JP2016011533A - ハイブリッド式作業車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイブリッド式作業車両におけるショックダンプ操作を改善する。【解決手段】ハイブリッド式作業車両は、エンジン1で駆動される発電電動機5の電力で駆動される走行電動機7F,7Rと、エンジン1で駆動される可変容量油圧ポンプ9から吐出される圧油で駆動される油圧アクチュエータ12,13と、要求トルク指令を出力するアクセルペダルと、ポンプ要求流量指令を出力する作業操作部材31と、可変容量油圧ポンプ9の押除け容積を所定値増加させる増加指令を出力する増加指令部材41と、非走行作業時、要求トルク指令およびポンプ要求流量指令が入力されると、ポンプ要求流量指令に基づいて、エンジン1の回転数と可変容量油圧ポンプ9の押除け容積を制御し、ポンプ要求流量指令および増加指令が入力されると、ポンプ要求流量指令および増加指令に基づいて、エンジン1の回転数と可変容量油圧ポンプ9の押除け容積を制御する制御部100とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、ハイブリッド式作業車両に関する。
従来から、オペレータによるレバー操作量とエンジンの回転数とに基づいて油圧ポンプの吐出量を制御することによって、操作量に応じた操作速度で油圧アクチュエータを駆動するハイブリッド式のホイールローダが知られている(たとえば特許文献1)。
特開2011−47317号公報
しかしながら、作業の形態によっては、オペレータによるレバー操作時に油圧アクチュエータを即座に駆動させるために必要となる油圧ポンプの吐出量を得ることができず、油圧アクチュエータを高い応答性にて高速駆動できないという問題がある。
請求項1の発明によるハイブリッド式作業車両は、発電電動機の電力で駆動される走行電動機と、エンジンで駆動される可変容量油圧ポンプと、可変容量油圧ポンプから吐出される圧油で駆動される油圧アクチュエータと、要求トルク指令を出力するアクセルペダルと、ポンプ要求流量指令を出力する作業操作部材と、可変容量油圧ポンプの押除け容積を所定値増加させる増加指令を出力する増加指令部材と、ポンプ要求流量指令が入力されると、ポンプ要求流量指令に基づいて前記エンジンの回転数と前記可変容量油圧ポンプの押除け容積を制御し、前記ポンプ要求流量指令および前記増加指令が入力されると、前記ポンプ要求流量指令および前記増加指令に基づいて前記エンジンの回転数と前記可変容量油圧ポンプの押除け容積を制御し、前記要求トルク指令が入力されると、その要求トルク指令も用いて前記エンジンの回転数を制御する制御部とを備える。
請求項2の発明は、請求項1に記載のハイブリッド式作業車両において、制御部は、増加指令が入力されると、ポンプ要求流量指令を所定値増加させたときの可変容量油圧ポンプの吸収トルクに応じたエンジン出力を演算し、その演算結果に基づいてエンジンの回転数を制御する。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のハイブリッド式作業車両において、制御部は、ポンプ要求流量指令に基づく押除け容積制御とエンジン回転数制御を実行中に増加指令が入力されると、ポンプ要求流量指令および増加指令に基づく押除け容積制御とエンジン回転数制御を開始し、その後、増加指令が入力されたときは、ポンプ要求流量指令に基づく押除け容積制御とエンジン回転数制御を実行する。
請求項4の発明は、請求項1または2に記載のハイブリッド式作業車両において、制御部は、増加指令が入力されると、ポンプ要求流量指令および増加指令に基づく押除け容積制御とエンジン回転数制御を開始し、増加指令の入力から所定時間以上経過したとき、ポンプ要求流量指令と増加指令に基づく押除け容積制御とエンジン回転数制御を中止して、ポンプ要求流量指令に基づく押除け容積制御とエンジン回転数制御を実行する。
請求項5の発明は、請求項4に記載のハイブリッド式作業車両において、上記所定時間を設定する設定部をさらに備える。
本発明によれば、増加指令部材による指示に応じて、油圧アクチュエータの応答性を高めることができる。
本発明の実施の形態によるハイブリッド式作業車両の外観側面図 実施の形態によるハイブリッド式作業車両の回路ブロック図 メインコントローラの機能を説明するブロック図 許容充電電力マップの一例を示す図 ポンプ要求流量マップの一例を示す図 アクセル要求トルクマップの一例を示す図 (a)は、操作装置の操作量と油圧ポンプからの圧油の吐出量の要求値(ポンプ要求流量)との関係、および操作装置の操作量とエンジンの回転数との関係を示す図、(b)は、操作装置の操作量とポンプ増加流量との関係を示す図 実施の形態によるハイブリッド式作業車両の動作を説明するフローチャート
本発明によるハイブリッド式作業車両は、アクセルペダルの踏込量に応じた発電電動機の発電電力で走行電動機が駆動されて走行する。また、操作装置の操作量に応じたポンプ要求流量に基づいて可変容量油圧ポンプの押除け容積とエンジン回転数が決定される。作業用油圧アクチュエータは可変容量油圧ポンプから吐出される圧油で駆動される。この種のハイブリッド式作業車両では、従来のトルコン式ホイールローダやHST式ホイールローダとは異なり掘削作業中にアクセルペダルによりエンジン回転数を増減することができない。そのため、たとえばバケットから雪などの粘度の高い積載物を放土する際、一時的にバケットを急速度でダンプする作業においては操作装置を急操作してもバケットの急操作ができない。本発明によるハイブリッド式作業車両は、このような問題を解決するものである。図面を参照しながら、本発明の実施の形態によるハイブリッド式作業車両について説明する。
図1は実施の形態のハイブリッド式作業車両200の一例として示されるホイールローダの外観側面図であり、図2はハイブリッド式作業車両200の主要構成を示す回路ブロック図である。
図1に示すように、ハイブリッド式作業車両200は、アーム201、バケット20、前輪18a,18b等を有する前部車体202と、運転室19、後輪18c,18d等を有する後部車体203とを有する。アーム201はアームシリンダ13の駆動により上下方向に回動(俯仰動)し、バケット20はバケットシリンダ14の駆動により上下方向に回動(ダンプまたはクラウド)する。なお、前輪18a,18bと後輪18c,18dについて、総称する場合には車輪18として説明する。
前部車体202と後部車体203とは、不図示の連結軸により互いに回動自在に連結されている。このハイブリッド式作業車両200は、連結軸にて前部車体202と後部車体203とが屈曲されるアーティキュレート式の作業車両である。前部車体202と後部車体203には、連結軸を中心とする一対のステアリングシリンダ(以下、ステアリングシリンダ)12の一端と他端とが、それぞれ回転可能に係止されている。後述する油圧装置により一対のステアリングシリンダ12のうち一方を伸長、他方を縮退させることにより、前部車体202と後部車体203とをそれぞれ連結軸を中心に回転させる。これにより、前部車体202と後部車体203との相対的な取付角度が変化し、車体が屈曲して換向する。
図2に示すように、ハイブリッド式作業車両200は、エンジン1、エンジン1の駆動を制御するエンジン制御装置(以下、エンジンコントローラ)2、蓄電装置(以下、キャパシタ)3、コンバータ4、発電電動機5、発電インバータ6、走行電動機7F,7R、走行インバータ8F,8R、油圧ポンプ9、操作装置31、シフトスイッチ40および吐出容量増加スイッチ41を備えている。またハイブリッド式作業車両200は、以上の構成部を制御する主制御装置(以下、メインコントローラ)100を備えている。
油圧ポンプ9はハイブリッド式作業車両200の各油圧アクチュエータ、すなわちステアリングシリンダ12、リフトシリンダ13およびバケットシリンダ14に圧油を供給する可変容量型油圧ポンプである。油圧ポンプ9の回転軸はエンジン1の駆動軸と同軸上に設けられている。油圧ポンプ9がエンジン1により駆動されると、オイルタンク10の作動油がコントロールバルブ11を介してステアリングシリンダ12、リフトシリンダ13およびバケットシリンダ14に供給される。コントロールバルブ11は、ステアリングシリンダ12、リフトシリンダ13およびバケットシリンダ14のボトム室またはロッド室への作動油の流れを制御する制御弁である。コントロールバルブ11は、運転室19内に設置された操作装置31から出力される信号(油圧信号または電気信号)によって制御される。油圧ポンプ9からコントロールバルブ11に導かれた作動油は、操作装置31の操作に応じてステアリングシリンダ12、リフトシリンダ13およびバケットシリンダ14に分配される。
発電電動機5は、エンジン1の駆動軸と同軸上にある回転軸にロータが取り付けられ、ロータの外周にステータが配置されている。発電電動機5は発電機モードと電動機モードのいずれかのモードで駆動される。発電機モードが選択されているとき、発電電動機5は、エンジン1によってロータが回転することにより発電する。発電インバータ6は発電電動機5で発電された交流電力を所定電圧の直流電力に変換する。電動機モードが選択されているとき、発電電動機5は、発電インバータ6から交流電力が供給されて電動機として機能する。発電電動機5の回転軸はエンジン1の回転軸と油圧ポンプ9の回転軸に連結されている。そのため、発電電動機5の出力トルクは油圧ポンプ9に与えられる。
コンバータ4は、キャパシタ3に蓄電された電荷により得られる直流電力を所定電圧に昇圧して、発電電動機5、走行電動機7F,7Rに供給する。コンバータ4は、後述するメインコントローラ100により制御される。
なお、キャパシタ3に代えて、たとえば鉛蓄電池や、リチウムイオンバッテリのような2次電池を用いてもよい。
走行電動機7F,7Rは、キャパシタ3および発電電動機5に電力線を介して接続され、キャパシタ3および発電電動機5の一方、または双方から供給される電力によって車輪18を駆動する。走行加速時には、走行電動機7F,7Rは、後述する走行インバータ8F,8Rにより力行駆動される。力行駆動により発生した力行トルクはプロペラシャフト15f,15r、ディファレンシャルギア16f,16rおよびドライブシャフト17a,17b,17c,17dを介して前輪18a,18bおよび後輪18c,18dへと伝えられ、ハイブリッド式作業車両200が加速する。走行制動時には、走行電動機7F,7Rが発生した回生トルク(制動トルク)は、車輪18へと伝えられ、ハイブリッド式作業車両200が減速する。
走行インバータ8F,8Rは、走行加速時には走行電動機7F,7Rに交流走行駆動電力を供給してそれぞれ駆動する。また、走行インバータ8F,8Rは、走行制動時に走行電動機7F,7Rで発生した回生電力(交流電力)を所定電圧の直流電力に変換してキャパシタ3に供給する。コンバータ4、発電インバータ6および走行インバータ8F,8Rは、同一の電力線に接続され、相互に電力の供給が可能となるように構成されている。また、コンバータ4は、電力線に取り付けられた平滑コンデンサ(不図示)の直流電圧(DC電圧)を監視し、この平滑コンデンサのDC電圧を一定に保つようにキャパシタ3の充放電を制御する。
運転室19に設けられた操作装置31は、ステアリングホイール、リフトレバー、バケットレバー等を含んで構成される。ステアリングホイールはステアリングシリンダ12を伸縮させる際に操作される。オペレータはステアリングホイールを操作することで、ステアリングシリンダ12を伸縮させてハイブリッド式作業車両200の操舵角を調整して、ハイブリッド式作業車両200を旋回させる。リフトレバーはリフトシリンダ13を伸縮する際に操作される。バケットレバーはバケットシリンダ14を伸縮する際に操作される。オペレータはリフトレバー、バケットレバー等を操作することにより、アームシリンダ13およびバケットシリンダ14を伸縮させて、バケット20の高さと傾きとを制御し、掘削および荷役作業を行う。
運転室19には、シフトスイッチ40、図示しないアクセルペダル、ブレーキペダル、前後進スイッチ操作部が設けられている。オペレータはシフトスイッチ40を操作することによって、たとえば1速〜3速の間で速度段を設定することができる。シフトスイッチ40は、設定された速度段を示す信号(速度段信号)を後述するメインコントローラ100へ出力する。オペレータは、上記のシフトスイッチ40、アクセルペダル、ブレーキペダル、前後進スイッチ操作部を操作することによって、車輪18を駆動してハイブリッド式作業車両200を走行させることができる。アクセルペダルの踏込量はアクセルペダル踏込量に応じアクセル信号を出力するセンサ290で検出され、ブレーキペダルの踏込量はブレーキペダル踏込量に応じたブレーキ信号を出力するセンサ291で検出される。それらのセンサ290,291は、オペレータによる操作量、すなわち踏込量に応じて、それぞれアクセル信号とブレーキ信号とを後述するメインコントローラ100へ出力する。また、前後進スイッチ操作部が前進側または後進側に操作されたことは前後進スイッチ292により検出され、この前後進スイッチ292は前進信号または後進信号をメインコントローラ100に送信する。
なお、本実施の形態のハイブリッド式作業車両200は、ブレーキペダルの操作に応じて油圧ブレーキ制御弁35a,35bに所定の油圧力が導入され、ディスクブレーキである油圧ブレーキ36a,36bにより摩擦力で車輪18a,18bの回転を機械的に制動する。そして、上述した走行電動機7F,7Rの回生トルクによる回生制動力も加味される。
吐出容量増加スイッチ41も運転席19内に設けられる。オペレータは吐出容量増加スイッチ41をオン操作することによって、操作装置31の操作量にかかわらず油圧ポンプ9から吐出される圧油の吐出容量を増加させることができる。吐出容量増加スイッチ41が再度オペレータによって操作(オフ操作)されると、油圧ポンプ9から吐出される圧油の吐出容量の増加を終了させることができる。なお、ハイブリッド式作業車両200を起動させるタイミングにおいては、吐出容量増加スイッチ41は常にオフ位置にセットされる。また、吐出容量増加スイッチ41のオン操作に応じて油圧ポンプ9からの圧油の吐出容量が増加されてから、所定時間が経過した場合に圧油の吐出容量の増加を終了させるものも本発明の一態様に含まれる。この場合、メインコントローラ100は、オペレータによる設定操作に応じて所定時間を設定することができる。
速度センサ21は、ハイブリッド式作業車両200の走行速度を検出して、速度信号をメインコントローラ100へ出力し、モータ回転数センサ22は、走行電動機7F,7Rの回転数を検出して、モータ回転数信号をメインコントローラ100へ出力する。
メインコントローラ100は、CPU、ROM、RAMなどを有し、制御プログラムに基づいてハイブリッド式作業車両200の各構成要素を制御したり、各種のデータ処理を実行したりする演算回路である。メインコントローラ100は、上述したアクセルペダル踏込量センサ290、ブレーキペダル踏込量センサ291、シフトスイッチ40からそれぞれ入力したアクセル信号とブレーキ信号と速度段信号とを用いて車速制御を行う。メインコントローラ100は、上述した吐出容量増加スイッチ41からオン操作に応じた操作信号を入力すると、油圧ポンプ9から吐出される圧油の吐出容量を増加させるための制御を行う。このような制御中に、ふたたび吐出容量増加スイッチ41がオン操作されると、ポン要求量増加制御は中止される。
図3に示すように、メインコントローラ100は、蓄電管理部110と、油圧要求演算部120と、走行要求演算部130と、出力管理部140と、目標回転数演算部150と、発電電動機制御部160と、傾転角制御部170と、走行電動機・ブレーキ制御部180と、ブレーキ制御部190とを機能的に備える。
以下の数式(1)〜(14)で用いる主な表記は以下のとおりである。
「トルク」 Trq
「出力」 Pwr
「ポンプ」 Ppmp
「走行」 drv
「アクセル」 acc
「発電」 gen
「要求」 req
「指令(目標値)」
「走行電動機」、「回生電力」 mot
油圧要求出力 Pwr_pmp_req …(1)式
アクセル要求トルク Tr_acc_req …図6のアクセル要求トルクマップ
走行要求トルク Trq_drv_req …(2)式
走行要求出力 Pwr_drv_req …(3)式
エンジン出力指令 Pwr_eng_t …(9)式
回生電力低減指令 dPwr_mot_t …(6)式
発電出力指令 Pwr_gen_t …(8)式
発電電動機トルク指令 Trq_gen_t …(10)式
走行電動機トルク指令 Trq_mot_t …(12)式
エンジン回転数指令 Neng_t
制動トルク指令 Trq_brk_t …(13)式
エンジン回転数 Neng
走行電動機回転数 Nmot
−許容充電電力−
蓄電管理部110は、キャパシタ3の許容充電電力を演算して出力演算部140に出力する。蓄電管理部110には、コンバータ4で検出されるキャパシタ3の蓄電電圧が入力される。蓄電管理部110は、コンバータ4から入力したキャパシタ3の蓄電電圧と、メインコントローラ100内の記憶装置(不図示)に記憶された許容充電電力マップとに基づいて、キャパシタ3の許容充電電力を算出する。
図4に許容充電電力マップの一例を示す。図4では、Vcmin、Vcmaxはそれぞれキャパシタ3が劣化しにくい使用範囲における最低電圧、最高電圧である。許容充電電力マップは、キャパシタ3の蓄電電圧が最高電圧Vcmaxを超えないように、許容充電電力が最高電圧Vcmax付近で0以下になるように設定されている。一方、図4において、Icmaxはコンバータ4の最大電流制限に基づいて設定される。許容充電電力マップは、充電電流が最大電流制限Icmaxを超えないように蓄電電圧が低いほど許容充電電力が小さくなるようにも設定されている。
なお、上記は充電時における例を説明するものであるが、放電時においても同様の演算が成される。
−油圧要求演算部120−
油圧要求演算部120は、油圧ポンプ9の油圧要求出力Pwr_pmp_reqを演算する。油圧要求演算部120には、リフトレバーおよびバケットレバー、すなわち操作装置31からレバー信号が入力され、油圧ポンプ9とコントロールバルブ11との間に設けられた圧力センサ(不図示)からポンプ圧ppmpが入力される。なお、説明を簡略化するため、ステアリングホイールの操作およびステアリングシリンダ12の動作については演算に含めないものとする。
図5は、ポンプ要求流量マップの一例を示す図である。ポンプ要求流量マップは、レバー信号にポンプ要求流量がほぼ比例するように設定され、メインコントローラ100の記憶装置(不図示)に記憶されている。ポンプ要求流量マップは、リフトレバー用とバケットレバー用の2つが設定されている。操作装置31の操作量に対するリフトアームやバケットの操作量の最適値は異なるからである。なお、共通のマップとしてもよい。
油圧要求演算部120は、受信したレバー信号とポンプ要求流量マップとに基づいて、ポンプ要求流量qpmp_reqを算出する。そして油圧要求演算部120は、算出したポンプ要求流量qpmp_reqと、受信したポンプ圧力ppmpとポンプ増加流量ΔqQupとエンジン回転数Nengを用いて、以下の(1)式により油圧要求出力Pwr_pmp_reqを算出する。
wr_pmp_req={qpmp_req+sign(Qupsw)・ΔqQup}・ppmp…(1)
なお、ポンプ増加流量ΔqQupは後述する所定値として設定され、signは符号関数であり、吐出容量増加スイッチ41がオン操作されている場合はsign(Qupsw)が「1」となり、吐出容量増加スイッチ41がオン操作されていない場合はsign(Qupsw)が「0」となる。
なお、説明を簡略化するため、油圧ポンプ9の効率は考慮しないものとし、以下の計算式においても同様に油圧ポンプ9の効率は含まれない。また、リフトレバーとバケットレバーが同時操作されることもあり、その場合のポンプ要求流量は、それぞれのレバーからの要求流量のうちの大流量側を選択することにより決定される。なお、両操作レバーの操作と車体による作業状態とに基づいて、それぞれの操作レバーの操作量により要求されるポンプ要求流量を選択するようにしても良い。
−走行要求演算部130−
走行要求演算部130は、走行時に走行電動機7F,7Rに要求されるトルクである走行要求トルクTrq_drv_reqを(2)式に基づいて算出して出力し、走行時に走行電動機7で消費または発生(回生)される電力である走行要求出力Pwrcdrv_reqを(3)式に基づいて算出して出力する。このとき、走行要求演算部130は、メインコントローラ100の記憶装置(不図示)に記憶されたアクセル要求トルクマップを用いて演算を行う。
図6にアクセル要求トルクマップの一例を示す。アクセル要求トルクマップは速度段ごとに設けられる。(a)が1速、(b)が2速、(c)が3速の特性である。アクセル要求トルクTrq_acc_reqは、アクセル信号と、走行電動機7F,7Rの回転数の絶対値とに基づいて算出される。すなわち、走行要求演算部130は、シフトスイッチ40から入力される速度段信号と、アクセルペダルの踏込量を検出するセンサ290から入力されるアクセル信号と、車両の走行速度に相当する、回転数センサ22から入力される走行電動機回転数Nmotとに基づいて、設定された速度段に対応するアクセル要求トルクマップを選択してアクセル要求トルクTrq_acc_reqを算出する。そして、走行要求演算部130は、算出したアクセル要求トルクTrq_acc_reqと、前後進スイッチから入力される前後進スイッチ信号VFNRと、車両の走行速度に相当する、回転数センサ22から入力される走行電動機回転数Nmotと、ブレーキペダルの踏込量を検出するセンサ291から入力されるブレーキ信号Vbrkとを用いて、以下の(2)式により走行要求トルクTrq_drv_reqを算出する。
rq_drv_req=sign(VFNR)・Trq_acc_req−sign(Nmot)・Kbrk・Vbrk
…(2)
ただし、signは符号関数であり、引数が正の場合は「1」を、負の場合は「−1」を、0の場合は「0」を返すものとする。さらに、前後進スイッチ信号VFNRは、前後進スイッチが前進方向の場合は「1」を、後進方向の場合は「−1」を、中立の場合は「0」を示す。Kbrkは比例定数であり、ブレーキペダルの操作によって過不足のない減速が得られるように予め設定されている。また、αは、速度段とアクセルペダル踏込量の関数であり、速度段が小さいほど大きな値を、アクセルペダル踏込量が小さいほど大きな値を設定している。
走行要求演算部130には、コンバータ4で検出されるDC電圧VDCと、走行インバータ8F,8Rで検出される走行直流電流(DC電流)IDC_motが入力されている。ただし、走行DC電流は走行インバータ8F,8Rの電力線側を流れるDC電流であり、消費側を正とし、回生側を負とする。走行要求演算部130は、DC電圧VDCと、走行DC電流IDC_motとを用いて、以下の(3)式により走行要求出力Pwr_drv_reqを算出する。
wr_drv_req=VDC・IDC_mot …(3)
(3)式によれば、回生運転時の走行要求出力Pwr_drv_reqは負の値をとる。
−出力管理部140−
出力管理部140には、エンジンコントローラ2からのエンジン回転数Nengと、蓄電管理部110からの許容充電電力Pwr_chg_maxと、油圧要求演算部120からの油圧要求出力Pwr_pmp_reqと、走行要求演算部130からの走行要求出力Pwr_drv_reqとが入力される。
出力管理部140は、(4)式に基づいて余剰電力Pwr_supを算出する。また、(5)式に基づいて傾転角増加指令dDpmpを算出して出力し、(6)式に基づいて回生電力低減指令dPwr_mot_tを算出して出力し、(8)式に基づいて発電出力指令Pwr_gen_tを算出して出力し、(9)式に基づいてエンジン出力指令Pwr_eng_tを算出して出力する。
なお、出力管理部140は、エンジン回転数を受信して演算に用いているが、エンジン1、発電電動機5および油圧ポンプ9が機械的に接続されているため、エンジン回転数に代えて発電電動機5および油圧ポンプ9の回転数をセンサ等を介して適宜受信して演算に用いてもよい。
(余剰電力)
出力管理部140は、走行要求演算部130で(3)式で算出した走行要求出力Pwr_drv_reqを受信する。この走行要求出力Pwr_drv_reqが0以上であれば、出力管理部140はハイブリッド式作業車両200が力行運転中と判断し、走行要求出力Pwr_drv_reqが負であればハイブリッド式作業車両200が回生運転中と判断する。ハイブリッド式作業車両200が回生運転中と判断すると、出力管理部140は、蓄電管理部110からの許容充電電力Pwr_chg_maxと、走行要求演算部130からの走行要求出力Pwr_drv_reqとを用いて、以下の(4)式により、余剰電力Pwr_supを算出する。
wr_sup=max(|Pwr_drv_req|−Pwr_chg_max,0)…(4)
回生時の走行要求出力Pwr_drv_reqの絶対値が許容充電電力Pwr_chg_maxより大きいとき、その差が余剰電力Pwr_supとして計算される。
すなわち、余剰電力Pwr_supとは、回生運転中の走行電動機7F,7Rによる回生電力がキャパシタ3に充電可能な許容充電電力を上回っている電力である。したがって、この余剰電力は、発電電動機5を駆動して消費するか、あるいは、回生電力自体を低減して余剰電力自体を低減する必要がある。
余剰電力Pwr_supの消費は、(10)式で算出される発電電動機トルク指令Trq_gen_tにより発電電動機5を駆動することで消費される。また、余剰電力Pwr_supは、エンジン回転数Nengとその第2閾値Neng_th2との差(Neng−Neng_th2)から(6)式で算出される回生電力低減指令により低減される。この点は後に詳述する。
出力管理部140は、算出した余剰電力Pwr_supが0か否かを監視することで、走行電動機7F,7Rで発生した全ての回生電力をキャパシタ3に充電可能か否か、すなわち余剰電力Pwr_supが発生するか否かを判定する。ただし、力行運転中と判断されている場合には、余剰電力Pwr_supは0に設定される。
すなわち、出力管理部140は、(4)式で算出される余剰電力Pwr_supから以下のことを認識することができる。
(a)余剰電力Pwr_supが0のときは、回生電力でキャパシタ3を充電することができると認識する。
(b)余剰電力Pwr_supが0ではないときは、回生電力でキャパシタ3を充電することができないと認識する。
出力管理部140は(b)を認識すると、発電電動機5を電動モードで駆動して回生電力を消費するか、もしくは、回生電力低減指令により余剰電力自体を低減する。
(エンジン回転数判定)
出力管理部140は、ハイブリッド式作業車両200が回生運転中と判断すると、エンジン1の回転数Nengが第1設定閾値Neng_th1以下であるか、さらに第2設定閾値Neng_th2以下であるかを判定する。ここで、第1設定閾値Neng_th1および第2設定閾値Neng_th2は、「エンジン1のアイドル回転数<第1設定閾値Neng_th1<第2設定閾値Neng_th2<min(エンジン1の最高回転数、油圧ポンプ9の最高回転数)」を満たすように設定されている。第1設定閾値Neng_th1および第2設定閾値Neng_th2は、メインコントローラ100の記憶装置に記憶され、必要に応じて適宜再設定が可能である。なお、エンジン1の回転数に代えて、発電電動機5の回転数を用いても良いし、油圧ポンプ9の回転数を用いても良い。
出力管理部140は、入力されたエンジン1の回転数と第1設定閾値Neng_th1と第2設定閾値Neng_th2とを比較して、エンジン1が低回転モードか、回転抑制モードか、高回転モードかを判定する。この場合、エンジン1の回転数Nengが第1設定閾値Neng_th1以下であれば、出力管理部140はエンジン1を低回転モードと判定する。エンジン1の回転数Nengが第1設定閾値Neng_th1よりも大きく第2設定閾値Neng_th2以下であれば、出力管理部140はエンジン1を回転抑制モードと判定する。エンジン1の回転数Nengが第2設定閾値Neng_th2よりも大きい場合は、出力管理部140はエンジン1を高回転モードと判定する。
なお、ハイブリッド式作業車両200が力行運転中と判断された場合には、出力管理部140は、エンジン回転数Nengの大小にかかわらず、エンジン1を通常モードと判定する。
以上のように、この実施の形態のハイブリッド式作業車両200ではエンジン1の運転モードを以下の4つのモードに分類している。
回生運転時は、低回転モードと、回転抑制モードと、高回転モードに分類し、力行運転時は、通常モードに分類する。
(掘削装置動作判定)
出力管理部140は、油圧要求演算部120で(1)式から算出された油圧要求出力Pwr_pmp_reqに基づいて、リフトシリンダ13およびバケットシリンダ14のいずれが動作中であるかを判定する。油圧要求出力Pwr_pmp_reqが、たとえばポンプ圧力×最小吐出流量で算出される設定値以上であれば、出力管理部140はリフトシリンダ13およびバケットシリンダ14が動作中であると判定する。
なお、油圧要求出力Pwr_pmp_reqに代えて、操作装置31の操作を検出してリフトシリンダ13およびバケットシリンダ14のいずれが動作中であるかを判定してもよい。この場合、操作装置31からレバー信号が出力されていることを検出するセンサ、たとえば、レバー信号が油圧信号の場合は圧力センサを設け、出力管理部140は、センサによって検出された検出値を用いて上記シリンダ13〜14のいずれかが動作中であると判定すればよい。また、リフトシリンダ13およびバケットシリンダ14の伸縮速度を検出するセンサを設け、出力管理部140は、センサにより検出された検出速度を用いて判定してもよい。
(傾転角増加指令)
さらに、出力管理部140は、以下の3つの条件(i)〜(iii)を満たす場合に、油圧ポンプ9の傾転角を増加するための傾転角増加指令dDpmp_tを下記(5)式にしたがって算出する。
(i)ハイブリッド式作業車両200が回生運転中と判定されている。
(ii)走行電動機7F,7Rの余剰電力で発電電動機5が駆動されているとき、リフトシリンダ13およびバケットシリンダ14のいずれも動作中でないと判定されている。
(iii)エンジン1が高回転モードと判定されている。
出力管理部140は、エンジンコントローラ2から入力されたエンジン回転数Nengと、第1設定閾値Neng_th1とを用いて、以下の(5)式により傾転角増加指令dDpmp_tを算出する。
dDpmp_t=max{KnD(Neng−Neng_th1),0}…(5)
ただし、KnDは、第1設定閾値Neng_th1と実回転数Nengの差から傾転角増加指令を算出する比例定数であり、あらかじめメインコントローラ100に記憶されている。
なお、走行電動機7F,7Rの余剰電力で電動発電機5が駆動されている場合であっても、リフトシリンダ13およびバケットシリンダ14のいずれかが動作中である場合には、出力管理部140は傾転角増加指令dDpmp_tを0に設定する。また、力行運転中と判定された場合には、出力管理部140は傾転角増加指令dDpmp_tを0に設定する。さらに、回生運転中、回生電力の全量がキャパシタ3に充電することができず余剰電力が0でなく、かつ、油圧ポンプ9の負荷が小さいときには、出力管理部140は、(5)式で算出された傾転角増加指令dDpmp_tを出力する。その結果、油圧ポンプ9の傾転角が大きくなって余剰電力の消費量が増加する。
回生運転中に上記の(5)式に基づいて傾転角増加指令dDpmp_tが算出された場合、エンジン回転数Nengが高くなるほど傾転角増加指令dDpmp_tが大きくなり、油圧ポンプ9の吐出容量が大きくなる。この結果、エンジン回転数Nengが高くなるほど、油圧ポンプ9の負荷トルク、すなわち回生電力消費量を大きくすることができる。その結果、回生制動力も大きくなる。
(回生電力低減指令)
出力管理部140は、走行電動機7F,7Rの余剰電力で発電電動機5が駆動され、かつエンジン1が高回転モードと判定された場合に、走行電動機7F,7Rが発電する回生トルクを低減するための回生電力低減指令dPwr_mot_tを算出する。出力管理部140は、エンジンコントローラ2から入力されたエンジン回転数Nengと、第2設定閾値Neng_th2とを用いて、以下の(6)式により回生電力低減指令(回生電力低減目標値)dPwr_mot_tを算出する。
dPwr_mot_t=max{KnP(Neng−Neng_th2),0}…(6)
なお、(6)式において、KnPは、第2設定閾値Neng_th2と実エンジン回転数Nengとの差から回生電力低減指令を算出する比例定数である。
エンジン1が通常モード、低回転モード、回転抑制モードのいずれかの場合には、出力管理部140は回生電力低減指令dPwr_mot_tを0に設定する。
上記の(6)式に基づいて回生電力低減指令dPwr_mot_tが算出されると、エンジン回転数Nengが高くなるほど、回生電力低減指令dPwr_mot_tが大きくなり、走行電動機7F,7Rの回生電力が小さくなる。この結果、エンジン回転数Nengが高くなるほど、余剰電力Pwr_supを小さくすることができる。
この回生電力低減指令制御は、エンジン1の回転数が高速域で走行しているときに、例えば、アクセルペダルを解放して作業車両200が回生運転に入るような場合にて、余剰電力Pwr_supが大きすぎることに伴うエンジン回転数Nengの過回転を防止することができる。
(消費電力)
出力管理部140は、ハイブリッド式作業車両200が回生運転中であると判定した場合に、走行電動機7F,7Rで発生する回生電力のうち発電電動機5で消費すべき電力である消費電力Pwr_cnsを算出する。出力管理部140は、(4)式で算出した余剰電力Pwr_supと、(6)式で算出した回生電力低減指令dPwr_mot_tとを用いて、以下の(7)式から消費電力Pwr_cnsを算出する。
wr_cns=max(Pwr_sup−dPwr_mot_t,0)…(7)
ただし、出力管理部140は、ハイブリッド式作業車両200が力行運転中と判定した場合には、消費電力Pwr_cnsを0に設定する。
上記の(7)式を用いて消費電力Pwr_cnsを算出すると、出力管理部140は、走行要求出力Pwr_drv_reqと消費電力Pwr_cnsに基づいて、以下の式(8)から発電出力指令(発電出力目標値)Pwr_gen_tを算出する。
wr_gen_t=max(Pwr_drv_req,0)−Pwr_cns …(8)
力行運転時と回生運転時に(8)式で算出される発電出力指令Pwr_gen_tをまとめると以下のとおりである。
力行運転時、消費電力Pwr_cnsは0に設定され、また、走行要求出力Pwr_drv_reqは正の値をとるので、(8)式の発電出力指令Pwr_gen_tは、(3)式で算出される走行要求出力Pwr_drv_reqとなる。一方、回生運転時、走行要求出力Pwr_drv_reqは負の値をとるので、(8)式の発電出力指令Pwr_gen_tは、(7)式で算出される消費電力Pwr_cnsとなる。
換言すると、力行時の発電出力指令Pwr_gen_tは走行要求出力Pwr_drv_reqであり、回生時の発電出力指令Pwr_gen_tは消費電力Pwr_cnsであり、負の値をとる。
出力管理部140は、油圧要求演算部120からの油圧要求出力Pwr_pmp_reqと、(8)式で算出した発電出力指令Pwr_gen_tとを用いて、以下の(9)式によりエンジン出力指令(エンジン出力目標値)Pwr_eng_tを算出する。
wr_eng_t=Pwr_pmp_req+Pwr_gen_t …(9)
力行運転時と回生運転時に(9)式で算出されるエンジン出力指令Pwr_eng_tをまとめると以下のとおりである。
力行運転時、出力管理部140が算出するエンジン出力指令Pwr_eng_tは、ポンプ要求流量qpmp_reqとポンプ圧力ppmpとの積である油圧要求出力Pwr_pmp_req((1)式で算出される)に、(8)式で算出した走行要求出力Pwr_drv_reqである発電出力指令Pwr_gen_tを加算したものとなる。
回生運転時、出力管理部140が算出するエンジン出力指令Pwr_eng_tは、ポンプ要求流量qpmp_reqとポンプ圧力ppmpとの積である油圧要求出力Pwr_pmp_req((1)式で算出される)に、(7)式で算出した消費電力Pwr_cnである発電出力指令Pwr_gen_tを加算したものとなる。
換言すると、力行時のエンジン出力指令Pwr_eng_tは油圧要求出力Pwr_pmp_reqに走行要求出力Pwr_drv_reqを加算したものであり、回生時のエンジン出力指令Pwr_eng_tは油圧要求出力Pwr_pmp_reqから消費電力Pwr_cnsを減算したものである。油圧要求出力Pwr_pmp_reqが0の場合、エンジン出力指令Pwr_eng_tは消費電力Pwr_cnsとなる。
アクセルペダルが踏み込まれていないときは、走行要求出力Pwr_drv_reqと消費電力Pwr_cnはともにゼロであり、(9)式のエンジン出力指令Pwr_eng_tは油圧要求出力Pwr_pmp_reqとなる。すなわち、エンジン回転数は操作装置の操作量に応じて大きくなる。
−目標回転数演算部150−
目標回転数演算部150は、エンジンコントローラ2に送信するエンジン回転数指令(エンジン回転数目標値)Neng_tを算出する。目標回転数演算部150は、出力管理部140で算出されたエンジン出力指令Pwr_eng_tに基づいて、エンジン等燃費マップを用いて、最もエンジン効率が高くなる動作点を算出する。そして、目標回転数演算部150は、算出した動作点でのエンジン回転数をエンジン回転数指令Neng_tとする。エンジンコントローラ2は、エンジン回転数指令Neng_tを目標回転数演算部150から受信すると、そのエンジン回転数指令が示すエンジン回転数でエンジン1を回転させる。
−発電電動機制御部160−
発電電動機制御部160には、エンジンコントローラ2からのエンジン回転数Nengと、出力管理部140からの発電出力指令Pwr_gen_tと、目標回転数演算部150からのエンジン回転数指令Neng_tとが入力される。発電電動機制御部160は、これらの値を用いて、以下の(10)式によって発電電動機トルク指令(発電電動機トルク目標値)Trq_gen_tを算出する。
rq_gen_t=max{K(Neng_t−Neng),0}−Pwr_gen_t/Neng …(10)
ただし、Kは、エンジン回転数Nengとエンジン回転数指令Neng_tとの差から発電電動機トルクを算出する比例定数である。
そして、発電電動機制御部160は、算出した発電電動機トルク指令Trq_gen_tを発電インバータ6へ送信する。これにより、発電電動機5が駆動制御される。
力行運転時と回生運転時に(10)式で算出される発電電動機トルク指令Trq_gen_tをまとめると以下のとおりである。
力行運転時、エンジン回転数指令Neng_tはエンジン回転数Nengより大きい。したがって、力行運転時、発電電動機制御部160は、K(Neng_t−Neng)で求めた要求トルクから、エンジン出力指令Pwr_eng_tをエンジン回転数Nengで除して得られるトルクを減算することにより、発電電動機トルク指令Trq_gen_tを算出する。力行運転時のエンジン出力指令Pwr_eng_tは、油圧要求出力Pwr_pmp_reqに走行要求出力Pwr_drv_reqを加算したものである。
一方、回生運転時、エンジン回転数指令Neng_tはエンジン回転数Nengより小さい。また、回生時のエンジン出力指令Pwr_eng_tは油圧要求出力Pwr_pmp_reqに消費電力Pwr_cnsを加算したものである。したがって、回生運転時に発電電動機制御部160が算出する発電電動機トルク指令Trq_gen_tは、油圧要求出力Pwr_pmp_reqから消費電力Pwr_cnsを減算した値をエンジン回転数Nengで除して得られるトルクとなる。
−傾転角制御部170−
傾転角制御部170は、下記の(11)式に基づいて傾転角制御信号VDp_tを算出して、この傾転角制御信号に基づいて油圧ポンプ9の図示しないレギュレータを駆動することによって、油圧ポンプ9の傾転角、すなわち容量を制御する。傾転角制御部170は、エンジンコントローラ2からのエンジン回転数Nengと、油圧要求演算部120からのポンプ要求流量qpmp_reqと、ポンプ増加流量ΔqQupと、出力管理部140からの傾転角増加指令dDpmp_tとを用いて、以下の(11)式によって傾転角制御信号VDp_tを算出する。
Dp_t=KDp{(qpmp_req+sign(Qupsw)・ΔqQup)/Neng}+dDpmp_t …(11)
なお、KDpは、油圧ポンプの傾転角を目標値とするために必要な傾転制御信号を算出するための比例定数である。
また、力行運転中と判定された場合には、出力管理部140は傾転角増加指令dDpmp_tを0に設定する。さらに、回生運転中、回生電力の全量がキャパシタ3に充電することができず余剰電力が0でなく、かつ、油圧ポンプ9の負荷が小さいときには、出力管理部140は、(5)式で算出された傾転角増加指令dDpmp_tを出力する。その結果、油圧ポンプ9の傾転角が大きくなって余剰電力の消費量が増加する。
傾転角増加指令dDpmp_tが0の場合、すなわち、(1)力行運転中と判定された場合、または、(2)走行電動機7F,7Rの余剰電力で発電電動機5が駆動され、リフトシリンダ13およびバケットシリンダ14のいずれかが動作中の場合には、傾転角制御信号VDp_tが以下のように設定される。すなわち、操作装置31を介してオペレータから要求されるポンプ要求流量に実際のポンプ吐出流量が保持されるように傾転角制御信号VDp_tが設定される。したがって、油圧ポンプ9の傾転角は、油圧ポンプ9の吐出量がオペレータによって要求する値(ポンプ要求流量)に保持されるように、エンジン1、発電電動機5または油圧ポンプ9の回転数の増加に合わせて小さくなるように制御される。
−走行電動機・ブレーキ制御部180−
走行電動機・ブレーキ制御部180には、走行要求演算部130で(2)式から算出された走行要求トルクTrq_drv_reqと、回転数センサ22からの走行電動機回転数Nmotと、出力管理部140で(6)式から算出された回生電力低減指令dPwr_mot_tとが入力されている。走行電動機・ブレーキ制御部180は、これらの値を用いて、以下の(12)式によって走行電動機トルク指令Trq_mot_tを算出する。
rq_mot_t=sign(Trq_drv_req)・max{|Trq_drv_req
−(dPwr_mot_t)/|Nmot|,0} …(12)
ただし、signは符号関数であり、引数が正の場合は1を、負の場合は「−1」を、0の場合は「0」を返すものとする。
走行電動機・ブレーキ制御部180は、算出した走行電動機トルク指令Trq_mot_tを走行インバータ8F,8Rに送信する。これにより、走行電動機7F,7Rの力行・回生が制御される。すなわち、走行電動機・ブレーキ制御部180は、アクセルペダル踏込量と、ブレーキペダル踏込量と、選択された速度段とに基づいて(2)式で算出した走行要求トルクTrq_drv_reqの絶対値を算出する。力行運転時、走行要求トルクTrq_drv_reqは正、回生電力低減指令dPwr_mot_tがゼロなので、(12)式で算出される走行電動機トルク指令Trq_mot_tは走行要求トルクTrq_drv_reqとなる。
回生運転時、回生電力の全量をキャパシタ3に充電することができず余剰電力が0でなく、かつ、エンジンが第2設定閾値Neng_th2以上の高速で運転されているとき(エンジンが高速モードのとき)、(6)式から回生電力低減指令値dPwr_mot_tが算出される。走行要求トルクの絶対値|Trq_drv_req|から、回生電力低減指令dPwr_mot_tを走行電動機回転数Nmotの絶対値で除して求めた回生電力低減トルクを減算する。この減算結果は、走行要求トルクTrq_drv_reqが負のときは負の値となり、負の値を有する走行電動機トルク指令Trq_mot_t、すなわち、回生制動トルク指令となる。
また、走行電動機・ブレーキ制御部180は、(12)式から算出した走行電動機トルク指令Trq_mot_tと、走行要求トルクTrq_drv_reqと、走行電動機回転数Nmotとを用いて、以下の(13)式により制動トルク指令Trq_brk_tを算出する。
rq_brk_t=max{−sign(Nmot)・(Trq_drv_req−Trq_mot_t),0}
…(13)
ただし、signは符号関数であり、引数が正の場合は1を、負の場合は「−1」を、0の場合は「0」を返すものとする。
(13)式により制動トルク指令Trq_brk_tは次のように算出される。まず、アクセルペダル踏込量と、ブレーキペダル踏込量と、選択された速度段とに基づいて(2)式で算出した走行要求トルクTrq_drv_reqから、(12)式で算出した走行電動機トルク指令Trq_mot_tが減算される。力行運転時、走行電動機トルク指令Trq_mot_tは走行要求トルクTrq_drv_reqであるから、制動トルク指令Trq_brk_tはゼロである。
回生運転時、走行要求トルクTrq_drv_reqも走行電動機トルク指令Trq_mot_tもいずれも負であり、また、走行要求トルクTrq_drv_reqの絶対値は走行電動機トルク指令Trq_mot_tの絶対値よりも大きいので、(Trq_drv_req−Trq_mot_t)は負である。符号関数{−sign(Nmot)}は電動機が前進(正転)しているときは「−1」、電動機が後進(逆転)しているときは「1」である。したがって、前進時の回生運転時は、{−sign(Nmot)・(Trq_drv_req−Trq_mot_t)}が正となり、この正の値が回生運転時の制動トルク指令Trq_brk_tとして選択されて使用される。
−ブレーキ制御部190−
走行電動機・ブレーキ制御部180で演算された制動トルク指令Trq_brk_tから次式(14)を用いてブレーキ制御信号Vbrk_tを演算する。
brk_t=Kbrkrq_brk_t …(14)
ただし、Kbrkは、制動トルク指令Trq_brk_tと油圧ブレーキの実際の制動トルクとが一致するように予め設定された比例定数である。
ブレーキ制御信号Vbrk_tに基づいて油圧ブレーキ制御弁35a,35bが駆動され、油圧ブレーキ36a,36bが車輪18を制動する。これが回生協調時の機械的ブレーキ力である。
−メインコントローラ100の処理−
以下、吐出容量増加スイッチ41がオン操作された場合にメインコントローラ100により行われる処理について詳細に説明する。吐出容量増加スイッチ41は、操作装置31の操作に応じたリフトシリンダ13およびバケットシリンダ14の動作の応答性を高めることが要求される作業を行う際に操作される。たとえば、バケット20内の積荷、たとえば粘土質や雪等の粘性の高い積荷をショックダンプによって排出するような、操作装置31の操作に際してリフトシリンダ13やバケットシリンダ14を急激に操作することが必要とされる場合に吐出容量増加スイッチ41がオン操作される。本発明によるハイブリッド式作業車両では、このような作業は、アクセルペダルが操作されず、ブレーキペダルが操作された状態にて行われる。
吐出容量増加スイッチ41がオン操作されている場合、油圧要求演算部120は、上述した式(1)を用いて、ポンプ要求流量qpmp_reqにポンプ増加流量ΔqQupを加算して得たポンプ要求流量にポンプ圧力ppmpを乗じて油圧要求出力Pwr_pmp_reqを算出する。本実施の形態においては、ポンプ増加流量ΔqQupは図7(b)に示すように操作装置31の操作量に対する増量分として予め定められている。
油圧要求出力Pwr_pmp_reqが決まると、出力管理部140によって式(9)を用いて算出されるエンジン出力指令Pwr_eng_tは、ポンプ増加流量ΔqQupとして加算された値が反映され、増加する。すなわち、エンジン1の回転数指令は、加算されたポンプ増加流量ΔqQupに応じて大きくなる。
図7(a)に、操作装置31の操作量と油圧ポンプ9からアクチュエータへ供給すべき流量、すなわちポンプ要求流量との関係、および操作装置31の操作量とエンジン1の回転数との関係を示す。図7(a)においては、吐出容量増加スイッチ41がオン操作されていない場合の操作量とポンプ要求流量との関係をL1、吐出容量増加スイッチ41がオン操作されている場合の操作量とポンプ要求流量との関係をL2として示す。吐出容量増加スイッチ41がオン操作されていない場合の操作量とエンジン回転数との関係をL3、吐出容量増加スイッチ41がオン操作されている場合の操作量とエンジン回転数との関係をL4として示す。また、図7(a)において、操作装置31の操作量(レバー信号)を、操作量の小さい方から順次、「O1」、「O2」、「O3」、「O4」と便宜的に示す。
図7(b)は、操作装置31の操作量とポンプ増加流量ΔqQupとの関係を示す図である。操作量が「O1」〜「O2」の間ではンプ増加流量ΔqQupは最大値であり、操作量が「O2」を超える範囲では操作量「O3」でポンプ増加流量ΔqQupがゼロとなるような特性が設定されている。
吐出容量増加スイッチ41がオン操作されていない場合には、関係L1に示すように操作装置31の操作量が「O1」〜「O2」の間ではポンプ要求流量は「Q0」に設定され、操作量が「O2」を超えると、ポンプ要求流量が操作装置31の操作量に応じて増加する。図7(a)に示す例においては、操作装置31の操作量が「O3」のときにポンプ要求流量が所定値Qxとなるように設定される。この場合、関係L3に示すように、エンジン回転数は、操作装置31の操作量の増加に伴って、式(9)にしたがって、回転数X1〜X2の間で増加する。
吐出容量増加スイッチ41がオン操作されている場合には、関係L2に示すように、操作装置41の操作量が「O1」〜「O3」の間では、操作装置31の操作量にかかわらず、ポンプ要求流量は上記の所定値Qxとなるように設定される。すなわち、ポンプ増加流量ΔqQupは、(Qx−Q0)である。操作量が「O3」を超えると、操作装置31の操作量に応じてポンプ要求流量も増加する。
すなわち、吐出容量増加スイッチ41がオン操作されたとき、O1〜O3の範囲で上述した式(1)で用いられるポンプ増加流量ΔqQupは、レバー操作量がゼロのときでも、ポンプ要求流量qpmp_reqが所定値Qxとなる値として決定される。この場合、関係L4に示すように、操作装置31の操作量が「O1」の場合に、エンジン回転数はX3(>X1)となり、操作量が「O4」まで増加する間に、エンジン回転数はX2に増加する。操作装置31の操作量が「O1」、「O2」の範囲では、関係L2に示すようにして増加されたポンプ要求流量Qxにより、エンジン1の回転数は、関係L3に示す回転数X1と比較して高回転となる。すなわち、操作装置31の操作量が小さい場合であっても、エンジン1の回転数は、ポンプ要求流量の増加分に相当する回転数分だけ増加する。換言すると、ポンプ増加流量ΔqQupに相当するポンプ吸収トルクだけエンジン出力を増加させる。
図8に示すフローチャートを用いて、メインコントローラ100による処理を説明する。図8の処理はメインコントローラ100でプログラムを実行して行われる。このプログラムは、メモリ(不図示)に格納されており、ハイブリッド式作業車両200の図示しないイグニッションスイッチがオンされると、メインコントローラ100によってプログラムが起動され、実行される。
ステップS1では、吐出容量増加スイッチ41がオン操作されたか否かを判定する。吐出容量増加スイッチ41からオン操作に応じた操作信号を入力した場合には、ステップS1が肯定判定されてステップS2へ進む。吐出容量増加スイッチ41からオン操作に応じた操作信号を入力しない場合には、ステップS1が否定判定されてステップS4へ進む。ステップS2では、ポンプ要求流量が式(1)に示すポンプ増加流量ΔqQup分増加されたポンプ要求流量となるように設定し、式(9)を用いてエンジン出力指令Pwr_eng_1を算出してステップS3へ進む。すなわち、操作装置31の操作量にかかわらず、ポンプ要求流量が関係L2となるように油圧ポンプ9の傾転角を増加させ、エンジン1の回転数がポンプ増加流量ΔqQup分に相当する回転数だけ増加して関係L4に示すように制御される。
ステップS3では、吐出容量増加スイッチ41がオフ操作されたか否かを判定する。吐出容量増加スイッチ41が再度操作されず、オフ操作が行われていない場合には、ステップS3が否定判定されて処理を終了する。吐出容量増加スイッチ41が再度操作され、オフ操作に応じた操作信号を入力した場合には、ステップS3が肯定判定されてステップS4へ進む。ステップS4では、式(1)に示すポンプ増加流量ΔqQupを「0」に設定し、式(9)を用いてエンジン出力指令Pwr_eng_tを算出してステップS5へ進む。すなわち、操作装置31の操作量に応じて、ポンプ要求流量が関係L1となるように油圧ポンプ9の傾転角が制御され、エンジン1の回転数が関係L3に示すように制御される。ステップS5では、吐出容量増加スイッチ41がオン操作されたか否かを判定する。吐出容量増加スイッチ41がオン操作され、オン操作に応じた操作信号を入力した場合には、ステップS5が肯定判定されてステップS2へ進む。吐出容量増加スイッチ41が操作されず操作信号を入力しない場合には、ステップS5が否定判定されて処理を終了する。
なお、吐出容量増加スイッチ41のオン操作に応じてポンプ要求流量が増加されてから所定時間が経過したときにポンプ要求流量の増加を終了させる構成とする場合には、ステップS3において、ステップS1にて吐出容量増加スイッチ41がオン操作されてから所定時間が経過した否かを判定すればよい。所定時間が経過している場合には、ステップS3が肯定判定されてステップS4へ進み、所定時間が経過していなければステップS3が否定判定されて処理が終了する。
上述した実施の形態によるハイブリッド式作業車両によれば、次の作用効果が得られる。
(1)増加指令部材すなわち吐出容量増加スイッチ41はポンプ要求流量の増加を指示する増加指令を出力する。メインコントローラ100は、吐出容量増加スイッチ41がオン操作されていない場合には、操作装置31の操作量に応じたポンプ要求流量、すなわち油圧要求出力に応じてエンジン出力を式(1)に基づいて演算する。メインコントローラ100は、演算されたエンジン出力に応じた回転数となるようにエンジンを駆動制御する。一方、メインコントローラ100は、操作装置31の操作量に応じたポンプ要求流量に対応したポンプ押除け容積を演算し、式(11)に基づき傾転制御信号を演算してレギュレータを駆動制御する。これにより、油圧ポンプ9からリフトシリンダ13とバケットシリンダ14へ供給する圧油の流量が制御される。以上が本発明によるハイブリッド式作業車両の前提となる制御処理である。
メインコントローラ100は、吐出容量増加スイッチ41がオン操作されている場合、操作装置31の操作量が所定範囲にある時は、好ましくはフル操作量の75%程度までの操作範囲「O1」〜「O3」では、油圧ポンプ9からリフトシリンダ13とバケットシリンダ14へ供給される圧油の流量を増加させる。
したがって、「O1」〜「O3」の範囲で操作装置31が操作された場合、吐出容量増加スイッチ41が操作されていない場合に比べて油圧ポンプ9の押除け容積が大きめに、またエンジン回転数もその分だけ大きく設定されているので、リフトシリンダ13およびバケットシリンダ14への圧油の流量を迅速に増加させることができる。すなわち、これら両アクチュエータを即座に、大きな速度で駆動させることができるので、リフトシリンダ13およびバケットシリンダ14を操作装置31の操作に対して高い応答性にて駆動させることができる。
(2)メインコントローラ100は、吐出容量増加スイッチ41が操作されると、油圧ポンプ9の傾転角を増加させることにより吐出容量をポンプ増加流量ΔqQupだけ増加させる。このとき、ポンプ吸収トルクは(ポンプ増加流量ΔqQup/Neng)・ポンプ圧力Ppmpだけ増加する。メインコントローラ100は、油圧ポンプ9の吐出容量の増加、すなわちポンプ吸収トルクの増加に応じてエンジン1の回転数を増加させる。したがって、可変容量油圧ポンプの押除け容積だけを大きくする場合に比べて、操作装置31が急激に操作されたときにリフトシリンダ13やバケットシリンダ14に供給される圧油の流量が大きい。
(3)メインコントローラ100は、ポンプ要求流量指令に基づく押除け容積制御とエンジン回転数制御が実行中に吐出容量増加スイッチ41から増加指令が入力されると、ポンプ要求流量指令および増加指令に基づく押除け容積制御とエンジン回転数制御を開始し、その後、吐出容量増加スイッチ41から増加指令が入力されたときは、ポンプ要求流量指令に基づく押除け容積制御とエンジン回転数制御を実行する。
具体的には、吐出容量増加スイッチ41がオン操作され、油圧ポンプ9からリフトシリンダ13とバケットシリンダ14へ供給される圧油の流量が増加されているときに、吐出容量増加スイッチ41が再度操作されると、メインコントローラ100は、リフトシリンダ13とバケットシリンダ14へ供給される圧油流量の増加制御を終了する。したがって、圧油の吐出容量が増加された状態が継続して、燃費を悪化させることを防止できる。
なお、上述したように、吐出容量増加スイッチ41から増加指令が入力された時刻から所定時間が経過したときに、増加指令を用いたポンプ要求流量指令に基づく押除け容積制御とエンジン回転数制御を中止して、ポンプ要求流量指令に基づく押除け容積制御とエンジン回転数制御を実行するようにしてもよい。この場合も、圧油の吐出容量が増加された状態が継続して、燃費を悪化させることを防止できる。
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(1)実施形態のハイブリッド式作業車両200では、一対の走行電動機7F,7Rを使用しているが、一つの走行電動機を使用した作業車両でもよい。
(2)実施形態のメインコントローラ100では、(1)式〜(14)式により、エンジン1、発電電動機5,走行電動機7F,7R、ブレーキ弁35bなどを駆動制御するようにしたが、これは一例である。異なる数式を採用して同様の装置を駆動制御するように設計されたメインコントローラを採用することもできる。
(3)実施形態のハイブリッド式作業車両200は、1速〜3速の速度段を設定したが、1速と2速の速度段を有する作業車両でもよく、4段以上の速度段を有するようにしてもよい。
(4)エンジン1により駆動された発電電動機5によって車輪18を駆動するシリーズハイブリッド式を用いるものに代えて、エンジン1により走行駆動力を得るとともに、エンジン1により駆動された発電電動機5による電力で駆動される走行電動機により走行駆動力を得るようにしたパラレルハイブリッド式やシリーズパラレル式のハイブリッド車両に本発明を適用してもよい。
(5)実施形態の作業車両はホイールローダで説明したが、エンジンで駆動される発電電動機と、発電電動機の電力で駆動される走行電動機と、エンジンで駆動される可変容量油圧ポンプと、可変容量油圧ポンプから吐出される圧油で駆動される油圧アクチュエータと、要求トルク指令を出力するアクセルペダルと、ポンプ要求流量指令を出力する作業操作部材と、可変容量油圧ポンプの押除け容積を所定値増加させる増加指令を出力する増加指令部材と、要求トルク指令、ポンプ要求流量指令および増加指令が入力され、非走行作業時は、ポンプ要求流量指令および増加指令に基づいて、エンジンの回転数と可変容量油圧ポンプの押除け容積を制御し、非作業走行時は、要求トルク指令に基づいてエンジンの回転数を制御するとともに、ポンプ要求流量指令および増加指令に基づいて可変容量油圧ポンプの押除け容積を制御するコントローラを備える、種々のハイブリッド式作業車両に本発明を適用できる。
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
1……エンジン、 3…蓄電装置、
5…発電電動機、 7F,7R…走行電動機、
9…油圧ポンプ、 12…ステアリングシリンダ、
13…リフトシリンダ、 14…バケットシリンダ、
31…操作装置、 40…シフトスイッチ
41…吐出容量増加スイッチ、
100…メインコントローラ、 110…蓄電管理部、
120…油圧要求演算部、 130…走行要求演算部、
140…出力管理部、 150…目標回転数演算部、
160…発電電動機制御部、 170…傾転角制御部、
180…走行電動機・ブレーキ制御部、 200…ハイブリッド式作業車両

Claims (5)

  1. エンジンで駆動される発電電動機と、
    前記発電電動機の電力で駆動される走行電動機と、
    前記エンジンで駆動される可変容量油圧ポンプと、
    前記可変容量油圧ポンプから吐出される圧油で駆動される油圧アクチュエータと、
    要求トルク指令を出力するアクセルペダルと、
    ポンプ要求流量指令を出力する作業操作部材と、
    前記可変容量油圧ポンプの押除け容積を所定値増加させる増加指令を出力する増加指令部材と、
    前記ポンプ要求流量指令が入力されると、前記ポンプ要求流量指令に基づいて前記エンジンの回転数と前記可変容量油圧ポンプの押除け容積を制御し、前記ポンプ要求流量指令および前記増加指令が入力されると、前記ポンプ要求流量指令および前記増加指令に基づいて前記エンジンの回転数と前記可変容量油圧ポンプの押除け容積を制御し、前記要求トルク指令が入力されると、その要求トルク指令も用いて前記エンジンの回転数を制御する制御部とを備えるハイブリッド式作業車両。
  2. 請求項1に記載のハイブリッド式作業車両において、
    前記制御部は、前記増加指令が入力されると、前記ポンプ要求流量指令を所定値増加させたときの前記可変容量油圧ポンプの吸収トルクに応じたエンジン出力を演算し、その演算結果に基づいて前記エンジンの回転数を制御するハイブリッド式作業車両。
  3. 請求項1または2に記載のハイブリッド式作業車両において、
    前記制御部は、前記ポンプ要求流量指令に基づく押除け容積制御とエンジン回転数制御を実行中に前記増加指令が入力されると、前記ポンプ要求流量指令および前記増加指令に基づく押除け容積制御とエンジン回転数制御を開始し、その後、前記増加指令が入力されたときは、前記ポンプ要求流量指令に基づく押除け容積制御とエンジン回転数制御を実行するハイブリッド式作業車両。
  4. 請求項1または2に記載のハイブリッド式作業車両において、
    前記制御部は、前記増加指令が入力されると、前記ポンプ要求流量指令および前記増加指令に基づく押除け容積制御とエンジン回転数制御を開始し、前記増加指令の入力から所定時間以上経過したとき、前記ポンプ要求流量指令と前記増加指令に基づく押除け容積制御とエンジン回転数制御を中止して、前記ポンプ要求流量指令に基づく押除け容積制御とエンジン回転数制御を実行するハイブリッド式作業車両。
  5. 請求項4に記載のハイブリッド式作業車両において、
    前記所定時間を設定する設定部をさらに備えるハイブリッド式作業車両。
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