降路1内の長尺物の前記規定量以上の振れを検知したときには、動作評価部124は、主に投光器10について正常であると判断することができる。
なお、以上の動作評価部124による動作試験を、光電センサ20が設置されている全ての階床(ここで、A階及びB階)で実施することで、複数の光電センサ20の全てについて動作試験を行うことができる。この際、複数の光電センサ20の検知信号は、結合手段であるセンサ検出ボックス12により予め結合されているため、複数の光電センサ20の検知信号のそれぞれを確認することなく全ての光電センサ20の動作を評価することができる。また、各光電センサ20と制御盤100との間の配線を簡潔なものとすることができる。
動作評価部124は、以上に加えて、前記第1の状態及び前記第2の状態が強制的に作り出された状況において運転制御部122がエレベータを管制運転に移行させたか否かを評価することにより、運転制御部122の動作試験を行うことができる。
すなわち、前述したようにして、前記第1の状態を強制的に作り出した状態で、運転制御部122がエレベータを管制運転に移行させ、かつ、前記第2の状態を強制的に作り出した状態で、運転制御部122がエレベータを管制運転に移行させなければ、動作評価部124は運転制御部122が正常であると判断することができる。
一方、前記第1の状態で運転制御部122がエレベータを管制運転に移行させなかったり、前記第2の状態で運転制御部122がエレベータを管制運転に移行させたりした場合には、動作評価部124は運転制御部122が異常であると判断することができる。
なお、この運転制御部122の動作試験は、検知手段、特に光電センサ20(投光器10及び受光器11)が正常であることが前提である。したがって、運転制御部122の動作試験は、前述した光電センサ20(投光器10及び受光器11)について動作試験を実施して光電センサ20が正常であることが確認できた後に実施することが望ましい。
なお、かご位置検出部121は、例えば巻上機6のパルスエンコーダ等の出力に基づいて、かご位置を求めることができると前述した。しかし、代替手段30を乗りかご2に取り付けた状態では、かご位置検出部121は、次のようにして、代替手段30と試験対象の光電センサ20とが対向する乗りかご2の位置を検出することもできる。
すなわち、投光器代替手段31が乗りかご2に取り付けられていれば、投光器代替手段31からの光が受光器11により受光されたか否かを、検知装置110の検知結果を確認することで判断することができる。また、受光器代替手段32が乗りかご2に取り付けられていれば、投光器10からの光を受光器代替手段32により受光したか否かを、レシーバ基板126に入力された信号を介して判断することができる。
そして、かご位置検出部121は、投光器代替手段31からの光を受光器11が受光した時、あるいは、投光器10からの光を受光器代替手段32が受光した時の乗りかご2の位置が、代替手段30と光電センサ20とが対向する乗りかご2の位置であることを検出することができる。
次に、図10から図15のフロー図を参照しながら、以上のように構成されたエレベータシステムの長尺物振れ検知動作に係る試験の動作の流れを説明する。なお、これら図10から図15中の丸で囲んだ各数字は、同一の数字同士が対応している。まず、図10及び図11を参照しながら、エレベータの運転モードが投光器試験モードの場合の動作の流れについて説明する。
まず、ステップS1において、制御盤100は、エレベータの運転モードが投光器試験モードであるか否かを確認する。ここで、エレベータの運転モードを投光器試験モードへと移行させるためには、制御盤100のCPU基板と接続したメンテナンスPCを作業員が操作して、エレベータの運転モードを投光器試験モードに指定する必要がある。このような操作を経て、現在のエレベータの運転モードが投光器試験モードである場合には、ステップS100へと進む。
ステップS100においては、運転制御部122は、投光器代替手段31を用いて光電センサ20の故障有無の検出するための動作試験を行う投光器試験モードを開始する。続くステップS101においては、動作評価部124は、以降の処理のための初期設定を行う。具体的には、位置検出の試行回数をカウントするカウンタ(以下、単に「カウンタ」という)、カウンタ基準値、試行における移動幅及び移動時間Tm(以下、単に「移動幅」及び「移動時間Tm」という)をクリアする。また、光電センサ20が設置された階床Tを設定する。なお、光電センサ20が設置された階床Tの情報は出荷時に制御盤100のメモリ等に予め設定される。
ステップS101の後は、ステップS102へと進む。ステップS102においては、動作評価部124は、光電センサ20が設置された階床Tの全てについてチェックが完了したか否かを確認する。光電センサ20が設置された階床Tの全てについてチェックが完了していれば、ステップS103へと進む。
ステップS103においては、全ての階床Tについて光電センサ20の受光器11は正常であるとして、運転制御部122は試験モードを終了し、一連の動作フローは終了となる。一方、ステップS102で光電センサ20が設置された階床Tの全てについてチェックが完了していなければ、ステップS104へと進む。
ステップS104においては、運転制御部122は、第i番目の光電センサ20の設置階Tiへと乗りかご2を高速運転で移動させる。そして、カウンタ、移動幅及び移動時間Tmをクリアする。なお、この時点においては、検知装置110に入力されているレベル1信号及びレベル2信号は、いずれも受光器11が受光状態であることを示す信号となっている。ステップS104の後はステップS105へと進む。
ステップS105においては、動作評価部124は、カウンタがカウンタ基準値以上であるか否かを確認する。カウンタがカウンタ基準値以上であれば、丸数字の「4」に至る。そして、これに対応する図11中の丸数字の「4」からステップS106へと進む。ステップS106においては、動作評価部124は、階床Tiの受光器11が異常であると判断する。そして、運転制御部122は試験モードを終了し、一連の動作フローは終了となる。
一方、ステップS105においてカウンタがカウンタ基準値未満であれば、ステップS107へと進む。ステップS107においては、試験制御部123は、タイマーの値をクリアした後、タイマーの計時をスタートする。そして、運転制御部122は、乗りかご2を上方に低速運転で移動させる。ステップS107の後はステップS108へと進む。
ステップS108においては、動作評価部124は、カウンタが0を超えているか、すなわち、カウンタが1以上であるか否かを確認する。カウンタが1以上であれば、ステップS109へと進む。ステップS109においては、試験制御部123は、前回の乗りかご2の移動幅に予め定められた係数を乗じて、次回の乗りかご2の移動幅を算出する。例えば、係数を0.9とした場合、前回の移動幅×0.9を次回の移動幅とする。そして、試験制御部123は、算出した次回の移動幅と低速運転の速度とから、次回の移動時間Tmを算出する。
ステップS109の後は、ステップS110へと進む。また、一方で、ステップS108においてカウンタが0であれば、ステップS109を飛ばしてステップS110へと進む。ステップS110においては、試験制御部123は、検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していないことを示す信号となるか、又は、タイマーの値が移動時間Tm以上となったかを確認する。
検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していないことを示す信号となる、及び、タイマーの値が移動時間Tm以上となる、のうちいずれか一方でも成立していれば、ステップS111へと進む。一方、検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していないことを示す信号となる、及び、タイマーの値が移動時間Tm以上となる、のうちのいずれも成立していない場合には、いずれかが成立するまでこのステップS110を繰り返す。
ステップS111においては、運転制御部122は、乗りかご2を停止させる。また、同時に、試験制御部123は、ステップS107で計時を開始したタイマーをストップする。そして、試験制御部123は、ステップS107における低速運転の速度と移動時間とから、乗りかご2の今回の移動幅を算出する。さらに、試験制御部123は、カウンタをインクリメントする。
続くステップS112において、試験制御部123は、ドライバー基板125を介して、投光器代替手段31に投光指令信号を出力する。この投光指令信号を受けて投光器代替手段31は光を射出する。そして、ステップS113へと進む。
ステップS113においては、試験制御部123は、検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していることを示す信号となっているか否かを確認する。検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していることを示す信号となっていれば、かご位置検出部121は、乗りかご2の位置が投光器代替手段31と受光器11とが対向する位置になったと判断する。この場合には、フローは丸数字の「5」に至る。そして、これに対応する図11中の丸数字の「5」からステップS114へと進む。
ステップS114においては、試験制御部123は、受光器11の状態を1つずつチェックする。このチェックは次のようにして行う。まず、複数ある投光器代替手段31のうちから1つの投光器代替手段31を選択する。次に、試験制御部123は、当該選択した投光器代替手段31からの光の射出を断続的に行う。そして、動作評価部124は、この際の検知装置110に入力される信号を確認することで、当該選択した投光器代替手段31に対向する受光器11が正常であるか否かを判断する。こうして、選択する投光器代替手段31を順次に変えることで、投光器代替手段31に対向する全ての受光器11についてチェックを行う。
一方、ステップS113において、検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していることを示す信号となっていなければ、かご位置検出部121は、投光器代替手段31が受光器11の上方にあり、乗りかご2が投光器10からの光を遮ってしまう位置に乗りかご2があると判断する。この場合には、フローは丸数字の「6」に至る。そして、これに対応する図11中の丸数字の「6」からステップS115へと進む。
ステップS115においては、動作評価部124は、カウンタがカウンタ基準値以上であるか否かを確認する。カウンタがカウンタ基準値以上であれば、ステップS106へと進む。そして、ステップS106において、動作評価部124は、階床Tiの受光器11が異常であると判断する。その後、運転制御部122は試験モードを終了し、一連の動作フローは終了となる。
一方、ステップS115においてカウンタがカウンタ基準値未満であれば、ステップS116へと進む。ステップS116においては、試験制御部123は、ドライバー基板125を介して、投光器代替手段31に投光指令信号を出力する。この投光指令信号を受けて投光器代替手段31は光を射出する。そして、ステップS117へと進む。
ステップS117においては、試験制御部123は、前回の乗りかご2の移動幅に前記係数を乗じて、次回の乗りかご2の移動幅を算出する。例えば、ステップS109と同様に係数を0.9とした場合、前回の移動幅×0.9を次回の移動幅とする。そして、試験制御部123は、算出した次回の移動幅と低速運転の速度とから、次回の移動時間Tmを算出する。ステップS117の後はステップS118へと進む。
ステップS118においては、試験制御部123は、タイマーの値をクリアした後、タイマーの計時をスタートする。そして、運転制御部122は、乗りかご2を今度は下方に低速運転で移動させる。ステップS118の後はステップS119へと進む。
ステップS119においては、試験制御部123は、検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していることを示す信号となるか、又は、タイマーの値が移動時間Tm以上となったかを確認する。検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していることを示す信号となる、及び、タイマーの値が移動時間Tm以上となる、のうちいずれか一方でも成立していれば、ステップS120へと進む。
一方、検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していることを示す信号となる、及び、タイマーの値が移動時間Tm以上となる、のうちのいずれも成立していない場合には、いずれかが成立するまでこのステップS119を繰り返す。
ステップS120においては、運転制御部122は、乗りかご2を停止させる。また、同時に、試験制御部123は、ステップS118で計時を開始したタイマーをストップする。そして、試験制御部123は、ステップS118における低速運転の速度と移動時間とから、今回の乗りかご2の移動幅を算出する。さらに、試験制御部123は、カウンタをインクリメントする。
続くステップS121において、試験制御部123は、ドライバー基板125を介して、投光器代替手段31に遮光指令信号を出力する。この遮光指令信号を受けて投光器代替手段31は光の射出を止める。そして、ステップS122へと進む。
ステップS122においては、試験制御部123は、検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していないことを示す信号となっているか否かを確認する。検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していないことを示す信号となっていなければ、かご位置検出部121は、投光器代替手段31が受光器11の下方にあり、投光器10からの光が常に受光器11により受光されるような位置に乗りかご2があると判断する。この場合には、フローは丸数字の「3」に至る。そして、これに対応する図10中の丸数字の「3」からステップS105へと戻る。
一方、検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していないことを示す信号となっていれば、かご位置検出部121は、乗りかご2の位置が投光器代替手段31と受光器11とが対向する位置になったと判断する。したがって、フローはステップS114へと進む。ステップS114においては、前述したようにして、試験制御部123は、受光器11の状態を1つずつチェックする。
ステップS114の後は、ステップS123へと進む。ステップS123においては、ステップS114で受光器11の状態を1つずつチェックした結果、チェックした全ての受光器11が正常であったか否かを試験制御部123は確認する。そして、正常でない受光器11があったならば、ステップS106へと進み、動作評価部124は、階床Tiの受光器11が異常であると判断する。その後、運転制御部122は試験モードを終了し、一連の動作フローは終了となる。
一方、チェックした全ての受光器11が正常であれば、丸数字の「2」に至る。そして、これに対応する図10中の丸数字の「2」からステップS102へと戻り、次の階床の受光器11の動作試験に移る。
なお、乗りかご2の位置合わせにおいて、今回の移動幅に対する次回の移動幅の前記係数は0.9とした。これは、乗りかご2の移動回数が増える毎に移動幅を小さくしていき、より精密かつ確度の高い位置合わせを意図したものである。ただし、この前記係数は適宜に変更してもよい。
例えば、前記係数を1とすれば、常に同じ移動幅でもって乗りかご2の位置合わせを行うことになる。この場合には、位置合わせの完了までに必要な時間が短縮されることが期待される。また、前記係数を例えば0.5等にすれば、精密さをより重視した位置合わせを行うことができる。
また、投光器代替手段31を乗りかご2の昇降方向に沿って複数配置するようにしてもよい。このようにすることで、投光器代替手段31と受光器11とが対向する乗りかご2の位置の許容幅を大きくすることができる。したがって、より短い時間で乗りかご2の位置合わせを完了し、ステップS114のチェック動作に移ることができる。
なお、前述したように、光電センサ20は、昇降路1の間口方向に沿った検出軸を持つものと、昇降路1の奥行方向に沿った検出軸を持つものとが設けられている。そして、ここでは、これらのうち昇降路1の奥行方向に沿った検出軸を持つ光電センサ20の受光器11のそれぞれに対し、代替手段30は、これらのうち昇降路1の奥行方向に沿った検出軸を持つ光電センサ20の機能の一部を代替している。
したがって、乗りかご2の位置合わせが完了しステップS114に到達した時点で、各光電センサ20の出力は結合手段であるセンサ検出ボックス12により結合されていることから、昇降路1の間口方向に沿った検出軸を持つ光電センサ20は、正常であると判断することができる。そして、ステップS114のチェックを経ることで、昇降路1の奥行方向に沿った検出軸を持つ光電センサ20の受光器11についても正常であると判断することができる。
次に、図10、図12及び図13を参照しながら、エレベータの運転モードが管制運転試験モードの場合の動作の流れについて説明する。まず、図10のステップS1において、現在のエレベータの運転モードが投光器試験モードでない場合には、丸数字の「1」に至る。そして、これに対応する図12中の丸数字の「1」からステップS2へと進む。
ステップS2においては、制御盤100は、エレベータの運転モードが管制運転試験モードであるか否かを確認する。なお、エレベータの運転モードを管制運転試験モードへと移行させるためには、制御盤100のCPU基板と接続したメンテナンスPCを作業員が操作する必要がある。現在のエレベータの運転モードが管制運転試験モードである場合には、ステップS200へと進む。
ステップS200においては、運転制御部122は、運転制御部122の管制運転移行動作の試験を行う管制運転試験モードを開始する。続くステップS201においては、動作評価部124は、以降の処理のための初期設定を行う。具体的には、位置検出の試行回数をカウントするカウンタ、カウンタ基準値、試行における移動幅及び移動時間Tmをクリアする。また、光電センサ20が設置された階床Tを設定する。
ステップS201の後は、ステップS202へと進む。ステップS202においては、運転制御部122は、任意の光電センサ20の設置階Tへと乗りかご2を高速運転で移動させる。この任意の設置階Tは、例えば、現在の乗りかご2の位置に最も近い光電センサ20の設置階Tとすることができる。そして、カウンタ、移動幅及び移動時間Tmをクリアする。なお、この時点においては、検知装置110に入力されているレベル1信号及びレベル2信号は、いずれも受光器11が受光状態であることを示す信号となっている。ステップS202の後はステップS203へと進む。
ステップS203においては、動作評価部124は、カウンタがカウンタ基準値以上であるか否かを確認する。カウンタがカウンタ基準値以上であれば、丸数字の「9」に至る。そして、これに対応する図13中の丸数字の「9」からステップS204へと進む。ステップS204においては、動作評価部124は、受光器11に異常があると判断する。そして、運転制御部122は試験モードを終了し、一連の動作フローは終了となる。
一方、ステップS203においてカウンタがカウンタ基準値未満であれば、ステップS205へと進む。ステップS205においては、試験制御部123は、タイマーの値をクリアした後、タイマーの計時をスタートする。そして、運転制御部122は、乗りかご2を上方に低速運転で移動させる。ステップS205の後はステップS206へと進む。
ステップS206においては、動作評価部124は、カウンタが0を超えているか、すなわち、カウンタが1以上であるか否かを確認する。カウンタが1以上であれば、ステップS207へと進む。ステップS207においては、試験制御部123は、前回の乗りかご2の移動幅に予め定められた係数を乗じて、次回の乗りかご2の移動幅を算出する。例えば、係数を0.9とした場合、前回の移動幅×0.9を次回の移動幅とする。そして、試験制御部123は、算出した次回の移動幅と低速運転の速度とから、次回の移動時間Tmを算出する。
ステップS207の後は、ステップS208へと進む。また、一方で、ステップS206においてカウンタが0であれば、ステップS207を飛ばしてステップS208へと進む。ステップS208においては、試験制御部123は、検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していないことを示す信号となるか、又は、タイマーの値が移動時間Tm以上となったかを確認する。
検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していないことを示す信号となる、及び、タイマーの値が移動時間Tm以上となる、のうちいずれか一方でも成立していれば、ステップS209へと進む。一方、検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していないことを示す信号となる、及び、タイマーの値が移動時間Tm以上となる、のうちのいずれも成立していない場合には、いずれかが成立するまでこのステップS208を繰り返す。
ステップS209においては、運転制御部122は、乗りかご2を停止させる。また、同時に、試験制御部123は、ステップS205で計時を開始したタイマーをストップする。そして、試験制御部123は、ステップS205における低速運転の速度と移動時間とから、乗りかご2の今回の移動幅を算出する。さらに、試験制御部123は、カウンタをインクリメントする。
続くステップS210において、試験制御部123は、ドライバー基板125を介して、投光器代替手段31に投光指令信号を出力する。この投光指令信号を受けて投光器代替手段31は光を射出する。そして、ステップS211へと進む。
ステップS211においては、試験制御部123は、検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していることを示す信号となっているか否かを確認する。検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していることを示す信号となっていれば、かご位置検出部121は、乗りかご2の位置が投光器代替手段31と受光器11とが対向する位置になったと判断する。この場合には、フローは丸数字の「10」に至る。そして、これに対応する図13中の丸数字の「10」からステップS212へと進む。
ステップS212においては、試験制御部123は、レベル1センサ21及びレベル2センサ22の受光器11のそれぞれに対向する投光器代替手段31からの光の射出を断続的に行うことで、検知レベルに応じた管制運転モードへと適切に移行されるか否かを確認し、運転制御部122の管制運転移行動作のチェックを行う。そして、一連の動作フローは終了となる。
一方、ステップS211において、検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していることを示す信号となっていなければ、かご位置検出部121は、投光器代替手段31が受光器11の上方にあり、乗りかご2が投光器10からの光を遮ってしまう位置に乗りかご2があると判断する。この場合には、フローは丸数字の「11」に至る。そして、これに対応する図13中の丸数字の「11」からステップS213へと進む。
ステップS213においては、動作評価部124は、カウンタがカウンタ基準値以上であるか否かを確認する。カウンタがカウンタ基準値以上であれば、ステップS204へと進む。そして、ステップS204において、動作評価部124は、受光器11が異常であると判断する。その後、運転制御部122は試験モードを終了し、一連の動作フローは終了となる。
一方、ステップS213においてカウンタがカウンタ基準値未満であれば、ステップS214へと進む。ステップS214においては、試験制御部123は、ドライバー基板125を介して、投光器代替手段31に投光指令信号を出力する。この投光指令信号を受けて投光器代替手段31は光を射出する。そして、ステップS215へと進む。
ステップS215においては、試験制御部123は、前回の乗りかご2の移動幅に前記係数を乗じて、次回の乗りかご2の移動幅を算出する。例えば、ステップS207と同様に係数を0.9とした場合、前回の移動幅×0.9を次回の移動幅とする。そして、試験制御部123は、算出した次回の移動幅と低速運転の速度とから、次回の移動時間Tmを算出する。ステップS215の後はステップS216へと進む。
ステップS216においては、試験制御部123は、タイマーの値をクリアした後、タイマーの計時をスタートする。そして、運転制御部122は、乗りかご2を今度は下方に低速運転で移動させる。ステップS216の後はステップS217へと進む。
ステップS217においては、試験制御部123は、検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していることを示す信号となるか、又は、タイマーの値が移動時間Tm以上となったかを確認する。検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していることを示す信号となる、及び、タイマーの値が移動時間Tm以上となる、のうちいずれか一方でも成立していれば、ステップS218へと進む。
一方、検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していることを示す信号となる、及び、タイマーの値が移動時間Tm以上となる、のうちのいずれも成立していない場合には、いずれかが成立するまでこのステップS217を繰り返す。
ステップS218においては、運転制御部122は、乗りかご2を停止させる。また、同時に、試験制御部123は、ステップS216で計時を開始したタイマーをストップする。そして、試験制御部123は、ステップS216における低速運転の速度と移動時間とから、今回の乗りかご2の移動幅を算出する。さらに、試験制御部123は、カウンタをインクリメントする。
続くステップS219において、試験制御部123は、ドライバー基板125を介して、投光器代替手段31に遮光指令信号を出力する。この遮光指令信号を受けて投光器代替手段31は光の射出を止める。そして、ステップS220へと進む。
ステップS220においては、試験制御部123は、検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していないことを示す信号となっているか否かを確認する。検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していないことを示す信号となっていなければ、かご位置検出部121は、投光器代替手段31が受光器11の下方にあり、投光器10からの光が常に受光器11により受光されるような位置に乗りかご2があると判断する。この場合には、フローは丸数字の「8」に至る。そして、これに対応する図12中の丸数字の「8」からステップS203へと戻る。
一方、検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していないことを示す信号となっていれば、かご位置検出部121は、乗りかご2の位置が投光器代替手段31と受光器11とが対向する位置になったと判断する。したがって、フローはステップS212へと進む。ステップS212においては、前述したようにして、試験制御部123は、運転制御部122の管制運転移行動作のチェックを行う。そして、一連の動作フローは終了となる。
最後に、図12、図14及び図15を参照しながら、エレベータの運転モードが受光器試験モードの場合の動作の流れについて説明する。まず、図12のステップS2において、現在のエレベータの運転モードが管制運転試験モードでない場合には、丸数字の「7」に至る。そして、これに対応する図14中の丸数字の「7」からステップS3へと進む。
ステップS3においては、制御盤100は、エレベータの運転モードが受光器試験モードであるか否かを確認する。ここで、エレベータの運転モードを受光器試験モードへと移行させるためには、制御盤100のCPU基板と接続したメンテナンスPCを作業員が操作する必要がある。現在のエレベータの運転モードが受光器試験モードでなければ、ステップS4へと進み、平常運転モードを継続し、一連の動作フローは終了となる。一方、現在のエレベータの運転モードが受光器試験モードである場合には、ステップS300へと進む。
ステップS300においては、運転制御部122は、受光器代替手段32を用いて光電センサ20の故障有無の検出するための動作試験を行う受光器試験モードを開始する。続くステップS301においては、動作評価部124は、以降の処理のための初期設定を行う。具体的には、位置検出の試行回数をカウントするカウンタ、カウンタ基準値、試行における移動幅及び移動時間Tmをクリアする。また、光電センサ20が設置された階床Tを設定する。なお、光電センサ20が設置された階床Tの情報は出荷時に制御盤100のメモリ等に予め設定される。
ステップS301の後は、ステップS302へと進む。ステップS302においては、動作評価部124は、光電センサ20が設置された階床Tの全てについてチェックが完了したか否かを確認する。光電センサ20が設置された階床Tの全てについてチェックが完了していれば、ステップS303へと進む。
ステップS303においては、全ての階床Tについて光電センサ20の投光器10は正常であるとして、運転制御部122は試験モードを終了し、一連の動作フローは終了となる。一方、ステップS302で光電センサ20が設置された階床Tの全てについてチェックが完了していなければ、ステップS304へと進む。
ステップS304においては、運転制御部122は、第i番目の光電センサ20の設置階Tiへと乗りかご2を高速運転で移動させる。そして、カウンタ、移動幅及び移動時間Tmをクリアする。なお、この時点においては、検知装置110に入力されているレベル1信号及びレベル2信号は、いずれも受光器11が受光状態であることを示す信号となっている。ステップS304の後はステップS305へと進む。
ステップS305においては、動作評価部124は、カウンタがカウンタ基準値以上であるか否かを確認する。カウンタがカウンタ基準値以上であれば、丸数字の「14」に至る。そして、これに対応する図15中の丸数字の「14」からステップS306へと進む。ステップS306においては、動作評価部124は、階床Tiの投光器10が異常であると判断する。そして、運転制御部122は試験モードを終了し、一連の動作フローは終了となる。
一方、ステップS305においてカウンタがカウンタ基準値未満であれば、ステップS307へと進む。ステップS307においては、試験制御部123は、タイマーの値をクリアした後、タイマーの計時をスタートする。そして、運転制御部122は、乗りかご2を上方に低速運転で移動させる。ステップS307の後はステップS308へと進む。
ステップS308においては、動作評価部124は、カウンタが0を超えているか、すなわち、カウンタが1以上であるか否かを確認する。カウンタが1以上であれば、ステップS309へと進む。ステップS309においては、試験制御部123は、前回の乗りかご2の移動幅に予め定められた係数を乗じて、次回の乗りかご2の移動幅を算出する。例えば、係数を0.9とした場合、前回の移動幅×0.9を次回の移動幅とする。そして、試験制御部123は、算出した次回の移動幅と低速運転の速度とから、次回の移動時間Tmを算出する。
ステップS309の後は、ステップS310へと進む。また、一方で、ステップS308においてカウンタが0であれば、ステップS309を飛ばしてステップS310へと進む。ステップS310においては、試験制御部123は、検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していないことを示す信号となるか、又は、タイマーの値が移動時間Tm以上となったかを確認する。
検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していないことを示す信号となる、及び、タイマーの値が移動時間Tm以上となる、のうちいずれか一方でも成立していれば、ステップS311へと進む。一方、検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していないことを示す信号となる、及び、タイマーの値が移動時間Tm以上となる、のうちのいずれも成立していない場合には、いずれかが成立するまでこのステップS310を繰り返す。
ステップS311においては、運転制御部122は、乗りかご2を停止させる。また、同時に、試験制御部123は、ステップS307で計時を開始したタイマーをストップする。そして、試験制御部123は、ステップS307における低速運転の速度と移動時間とから、乗りかご2の今回の移動幅を算出する。さらに、試験制御部123は、カウンタをインクリメントする。
続くステップS312において、試験制御部123は、受光器代替手段32からレシーバ基板126に入力される信号が受光器代替手段32が受光していることを示す信号となっているか否かを確認する。レシーバ基板126に受光器代替手段32が受光していることを示す信号が入力されていれば、かご位置検出部121は、乗りかご2の位置が受光器代替手段32と投光器10とが対向する位置になったと判断する。この場合には、フローは丸数字の「15」に至る。そして、これに対応する図15中の丸数字の「15」からステップS313へと進む。
ステップS313においては、試験制御部123は、各受光器代替手段32からレシーバ基板126に入力される信号を確認し、それぞれの受光器代替手段32に対向する投光器10が正常であるか否かを判断する。
一方、ステップS312において、レシーバ基板126に受光器代替手段32が受光していないことを示す信号が入力されている場合には、かご位置検出部121は、受光器代替手段32が投光器10の上方にあり、乗りかご2が投光器10からの光を遮ってしまう位置に乗りかご2があると判断する。この場合には、フローは丸数字の「16」に至る。そして、これに対応する図15中の丸数字の「16」からステップS314へと進む。
ステップS314においては、動作評価部124は、カウンタがカウンタ基準値以上であるか否かを確認する。カウンタがカウンタ基準値以上であれば、ステップS306へと進む。そして、ステップS306において、動作評価部124は、階床Tiの投光器10が異常であると判断する。その後、運転制御部122は試験モードを終了し、一連の動作フローは終了となる。
一方、ステップS314においてカウンタがカウンタ基準値未満であれば、ステップS315へと進む。ステップS315においては、試験制御部123は、前回の乗りかご2の移動幅に前記係数を乗じて、次回の乗りかご2の移動幅を算出する。例えば、ステップS309と同様に係数を0.9とした場合、前回の移動幅×0.9を次回の移動幅とする。そして、試験制御部123は、算出した次回の移動幅と低速運転の速度とから、次回の移動時間Tmを算出する。ステップS315の後はステップS316へと進む。
ステップS316においては、試験制御部123は、タイマーの値をクリアした後、タイマーの計時をスタートする。そして、運転制御部122は、乗りかご2を今度は下方に低速運転で移動させる。ステップS316の後はステップS317へと進む。
ステップS317においては、試験制御部123は、レシーバ基板126に受光器代替手段32が受光していることを示す信号が入力されているか、又は、タイマーの値が移動時間Tm以上となったかを確認する。レシーバ基板126に受光器代替手段32が受光していることを示す信号が入力されている、及び、タイマーの値が移動時間Tm以上となる、のうちいずれか一方でも成立していれば、ステップS318へと進む。
一方、レシーバ基板126に受光器代替手段32が受光していることを示す信号が入力されている、及び、タイマーの値が移動時間Tm以上となる、のうちのいずれも成立していない場合には、いずれかが成立するまでこのステップS317を繰り返す。
ステップS318においては、運転制御部122は、乗りかご2を停止させる。また、同時に、試験制御部123は、ステップS316で計時を開始したタイマーをストップする。そして、試験制御部123は、ステップS316における低速運転の速度と移動時間とから、今回の乗りかご2の移動幅を算出する。さらに、試験制御部123は、カウンタをインクリメントする。
続くステップS319において、試験制御部123は、検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していないことを示す信号となっているか否かを確認する。検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していないことを示す信号となっていなければ、かご位置検出部121は、投光器代替手段31が受光器11の下方にあり、投光器10からの光が常に受光器11により受光されるような位置に乗りかご2があると判断する。この場合には、フローは丸数字の「13」に至る。そして、これに対応する図14中の丸数字の「13」からステップS305へと戻る。
一方、検知装置110に入力されるレベル1信号及びレベル2信号が受光器11が受光していないことを示す信号となっていれば、かご位置検出部121は、乗りかご2の位置が受光器代替手段32と投光器10とが対向する位置になったと判断する。したがって、フローはステップS313へと進む。ステップS313においては、前述したようにして、試験制御部123は、投光器10の状態をチェックする。
ステップS313の後は、ステップS320へと進む。ステップS320においては、ステップS313で投光器10の状態をチェックした結果、チェックした全ての投光器10が正常であったか否かを試験制御部123は確認する。そして、正常でない投光器10があったならば、ステップS306へと進み、動作評価部124は、階床Tiの投光器10が異常であると判断する。その後、運転制御部122は試験モードを終了し、一連の動作フローは終了となる。
一方、チェックした全ての投光器10が正常であれば、丸数字の「12」に至る。そして、これに対応する図14中の丸数字の「12」からステップS302へと戻り、次の階床の受光器11の動作試験に移る。
なお、以上においては、投光器代替手段31を用いた受光器11の試験と、受光器代替手段32を用いた投光器10の試験とを別々に行う場合について説明した。しかし、この点については、投光器代替手段31と受光器代替手段32とを同時に乗りかご2に取り付けることが可能であれば、投光器10の試験と受光器11の試験とを同時に行うようにししてもよい。
以上のように構成されたエレベータシステムは、昇降路1内の長尺物が水平方向に予め定められた規定量以上振れたことを検知する検知手段である光電センサ20、センサ検出ボックス12及び検知装置110と、検知手段が有する機能の一部を代替する代替手段30と、代替手段30の動作を制御する試験制御部123と、検知手段が有する機能から代替手段30が代替する前記一部を除いた他部の動作試験を行う動作評価部124と、を備えている。そして、試験制御部123は、代替手段30の動作を制御することで、検知手段により長尺物が規定量以上振れたことが検知されるべき第1の状態と検知されないべき第2の状態とを強制的に作り出し、動作評価部124は、前記第1の状態及び前記第2の状態における検知手段の検知結果を評価することにより、検知手段が有する機能の前記他部の動作試験を行うものである。
このため、昇降路内の長尺物の振れを検出するための検知手段が有する複数の機能の一部についての試験を実施することができ、不具合箇所の特定に有益な情報を得ることが可能である。
ここで、従来のエレベータシステムにおいては、昇降路内の長尺物の振れを検出するための検出センサは、昇降路内における複数の高さ位置に設置される場合がある。さらに、長尺物の振れの方向は2次元的であり、また、長尺物の振れの程度について複数のレベルを設定することで、同一の高さ位置に複数の検出センサが設けられる場合もある。
そのような場合、特許文献1として示した従来技術においては、個々の検出センサの良否を判定するためには、個々の検出センサからの出力をパラレル線でもって別々に制御盤等に取り込む必要があり、配線数や検出信号の制御基板への取り込み数が大幅に多くなってしまう。
これに対し、以上で説明したエレベータシステムは、個々の光電センサ20に合わせて代替手段30を制御し、あるいは、代替手段30からの信号を確認することで、個々の光電センサ20の機能について試験を行うことができる。よって、個々の光電センサ20からの出力を別々に制御盤100に取り込まなくとも、代替手段30と制御盤100との間の制御配線を多くするだけで、個々の光電センサ20について動作試験を行うことができる。
さらに、特許文献1として示した従来技術においては、検出センサは昇降路内の壁面に設置されるため、昇降路内の長尺物の振れ検出時の管制動作の試験をするには、手動で昇降路内の各種ロープを揺らしたり、擬似信号を制御基板に設定したりしなくてはならなかった。
これに対し、以上で説明したエレベータシステムは、さらに、検知手段により長尺物が規定量以上振れたことが検知された場合に、エレベータを管制運転に移行させる運転制御部を備え、動作評価部124は、前記第1の状態及び前記第2の状態において運転制御部122がエレベータを管制運転に移行させたか否かを評価することにより、運転制御部122の動作試験を行うものである。
このように、代替手段30を用いて前記第1の状態及び前記第2の状態を強制的に作り出すことができるため、運転制御部122の管制運転動作の試験を自動的に行うことができる。
1 昇降路、 2 乗りかご、 3 主ロープ、 4 釣合い重り、 5 機械室、 6 巻上機、 7 乗場、 8 制御ケーブル、 10 投光器、 11 受光器、 12 センサ検出ボックス、 20 光電センサ、 21 レベル1センサ、 22 レベル2センサ、 30 代替手段、 31 投光器代替手段、 32 受光器代替手段、 100 制御盤、 110 検知装置、 111 レベル1検知部、 112 レベル2検知部、 120 制御装置、 121 かご位置検出部、 122 運転制御部、 123 試験制御部、 124 動作評価部、 125 ドライバー基板、 126 レシーバ基板

Claims (8)

  1. エレベータの昇降路内の長尺物が水平方向に予め定められた規定量以上振れたことを検知する検知手段と、
    前記検知手段が有する機能の一部を代替する代替手段と、
    前記代替手段の動作を制御する試験制御手段と、
    前記検知手段が有する機能から前記代替手段が代替する前記一部を除いた他部の動作試験を行う動作評価手段と、を備え、
    前記試験制御手段は、前記代替手段の動作を制御することで、前記検知手段により前記長尺物が前記規定量以上振れたことが検知されるべき第1の状態と検知されないべき第2の状態とを強制的に作り出し、
    前記動作評価手段は、前記第1の状態及び前記第2の状態における前記検知手段の検知結果を評価することにより、前記検知手段が有する機能の前記他部の動作試験を行うエレベータシステム。
  2. 前記検知手段により前記長尺物が前記規定量以上振れたことが検知された場合に、前記エレベータを管制運転に移行させる運転制御手段を備え、
    前記動作評価手段は、前記第1の状態及び前記第2の状態において前記運転制御手段が前記エレベータを管制運転に移行させたか否かを評価することにより、前記運転制御手段の動作試験を行う請求項1に記載のエレベータシステム。
  3. 前記検知手段は、前記長尺物が前記規定量以上振れたことを光学的に検知する光電センサを備え、
    前記光電センサは、投光器及び受光器の両者を備え、
    前記検知手段が有する機能の前記一部は、前記両者の一方であり、
    前記検知手段が有する機能の前記他部は、前記両者の他方が含まれる請求項1又は請求項2に記載のエレベータシステム。
  4. 前記光電センサは複数設けられ、
    前記検知手段は、複数の前記光電センサからの出力信号を1つの信号に結合して出力する結合手段を備え、
    前記動作評価手段は、前記結合手段から出力される信号に基づいて前記検知手段の検知結果を評価する請求項3に記載のエレベータシステム。
  5. 前記規定量は、長尺物の振れ幅に関する複数のレベルのそれぞれに対応して複数設定され、
    前記光電センサは、複数の前記レベル毎に複数設けられ、
    前記結合手段は、複数の前記レベル毎に1つの信号に結合して出力する請求項4に記載のエレベータシステム。
  6. 前記代替手段は、前記エレベータの乗りかごに着脱可能に取り付けられる請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のエレベータシステム。
  7. 前記試験制御手段は、前記代替手段の動作及び前記乗りかごの位置を制御することで、前記第1の状態及び前記第2の状態を強制的に作り出す請求項6に記載のエレベータシステム。
  8. 前記試験制御手段は、
    前記エレベータの制御盤に設けられ、前記代替手段の投光動作を制御するドライバーと、
    前記制御盤に設けられ、前記代替手段の受光状態を取得するレシーバと、を備えた請求項3から請求項7のいずれか一項に記載のエレベータシステム。
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