[第1実施形態]
以下に、第1実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。なお、実施形態に係る構成要素や、当該要素の説明について、複数の表現を併記することがある。当該構成要素及び説明について、記載されていない他の表現がされることは妨げられない。さらに、複数の表現が記載されない構成要素及び説明について、他の表現がされることは妨げられない。
図1は、発明の第1実施形態に係るインクジェットプリンタ10の構成を示す図である。図1に示すように、インクジェットプリンタ10は、インクジェットヘッド11と、キャリッジ12と、バー13と、テーブル14と、メンテナンスステーション15と、洗浄ステーション16と、コントローラ19とを備える。バー13は、支持部材の一例である。洗浄ステーション16は、ヘッド洗浄装置の一例である。
インクジェットヘッド11は、複数のノズルが設けられた吐出面を有し、各ノズルはそれぞれ対応するインクを吐出する。例えば、インクジェットプリンタ10は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)、ホワイト、及びその他の色にそれぞれ対応する複数のノズルを有したインクジェットヘッド11を有する。なお、インクジェットヘッド11は、単数でも複数でもよい。
キャリッジ12は、インクジェットヘッド11を保持する。バー13は、主走査方向に沿って延びるとともに、モータ等を用いた駆動機構によって副走査方向に移動する。バー13に、キャリッジ12が移動可能に取り付けられる。すなわち、バー13は、キャリッジ12に保持されたインクジェットヘッド11を支持する。インクジェットヘッド11を保持するキャリッジ12は、バー13に沿って(主走査方向に沿って)移動する。
図面に示されるように、本明細書において、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、副走査方向に沿う。Y軸は、主走査方向に沿う。Z軸は、例えば鉛直方向に沿う。
テーブル14に、メディアMが載置される。メディアMは、紙に限らず、板や布帛、構造体のような種々の物品であって良い。メディアMの厚さ(Z軸に沿う方向の寸法)は、当該メディアMによって異なる。メディアMは、例えば吸引やピン等によって、テーブル14に固定及び位置決めされる。なお、メディアMは、テーブル14に限らず、プラテンのような他の部材に支持されても良い。
バー13は、所定の間隔を介してテーブル14の上に配置される。キャリッジ12は、バー13に沿って、テーブル14上に載置されたメディアM上の走査部分(走査経路)A1と、走査部分A1から外れた二つの延長部分(オーバーラン区間)A2,A3と、を移動する。
インクジェットヘッド11は、キャリッジ12が走査部分A1に位置するときに、テーブル14に載置されたメディアMにインクを吐出する。延長部分A2,A3は、バー13の両端部に位置する。すなわち、二つの延長部分A2,A3の間に、走査部分A1が位置する。
メンテナンスステーション15は、バー13とともに副走査方向に移動する。メンテナンスステーション15は、一方の延長部分A2に位置するキャリッジ12のインクジェットヘッド11に対向するように配置される。
洗浄ステーション16は、バー13とともに副走査方向に移動する。洗浄ステーション16は、他方の延長部分A3に位置するキャリッジ12のインクジェットヘッド11に対向するように配置される。
図2は、インクジェットヘッド11の洗浄を説明するための模式図であり、インクジェットヘッド11及び洗浄ステーション16を示す断面図である。図2に示すように、インクジェットヘッド11は、本体21と、複数の圧力室22と、複数のノズル23と、複数の駆動素子24と、インク供給流路25と、をそれぞれ有する。インク供給流路25は、供給部25aと共通部25bを有し、それぞれ流路の一例である。
本体21は、略直方体に形成される。なお、本体21の形状はこれに限らない。本体21は、略平坦な吐出面26を有する。吐出面26は、下方に向き、テーブル14及びメディアMに対向する。
複数の圧力室22は、本体21の内部に設けられる。圧力室22は、X軸に沿う方向に並んで配置される。複数の圧力室22は、インク供給流路25の共通部25bと、複数のノズル23とを接続する。
複数のノズル23は、インクを吐出するための孔であり、本体21の吐出面26に設けられる。すなわち、吐出面26からインクが吐出される。インクは第1の液体の一例である。ノズル23は、対応する圧力室22を介して、インク供給流路25の共通部25bに連通する。ノズル23は、X軸に沿う方向に並んで配置される。
複数の駆動素子24は、対応する圧力室22の一部を形成する。駆動素子24は、圧電素子であり、電圧が印加されることにより変形することで圧力室22内のインクの圧力を変動させる。駆動素子24は、変形することによって圧力室22の内部のインクの圧力を上下させ、ノズル23からインク滴を吐出させる。なお、駆動素子24は図2に示されるものに限らず、従来のピエゾ方式に分類される全ての駆動方法に適用可能である。例えば、駆動素子24は、圧力室22を形成するダイアフラム膜に積層形成されたものでも良い。また、サーマルジェットやバブルジェット(登録商標)と称されるサーマル方式のものでも良い。
インク供給流路25は、共通部25bによって各圧力室22を接続し、供給部25aから共通部25bを介して各圧力室22にインクを供給する流路である。インク供給流路25は、インク供給部27を介して、ノズル23に対応するインクタンクに接続される。インク供給部27は、液体供給部の一例である。インク供給部27は、インクタンクのインクを、インク供給流路25を介して、圧力室22及びノズル23に供給する。
インク供給部27は、ダンパー31と、第1の電磁弁32と、第2の電磁弁33とを有する。ダンパー31は、インクタンクとインクジェットヘッド11との間の経路に設けられる。ダンパー31は、インクジェットヘッド11に対するインクの出入りにおいて、インクの圧力変動を緩和する。
第1の電磁弁32は、ダンパー31と、インクジェットヘッド11のインク供給流路25との間の経路に設けられる。第1の電磁弁32は、ダンパー31とインク供給流路25との間の液体の流通を遮断する。第2の電磁弁33は、インクタンクと、ダンパー31との間の経路に設けられる。第2の電磁弁33は、インクタンクとダンパー31との間の液体の流通を遮断する。第1及び第2の電磁弁32,33は、例えばディスクバルブやダイヤフラムバルブであるが、摺動によって液体の流通を実質的に遮断するような他の弁であっても良い。第1の電磁弁32及び第2の電磁弁33は流路遮断機構の一例である。
図1に示すメンテナンスステーション15は、比較的短い周期で定期的にインクジェットヘッド11を洗浄し、インクジェットヘッド11による印刷の品質を保つ。すなわち、メンテナンスステーション15は、吐出面26が汚れることを抑制し、ノズル23のインクの粘度を低く保つことで、インクジェットヘッド11のインクの吐出を安定させる。メンテナンスステーション15は、キャップと、ワイパーとを有する。
メンテナンスステーション15のキャップは、下方からインクジェットヘッド11の吐出面26を覆い、ノズル23のインクが乾燥することを抑制する。インクジェットヘッド11は、キャップ中の洗浄液にインクを吐出するフラッシングを行う。ワイパーは、吐出面26を拭く。なお、本発明においてメンテナンスステーションの構成はこれに限定されず、インクジェットヘッド11のメンテナンス機能を備えていればよい。
洗浄ステーション16は、一日毎や数日毎、あるいは週毎などのように、比較的長い周期で定期的にインクジェットヘッド11を洗浄し、インクジェットヘッド11による印刷の品質を保つ。なお、洗浄ステーション16は、定期的ではなく、所定の場合にのみインクジェットヘッド11を洗浄しても良い。洗浄ステーション16は、吐出面26及びノズル23から低粘度〜高粘度のインクを除去し、インクジェットヘッド11を初期状態に戻す。
図2に示すように、洗浄ステーション16は、貯留槽41と、洗浄ユニット42と、ブラシ駆動機構43と、自動レベル調整機構44と、アクチュエータ45と、を有する。ブラシ駆動機構43は、第2の駆動機構の一例である。
貯留槽41は、上端部が開放された箱状に形成される。なお、貯留槽41の形状はこれに限らない。貯留槽41に、洗浄液Lが貯められる。洗浄液Lは、第2の液体の一例であり、例えば溶剤である。
貯留槽41は、底壁46と、複数の側壁47とを有する。複数の側壁47は、底壁46の縁からそれぞれ起立する。底壁46及び側壁47は、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼(例えば、SUS304)や合成樹脂のような非磁性材料によって作られる。
アクチュエータ45は、インクジェットヘッド11が洗浄ステーション16の洗浄位置(延長部分A3)にくると、貯留槽41をインクジェットヘッド11側に移動させ、洗浄動作のための位置に貯留槽41を保持する。このとき、アクチュエータ45は、貯留槽41に貯められた洗浄液Lの液面がインクジェットヘッド11の吐出面26より上になるように貯留槽41を保持し、吐出面26が洗浄液Lに浸漬された状態となるようにする。なお、洗浄動作中に洗浄液Lの液漏れを抑制するため、貯留槽41の側壁47のインクジェットヘッド11に対向する面と吐出面26の間にゴムなどの弾性材を介した状態で、インクジェットヘッド11と貯留槽41を密着させるのが好ましい。
洗浄ユニット42は、ブラシ51と、二つの支持壁52とを有する。ブラシ51は、洗浄部材の一例である。ブラシ51は、貯留槽41の洗浄液Lに浸漬される。ブラシ51は、回転軸54と、複数の毛55と、第1の磁石56とを有する。
回転軸54は、X軸に沿う方向に延びる。回転軸54は、貯留槽41の内部に設けられた支持壁52に回転可能に支持される。毛55は、回転軸54に周方向に配置され、回転軸54から径方向に突出する。これにより、毛55は略円筒形を形成する。毛55は、ポリプロピレン、ナイロン、及びポリカーボンのような、溶剤に耐性がある合成樹脂によって形成される。第1の磁石56は、回転軸54の一方の端部に取り付けられる。第1の磁石56は、貯留槽41の側壁47に対向する。
ブラシ駆動機構43は、第1のモータ61と、ドライバ回路62と、第2の磁石63とを有する。第1のモータ61は、ドライバ回路62により駆動させられる。第2の磁石63は、第1のモータ61の出力軸61aに取り付けられる。第2の磁石63は、貯留槽41の側壁47を介して、第1の磁石56に対向する。
第1の磁石56及び第2の磁石63により、ブラシ駆動機構43は、貯留槽41の側壁47を介して、ブラシ51に磁気的に結合される。第1のモータ61が駆動すると、出力軸61aに取り付けられた第2の磁石63が回転する。これにより、第1の磁石56が取り付けられた回転軸54も回転する。すなわち、ブラシ駆動機構43は、ブラシ51を回転させる。この方法により、貯留槽41からの回転軸を伝っての液漏れを完全になくすことができる。なお、回転軸54は、貯留槽41の側壁47を貫通し、第1のモータ61によって直接回転させられても良い。回転軸54が第1のモータ61によって直接回転させられる場合は、底壁46及び側壁47は非磁性材料ではなくても良く、例えば磁性を有する金属材料によって作られていても良い。
自動レベル調整機構44は、調整タンク67と、供給タンク68とを有する。調整タンク67は、貯留槽41に液体の流通が可能なように接続されるとともに、洗浄液Lを貯める。供給タンク68は、調整タンク67の上方に配置され、洗浄液Lを貯める。
調整タンク67に、大気と連通する連通口67aが設けられる。供給タンク68の底面から、管68aが下方に向かって延びる。管68aの先端は、調整タンク67に貯められた洗浄液Lの液面に浸される。
自動レベル調整機構44は、貯留槽41に洗浄液Lを自動的に供給することができ、貯留槽41の洗浄液Lの液面を一定に保つ。調整タンク67における洗浄液Lの液面の高さは、貯留槽41の洗浄液Lの液面の高さと等しくなる。
貯留槽41に洗浄液Lを供給することにより、調整タンク67の洗浄液Lの液面が下がると、供給タンク68の管68aの先端が当該液面から露出する。これにより、管68aの先端から供給タンク68に空気が入り、供給タンク68の圧力が上昇することで供給タンク68の洗浄液Lが調整タンク67に供給される。
調整タンク67の洗浄液Lの液面が上がると、供給タンク68の管68aの先端が当該液面に浸る。これにより、管68aの先端からの空気の流入が遮断され、供給タンク68からの洗浄液Lの供給が停止する。したがって、調整タンク67の洗浄液Lの液面は、管68aの先端付近に保たれる。
貯留槽41に、排出口71と、排出弁72とが設けられる。排出口71は、貯留槽41の底壁46に開口する。貯留槽41に貯められた洗浄液Lは、排出口71から排出される。排出弁72は、例えば電磁弁である。排出弁72は、排出口71からの洗浄液Lの流出を遮断する。
洗浄ステーション16は、アクチュエータ45によりZ軸に沿う方向に移動させられる。アクチュエータ45は、洗浄ステーション16をZ軸方向に移動させることで、移動するインクジェットヘッド11との衝突防止や、インクジェットヘッド11の洗浄ステーション16での位置を保持する。
図3は、インクジェットヘッド11及び洗浄ステーション16を図2と異なる方向から示す断面図である。図3に示すように、洗浄ステーション16は、払拭ユニット81をさらに有する。払拭ユニット81は、二つのワイパー83と、ワイパー駆動機構84とを有する。ワイパー83は、払拭部材の一例である。ワイパー駆動機構84は、第1の駆動機構の一例である。
ワイパー83は、例えば合成ゴムのような弾性を有する材料によって形成される。ワイパー83は、基部83aと、基部83aよりも薄い先端部83bとを有する。先端部83bは、接触部の一例であり、基部83aよりも撓みやすい。
ワイパー駆動機構84は、二つの支持軸87と、二つの第2のモータ88とを有する。支持軸87は、貯留槽41の洗浄液Lに浸漬され、回転可能に支持される。第2のモータ88は、貯留槽41の外部に配置され、支持軸87を回転させる。第2のモータ88は、支持軸87に直接結合されても良いし、磁気的に結合されても良い。
ワイパー83の基部83aは、支持軸87に取り付けられる。ワイパー83は、支持軸87に取り外し可能に取り付けられ、交換可能であって良い。第2のモータ88が支持軸87を回転させることで、ワイパー83が、露出位置P1と、浸漬位置P2との間で揺動させられる。露出位置P1は、第1の位置の一例である。浸漬位置P2は、第2の位置の一例である。図3において、露出位置P1にあるワイパー83が二点鎖線で示される。
露出位置P1において、ワイパー83は、例えばZ軸に沿う方向に延びる。なお、露出位置P1におけるワイパー83はこれに限らず、Z軸に対して傾斜しても良い。ワイパー83の先端部83bは、貯留槽41の洗浄液Lの液面から突出し、露出させられる。ワイパー83の基部83aは、洗浄液Lに浸漬していても良いし、洗浄液Lから例えば部分的に露出させられても良い。
浸漬位置P2において、ワイパー83は、例えばY軸に沿う方向に延びる。なお、浸漬位置P2におけるワイパー83はこれに限らない。ワイパー83の基部83a及び先端部83bは、貯留槽41の洗浄液Lに浸漬される。
浸漬位置P2において、ワイパー83の先端部83bは、ブラシ51の毛55に接触する。このため、ブラシ駆動機構43によってブラシ51が回転させられると、洗浄液Lの中で、ブラシ51の毛55が先端部83bを擦って洗浄する。
図4は、コントローラ19の構成の一例を示すブロック図である。コントローラ19は、インクジェットプリンタ10の動作を制御する。コントローラ19は、ヘッド位置制御部101と、吐出制御部102と、メンテナンス制御部103と、ワイパー制御部104と、ブラシ制御部105と、電磁弁制御部106と、貯留槽位置制御部107とを備える。
ヘッド位置制御部101は、ドライバ回路111を介して移動機構112を制御する。移動機構112は、例えばモータや、ギヤや、ベルトを有し、キャリッジ12をバー13に沿って移動させる。すなわち、ヘッド位置制御部101は、インクジェットヘッド11及びキャリッジ12のY方向における位置を制御する。
吐出制御部102は、ドライバ回路116を介して、インクジェットヘッド11の駆動素子24を制御する。すなわち、吐出制御部102は、ドライバ回路116を制御し、当該ドライバ回路116から駆動素子24に駆動電圧を供給させる。
吐出制御部102は、複数の駆動素子24を選択的に駆動させることが可能である。すなわち、吐出制御部102は、少なくとも一つの駆動素子24を駆動させ、当該駆動素子24に対応する少なくとも一つのノズル23にインク等の液体の吐出を行わせることができる。すなわち、吐出制御部102と、ドライバ回路116と、駆動素子24とは、第1の制御機構の一例である。
メンテナンス制御部103は、メンテナンスステーション15を制御する。メンテナンス制御部103は、例えばドライバ回路を介してメンテナンスステーション15に含まれるモータや電磁弁を制御することで、キャップに貯められた洗浄液を交換したり、ワイパーによってインクジェットヘッド11の吐出面26を拭いたりする。
ワイパー制御部104は、ドライバ回路118を介して、払拭ユニット81の第2のモータ88を制御する。すなわち、ワイパー制御部104は、ドライバ回路118に第2のモータ88を駆動させることで、ワイパー83を露出位置P1と浸漬位置P2との間で揺動させる。
ブラシ制御部105は、ドライバ回路62を介して、第1のモータ61を制御する。ブラシ制御部105は、ドライバ回路62に第1のモータ61を駆動させることで、上述のようにブラシ51を回転させる。
電磁弁制御部106は、ドライバ回路119を介して、第1の電磁弁32又は第2の電磁弁33を制御する。すなわち、電磁弁制御部106は、ドライバ回路119に駆動信号を入力することで、第1の電磁弁32又は第2の電磁弁33を開閉させる。
貯留槽位置制御部107は、ドライバ回路114を介してアクチュエータ45を制御する。アクチュエータ45は、貯留槽41をZ軸に沿う方向に移動させる。すなわち、貯留槽位置制御部107は、貯留槽41のZ方向における位置を制御する。
コントローラ19と、これに含まれるヘッド位置制御部101、吐出制御部102、メンテナンス制御部103、ワイパー制御部104、ブラシ制御部105、電磁弁制御部106、及び貯留槽位置制御部107等とは、演算装置、メモリ等のハードウェア及びこれらの所定の機能を実現させるプログラムから構成される。
次に、上述のインクジェットプリンタ10の動作について説明する。図5は、インクジェットプリンタ10の動作の一例を示すフローチャートである。以下に説明するインクジェットプリンタ10の動作は、例えば所定のプログラムによって実行される。
インクジェットプリンタ10は、例えば外部のパーソナルコンピュータや、インクジェットプリンタ10に設けられた操作部からの印刷命令に従い、メディアMに印刷を行う。すなわち、インクジェットプリンタ10は、当該印刷命令に基づき、キャリッジ12及びバー13を副走査方向及び主走査方向に移動させる。インクジェットヘッド11が、ノズル23からメディアMにインクを吐出することにより、メディアMに画像が形成される。
キャリッジ12は、上記印刷の間、バー13に沿って走査部分A1と延長部分A2,A3とを移動する。キャリッジ12は、一方の延長部分A2から、走査部分A1を通って、他方の延長部分A3に移動する。他方の延長部分A3に到達したキャリッジ12は、元の延長部分A2(待機位置)に戻る。すなわち、キャリッジ12は、延長部分A2,A3において移動方向の反転を行う。
メンテナンスステーション15と洗浄ステーション16は、キャリッジ12の反転のために必要な空きスペース(延長部分A2,A3)に位置するインクジェットヘッド11にそれぞれ対向する。このため、インクジェットプリンタ10の小型化が可能である。
コントローラ19は、上記印刷中のようにインクジェットプリンタ10が動作している間、インクジェットヘッド11の洗浄を行うタイミングか否かを判断する(ステップS11)。例えば、コントローラ19はタイマによって時間をカウントし、カウントされた時間が所定の周期に達した場合、インクジェットヘッド11の洗浄を行うタイミングであると判断する(ステップS11:Yes)。当該周期は、例えば、半日、又はインクの沈殿や凝縮が発生する時間である。インクジェットヘッド11の洗浄を行うタイミングであると判断された場合、タイマの時間のカウントはリセットされる。
コントローラ19は、例えば、インクジェットプリンタ10の動作が終了するとき(長時間休止時)や、インクジェットヘッド11の内部のインクの粘度が約20ミリパスカル秒以上になったと推定される時に、インクジェットヘッド11の洗浄を行うタイミングであると判断しても良い。なお、インクジェットヘッド11の洗浄を行うタイミングであると判断される基準は、これに限らない。
インクジェットヘッド11の洗浄を行うタイミングであると判断されると、コントローラ19のヘッド位置制御部101は、移動機構112を制御し、キャリッジ12を延長部分A3に移動させる。言い換えると、キャリッジ12は、洗浄ステーション16の上に移動させられる(ステップS12)。
次に、貯留槽位置制御部107は、アクチュエータ45を制御し、貯留槽41を上昇させる。これにより、図3に示すように、インクジェットヘッド11の吐出面26は、貯留槽41の洗浄液Lに浸漬される(ステップS13)。すなわち、貯留槽位置制御部107とアクチュエータ45とは、第2の制御機構の一例である。
次に、ヘッド位置制御部101は、移動機構112を制御し、インクジェットヘッド11をY軸に沿う方向に移動させる。図6は、ブラシ洗浄工程におけるインクジェットヘッド11と洗浄ステーション16とを示す断面図である。図6に示すように、移動するインクジェットヘッド11の吐出面26に、ブラシ51の毛55が接触する。
インクジェットヘッド11が移動させられる間、ブラシ制御部105がブラシ駆動機構43を制御し、ブラシ51が回転させられる。ブラシ51は、正転方向にのみ回転させられても良いし、所定の周期で回転方向を反転させられることで正逆転方向に回転させられても良い。
回転するブラシ51の毛55は、インクジェットヘッド11の吐出面26に付着した汚れを取り除く(ステップS14)。吐出面26が洗浄液Lに浸漬することで、吐出面26に付着したインクの濃度は低下する。さらに、ブラシ51は、洗浄液Lに浸漬された状態で吐出面26を擦る。これにより、吐出面26の汚れが効果的に除去される。すなわち、ブラシ51は、洗浄液Lを用い、吐出面26に接触して当該吐出面26を洗浄する。
一方、ワイパー83は、基本的に浸漬位置P2に配置される。このため、回転するブラシ51の毛55は、ワイパー83の先端部83bを擦り、先端部83bに付着した汚れを取り除く。ワイパー83の他の部分の汚れも、洗浄液Lによって除去される。また、ワイパー83は、移動するインクジェットヘッド11に接触しない。このように、ブラシ51がワイパー83を洗浄するときに、ワイパー83は貯留槽41の洗浄液Lに浸漬される。
ブラシ51によって除去されたインクジェットヘッド11の吐出面26の汚れと、ワイパー83の先端部83bとの汚れは、洗浄液Lに取り込まれる。すなわち、ブラシ51の毛55に汚れが付着したとしても、洗浄液Lの中でブラシ51が回転するため、毛55の汚れは洗浄液Lによって取り除かれる。
図7は、キャリッジ12及びブラシ51を示す底面図である。図7に示すように、ブラシ51の幅(直径、Y軸に沿う寸法)は、インクジェットヘッド11の幅より小さくて良く、小型化が可能である。
次に、インクジェットプリンタ10は、以下に説明するヘッド分割駆動洗浄を行う(ステップS15)。まず、電磁弁制御部106が、第1の電磁弁32を制御することで、ダンパー31とインク供給流路25との間の液体の流通を遮断する。なお、電磁弁制御部106は、第2の電磁弁33を制御して、インクタンクとダンパー31との間の液体の流通を遮断しても良い。また、第1及び第2の電磁弁32,33が閉じられなくとも、インク供給部27の圧力が制御されることで液体の流通が遮断されても良い。
図8は、ヘッド分割駆動洗浄工程におけるインクジェットヘッド11及び洗浄ステーション16を示す断面図である。図8に示すように、複数のノズル23のうち半分のノズル23が、第1のノズル23Aとして設定される。さらに、複数のノズル23のうち他の半分のノズル23が、第2のノズル23Bとして設定される。
複数の第1のノズル23Aは、並べられた複数のノズル23の一方の端部に位置するノズル23を含み、並んで配置される。言い換えると、複数の第1のノズル23Aは、インクジェットヘッド11の吐出面26の一端側の領域に位置するノズル23の一群である。
複数の第2のノズル23Bは、並べられた複数のノズル23の他方の端部に位置するノズル23を含み、並んで配置される。言い換えると、複数の第2のノズル23Bは、インクジェットヘッド11の吐出面26の他端側の領域に位置するノズル23の一群である。なお、第1のノズル23Aと第2のノズル23Bとの配置はこれに限らず、例えば、第1のノズル23Aと第2のノズル23Bとが交互に配置されても良い。
吐出制御部102は、インクジェットヘッド11の吐出面26が洗浄液Lに浸漬された状態で、複数の第1のノズル23Aに対応する駆動素子24のみを駆動させる。すなわち、第1のノズル23Aのみからインクを吐出させ、第2のノズル23Bからはインクを吐出させない。
第1のノズル23Aからインクが吐出させられると、インク供給流路25の圧力が低下する。第1の電磁弁32が閉じているため、インク供給部27からインク供給流路25へのインクの供給は遮断されている。一方、ノズル23が設けられたインクジェットヘッド11の吐出面26は、洗浄液Lに浸漬されて、全てのノズル23が洗浄液Lに浸漬された状態となり、インク供給流路25及び圧力室22が閉空間となっている。このため、第1のノズル23Aからインクが吐出させられることで、インク供給流路25及び圧力室22の閉空間内の圧力が低下し、休止している第2のノズル23Bから、洗浄液Lが吸引される。なお、駆動素子24によって圧力室22の圧力が低下させられることで、第2のノズル23Bから洗浄液Lが吸引されても良い。ここで、ピエゾ素子等の吐出手段が吐出するための形状に変形し、吐出後、吐出手段が元の形状に復元しようとするため、洗浄液Lは第2のノズル23Bからだけでなく、第1のノズル23Aからも吸引される。
第2のノズル23Bから洗浄液Lが吸引されることで、インクジェットヘッド11の内部に洗浄液Lが供給される。さらに、インク供給流路25の共通部25bにおいて、第2のノズル23B側から第1のノズル23A側に向かうインク及び洗浄液Lの流れが生じる。
次に、吐出制御部102は、第2のノズル23Bに対応する駆動素子24を駆動させる。すなわち、第2のノズル23Bから、圧力室22にあるインク及び洗浄液Lの少なくとも一方を吐出させる。これにより今度は、休止している第1のノズル23Aから、洗浄液Lが吸引される。ここで、ピエゾ素子等の吐出手段が吐出するための形状に変形し、吐出後、吐出手段が元の形状に復元しようとするため、洗浄液Lは第1のノズル23Aからだけでなく、第2のノズル23Bからも吸引される。
図9は、第1のノズル23Aが吸引を行い第2のノズル23Bが吐出を行う、インクジェットヘッド11及び洗浄ステーション16を示す断面図である。図9に示すように、第1のノズル23Aから洗浄液Lが吸引されることで、インク供給流路25の共通部25bにおいて、第1のノズル23A側から第2のノズル23B側に向かうインク及び洗浄液Lの流れが生じる。
さらに、第1のノズル23Aからインク及び洗浄液Lの少なくとも一方を吐出するとともに、第2のノズル23Bから洗浄液Lを吸引する工程と、第2のノズル23Bからインク及び洗浄液Lの少なくとも一方を吐出するとともに、第1のノズル23Aから洗浄液Lを吸引する工程と、が交互に複数回行われる。これにより、インクジェットヘッド11の内部のインクは、ほとんど洗浄液Lと入れ替わる。
上述のヘッド分割洗浄工程において、選択的にインクを吐出させられるノズル23の個数は、ノズル23の個数の半分に限られない。例えば、ノズル23の四分の一をそれぞれ含む、第1〜第4のノズルが設定されても良い。
さらに、駆動素子24の駆動周波数は、例えば印刷時における駆動素子24の駆動周波数と同じく、インクジェットヘッド11のヘルムホルツ共鳴周波数の整数倍〜整数分の一倍である。しかし、駆動素子24の駆動周波数はこれに限らず、例えば1キロヘルツ〜1メガヘルツの範囲から任意の周波数が選択されて良い。
次に、貯留槽位置制御部107は、アクチュエータ45を制御し、貯留槽41を下降させる。これにより、インクジェットヘッド11の吐出面26は、貯留槽41の洗浄液Lから露出される。
図10は、ワイピング工程におけるインクジェットヘッド11及び洗浄ステーション16を示す断面図である。図10に示すように、貯留槽41が下降すると、ワイパー制御部104は、第2のモータ88を制御し、ワイパー83を露出位置P1に移動させる。これにより、ワイパー83の先端部83bは、洗浄液Lの液面から露出させられる。
ヘッド位置制御部101は、移動機構112を制御し、インクジェットヘッド11をY軸に沿う方向に移動させる。移動するインクジェットヘッド11の吐出面26に、ワイパー83の先端部83bが接触する。
ワイパー83の先端部83bは、移動するインクジェットヘッド11の吐出面26を拭くことで、吐出面26に残留する洗浄液Lや汚れを取り除く(ステップS16)。これにより、吐出面26は洗浄されるとともに、乾きやすくなる。
次に、ヘッド位置制御部101は、移動機構112を制御し、キャリッジ12を延長部分A2(待機位置)に移動させる(ステップS17)。以上により、洗浄ステーション16によるインクジェットヘッド11の洗浄が完了する。
また、コントローラ19は、インクジェットヘッド11の洗浄を行うタイミングでないと判断した場合(ステップS11:No)、インクジェットヘッド11のメンテナンスを行うタイミングか否かを判断する(ステップS18)。例えば、コントローラ19は別のタイマによって時間をカウントし、カウントされた時間が所定の周期に達した場合、インクジェットヘッド11のメンテナンスを行うタイミングであると判断する(ステップS18:Yes)。当該周期は、インクジェットヘッド11の洗浄を行うタイミングを判断するための周期よりも短い。インクジェットヘッド11のメンテナンスを行うタイミングであると判断された場合、当該タイマの時間のカウントはリセットされる。
コントローラ19は、例えば、インクジェットヘッド11の内部のインクの粘度が約20ミリパスカル秒以下の所定の粘度になったと推測される時に、インクジェットヘッド11のメンテナンスを行うタイミングであると判断しても良い。なお、インクジェットヘッド11のメンテナンスを行うタイミングであると判断される基準は、これに限らない。
インクジェットヘッド11のメンテナンスを行うタイミングであると判断されると、キャリッジ12が延長部分A2(待機位置)にある状態で、コントローラ19の吐出制御部102は、駆動素子24を制御し、駆動素子24を微振動させる(ステップS19)。駆動素子24は、圧力室22のインクの圧力を上下させるが、当該インクはノズル23から吐出しない。当該微振動によって、ノズル23におけるインクのメニスカスが振動し、ノズル23の付近におけるインクの乾燥や粘度の増加が抑制される。なお、駆動素子24の微振動は、メンテナンス中に限らず、インクジェットプリンタ10の動作中に常に行われても良い。
次に、吐出制御部102は、駆動素子24を制御し、ノズル23からインクを吐出させるフラッシングを行う(ステップS20)。インクは、ノズル23から、メンテナンスステーション15のキャップの洗浄液に吐出される。これにより、例えばノズル23の近傍で乾燥により粘度が増加したインクが排出され、ノズル23の詰まり及びインク滴の飛行曲りが抑制される。
次に、メンテナンス制御部103は、メンテナンスステーション15のワイパーにより、インクジェットヘッド11の吐出面26を拭く(ステップS21)。これにより、吐出面26に付着したインクや埃のような汚れが除去される。
以上により、メンテナンスステーション15によるインクジェットヘッド11のメンテナンスが完了する。なお、メンテナンスステーション15は、微振動(ステップS19)、フラッシング(ステップS20)、及びワイピング(ステップS21)の少なくとも一つを選択して行っても良い。
さらに、メンテナンスステーション15は、キャップにより覆われたインクジェットヘッド11の吐出面26のノズル23から、キャップの洗浄液を吸引しても良い。これにより、インクジェットヘッド11の内部の粘度が増加したインクや汚れが除去される。
コントローラ19は、上述のインクジェットヘッド11の洗浄(ステップS11〜S17)及びメンテナンス(ステップS18〜S21)を、インクジェットプリンタ10の動作が終了するまで繰り返す(ステップS22)。これにより、インクジェットヘッド11は清浄に保たれ、印刷の品質を保持する。
インクジェットプリンタ10において、インクチューブ(インクタンクとインクジェットヘッド11との間のインクの経路)におけるインクの顔料の沈殿は、ダンパー31とインクタンク間に環状流路を設け、インクの循環を行うことにより抑制される。ダンパー31における汚れの発生は、メンテナンスステーション15におけるフラッシング(ステップS20)により抑制される。
インクジェットヘッド11の内部、及びノズル23の内部における汚れの発生は、洗浄ステーション16におけるヘッド分割駆動洗浄(ステップS15)により抑制される。ノズル23の周縁における汚れの発生は、洗浄ステーション16におけるブラシ洗浄(ステップS14)及びヘッド分割駆動洗浄(ステップS15)により抑制される。
インクジェットヘッド11の吐出面26における汚れの発生は、洗浄ステーション16におけるブラシ洗浄(ステップS14)により抑制される。ノズル23におけるインクのメニスカスの増粘は、メンテナンスステーション15におけるフラッシング(ステップS20)により抑制される。インクジェットヘッド11の内部におけるインクの顔料の沈殿は、洗浄ステーション16におけるヘッド分割駆動洗浄(ステップS15)により抑制される。
なお、ヘッド分割駆動洗浄(ステップS15)の前にブラシ洗浄(ステップS14)を行うことで、ヘッド分割駆動洗浄(ステップS15)の際に吐出面26に付着した汚れをノズル23から吸引することを抑制できるが、これに限らず、ヘッド分割駆動洗浄(ステップS15)中にブラシ洗浄(ステップS14)を行ってもよい。ブラシ洗浄(ステップS14)によって、吐出面26に汚れが残存することを抑制できる。
以上のように、インクジェットヘッド11の印刷の不具合を生じさせ得る汚れ等の発生は、メンテナンスステーション15、及び洗浄ステーション16によって抑制される。言い換えると、メンテナンスステーション15、及び洗浄ステーション16が組み合わされることで、インクジェットヘッド11が効果的に保守される。
第1実施形態に係るインクジェットプリンタ10によれば、インクジェットヘッド11の吐出面26が洗浄液Lに浸漬された状態で、第1のノズル23Aからインクが吐出され、第2のノズル23Bから洗浄液Lが吸引される。これにより、インクジェットヘッド11のインク供給流路25の共通部25bにおいて、第2のノズル23B側から第1のノズル23A側に向かう洗浄液Lの循環が生じ、少量のインク及び洗浄液Lによってノズル23及びインク供給流路25の内部が洗浄される。したがって、インクジェットプリンタ10の大型化を伴うことなくノズル23が洗浄される。
上述の第1実施形態において、ブラシ51は、ブラシ駆動機構43によって振動させられても良い。ブラシ51は、振動することにより、インクジェットヘッド11の吐出面26を擦って洗浄する。
さらに、ブラシ51は、部分的に洗浄液Lから露出されても良い。この場合、ブラシ51の洗浄液Lから露出された部分が、インクジェットヘッド11の吐出面26を擦って洗浄する。ブラシ51は、回転することによって洗浄液Lを巻き上げる。これにより、吐出面26に洗浄液Lが浴びせられ、吐出面26が洗浄される。さらに、ブラシ51の一部が洗浄液Lに浸漬するため、ブラシ51の多数の毛55は、洗浄液Lを含む。洗浄液Lを含んだブラシ51の毛55がインクジェットヘッド11の吐出面26を擦ることで、吐出面26が効果的に洗浄される。
[第2実施形態]
以下に、第2実施形態について、図11を参照して説明する。なお、以下の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
図11は、第2実施形態に係るインクジェットヘッド11及び洗浄ステーション16を示す断面図である。図11に示すように、第2実施形態における洗浄ユニット42は、ブラシ51の代わりに、超音波洗浄装置121を有する。
超音波洗浄装置121は、貯留槽41に取り付けられ、貯留槽41に貯められた洗浄液Lに超音波を伝播させる。当該超音波は、洗浄液Lに浸漬されたインクジェットヘッド11の吐出面26と、ワイパー83とを洗浄する。
第2実施形態の超音波洗浄装置121のように、洗浄ユニット42は、接触を伴わずにインクジェットヘッド11の吐出面26やワイパー83を洗浄しても良い。また、洗浄ユニット42は、第1実施形態のブラシ51と、第2実施形態の超音波洗浄装置121とを両方とも有しても良い。
第2実施形態の払拭ユニット81は、一つのワイパー83を有する。ワイパー83の個数は、第1実施形態のように二つであっても、第2実施形態のように一つであっても、他の個数であっても良い。
上述の本発明の実施形態は、発明の範囲を限定するものではなく、発明の範囲に含まれる一例に過ぎない。また、模式図は、実際のインクジェットヘッドの構造を示しているものではなく、インク流路やインク駆動素子なども実際の形状とは異なる。本発明のある実施形態は、上述の実施形態に対して、例えば、具体的な用途、構造、形状、作用、及び効果の少なくとも一部について、発明の要旨を逸脱しない範囲において変更、省略、及び追加がされたものであっても良い。
例えば、洗浄ステーション16は、例えば吐出するインクがエマルションインクおよび紫外線硬化型インクのように、一旦硬化してしまうと、対候性が高いインクの場合には吐出面26に硬化したインクが付着したままになるため、ブラシ洗浄(ステップS14)のように物理的に剥離させてからヘッド分割駆動洗浄(ステップS15)を行うことが望ましいが、上述したようなインクを用いない場合には、ヘッド分割駆動洗浄(ステップS15)のみを行うようにしても良い。また、洗浄ステーション16は、複数の貯留槽41を有しても良い。すなわち、ブラシ洗浄(ステップS14)がされる貯留槽41と、ヘッド分割駆動洗浄(ステップS15)がされる貯留槽41とが分けられても良い。